JP2003129218A - 成膜用マスクおよびそれを用いた薄膜の成膜方法 - Google Patents

成膜用マスクおよびそれを用いた薄膜の成膜方法

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JP2003129218A
JP2003129218A JP2001323150A JP2001323150A JP2003129218A JP 2003129218 A JP2003129218 A JP 2003129218A JP 2001323150 A JP2001323150 A JP 2001323150A JP 2001323150 A JP2001323150 A JP 2001323150A JP 2003129218 A JP2003129218 A JP 2003129218A
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thin film
film
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mask body
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Kenji Osanawa
憲嗣 長縄
Hideki Kawahara
英樹 川原
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Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】寸法精度をより向上させた薄膜の成膜方法を提
供する 【解決手段】所定のマスクパターンをもつマスク本体
に、マスク本体の少なくとも一部を所定温度に調整する
温度調整手段を設ける。この温度調整手段によって、マ
スク本体を加熱膨張あるいは冷却収縮させることでマス
ク本体の寸法誤差を修正しつつ成膜を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薄膜を形成するた
めの成膜用マスクおよびそれを用いた薄膜の成膜方法に
関する。本発明は、例えば有機系のEL素子等の表示素
子におけるカラー化、電極を構成する薄膜を形成する際
に利用できる。
【0002】
【従来の技術】従来より、所定のマスクパターンをもつ
成膜用マスクを用い、マスクパターンを転写するように
基材の被成膜面に成膜処理する薄膜形成方法が提供され
ている。例えば、有機系のEL素子における薄膜形成に
おいては、微細幅の複数のスリット開口からなる開口集
合部の形状を基板の被成膜面に転写し、これにより微細
幅のスリット開口に対応する微細幅の薄膜を複数個平行
に形成して薄膜集合体を形成し、以ってカラー化電極用
の薄膜を形成する方法がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記した薄
膜形成方法によれば、薄膜が多数平行に併設された薄膜
集合体を形成する場合や、一つの薄膜の幅が100μm
以下の高精細な薄膜からなる薄膜集合体を成形する場
合、ここで用いられるマスクには高い寸法精度を要求さ
れる。しかし従来薄膜形成に用いられているマスクは、
約10〜20μm/100mm程度の寸法誤差をもつも
のであり、従来のマスクを用いて高い寸法精度を要求さ
れる薄膜形成をおこなうことは非常に困難であった。
【0004】薄膜が多数平行に併設された薄膜集合体を
形成する場合を例に挙げて、マスクの寸法精度に起因す
る薄膜集合体の寸法誤差について説明する。また、この
ような寸法誤差を模式的に表す図を図1に示す。
【0005】基準線1を基準として、ガラス製の基体2
に対面するように配置されたマスク3は、上述したよう
に約10〜20μm/100mm程度の寸法誤差をも
つ。このため、目的とする薄膜集合体の寸法4とマスク
の寸法5とには寸法差6が生じ、また、マスクの開口部
7と目的とする薄膜の配置8との間に配置のずれが生じ
る。寸法差6が生じている状態で被成膜面9に薄膜10
を形成すると、目的とする薄膜集合体の寸法4と実際に
得られる薄膜集合体の寸法11との間には寸法差6が生
じる。また、目的とする薄膜の配置8と、実際に得られ
る薄膜の配置12との間には配置のずれが生じる。
【0006】このように目的とする薄膜集合体の寸法が
大きくなれば大きくなる程、マスクの寸法誤差に起因す
る薄膜集合体の寸法誤差は大きくなり、また薄膜集合体
のうち基準線から離れて配置される薄膜ほど配置箇所が
目的の箇所からずれることとなる。このように、従来の
成膜用マスクを用いて形成された薄膜および薄膜集合体
は寸法誤差をもって形成され、要求される寸法精度を満
たさない場合があった。
【0007】本発明は上記事情を考慮してなされたもの
で、寸法精度をより向上させた薄膜の成膜方法を提供す
ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決する本発
