JP2003127882A - 動力舵取装置 - Google Patents
動力舵取装置Info
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Abstract
て高低2速に変速し、操舵補助用の油圧ポンプを駆動す
る場合、クラッチの接続に際して油圧ポンプの吐出油量
がオーバーシュートし、操舵フィーリングを悪くする。 【解決手段】クラッチ接続に際し、油圧ポンプ11の吐
出油量の過渡的増大に対して可変オリフィスからなるサ
ブオリフィス61が過剰応答し、パワーシリンダ側への
吐出通路49を絞る。一次及び二次圧力室46,47間
の差圧が増大するため、メインスプール45及び補助弁
68が二次圧力室47側へ移動し、ドレン通路63を開
放させる。導入油路43に導かれた作動油の一部を油圧
ポンプ63の吸込側へ還流させる。
Description
をパワーシリンダに供給し、パワーシリンダが発生する
油圧力により操舵を補助する動力舵取装置に関するもの
である。
ある油圧ポンプは、エンジン等の駆動源によってベルト
を介して回転駆動される。このため、駆動源の回転数の
増加に伴って吐出油量が増加する。ところで、低速走行
時又は停止時には、大なる操舵補助力が必要とされる一
方で、高速走行時には操舵補助力があまり必要とされな
い。
行時には、油圧ポンプの発生する余剰油量をバイパスさ
せてリザーバタンクに戻すのが一般的であるが、油圧ポ
ンプの駆動のための動力損失が大きく、燃費の低下を招
くという問題がある。そこで、駆動源から油圧ポンプへ
の動力伝達経路に高低2速の切り換えが可能なクラッチ
付き変速装置を設けた動力舵取装置が提供されている
(例えば特開平10−338154号公報参照)。
ールの操作時にクラッチを接続し、油圧ポンプを高速駆
動して十分な作動油圧及び作動油量を得、逆にステアリ
ングホイールの非操作時にクラッチを遮断して、油圧ポ
ンプを低速駆動し、無駄な動力負担を軽減する。
チが接続された直後に油圧ポンプの吐出流量がオーバー
シュートするという問題がある。すなわち、クラッチ接
続直後に作動流量が急激に増大し、その反動で急激に下
降した後、定常流量に移行する。このようなクラッチ接
続時の過渡的な流量変動が原因で操舵トルクが変動し、
その結果、ステアリングホイールを介して運転者に違和
感を与えるという問題がある。
あり、十分な操舵補助力の確保と燃費の向上を併せて実
現し、しかもクラッチ切り換え時の操舵フィーリングの
悪化を防止することができる動力舵取装置を提供するこ
とを目的とする。
を達成するため、請求項1記載の発明は、変速比を高低
2速に切り換えるためのクラッチを含み、駆動源の動力
を油圧ポンプに伝達する変速装置と、油圧ポンプの吐出
油を油路を介して操舵補助力発生用のパワーシリンダの
何れかの油室に択一的に送給する油圧制御弁と、低変速
比側へのクラッチの切り換えに伴う油圧ポンプの吐出流
量の過渡的増大に応答して、上記油路を介する流量を抑
制する流量制御弁を備えることを特徴とするものであ
る。
に応じて切り換えることにより、十分な操舵補助力の確
保と燃費の向上を併せて実現することができる。しか
も、クラッチ接続直後に油圧ポンプの吐出油量が急激に
増大しようとするのを抑制することができるので、操舵
フィーリングの違和感をなくすことができる。請求項2
記載の発明は、請求項1において、上記流量制御弁は、
スプール収容孔に摺動自在に収容されスプール収容孔の
前後の差圧に応動するスプールと、上記差圧に抗してス
プールを一側へ付勢する付勢手段と、スプールの他側へ
の移動に伴って流量を絞る可変オリフィスとを含むこと
を特徴とするものである。本発明では、スプールを用い
た可変オリフィスであれば、過渡応答を容易に調整する
ことができて好ましい。
おいて、油圧ポンプの吐出側をクラッチに連通する導圧
油路を備え、導圧油路を介する油圧によってクラッチを
切り換えさせることを特徴とするものである。油圧ポン
プの吐出側の油圧はステアリングホイールの操作の有無
に応じて高低に変化するが、これを利用して簡単な構造
にてクラッチを切り換えることができる。請求項4記載
の発明は、変速比を高低2速に切り換えるためのクラッ
チを含み、駆動源の動力を油圧ポンプに伝達する変速装
置と、油圧ポンプの吐出油を油路を介して操舵補助力発
