JP2003127115A - 化粧板及びその製造方法 - Google Patents

化粧板及びその製造方法

Info

Publication number
JP2003127115A
JP2003127115A JP2001322371A JP2001322371A JP2003127115A JP 2003127115 A JP2003127115 A JP 2003127115A JP 2001322371 A JP2001322371 A JP 2001322371A JP 2001322371 A JP2001322371 A JP 2001322371A JP 2003127115 A JP2003127115 A JP 2003127115A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
plastic sheet
adhesive
roll
adhesive layer
veneer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2001322371A
Other languages
English (en)
Inventor
Toyokuni Fujiwara
豊邦 藤原
Tomohiro Kawaguchi
朋宏 川口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
DIC Corp
Bandai Tokushu Gohan KK
Original Assignee
Bandai Tokushu Gohan KK
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bandai Tokushu Gohan KK, Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd filed Critical Bandai Tokushu Gohan KK
Priority to JP2001322371A priority Critical patent/JP2003127115A/ja
Publication of JP2003127115A publication Critical patent/JP2003127115A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Finished Plywoods (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Lining Or Joining Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 突き板の導管をプラスチックシートに忠実に
再現する。 【解決手段】 熱可塑性樹脂からなるプラスチックシー
ト6にウレタン系反応性ホットメルト接着剤5を塗布
し、表面に微細な凹凸の導管3を有する突き板4を貼っ
た基材2と重ねて、加熱を行わないゴムロール13と金
属ロール4との間に送り込み、圧締して積層体20を形
成する。積層体20は接着剤の残留NCOが20〜80
%の範囲に進行するまで養生する。その後、積層体20
を100〜180℃に加熱したゴムロール24とバック
アップロール25で圧締して再活性させた接着剤層5を
介して突き板4の導管3の凹凸にプラスチックシート6
を追従させて接着させて化粧板1を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ドア、クローゼッ
ト、家具、扉、窓枠、ドア枠等の内装建材等に用いられ
る化粧板とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、合板や不燃材、エンボス加工板等
の各種の基材の表面に、木目が表れた薄板状の突き板を
貼ることで高級感を出すようにした突き板貼り基材が提
案されており、このような突き板貼り基材はその表面に
接着剤を介して塩化ビニル樹脂製等のプラスチックシー
トを貼着して一体化した化粧板として製造されている。
このような化粧板によって突き板による意匠性や表面保
護性を高めることができる。この化粧板は例えば基材と
突き板と接着剤層及びプラスチックシートからなる積層
体を上下一対の熱板で挟んで温度120℃から150
℃、圧力1〜6MPa、時間8〜10分間の条件で積層
