JP3188824B2 - Vベルト式変速機 - Google Patents

Vベルト式変速機

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JP3188824B2 JP16660195A JP16660195A JP3188824B2 JP 3188824 B2 JP3188824 B2 JP 3188824B2 JP 16660195 A JP16660195 A JP 16660195A JP 16660195 A JP16660195 A JP 16660195A JP 3188824 B2 JP3188824 B2 JP 3188824B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、Vベルト式変速機の改
良に関し、特に、Vベルト式変速機における駆動プーリ
の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、Vベルトを用いて自動変速す
るVベルト変速機としては、エンジンのクランク軸に駆
動プーリを設け、変速ギヤを介して車輪に連結する従動
軸に従動プーリを設け、駆動プーリと従動プーリとの間
にVベルトを掛け渡してエンジンの出力を車輪に伝達す
る形式のものが一般的である。前記駆動プーリ及び従動
プーリは各々軸(即ち、クランク軸及び従動軸)に固定
された固定シーブと軸に摺動可能に取り付けられた可動
シーブとから構成されており、エンジン回転数に応じて
駆動プーリの可動シーブがクランク軸上を軸方向に前後
に摺動して対応する固定シーブとの間隔を変化させ、そ
れによって、駆動プーリと従動プーリとのVベルトの巻
かけ半径比を変えて変速する。前記駆動プーリの可動シ
ーブはクランク軸に遊嵌されており、クランク軸にスプ
ライン嵌合されたカムプレートの切欠き部に係合する係
合フランジを有する。そして前記カムプレートの切欠き
部に係合フランジを係合させることで、可動シーブはク
ランク軸と一体に回転するように構成されている。ま
た、前記駆動プーリにおける可動シーブは通常アルミ鋳
造で形成され、カムプレートは板金プレスで形成されて
いるため、両者の金属接触をさけるために、カムプレー
トの切欠き部には樹脂製のスライダが装着されており
(図10参照、本図は、カムプレートの概略平面図であ
り、図中100はカムプレートを、101は切欠き部
を、また102は樹脂製スライダを各々示してい
る。)、これにより、可動シーブとカムプレート100
の係合部分の劣化を防止している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記樹脂製ス
ライダ102は、実際には、取付容易性や製造誤差等を
考慮して、取り付けた時にカムプレート100との間に
適当な隙間ができるように成形されているため(図11
参照)、使用時に、バックラッシュによって可動シーブ
の係合フランジと樹脂製スライダ102とがぶつかる
音、いわゆるガタ音が生じ運転者に不快感を与えるとい
う問題点がある。この問題を解決する方法としては、樹
脂製スライダ102の寸法を、製造時に厳密に制御し
て、カムプレート100との間の隙間を最小限に抑える
ことが考えられるが、これは、自動化機械で量産するこ
と等を考慮すると現実的ではない。また、上記した問題
の他に、樹脂製スライダ102とカムプレート100の
切欠き部101との接触部分には、当然非常に高い負荷
がかかるのであるが、図11(b) を参照すると明らかな
ように、樹脂製スライダ102とカムプレート100と
の接触面積が小さいために樹脂製スライダ102にかか
る負荷がより高くなり、使用中に樹脂製スライダ102
のカムプレート100との接触部分が磨耗して前記隙間
をより大きいものにしてしまうという問題点も併せて生
ずる。本発明は上記した問題点を解決し、バックラッシ
ュによるガタ音を低減させることができ、また、樹脂製
スライダの耐久性を向上させることのできるVベルト変