明の成膜用マスクは、所定のマスクパターンをもつマス
ク本体と、該マスク本体の少なくとも一部を所定温度に
調整する温度調整手段とを有する成膜用マスクであっ
て、上記温度調整手段は、上記マスク本体を加熱膨張あ
るいは冷却収縮させることで上記マスク本体の寸法誤差
を修正することを特徴とする。
【0009】寸法誤差を有するマスクを所定温度に加熱
してマスクを膨張させ、あるいは所定温度に冷却してマ
スクを収縮させた状態で薄膜の成膜をおこなうことで、
マスクの寸法誤差を軽減することができ、より寸法精度
の高い薄膜及び薄膜集合体を得ることができる。
【0010】また、上記マスク本体は、鉄、ニッケル、
銅、アルミニウム、インバーより選ばれる金属によって
成形することが好ましい。
【0011】そして、上記温度調整手段は上記マスク本
体に固定された電極を含む通電手段とすることができる
し、温度調整手段を電気ヒータとし、マスク本体を電気
ヒータによって加熱膨張することもできる。さらには、
温度調整手段を冷却管とし、マスク本体を冷却管に流通
する冷却液によって冷却収縮することもできる。さらに
は、温度調整手段を冷却液槽とし、マスク本体部を冷却
液槽に充填された冷却液によって冷却収縮することもで
きる。
【0012】また、本発明の成膜用マスクを用いた薄膜
の成膜方法は、成膜用マスクを基体の被成膜面に対面さ
せた状態で、該成膜用マスクの該マスクパターンを転写
するように該被成膜面に薄膜を成膜処理する薄膜の成膜
方法であって、上記成膜用マスクは、所定のマスクパタ
ーンを持つマスク本体と、該マスクの少なくとも一部を
所定温度に調整する温度調整手段とを有し、上記成膜処
理は、上記マスク本体を上記温度調節手段によって加熱
膨張あるいは冷却収縮することで上記成膜用マスクの寸
法誤差を修正しつつおこなうことを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明に係る成膜用マスクは、所
定のマスクパターンをもつマスク本体と、該マスク本体
の少なくとも一部を所定温度に調整する温度調整手段と
を有する。
【0014】マスク本体には、マスク本体に穿設された
マスクの開口部の形状によって所定のマスクパターンが
形成される。マスクの開口部は、成膜する薄膜の形状に
よって種々の形状に形成することができる。また、1個
の開口部をマスクパターンとすることもできるし、複数
個の開口部をマスクパターンとすることもできる。
【0015】マスクの開口部は、その形状を特に限定す
るものではなく、複数個の開口部をマスクパターンとす
る場合、各開口部の配置される方向や数を限定するもの
ではないが、代表的なマスクの開口部の形状としては、
1方向に沿って細長く延設されたスリット開口があり、
複数のスリット開口からなるマスクパターンは、複数の
スリット開口が同方向に並列するものが一般的である。
本発明においてこのようなスリット開口の幅は極細幅に
することができる。
【0016】温度調整手段は、マスク本体の一部を加熱
または冷却することもできるし、マスク本体全体を加熱
または冷却することもできるし、マスク本体の一部を加
熱し、同時に他の一部を冷却することもできる。
【0017】ここでマスク本体を温度調整手段によって
加熱または冷却する所定温度は、マスク本体の寸法誤差
と、マスク本体を形成する素材の熱膨張係数によって決
定される。
【0018】本発明において、マスク本体は鉄、ニッケ
ル、銅、アルミニウム、インバーより選ばれる金属によ
って成形することが好ましい。
【0019】通常マスクの材料としては、蒸着時の加熱
(通常で約300℃)による膨張や収縮が少ない、熱膨
張係数の低いモリブデンやコバールなどの金属や、グラ
ファイト、ガラスなどが使用される。しかし、本発明に
用いられるマスク本体は加熱することによって膨張さ
せ、或いは冷却することによって収縮させて使用する。
本発明に用いられる上記の金属はマスク本体の膨張や収
縮をおこなうのに好適な熱膨張係数を持つ。これら各金
属の熱膨張係数より、マスク本体の寸法差を補正するの
に必要な温度(K)を算出することができるため、これ
らの金属よりなるマスク本体を適切な温度に加熱あるい
は冷却することで容易にマスク本体の寸法誤差を補正す
ることができる。参考までに、各金属の熱膨張係数と必
要上昇温度(K)との対比表を表1に示す。また、ここ
で使用されるこれらの金属は加工が容易であるため、マ
スクパターンの微細な開口部を好適に形成することがで
きる。
【0020】
【表1】
【0021】本発明の温度調整手段は、マスク本体に固
定された電極を含む通電手段であることが好ましい。マ
スク本体に電流を流すことで、マスク本体を好適な温度
に直接通電加熱してマスク本体を熱膨張させることがで
きる。ここで使用される電極としては、マスク本体に電
流を通電することが可能なものであれば使用できる。
【0022】本発明の温度調整手段は電気ヒータとする
ことができ、この電気ヒータによりマスク本体を加熱膨