生用のパワーシリンダの何れかの油室に択一的に送給す
る油圧制御弁とを備え、上記クラッチは、駆動側及び被
動側のクラッチ板と、両クラッチ板にプレッシャプレー
トを介して圧接力を与えるクラッチピストンと、プレッ
シャプレートとクラッチピストンとの間に介在する皿ば
ねとを備えることを特徴とするものである。
クラッチ板に付与される押圧力を皿ばねを介して緩やか
に上昇させることができるので、いわゆる半クラッチの
状態の時間を長くすることができ、クラッチ接続時の急
激な流量の上昇を抑えることができる。これにより、操
舵トルクの変動を抑制し、操舵フィーリングの違和感を
抑制することができる。請求項5記載の発明は、変速比
を高低2速に切り換えるためのクラッチを含み、駆動源
の動力を油圧ポンプに伝達する変速装置と、油圧ポンプ
の吐出油を油路を介して操舵補助力発生用のパワーシリ
ンダの何れかの油室に択一的に送給する油圧制御弁とを
備え、上記クラッチは、駆動側及び被動側のクラッチ板
と、両クラッチ板にプレッシャプレートを介して圧接力
を与えるクラッチピストンと、プレッシャプレートとク
ラッチピストンとの間に介在し摩擦力のみを介して両者
に回転を拘束され得る環状板からなるスペーサを備える
ことを特徴とするものである。
レッシャプレートとクラッチピストンとのスリップ時間
を長くして、いわゆる半クラッチの状態の時間を長くす
ることができ、その結果、操舵フィーリングの違和感を
抑制することができる。
付図面を参照しつつ説明する。図1はラックアンドピニ
オン式の舵取り機構を備える車両に装備された本発明の
係る動力舵取装置の全体構成を示すブロック図である。
以下においては、図1においての上下を上下という。ラ
ックピニオン式の舵取機構では、ステアリングホイール
1に連なる操舵軸2の下端にピニオン3を取り付け、こ
のピニオン3を車体の左右方向に延設されたラック軸4
に噛合させてある。このラック軸4の両端は、左右一対
の操向車輪(一般的には前輪)5,5のナックルアーム
6,6に連結してある。舵取りのためのステアリングホ
イール1の回転が、ピニオン3と噛合するラック軸4の
軸長方向の移動に変換され、この移動によりナックルア
ーム6,6が押し引きされて操向車輪5,5の向きが変
えられる。
オン式舵取機構による舵取り動作をラック軸4の軸方向
中間部に設けられたパワーシリンダ7に発生させた油圧
により補助するものである。すなわち、操舵軸2はステ
アリングホイール1に連なる入力軸8とピニオン3に連
なる出力軸9とを備え、両軸8,9は図示しないトーシ
ョンバーを介して相対角変位可能に連結されている。ス
テアリングホイール1の操作に応じて操舵軸2の入、出
力軸8,9間に相対角変位が生ずると、これに基づいて
油圧制御弁10が、油圧源としての油圧ポンプ11から
の圧油を、ピストン12によって互いに仕切られるパワ
ーシリンダ7の左右の油室7a,7bの一方に油路13
(又は14)を介して択一的に供給するとともに、他方
の油室からの油を油路14(又は13)を介して油タン
クTに戻す働きをする。
収納する油タンクTに接続されている。また、油圧ポン
プ11からの吐出油は吐出油路15を介して油圧制御弁
10に送給され、油圧制御弁10から戻される油は戻し
油路16を介して油タンクTに戻される。すなわち、油
圧制御弁10は、ステアリングホイール1の転舵方向に
応じて油路13,14の何れか一方を吐出油路15に連
通させ、他方を戻し油路16に連通させるように内部流
路を切り換えるわけである。
路16の途中の分岐部18とを接続する還流油路19が
設けられている。この還流油路19は、吐出油路15に
送給される余剰の流量を油圧制御弁10側へ送給せず
に、戻し油路16を介して油タンクTへ戻すための油路
である。この還流油路19には流量制御弁としての第1
の弁機構V1が配置されている。また、吐出油路15の
分岐部17よりも下流(油圧制御弁10側)には、本実
施の形態の特徴とするところの流量制御弁としての第2
の弁機構V2が配置されている。
嵌着した駆動プーリ21に巻装された伝動ベルト22を
介して車載エンジン等の駆動源23の出力端に連結され
ている。駆動軸20の中途部には、遊星歯車式の変速装
置24、及びこの変速装置24の変速比を油圧の作用に
より切り換えるクラッチ25が設けられている。油圧ポ