速機を提供することを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係るVベルト式変速機は、駆動軸に駆動プ
ーリを設け、従動軸に従動プーリを設け、前記各プーリ
を、対応する軸に固定された固定シーブと、軸に対して
摺動可能に設けられた可動シーブとで構成し、前記駆動
プーリにおける可動シーブの背面に径方向に延長する係
合フランジを設け、かつ駆動軸の前記駆動プーリの可動
シーブの背面に対応する位置にカムプレートを設け、当
該カムプレートの前記係合フランジに対応する位置に切
欠き部を形成し、この切欠きにおける係合フランジと係
合する部分に略U字状に形成した樹脂製のスライダを取
り付け、前記カムプレートの切欠き部分と樹脂製のスラ
イダとの間に略U字状に形成した弾性部材を介装し、さ
らに前記カムプレートと、カムプレートに対応する可動
シーブとの間に、遠心力により径方向に移動でき、可動
シーブを固定シーブ側に移動させるウエイトを配置した
ことを特徴とするものである。上記した弾性部材は板ば
ねで構成してもよい。また、好ましくは、樹脂製スライ
ダに弾性部材取り付けようの溝を設けて、弾性部材を前
記溝にはめ込むように構成し得る。さらに、弾性部材に
おける、スライダの係合フランジと係合する接触面に対
応する面を幅広に成形してもよい。
【0005】
【作用】上記したように構成された本発明のVベルト式
変速機によれば、駆動軸が回転すると、カムプレート及
び固定シーブが駆動軸と一体に回転し、カムプレートの
切欠き部に係合している可動シーブも一緒に回転を始め
る。例えば、エンジン駆動中にエンジンブレーキをかけ
る等してバックラッシュがあり可動シーブの係合フラン
ジとカムプレートの切欠き部とがぶつかる場合には、カ
ムプレートと略U字状に形成された樹脂スライダとの間
に設けられた略U字状の弾性部材で衝撃を吸収して、可
動シーブの係合フランジとカムプレートの切欠き部とが
ぶつかる音、いわゆるガタ音は発生しない。
【0006】
【実施例】以下、添付図面を参照して本発明に係るVベ
ルト式変速機の一実施例について説明する。図1は本発
明に係るVベルト式変速機を採用したスクータ式自動二
輪車の動力ユニットの概略断面図である。この動力ユニ
ット1はエンジン2の出力をVベルト式変速機10を介
して車輪(図示せず)に伝達するように構成されてい
る。
【0007】以下、このVベルト式変速機10の構成に
ついて詳細に説明する。Vベルト式変速機10は、駆動
プーリ20と従動プーリ40とを備え、この二つのプー
リ20及び40の間にVベルト(図示せず)を掛け渡し
て動力伝達を行っている。
【0008】図2はVベルト変速装置の駆動プーリ20
の周辺の拡大図である。駆動プーリ20は、固定シーブ
21と可動シーブ22とを有し、固定シーブ21はクラ
ンク軸(以下、駆動軸と称する)23にスプライン嵌合
され、ナット24及び円筒状のスペーサ25によって駆
動軸23に固定されている。固定シーブ21は、鉄等の
適当な材料を鋳造成形で略円盤状にしたもので、その可
動シーブ側の面は可動シーブに向けて先細になるように
傾斜してVベルト支持面21aを形成し、また、当該V
ベルト支持面21aの反対側に位置するフィン支持面2
1bには駆動軸23の軸方向に延長する複数の冷却フィ
ン21cが形成されている。また、前記スペーサ25は
駆動軸23にスプライン嵌合されており、駆動軸23の
内部に形成された不図示のオイル通路から供給される潤
滑油を可動シーブ22の摺動面に供給するオイル孔25
aが形成されている。前記オイル孔25aはスペーサ2
5を径方向に貫通するように適当数形成される。可動シ
ーブ22は前記スペーサ25の外周に駆動軸23の軸方
向に摺動可能にかつ回動可能に設けられている。また、
駆動軸23における可動シーブ22の後側(即ち図2に
おける右側)には板金製のカムプレート28がスプライ
ン嵌合されている。前記カムプレート28は前記スペー
サ25と第2スペーサ29とで軸方向に固定され、可動
