JP2003130181A - デファレンシャル装置 - Google Patents

デファレンシャル装置

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JP2003130181A
JP2003130181A JP2001324922A JP2001324922A JP2003130181A JP 2003130181 A JP2003130181 A JP 2003130181A JP 2001324922 A JP2001324922 A JP 2001324922A JP 2001324922 A JP2001324922 A JP 2001324922A JP 2003130181 A JP2003130181 A JP 2003130181A
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JP2001324922A
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English (en)
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Sunao Mogami
直 最上
Hiroyuki Usui
弘至 臼井
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GKN Driveline Japan Ltd
Original Assignee
Tochigi Fuji Sangyo KK
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H48/00Differential gearings
    • F16H48/38Constructional details
    • F16H48/42Constructional details characterised by features of the input shafts, e.g. mounting of drive gears thereon
    • F16H2048/423Constructional details characterised by features of the input shafts, e.g. mounting of drive gears thereon characterised by bearing arrangement
    • F16H2048/426Constructional details characterised by features of the input shafts, e.g. mounting of drive gears thereon characterised by bearing arrangement characterised by spigot bearing arrangement, e.g. bearing for supporting the free end of the drive shaft pinion

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 イニシャルトルク用の付勢部材を位置決め
し、組み付けを容易にする。 【解決手段】 カバー21とケーシング本体19からな
り、原動機の駆動力によって回転するデフケース3と、
その回転を車輪側に配分する差動機構9と、差動機構9
の差動を制限する摩擦クラッチ11,11と、クラッチ
11,11を予圧してイニシャルトルクを与える付勢部
材13,13とを備え、カバー21とケーシング本体1
9上に、付勢部材13を支持し位置決めする位置決め部
15,17を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、付勢部材の予圧
機能(イニシャルトルク付与機能)による一定の差動制
限力を有すると共に、付勢部材の位置決め機能を備える
ことにより組み付けを容易にしたデファレンシャル装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】特開平9−89086号公報に図7のよ
うなデファレンシャル装置1001が記載されている。
【0003】デファレンシャル装置1001は、デフケ
ース1003、ベベルギア式の差動機構1005、一対
の多板クラッチ1007,1007、皿ばね1009,
1009などから構成されている。
【0004】差動機構1005は、両端をデフケース1
003に連結されたピニオンシャフト1011と、ピニ
オンシャフト1011上に支承されたピニオンギア10
13と、各ピニオンギア1013とそれぞれ噛み合った
一対の出力側サイドギア1015,1017などから構
成されている。
【0005】各サイドギア1015,1017は車軸1
019,1021を介してそれぞれの車輪側に連結され
ている。
【0006】エンジンの駆動力はドライブピニオンギア
1023からリングギア1025を介してデフケース1
003を回転させ、デフケース1003の回転はピニオ
ンシャフト1011からピニオンギア1013を介して
サイドギア1015,1017に配分され、各車輪側に
伝達される。
【0007】多板クラッチ1007,1007は、デフ
ケース1003とサイドギア1015,1017との間
にそれぞれ配置されており、各サイドギア1015,1
017の噛み合いスラスト力を受けて締結される。
【0008】サイドギア1015,1017の噛み合い
反力は伝達トルクに比例して大きくなるから、各多板ク
ラッチ1007が締結されると、その摩擦抵抗によって
トルク感応型の差動制限機能が得られる。
【0009】このトルク感応型差動制限機能によって差
動機構1005の差動回転が制限され、特に、大きな駆
動力が掛かる発進時や加速時などに、車両の操縦性、安
定性を向上させる。
【0010】しかし、悪路などのように駆動輪が空転し
易い条件では、トルク感応型の差動制限機構の場合、空
転車輪からトルクが逃げることによって差動制限機能が
低下し、必要な差動制限力が得られない。
【0011】従って、予圧手段によってイニシャルトル
