JP2003130041A - 含油軸受 - Google Patents

含油軸受

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JP2003130041A JP2001326203A JP2001326203A JP2003130041A JP 2003130041 A JP2003130041 A JP 2003130041A JP 2001326203 A JP2001326203 A JP 2001326203A JP 2001326203 A JP2001326203 A JP 2001326203A JP 2003130041 A JP2003130041 A JP 2003130041A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】電動機の停止後長時間経過し、かつその間に熱
衝撃が加わった場合にも、摺動面に潤滑油を残存させ、
電動機の起動時における異音の発生を防止することがで
きる含油軸受を提供する。 【解決手段】含油軸受9は、中央軸受部21と、上端軸
受部22と、下端軸受部23とからなる。中央軸受部2
1と下端軸受部23との境界部近傍にて当接部24が内
径方向に突設されており、当接部24の内周表面24a
は非多孔質状となっている。中央軸受部表面21aに対
する当接部表面24aの段差aを、潤滑油の最小油膜厚
さxよりも小さくし、下端軸受部表面23aに対する当
接部表面24aの段差bを、潤滑油の最大油膜厚さyよ
りも大きくした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内部に潤滑油を含
ませた多孔質状の含油軸受に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、車両用空調装置の電動機(具体的
には、ブロワモータ)において、回転軸を支持するため
に含油軸受が用いられている。含油軸受は、潤滑油を含
ませた多孔質状の焼結合金により形成され、回転軸が摺
動する摺動面は円筒状となっている。一般的なブロワモ
ータは、回転軸が略鉛直方向に沿って配置され空調装置
の駆動源として使用される。回転軸が鉛直となる構成で
は、モータの停止後長時間経過すると、含油軸受に浸潤
している潤滑油は、軸受の摺動面と回転軸との間隙を伝
わり外部に流出したり、軸受摺動面における多数の空孔
内に吸い込まれたりして減少してしまう。特に、雰囲気
温度が氷点下等に下がった状態においては潤滑油が摺動
面に殆ど残存しないという現象が生じることがしばしば
あった。この状態でモータを起動させると、含油軸受と
回転軸との摺動抵抗が大きく、かつ潤滑油による制振効
果が得られない。そのため、回転軸の芯ずれによる遠心
力が作用して、後進才差運動として知られる挙動を示
し、不快な音(異音)が発生してしまう。
【0003】この問題を解決するために、本願出願人
は、特開2000−346074号公報において、軸受
内周面の一部に円周状に非多孔質状表面を設けた含油軸
受を提案している。具体的には、図6に示すように、含
油軸受40は、中央軸受部41と、その中央軸受部41
の上方において内周面が上端に向かって徐々に広がる上
端軸受部42と、中央軸受部41の下方において内周面
が下端に向かって徐々に広がる下端軸受部43とからな
る。また、中央軸受部41と下端軸受部43との境界部
近傍が非多孔質状表面(図6の網掛け部)44となって
おり、それ以外の内周面は多孔質状表面となっている。
そして、モータ停止時において非多孔質状表面44に潤
滑油を残存させるようにしている。
【0004】しかしながら、モータ停止時における回転
軸45の位置(回転軸45がわずかに傾斜した位置)に
よっては、回転軸45が非多孔質状表面44に接触せず
その非多孔質状表面44よりも多孔質状表面に近接する
場合がある。つまり、点P1での隙間よりも点P2での
隙間が狭くなる。この場合、非多孔質状表面における潤
滑油は、その表面張力によって隙間が狭くなる方向(多
孔質状表面の点P2側)に移動していくため、図6のよ
うな静止状態が長時間続くと非多孔質状表面44の潤滑
油が枯渇してしまう。
【0005】そこで、本願出願人は、特開2001−8
2475号公報において、非多孔質状表面を内径方向に
突出させた含油軸受を提案している。同公報の含油軸受
によれば、非多孔質状表面が回転軸に最も接近するた
め、モータ停止後長時間経過する場合、潤滑油は非多孔
質状表面に移動していく。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記特開20