張することができる。
【0023】マスク本体を加熱する電気ヒータとして
は、マスク本体を好適な温度にまで加熱可能なものであ
れば使用することができるが、マスク本体を均一に加熱
し、かつ小型なマスク本体に形成されたマスクパターン
を避けて配置することを考慮すると、細幅の帯状の電気
ヒータを使用することがより好ましい。
【0024】マスク本体上に電気ヒータを配置する場
合、成膜処理時に基体と対面する面(以下表面とする)
に電気ヒータを配置することもできるし、成膜処理時に
基体と対面する面の裏面(以下裏面とする)に電気ヒー
タを配置することもできるし、表面と裏面との両面に配
置することもできる。また、成膜処理時に成膜の妨げに
なることを避けるためには、電気ヒータをマスク本体の
表面と裏面とのどちらに配置する場合にも、マスクパタ
ーンが形成された部位を避けて配置することが好適であ
る。
【0025】本発明の温度調整手段は冷却管とすること
ができ、冷却収縮はマスク本体上に冷却管を配置し、こ
の冷却管に冷却液を流通させることでマスク本体を冷却
しておこなうことができる。
【0026】冷却管は、マスク本体と冷却液との熱伝導
が可能な素材で形成されたものであれば使用できるが、
効率よく熱伝導をおこなうためには、銅、アルミニウム
などの金属素材で形成したものを使用することが好まし
い。また、冷却管全体を熱伝導可能な素材で形成するこ
ともできるし、冷却管とマスク本体とが接触する部分を
熱伝導可能な素材で形成することもできる。
【0027】冷却管に流通させる冷却液は、水や液体窒
素など一般に冷却液として使用されるものであれば使用
することができる。冷却管はマスク本体のマスクパター
ンが形成された部分を避けてマスク本体の表面に配置す
ることもできるし、マスク本体の裏面に配置することも
できるし、表面と裏面との両面に配置することもでき
る。
【0028】本発明の温度調整手段は冷却液槽とするこ
とができ、冷却収縮は冷却液槽に充填された冷却液によ
ってマスク本体を冷却しておこなうことができる。
【0029】冷却槽は、マスク本体と冷却液との熱伝導
が可能な素材で形成されたものであれば使用できるが、
効率よく熱伝導をおこなうためには、銅、アルミニウム
などの金属素材で形成したものを使用することが好まし
い。また、冷却槽全体を熱伝導可能な素材で形成するこ
ともできるし、冷却槽とマスク本体とが接触する部分を
熱伝導可能な素材で形成することもできる。また、冷却
槽の形状は特に限定するものではないが、マスク本体と
接触する部分の面積が大きく、冷却槽の比表面積が小さ
い形状のものは、より効率よくマスクの冷却をおこな
い、かつ外部への放冷を減少させることができるため、
より好ましく用いることができる。
【0030】薄膜成膜時に、一枚の基体に複数の薄膜パ
ターンを成膜して、その後基体を切断して個々の薄膜製
品を製造する場合、この成膜に使用される成膜用マスク
には、マスクパターンが複数個形成される。このような
場合、マスク本体の表面と基体とは広範囲で密着しつつ
成膜処理される。このため、温度調整手段をマスク本体
の表面に配置する場合には、マスク本体と基体とが密着
する面を避けて、マスク本体の表面の端側に配置するこ
とができるが、マスク本体の裏面に配置する場合には、
隣り合うマスクパターンの隙間に配置することができ
る。温度調整手段を隣り合うマスクパターンの隙間に配
置する場合、マスク本体の端部だけでなくマスク本体の
中央部も加熱あるいは冷却されるため、大きさが大きな
マスクを用いる場合でもマスク全体を均一な温度に調整
することが可能となる。
【0031】本発明の成膜用マスクを用いた薄膜の成膜
方法は、成膜用マスクを基体の被成膜面に対面させた状
態で、該成膜用マスクの該マスクパターンを転写するよ
うに該被成膜面に薄膜を成膜処理する薄膜の成膜方法で
ある。
【0032】本発明に係る成膜手段としては、マスク越
しに基体の被成膜面に薄膜を形成できるものであれば、
公知の成膜手段を採用することができる。代表的な成膜
手段としては、物理的成膜法があり、例えば、真空蒸着
法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等を採
用することができる。
【0033】基体に形成する薄膜の厚みは用途などに応
じて適宜選択することができ、薄膜の材質もまた適宜選
択することができる。
【0034】基体としては、一般的に用いられるものか
ら用途に応じて選択して使用することができるが、たと
えばEL素子等の表示素子の成膜をおこなう場合であれ
ば、ガラス基板を用いることが好ましい。
【0035】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面を基にして
説明する。
【0036】(実施例1)本発明の実施例1のマスク本
体とマスク本体上に配置された電極との摸式斜視図を図
2に示す。
【0037】マスク本体13は、インバー製の厚さ0.