ク(一定の差動制限力)を与える必要がある。
【0012】この予圧手段である皿ばね1009は、各
多板クラッチ1007とデフケース1003との間に配
置されており、各多板クラッチ1007をサイドギア1
015,1017側に押圧し、イニシャルトルクを与え
ている。
【0013】例えば、車両の発進時や加速時、あるい
は、悪路などで一方の駆動輪が大きく空転しようとする
と、各多板クラッチ1007のイニシャルトルクによ
り、グリップ側の車輪に駆動力が送られて、悪路走破性
が高く保たれ、発進性や加速性が向上する。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ところが、デファレン
シャル装置1001のように、皿ばね1009(付勢部
材)を備えたデファレンシャル装置では、一般に、デフ
ケースがケーシング本体とカバーから構成されており、
差動機構及び摩擦クラッチなどの構成部材とカバーは、
ケーシング本体に設けられた開口部から軸方向に組み付
けられる。
【0015】この場合、付勢部材を支持する位置決め機
能がないと、各構成部材(特に、カバー)をデフケース
の内部に組み付ける際に、付勢部材が所定の位置から外
れることがあり、例えば、付勢部材が他の部材の間に挟
まれて組み付けができないことがある。
【0016】従って、組み付けには特別の配慮が必要で
あり、また、再度の組み付け作業が必要になることもあ
る。
【0017】このように、従来のデファレンシャル装置
1001では、組み付けが極めて面倒であり、組み付け
コストが高い。
【0018】そこで、この発明は、イニシャルトルクを
与える付勢部材を位置決めすることによって組み付けを
容易にしたデファレンシャル装置の提供を目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】請求項1のデファレンシ
ャル装置は、原動機の駆動力によって回転するデフケー
スと、前記デフケースの回転を車輪側に配分する差動機
構と、前記差動機構の差動を制限する摩擦クラッチと、
前記摩擦クラッチを予圧してイニシャルトルクを与える
付勢部材とを備え、前記デフケースが、ケーシング本体
と、その軸方向に設けられた開口部に取り付けられるカ
バーとを有し、内部部材を前記開口部からケーシング本
体に組み付けた後、前記カバーをこの開口部に組み付け
るデファレンシャル装置であって、前記カバーまたは構
成部材の少なくとも1部材上に、前記付勢部材を支持し
位置決めする位置決め部を設けたことを特徴としてい
る。
【0020】原動機の駆動力は差動機構を介して各車輪
側に配分される。
【0021】また、摩擦クラッチには、付勢部材によっ
てイニシャルトルク(一定の差動制限力)が与えられて
おり、この差動制限力によって差動機構の差動回転が制
限される。
【0022】従って、車両の発進時、加速時、悪路など
で一側の駆動輪が空転しようとすると、イニシャルトル
クによってグリップ側の駆動輪に駆動力が送られて、発
進性、加速性、悪路走破性の低下が防止される。
【0023】これに加えて、本発明のデファレンシャル
装置では、カバーなどの構成部材上に、付勢部材の位置
決め部が設けられている。
【0024】上記のように、差動機構や摩擦クラッチな
どの構成部材とカバーを、ケーシング本体の開口部から
軸方向に組み付けるに当たっては、上記位置決め部の位
置決め機能により、付勢部材が所定の位置から外れる
(移動する)ことが防止される。
【0025】従って、組み付け作業中に付勢部材が、例
えば、他の部材の間に挟まれることが防止され、組み付
け(特に、カバーの組み付け)が容易になり、組み付け
に当たっての特別な配慮が不要になると共に、再度の組
み付けも不要になるから、組み付けコストが大幅に低減
される。
【0026】また、付勢部材は位置決め部の支持機能に
よって、センターリングされ、傾斜が防止されるから、
正確な押圧力によって所定のイニシャルトルクが得られ
ると共に、付勢部材と周辺部材とのカジリが防止され、
耐久性が向上する。
【0027】請求項2の発明は、請求項1に記載された
デファレンシャル装置であって、前記位置決め部が、前
記カバーとケーシング本体の一方または両方に設けられ
た段差部であり、前記段差部の径方向部分が、前記付勢
部材の内周と外周の少なくとも一方を支持し位置決めす
ると共に、前記段差部の軸方向深さが、イニシャルトル
クに必要な前記付勢部材の伸縮方向寸法より浅いことを
特徴としており、請求項1の構成と同等の作用・効果を
得ることができる。
【0028】また、位置決め部(段差部)をカバーとケ
ーシング本体の一方または両方に設けたこの構成では、
ケーシング本体に対するカバーの組み付けと、ケーシン
グ本体に対する各構成部材の組み付けが容易になる。
【0029】また、段差部の軸方向深さを、イニシャル
トルクに必要な付勢部材の伸縮方向寸法より浅くしたこ
とによって、所望のイニシャルトルクを設定することが
できる。
【0030】請求項3の発明は、請求項1に記載された
デファレンシャル装置であって、前記位置決め部が、前
記ケーシング本体の内周に設けられた支持部であり、前
記支持部が、前記付勢部材の外周を支持し位置決めする
ことを特徴としており、請求項1の構成と同等の作用・
効果を得ることができる。
【0031】請求項4の発明は、請求項1に記載された
デファレンシャル装置であって、前記位置決め部が、前
記差動機構を構成する出力側サイドギアに設けられた支
持部であり、前記支持部が、前記付勢部材の内周を支持
し位置決めすることを特徴としており、請求項1の構成
と同等の作用・効果を得ることができる。
【0032】請求項5の発明は、請求項1に記載された
デファレンシャル装置であって、前記差動機構が、ピニ
オンシャフトと、前記ピニオンシャフト上に支承された
ピニオンギアと、前記ピニオンギアと噛み合った一対の
出力側サイドギアからなるベベルギア式の差動機構であ
り、デフケースに移動自在に連結された一対のプレッシ
ャーリングと、前記ピニオンシャフトと各プレッシャー
リングとの間に設けられ、伝達トルクを受けて作動し各
プレッシャーリングを介して前記摩擦クラッチを押圧す
るカム機構とを備え、前記位置決め部が、前記プレッシ
ャーリングに設けられた段差部であり、前記段差部の径