01−82475号公報の含油軸受では、非多孔質状表
面を突出させた分だけ、含油軸受における回転軸とのク
リアランスが減少する。そのため、クリアランス内に残
存させることができる潤滑油の絶対量(潤滑油量)が不
足してしまう。同公報の含油軸受では、軸受外側に向か
ってスカート状に広がるテーパ部を設け、そのテーパ部
により潤滑油の残存量を確保するといった工夫がなされ
てはいるが、熱衝撃を加えた場合には、非多孔質状表面
の潤滑油が枯渇してしまうといった問題が生じることが
あった。具体的には、モータ停止状態で、例えば、低温
(−40℃で20時間以上)→高温(30℃で20時間
以上)→低温(−40℃で20時間以上)といった冷熱
サイクルを繰り返す冷熱耐久(熱衝撃)試験を実施し
た。この場合、粘度低下による潤滑油のたれ等が原因
で、非多孔質状表面における潤滑油がその下部の多孔質
状表面から吸収されることにより潤滑油量が減少し、モ
ータ起動時に異音が発生してしまうことがあった。
【0007】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたものであって、その目的は、電動機の停止後長時間
経過し、かつその間に熱衝撃が加わった場合にも、軸受
の摺動面に潤滑油を残存させ、電動機の起動時における
異音の発生を防止できる含油軸受を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、回転軸が略鉛直方向に沿って配置される電動機に適
用され、多数の空孔を有する多孔質材に潤滑油をしみ込
ませてなる含油軸受であって、軸受中央において内周面
が回転軸と平行となるよう設けられ、その表面が多孔質
状である中央軸受部と、前記中央軸受部の下方において
内周面が下端に向かって徐々に広がるよう設けられ、そ
の表面が多孔質状である下端軸受部と、前記中央軸受部
と前記下端軸受部との境界部近傍において内周面の全周
に亘って内径方向に突設され、その表面が非多孔質状で
ある当接部とを有し、前記中央軸受部及び下端軸受部の
表面に浸潤する潤滑油の最小油膜厚さをx、最大油膜厚
さをyとし、前記中央軸受部表面に対する当接部表面の
段差をa、前記下端軸受部表面に対する当接部表面の段
差をbとしたとき、a<xかつy<bの関係を有するよ
うに形成した。
【0009】請求項2に記載の発明は、回転軸が略鉛直
方向に沿って配置される電動機に適用され、多数の空孔
を有する多孔質材に潤滑油をしみ込ませてなる含油軸受
であって、軸受中央において内周面が回転軸と平行とな
るよう設けられ、その表面が多孔質状である中央軸受部
と、前記中央軸受部の両端において内周面が両端側に向
かって徐々に広がるよう設けられ、その表面が多孔質状
である端部軸受部と、前記中央軸受部と前記端部軸受部
との境界部近傍において内周面の全周に亘って内径方向
に突設され、その表面が非多孔質状である当接部とを有
し、前記中央軸受部及び端部軸受部の表面に浸潤する潤
滑油の最小油膜厚さをx、最大油膜厚さをyとし、前記
中央軸受部表面に対する当接部表面の段差をa、前記端
部軸受部表面に対する当接部表面の段差をbとしたと
き、a<xかつy<bの関係を有するように形成した。
【0010】(作用)上記の発明によれば、回転軸の回
転中において、回転軸と軸受内周面との接触摩擦により
多孔質状の中央軸受部の内周面から潤滑油が溢れる。そ
して、本発明では、中央軸受部表面に対する当接部表面
の段差(突出量)aを中央軸受部における最小油膜厚さ
xよりも小さくした(a<x)ので、中央軸受部の表面
における潤滑油がその段差aを乗り越えて当接部におけ
る非多孔質状表面に至ることができる。また、端部軸受
部表面に対する当接部表面の段差(突出量)bを最大油
膜厚さyよりも大きくした(y<b)ので、当接部の非
多孔質状表面における潤滑油がその段差bを乗り越えて
端部軸受部に至ることなく同軸受部の多孔質状表面から
吸収されるといったことを防止できる。よって、電動機
が長時間停止し、かつ、熱衝撃が加わったとしても、当
接部の非多孔質状表面における潤滑油を保持できるの
で、電動機の駆動時における異音の発生を防止すること
ができる。
【0011】特に、請求項2に記載の発明のように、中
央軸受部の両端に当接部(非多孔質状表面)を形成する
と、含油軸受の上下の向きを反対にしても、中央軸受部
の下方に当接部が存在することとなる。そして、中央軸
受部の下方となる当接部の非多孔質状表面により潤滑油
を保持することができる。従って、目印等を設ける必要
がなく、含油軸受の組み付けを容易に行うことができ
