JP3500826B2 - 変速比無限大無段変速機の変速制御装置 - Google Patents

変速比無限大無段変速機の変速制御装置

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JP3500826B2 JP1544196A JP1544196A JP3500826B2 JP 3500826 B2 JP3500826 B2 JP 3500826B2 JP 1544196 A JP1544196 A JP 1544196A JP 1544196 A JP1544196 A JP 1544196A JP 3500826 B2 JP3500826 B2 JP 3500826B2
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    • F16H61/00Control functions within control units of change-speed- or reversing-gearings for conveying rotary motion ; Control of exclusively fluid gearing, friction gearing, gearings with endless flexible members or other particular types of gearing
    • F16H61/66Control functions within control units of change-speed- or reversing-gearings for conveying rotary motion ; Control of exclusively fluid gearing, friction gearing, gearings with endless flexible members or other particular types of gearing specially adapted for continuously variable gearings
    • F16H2061/6601Control functions within control units of change-speed- or reversing-gearings for conveying rotary motion ; Control of exclusively fluid gearing, friction gearing, gearings with endless flexible members or other particular types of gearing specially adapted for continuously variable gearings with arrangements for dividing torque and shifting between different ranges
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
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    • F16H37/084Combinations of mechanical gearings, not provided for in groups F16H1/00 - F16H35/00 comprising essentially only toothed or friction gearings with a plurality of driving or driven shafts; with arrangements for dividing torque between two or more intermediate shafts with differential gearing with arrangements for dividing torque between two or more intermediate shafts, i.e. with two or more internal power paths at least one power path being a continuously variable transmission, i.e. CVT
    • F16H37/086CVT using two coaxial friction members cooperating with at least one intermediate friction member

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  • Transmission Devices (AREA)
  • Control Of Transmission Device (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両などに採用さ
れる無段変速機、特にFF車に採用される変速比無限大
無段変速機の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から連続的に変速比を設定可能な車
両の変速機としては、ベルト式やトロイダル型の無段変
速機が知られており、このような無段変速機の変速領域
をさらに拡大するために、無段変速機と減速機等を並列
的に配設するとともに、これらの出力軸を遊星歯車機構
へ入力して変速比を無限大まで制御可能とする変速比無
限大無段変速機が知られており、例えば、特開平7−1
33858号公報や特開平7−1396008号公報な
どに開示されている。
【0003】これは、図16、図17に示すように、エ
ンジンに結合される変速比無限大無段変速機のユニット
入力軸aに、減速比をほぼ連続的に変更可能な無段変速
機bと、減速機cを並列的に連結するとともに、無段変
速機bの出力軸dと、減速機cの出力軸eがそれぞれ遊
星歯車機構gへ入力され、ユニット出力軸fを介して車
両の駆動軸へ駆動力を伝達するものである。
【0004】無段変速機bの出力軸dは遊星歯車機構g
のサンギヤに連結されるとともに、直結クラッチiを介
してユニット出力軸fと結合する一方、減速機出力軸e
はトルク分割クラッチhを介して遊星歯車機構gのキャ
リアに連結されており、遊星歯車機構gのリングギヤが
ユニット出力軸fに結合される。
【0005】このような、変速比無限大無段変速機で
は、トルク分割クラッチhを解放する一方、直結クラッ
チiを締結することで、無段変速機bの変速比Icのみで
出力を行う直結モードと、トルク分割クラッチhを締結
する一方、直結クラッチiを解放することにより、無段
変速機bと減速機cの変速比に応じて、変速比無限大無
段変速機全体のユニット変速比Ii(ユニット入力軸aと
ユニット出力軸fの変速比)を負の値から正の値まで無
限大を含んでほぼ連続的に制御を行う動力循環モードと
を選択的に使用することができる。
【0006】この2つの変速モードを切り換える伝達モ
ード切換制御弁mは、トルク分割クラッチhへ入力され
る回転数と、無段変速機出力軸dの回転数に応じてトル
ク分割クラッチhと直結クラッチiの締結、解放を行う
油圧Pa、Pbをスプール13の変位によって制御して
いる。
【0007】直結モードでは油圧Pa=ライン圧PL
する一方、油圧Pbをタンクに接続して低減させて、直
結クラッチiを締結、トルク分割クラッチhを解放する
一方、動力循環モードでは油圧Pb=ライン圧PLとす
る一方、油圧Paをタンクに接続して低減させて、直結
クラッチiを解放、トルク分割クラッチhを締結してい
る。
【0008】この直結モードと動力循環モードを切り換