ンプ11は、伝動ベルト22を介して駆動軸20に伝達
される駆動源23の出力の一部を利用し、変速装置24
の切り換えに応じて高低2速にて駆動されるようにして
ある。
ッチ40を介して一体に回転するサンギヤ26と、ハウ
ジング27に固定されるリングギヤ28と、サンギヤ2
6とリングギヤ28に噛み合う複数の遊星ギヤ29とを
備える。遊星ギヤ29を回転自在に支持するキャリア3
0が油圧ポンプ11のポンプ軸31と一体に回転するよ
うにしてある。クラッチ25は、キャリア30に設けら
れるクラッチ板32に接離自在なクラッチ板33と、こ
のクラッチ板33をクラッチ板32から離反する方向に
付勢する付勢部材34と、この付勢部材34に抗してク
ラッチ板33をクラッチ板32に圧接させる油圧シリン
ダ35とを備える。
岐部37からは導圧油路38が分岐され、この導圧油路
38は上記のクラッチ25の油圧シリンダ35に連通さ
せてある。導圧油路38の中途部には、逆止弁V3、ア
キュームレータA及び圧力感応弁V4が上流側からこの
順で介装されている。圧力感応弁V4には、油圧ポンプ
11の吐出油路15の分岐部37よりも上流側の部分に
連通するパイロット油路39が接続されている。このパ
イロット油路39を介して圧力感応弁V4の一側に与え
られるパイロット圧(油圧ポンプ11の吐出側の油圧)
の作用により、圧力感応弁V4の他側のばねのばね力に
抗して、本圧力感応弁V4が公知の切り換え動作を行う
構成となしてある。
入される油圧ポンプ11の吐出側の油圧が低い場合の圧
力感応弁V4の状態(閉状態)が示されている。このと
き、導圧油路38は、圧力感応弁V4の配設位置におい
て遮断され、前記切換えクラッチ25の油圧シリンダ3
5は、低圧状態に保たれた油タンクTに連通される。な
お、このとき、油圧ポンプ11の吐出側の油圧は逆止弁
V3を介して導圧油路38内に導入されており、該導圧
油路38の中途に配した前記アキュームレータAに蓄え
られる。
油圧ポンプ11の吐出側の油圧が高い場合、圧力感応弁
V4は、図1と逆の状態(開状態)となり、導圧油路3
8の上、下流側が連通されて、クラッチ25の油圧シリ
ンダ35には、導圧油路38内の油圧、より詳しくは、
前記アキュームレータA内の蓄圧が導入される。このよ
うに導入された油圧は、油圧シリンダ35内の図示しな
いクラッチピストンを押圧し、付勢手段34に抗してク
ラッチ板33をクラッチ板32へ圧接させる。
いない場合、油圧ポンプ11の吐出側の油圧が低く圧力
感応弁V4が閉となることから、クラッチ25が非係合
状態を保ち、油圧ポンプ11は、変速装置24による減
速を経て低速度にて駆動される。この間、油圧ポンプ1
1の吐出側に発生する油圧は、導圧油路38の中途に介
装されたアキュームレータAに蓄圧される。この状態に
おいて、ステアリングホイール1の操作がなされ、この
操作に応じて油圧ポンプ11の吐出側の油圧が上昇する
と、この油圧がパイロット油路39を介して圧力感応弁
V4に作用し、圧力感応弁V4が閉となることから、ク
ラッチ25が係合し、油圧ポンプ11は、駆動軸20か
らの直接的な伝動により高速駆動されるようになる。
る流量制御機構Bを示している。この流量制御機構B
は、油圧ポンプ11から吐出される作動油のうち、必要
流量をパワーシリンダ7に導き、この必要流量を超える
余剰流量を、上述した第1の弁機構V1の動作により、
ドレン通路63から油圧ポンプ11の吸込側に戻す働き
をする。また、この流量制御機構Bは、操舵開始時やク
ラッチ25の接続時に操舵トルクが急峻な立ち上がりを
することを抑制するために動作する、本実施の形態の特
徴とするところの、上述した第2の弁機構V2を備え
る。
定されるハウジング42には、作動油の導入油路43及
びドレン通路63が開口する、両端開放の収容孔44が
形成されている。この収容孔44内には余剰流量を調整
するメインスプール45が軸方向に摺動自在に収容され
ている。メインスプール45は収容孔44の内部を一次
圧力室46及び二次圧力室47に区画している。48は
収容孔44の開放端にねじ込み固定された中空状のコネ
クタであり、このコネクタ48の一端にはパワーシリン
ダ7へ作動油を導く吐出通路49が設けられ、他端は一
次圧力室46に臨んで開口している。また、このコネク
タ48にはサブスプール収容孔50が設けられており、