る。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明を車両用空調装置に
用いられるブロワモータに具体化した実施形態を図面に
従って説明する。
【0013】図1は本実施形態におけるブロワモータ1
の断面図である。ブロワモータ1は、略円筒状のヨーク
ハウジング2と、そのヨークハウジング2における上下
の開口部を塞ぐように固定されるハウジングケース3,
4とを備える。
【0014】ヨークハウジング2の内周面には、アーマ
チャ5を挟んで対向配置するようマグネット6が固着さ
れている。ハウジングケース3には含油軸受7が固定さ
れ、その含油軸受7によってアーマチャ5から延びる回
転軸8の基端部が回転可能に支持されている。一方、ハ
ウジングケース4には含油軸受9が固定され、その含油
軸受9によってアーマチャ5から延びる回転軸8が回転
可能に支持されている。回転軸8の先端は、ハウジング
ケース4から外部に突出しており、その回転軸8の先端
に図示しない送風ファンが固定される。また、回転軸8
には、アーマチャ5と含油軸受9との間となる位置にコ
ンミテータ10が回転軸8と一体回転可能に固定されて
いる。さらに、コンミテータ10の外周面に摺接するよ
うにブラシ11が配設されている。
【0015】このブロワモータ1は、回転軸8が鉛直方
向に沿うように図示しない車両に固定される。そして、
モータ起動時において、図示しない外部電源からの直流
電流がブラシ11、コンミテータ10等を経てアーマチ
ャ5に供給されることで、アーマチャ5が回転軸8とと
もに回転する。これによって、回転軸8先端に固定した
送風ファンによる送風動作が行われる。
【0016】次に、本実施形態における含油軸受7,9
の構成について説明する。含油軸受7,9は、多数の空
孔を有する多孔質焼結合金であって、粉末金属を圧縮加
圧し、さらに焼結加工して成形される。含油軸受7,9
における各空孔内には潤滑油が充填されている。
【0017】図2は、図1における含油軸受9の拡大断
面図である。含油軸受9は、中央軸受部21と、上端軸
受部22と下端軸受部23とからなる。中央軸受部21
は、その内周面21aが回転軸8と平行となるよう設け
られている。上端軸受部22は、中央軸受部21の上方
に配設され、その内周面22aが上端に向かって徐々に
広がるよう形成されている。下端軸受部23は、中央軸
受部21の下方に配設され、その内周面23aが下端に
向かって徐々に広がるよう形成されている。これら上端
軸受部22及び下端軸受部23における内周面22a,
23aは、直線的なテーパ面となっている。中央軸受部
21、上端軸受部22及び下端軸受部23における内周
面21a〜23aは、多数の空孔を有する多孔質状表面
となっている。つまり、中央軸受部21の内周面21a
は多孔質平行面となり、上端軸受部22及び下端軸受部
23の内周面22a,23aは多孔質テーパ面となって
いる。
【0018】中央軸受部21と下端軸受部23との境界
部近傍において、当接部24が周方向の全周に亘って内
径方向に突設されており、その内周面(図2の網掛け
部)24aは、空孔が目潰しされた非多孔質状表面とな
っている。当接部24における非多孔質状表面24aの
下端側は、外側に広がるようテーパ状に形成されてい
る。つまり、当接部24の内周面24aは、回転軸と平
行である非多孔質平行面24bと、その下方の非多孔質
テーパ面24cとからなる。
【0019】なお、回転軸8の回転時には、中央軸受部
21及び当接部24が潤滑油を介して回転軸8と摺接す
るため、これらの内周面21a,24aが回転軸8の摺
動面となる。また、下端軸受部23の内周面(多孔質テ
ーパ面)23aには摺動面における潤滑油が垂れること
を防止する作用があり、そのテーパ面23aの角度を1
°〜5°の範囲とするのが望ましい。
【0020】本実施形態において、当接部24の内径側
への突出量は、内周面21a,22a,23aにおける
潤滑油の油膜厚さに基づいて決定されている。具体的に
は、本実施形態のブロワモータ1の含油軸受9では、使
用時の油膜厚さが、5μm(最小油膜厚さx)〜10μ
m(最大油膜厚さy)となるよう潤滑油が充填されてい
る。そして、図2に示すように、中央軸受部表面21a
に対する当接部表面24a(非多孔質平行面24b)の
突出量(中央軸受部21と当接部24とにおける表面の
段差)aを4μm(最小油膜厚さx=5μmよりも小)
としている(a<x)。また、下端軸受部表面23aに
対する当接部表面24a(非多孔質テーパ面24c)の
突出量(下端軸受部23と当接部24とにおける表面の