えるモード切換点では、図17の上半分に示すように、
スプール13は中立位置となって、油圧Pa、Pbをタ
ンクに接続して減圧させてから、一方の変速モードへ切
り換えている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の変速比無限大無段変速機では、モード切換点におい
て直結クラッチi及びトルク分割クラッチhを駆動する
油圧Pa、Pbを同時に減圧させるため、両者のクラッ
チの締結圧力が不足して、クラッチが滑って駆動力が減
少するとともに、クラッチの滑りによってエンジン回転
数が急増して空吹かし状態となって、運転者に違和感や
不快感を与えるという問題があった。
【0010】そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなさ
れたもので、変速モードの切換点において駆動力の変動
やエンジンの空転を防いで、円滑に変速モードを切り換
え可能な変速比無限大無段変速機を提供することを目的
とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、ユニット
入力軸にそれぞれ接続された無段変速機及び減速機と、
無段変速機の出力軸に連結したサンギヤ、シングルピニ
オンで構成されて減速機の出力軸に連結したキャリア及
びユニット出力軸に連結したリングギヤとからなる遊星
歯車機構と、前記ユニット入力軸から遊星歯車機構のキ
ャリアへの動力伝達経路の途中に介装された動力循環モ
ードクラッチと、前記サンギヤからユニット出力軸の動
力伝達経路の途中に介装された直結モードクラッチと、
前記動力循環モードクラッチと直結モードクラッチをそ
れぞれ選択的に締結、解除して無段変速機の変速比Icと
カウンタギヤ列変速比Idに応じてユニット出力軸を駆動
する直結モードと、無段変速機の変速比Icと減速機の減
速比Igに応じたユニット変速比Iiでユニット出力軸を駆
動する動力循環モードを切り換える動力伝達モード切換
制御手段とを備えた変速比無限大無段変速機の変速制御
装置において、前記動力伝達モード切換制御手段は、
記動力循環モードクラッチの回転数直結モードクラッ
チの回転数が等しくなる変速モード切換点Pにおいて、
前記動力循環モードクラッチ及び直結モードクラッチを
同時に締結する。
【0012】また、第2の発明は、前記第1の発明にお
いて、前記動力循環モードクラッチ及び直結モードクラ
ッチは、供給される油圧に応じて締結、解除を行う一
方、前記動力伝達モード切換制御手段は、動力循環モー
ドクラッチを制御する第1の信号圧制御手段と、直結モ
ードクラッチを制御する第2の信号圧制御手段からの信
号圧の差圧に応動する切換弁を備え、この切換弁は、前
記第1及び第2の信号圧制御手段からの信号圧が等しい
ときには、前記動力循環モードクラッチ及び直結モード
クラッチを同時に締結するようそれぞれ油圧を供給する
一方、そうでない場合には前記信号圧の大きさに応じて
動力循環モードクラッチまたは直結モードクラッチのう
ちの一方へ所定の油圧を供給する。
【0013】また、第3の発明は、前記第1の発明にお
いて、前記動力循環モードクラッチ及び直結モードクラ
ッチは、供給される油圧に応じて締結、解除を行う一
方、前記動力伝達モード切換制御手段は、一定信号圧制
御手段からの所定の信号圧Pcと、車両の運転状態に応
じて信号圧を変更するクラッチ切換信号圧制御手段から
の可変信号圧Psの差圧に応動する切換弁を備え、この
切換弁は、前記一定信号圧制御手段とクラッチ切換信号
圧制御手段からの信号圧が等しいときには、前記動力循
環モードクラッチ及び直結モードクラッチを同時に締結
するようそれぞれ油圧を供給する一方、そうでない場合
には前記信号圧の大きさに応じて動力循環モードクラッ
チまたは直結モードクラッチのうちの一方へ所定の油圧
を供給する。
【0014】また、第4の発明は、前記第1の発明にお
いて、前記動力循環モードクラッチ及び直結モードクラ
ッチは、供給される油圧に応じて締結、解除を行う一
方、前記動力伝達モード切換制御手段は、中立位置を挟
んで動力循環モードと直結モードとを切換可能な切換弁
と、この切換弁を動力循環モードまたは直結モードのう
ちの一方へ向けて付勢する付勢手段と、車両の運転状態
に応じて前記付勢手段と対抗する方向で切換弁に信号圧
を供給するクラッチ切換信号圧制御手段とから構成さ
れ、前記切換弁は、付勢手段が付与する付勢力と信号圧
が付与する力が等しいときには、前記動力循環モードク
ラッチ及び直結モードクラッチを同時に締結するようそ
れぞれ油圧を供給する一方、そうでない場合には前記信
号圧の大きさに応じて動力循環モードクラッチまたは直
結モードクラッチのうちの一方へ所定の油圧を供給す
る。
【0015】また、第5の発明は、前記第1の発明にお
いて、前記動力循環モードクラッチ及び直結モードクラ
ッチは、供給される油圧に応じて締結、解除を行う一
方、前記動力伝達モード切換制御手段は、動力循環モー
ドクラッチの入力回転数に応じた第1の信号圧を発生す
る第1の信号圧制御手段と、直結モードクラッチの入力
回転数に応じた第2の信号圧を発生する第2の信号圧制
御手段と、こられ第1及び第2の信号圧の差圧に応動す
る第1の切換弁と、前記ユニット出力軸の回転方向が車
両の後進方向である場合に第3の信号圧を発生する出力
回転方向検出手段と、前記第3の信号圧に応じて前記第
1切換弁の変位を規制する切換禁止手段とを備え、前記
第1切換弁は、前記第1及び第2の信号圧制御手段から
の信号圧が等しいときには、前記動力循環モードクラッ
チ及び直結モードクラッチを同時に締結するようそれぞ
れ油圧を供給する一方、そうでない場合には前記第1及
び第2の信号圧の差圧に応じて動力循環モードクラッチ
または直結モードクラッチのうちの一方へ所定の油圧を
供給する。
【0016】また、第6の発明は、前記第5の発明にお
いて、前記第1及び第2信号圧制御手段並びに出力回転
方向検出手段は、それぞれピトー圧を発生するピトー管
で構成される。
【0017】また、第7の発明は、前記第5の発明にお
いて、前記切換弁は、スプール弁で構成され、このスプ
ール弁の一端は前記直結モードクラッチの入力回転数に
応じた第2信号圧を受ける受圧面積S1で形成される一
方、他端は前記動力循環モードクラッチの入力回転数に
応じた第1信号圧を受ける受圧面積S2で形成され、こ
れら受圧面積の比S1/S2は、無段変速機で設定可能な
最大変速比IcLOWと、前記サンギヤと無段変速機の出力
軸の変速比Idと、減速機の減速比Igと所定の定数Kを S1/S2=K2(IcLOW×Id/Ig)2 の関係に設定するとともに、前記定数Kを 0.9<K<1.0 に設定する。
【0018】
【作用】したがって、第1の発明は、ユニット入力軸へ
入力された駆動力は、無段変速機と減速機へそれぞれ並
列的に伝達され、無段変速機へ入力された駆動力は、無
段変速機の出力軸に連結された遊星歯車機構のサンギヤ
へ伝達される一方、減速機へ入力された駆動力は、無段
変速機と同軸の入力ギヤから、シングルピニオンで構成
された遊星歯車機構のキャリアと同軸の出力ギヤへ伝達
され、直結モードクラッチを解放する一方、動力循環モ
ードクラッチの締結する動力循環モードでは、無段変速
機の変速比Icと減速機の減速比Igに応じて遊星歯車機構
のキャリアに連結されたユニット出力軸が駆動され、逆
に、直結モードクラッチを締結する一方、動力循環モー
ドクラッチを解放する直結モードでは、無段変速機の変
速比Icとカウンタギヤ列変速比Idに応じてユニット出力
軸が駆動される。これら2つの変速モードは、動力伝達
モード切換制御手段によって切り換えられるが、動力循
環モードと直結モードとの切り換えを行う変速モード切
換点Pでは、動力循環モードクラッチ及び直結モードク