30mm、大きさ200mm×200mmの薄板を基材
とし、幅0.30mm、長さ100mmのスリット開口
部14が互いに平行に320個並設されたマスクパター
ン15をもつ。マスクパターン15は、マスク本体13
にフォトエッチング法で形成されたものであり、成膜す
る薄膜の大きさより30μm/300mm小さく形成さ
れた、寸法誤差をもつものである。マスク本体13上の
マスクパターン15が形成されていない保持枠部16上
には電極17の正極18と負極19とがそれぞれ配置さ
れる。
【0038】薄膜を成膜する成膜装置を表す摸式図を図
3に示す。本実施例で用いる成膜装置20は、真空室2
1を持つ真空容器22と、真空室21を高真空にする真
空ポンプなどの真空手段23と、真空室21に保持され
た成膜源24と、成膜源24から粒子を基体25に飛翔
させる粒子形成手段26とをもつ。成膜源24は、成膜
材料で形成されたターゲット27と、これを保持する保
存容器28とで構成されている。また、粒子形成手段2
6は、ターゲット27を加熱するヒータ29で構成され
ている。そして、基体25は、石英ガラス製の厚さ1.
1mm、大きさ180mm×150mmの薄板である。
【0039】この成膜装置20の真空室21内の保持部
30上に基体25とマスク本体13とを配置し、温度調
整手段31(本実施例1では電極17)を通じてマスク
本体13に20Aの電流を流してマスク本体13の温度
を108℃にし、熱膨張させた。この熱膨張させた状態
で、ターゲット27をマスク本体13越しに基体25に
真空蒸着させ、実施例1のマスクを用いて成膜された実
施例1の薄膜集合体を得た。
【0040】(実施例2)本発明の実施例2のマスク本
体とマスク本体上に配置されたヒータとの摸式斜視図を
図4に示し、ヒータが配置された本実施例2のマスクを
マスク上の2点AおよびA’を結ぶ直線で切断した断面
図を図5に示す。
【0041】本実施例2のマスク本体32は実施例1と
同じ基材を用いて形成されたものであり、このマスク本
体32に形成されたマスクパターン33もまた実施例1
と同様に形成されたものであるが、成膜する薄膜の大き
さより30μm/300mm小さく形成された、寸法誤
差をもつものである。マスク本体32の表面および裏面
に位置する保持枠部34の対向する二端側には、ヒータ
35が合計4箇所に配置される。
【0042】マスク本体32上に配置されたヒータ35
によってマスク本体32の温度を108℃にし、熱膨張
させた状態で、実施例1と同じターゲット27、基体2
5および成膜装置20を用いて成膜処理を行い、実施例
2のマスクを用いて成膜された実施例2の薄膜集合体を
得た。
【0043】(実施例3)本発明の実施例3のマスク本
体とマスク本体上に配置されたヒータとの摸式斜視図を
図6に示し、ヒータが配置された本実施例3のマスクを
マスク上の2点BおよびB’を結ぶ直線で切断した断面
図を図7に示す。
【0044】本実施例3のマスク本体36は、実施例1
と同じ素材からなる大きさ200mm×200mmの薄
板を基材とし、このマスク本体36は実施例1と同様に
形成されたマスクパターン37が、縦横に規則的に合計
4個配置されたものである。またこのマスクパターン3
7は、成膜する薄膜の大きさより15μm/300mm
小さく形成された、寸法誤差をもつものである。マスク
本体36の表面には、表面の外周部に位置する保持枠部
38に実施例1と同じヒータ39が縦横に合計4箇所に
配置され、マスク本体36の裏面には、裏面の外周部に
位置する保持枠部38の4箇所と、裏面のマスクパター
ンの間隙に位置する保持枠部38の2箇所とに実施例1
と同じヒータ39が縦横に格子状に配置される。
【0045】マスク本体36上に配置されたヒータ39
によってマスク本体36の温度を67℃にし、熱膨張さ
せた状態で、実施例1と同じターゲット27および成膜
装置20を用いて実施例1と同じ素材からなる大きさ1
80mm×150mmの基体に成膜処理を行い所定の位
置で切断して、実施例3のマスクを用いて成膜された実
施例3の薄膜集合体を得た。
【0046】(実施例4)本発明の実施例4のマスク本
体とマスク本体上に配置された冷却管との摸式斜視図を
図8に示し、冷却管が配置された本実施例4のマスクを