このサブスプール収容孔50は大径部50aと小径部5
0bとからなる。大径部50aが一次圧力室46側に位
置し、小径部50bが吐出通路49に連なっている。
路43とサブスプール収容孔50内部とをこれの大径部
50a側において連通する通路51が設けられている。
また、さらに、コネクタ48の一次圧力室46側開口端
には、略環状のカラー(開口面積設定部材)52が嵌挿
され、コネクタ48とカラー52とを径方向に貫通する
ピン53によって、このカラー52は固定されている。
カラー52は、油圧ポンプ11の固有吐出量に応じた内
径寸法を有し、その内周壁が後述するサブスプール54
との間で第1オリフィス55を形成する。
スプール収容孔50の大径部50a及び小径部50bに
それぞれ対応する大径部54a及び小径部54bを備え
た中空状のサブスプール54が摺動自在に嵌挿されてい
る。サブスプール収容孔50に収容されたサブスプール
54と、このサブスプール54の動作に関連する第1オ
リフィス55及びサブオリフィス61等によって第2の
弁機構V2が構成されている。
において、カラー52の内径とサブスプール54の縮径
された外径との間で第1オリフィス55が形成される。
また、コネクタ48のサブスプール収容孔50の内周面
とサブスプール54の外周面との間に、ダンパ室56が
形成されている。第1オリフィス55は、カラー52の
内周壁とサブスプール54の外周壁との間に形成される
略環状の隙間からなり、サブスプール54が図示位置か
ら左方へ変位するに伴い開口面積が増大する。この第1
オリフィス55は、カラー52の内径寸法とサブスプー
ル54の外径寸法とにより開口面積が決定する。
て第1オリフィス55よりも下流と連通している。ダン
パ室56の内部に収容されたサブスプール用スプリング
58がサブスプール54を上記ピン53に当接するよう
に付勢している。サブスプール54の中空内部の図中左
端には、第1オリフィス55に対して直列配置され、こ
の第1オリフィス55を通過した作動油を導くメインオ
リフィス59が設けられている。このメインオリフィス
59を介してサブスプール54の中空内部とコネクタ4
8の吐出油路49が連通している。
設されている。この透孔60はサブスプール54の中空
内部をコネクタ48のサブスプール収容孔50の小径部
50bに形成された周溝50cへ連通している。この周
溝50cの肩部50dとサブスプール54の小径部54
bの先端のテーパ部54cとの間に、メインオリフィス
59に対して並列配置された可変絞りのサブオリフィス
61が形成されている。
吸込側の通路62に連なる連通孔63が形成されてい
る。また、ハウジング42には、コネクタ48に設けた
連通孔64に連なる通路65が設けられている。通路6
5は連通孔64に連なる第1の部分65aと、収容孔4
4に平行に延びる第2の部分65bと、二次圧力室47
に連なる第3の部分65cとを備える。コネクタ48の
吐出通路49内の圧力、すなわちメインオリフィス59
よりも下流側の圧力が、連通孔64、通路65及び第2
オリフィス66を介して二次圧力室47に導かれる。上
記の第2オリフィス66は、収容孔44の図においての
右端開放部を閉塞する栓67の先端部が、通路65の第
3の部分65cの端部を絞ることにより形成される。
ら大径部45a、中径部45b及び小径部45cを有し
ている。メインスプール45の中径部45b及び小径部
45cの外周部とハウジング42の収容孔44の内周部
との間には、筒状の補助弁68が介在している。補助弁
68は、ハウジング42の収容孔44の内周部及びメイ
ンスプール45の中径部45bの外周部に摺動自在な大
径部68aと、メインスプール45の小径部45cに摺
動自在な小径部68bとを備える。
インスプール45の中径部45bの周囲には、メインス
プール45の大径部45aと補助弁68の大径部68a
との間に区画される環状の油室69が形成される。メイ
ンスプール45の大径部45aには、一次圧力室46と
油室69との間を所定の絞り抵抗を持って連通する連通
路45dが形成されている。補助弁68の大径部68a
の内周部とメインスプール45の小径部45cの外周部
との間には、ダンパ室70が形成され、このダンパ室7
0には、メインスプール用の第1スプリング71が収容
されている。また、二次圧力室47内には、補助弁68