シーブ22と係合して駆動軸23の回転力を可動シーブ
22に伝達する。
【0009】以下、可動シーブ22及びカムプレート2
8の構成についてさらに詳細に説明する。図3は可動シ
ーブ22とカムプレート28との組み付け状態を図2に
おける右側から見た概略側面図を示している。尚、図1
及び図2における可動シーブ22及びカムプレート28
は図3におけるA−A線に沿った断面を示している。可
動シーブ22は、スペーサ25に摺動自在に装着される
円筒状の摺動部22aと、摺動部22aの外周から径方
向外方に延びる円板状部分22bとを一体にアルミ鋳造
したもので、前記摺動部22aとスペーサ25との間に
は円筒状の滑り軸受26が介装されている。この滑り軸
受26の内周面には前記オイル孔25aから潤滑油が供
給される軸方向に長い浅い溝(符号なし)が形成され、
可動シーブ22の両端に設けられたシールリング27に
よって供給された潤滑油が外部に漏れないようにシーリ
ングされている。また、前記円板状部分22bの固定シ
ーブ21側の面は固定シーブ21に向けて軸方向に先細
になるように傾斜され、固定シーブ21のVベルト支持
面21aに対応するVベルト支持面22cを形成してい
る。円板状部分22bの外周付近からは側壁22dが駆
動軸23の軸方向に延長しており、この側壁22dの内
周には、径方向内方に向けて延長する4つの係合フラン
ジ22eが一体的に形成されている。また、円板状部分
22bのVベルト支持面22cの反対側の面における各
係合フランジ22eに挟まれた部分はテーパ状に形成さ
れたウエイト支持面22fになっている。カムプレート
28は、略円形の板体からなり、可動プーリ22の係合
フランジ22eに対応する部分に、係合フランジ22e
と係合する切欠き部28aが形成されている。カムプレ
ート28における切欠き部28aが形成されている部分
は可動シーブ22側に突出するように屈曲され剛性が強
化されている。また、カムプレート28の各切欠き部2
8aに挟まれた部分は、径方向外方向かうに従って可動
シーブ22に近づくように傾斜されており、この部分で
可動シーブ22に対応するウエイト支持面28bを形成
している。
【0010】カムプレート28の切欠き部28aには樹
脂製スライダ30及び板ばね弾性部材31が取り付けら
れる。図4(a) は板ばね弾性部材31の概略斜視図を、
図4(b) は樹脂製スライダ30の概略斜視図を各々示し
ている。板ばね弾性部材31は、板体を略U字状に成形
し、その両端のアーム部31a及び31bを幅広に成形
し、かつこれらのアーム部31a,31bを略中央で屈
曲させて弾性力を持たせている。また、樹脂製スライダ
30は略U字状に成形され、その外周部に溝30aが成
形されている。この溝30aは、前記弾性部材31を装
着し得る幅広の部分30bと、カムプレート28の切欠
き部28aに装着される幅狭の部分30cとを有する。
図5はカムプレート28へこれら樹脂製スライダ30と
弾性部材31とを組み付ける状態を示すカムプレート2
8の組立図を、また、図6は樹脂スライダ30及び弾性
部材31のカムプレート28への取付状態の詳細図を各
々示している。図5に示すように、始めに弾性部材31
を樹脂製スライダ30の溝30aにおける幅広の部分3
0bに装着し、その後樹脂製スライダ30をカムプレー
ト28の切欠き部28aに装着する。従って、カムプレ
ート28に装着された時に、弾性部材31はカムプレー
ト28の切欠き部28aと樹脂製スライダ30との間に
位置し、図6(a) 及び(b) に示すように、そのアーム部
31a、31bがカムプレート28と樹脂製スライダ3
0の両方に部分的に接触する。また、この弾性部材31
の各アーム部31a,31bは、幅広に成形されている
ため、図6(b) に示すようにカムプレート28の樹脂製
スライダ30に対する接触圧を拡散するように作用す
る。弾性部材31の弾性力はカムプレートが回転した時
に、その遠心力で樹脂製スライダが半径方向外方に摺動
できる程度の弾性力が好ましく、これにより設計上の理