方向部分が、前記付勢部材の内周と外周の少なくとも一
方を支持し位置決めすると共に、前記段差部の軸方向深
さが、イニシャルトルクに必要な前記付勢部材の伸縮方
向寸法より浅いことを特徴としており、請求項1の構成
と同等の作用・効果を得ることができる。
【0033】また、請求項2の構成と同様に、段差部の
軸方向深さを、イニシャルトルクに必要な付勢部材の伸
縮方向寸法より浅くしたことによって、所望のイニシャ
ルトルクを設定することができる。
【0034】なお、この構成のデファレンシャル装置で
は、デフケースを回転させる原動機の駆動力は各プレッ
シャーリングとカム機構とを介してピニオンシャフトに
伝達され、ピニオンギヤから各出力側サイドギヤに配分
されて、各車輪側に伝達される。
【0035】このとき、カム機構は伝達トルクを受けて
作動し、そのカムスラスト力により各プレッシャーリン
グを介して摩擦クラッチを押圧し締結する。このカムス
ラスト力は伝達トルクに比例するから、トルク感応型の
差動制限機能が得られ、大きな駆動力が掛かる発進時や
加速時などに、車両の操縦性、安定性を向上させる。
【0036】請求項6の発明は、請求項1〜5のいずれ
かに記載されたデファレンシャル装置であって、前記位
置決め部の前記付勢部材と接触する位置決め部分に、付
勢部材を径方向に位置決めするテーパー部が設けられて
いることを特徴としており、請求項1〜5の構成と同等
の作用・効果を得ることができる。
【0037】また、位置決め部に、付勢部材を径方向に
位置決めするテーパー部を設けたこの構成では、このテ
ーパー部によって付勢部材がセンターリングされ、姿勢
と位置が安定した付勢部材が正確な押圧力で摩擦クラッ
チを締結することにより、所定のイニシャルトルクが得
られる。
【0038】請求項7の発明は、請求項1〜6のいずれ
かに記載されたデファレンシャル装置であって、前記付
勢部材が、皿ばねであることを特徴としており、請求項
1〜6の構成と同等の作用・効果を得ることができる。
【0039】また、付勢部材に皿ばねを用いたこの構成
では、上記のような位置決め部の支持機能によって、皿
ばねの倒れが防止され、センターリングされるから、正
確な押圧力によって所定のイニシャルトルクが得られる
と共に、皿ばねと周辺部材とのカジリが防止され、耐久
性が向上する。
【0040】また、皿ばねは、狭いスペースにも配置が
可能であると共に、僅かな伸縮で大きな力が急激に発生
する。
【0041】従って、この構成のデファレンシャル装置
は、充分なイニシャルトルクが得られる上に、軽量、コ
ンパクト化が可能であり、車載性が向上する。
【0042】
【発明の実施の形態】[第1実施形態]図1と図2によ
ってデファレンシャル装置1の説明をする。
【0043】デファレンシャル装置1は請求項1,2,
7の特徴を備えている。また、左右の方向は図1及び図
2での左右の方向であり、符号を与えていない部材等は
図示されていない。
【0044】デファレンシャル装置1は、デフケース
3、プレッシャーリング5,5、カム7,7(カム機
構)、ベベルギア式の差動機構9、多板クラッチ11,
11(摩擦クラッチ)、左右の皿ばね13(付勢部
材)、段差部15,17(位置決め部)などから構成され
ている。
【0045】デファレンシャル装置1はデフキャリヤの
内部に配置されており、このデフキャリヤにはオイル溜
りが設けられている。
【0046】デフケース3は、ケーシング本体19とカ
バー21からなり、カバー21はボルト23でケーシン
グ本体19の左側開口部に固定されている。
【0047】デフケース3の左右のボス部25,27は
ベアリングによってデフキャリヤに支承されている。ま
た、デフケース3にはリングギアが固定されており、こ
のリングギアと噛み合うドライブピニオンギアは動力伝
達系を介してトランスミッション側に連結されている。
エンジン(原動機)の駆動力はトランスミッションとこ
の動力伝達系とを介してデフケース3を回転駆動する。
【0048】デフケース3の内周には、軸方向のラグ溝
29が周方向等間隔に形成されている。各プレッシャー
リング5は、外周に設けられた凸部31をこのラグ溝2
9にそれぞれ係合することによって、デフケース3と一
体回転しながら軸方向移動自在に連結されている。
【0049】カム7,7は、差動機構9のピニオンシャ
フト33の先端部分と各プレッシャーリング5との間に
それぞれ形成されており、デフケース3の回転は各プレ
ッシャーリング5からカム7,7を介してピニオンシャ
フト33に伝達され、差動機構9に入力する。
【0050】このとき、カム7,7は各プレッシャーリ
ング5からピニオンシャフト33に伝達されるトルクを
受けて作動し、生じたカムスラスト力によって各プレッ
シャーリング5を各多板クラッチ11に押圧し締結させ
る。
【0051】差動機構9は、複数本のピニオンシャフト
33と、各ピニオンシャフト33上に回転自在に支承さ
れたピニオンギア35と、左右から各ピニオンギア35
と噛み合った出力側のサイドギア37,39とで構成さ
れている。
【0052】各ピニオンシャフト33はハブ41を中心
にして放射状に、また、周方向等間隔に形成されてお
り、上記のラグ溝29はピニオンギア35の周方向に生
じたスペースと対向する位置に設けられている。
【0053】各サイドギア37,39にはそれぞれの軸
方向外側にボス部43,45が形成されており、右のサ
イドギア29のボス部45はケーシング本体19の支承
部47に支持されている。
【0054】また、左サイドギア37のボス部43には
ハブ49が溶接されており、サイドギア37はボス部4
3とハブ49を通して形成されたスプライン部51に連
結された左車軸を介して左車輪側に連結されており、左
車軸は周溝53に装着されたスナップリングによって軸
方向に位置決めされている。
【0055】また、右サイドギア39はボス部45に形
成されたスプライン部55に連結された右車軸を介して
右車輪側に連結されており、右車軸は周溝57に装着さ
れたスナップリングによって軸方向に位置決めされてい
る。
【0056】また、各プレッシャーリング5にはピニオ
ンギア35と対向する位置に球面ワッシャ部59が形成
されており、これらの球面ワッシャ部59は各ピニオン