ラッチが同時に締結されるため、変速モードの切り換え
時であってもクラッチが滑ることはなく、ユニット出力
軸へ確実に駆動力を伝達できる。
【0019】また、第2の発明は、前記動力伝達モード
切換制御手段は、第1信号圧制御手段と第2信号圧制御
手段からの第1及び第2信号圧の差圧に応動する切換弁
によって、動力循環モードクラッチと直結モードクラッ
チへそれぞれ油圧を供給して締結、解放を制御し、第1
信号圧の方が大きいときには、動力循環モードクラッチ
へ所定の油圧を供給して締結する一方、直結モードクラ
ッチへの油圧の供給を行わずに解放し、第2信号圧の方
が大きいときには、直結モードクラッチへ所定の油圧を
供給して締結する一方、動力循環モードクラッチへの油
圧の供給を行わずに解放するが、第1及び第2信号圧が
等しいときには、動力循環モードクラッチと直結モード
クラッチを同時に締結するため、ユニット出力軸へ確実
に駆動力を伝達しながら変速モードの切り換えを行うこ
とができる。
【0020】また、第3の発明は、動力伝達モード切換
制御手段を構成する切換弁は、一定信号圧制御手段とク
ラッチ切換信号圧制御手段からの信号圧の差圧に応じ
て、動力循環モードと直結モードとを切り換えるが、こ
の変速モードを切り換える際には一時的に差圧が等しく
なって動力循環モードクラッチ及び直結モードクラッチ
を同時に締結するため、ユニット出力軸へ確実に駆動力
を伝達しながら変速モードの切り換えを行うことができ
る。
【0021】また、第4の発明は、動力伝達モード切換
制御手段を構成する切換弁は、付勢手段と、これに対抗
する信号圧が付与する力の差に応じて中立位置を挟んで
動力循環モードと直結モードとを切り換えるが、変速モ
ードの切り換え時には一時的に付勢手段が付与する付勢
力と信号圧が付与する力が等しくなって、動力循環モー
ドクラッチ及び直結モードクラッチを同時に締結するた
め、ユニット出力軸へ確実に駆動力を伝達しながら変速
モードの切り換えを行うことができる。
【0022】また、第5の発明は、動力伝達モード切換
制御手段を構成する切換弁は、動力循環モードクラッチ
と直結モードクラッチの入力回転数に応じた第1及び第
2の信号圧の差圧に応じて変速モードを切り換え、変速
モードの切換点Pではこれら信号圧が一時的に等しくな
って、動力循環モードクラッチ及び直結モードクラッチ
を同時に締結するため、ユニット出力軸へ確実に駆動力
を伝達しながら変速モードの切り換えを行うことがで
き、また、変速比が負となる車両の後進時には第3信号
圧に応じて第1切換弁の変位が禁止されるため、後進中
には動力循環モードが保持して誤動作を防止できる。
【0023】また、第6の発明は、第1及び第2信号圧
制御手段並びに出力回転方向検出手段は、それぞれピト
ー圧を発生するピトー管で構成され、各信号圧は回転数
に対して2次関数的に増大する。
【0024】また、第7の発明は、切換弁を両端の受圧
面積の異なるスプール弁で構成し、この受圧面積の比S
1/S2をS1/S2=K2(IcLOW×Id/Ig)2とし、か
つ、前記定数Kを0.9<K<1.0と設定すること
で、変速モードの切換点Pが無段変速機で設定可能な最
大変速比IcLOWより小さい場合であっても、切換点Pで
は確実に両者のクラッチを同時に締結して駆動力を確保
しながら、無段変速機で設定可能な変速範囲を有効に利
用できる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を添付
図面に基づいて説明する。
【0026】図1は、無段変速機2として前記従来例の
図11に示したトロイダル型無段変速機を用いて、FF
車に搭載される変速比無限大無段変速機を構成した一例
を示し、変速比無限大無段変速機のハウジングに駆動軸
11a、11bと連結した差動ギヤ8を収装したもので
ある。
【0027】エンジンに結合される変速比無限大無段変
速機のユニット入力軸1に、変速比Icをほぼ連続的に変
更可能な無段変速機2と、減速機3を並列的にそれぞれ
連結するとともに、無段変速機2の出力軸4と、減速機
3の出力軸3cがそれぞれ遊星歯車機構5へ同軸的に入
力され、この遊星歯車機構5と同軸上に軸支されたユニ
ット出力軸6を介して、車両の駆動軸11a、11bに
連結された差動ギヤ8へ駆動力を伝達する。
【0028】減速機3は、ユニット入力軸1に同軸的に
設けた入力ギヤ3aと、ユニット出力軸6と同軸的に配
設された減速機出力軸3cの出力ギヤ3bが歯合し、減
速機3に設定された所定の減速比Igに応じて遊星歯車機
構5と同軸の減速機出力軸3cが回転する。
【0029】一方、無段変速機2の出力軸に形成された
出力ギヤ2aは、無段変速機2の入出力軸と平行な軸を
備えたカウンタギヤ40を介して、遊星歯車機構5及び
ユニット出力軸6と同軸的に軸支された無段変速機2の
出力軸4に設けたギヤ4aと歯合して、無段変速機2の
減速比に応じて無段変速機出力軸4が回転する。
【0030】無段変速機2の出力軸4は遊星歯車機構5
のサンギヤ5aに、減速機3の出力軸3cは動力循環モ
ードクラッチ9を介してシングルピニオンで構成された
遊星歯車機構5のキャリア5bにそれぞれ連結され、リ
ングギヤ5cが変速比無限大無段変速機の出力軸である
ユニット出力軸6に結合される。
【0031】そして、無段変速機2の出力軸4と、ユニ
ット出力軸6との間には、直結モードクラッチ10が介
装される。
【0032】なお、無段変速機2を構成するトロイダル
型無段変速機としては、2組の入力ディスク及び出力デ
ィスクの間に、それぞれ一対のパワーローラを挟持する
場合を示し、パワーローラの傾転角に応じて変速比Icを
連続的に変更するものである。
【0033】ここで、FF車に搭載される変速比無限大
変速機では、変速機ハウジングに駆動軸11a、11b
と結合した差動ギヤ8を上記したように収装しており、
ユニット出力軸6には変速機出力ギヤ7が設けられ、こ
の変速機出力ギヤ7は差動ギヤ8のファイナルギヤ12
と直接歯合して、所定の総減速比で差動ギヤ8と結合し
た駆動軸11a、11bに駆動力が伝達される。
【0034】このような、変速比無限大無段変速機で
は、動力循環モードクラッチ9を解放する一方、直結モ
ードクラッチ10を締結することで、無段変速機2の変
速比Icとカウンタギヤ列の変速比Idの積で出力を行う
直結モードと、動力循環モードクラッチ9を締結する一
方、直結モードクラッチ10を解放することにより、無
段変速機2の変速比Icと減速機3の減速比Igに応じて、
変速比無限大無段変速機全体のユニット変速比Iiを負の
値から正の値まで無限大を含んでほぼ連続的に制御を行
う動力循環モードとを選択的に使用することができ、こ
れら2つの変速モードの切換は、動力伝達モード切換制
御手段23からの油圧に応じて、動力循環モードクラッ
チ9と直結モードクラッチ10の締結状態を変更するこ
とで行われる。
【0035】動力伝達モード切換制御手段23は、第1
信号圧制御手段としての動力循環モードクラッチ締結信
号圧制御手段21からの動力循環モードクラッチ締結信
号圧PLSと、同じく第2信号圧制御手段としての直結モ
ードクラッチ締結信号圧制御手段22からの直結モード
クラッチ締結信号圧PHSの差圧に応じて、動力循環モー
ドクラッチ9を駆動する動力循環モードクラッチ締結圧
LCと直結モードクラッチ10を駆動する直結モードク
ラッチ締結圧PHCへ、選択的にライン圧PLを供給する
切換弁33から構成される。
【0036】動力伝達モード切換制御手段23を構成す
る切換弁33は、図2に示すように、動力循環モードク
ラッチ締結信号圧制御手段21からの動力循環モードク
ラッチ締結信号圧PLSと、直結モードクラッチ締結信号
圧制御手段22からの直結モードクラッチ締結信号圧P