を一次圧力室46側へ付勢するメインスプール用の第2
スプリング72が収容されている。第2スプリング72
の付勢力が補助弁68及び第1スプリング72を介して
メインスプール45に与えられ、両スプリング71,7
2が協働してメインスプール45を一次圧力室46側へ
すなわち図2の左方に向けて付勢している。
に形成される周溝によって、減衰オリフィス73を介し
てダンパ室70に連通する環状の油室74が形成されて
いる。ハウジング42の収容孔44に収容されるメイン
スプール45及び補助弁68等により第1の弁機構V1
が構成されている。まず、油圧ポンプ11のポンプ軸3
1の回転速度とパワーシリンダ7側への作動油の送給流
量の関係の定常変化について説明する。
た作動油は、油圧ポンプ11の低吐出領域においてその
全量が第1オリフィス55、メインオリフィス59及び
サブオリフィス61を通過して油圧制御弁10へ送出さ
れる。油圧ポンプ11の吐出量が増し、メインオリフィ
ス59を通過する流量が増すと、このメインオリフィス
59の前後に生ずる差圧によって、メインスプール45
用の第1及び第2スプリング71,72のばね力に抗し
てメインスプール45が補助弁68と共に図2における
右方へ移動する。これにより、環状の油室69がドレン
通路63に連通する。その結果、油圧ポンプ11から導
入油路43に導かれた作動油の一部が、第1オリフィス
55、一次圧力室56、連通路45d及び環状の油室6
9を介してドレン通路63に導かれ、油圧ポンプ11の
吸込側へ還流される。このようにして、油圧制御弁10
を介してパワーシリンダ7へ送給される作動油は、第1
オリフィス55、メインオリフィス59及びサブオリフ
ィス61による制御に基づく、図3に示す一定流量Q1
に維持される。
メインスプール45の図2においての右動に伴う、ドレ
ン通路63の収容孔44への開口面積の増加と同時に、
各オリフィス55、59、61の前後に生ずる差圧が増
加し、この差圧によって、サブスプール54をサブスプ
ール用スプリング58のばね力に抗して図2においての
左方に移動させ、第1オリフィス55の開口面積を増大
させると共に、サブオリフィス61を絞る。従って、油
圧制御弁10を介してパワーシリンダ7に送給される作
動油は、サブオリフィス61が絞られることに連れて漸
減し、遂には図3に示す流量Q2となる。
への動力伝達をクラッチ25を介して必要に応じて切り
換えることにより、十分な操舵補助力の確保と燃費の向
上を併せて実現しているが、上記のクラッチ25の接続
直後に油圧ポンプ11のポンプ軸31の回転数が急激に
増大するため、油圧ポンプ11の吐出油量が急激に増大
する。これに伴ってパワーシリンダ7側への送給油量が
急峻に増大するに任せるとすると、図4に破線で示すよ
うに送給油量が急激に立ち上がってオーバーシュートし
た後、アンダーシュートするような過渡的変化となり、
操舵フィーリングに違和感を与えるおそれがある。
チ25の接続直後に油圧ポンプ11の吐出油量が過渡的
に急激に増大しても、これに応動して過剰応答するサブ
スプール54が可変オリフィスからなるサブオリフィス
61を絞る或いは完全に閉塞することにより、油圧制御
弁10側への送給油量を抑えることができる。しかも、
サブオリフィス61が絞られることによって、サブオリ
フィス61の前後の差圧が増大するため、一次圧力室4
6と二次圧力室47間の差圧が増大し、この差圧を受け
たメインスプール45及び補助弁68が図2において右
方へ移動して、ドレン通路63を開放し、油圧ポンプ1
1から導入油路43に導かれた作動油の一部を、油圧ポ
ンプ11の吸込側へ還流させる。したがって、図4に実
線で示すようなオーバーシュートのほとんどない送給油
量の過渡的変化となる。その結果、クラッチ25接続時
の操舵フィーリングの違和感をなくすことができる。
変オリフィスからなるサブオリフィス61を絞るように
しているので、過渡応答を容易に調整することができて
好ましい。また、油圧ポンプ11の吐出側の油圧はステ
アリングホイール1の操作の有無に応じて高低に変化す
るが、これを圧力感応弁V4を介して利用する簡単な構
造にてクラッチ25を切り換えることができて好まし
い。
で、収容孔44内への弁構造の組込み等が行ない易く、
組立性が良い。図5は本発明の別の実施の形態に係る流