体を熱板で加熱圧締して突き板の表面にプラスチックシ
ートをラミネートしている。しかしながらこのような製
法では突き板とプラスチックシートの間に空気が残存し
て密着の妨げとなる問題や、高温状態で解圧されると特
に突き板の表面に形成された微細な凹凸からなる導管で
プラスチックシートの浮き上がり等によるスプリングバ
ックという現象が発生し、導管の凹凸をプラスチックシ
ート表面に忠実に再現できないという問題があった。ま
た突き板の導管に接着剤が充填されたためにプラスチッ
クシートが導管に追従せずその凹凸を再現できないとい
う問題もあった。プラスチックシートが突き板の導管に
追従しないで浮き上がりを生じると突き板の木理を再現
できないために導管の表面が曇ったように目視されるた
めに意匠性が劣化することになる。
【0003】このような問題を改善する手段として、例
えば特許第3133969号公報に記載された化粧板の
製造方法がある。この方法によれば、突き板貼り基材に
ホットメルト接着剤を介してプラスチックシートを接触
させたものを、硬度20〜90°からなる一対のゴムロ
ールからなる加熱ロールで圧締し、その後冷却ロールで
プラスチックシートを冷却するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな製造方法にあっても、加熱ロールで圧締されて軟化
したプラスチックシートや接着剤が加熱ロールから離れ
ることで解圧状態となるために、突き板の導管でわずか
にプラスチックシートのスプリングバックが起こる上に
プラスチックシートが熱で延伸してしまうという問題が
生じる。その後直ちに、冷却ロールでプラスチックシー
トを冷却しても一旦浮き上がって伸びたプラスチックシ
ートを導管の凹凸に追従させることは困難であった。更
に上述の技術では接着剤としてEVA系やポリアミド系
のホットメルト接着剤を用いているために、内装建材、
特に耐熱性を要求される窓枠等の用途に使用することは
困難であった。本発明は、このような実情に鑑みて、突
き板貼り基材等の主材表面の凹凸をプラスチックシート
に忠実に再現できるようにした化粧板及びその製造方法
を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明による化粧板は、
熱可塑性樹脂からなるプラスチックシートに反応性ホッ
トメルト接着剤を塗布し、プラスチックシートの接着剤
層と表面に凹凸を有する主材とを互いに接する状態で加
熱を行わない第一圧締ロールに送り込んで積層体を形成
し、得られた積層体を養生して接着剤層の硬化割合が2
0%〜80%の範囲に進行した状態で、積層体を加熱し
た第二圧締ロールで圧締することで主材の凹凸に接着剤
層を介してプラスチックシートが追従して接着するよう
にしたことを特徴とする。加熱しない第一圧締ロールで
プラスチックシートを接着剤を介して表面に微細な凹凸
(導管)を有する主材に圧締することで脱気しつつ密着
させ解圧でプラスチックシートが浮き上がる程度に仮止
めし、その後に養生することで接着剤の硬化反応を進行
させた後で、加熱した第二圧締ロールで再度加熱圧締す
ることで、接着剤は硬化が進行していても再活性化する
ことになって表面の凹凸に倣って入り込んでプラスチッ
クシートも凹凸に倣って密着して凹凸を忠実に再現でき
る。しかも接着剤として反応性ホットメルトを用いたこ
とで化粧板を耐熱性が要求される用途に用いても高い耐
候性と接着強度を維持できる。
【0006】また接着剤はウレタン系反応性ホットメル
ト接着剤であり、養生した接着剤層の硬化割合は残留N
COが20〜80%の範囲であってもよい。残留NCO
がこの範囲内であれば積層体を熱圧締することで、接着
剤層の硬化反応が進んでいても再活性化させることがで
きて主材の凹凸に接着剤層とプラスチックシートが追従
して十分な密着と接着を行うことができ、しかもプラス
チックシートにスプリングバックを生じることはない。
NCOが80%を超えると硬化反応が十分進まないため
に第二圧締ローラが解圧して離間する際にプラスチック
シートが剥がれて浮き上がるという不具合が起こり、2
0%未満であると硬化が進みすぎて第二圧締ローラで加
熱押圧しても凹凸に接着剤が入らず、入ったとしても接
着しないという不具合が起こる。また第一圧締ロールは
接着剤を介したプラスチックシートを重ねた主材を挟ん
で一対設けられ、プラスチックシートを押圧する圧締ロ