HSの差圧に応じて軸方向へ変位自在なスプール34を主
体に構成される。
【0037】なお、動力循環モードクラッチ締結信号圧
制御手段21と直結モードクラッチ締結信号圧制御手段
22は、車両の運転状況及び運転者の操作等に応じて締
結信号圧PLS、PHSの値を変更するものであり、例え
ば、図示しない変速コントローラ等からの指令に基づい
て、これら締結信号圧PLS、PHSの設定を行う。
【0038】切換弁33には、3つのランド34a〜3
4cを備えたスプール34の図中左側のランド34aの
端面に直結モードクラッチ締結信号圧PHSを導く信号圧
ポート33Hと、同じくスプール34の図中右側のラン
ド34cの端面に動力循環モードクラッチ締結信号圧P
LSを導く信号圧ポート33Lが形成される。
【0039】そして、図2に示す中立位置において、ス
プール34のほぼ中央部に形成されたランド34bと左
右のランド34a、34cとの間には、動力循環モード
クラッチ9と直結モードクラッチ10へそれぞれライン
圧PLを供給する供給ポート33a、33bと、レギュ
レータ弁31を介してポンプ32と連通した一対のライ
ン圧ポート33c、33dがそれぞれ開口する一方、ラ
ンド34bと対向する位置には、タンクと連通したタン
クポートX、Xが形成される。
【0040】締結信号圧PLSとPHSがほぼ等しい、スプ
ール34の中立位置ではランド34bでタンクポート
X、Xが閉鎖される一方、ライン圧ポート33c、33
dと供給ポート33a、33bがそれぞれ連通して、動
力循環モードクラッチ9及び直結モードクラッチ10に
は、締結圧PLC、PHCとしてレギュレータ弁31で調圧
されたライン圧PLがそれぞれ供給される。
【0041】このような構成の変速比無限大無段変速機
の作用について、以下に詳述する。直結モードクラッチ
10を締結する一方、動力循環モードクラッチ9を解放
する直結モードでは、ユニット出力軸6とユニット入力
軸1の変速比であるユニット変速比Iiは、無段変速機2
の変速比Icとカウンタギヤ列の変速比Idの積(Ii=Ic×
Id)となり、無段変速機2で設定可能な最大変速比と最
小変速比である、最Low変速比IcLOWから最Hi変速
比IcHIとの間で、変速比を連続的に変化させて車両を前
進駆動する。
【0042】一方、動力循環モードクラッチ9を締結す
る一方、直結モードクラッチ10を解放した動力循環モ
ードでは、同じく図4に示すように、ユニット変速比Ii
が無段変速機2の変速比Icと減速機3の減速比Igに応じ
て、負の値から最Low変速比IcLOWの間で中立位置(I
i=∞)を含んだ任意の変速比に設定され、車両の後
進、停止、前進を無段変速機2の変速比Icの変化に応じ
て連続的に切り換えることができる。
【0043】なお、無段変速機2の変速比Icが最大とな
る最Low変速比IcLOWでは、直結モードと動力循環モ
ードのユニット変速比Iiはほぼ等しくなるように設定さ
れ、直結モードの変速比Ii(=Ic×Id)と動力循環モー
ドの変速比Iiが交わる点がモード切換点Pとなり、この
モード切換点Pでは直結モードと動力循環モードの切り
換えを、総減速比に段差を生じることなく円滑に行うこ
とができる。
【0044】ここで、2つの変速モードを切り換える動
力伝達モード切換制御手段23を構成する切換弁33の
動作について説明する。
【0045】直結モードを選択する場合には、動力循環
モード締結信号圧制御手段21と直結モードクラッチ締
結信号圧制御手段22からの締結信号圧PLS、PHSの関
係は、 PLS<PHS となるように設定される。
【0046】締結信号圧PLS、PHSに応動するスプール
34は図3の上半分に示した34Hの位置まで、図2の
中立位置から右側へ向けて変位して、供給ポート33b
とライン圧ポート33dが連通する一方、供給ポート3
3aとタンクポートXが連通する。
【0047】したがって、供給ポート33bと連通した
直結モードクラッチ10にはライン圧PLが供給されて
締結圧PHC=PLとなって締結状態となる一方、供給ポ
ート33aと連通した動力循環モードクラッチ9はタン
クポートXに連通するため、締結圧PLCはドレンされて
解放状態となる。
【0048】一方、動力循環モードを選択する場合に
は、動力循環モード締結信号圧制御手段21と直結モー
ドクラッチ締結信号圧制御手段22からの締結信号圧P
LS、PHSの関係は、 PLS>PHS となるように設定される。
【0049】締結信号圧PLS、PHSに応動するスプール
34は図3の下半分に示した34Lの位置まで、図2の
中立位置から左側へ向けて変位して、供給ポート33a
とライン圧ポート33cが連通する一方、供給ポート3
3bとタンクポートXが連通する。
【0050】したがって、供給ポート33aと連通した
動力循環モードクラッチ9にはライン圧PLが供給され
て締結圧PLC=PLとなって締結状態となる一方、供給
ポート33bと連通した直結モードクラッチ10はタン
クポートXに連通するため、締結圧PHCはドレンされて
解放状態となる。
【0051】これら2つの変速モードを切り換えるモー
ド切換点Pでは、動力循環モード締結信号圧制御手段2
1と直結モードクラッチ締結信号圧制御手段22からの
締結信号圧PLS、PHSの関係は、 PLS=PHS となるように設定され、スプール34は、図2に示すよ
うに、中立位置へ向けて変位し、タンクポートX、Xを
閉鎖する一方、供給ポート33a、33bとライン圧ポ
ート33c、33dがそれぞれ連通するため、締結圧P
LC=PHC=PLとなって、動力循環モードクラッチ9及
び直結モードクラッチ10は共に締結状態となる。
【0052】このスプール34の中立位置においては、
無段変速機2の変速比Icは、最Low変速比IcLOWに設
定されて、動力循環モードのユニット変速比Iiと直結モ
ードの変速比Ii(=Ic・Id)が等しくなる図4の切換点
Pとなるため、動力循環モードクラッチ9及び直結モー
ドクラッチ10が同時に締結されてもユニットとしてイ
ンタロック等の不都合を生ずることがなく、変速モード
の切り換えを行うことができるのである。
【0053】そして、直結モードから動力循環モードへ
の切り換え、あるいは逆の場合であっても、スプール3
4は必ず図2に示す中立位置を通過してから他方の変速
モードへ移行し、この中立位置で動力循環モードクラッ
チ9及び直結モードクラッチ10の両者を同時に締結し
た後に、他方のクラッチを解放するようにしたため、直
結モードと動力循環モードの変速モードの切り換えの際
には、次の表のように中立位置で動力循環モードクラッ
チ9と直結モードクラッチ10の両者を介して差動ギヤ
8へ確実に駆動力を伝達することができるのである。
【0054】
【表1】
【0055】こうして、スプール34の中立位置では、
2つのクラッチを同時に締結することで、駆動力の変動
を防止しながら変速モードの切り換えを行うことがで
き、前記従来例のように動力循環モードクラッチ9また
は直結モードクラッチ10の締結圧が不足することがな
くなって、エンジンからの駆動力を差動ギヤ8へ確実に
伝達することができ、モード切換点Pでのエンジンの空
転や駆動力の変動を防いで、円滑に変速モードの切り換
えを行うことが可能となり、運転者に不快感や違和感を
与えることがなくなって変速比無限大無段変速機を備え
た車両の運転性を向上させることができるのである。
【0056】図5〜図7は第2の実施形態を示し、前記
第1実施形態の動力伝達モード切換制御手段23を、ク
ラッチ切換信号圧制御手段124と一定信号圧制御手段
125に応じて動力伝達モードクラッチ9と直結モード
クラッチ10を駆動する動力伝達モード切換制御手段1
23に置き換えたもので、その他の構成は前記第1実施
形態と同様である。
【0057】動力伝達モード切換制御手段123は、ク