ギア35の背面を支持し、その遠心力と噛み合い反力と
を受けている。
【0057】各多板クラッチ11はそれぞれケーシング
本体19の内周とボス部43,45(サイドギア37,
39)の外周との間に配置されている。そのアウタープ
レート61はケーシング本体19のラグ溝29に軸方向
移動自在に係合しており、インナープレート63はボス
部43,45にそれぞれ設けられたスプライン部65,
67に係合している。
【0058】また、プレッシャーリング5は各多板クラ
ッチ11とサイドギア37,39との間に挟まれて配置
されている。
【0059】左の皿ばね13は、カバー21と左多板ク
ラッチ11との間に配置されており、右の皿ばね13
は、ケーシング本体19の右側壁と右多板クラッチ11
との間に配置されている。
【0060】デファレンシャル装置1の組み付けが終了
した状態で、各皿ばね13はカバー21と多板クラッチ
11に突き当たり、また、ケーシング本体19と多板ク
ラッチ11に突き当たり、それぞれ所定の高さにまで撓
められることによって、多板クラッチ11,11を押圧
し、イニシャルトルクを与えている。
【0061】多板クラッチ11,11にはこのイニシャ
ルトルクによって、伝達トルクや差動回転速度とは無関
係に、一定の差動制限力が与えられている。
【0062】段差部15は、カバー21に設けられてお
り、左皿ばね13の外周を支持し、位置決めしている。
【0063】また、図2に示したように、段差部15の
軸方向深さDは、皿ばね13が多板クラッチ11にイニ
シャルトルクを与えるために撓められた状態の伸縮方向
(軸方向)の高さHより浅くしてあり、所望のイニシャ
ルトルクを設定できるようにされている。段差部17
は、ケーシング本体19の右側壁に設けられており、右
皿ばね13の外周を支持し、位置決めしている。
【0064】また、段差部17の軸方向深さは、段差部
15と同様に、皿ばね13が多板クラッチ11にイニシ
ャルトルクを与えるために撓められた状態の高さより浅
くしてあり、所望のイニシャルトルクを設定できるよう
にされている。又、段差部15、17の軸方向深さD
は、皿ばね13の板厚に対し深く設定されている。よっ
て、差動制限力の発生時にプレッシャーリング5、5が
多板クラッチ11をケーシング本体19及びカバー21
側へ押圧した状態時にアウタープレート61が段差部開
口端面に突き当てられ、位置決めされる為、皿ばね1
3、13が密着状態まで撓められることがない。従っ
て、皿ばね13、13の反り返りや、へたりを防止する
ことができ、安定したイニシャルトルクを確実に与える
ことができる。
【0065】また、各皿ばね13は、段差部15,17
に支持されることによってセンターリングされており、
倒れが防止されている。
【0066】デフケース3を回転させるエンジンの駆動
力は、各プレッシャーリング5からカム7,7を介して
ピニオンシャフト33に伝達され、ピニオンギア35か
らサイドギア37,39に配分され、左右の車輪側に伝
達される。
【0067】また、発進時、加速時、悪路走行中などに
車輪間に駆動抵抗差が生じると、エンジンの駆動力はピ
ニオンギア35の自転によって左右の車輪に差動配分さ
れる。
【0068】また、車両の走行中は、前進走行と後進走
行の両方で、ピニオンギア35との噛み合いによってサ
イドギア37,39に噛み合い反力が生じ、各サイドギ
ア37,39の背面に配置されているプレッシャーリン
グ5はこの噛み合い反力によって各多板クラッチ11を
デフケース3との間で押圧する。
【0069】さらに、このとき各プレッシャーリング5
からピニオンシャフト33に掛かる伝達トルクを受けて
カム7,7が作動し、プレッシャーリング5はそのカム
スラスト力によって各多板クラッチ11を押圧する。
【0070】このように、伝達トルクに比例して大きく
なるサイドギア37,39の噛み合い反力とカム7,7
のカムスラスト力によって各多板クラッチ11が押圧さ
れて締結されると、その摩擦抵抗によってトルク感応型
の差動制限機能が得られ、差動機構9の差動が制限され
る。
【0071】デファレンシャル装置1に大きな駆動力が
掛かる発進時や加速時などには、トルク感応型の差動制
限力が強化されるから、車両の操縦性や安定性が大きく
向上する。
【0072】これに加えて、発進時や加速時、あるい
は、悪路走行中などのように、片輪が大きく空転しトル
ク感応型差動制限機能が低下するような条件下でも、上
記の一定の差動制限力(イニシャルトルク)によって、
発進性、加速性、悪路走破性などの低下が防止され、車
体の挙動が安定し、操縦性が大きく向上する。
【0073】デファレンシャル装置1の組み付けは、皿
ばね13をカバー21とケーシング本体19の段差部1
5,17でそれぞれ位置決めした状態で行われ、皿ばね
13がこれらの所定位置から外れることを防止してい
る。
【0074】また、デフケース3には開口69,71,
73,75が設けられており、ボス部25,27の内周
には螺旋状のオイル溝が設けられている。オイル溜りの
オイルは、デフケース3の回転に伴ってこれらの開口6
9,71,73,75と螺旋状のオイル溝からデフケー
ス3に流出入し、多板クラッチ11,11、支承部4
7、各ギア35,37,39の噛み合い部、ピニオンシ
ャフト33とピニオンギア35との摺動面、球面ワッシ
ャ部59、プレッシャーリング5,5(凸部31)との摺
動部であるラグ溝29、皿ばね13,13とケーシング
本体19及びカバー21との摺動部などを充分に潤滑・
冷却し、耐久性を高めている。
【0075】こうして、デファレンシャル装置1が構成
されている。
【0076】デファレンシャル装置1は、右の皿ばね1
3をケーシング本体19の段差部17に位置決めした状
態で、多板クラッチ11,11、プレッシャーリング
5,5、差動機構9などがケーシング本体19に組み付
けられ、左の皿ばね13をカバー21の段差部15に位
置決めした状態で、カバー21がケーシング本体19に
組み付けられる。
【0077】このように、カバー21とケーシング本体
19に設けた段差部15,17で皿ばね13を位置決め
したことにより、各構成部材をケーシング本体19に組
み付ける際と、カバー21をケーシング本体19に固定