量制御機構B2を示している。図5を参照して、本実施
の形態の主に特徴とするところは下記である。すなわ
ち、サブスプール75として、メインスプール76と一
体に移動する段付きニードルを用いる。段付きニードル
からなるサブスプール75は、先端側に円柱状の大径部
75aを有すると共に基端側に円柱状の小径部75bを
有し、大径部75aと小径部75bの間をテーパ部75
cにて接続している。
れる中空状のコネクタ77は、一次圧力室46側の開口
端に筒状のオリフィス形成体78を挿入固定しており、
このオリフィス形成体78の挿通孔79内に、上記のサ
ブスプール75が挿通されている。オリフィス形成体7
8の挿通孔79の小径部80と、サブスプール75との
間に環状のオリフィス81が形成される。このオリフィ
ス81は、サブスプール75の大径部75a又は小径部
75bがオリフィス形成体78の挿通孔79の小径部8
0内にある状態では、固定オリフィスとして機能し、テ
ーパ部75cが挿通孔79の小径部80内にある状態で
は、可変オリフィスとして機能する。
6に面する端部に、サブスプール75の基端部75dを
取り付ける筒状突起からなる取付部82を形成してい
る。また、メインスプール76はドレン通路63に面す
る周溝からなる環状の油室69を形成しており、さら
に、この油室69の底部を径方向に貫通する径方向孔8
3を形成すると共に、この径方向孔83に連通して二次
圧力室47に向かって開く軸方向孔84を形成してい
る。
には、挿通孔85を有する中空栓86が固定され、この
中空栓86に形成された弁座87に、チェックばね88
の付勢力をリテーナ89を介して受けたボール弁90を
適合させて、リリーフ弁91が構成されている。リリー
フ弁91は、連通孔64及び通路65を介して二次圧力
室47に導かれる吐出通路49の超過圧力をメインスプ
ール76の軸方向孔84及び径方向孔83、並びに油室
69を介してドレン通路63に逃がす働きをする。92
はフィルタである。図5において、図2の実施の形態と
同様に構成には同様の符号を付してその説明を省略して
ある。
ポンプ軸31の回転速度と吐出通路49を通してパワー
シリンダ7へ送給される作動油の流量の関係の定常変化
は、図6に示すようになる。区間S1及びS2では、図
7(a)に示すようにサブスプール75の小径部75b
がオリフィス形成体78の挿通孔79の小径部80に挿
通し、区画S3では、図7(b)に示すようにサブスプ
ール75のテーパ部75cが挿通孔79の小径部80に
挿通し、区間S4では図6に示すようにサブスプール7
5の大径部75aが挿通孔79の小径部80に挿通す
る。したがって、区間S1、S2及びS4が固定オリフ
ィスの状態となり、区間S3が可変オリフィスの状態と
なる。
ン通路63を閉じているため、導入油路43から導入さ
れる作動油は全量が吐出通路49を介してパワーシリン
ダ7側へ送給される。図6に示すように、ポンプ軸31
回転速度の増大に応じてパワーシリンダ7かへの送給流
量がリニアに増大する。区間S2では、メインスプール
76がドレン通路63の一部を開放するため、パワーシ
リンダ7側へ必要な流量Q1(図6参照)が送給される
一方で、これを上回る余剰流量がドレン通路63を介し
て油圧ポンプ11の吸込側へ戻されることになる。
変化をする。すなわち、区間S3での低圧時には、ポン
プ軸31の回転速度が上昇するに伴って、一次圧力室4
6と二次圧力室47との差圧が増大するため、メインス
プール76がサブスプール75を伴って二次圧力室47
側(図5において右方)へ移動し、サブスプール75の
テーパ部75cが挿通孔79の小径部80にさしかかる
と、オリフィス81が可変オリフィスとなって徐々に絞
りを強めるため、吐出流量が減少する。
31の回転速度が上昇するに伴って、一次圧力室46と
二次圧力室47との差圧を受けたメインスプール76が
二次圧力室47側(図5においての右方)へ移動しよう
する一方で、一次圧力室46と吐出通路49との間の差
圧(可変オリフィスとしてのオリフィス81の絞りによ
る圧力降下による差圧)を受けたサブスプール75が吐
出通路49側(図5においての左方)へ移動しようとす
る。このため、高圧時では、低圧時に比較して、メイン
スプール76及びサブスプール75の二次圧力室47側
への移動量が少なくなるため、高圧時の流量(図6にお