ラッチ切換信号圧制御手段124からの可変な信号圧P
Sと、一定信号圧制御手段125から供給される一定圧
Cの差に応じて、動力循環モードクラッチ9を駆動す
る動力循環モードクラッチ締結圧PLCと直結モードクラ
ッチ10を駆動する直結モードクラッチ締結圧PHCへ、
それぞれ選択的にライン圧PLを供給する切換弁133
から構成される。
【0058】動力伝達モード切換制御手段123を構成
する切換弁133は、図6に示すように、クラッチ切換
信号圧制御手段124からの信号圧PSと、一定信号圧
制御手段125から供給される一定圧PCの差圧に応じ
て、軸方向へ変位自在なスプール134を主体に構成さ
れる。
【0059】なお、クラッチ切換信号圧制御手段124
は、車両の運転状況及び運転者の操作等に応じて信号圧
Sの値を変更するものであり、例えば、図示しない変
速コントローラ等からの指令に基づいて、この信号圧P
Sの設定を行う。
【0060】切換弁133には、前記第1実施形態と同
様に、3つのランド134a〜134cを備えたスプー
ル134の図中左側のランド134aの端面に一定圧P
Cを導く信号圧ポート133Lと、同じくスプール134
の図中右側のランド134cの端面にクラッチ切換信号
圧制御手段124からの信号圧PSを導く信号圧ポート
133Hが形成されており、この図6では、スプール1
34は、中立位置を示す。
【0061】そして、この中立位置において、スプール
134のほぼ中央部に形成されたランド134bと左右
のランド134a、134cとの間には、前記第1実施
形態と同様に、動力循環モードクラッチ9と直結モード
クラッチ10へそれぞれライン圧PLを供給する供給ポ
ート133a、133bと、図示しないレギュレータ弁
を介してポンプと連通した一対のライン圧ポート133
c、133dがそれぞれ開口する一方、ランド134b
と対向する位置には、タンクと連通したタンクポート
X、Xが形成される。
【0062】一定圧PCと信号圧PSが等しいスプール1
34の中立位置では、ライン圧ポート133c、133
dと供給ポート133a、133bがそれぞれ連通し
て、動力循環モードクラッチ9及び直結モードクラッチ
10には、締結圧PLC、PHCとして前記第1実施形態と
同様にライン圧PLがそれぞれ供給されて、同時に締結
が行われる。
【0063】直結モードを選択する場合には、クラッチ
切換信号圧制御手段124からの信号圧PSは、 PS<PC となるように設定され、信号圧PSと一定圧PCの差圧に
応動するスプール134は、信号圧PSに抗して一定圧
Cに付勢され、図7の上半分に示した134Hの位置
まで図中右側の直結モードへ向けて変位し、供給ポート
133bとライン圧ポート133dを連通する一方、供
給ポート133aとタンクポートXが連通され、直結モ
ードクラッチ10にはライン圧PLが供給されて締結状
態となる一方、供給ポート133aと連通した動力循環
モードクラッチ9はタンクポートXに連通するため締結
圧PLCはドレンされて解放状態となる。
【0064】一方、動力循環モードを選択する場合に
は、クラッチ切換信号圧制御手段124からの信号圧P
Sは、 PS>PC となるように設定され、スプール134は図7の下半分
に示した134Lの位置まで左側へ向けて変位して、供
給ポート133aとライン圧ポート133cを連通する
一方、供給ポート133bとタンクポートXを連通させ
て、動力循環モードクラッチ9にライン圧PLを供給し
て締結状態とする一方、直結モードクラッチ10をタン
クポートXに連通させて解放状態にする。
【0065】この場合にも、前記第1実施形態と同様
に、直結モードから動力循環モードへの切り換え、ある
いは逆の場合であっても、スプール134は必ず図6に
示す中立位置を通過してから他方の変速モードへ移行す
るため、中立位置で動力循環モードクラッチ9と直結モ
ードクラッチ10の両者を介して差動ギヤ8へ確実に駆
動力を伝達することができるのである。
【0066】図8〜図10は第3の実施形態を示し、前
記第2実施形態の動力伝達モード切換制御手段123の
一定信号圧制御手段125を、付勢手段としてのスプリ
ング235に置き換えたもので、その他の構成は前記第
2実施形態と同様である。
【0067】動力伝達モード切換制御手段223は、ク
ラッチ切換信号圧制御手段124からの信号圧PSと、
スプリング235の付勢力FSの力の差に応じて、動力
循環モードクラッチ9を駆動する動力循環モードクラッ
チ締結圧PLCと直結モードクラッチ10を駆動する直結
モードクラッチ締結圧PHCへ、それぞれ選択的にライン
圧PLを供給する切換弁233から構成される。
【0068】動力伝達モード切換制御手段123を構成
する切換弁233は、図9に示すように、軸方向へ変位
自在なスプール234を主体に構成され、スプリング2
35は所定の受圧面積Sで形成された図中左側のスプー
ル234の端面を押圧して、スプール234を直結モー
ド側(図中右側)へ向けて常時付勢する。なお、この図
9に示すスプール234の位置が、中立位置となる。
【0069】一方、スプール234の右側の端面には、
信号圧ポート233Hを介してクラッチ切換信号圧制御
手段124からの信号圧PSが導かれる。なお、スプー
ル234のランド234a〜234c及び切換弁233
の各ポート233a〜233Hは前記第2実施形態と同
様に構成される。
【0070】直結モードを選択する場合には、クラッチ
切換信号圧制御手段124からの信号圧PSは、 S×PS<FS となるように設定され、信号圧PSによる力とスプリン
グ235の付勢力FSの差に応動するスプール234
は、信号圧PSに抗してスプリング235の付勢力FS
よって図中右側へ付勢され、図10の上半分に示した2
34Hの直結モードへ向けて変位し、供給ポート233
bとライン圧ポート233dを連通する一方、供給ポー
ト233aとタンクポートXが連通され、直結モードク
ラッチ10にはライン圧PLが供給されて締結状態とな
る一方、供給ポート133aと連通した動力循環モード
クラッチ9はタンクポートXに連通するため締結圧PLC
はドレンされて解放状態となる。
【0071】一方、動力循環モードを選択する場合に
は、クラッチ切換信号圧制御手段124からの信号圧P
Sは、 S×PS>FS となるように設定され、スプール234は図10の下半
分に示した234Lの位置までスプリング235に抗し
て左側へ向けて変位して、供給ポート233aとライン
圧ポート233cを連通する一方、供給ポート233b
とタンクポートXを連通させて、動力循環モードクラッ
チ9にライン圧PLを供給して締結状態とする一方、直
結モードクラッチ10をタンクポートXに連通させて解
放状態にする。
【0072】この場合にも、前記第2実施形態と同様
に、直結モードから動力循環モードへの切り換え、ある
いは逆の場合であっても、スプール234は必ず図9に
示す中立位置を通過してから他方の変速モードへ移行す
るため、中立位置で動力循環モードクラッチ9と直結モ
ードクラッチ10の両者を介して差動ギヤ8へ確実に駆
動力を伝達することができるのである。
【0073】図11〜図14は第4の実施形態を示し、
前記第1実施形態の動力伝達モード切換制御手段23を
2つのスプールを備えた切換弁333とし、動力循環モ
ード締結信号圧制御手段21を直結モードクラッチ回転
数検出手段326に、直結モードクラッチ締結信号圧制
御手段22を動力循環モードクラッチ回転数検出手段3
27へそれぞれ置き換えると共に、第2のスプール33
7を駆動する出力回転方向検出手段328を加えたもの
であり、その他の構成は前記第1実施形態と同様であ
る。
【0074】直結モードクラッチ回転数検出手段326
は、直結モードクラッチ10の入力軸回転数、すなわ
ち、遊星歯車機構5のサンギヤ5aと結合した無段変速