マスク上の2点CおよびC’を結ぶ直線で切断した断面
図を図9に示す。
【0047】本実施例4のマスク本体40は実施例1と
同じ基材を用いて形成されたものであり、このマスク本
体40に形成されたマスクパターン41もまた実施例1
と同様に形成されたものであるが、成膜する薄膜の大き
さより15μm/300mm大きく形成された、寸法誤
差をもつものである。マスク本体40の表面および裏面
に位置する保持枠部42の対向する二端側には、銅から
なる内径6mm、長さ250mmの冷却管43が合計4
箇所に配置され、冷却管44には、冷却液として液体窒
素が流通する。
【0048】マスク本体40上に配置された冷却管43
を流通する液体窒素によって、マスク本体40の温度を
−17℃にし、冷却収縮させた状態で、実施例1と同じ
ターゲット27、基体25および成膜装置20を用いて
成膜処理を行い、実施例4のマスクを用いて成膜された
実施例4の薄膜集合体を得た。
【0049】(実施例5)本発明の実施例5のマスク本
体とマスク本体上に配置された冷却管との摸式斜視図を
図10に示し、冷却管が配置された本実施例5のマスク
をマスク上の2点DおよびD’を結ぶ直線で切断した断
面図を図11に示す。
【0050】本実施例5のマスク本体44は、実施例3
と同じ基材を用いて形成されたものであり、このマスク
本体44に形成されたマスクパターン45もまた実施例
3と同様に形成されたものであるが、成膜する薄膜の大
きさより15μm/300mm大きく形成された、寸法
誤差をもつものである。マスク本体44の表面および裏
面に位置する保持枠部46には、実施例4と同じ冷却管
47が実施例3と同様に合計10箇所に配置されてい
る。
【0051】マスク本体44上に配置された冷却管47
を流通する液体窒素によってマスク本体44の温度を−
17℃にし、冷却収縮させた状態で、実施例1と同じタ
ーゲット27および成膜装置20を用いて実施例3と同
じ基体40に成膜処理を行い所定の位置で切断して、実
施例5のマスクを用いて成膜された実施例5の薄膜集合
体を得た。
【0052】(実施例6)本発明の実施例6のマスク本
体とマスク本体に近接して配置された冷却液槽との摸式
斜視図を図12に示し、冷却液槽が配置された本実施例
6のマスクをマスク上の2点EおよびE’を結ぶ直線で
切断した断面図を図13に示す。
【0053】本実施例6のマスク本体48は実施例1と
同じ基材を用いて形成されたものであり、このマスク本
体48に形成されたマスクパターン49もまた実施例1
と同様に形成されたものであるが、成膜する薄膜の大き
さより15μm/300mm大きく形成された、寸法誤
差をもつものである。マスク本体48の裏面に位置する
保持枠部50の対向する二端側には冷却液槽51が合計
2箇所に配置される。この冷却液槽51は冷却液が充填
される液槽部52と、液槽部52の下端部から突出し、
マスク本体48と接する熱伝導部53とからなり、この
うち液槽部52はステンレスからなる底面積50mm×
250mm、高さ30mmの槽であり、熱伝導部53は
銅からなる大きさ10mm×200mmの熱伝導板であ
る。冷却液槽51には冷却液として液体窒素が充填さ
れ、この液体窒素によって冷却された冷却液槽51は、
熱伝導部53を通じてマスク本体48を冷却する。この
冷却液槽51によってマスク本体48の温度を−17℃
にし冷却収縮させた状態で、実施例1と同じターゲット
27、基体25および成膜装置20を用いて成膜処理を
行い、実施例6のマスクを用いて成膜された実施例6の
薄膜集合体を得た。
【0054】(比較例1)本比較例1のマスク本体は実
施例1と同じ基材を用いて形成されたものであり、この
マスク本体に形成されたマスクパターンもまた実施例1
と同様に形成されたものであるが、成膜する薄膜の大き
さより30μm/300mm大きく形成された、寸法誤
差をもつものである。
【0055】本比較例1のマスク本体を用いて実施例1
と同じターゲット27、基体25および成膜装置20を
用いて成膜処理を行い、比較例1のマスクを用いて成膜
された比較例1の薄膜集合体を得た。
【0056】(試験・評価)上記実施例1〜6および比
較例1で得られた各薄膜集合体の大きさを測定し、各薄
膜集合体の寸法誤差を算出した。測定は拡大顕微鏡を用