ールは主材を押圧する圧締ロールより硬度が小さくても
よい。接着剤を介してプラスチックシートと主材との仮
止めを行える。
【0007】また第二圧締ロールの表面温度は100〜
180℃の範囲であってもよい。この温度範囲であれば
養生によって硬化反応がある程度進んだ接着剤層を再活
性化させることができて接着剤層を主材の凹凸に倣った
形状に充填させると共にプラスチックシート6を追従さ
せることができ、圧締を解除した後でも高い接着強度を
得てスプリングバックを生じない。第二圧締ロールの温
度が100℃未満の場合には、プラスチックシートを軟
化させ且つ硬化反応が進行した接着剤を再活性させるこ
とが難しく、凹凸に追従させ且つ接着することが難し
い。一方、温度が180℃を超えると、プラスチックシ
ートにダメージを与え、熱で接着剤の硬化反応が後退す
るために圧締を解圧した後にプラスチックシートのスプ
リングバックが生じる等の恐れがあり好ましくない。ま
た反応性ホットメルト接着剤は硬化後に透明または半透
明となる材質でもよい。主材の木理等の凹凸を目視でき
て意匠性に優れる。また反応性ホットメルト接着剤は硬
化被膜の伸び率が200%以上であってもよい。化粧板
を折り曲げて枠材として用いても化粧板が分断されるこ
とがない。
【0008】本発明による化粧板の製造方法は、熱可塑
性樹脂からなるプラスチックシートに反応性ホットメル
ト接着剤を塗布し、該プラスチックシートの接着剤層と
表面に凹凸を有する主材とを互いに接する状態で、加熱
を行わないで圧締して積層体を形成し、得られた積層体
を養生して接着剤層の硬化割合が20%〜80%の範囲
に進行した状態で、積層体を加熱状態で圧締することで
主材の凹凸に接着剤層を介してプラスチックシートが追
従して接着するようにしたことを特徴とする。加熱しな
いでプラスチックシートを接着剤を介して微細な凹凸を
有する主材に圧締することで脱気しつつ密着させ、接着
剤は硬化が進んでいないから仮止め程度に止められ、そ
の後に養生することで接着剤の硬化反応を進行させるこ
とができ、硬化割合が20%〜80%の範囲に進行した
状態で再度加熱圧締すると、接着剤は硬化が進行してい
ても再活性化するから凹凸に倣って充填されプラスチッ
クシートも凹凸に倣って密着して解圧しても浮き上がる
ことなく接着できて、プラスチックシートに凹凸を忠実
に再現できる。
【0009】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施形態を添付図面
により説明する。図1は本発明の実施の形態による化粧
板の縦断面図、図2は化粧板の製造工程を示す図であ
る。図1に示す実施の形態による化粧板1は基材2の上
に微細な凹凸からなる導管3が表面に設けられた突き板
4を貼着し、その上に例えばウレタン系反応性ホットメ
ルト接着剤からなる接着剤層5を介して熱可塑性樹脂か
らなるプラスチックシート6が固着されて一体化されて
いる。特に接着剤層5は均一な厚みで塗布されて形成さ
れており、突き板4の表面の導管3の凹凸に沿って被覆
されており、プラスチックシート6も突き板4の表面の
導管3の凹凸に沿って密着して被覆されている。これに
よってプラスチックシート6を通して突き板4の美麗な
木目を視認できる上に木目の手触りを得ることになる。
ここで、基材1としては、合板や中密度繊維板(MD
F)やパーティクルポード等の木質基材、石膏ボードや
珪酸カルシウム板やスレート板等の不燃基材、鋼板やス
テンレス板等の金属基材等の一般に内装建材等に用いら
れる板状基材を採用できる。
【0010】また突き板4は木理を有する銘木を薄層状
に削ったものであり、導管3の凹凸を鮮明にするために
表面をブラシロール等でブラッシングして処理したり、
浮造り等を施しても良い。また、色相を統一したり意匠
性を高める目的で表面に着色や絵柄模様の印刷を施すこ
ともできる。接着剤層5であるウレタン系反応性ホット
メルト接着剤は、硬化した後、突き板4の木理や色をラ
ミネートしたプラスチックシート6を介して視認できれ
ばよく、好ましくは硬化後透明または半透明となるもの
がよい。また接着剤層5の厚みは突き板4やプラスチッ
クシート6の状態に合わせて適宜設定することができる
が、高い接着強度と導管3の凹凸に倣った塗布形状を得
るために厚み10μm〜100μmの範囲で塗工するこ
とが好ましい。塗布厚みが10μm未満であると突き板
4とプラスチックシート6との十分な接着強度が得られ