段差)bを20μm(最大油膜厚さy=10μmよりも
大)としている(y<b)。
【0021】上端軸受部22における上側には、切欠状
の目印25が内周面と外周面とを貫通するよう設けられ
ている。この目印25により、モータ1への組み付け時
に当接部24(非多孔質状表面24a)がある下端軸受
部23側が判別される。さらに、含油軸受9の外周側面
は軸芯に対して曲面状になっている。この外周側面は、
ハウジングケース4に固定される部分であり、回転軸8
に対して摺動面(多孔質平行面21a及び非多孔質平行
面24b)が平行となるよう微調整するための構造であ
る。なお、モータ底部のハウジングケース3に設けられ
る含油軸受7についても、図2の含油軸受9と同一形状
であり、目印25を上にして固定されている。
【0022】次に、本実施形態における含油軸受7,9
の作用を説明する。ブロワモータ1の起動に伴い回転軸
8が回転すると、回転軸8と軸受内周面との接触摩擦熱
により、図3(a)に示すように、多孔質状の内周面
(中央軸受部21の多孔質平行面21a、下端軸受部2
3の多孔質テーパ面23a)における空孔30内の潤滑
油31が膨張し外部に浸出する。中央軸受部21から浸
出した潤滑油31は、内周面21aもしくは回転軸8の
表面を伝わって中央軸受部21の下方に設けられた当接
部24の内周面24aに至る。ここで、中央軸受部21
の内周面21aと当接部24の内周面24aと間の段差
aは最小油膜厚さxよりも小さいので、潤滑油31がそ
の段差aを乗り越えて非多孔質状表面24aに至る。
【0023】回転軸8が静止すると、温度低下や毛細管
圧力等により、図3(b)に示すように、中央軸受部2
1及び下端軸受部23における潤滑油31は、多孔質状
表面21a,23aの内部(空孔30内)に吸い込まれ
る。このとき、空孔30内に吸い込まれずに残存してい
る潤滑油31は、表面張力によって隙間が最も狭くなる
当接部24に移動していく。当接部24の表面は、空孔
30が目潰しされて非多孔質状表面24aとなっている
ので、潤滑油31が内部に浸透することなく、その表面
24aには潤滑油31が浸潤したまま残る。
【0024】その後、低温(−40℃で20時間以上)
→高温(30℃で20時間以上)→低温(−40℃で2
0時間以上)といった冷熱サイクルが繰り返される場
合、高温時に多孔質状表面21a,23aの空孔30内
から潤滑油31が供給されたり、低温時に多孔質状表面
21a,23aの空孔30内に潤滑油31が浸透したり
する。
【0025】ここで、当接部24の非多孔質状表面24
aと下端軸受部23の多孔質状表面23aとの段差bが
最大油膜厚さyよりも小さいと、非多孔質状表面24a
の潤滑油31がその段差を乗り越えて多孔質状表面23
aの潤滑油31と繋がる。その後、その潤滑油31は温
度低下に伴って下端軸受部23の多孔質状表面23aか
ら吸収されてしまう。従って、冷熱サイクルが繰り返さ
れると、当接部24の非多孔質状表面24aにおける潤
滑油31が枯渇してしまう。その状態でブロワモータ1
が起動されると、含油軸受7,9と回転軸8との摺動抵
抗が大きく、かつ潤滑油31による制振効果が得られな
いため、回転軸8の芯ずれによる遠心力が作用して、後
進才差運動として知られる挙動を示し、不快な音(異
音)が発生してしまう。
【0026】これに対し、本実施形態では、当接部24
の非多孔質状表面24aと下端軸受部23の多孔質状表
面23aとの段差bが最大油膜厚さyよりも大きくなる
ようにしている。従って、非多孔質状表面24aの潤滑
油31とその下方の多孔質状表面23aの潤滑油31が
分離され、非多孔質状表面24aの潤滑油31が段差b
を乗り越えて多孔質状表面23aから吸収されるといっ
た問題が回避される。このように、回転軸8の静止状態
が長時間続き、かつ熱衝撃が加わったとしても、当接部
24の非多孔質状表面24aに潤滑油31が確保されて
いるので、モータ起動後における異音の発生が防止され
る。
【0027】以上詳述したように本実施形態によれば、
以下に示す効果が得られる。 (1)中央軸受部表面21aに対する当接部表面24a
の突出量(段差)aを最小油膜厚さxよりも小さくし、
かつ、下端軸受部表面23aに対する当接部表面24a
の突出量(段差)bを最大油膜厚さyよりも大きくし
た。これにより、静止状態が長時間続き、かつ熱衝撃が
加わったとしても、当接部24の非多孔質状表面24a
の潤滑油31を確保することができ、モータ起動後にお
ける異音の発生を防止できる。特に、本実施形態では、
下端軸受部表面23aに対する突出量(段差)bを最大
油膜厚さy(10μm)の2倍(20μm)としたの