する際に、各皿ばね13が所定の位置から外れることが
防止される。
【0078】従って、組み付け作業中に皿ばね13が、
カバー21とケーシング本体19との間や他の部材の間
に挟まれることがなくなり、組み付けに当たっての特別
な配慮が不要になるから、組み付けが容易になると共
に、再度の組み付けも不要になり、組み付けコストが大
幅に低減される。
【0079】また、段差部15,17の軸方向深さを、
各皿ばね13が撓んだ状態の高さより浅くしたことによ
って、所望のイニシャルトルクを設定することができ
る。
【0080】また、各皿ばね13は、段差部15,17
によって倒れが防止され、センターリングされているか
ら、正確な押圧力によって所定のイニシャルトルクが得
られると共に、皿ばね13に対するケーシング本体19
とカバー21と多板クラッチ11(アウタープレート6
1)とのカジリが防止され、耐久性が向上する。
【0081】また、皿ばね13は、狭いスペースにも配
置が可能であると共に、僅かな伸縮で大きな力が急激に
発生するから、デファレンシャル装置1は、充分なイニ
シャルトルクが得られる上に、軽量、コンパクト化さ
れ、車載性がそれだけ向上している。
【0082】[第2実施形態]図3によってデファレン
シャル装置101の説明をする。
【0083】デファレンシャル装置101は請求項1,
2,6,7の特徴を備えている。また、左右の方向は図
3での左右の方向であり、符号を与えていない部材等は
図示されていない。
【0084】なお、図3は、ケーシング本体19に各構
成部材を組み付けた後、カバー21を組み付ける前の状
態を示している。以下、第1実施形態のデファレンシャ
ル装置1と同機能の部材に同一の符号を与えて引用しな
がら、相違点を説明する。
【0085】デファレンシャル装置101は、デフケー
ス3、プレッシャーリング5,5、カム7,7、差動機
構9、多板クラッチ11,11、2枚重ねを1セットに
した皿ばね13、段差部103,105(位置決め部:
テーパー部)などから構成されている。このように、皿
ばね13は2枚を重ねて1セットにしたものがそれぞれ
左右に配置されている。
【0086】段差部103は、カバー21に設けられて
おり、左の皿ばね13,13の外周を支持し、位置決め
している。また、段差部105は、ケーシング本体19
の右側壁に設けられており、右の皿ばね13,13の外
周を支持し、位置決めしている。
【0087】第1実施形態での段差部15,17と同様
に、段差部103,105の軸方向深さDは、皿ばね1
3,13が多板クラッチ11にイニシャルトルクを与え
るために撓められた状態の伸縮方向(軸方向)の高さH
より浅くしてあり、所望のイニシャルトルクを設定でき
るようにされている。又、段差部103、105の軸方
向深さDは、皿ばね13の板厚に対し深く設定されてい
る。よって、差動制限力の発生時にプレッシャーリング
13、15が多板クラッチ11をケーシング本体19及
びカバー21側へ押圧した状態時にアウタープレート6
1が段差部開口端面110に突き当てられ、位置決めさ
れる為、皿ばね13が密着状態まで撓められることがな
い。従って、皿ばね13の反り返りや、へたりを防止す
ることができ、安定したイニシャルトルクを確実に与え
ることができる。
【0088】また、左右の皿ばね13,13は、段差部
103,105に支持されることによってセンターリン
グされており、倒れが防止されている。
【0089】さらに、各段差部103,105の内周
(各皿ばね13,13と接触する位置決め部分)は、角
度αのテーパーが与えられており、各皿ばね13,13
は、このテーパー部に押圧されることによって、径方向
に位置決めされ、センターリングされている。
【0090】こうして、デファレンシャル装置101が
構成されている。
【0091】デファレンシャル装置101は、右の皿ば
ね13,13をケーシング本体19の段差部105に位
置決めした状態で、ケーシング本体19に対する各構成
部材の組み付けが行われ、左の皿ばね13,13をカバ
ー21の段差部103に位置決めした状態で、カバー2
1がケーシング本体19に組み付けられる。
【0092】このように、カバー21とケーシング本体
19に設けた段差部103,105で皿ばね13,13
を位置決めしたことにより、各構成部材をケーシング本
体19に組み付ける際と、カバー21をケーシング本体
19に固定する際に、各皿ばね13,13が所定の位置
から外れることが防止される。
【0093】従って、組み付け作業中に皿ばね13,1
3が、カバー21とケーシング本体19との間や他の部
材の間に挟まれることがなくなり、組み付けが容易にな
るから、組み付けに当たっての特別な配慮や再度の組み
付けが不要になり、組み付けコストが大幅に低減され
る。
【0094】また、左右の皿ばね13,13がテーパー
状に形成された段差部103,105によってセンター
リングされ、段差部103,105の支持機能によって
倒れが防止されているから、姿勢と位置が安定した皿ば
ね13,13が正確な押圧力で各多板クラッチ11を締
結することにより、所定のイニシャルトルクが得られ
る。
【0095】また、各皿ばね13,13の倒れを防止し
たことによって、皿ばね13,13間のカジリと、皿ば
ね13,13に対するケーシング本体19とカバー21
と多板クラッチ11(アウタープレート61)とのカジ
リが防止され、耐久性が向上する。
【0096】また、段差部103,105の軸方向深さ
を各皿ばね13,13が撓んだ状態の高さより浅くした
ことによって、所望のイニシャルトルクを設定すること
ができる。
【0097】また、皿ばね13を用いたことによって、
充分なイニシャルトルクが得られる上に、デファレンシ
ャル装置101は、軽量、コンパクト化されており、車
載性がそれだけ向上している。
【0098】[第3実施形態]図4によってデファレン
シャル装置201の説明をする。
【0099】デファレンシャル装置201は請求項1,
2,4,7の特徴を備えている。また、左右の方向は図
4での左右の方向であり、符号を与えていない部材等は
図示されていない。
【0100】以下、第2実施形態のデファレンシャル装
置101と同機能の部材に同一の符号を与えて引用しな
がら、相違点を説明する。