由(鋳造製品であるので型抜きができるようにするため
という理由)から若干フランジ部がテーパ状になってい
る場合でも係合フランジに追従して摺動して係合フラン
ジとの接触面を充分に確保できるようにされる。このよ
うに、弾性部材31を樹脂製スライダ30とカムプレー
ト28との間に介装することで、例えば、エンジンブレ
ーキ等をかけた時にバックラッシュが生じて、可動プー
リ22がカムプレート28に強く当たったとしても、こ
の弾性部材31でその衝撃を吸収して衝撃音、いわゆる
ガタ音の発生を防止することができる。
【0011】また、可動シーブ22のウエイト支持面2
2fとカムプレート28のウエイト支持面28bとの間
には複数の円筒状のウエイト32が設けられており、こ
のウエイト32はエンジン2が駆動すると駆動軸23の
遠心力によって径方向外方に移動して、可動シーブ22
を固定シーブ21側に押しやって、可動シーブ22のV
ベルト支持面22cと固定シーブ21のVベルト支持面
21aとの間隔を狭くし、Vベルトの巻かけ半径を可変
させ、変速比をHiにする。
【0012】次に、従動プーリ40の構成について詳細
に説明する。図7は図1における従動プーリ周辺の拡大
図、図8は図7における左側から固定シーブ41と可動
シーブ42だけを見た図である。尚、図7における固定
シーブ41及び可動シーブ42は各々その取付孔41
e,42eの位置で切断されている。従動プーリ40
は、固定シーブ41と可動シーブ42とを有する。これ
ら固定シーブ41及び可動シーブ42は、外周に向けて
テーパ状に屈曲されたテーパ部41a及び42aと、平
坦な平面部41b及び42bを有し、前記テーパ部41
a及び42aの一方の面をVベルト支持面41c及び4
2cとして使用できる円板状の板体であり、アルミ鋳造
で成形されてた同一形状のものである。また、前記テー
パ部分41a及び42bにおけるVベルト支持面41c
及び42cの反対側に位置する面には軸方向に延長する
冷却フランジ41d及び42dが複数枚成形されてい
る。さらに、固定シーブ41と可動シーブ42とは、そ
の平面部41b及び42bに適当数(実施例においては
45度間隔で4つ)の取付孔41e及び42eが形成さ
れている。以上説明したように構成された固定シーブ4
1及び可動シーブ42は、図7に示すように各々のVベ
ルト支持面41c及び42cが向き合うように配置さ
れ、前記Vベルト支持面41cと42cとの間でVベル
トを支持する。
【0013】前記固定シーブ41は、円筒状支持筒46
の一端に径方向外方に延長するように形成された環状の
フランジ46aに取付孔41eの位置で取付ピン41f
で取り付けられる。前記した取付ピン41fは固定シー
ブ41をフランジ46aに固定した時に、少なくとも可
動シーブ42側の頭部41gが平面部41bの表面から
突出するように構成されており、組み立てた状態で、可
動シーブ42が固定シーブ41に直接接触することがで
きないようにしている。また、前記支持筒46は、従動
軸43に軸受を介して回動自在に装着されており、前記
フランジ46aが設けられた端部と反対側の端部におけ
る外周面は、遠心クラッチ47のウエイト支持プレート
47aを固定できるように径方向内方に縮径する段部が
形成されている。
【0014】可動シーブ42は、前記支持筒46に軸方
向に摺動自在に設けられた可動筒48の一端に形成され
た径方向外方に延長する環状のフランジ48aに、取付
孔42eの位置で取付ピン42fで取り付けられてい
る。この取付ピン42fは固定シーブ41を取り付ける
取付ピン41fと同じ構成のもので、可動シーブ42を
フランジ48aに取り付けた状態で、少なくとも固定シ
ーブ41側の頭部42gが平面部42bの表面から突出
するように構成されている。また、この可動シーブ42
を取り付ける取付ピン42fと前記した固定シーブ41
を取り付ける取付ピン41fが組み立てた状態で軸方向
に重ならないように図8に示すように可動シーブ42は
固定シーブ41に対して周方向に取付孔42eの位置を