機出力軸4の回転数NDを検出し、それに応じた信号圧
LSを、動力循環モードクラッチ回転数検出手段327
は、動力循環モードクラッチ9の入力軸回転数、すなわ
ち、減速機3の出力ギヤ3bの回転数NLを検出し、そ
れに応じた信号圧PHSをそれぞれ動力伝達モード切換制
御手段323を構成する切換弁333へ供給するもので
ある。
【0075】直結モードクラッチ回転数検出手段326
及び動力循環モードクラッチ回転数検出手段327は、
入力回転数の上昇に応じて2次関数的に上昇する油圧を
発生するピトー管が採用され、信号圧PHS、PLSはそれ
ぞれのクラッチの回転数の上昇に応じたピトー圧とな
る。
【0076】そして、出力回転方向検出手段328はユ
ニット出力軸6の逆転時のみピトー圧PRSを発生させる
ピトー管で構成されており、ユニット出力軸6の逆転
時、すなわち、車両の後進時にのみピトー圧PRSが切換
弁333へ供給される。
【0077】動力伝達モード切換制御手段323を構成
する切換弁333は、図12に示すように、動力循環モ
ードクラッチ回転数検出手段327からの信号圧P
HSと、直結モードクラッチ回転数検出手段326からの
信号圧PLSの差に応じて軸方向へ変位自在な第1のスプ
ールとしてスプール334と、回転方向検出手段328
からのピトー圧PRSに応じて軸方向へ変位するととも
に、第1のスプール334の右側(ランド334c)の
端面と接離可能な第2のスプール335から構成され
る。
【0078】第1のスプール334には3つのランド3
34a〜334cが形成され、切換弁333には第1の
スプール334の図中左側のランド334aの端面に信
号圧PHSを導く信号圧ポート333Hと、同じくスプー
ル334の図中右側のランド334cの端面に信号圧P
LSを導く信号圧ポート333Lが形成される。
【0079】動力循環モードクラッチ9の回転数に応じ
た信号圧PHSを受けるランド334aの端面は所定の受
圧面積S2を備える一方、直結モードクラッチ10の回
転数に応じた信号圧PLSを受けるランド334cは、ラ
ンド334aよりも小さな外径を備えており、信号圧P
LSを受けるランド334cの端面は、334aの受圧面
積S2未満の所定の受圧面積S1で形成される。なお、外
径の小さなランド334cと切換弁333の内周との間
には所定の肉厚のスリーブ335が介装される。
【0080】そして、図12に示すスプール334の中
立位置において、切換弁333にはスプール334のほ
ぼ中央部に形成されたランド334bと左右のランド3
34a、334cとの間には、動力循環モードクラッチ
9と直結モードクラッチ10へそれぞれライン圧PL
供給する供給ポート333a、333bと、前記第1実
施形態と同様にポンプと連通した一対のライン圧ポート
333c、333dがそれぞれ開口する一方、ランド3
34bと対向する位置には、タンクと連通したタンクポ
ートX、Xが形成される。
【0081】さらに、切換弁333の内周は信号圧ポー
ト333Lよりも図中右側へ延設されて、2つのランド
337a、337bを形成した第2のスプール337が
第1のスプール334と同軸的に収装され、これらスプ
ール334、337は相互に対向する端面で接離可能と
なる。
【0082】スプール337は、スプール334と対向
する側に外径の小さなランド337aを形成する一方、
図中右側の端部には外径の大きな337bが形成され、
ランド337aと切換弁333の内周との間にはスリー
ブ336が介装されて第2のスプール337は両端で受
圧面積が異なるように設定され、ランド337aの端面
には直結モードクラッチ回転数検出手段326からの信
号圧PLSが加わる。
【0083】切換弁333には、図中右側のランド33
7bの端面へ出力回転方向検出手段328からのピトー
圧PRSを導くポート333eが形成され、さらに、ラン
ド337a、337bとの間にはタンクポートXが開口
する ここで、変速比無限大無段変速機の減速機3の減速比を
Ig、無段変速機2で設定可能な最大変速比を最Low変
速比IcLOW、無段変速機2の出力ギヤ2aからサンギヤ
5aまでのカウンタギヤ列(出力ギヤ2a、カウンタギ
ヤ40、ギヤ4a)の変速比をIdとすると、 Ig ≦ IcLOW×Id に設定され、Ig < IcLOW×Idの場合には、減速比IgをI
cLOWとIdの積未満で設定可能な最大値に設定する。
【0084】そして、第1のスプール334の端面を構
成するランド334c、334aは受圧面積がS1<S2
に設定される。すなわち、動力循環モードクラッチ9の
入力回転数に応じた信号圧PHSを受ける受圧面積S2
りも直結モードクラッチ10の入力回転数に2次関数的
に比例する信号圧PLSを受ける受圧面積S1が若干小さ
な値に設定され、上記減速比Ig、変速比Id、IcLOWより
次式のように設定される。
【0085】
【数1】
【0086】ただし、Kは定数で、0.9<K<1に設
定される。
【0087】そして、信号圧PLS、PHSは上記したよう
に、各クラッチの入力回転数に2次関数的に比例するた
め、 PLS=h×ND 2 …(2) PHS=h×NL 2 …(3) ただし、hは比例定数となる。
【0088】ここで、直結モードクラッチ回転数検出手
段326が検出する直結モードクラッチ10の入力軸回
転数、すなわち、遊星歯車機構5のサンギヤ5aと結合
した無段変速機出力軸4の回転数NDと、動力循環モー
ドクラッチ回転数検出手段327が検出する動力循環モ
ードクラッチ9の入力軸回転数、すなわち、減速機3の
出力ギヤ3bの回転数NLは、ユニット入力軸1の回転
数をNINとすると、
【0089】
【数2】
【0090】となる。
【0091】ここで、無段変速機2の変速比Ic<KIc
LOWが最Low変速比IcLOWに上記定数K(0.9<K<
1.0)を乗じた値より小さいときには、スプール33
4の両端に加わる力、S1LS及びS2HSは次式のよう
になる。
【0092】
【数3】
【0093】したがって、S1LS>S2HSとなって、
スプール334は図13の下半分に示すように図中左側
へ変位して、動力循環モードクラッチ9へ供給ポート3
33aからライン圧PLを供給する一方、供給ポート3
33bを介して直結モードクラッチ10をタンクに接続
し、動力循環モードクラッチ9のみを締結する動力循環
モードとなる。
【0094】一方、無段変速機2の変速比Ic>KIcLOW
が最Low変速比IcLOWに上記定数K(0.9<K<
1.0)を乗じた値より大きいときには、スプール33
4の両端に加わる力、S1LS及びS2HSは、上記
(7)式と同様の計算からS1LS<S2HSとなって、
スプール334は,図13の上半分に示すように図中左
側へ変位して、直結モードクラッチ10へ供給ポート3
33bからライン圧PLを供給する一方、供給ポート3
33aを介して動力循環モードクラッチ9をタンクに接
続し、直結モードクラッチ10のみを締結する直結モー
ドとなる。
【0095】そして、無段変速機2に設定された変速比
Icが、 Ic=K×IcLOW のときには、スプール334の両端に加わる力、S1
LS,S2HSは等しくなるため、スプール334は図1
2に示す中立位置となって、供給ポート333a、bを
それぞれライン圧ポート333c、dに接続して、動力
循環モードクラッチ9と直結モードクラッチ10の両者
を同時に締結することができ、上記実施形態と同様に、
直結モードから動力循環モードへの切り換え、あるいは
逆の場合であっても、スプール334は必ず図12に示
す中立位置を通過してから他方の変速モードへ移行する
ため、中立位置で動力循環モードクラッチ9と直結モー
ドクラッチ10の両者を介して差動ギヤ8へ確実に駆動
力を伝達することができるのである。