で、各表面23a,24a間の段差bが十分に大きくな
り、非多孔質状表面24aにおける潤滑油31が下方に
垂れることを確実に防止することができる。
【0028】(2)当接部24における非多孔質状表面
24aの下端側を非多孔質テーパ面24cとすることに
より、非多孔質状表面24aにおける潤滑油31の油量
を増加させることができる。
【0029】(3)上端軸受部22における上側に目印
25を設けたので、この目印25により当接部24(非
多孔質状表面24a)がある下端軸受部23側が判別さ
れる。これにより、含油軸受7,9の誤組み付けを防止
することができる。
【0030】なお、上記以外に次の形態にて具体化でき
る。 ・上記実施形態の含油軸受7,9では、中央軸受部21
と下端軸受部23との境界部近傍にて当接部24を配設
していたが、図4に示す含油軸受33のように、中央軸
受部21と上端軸受部22との間にも当接部34を設け
てもよい。この含油軸受33は上下対称の形状となって
いる。つまり、中央軸受部表面21aに対する当接部表
面34aの段差は、中央軸受部表面21aに対する当接
部表面24aの段差aに等しく、上端軸受部表面22a
に対する当接部表面34aの段差は、下端軸受部表面2
3aに対する当接部表面24aの段差bに等しい。含油
軸受33においても、中央軸受部21に対する段差aが
最小油膜厚さxより小さく(a<x)、端部軸受部2
2,23に対する段差bが最大油膜厚さyよりも大きく
(y<b)なるように形成している。この場合、含油軸
受33の上下の向きを逆にしても、下側の当接部におけ
る非多孔質状表面により潤滑油を保持することができ
る。従って、ブロワモータ1への組み付け時に含油軸受
33の上下の向きを気にしなくて済み、含油軸受33の
組み付けを容易に行うことができる。
【0031】・さらに、図5に示す含油軸受35のよう
に、上端軸受部22がテーパ面ではなく回転軸8と平行
なストレート状としてもよい。この場合、含油軸受35
における内径が上方と下方とで異なるため、その外観か
ら当接部24がある下端軸受部23側を判断することが
でき、含油軸受35の誤組み付けを防止することができ
る。
【0032】・上記実施形態では、当接部24,34
は、その側面が内周面21aに対しほぼ垂直となるよう
突出していたがこれに限るものではなく、当接部24,
34の角を面取りして傾斜した側面としたり、曲面状
(R状)の側面としたりしてもよい。
【0033】・上記実施形態では、中央軸受部表面21
aに対する当接部24の段差aを4μmとし、下端軸受
部表面23aに対する当接部24の段差bを20μmと
したがこれに限るものではない。つまり、突出量(段
差)a<最小油膜厚さx、突出量(段差)b>最大油膜
厚さyの関係を有するものであればよく、これら突出量
a,bは、潤滑油31の種類等に応じて適宜変更でき
る。勿論、突出量aは、中央軸受部21と回転軸8との
間におけるクリアランスの範囲内で設定する。なお、本
願発明者は、クリアランスが5μm〜19μmであり、
当接部24の突出量aを2μm〜10μmとした含油軸
受について、上記実施形態の効果を確認している。
【0034】・上記実施形態では、車両用空調装置に用
いられるブロワモータ1に具体化していたが、他のモー
タ(電動機)に具体化してもよい。上記実施の形態から
把握できる技術思想について、以下にその効果とともに
記載する。
【0035】(イ)回転軸が略鉛直方向に沿って配置さ
れる電動機に適用され、内周面が回転軸と平行である中
央軸受部と、前記中央軸受部の上方において内周面が上
端に向かって徐々に広がる上端軸受部と、前記中央軸受
部の下方において内面が下端に向かって徐々に広がる下
端軸受部とからなる潤滑油を含む多孔質状の含油軸受に
おいて、前記中央軸受部と前記下端軸受部との境界部近
傍にて、内径方向に突出し、その内周表面が非多孔質状
である当接部を有し、前記中央軸受部及び下端軸受部の
表面に浸潤する潤滑油の最小油膜厚さをx、最大油膜厚
さをyとし、前記中央軸受部表面に対する当接部表面の
突出量をa、前記下端軸受部表面に対する当接部表面の
突出量をbとしたとき、a<xかつy<bの関係を有す
るように形成したことを特徴とする含油軸受。このよう
にすれば、請求項1及び2に記載の発明と同様に、電動
機が長時間停止し、かつ、熱衝撃が加わったとしても、
当接部の非多孔質状表面における潤滑油を保持できるの
で、電動機の駆動時における異音の発生を防止できる。
【0036】(ロ)前記当接部表面の突出量bを最大油
膜厚さyの2倍以上としたことを特徴とする請求項1又
は2に記載の含油軸受。このようにすれば、当接部表面