いて一点鎖線で示す)が低圧時の流量(図6において
(図6において実線で示す)よりも流量が多くなる。
がサブスプール75の大径部75aの周囲に形成される
固定オリフィスとなるので、図6に示す一定の流量Q2
Lを吐出する。一方、区間S4での高圧時の流量(図6
に一点鎖線で示す)と低圧時の流量(図6に実線で示
す)関係は、区間S3の高圧時と低圧時の流量の関係と
同様であり、図6に示す一定の流量Q2H(Q2H>Q
2L)を吐出する。本実施の形態においても、クラッチ
25の接続直後に油圧ポンプ11の吐出油量が過渡的に
増大しても、これに応動してメインスプール76及びサ
ブスプール75が過剰応答させることができるので、図
4の実施の形態と同様にして、パワーシリンダ7側への
送給油量の過渡的変化としてオーバーシュートのほとん
どないものを得ることができ、その結果、クラッチ接続
直後の操舵フィーリングの違和感をなくすことができ
る。
動力舵取装置の模式図を示している。本実施の形態で
は、還流油路19、第1及び第2の弁機構V1,V2を
廃止し、これに代えて、クラッチ接続に際して、いわゆ
る半クラッチ状態を経て接続されるクラッチ25Aを用
いる。具体的には、図9を参照して、クラッチ25A
は、被動側部材300に一体回転し且つ軸方向に移動自
在な複数のクラッチ板32Aと、クラッチ板32と交互
に配置され駆動側部材200と一体回転し且つ軸方向に
移動自在なクラッチ板33Aと、両クラッチ板32A,
33Aを圧接させるためのプレッシャープレート93
と、油圧シリンダ35の油室35A内の油圧力を受けて
プレッシャプレート93を介して両クラッチ板32A及
び33Aを圧接させるためのクラッチピストン94と、
プレッシャプレート93とクラッチピストン94との間
に介在する1又は複数の皿ばね95とを備える。
してスプライン嵌合され、被動側部材300を介して図
8に示すキャリア30と一体回転する。クラッチ板33
Aは駆動側部材200に対してスプライン嵌合され、駆
動側部材200を介して図8に示す駆動軸20と一体回
転する。皿ばね95は、その内径部や外径部が駆動側や
被動側の部材200,300に対して回転拘束されるス
プライン嵌合等の構造を採用していない。すなわち、皿
ばね95は、プレッシャプレート93とクラッチピスト
ン94との間に挟持されて発生する摩擦力が高くなった
ときに、この摩擦力のみを介して、プレッシャプレート
93及びクラッチピストン94の一方又は双方に一体回
転可能に係合するようになっている。96,97は油圧
シリンダ35の油室35Aを封止するためのシール部材
である。
する際に、クラッチピストン94の押圧力を皿ばね95
を介して両クラッチ板32A,33Aに付与するので、
クラッチ板32A,33Aに付与される押圧力を緩やか
に上昇させることができる。その結果、プレッシャプレ
ート93とこれに接するクラッチ板32Aとのスリップ
時間(いわゆる半クラッチの状態の時間)を長くさせる
ことができ、クラッチ接続時の急激な流量の上昇を抑え
ることができる。これにより、操舵トルクの変動を抑制
し、操舵フィーリングの違和感を抑制することができ
る。なお、皿ばね95は駆動側又は被動側部材200,
300の何れか一方に回転を拘束される構造としても良
い。
ている。図10の実施の形態では、図9の実施の形態の
皿ばね95に代えて、環状板からなる1ないし複数のス
ペーサ98を介在させてある。スペーサ98は、キャリ
ア30及び駆動軸20に連なる部材(例えば駆動側及び
被動側部材200,300)にスプライン嵌合させてい
ない低摩擦係数の部材にて形成される。スペーサ98
は、プレッシャプレート93とクラッチピストン94と
の間に挟持されて発生する摩擦力が高くなったときに、
この摩擦力のみを介してプレッシャプレート93及びク
ラッチピストン94の一方又は双方に一体回転可能に係
合するようになっている。
接続する際に、スペーサ98を介してプレッシャープレ
ート93とクラッチピストン94との間にスリップを生
じさせることにより、半クラッチの状態を長めに実現す
ることができる。これにより、クラッチ接続時の急激な
流量の上昇を抑えて、操舵フィーリングの違和感を抑制
することができる。複数のスペーサ98を介在させる場
合には、隣接するスペーサ98間で必要時に確実にスリ