【0101】デファレンシャル装置201は、デフケー
ス3、プレッシャーリング5,5、カム7,7、差動機
構9、多板クラッチ11,11、左右の皿ばね13,1
3、ガイド部203,205(位置決め部:支持部)、
段差部207,209(位置決め部)などから構成され
ている。
【0102】ガイド部203,205は、サイドギア3
7,39のボス部43,45を軸方向に延長した部分の
外周に設けられており、各皿ばね13,13の内周を支
持し、位置決めしている。また、段差部207は、カバ
ー21に設けられており、左皿ばね13,13の外周を
支持し、位置決めしている。また、段差部209は、ケ
ーシング本体19の右側壁に設けられており、右皿ばね
13,13の外周を支持し、位置決めしている。
【0103】第1実施形態での段差部15,17と同様
に、段差部207,209の軸方向深さDは、皿ばね1
3,13が多板クラッチ11にイニシャルトルクを与え
るために撓められた状態の伸縮方向(軸方向)の高さH
より浅くしてあり、所望のイニシャルトルクを設定でき
るようにされている。又、段差部207、209の軸方
向深さDは、皿ばね13、13の板厚に対し深く設定さ
れている。よって、差動制限力の発生時にプレッシャー
リング5、5が多板クラッチ11をケーシング本体19
及びカバー21側へ押圧した状態時にアウタープレート
61が段差部開口端面に突き当てられ、位置決めされる
為、皿ばね13が密着状態まで撓められることがない。
従って、皿ばね13の反り返りや、へたりを防止するこ
とができ、安定したイニシャルトルクを確実に与えるこ
とができる。
【0104】また、各皿ばね13,13は、ガイド部2
03,205と段差部207,209にそれぞれ支持さ
れることによって、センターリングされており、倒れが
防止されている。
【0105】こうして、デファレンシャル装置201が
構成されている。
【0106】デファレンシャル装置201は、サイドギ
ア37,39のボス部43,45に設けたガイド部20
3,205及びカバー21とケーシング本体19に設け
た段差部207,209の位置決め機能とセンターリン
グ機能によって各皿ばね13,13が所定の位置に支持
され、組み付けが容易になるから、組み付けに当たって
の特別な配慮や再度の組み付けが不要になり、組み付け
コストが大幅に低減される。
【0107】また、各皿ばね13,13は、ガイド部2
03,205と段差部207,209とによってセンタ
ーリングされ、倒れが防止されているから、各多板クラ
ッチ11に対する正確な押圧力と所定のイニシャルトル
クが得られると共に、皿ばね13,13間のカジリと、
皿ばね13に対するケーシング本体19とカバー21と
多板クラッチ11(アウタープレート61)とのカジリ
が防止され、耐久性が向上する。
【0108】また、段差部207,209の軸方向深さ
を、各皿ばね13,13が撓んだ状態の高さより浅くし
たことによって、所望のイニシャルトルクを設定するこ
とができる。
【0109】また、皿ばね13を用いたことによって、
充分なイニシャルトルクが得られる上に、デファレンシ
ャル装置201は、軽量、コンパクト化されており、車
載性がそれだけ向上している。
【0110】[第4実施形態]図5によってデファレン
シャル装置301の説明をする。
【0111】デファレンシャル装置301は請求項1,
4,5,7の特徴を備えている。また、左右の方向は図
5での左右の方向であり、符号を与えていない部材等は
図示されていない。
【0112】以下、第1実施形態のデファレンシャル装
置1と同機能の部材に同一の符号を与えて引用しなが
ら、相違点を説明する。
【0113】デファレンシャル装置301は、デフケー
ス3、プレッシャーリング5,5、カム7,7、差動機
構9、多板クラッチ11,11、左右の皿ばね13、ガ
イド部303,305(位置決め部:支持部)、段差部
307,309(位置決め部)などから構成されている。
【0114】ガイド部303,305は、サイドギア3
7,39のボス部43,45の外周に設けられており、
各皿ばね13の内周を支持し、位置決めしている。
【0115】段差部307,309は、左右のプレッシ
ャーリング5,5にそれぞれ設けられており、皿ばね1
3の外周を支持し、位置決めしている。
【0116】第1実施形態での段差部15,17と同様
に、段差部307,309の軸方向深さDは、皿ばね1
3が多板クラッチ11にイニシャルトルクを与えるため
に撓められた状態の伸縮方向(軸方向)の高さHより浅
くしてあり、所望のイニシャルトルクを設定できるよう
にされている。又、段差部307、309の軸方向深さ
Dは、皿ばね13の板厚に対し深く設定されている。よ
って、差動制限力の発生時にプレッシャーリング5、5
が多板クラッチ11をケーシング本体19及びカバー2
1側へ押圧した状態時にアウタープレート61が段差部
開口端面に突き当てられ、位置決めされる為、皿ばね1
3が密着状態まで撓められることがない。従って、皿ば
ね13の反り返りや、へたりを防止することができ、安
定したイニシャルトルクを確実に与えることができる。
【0117】また、各皿ばね13,13は、ガイド部3
03,305と段差部307,309にそれぞれ支持さ
れることによってセンターリングされており、倒れが防
止されている。
【0118】こうして、デファレンシャル装置301が
構成されている。
【0119】デファレンシャル装置301は、サイドギ
ア37,39のボス部43,45に設けたガイド部30
3,305及びカバー21とケーシング本体19に設け
た段差部307,309の位置決め機能とセンターリン
グ機能によって皿ばね13,13が所定の位置に支持さ
れ、組み付けが容易になるから、組み付けに当たっての
特別な配慮や再度の組み付けが不要になり、組み付けコ
ストが大幅に低減される。
【0120】また、皿ばね13,13は、ガイド部30
3,305と段差部307,309によってセンターリ
ングされ、倒れが防止されているから、各多板クラッチ
11に対する正確な押圧力と所定のイニシャルトルクが
得られると共に、皿ばね13,13に対するケーシング
本体19とカバー21と多板クラッチ11(アウタープ
レート61)とのカジリが防止され、耐久性が向上す
る。