ず、また100μmを超えると導管3の凹凸に倣って凹
凸をシャープに表現できず美観を低下させる恐れがあ
る。また、接着剤層5の硬化皮膜の伸び率が200%以
上であれば、得られた化粧板1をVカットすることがで
き、枠材等に用いる場合にはより好ましい。
【0011】プラスチックシート6については、ベース
となる熱可塑性樹脂の種類は特に限定されるものではな
く、例えば塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ
エチレン樹脂、PET樹脂等が挙げられるが、燃焼時の
ダイオキシン発生問題を鑑みて塩素原子を含まない樹脂
を用いることが好ましい。プラスチックシート6は突き
板4の木理が視認できることで化粧板1の麗美な外観を
表現することができるようにすることから、透明もしく
は半透明であればよい。また外観品位に深みを付与し、
より麗美な意匠を得る目的でプラスチックシート6の全
体若しくは表裏面の少なくとも一方が透明着色され、更
に透明インキを用いて絵柄模様が印刷されていてもよ
い。また、プラスチックシート6の厚みは50〜200
μmであれば塗工温度100〜150℃程度のウレタン
系反応性ホットメルト接着剤を塗布することができ、且
つラミネート後、突き板4の導管3で形成される凹凸に
倣ってこれを表現することができる。更に、プラスチッ
クシート6はウレタン系反応性ホットメルト接着剤との
密着性を高める目的で適宜コロナ放電処理やプライマー
コート等の処理が施されていても良い。
【0012】次に化粧板1を製造するための化粧板製造
装置9について図2により説明する。化粧板製造装置9
は、第一圧締機構10と第二圧締機構21と両機構の間
の養生手段とを有している。図2(a)に示す第一圧締
機構10において、突き板4を貼り付けた基材2(主
材)を搬送するための搬送コンベア11が設けられ、こ
の搬送コンベア11の搬送方向前方にはラミネートロー
ル12(第一圧締ロール)が配設されている。ラミネー
トロール12は送り込まれる突き板4貼り基材2とプラ
スチックシート6等を挟んで例えばその上側に位置する
ゴムロール13(圧締ロール)と下側に位置する金属ロ
ール14(圧締ロール)とを有し、図ではこれらゴムロ
ール13及び金属ロール14が二対配列されている。ゴ
ムロール13は例えば金属製のロールの外周に硬度(ブ
レネル硬度)が20〜90°のシリコンゴムやフッ素ゴ
ムやブチルゴム等を巻き付けたロールを用いることがで
き、ゴムの材質としては接着剤による汚れを軽減できる
点からシリコンゴムやフッ素ゴムを用いることが好まし
い。金属ロール14としては錆びにくい材質のものであ
ればよく、鉄等は錆びやすいので好ましくない。またラ
ミネートロール12に供給されるプラスチックシート6
はシートロール16から繰り出されてゴムロール13に
供給されるが、シートロール16とゴムロール13との
間に圧力ロール17が設けられ、プラスチックシート6
を挟んで圧力ロール17に対向して接着剤5として加熱
溶融されたウレタン系反応性ホットメルトを塗工するコ
ーター18が設けられている。接着剤はコーター18内
で加熱溶融されてもよいし、加熱溶融された状態でコー
ター18に供給されてもよい。
【0013】これによってラミネートロール12に供給
されるプラスチックシート6の突き板4に当接する面に
所定厚みの接着剤層5が塗布されていることになる。ラ
ミネートロール12では搬送コンベア11から供給され
る突き板貼り基材2と接着剤5を塗工されたプラスチッ
クシート6とが重ねられた状態でラミネートロール12
で圧締されることになる。その際、プラスチックシート
6を押圧する上側のロールは下側のロールより硬度が小
さいことが好ましく、そのために本実施の形態ではプラ
スチックシート6をゴムロール13で押圧し、基材2の
裏面を金属ロール14で押圧することになる。尚、ラミ
ネートロール12では各ロール13,14を加熱しない
で用いる。突き板4貼り基材2に接着剤5を介してプラ
スチックシート6を重ねたものがラミネートロール12
で仮圧締されて成る積層体20は、養生後に第二圧締機
構21で更に圧締される。
【0014】図2(c)に示す第二圧締機構21では、
養生を終了した積層体20を搬送するための搬送コンベ
ア22が設けられ、この搬送コンベア22の搬送方向前
方には第二圧締ロール23が配設されている。第二圧締
ロール23は送り込まれる積層体20を挟んで例えばそ