ップを生じさせ得るので、半クラッチ状態の達成が確実
である。
るものではなく、本発明の特許請求の範囲で種々の変更
を施すことができる。
成を示す模式図である。
御機構の断面図である。
ダ側への送給油量の関係を示す図である。
時の過渡的変化を示す図である。
ポンプに適用される流量制御機構の断面図である。
軸の回転速度とパワーシリンダ側への送給油量の関係を
示す図である。
て、第2の弁機構の動作を示す図である。
の全体構成を示す模式図である。
ある。
要部の断面図である。
Claims (5)
- 【請求項1】変速比を高低2速に切り換えるためのクラ
ッチを含み、駆動源の動力を油圧ポンプに伝達する変速
装置と、油圧ポンプの吐出油を油路を介して操舵補助力
発生用のパワーシリンダの何れかの油室に択一的に送給
する油圧制御弁と、低変速比側へのクラッチの切り換え
に伴う油圧ポンプの吐出流量の過渡的増大に応答して、
上記油路を介する流量を抑制する流量制御弁を備えるこ
とを特徴とする動力舵取装置。 - 【請求項2】請求項1において、上記流量制御弁は、ス
プール収容孔に摺動自在に収容されスプール収容孔の前
後の差圧に応動するスプールと、上記差圧に抗してスプ
ールを一側へ付勢する付勢手段と、スプールの他側への
移動に伴って流量を絞る可変オリフィスとを含むことを
特徴とする動力舵取装置。 - 【請求項3】請求項1又は2において、油圧ポンプの吐
出側をクラッチに連通する導圧油路を備え、導圧油路を
介する油圧によってクラッチを切り換えさせることを特
徴とする動力舵取装置。 - 【請求項4】変速比を高低2速に切り換えるためのクラ
ッチを含み、駆動源の動力を油圧ポンプに伝達する変速
装置と、油圧ポンプの吐出油を油路を介して操舵補助力
発生用のパワーシリンダの何れかの油室に択一的に送給
する油圧制御弁とを備え、上記クラッチは、駆動側及び
被動側のクラッチ板と、両クラッチ板にプレッシャプレ
ートを介して圧接力を与えるクラッチピストンと、プレ
ッシャプレートとクラッチピストンとの間に介在する皿
ばねとを備えることを特徴とする動力舵取装置。 - 【請求項5】変速比を高低2速に切り換えるためのクラ
ッチを含み、駆動源の動力を油圧ポンプに伝達する変速
装置と、油圧ポンプの吐出油を油路を介して操舵補助力
発生用のパワーシリンダの何れかの油室に択一的に送給
する油圧制御弁とを備え、上記クラッチは、駆動側及び
被動側のクラッチ板と、両クラッチ板にプレッシャプレ
ートを介して圧接力を与えるクラッチピストンと、プレ
ッシャプレートとクラッチピストンとの間に介在し摩擦
力のみを介して両者に回転を拘束され得る環状板からな
るスペーサを備えることを特徴とする動力舵取装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001331267A JP3906056B2 (ja) | 2001-10-29 | 2001-10-29 | 動力舵取装置 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2003127882A true JP2003127882A (ja) | 2003-05-08 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008514473A (ja) * | 2004-09-28 | 2008-05-08 | イグゼティック バート ホンブルク ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング | ステアリング補助システム |
KR20180018125A (ko) * | 2016-08-12 | 2018-02-21 | 주식회사 만도 | 조향휠 회전각 가변제한장치 |
CN112943820A (zh) * | 2021-02-07 | 2021-06-11 | 江苏新能源汽车研究院有限公司 | 一种改进型离心油压消除机构与离合器及消除方法 |
-
2001
- 2001-10-29 JP JP2001331267A patent/JP3906056B2/ja not_active Expired - Fee Related
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