ずらして取り付けられる。また、前記可動筒48にはト
ルク溝48bが形成されている。このトルク溝48bは
可動筒48を径方向に貫通するように形成されており、
可動筒48を支持筒46に取り付けた後、前記トルク溝
48bに係合するように支持筒46にトルクピン46b
を取り付け、支持筒46と可動筒48とが一体に回転す
るようにされている。また、可動筒48の内面と支持筒
46の外面との間には可動筒48の摺動運動を潤滑する
潤滑油が供給されており、可動筒48の両端部にはこの
潤滑油が漏れないようにシールリング48b,48cが
装着されている。
【0015】以上説明した可動筒48と、前記遠心クラ
ッチ47のウエイト支持プレート47aとの間にはスプ
リング49が介装されており、このスプリング49によ
って可動筒48は常時、支持筒46のフランジ46a側
に付勢されている。従って、可動筒48は、可動シーブ
42と固定シーブ41との間にVベルトを掛け渡すまで
はスプリング49によって支持筒46のフランジ46a
側に、そのフランジ48aが支持筒46のフランジ46
aに当たる位置まで付勢されているが、前述のように各
シーブ41,42を固定する取付ピン41f,42fの
頭部41g,42gが突出しているため、図9に示すよ
うに、各フランジ48a,46aが完全に接触すること
はない。これにより、可動筒48の端部に装着されたシ
ールリング48bが、固定シーブ支持筒46の角部に製
造時に成形される逃げ凹所で損傷することはない(図9
(b)及び(c)参照、図9(b)はVベルト装着前の本実施例
における可動筒と支持筒との位置関係を、図9(c)は前
記取付ピンの頭部が突出していない時の可動筒と支持筒
との接触寸前の位置関係を各々示している。)。
【0016】遠心クラッチ47は、前記ウエイト支持プ
レート47aと外筒47bとから構成されている。ウエ
イト支持プレート47aは円盤状の板体で構成され、そ
の外周端に、複数のウエイト47cが回動自在に設けら
れており、支持筒46にナット47dで固定され支持筒
46と共に回転するようにされている。前記ウエイト4
7cは摩擦面47eを有し、遠心力が加わっていない時
には前記摩擦面47eが他の部材(具体的には外筒47
b)に接触しない位置で停止する。また、前記ウエイト
47cは、支持筒46の回転に伴ってウエイト支持プレ
ート47aが回転すると、その遠心力で、前記摩擦面4
7eが外筒47bにおける摩擦面47fに摩擦接触する
位置まで回動する。図7では、従動軸43を中心として
上側にはウエイト47cに遠心力が加わっていない状態
を、また下側にはウエイト47cに遠心力が加わった状
態を各々示している。一方、前記外筒47bは、有底筒
状体で構成されており、その側壁47gの内面にはウエ
イト47cと摩擦接触する前記摩擦面47fが形成され
ている。この外筒47bは、従動軸43にナット47h
で固定され従動軸43と一体的に回転する。従って、支
持筒46の回転力は、ウエイト47cを介して外筒47
bに伝達され、さらに外筒47bから従動軸43に伝達
される。そして、従動軸43に伝達された回転力は、変
速ギヤ室に収納された変速ギヤ(図示せず)を介して車
軸50に伝達され、不図示の車輪を回転させる。
【0017】以下、駆動プーリ20と従動プーリ40と
の関係及び作用を説明する。まず、組み立てが完了した
後、駆動プーリ20及び従動プーリ40は各々可動シー
ブ22,42と固定シーブ21,41との間にVベルト
が掛け渡される。この状態において従動プーリ40にお
ける可動シーブ42はスプリング49によって固定シー
ブ41側に付勢されVベルトの巻かけ半径は大に(即ち
LOW側)になっており、このためVベルトは従動プー
リ40側に引っ張られ、駆動プーリ20側の可動シーブ
22はVベルトによって固定シーブ21から離れる方向
に押されてVベルトの巻かけ半径は小(即ちLOW側)
になっている。この状態において、ナット47dを締め
上げてスプリング49の付勢力を適当に調節して、従動