い、25℃の温度条件でおこなった。各薄膜集合体の寸
法誤差を表2に示す。
【0057】
【表2】
【0058】表2に示すとおり、実施例1〜6で得られ
た薄膜集合体は、比較例の薄膜集合体と比べて寸法誤差
が70〜90%程度減少した。
【0059】
【発明の効果】以上述べてきたよう、本発明の成膜用マ
スクおよびそれを用いた薄膜の成膜方法によると成膜さ
れた薄膜の寸法誤差が著しく減少し、良好な寸法精度を
もつ薄膜を成膜することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】マスクの寸法精度に起因する薄膜集合体の寸法
誤差を説明する説明図である。
【図2】本発明の実施例1のマスク本体とマスク本体上
に配置された電極との摸式斜視図である。
【図3】薄膜を成膜する成膜装置を表す摸式図である。
【図4】本発明の実施例2のマスク本体とマスク本体上
に配置されたヒータとの摸式斜視図である。
【図5】本発明の実施例2のマスクをマスク上の2点A
およびA’を結ぶ直線で切断した断面図である。
【図6】本発明の実施例3のマスク本体とマスク本体上
に配置されたヒータとの摸式斜視図である。
【図7】本発明の実施例3のマスクをマスク上の2点B
およびB’を結ぶ直線で切断した断面図である。
【図8】本発明の実施例4のマスク本体とマスク本体上
に配置された冷却管との摸式斜視図である。
【図9】本発明の実施例4のマスクをマスク上の2点C
およびC’を結ぶ直線で切断した断面図である。
【図10】本発明の実施例5のマスク本体とマスク本体
上に配置された冷却管との摸式斜視図である。
【図11】本発明の実施例5のマスクをマスク上の2点
DおよびD’を結ぶ直線で切断した断面図である。
【図12】本発明の実施例6のマスク本体とマスク本体
に近接して配置された冷却液槽との摸式斜視図である。
【図13】本発明の実施例6のマスクをマスク上の2点
EおよびE’を結ぶ直線で切断した断面図である。
【符号の説明】
13:マスク本体 15:マスクパターン 17:
電極 20:成膜装置 25:基体 24:成膜源 3
1:温度調整手段

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定のマスクパターンをもつマスク本体
    と、該マスク本体の少なくとも一部を所定温度に調整す
    る温度調整手段とを有する成膜用マスクであって、 前記温度調整手段は、前記マスク本体を加熱膨張あるい
    は冷却収縮させることで前記マスク本体の寸法誤差を修
    正することを特徴とする成膜用マスク。
  2. 【請求項2】 前記マスク本体は、鉄、ニッケル、銅、
    アルミニウム、インバーより選ばれる金属によって成形
    される請求項1に記載の成膜用マスク。
  3. 【請求項3】 前記温度調整手段は前記マスク本体に固
    定された電極を含む通電手段である請求項1に記載の成
    膜用マスク。
  4. 【請求項4】 前記温度調整手段は電気ヒータであり、
    前記マスク本体は該電気ヒータによって加熱膨張される
    請求項1に記載の成膜用マスク。
  5. 【請求項5】 前記温度調整手段は冷却管であり、前記
    マスク本体は該冷却管に流通する冷却液によって冷却収
    縮される請求項1に記載の成膜用マスク。
  6. 【請求項6】 前記温度調整手段は冷却液槽であり、前
    記マスク本体は該冷却液槽に充填された冷却液によって
    冷却収縮される請求項1に記載の成膜用マスク。
  7. 【請求項7】 成膜用マスクを基体の被成膜面に対面さ
    せた状態で、該成膜用マスクの該マスクパターンを転写
    するように該被成膜面に薄膜を成膜処理する薄膜の成膜
    方法であって、 前記成膜用マスクは、所定のマスクパターンを持つマス
    ク本体と、該マスクの少なくとも一部を所定温度に調整
    する温度調整手段とを有し、 前記成膜処理は、前記マスク本体を前記温度調節手段に
    よって加熱膨張あるいは冷却収縮することで前記成膜用
    マスクの寸法誤差を修正しつつおこなうことを特徴とす
    る薄膜の成膜方法。
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