【0121】また、段差部307,309の軸方向深さ
を、各皿ばね13が撓んだ状態の高さより浅くしたこと
によって、所望のイニシャルトルクを設定することがで
きる。
【0122】また、皿ばね13を用いたことによって、
充分なイニシャルトルクが得られる上に、デファレンシ
ャル装置301は、軽量、コンパクト化されており、車
載性がそれだけ向上している。
【0123】[第5実施形態]図6によってデファレン
シャル装置401の説明をする。
【0124】デファレンシャル装置401は請求項1,
3,5,7の特徴を備えている。また、左右の方向は図
6での左右の方向であり、符号を与えていない部材等は
図示されていない。
【0125】以下、第4実施形態のデファレンシャル装
置301と同機能の部材に同一の符号を与えて引用しな
がら、相違点を説明する。
【0126】デファレンシャル装置401は、デフケー
ス3、プレッシャーリング5,5、カム7,7、差動機
構9、多板クラッチ11,11、左右の皿ばね13、ガ
イド部403(位置決め部:支持部)、段差部405,
407(位置決め部)などから構成されている。
【0127】ガイド部403は、ケーシング本体19の
内周に設けられており、各皿ばね13の外周を支持し、
位置決めしている。段差部405,407は、左右のプ
レッシャーリング5,5にそれぞれ設けられており、皿
ばね13の内周を支持し、位置決めしている。
【0128】第1実施形態での段差部15,17と同様
に、段差部405,407の軸方向深さDは、皿ばね1
3が多板クラッチ11にイニシャルトルクを与えるため
に撓められた状態の伸縮方向(軸方向)の高さHより浅
くしてあり、所望のイニシャルトルクを設定できるよう
にされている。又、段差部405、407の軸方向深さ
Dは、皿ばね13の板厚に対し深く設定されている。よ
って、差動制限力の発生時にプレッシャーリング5、5
が多板クラッチ11をケーシング本体19及びカバー2
1側へ押圧した状態時にアウタープレート61が段差部
開口端面に突き当てられ、位置決めされる為、皿ばね1
3が密着状態まで撓められることがない。従って、皿ば
ね13の反り返りや、へたりを防止することができ、安
定したイニシャルトルクを確実に与えることができる。
【0129】また、各皿ばね13,13は、ガイド部4
03と段差部405,407にそれぞれ支持されること
によってセンターリングされており、倒れが防止されて
いる。
【0130】こうして、デファレンシャル装置401が
構成されている。
【0131】デファレンシャル装置401は、ケーシン
グ本体19に設けたガイド部403及びカバー21とケ
ーシング本体19に設けた段差部405,407の位置
決め機能とセンターリング機能によって皿ばね13,1
3が所定の位置に支持され、組み付けが容易になるか
ら、組み付けに当たっての特別な配慮や再度の組み付け
が不要になり、組み付けコストが大幅に低減される。
【0132】また、皿ばね13,13は、ガイド部40
3と段差部405,407によってセンターリングさ
れ、倒れが防止されているから、各多板クラッチ11に
対する正確な押圧力と所定のイニシャルトルクが得られ
ると共に、皿ばね13,13に対するケーシング本体1
9とカバー21と多板クラッチ11(アウタープレート
61)とのカジリが防止され、耐久性が向上する。
【0133】また、段差部405,407の軸方向深さ
を、各皿ばね13が撓んだ状態の高さより浅くしたこと
によって、所望のイニシャルトルクを設定することがで
きる。
【0134】また、皿ばね13を用いたことによって、
充分なイニシャルトルクが得られる上に、デファレンシ
ャル装置401は、軽量、コンパクト化されており、車
載性がそれだけ向上している。
【0135】なお、本発明において、付勢部材は皿ばね
に限らず、例えば、コイルスプリングのような他のスプ
リングも全て用いることができる。
【0136】また、摩擦クラッチは多板クラッチに限ら
ず、例えば、単板クラッチや円錐クラッチのように他の
形式の摩擦クラッチでもよい。
【0137】また、差動機構は、ベベルギア式の差動機
構に限らず、例えば、プラネタリーギヤ式の差動機構、
デフケースの収容孔に摺動自在に収容されたピニオンギ
ヤによって出力側のサイドギヤを連結した差動機構、ウ
ォームギヤを用いた差動機構など、どのような形式の差
動機構でもよい。
【0138】また、本発明のデファレンシャル装置は、
フロントデフ(エンジンの駆動力を左右の前輪に配分す
るデファレンシャル装置)と、リヤデフ(エンジンの駆
動力を左右の後輪に配分するデファレンシャル装置)
と、センターデフ(エンジンの駆動力を前輪と後輪に配
分するデファレンシャル装置)のいずれにも用いること
ができる。
【0139】
【発明の効果】請求項1のデファレンシャル装置は、カ
バーなどの構成部材上に付勢部材の位置決め部を設けた
ことにより、組み付け作業中に付勢部材が所定の位置に
支持され、組み付けが容易になるから、組み付けに当た
っての特別な配慮や再組み付けが不要になり、組み付け
コストが大幅に低減される。
【0140】また、位置決め部の支持機能によって、付
勢部材がセンターリングされ、傾斜が防止されるから、
所定のイニシャルトルクが得られると共に、付勢部材と
周辺部材とのカジリが防止され、耐久性が向上する。
【0141】請求項2のデファレンシャル装置は、請求
項1の構成と同等の効果を得ることができる。
【0142】また、ケーシング本体に対する構成部材や
カバーの組み付けが容易になる。
【0143】請求項3のデファレンシャル装置は、請求
項1の構成と同等の効果を得ることができる。
【0144】請求項4のデファレンシャル装置は、請求
項1の構成と同等の効果を得ることができる。
【0145】請求項5のデファレンシャル装置は、請求
項1の構成と同等の効果を得ることができる。
【0146】請求項6のデファレンシャル装置は、請求
項1〜5の構成と同等の効果を得ることができる。
【0147】また、位置決め部に設けたテーパー部によ
って付勢部材がセンターリングされて姿勢と位置が安定
し、所定のイニシャルトルクが得られる。
【0148】請求項7のデファレンシャル装置は、請求
項1〜6の構成と同等の効果を得ることができる。