の上側に位置する押圧ロールとしてのゴムロール24と
下側に位置するバックアップロール25とを対向配置
し、図ではこれらゴムロール24及びバックアップロー
ル25が二対配列されている。また各ゴムロール24の
近傍には外部加熱ヒータ26が設けられ、加熱されたゴ
ムロール24で積層体20のプラスチックフィルム6を
押圧することで硬化処理が進んだ接着剤層5を再活性化
するようになっている。加熱ヒータ26としてゴムロー
ル24の外部から赤外線ヒーター等を用いて加熱するこ
とができる。或いはゴムロール24内部で電熱線や加熱
したオイルや蒸気等の熱媒を通して加熱する等してもよ
い。加熱されたゴムロール24の温度は100〜180
℃に設定するのが好ましい。この温度範囲であれば養生
によって硬化反応がある程度進んだ接着剤層5を再活性
化して接着剤層5を突き板4の導管3の凹凸に倣った形
状に変形させると共にプラスチックシート6を導管3に
追従させて接着することができ、圧締を解除した後でも
スプリングバックを生じない。ゴムロール24の温度が
100℃未満の場合には、プラスチックシート6を軟化
させて硬化反応が進行した接着剤を再活性させることが
難しく、突き板4の導管3に追従させ且つ接着すること
が難しい。一方、温度が180℃を超えると、プラスチ
ックシート6にダメージを与え、圧締を解圧した後に熱
で硬化反応が後退した接着剤のためにプラスチックシー
トのスプリングバックが生じる等の恐れがあるため好ま
しくない。
【0015】ゴムロール24としては、例えば金属ロー
ルの外周に耐熱製の高いシリコンゴムやフッ素ゴムやブ
チルゴム等を巻き付けたロールを用いることができる。
ゴムロール24は例えばラミネートロール12のゴムロ
ール13と同一構成でもよく、その硬度(ブレネル硬
度)は20〜60°の範囲に設定されていることが好ま
しい。この範囲の硬度であれば、突き板4の導管3にプ
ラスチックシート6を追従させるように圧締することが
できる。硬度が60゜を超えると柔軟性がないため突き
板4の導管3にプラスチックシート6を追従させること
が難しく、また硬度が20゜未満の場合は圧力が積層体
20に十分に伝わらないためプラスチックシート6を導
管3の凹部に押し付けることができないことから導管3
にプラスチックシート6を追従させることが難しい。
【0016】本実施の形態による化粧板1の製造装置9
は上述の構成を有しており、次に化粧板1の製造方法に
ついて図2により説明する。先ず図2(a)に示す常温
圧締工程において、基板2に突き板4を貼着したものを
突き板貼り基板2として、第一圧締機構10の搬送コン
ベア11でラミネータロール12に送り出す。ラミネー
タロール12ではシートロール16からプラスチックシ
ート6が繰り出され、コーター18で加熱溶融されたウ
レタン系反応性ホットメルト接着剤をプラスチックシー
ト6の一方の面に均一厚みに塗工して接着剤層5を積層
して形成する。そしてラミネータロール12の加熱しな
い二対のゴムロール13及び金属ロール14間に、突き
板貼り基板2の突き板4の表面に接着剤層5を介してプ
ラスチックシート6が重ねられて送り込まれ、順次圧締
される。プラスチックシート6は突き板4との間で脱気
しつつ押圧して密着されて積層体20を形成することに
なる。ここでゴムロール13は加熱されておらず、好ま
しくは10℃〜40℃程度の常温でプラスチックシート
6を接着剤層5を介して突き板4に加圧する。ゴムロー
ル13による加圧時にゴムロール13が加熱されている
と、導管3等の突き板4の凹部でプラスチックシート6
が伸びてしまい弛みが生じたり、接着剤のべたつきが残
り初期接着強度の発現に時間を要する恐れがあるので、
ゴムロール24は加熱せずにラミネートするのである。
またゴムロール13を加熱しない場合でも、ゴムロール
13による加圧後にプラスチックシート6から離れる解
圧時にプラスチックシート6が突き板4から浮き上がる
現象を生じる。そのため、この段階では無理に接着せず
仮止めに止めておく。
【0017】第一段階の圧締が終了して得られた積層体
20は養生工程に送られて例えば1日程度養生する(図
2(b)参照)。養生することにより接着剤5の硬化反
応が進行し、硬化反応が進んで20%〜80%の範囲内
に至れば再活性化可能になる。ここで接着剤5の硬化反
応を測定する一般的な方法として接着剤の軟化点を測定
する方法がある。反応性ホットメルト接着剤の軟化点は