プーリ40のVベルトの巻かけ半径を調節するとVベル
トのセットが完了する。エンジン2が駆動すると、駆動
軸23の回転に伴って駆動プーリ20が回転し、Vベル
トを介して従動プーリ40も回転する。そして回転数が
所定の値以上になると、遠心クラッチ47のウエイト4
7cが外筒47bの摩擦面47fに摩擦係合して従動軸
43を回転させ、さらに変速ギヤを介して車軸50即ち
車輪を回転させる。エンジン2の回転数が徐々に上昇す
ると、それに伴って駆動プーリ20の可動シーブ22と
カムプレート28との間に介装されたウエイト32に加
わる遠心力が強くなり、ウエイト32は径方向外方に向
けて移動し始める。このウエイト32の移動に伴って可
動シーブ22は固定シーブ21側に押されて移動し駆動
プーリ20におけるVベルトの巻かけ半径を大きくし、
その結果、Vベルトが駆動プーリ20側に引っ張られる
ので従動プーリ40の可動シーブ42はスプリング49
の力に抗して固定シーブ41から離れる方向に移動さ
れ、従動プーリ40におけるVベルトの巻かけ半径を小
さくし、動力伝達はLOWからHIに移行していく。ま
た、エンジン2の回転数が下がり、駆動プーリ20側の
ウエイト32に加わる遠心力よりスプリング49が従動
プーリ40側の可動シーブ42を押す力の方が強くなる
と、逆の作用で動力伝達はHIからLOWに移行する。
【0018】本実施例においては、従動側プーリにおけ
る可動シーブと固定シーブとを同じ形状にし、また同じ
素材にしているが、これは本実施例に限定されることな
く、従来の従動側プーリのように固定シーブと可動シー
ブを異なる材料で異なる形状に形成してもよいことはも
ちろんである。
【0019】以上説明したように構成された本実施例の
Vベルト変速装置においては、従動側プーリの可動シー
ブ及び固定シーブの両方をアルミで成形しているため、
作動中に放熱が効率良く行われ、Vベルトの耐久性を向
上することができるという効果を奏する。また、従動側
プーリにおいて可動シーブと固定シーブとを同じ素材で
成形しているため、両者の温度条件が極めて近くなり、
従動プーリにおけるVベルトの左右で温度がほぼ同じに
なるという効果を奏する。さらに、従動側プーリのおけ
る可動シーブ及び固定シーブを同じ形状の部材にしてい
るので、実施例のように両方ともアルミ鋳造で成形した
場合でも同じ型で製造できるので、製造コストが極めて
安価になるという効果を奏する。
【0020】
【発明の効果】以上した本発明に係るVベルト式変速機
によれば、駆動プーリにおけるカムプレートの切欠き部
略U字状の弾性部材を介して略U字状に形成された
脂製スライダを取り付けているので樹脂製スライダとカ
ムプーリとの間の隙間が埋められ、例えば、エンジン駆
動中にエンジンブレーキをかける等してバックラッシュ
があり、可動シーブの係合フランジとカムプレートの切
欠き部とがぶつかった場合でも、前記弾性部材でこの衝
撃を吸収して、可動シーブの係合フランジとカムプレー
トの切欠き部とがぶつかる音、いわゆるガタ音を発生さ
せないという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るVベルト式変速機を採用したス
クータ式自動二輪車の動力ユニットの概略断面図であ
る。
【図2】 図1における駆動プーリ20の周辺の拡大図
である。
【図3】 可動シーブ22とカムプレート28との組み
付け状態を図2における右側から見た概略側面図であ
る。
【図4】 (a) は板ばね弾性部材31の概略斜視図、
(b) は樹脂製スライダ30の概略斜視図である。
【図5】 カムプレートの概略組立図
【図6】 (a) は図5の一部拡大図、(b) は(a) におけ
るB−B断面図、(c) は(b) におけるC−C断面図であ
る。
【図7】 図1における従動プーリ周辺の拡大図であ
る。
【図8】 図7における左側から固定シーブと可動シー
ブだけを見た概略側面図である。
【図9】 (a) は図7における可動シーブが固定シーブ