【0149】また、位置決め部の支持機能によって皿ば
ねの倒れが防止され、所定のイニシャルトルクが得られ
ると共に、皿ばねと周辺部材とのカジリが防止されて耐
久性が向上する。
【0150】また、皿ばねを用いたことによって、充分
なイニシャルトルクが得られる上に、軽量、コンパクト
化され、車載性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の断面図である。
【図2】図1の要部拡大図である。
【図3】第2実施形態の断面図である。
【図4】第3実施形態の断面図である。
【図5】第4実施形態の断面図である。
【図6】第5実施形態の断面図である。
【図7】従来例の断面図である。
【符号の説明】
1 デファレンシャル装置 3 デフケース 5,5 プレッシャーリング 7,7 カム(カム機構) 9 ベベルギア式の差動機構 11,11 多板クラッチ(摩擦クラッチ) 13,13 皿ばね(付勢部材) 15,17 段差部(位置決め部) 19 ケーシング本体21 カバー 33 ピニオンシャフト 35 ピニオンギア 37,39 出力側サイドギア 101 デファレンシャル装置 103,105 段差部(位置決め部:テーパー部) 201 デファレンシャル装置 203,205 ガイド部(位置決め部:支持部) 207,209 段差部(位置決め部) 301 デファレンシャル装置 303,305 ガイド部(位置決め部:支持部) 307,309 段差部(位置決め部) 401 デファレンシャル装置 403 ガイド部(位置決め部:支持部) 405,407 段差部(位置決め部)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原動機の駆動力によって回転するデフケ
    ースと、 前記デフケースの回転を車輪側に配分する差動機構と、 前記差動機構の差動を制限する摩擦クラッチと、 前記摩擦クラッチを予圧してイニシャルトルクを与える
    付勢部材とを備え、 前記デフケースが、ケーシング本体と、その軸方向に設
    けられた開口部に取り付けられるカバーとを有し、 内部部材を前記開口部からケーシング本体に組み付けた
    後、前記カバーをこの開口部に組み付けるデファレンシ
    ャル装置であって、 前記カバーまたは構成部材の少なくとも1部材上に、前
    記付勢部材を支持し位置決めする位置決め部を設けたこ
    とを特徴とするデファレンシャル装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載された発明であって、 前記位置決め部が、前記カバーとケーシング本体の一方
    または両方に設けられた段差部であり、 前記段差部の径方向部分が、前記付勢部材の内周と外周
    の少なくとも一方を支持し位置決めすると共に、 前記段差部の軸方向深さが、イニシャルトルクに必要な
    前記付勢部材の伸縮方向寸法より浅いことを特徴とする
    デファレンシャル装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載された発明であって、 前記位置決め部が、前記ケーシング本体の内周に設けら
    れた支持部であり、 前記支持部が、前記付勢部材の外周を支持し位置決めす
    ることを特徴とするデファレンシャル装置。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載された発明であって、 前記位置決め部が、前記差動機構を構成する出力側サイ
    ドギアに設けられた支持部であり、 前記支持部が、前記付勢部材の内周を支持し位置決めす
    ることを特徴とするデファレンシャル装置。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載された発明であって、 前記差動機構が、ピニオンシャフトと、前記ピニオンシ
    ャフト上に支承されたピニオンギアと、前記ピニオンギ
    アと噛み合った一対の出力側サイドギアからなるベベル
    ギア式の差動機構であり、 デフケースに移動自在に連結された一対のプレッシャー
    リングと、 前記ピニオンシャフトと各プレッシャーリングとの間に
    設けられ、伝達トルクを受けて作動し各プレッシャーリ
    ングを介して前記摩擦クラッチを押圧するカム機構とを
    備え、 前記位置決め部が、前記プレッシャーリングに設けられ
    た段差部であり、 前記段差部の径方向部分が、前記付勢部材の内周と外周
    の少なくとも一方を支持し位置決めすると共に、 前記段差部の軸方向深さが、イニシャルトルクに必要な
    前記付勢部材の伸縮方向寸法より浅いことを特徴とする
    デファレンシャル装置。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載された発
    明であって、 前記位置決め部の前記付勢部材と接触する位置決め部分
    に、付勢部材を径方向に位置決めするテーパー部が設け
    られていることを特徴とするデファレンシャル装置。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載された発
    明であって、 前記付勢部材が、皿ばねであることを特徴とするデファ
    レンシャル装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US9752668B2 (en) 2014-07-26 2017-09-05 Os Giken, Co., Ltd. Differential device with limited-slip differential mechanism

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US9752668B2 (en) 2014-07-26 2017-09-05 Os Giken, Co., Ltd. Differential device with limited-slip differential mechanism

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