ウレタン系やエポキシ系に係わらず40〜60℃であ
る。この接着剤を溶融してプラスチックシート6に塗布
した後で硬化反応するが、その硬化の進行の途中で再度
加熱した場合に再溶融するのは硬化反応が20〜80%
の範囲にある状態である。20%未満であれば硬化反応
が十分進まないためにロールの解圧時にプラスチックシ
ート6が剥がれる不具合が起こり、80%を超えると硬
化が進みすぎて再溶融しない。そしてこの範囲であれば
100℃〜180℃の再加熱温度で再度溶融(再活性
化)できて突き板4の導管3の凹凸に接着剤層5とプラ
スチックシート6を追従させて十分な接着を行うことが
できる。尚、再加熱温度が180℃を超えるとその後に
硬化反応が進まなくなると共にプラスチックシート6が
溶融してしまう欠点があり、100℃未満であると接着
剤を軟化させることができない。本実施の形態では接着
剤5としてウレタン系反応性ホットメルトを用いてお
り、養生によって残留NCO%が徐々に減少することに
なるから、残留NCO%を測定することでより正確に硬
化反応の進行を把握できて好ましい。この場合、上述の
硬化反応に対応させるには、残留NCO%が20%〜8
0%の範囲になるまで養生すればよい。尚、残留NCO
%が100%から硬化反応が始まり、0%で硬化が終了
する。
【0018】接着剤層5の残留NCO%が20〜80%
となった時点で養生工程を終了し、次の加熱圧締工程に
送る。残留NCO%がこの範囲内であればプラスチック
シート6を熱圧締することで、接着剤層5の硬化反応が
進んでいても再活性化させることができ、突き板4の導
管3の凹凸に接着剤層5とプラスチックシート6が追従
して十分な接着を行うことができ、しかもプラスチック
シート6にスプリングバックを生じることはない。ここ
で残留NCO%が80%を超えると硬化反応が十分進ま
ないためにゴムロール24が解圧して離間する際にプラ
スチックシート6が剥がれて浮き上がるという不具合が
起こり、20%未満では硬化が進みすぎてゴムロール2
4で押圧しても導管3の凹部に接着剤が入らず、入った
としても接着しないという不具合が起こる。このNCO
%を測定するには、プラスチックシートに接着剤を塗工
すると同時にサンプリングした接着剤に対してIRスペ
クトル分析等の手段をもちいて、経時的なNCO%の変
化を測定する等の方法で行うことができる。尚、養生し
ないで熱圧締するとプラスチックシート6が浮き上がり
加熱ロールが回転によって離れるとプラスチックシート
6が伸びて導管3の凹部から離間する。接着剤5とシー
ト6が導管3に密着していないと導管3が曇ったように
目視されることになる。
【0019】そして積層体20は養生の終了後に加熱圧
締工程に送られる。図2(c)に示す第二圧締機構21
では搬送コンベア22に乗せられて二対の加熱されたゴ
ムロール24及びバックアップロール25で順次積層体
20が挟まれて接着剤層5及びプラスチックシート6を
突き板4に熱圧締する。これによって接着剤層5は硬化
反応が残留NCO%で20〜80%にまで進んでいても
加熱によって再活性して、接着剤層5は導管3の凹凸に
追従して入り込んで接着し、更にプラスチックシート6
も同様に追従して接着することになる。しかも接着剤層
5は既に硬化反応が進行しており、ゴムロール24が離
間して解圧してもプラスチックシート6は接着剤層5を
介して突き板4と強固に接着されているためにプラスチ
ックシート6が浮き上がったりスプリングバックが生じ
る等のおそれはない。これによって図1に示すような基
材2の上に突き板4、接着剤層5及びプラスチックシー
ト6が積層された化粧板1を製造でき、プラスチックシ
ート6に麗美な木理を表出させた意匠性に優れた化粧板
1が得られる。
【0020】上述のように本実施の形態による化粧板1
は、突き板4の導管3で形成される凹凸をプラスチック
シート6の表面に忠実に再現でき、麗美で意匠性に優れ
た化粧板1が得られる。しかも接着剤5として反応性ホ
ットメルトを採用したから、加熱冷却後に再加熱しても
溶融したりすることがなく窓枠等の高い耐候性と接着強
度を必要とする用途にも使用でき、しかも二液混合型の
接着剤のように溶剤を添加することがないからVOC等
のガス等を含んでおらず環境に悪影響を与えるおそれも
ない。
【0021】尚、上述の実施の形態では接着剤としてウ
レタン系反応性ホットメルトを用いたが、反応性ホット