【0096】加えて、上記(1)式のようにスプール3
34の両端の受圧面積S1、S2の比に応じた定数Kによ
って、変速モードの切換点Pを変更することにより、図
15に示すように、減速機3の減速比Ig等の都合によ
り、動力循環モードで設定可能な最大のユニット変速比
の逆数(1/Ii)maxと、直結モードで設定可能な最小
のユニット変速比の逆数(1/IcId)min=1/IcLOWId
が一致しないような場合であっても、円滑に変速モード
の切り換えが可能となるとともに、定数Kを0.9より
大かつ1.0未満に設定することで、ユニット変速比Ii
に反映されない切換点Pよりも変速比が大きい範囲を縮
小して、無段変速機2の変速範囲を有効に利用すること
ができるのである。
【0097】そして、ユニット出力軸6が逆転する車両
の後進時には、出力回転方向検出手段328から第2の
スプール337へピトー圧PRSが供給され、第2のスプ
ール337は図14に示すように、動力循環モードの第
1のスプール334Lへ向けて変位するとともに、ラン
ド337a側の端面でスプール334を押圧する。
【0098】このため、車両の後進中にはスプール33
4が直結モードへの切り換えを禁止されて動力循環モー
ドを維持する事が可能となって、変速比無限大無段変速
機の誤動作を防ぐことができる。
【0099】なお、上記実施形態において、直結モード
クラッチ回転数検出手段326、動力循環モードクラッ
チ回転数検出手段327及び出力回転方向検出手段32
8をピトー管にて構成したが、図示はしないが、回転数
センサや回転方向センサと、これらセンサの出力に応じ
た油圧を発生する手段によって構成してもよい。
【0100】
【発明の効果】以上説明したように第1の発明は、動力
循環モードと直結モードの2つの変速モードは、動力伝
達モード切換制御手段によって切り換えられるが、動力
循環モードと直結モードとの切り換えを行う変速モード
切換点Pでは、動力循環モードクラッチ及び直結モード
クラッチが同時に締結されるため、変速モードの切り換
え時であってもユニット出力軸へ確実に駆動力を伝達で
き、前記従来例のようなクラッチの締結圧の不足による
駆動力の変動や、エンジンの空転を防止でき、変速比無
限大無段変速機を備えた車両の運転性を向上させること
が可能となる。
【0101】また、第2の発明は、前記動力伝達モード
切換制御手段は、第1信号圧制御手段と第2信号圧制御
手段からの第1及び第2信号圧の差圧に応動する切換弁
によって、動力循環モードクラッチと直結モードクラッ
チへそれぞれ油圧を供給して締結、解放によって直結モ
ードと動力循環モードを切り換え、この変速モードの切
り換え時に動力循環モードクラッチと直結モードクラッ
チを同時に締結するため、ユニット出力軸へ確実に駆動
力を伝達しながら変速モードの切り換えを行うことがで
き、ユニット出力軸へ確実に駆動力を伝達でき、前記従
来例のようなクラッチの締結圧の不足による駆動力の変
動や、エンジンの空転を防止でき、変速比無限大無段変
速機を備えた車両の運転性を向上させることが可能とな
る。
【0102】また、第3の発明は、動力伝達モード切換
制御手段を構成する切換弁は、一定信号圧制御手段とク
ラッチ切換信号圧制御手段からの信号圧の差圧に応じ
て、動力循環モードと直結モードとを切り換えるが、こ
の変速モードを切り換える際には一時的に差圧が等しく
なって動力循環モードクラッチ及び直結モードクラッチ
を同時に締結するため、ユニット出力軸へ確実に駆動力
を伝達しながら変速モードの切り換えを行うことがで
き、前記従来例のようなクラッチの締結圧の不足による
駆動力の変動や、エンジンの空転を防止して、変速比無
限大無段変速機を備えた車両の運転性を向上させること
が可能となる。
【0103】また、第4の発明は、動力伝達モード切換
制御手段を構成する切換弁は、付勢手段と、これに対抗
する信号圧が付与する力の差に応じて中立位置を挟んで
動力循環モードと直結モードとを切り換えるが、変速モ
ードの切り換え時には一時的に付勢手段が付与する付勢
力と信号圧が付与する力が等しくなって、動力循環モー
ドクラッチ及び直結モードクラッチを同時に締結するた
め、ユニット出力軸へ確実に駆動力を伝達しながら変速
モードの切り換えを行うことができ、前記従来例のよう
なクラッチの締結圧の不足による駆動力の変動や、エン
ジンの空転を防止して、変速比無限大無段変速機を備え
た車両の運転性を向上させることが可能となる。
【0104】また、第5の発明は、動力伝達モード切換
制御手段を構成する切換弁は、動力循環モードクラッチ
と直結モードクラッチの入力回転数に応じた第1及び第
2の信号圧の差圧に応じて変速モードを切り換え、変速
モードの切換点Pではこれら信号圧が一時的に等しくな
って、動力循環モードクラッチ及び直結モードクラッチ
を同時に締結するため、ユニット出力軸へ確実に駆動力
を伝達しながら変速モードの切り換えを行って、運転性
を向上させると共に、変速比が負となる車両の後進時に
は第3信号圧に応じて第1切換弁の変位が禁止されるた
め、後進中には動力循環モードが保持して誤動作を防止
でき、変速比無限大無段変速機の信頼性を確保できる。
【0105】また、第6の発明は、第1及び第2信号圧
制御手段並びに出力回転方向検出手段は、それぞれピト
ー圧を発生するピトー管で構成され、各信号圧は回転数
に対して2次関数的に増大する。
【0106】また、第7の発明は、切換弁を両端の受圧
面積の異なるスプール弁で構成し、この受圧面積の比S
1/S2をS1/S2=K2(IcLOW×Id/Ig)2とし、か
つ、前記定数Kを0.9<K<1.0と設定すること
で、変速モードの切換点Pが無段変速機で設定可能な最
大変速比IcLOWより小さい場合であっても、切換点Pで
は確実に両者のクラッチを同時に締結して駆動力を確保
しながら、無段変速機で設定可能な変速範囲を有効に利
用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す変速比無限大無段変
速機の概念図。
【図2】同じく動力伝達モード切換制御手段を構成する
切換弁のブロック図。
【図3】同じく切換弁の動作を示すブロック図。
【図4】無段変速機の変速比Icとユニット変速比Iiの関
係を示すグラフ。
【図5】第2の実施形態を示す変速比無限大無段変速機
の概念図。
【図6】同じく動力伝達モード切換制御手段を構成する
切換弁のブロック図。
【図7】同じく切換弁の動作を示すブロック図。
【図8】第3の実施形態を示す変速比無限大無段変速機
の概念図。
【図9】同じく動力伝達モード切換制御手段を構成する
切換弁のブロック図。
【図10】同じく切換弁の動作を示すブロック図。
【図11】第4の実施形態を示す変速比無限大無段変速
機の概念図。
【図12】同じく動力伝達モード切換制御手段を構成す
る切換弁のブロック図。
【図13】同じく切換弁の動作を示すブロック図。
【図14】同じく第2スプールの動作を示すブロック
図。
【図15】切換点Pが最Low変速比IcLOW未満の場合
のユニット変速比Iiの逆数と無段変速機の変速比Icの関
係を示すグラフである。
【図16】従来の変速比無限大無段変速機を示す概念
図。
【図17】同じく伝達モード切換弁の動作を示すブロッ
ク図。
【符号の説明】