に当たっている状態を示す可動シーブと固定シーブとの
拡大図、(b)はVベルト装着前の本実施例における可動
筒と支持筒との位置関係を示す図、(c)は前記取付ピン
の頭部が突出していない時の可動筒と支持筒との接触寸
前の位置関係を各々示す図である。
【図10】 カムプレートの概略平面図である。
【図11】 (a) は図10におけるカムプレートの切欠
き部周辺の部分拡大図、(b) は(a) におけるE−E断面
図、(c) は(b) におけるF−F断面図である。
【符号の説明】
1 動力ユニット 2 エンジン 10 Vベルト式変速機 11 Vベルト 20 駆動プーリ 21 固定シーブ 21a Vベルト支持面 21b フィン支持面 21c 冷却フィン 22 可動シーブ 22a 円筒状の摺動部 22b 円板状部分 22c Vベルト支持面 22d 側壁 22e 係合フランジ 22f ウエイト支持面 23 駆動軸(クランク軸) 24 ナット 25 スペーサ 25a オイル孔 26 滑り軸受 27 オイルシール 28 カムプレート 28a 切欠き部 28b ウエイト支持面 29 第2スペーサ 30 樹脂製スライダ 30a 溝 30b 幅広部分 30c 幅狭部分 31 板ばね弾性部材 31a アーム部 31b アーム部 32 ウエイト 40 従動プーリ 41 固定シーブ 41a テーパ部 41b 平面部 41c Vベルト支持面 41d 冷却フランジ 41e 取付孔 41f 取付ピン 41g 頭部 42 可動シーブ 42a テーパ部 42b 平面部 42c Vベルト支持面 42d 冷却フランジ 42e 取付孔 42f 取付ピン 42g 頭部 43 従動軸 46 支持筒 46a フランジ 46b トルクピン 47 遠心クラッチ 47a ウエイト支持プレート 47b 外筒 47c ウエイト 47d ナット 47e 摩擦面 47f 摩擦面 47g 側壁 47h ナット 48 可動筒 48a フランジ 48b シールリング 48c シールリング 49 スプリング 50 車軸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 9/00 - 9/26 F16H 55/32 - 55/56

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】駆動軸に駆動プーリを設け、従動軸に従動
    プーリを設け、前記各プーリを、対応する軸に固定され
    た固定シーブと、軸に対して摺動可能に設けられた可動
    シーブとで構成し、前記駆動プーリにおける可動シーブ
    の背面に径方向に延長する係合フランジを設け、かつ駆
    動軸の前記駆動プーリの可動シーブの背面に対応する位
    置にカムプレートを設け、当該カムプレートの前記係合
    フランジに対応する位置に切欠き部を形成し、この切欠
    きにおける係合フランジと係合する部分に略U字状に形
    成した樹脂製のスライダを取り付け、前記カムプレート
    の切欠き部分と樹脂製のスライダとの間に略U字状に形
    成した弾性部材を介装し、さらに前記カムプレートと、
    カムプレートに対応する可動シーブとの間に、遠心力に
    より径方向に移動でき、可動シーブを固定シーブ側に移
    動させるウエイトを配置したことを特徴とするVベルト
    式変速機。
  2. 【請求項2】前記弾性部材が板ばねであることを特徴と
    する請求項1に記載のVベルト式変速機。
  3. 【請求項3】樹脂製スライダに溝を設け、弾性部材を前
    記溝にはめ込むようにしたことを特徴とする請求項1又
    は2に記載のVベルト式変速機。
  4. 【請求項4】 弾性部材がスライダにおける係合フランジ
    と係合する部分に対して幅広の接触面を備えていること
    を特徴とする請求項1〜何れか一項に記載のVベルト
    変速機。
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