メルト接着剤であればウレタン系に限定されることなく
他の接着剤、例えばエポキシ系の反応性ホットメルト等
を用いても良い。この場合、ウレタン系も含めて養生時
の接着剤層5の硬化反応の程度は20%〜80%であれ
ば上述の実施の形態と同様の作用効果を奏することがで
きる。また接着剤層5は硬化反応終了の硬化被膜の伸び
率が200%以上であれば、図3に示すように化粧板1
を所定間隔でVカットすることができる。このVカット
部分1aで折り曲げて突き板4貼り基板27の全周を囲
うことで角筒状に覆う枠材として化粧板1を用いること
ができる。その際、化粧板1はプラスチックシート6で
ラミネートされているので折り曲げ部で分断されること
もない。尚、突き板貼り基材2は主材を構成するが、主
材としてプラスチックシートを接着する表面に導管等の
微細な凹凸が形成されている材質であれば、全体が突き
板4の材質からなる銘木等でも良く、或いはその他の適
宜の材質を採用できる。
【0022】
【発明の効果】本発明による化粧板とその製造方法によ
れば、加熱しない圧締でプラスチックシートを接着剤を
介して主材に仮止めさせ、その後に養生して接着剤の硬
化反応を進行させた後で再度加熱圧締することで、接着
剤は硬化が進行しつつも再活性化することになってプラ
スチックシートと共に凹凸に倣って密着して高い接着強
度で凹凸を忠実に再現できる。しかも接着剤として反応
性ホットメルトを用いたことで化粧板を耐熱性が要求さ
れる用途に用いても高い耐候性と接着強度を確保でき
る。
【0023】また接着剤はウレタン系反応性ホットメル
ト接着剤であり、養生した接着剤層の硬化割合は残留N
CO%が20〜80%の範囲であるから、接着剤層の硬
化反応が進んでいても再活性化させることができて主材
表面の凹凸に接着剤とプラスチックシートが追従して十
分な接着を行うことができる。また第二圧締ロールの表
面温度は100〜180℃の範囲であるから、養生によ
って硬化反応がある程度進んだ接着剤層を再活性化して
接着剤層を主材の凹凸に倣った形状に充填させると共に
プラスチックシートを追従させることができる。また反
応性ホットメルト接着剤は硬化被膜の伸び率が200%
以上であるから、折り曲げて枠材等として用いても化粧
板が分断されることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態による化粧板の縦断面図
である。
【図2】 実施の形態による化粧板の製造装置と製造工
程を示すもので、(a)は第一圧締機構の説明図、
(b)は養生工程を示す説明図、(c)は第二圧締機構
の説明図である。
【図3】 (a)は枠材として用いた場合の化粧板の要
部断面図、(b)は化粧板を枠材とした板材の縦断面図
である。
【符号の説明】
1 化粧板 2 基板(主材) 4 突き板(主材) 5 接着剤層 6 プラスチックシート 12 ラミネートロール(第一圧締ロール) 13 ゴムロール(圧締ロール) 20 積層体 23 第二圧締ロール 24 ゴムロール(圧締ロール)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09J 175/04 C09J 175/04 // B29L 7:00 B29L 7:00 9:00 9:00 Fターム(参考) 2B002 AA02 AA03 AA05 BA01 BA17 BA19 BB07 DA04 DA06 2B250 AA06 AA09 AA13 BA03 BA07 CA11 DA04 EA02 EA13 FA09 FA13 FA21 FA28 FA31 FA37 GA03 HA01 4F100 AK01A AK51G AP00 AR00B CB03C DD01B EJ192 EJ422 GB08 GB81 HB00 JB16A JL12C 4F211 AD24 AD29 AG02 AG03 AH48 AH51 AR06 TA04 TC02 TD11 TH02 TH06 TH10 TN09 TN47 TQ03 TQ10 4J040 EF001 JB01 LA06 LA10 MA08 MA10 MB03 MB05 NA13 PA30 PA33 PB05 PB08

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂からなるプラスチックシー
    トに反応性ホットメルト接着剤を塗布し、前記プラスチ
    ックシートの接着剤層と表面に凹凸を有する主材とを互