1 ユニット入力軸 2 無段変速機 2a 出力ギヤ 3 減速機 3a 入力ギヤ 3b ギヤ 3c 減速機出力軸 4 無段変速機出力軸 4a ギヤ 5 遊星歯車機構 5a サンギヤ 5b キャリア 5c リングギヤ 6 ユニット出力軸 7 変速機出力ギヤ 8 差動ギヤ 9 動力循環モードクラッチ 10 直結モードクラッチ 11a、11b 駆動軸 12 ファイナルギヤ 21 動力循環モードクラッチ締結信号圧制御手段 22 直結モードクラッチ締結信号圧制御手段 23 動力伝達モード切換制御手段 31 レギュレータ弁 32 ポンプ 33 切換弁 34 スプール 40 カウンタギヤ 123 動力伝達モード切換制御手段 124 クラッチ切換信号圧制御手段 125 一定信号圧制御手段 133 切換弁 134 スプール 223 動力伝達モード切換制御手段 233 切換弁 234 スプール 235 スプリング 323 動力伝達モード切換制御手段 326 直結モードクラッチ回転数検出手段 327 動力循環モードクラッチ回転数検出手段 328 出力回転方向検出手段 333 切換弁 334 スプール 335 スリーブ 336 スリーブ 337 スプール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 59/00 - 61/12 F16H 61/16 - 61/24 F16H 63/40 - 63/48 F16H 37/02

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ユニット入力軸にそれぞれ接続された無段
    変速機及び減速機と、 無段変速機の出力軸に連結したサンギヤ、シングルピニ
    オンで構成されて減速機の出力軸に連結したキャリア及
    びユニット出力軸に連結したリングギヤとからなる遊星
    歯車機構と、 前記ユニット入力軸から遊星歯車機構のキャリアへの動
    力伝達経路の途中に介装された動力循環モードクラッチ
    と、 前記サンギヤからユニット出力軸の動力伝達経路の途中
    に介装された直結モードクラッチと、 前記動力循環モードクラッチと直結モードクラッチをそ
    れぞれ選択的に締結、解除して無段変速機の変速比Icに
    よってユニット出力軸を駆動する直結モードと、無段変
    速機の変速比Icと減速機の減速比Igに応じたユニット変
    速比Iiでユニット出力軸を駆動する動力循環モードを切
    り換える動力伝達モード切換制御手段とを備えた変速比
    無限大無段変速機の変速制御装置において、 前記動力伝達モード切換制御手段は、前記動力循環モー
    ドクラッチの回転数直結モードクラッチの回転数が等
    しくなる変速モード切換点Pにおいて、前記動力循環モ
    ードクラッチ及び直結モードクラッチを同時に締結する
    ことを特徴とする変速比無限大無段変速機の変速制御装
    置。
  2. 【請求項2】 前記動力循環モードクラッチ及び直結モ
    ードクラッチは、供給される油圧に応じて締結、解除を
    行う一方、前記動力伝達モード切換制御手段は、動力循
    環モードクラッチを制御する第1の信号圧制御手段と、
    直結モードクラッチを制御する第2の信号圧制御手段か
    らの信号圧の差圧に応動する切換弁を備え、この切換弁
    は、前記第1及び第2の信号圧制御手段からの信号圧が
    等しいときには、前記動力循環モードクラッチ及び直結
    モードクラッチを同時に締結するようそれぞれ油圧を供
    給する一方、そうでない場合には前記信号圧の大きさに
    応じて動力循環モードクラッチまたは直結モードクラッ
    チのうちの一方へ所定の油圧を供給することを特徴とす
    る請求項1に記載の変速比無限大無段変速機の変速制御
    装置。
  3. 【請求項3】 前記動力循環モードクラッチ及び直結モ
    ードクラッチは、供給される油圧に応じて締結、解除を
    行う一方、前記動力伝達モード切換制御手段は、一定信
    号圧制御手段からの所定の信号圧Pcと、車両の運転状
    態に応じて信号圧を変更するクラッチ切換信号圧制御手
    段からの可変信号圧Psの差圧に応動する切換弁を備
    え、この切換弁は、前記一定信号圧制御手段とクラッチ
    切換信号圧制御手段からの信号圧が等しいときには、前
    記動力循環モードクラッチ及び直結モードクラッチを同
    時に締結するようそれぞれ油圧を供給する一方、そうで
    ない場合には前記信号圧の大きさに応じて動力循環モー
    ドクラッチまたは直結モードクラッチのうちの一方へ所
    定の油圧を供給することを特徴とする請求項1に記載の
    変速比無限大無段変速機の変速制御装置。
  4. 【請求項4】 前記動力循環モードクラッチ及び直結モ
    ードクラッチは、供給される油圧に応じて締結、解除を
    行う一方、前記動力伝達モード切換制御手段は、中立位
    置を挟んで動力循環モードと直結モードとを切換可能な
    切換弁と、この切換弁を動力循環モードまたは直結モー
    ドのうちの一方へ向けて付勢する付勢手段と、車両の運
    転状態に応じて前記付勢手段と対抗する方向で切換弁に
    信号圧を供給するクラッチ切換信号圧制御手段とから構
    成され、前記切換弁は、付勢手段が付与する付勢力と信
    号圧が付与する力が等しいときには、前記動力循環モー
    ドクラッチ及び直結モードクラッチを同時に締結するよ
    うそれぞれ油圧を供給する一方、そうでない場合には前
    記信号圧の大きさに応じて動力循環モードクラッチまた
    は直結モードクラッチのうちの一方へ所定の油圧を供給
    することを特徴とする請求項1に記載の変速比無限大無
    段変速機の変速制御装置。
  5. 【請求項5】 前記動力循環モードクラッチ及び直結モ
    ードクラッチは、供給される油圧に応じて締結、解除を
    行う一方、前記動力伝達モード切換制御手段は、動力循
    環モードクラッチの入力回転数に応じた第1の信号圧を
    発生する第1の信号圧制御手段と、直結モードクラッチ
    の入力回転数に応じた第2の信号圧を発生する第2の信
    号圧制御手段と、こられ第1及び第2の信号圧の差圧に
    応動する第1の切換弁と、前記ユニット出力軸の回転方
    向が車両の後進方向である場合に第3の信号圧を発生す
    る出力回転方向検出手段と、前記第3の信号圧に応じて
    前記第1切換弁の変位を規制する切換禁止手段とを備
    え、前記第1切換弁は、前記第1及び第2の信号圧制御
    手段からの信号圧が等しいときには、前記動力循環モー
    ドクラッチ及び直結モードクラッチを同時に締結するよ
    うそれぞれ油圧を供給する一方、そうでない場合には前
    記第1及び第2の信号圧の差圧に応じて動力循環モード
    クラッチまたは直結モードクラッチのうちの一方へ所定
    の油圧を供給することを特徴とする請求項1に記載の変
    速比無限大無段変速機の変速制御装置。
  6. 【請求項6】 前記第1及び第2信号圧制御手段並びに
    出力回転方向検出手段は、それぞれピトー圧を発生する
    ピトー管で構成されたことを特徴とする請求項5に記載
    の変速比無限大無段変速機の変速制御装置。
  7. 【請求項7】 前記切換弁は、スプール弁で構成され、
    このスプール弁の一端は前記直結モードクラッチの入力
    回転数に応じた第2信号圧を受ける受圧面積S1で形成
    される一方、他端は前記動力循環モードクラッチの入力
    回転数に応じた第1信号圧を受ける受圧面積S2で形成
    され、これら受圧面積の比S1/S2は、無段変速機で設
    定可能な最大変速比IcLOWと、前記サンギヤと無段変速
    機の出力軸の変速比Idと、減速機の減速比Igと所定の定
    数Kを S1/S2=K2(IcLOW×Id/Ig)2 の関係に設定するとともに、前記定数Kを 0.9<K<1.0 に設定したことを特徴とする請求項5に記載の変速比無
    限大無段変速機の変速制御装置。
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