の突出量bが十分に大きくなるので、非多孔質状表面に
おける潤滑油を確実に保持することができる。
【0037】(ハ)前記当接部における非多孔質状表面
において、前記中央軸受部側を回転軸と平行な平行面と
し、下端軸受部側を下端に向けて広がるテーパ面とした
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の含油軸受。こ
のように、当接部における非多孔質状表面の下端側をテ
ーパ面とすることにより、その非多孔質状表面における
潤滑油の油量を増加させることができる。
【0038】(ニ)前記下端軸受部側を判定するための
目印を設けたことを特徴とする請求項1に記載の含油軸
受。この目印を設けることにより、含油軸受の誤組み付
けを防止することができる。
【0039】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
電動機の停止後長時間経過し、かつその間に熱衝撃が加
わった場合にも、軸受の摺動面に潤滑油を残存させ、電
動機の起動時における異音の発生を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施形態におけるブロワモータの概略構成
を示す断面図。
【図2】 本実施形態における含油軸受を示す断面図。
【図3】 潤滑油の動きを示す説明図。
【図4】 別の実施形態における含油軸受を示す断面
図。
【図5】 別の実施形態における含油軸受を示す断面
図。
【図6】 従来の含油軸受を示す断面図。
【符号の説明】
1…電動機としてのブロアモータ、7…含油軸受、8…
回転軸、9…含油軸受、21…中央軸受部、21a…中
央軸受部表面、22…上端軸受部(端部軸受部)、22
a…上端軸受部表面、23…下端軸受部(端部軸受
部)、23a…下端軸受部表面、24…当接部、24a
…当接部表面、30…空孔、31…潤滑油、33…含油
軸受、34…当接部、34a…当接部表面、35…含油
軸受。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3J011 AA07 BA02 CA06 JA02 KA02 LA01 MA02 MA23 5H605 AA04 BB05 BB09 BB14 CC04 EB06 EB12 EB13 EB21 EB28 GG21

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転軸が略鉛直方向に沿って配置される
    電動機に適用され、多数の空孔を有する多孔質材に潤滑
    油をしみ込ませてなる含油軸受であって、 軸受中央において内周面が回転軸と平行となるよう設け
    られ、その表面が多孔質状である中央軸受部と、 前記中央軸受部の下方において内周面が下端に向かって
    徐々に広がるよう設けられ、その表面が多孔質状である
    下端軸受部と、 前記中央軸受部と前記下端軸受部との境界部近傍におい
    て内周面の全周に亘って内径方向に突設され、その表面
    が非多孔質状である当接部と を有し、前記中央軸受部及び下端軸受部の表面に浸潤す
    る潤滑油の最小油膜厚さをx、最大油膜厚さをyとし、
    前記中央軸受部表面に対する当接部表面の段差をa、前
    記下端軸受部表面に対する当接部表面の段差をbとした
    とき、 a<xかつy<bの関係を有するように形成したことを
    特徴とする含油軸受。
  2. 【請求項2】 回転軸が略鉛直方向に沿って配置される
    電動機に適用され、多数の空孔を有する多孔質材に潤滑
    油をしみ込ませてなる含油軸受であって、 軸受中央において内周面が回転軸と平行となるよう設け
    られ、その表面が多孔質状である中央軸受部と、 前記中央軸受部の両端において内周面が両端側に向かっ
    て徐々に広がるよう設けられ、その表面が多孔質状であ
    る端部軸受部と、 前記中央軸受部と前記端部軸受部との境界部近傍におい
    て内周面の全周に亘って内径方向に突設され、その表面
    が非多孔質状である当接部とを有し、前記中央軸受部及
    び端部軸受部の表面に浸潤する潤滑油の最小油膜厚さを
    x、最大油膜厚さをyとし、前記中央軸受部表面に対す
    る当接部表面の段差をa、前記端部軸受部表面に対する
    当接部表面の段差をbとしたとき、 a<xかつy<bの関係を有するように形成したことを
    特徴とする含油軸受。
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