    いに接する状態で加熱を行わない第一圧締ロールに送り
    込んで積層体を形成し、得られた積層体を養生して前記
    接着剤層の硬化割合が20%〜80%の範囲に進行した
    状態で、前記積層体を加熱した第二圧締ロールで圧締す
    ることで前記主材の凹凸に接着剤層を介してプラスチッ
    クシートが追従して接着するようにしてなる化粧板。
  2. 【請求項2】 前記接着剤はウレタン系反応性ホットメ
    ルト接着剤であり、養生した前記接着剤層の硬化割合は
    残留NCOが20〜80%の範囲であることを特徴とす
    る請求項1記載の化粧板。
  3. 【請求項3】 前記第一圧締ロールは主材に接着剤を介
    してプラスチックシートを重ねたものを挟んで一対設け
    られ、前記プラスチックシートを押圧する圧締ロールは
    主材を押圧する圧締ロールより硬度が小さい請求項1ま
    たは請求項2記載の化粧板。
  4. 【請求項4】 前記第二圧締ロールの表面温度は100
    〜180℃の範囲である請求項1乃至3のいずれか記載
    の化粧板。
  5. 【請求項5】 前記反応性ホットメルト接着剤は硬化後
    に透明または半透明となる請求項1乃至4のいずれか記
    載の化粧板。
  6. 【請求項6】 前記反応性ホットメルト接着剤は硬化被
    膜の伸び率が200%以上である請求項1乃至5のいず
    れか記載の化粧板。
  7. 【請求項7】 熱可塑性樹脂からなるプラスチックシー
    トに反応性ホットメルト接着剤を塗布し、該プラスチッ
    クシートの接着剤層と表面に凹凸を有する主材とを互い
    に接する状態で、加熱を行わないで圧締して積層体を形
    成し、得られた積層体を養生して前記接着剤層の硬化割
    合が20%〜80%の範囲に進行した状態で、前記積層
    体を加熱状態で圧締することで前記主材の凹凸に接着剤
    層を介してプラスチックシートが追従して接着するよう
    にした化粧板の製造方法。
JP2001322371A 2001-10-19 2001-10-19 化粧板及びその製造方法 Withdrawn JP2003127115A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001322371A JP2003127115A (ja) 2001-10-19 2001-10-19 化粧板及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001322371A JP2003127115A (ja) 2001-10-19 2001-10-19 化粧板及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003127115A true JP2003127115A (ja) 2003-05-08

Family

ID=19139429

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001322371A Withdrawn JP2003127115A (ja) 2001-10-19 2001-10-19 化粧板及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003127115A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005288820A (ja) * 2004-03-31 2005-10-20 Noritsu Koki Co Ltd ラミネート装置及びラミネート方法
JP2006218640A (ja) * 2005-02-08 2006-08-24 Dainippon Ink & Chem Inc 化粧造作部材の製造方法
JP2009026696A (ja) * 2007-07-23 2009-02-05 Dainippon Printing Co Ltd コロナ放電処理装置、コロナ放電処理方法、及び当該方法を用いて製造される床用化粧材
JP2009066846A (ja) * 2007-09-12 2009-04-02 Eidai Co Ltd 複合基材の製造方法および複合基材並びにこの複合基材を用いた化粧板
JP2009083213A (ja) * 2007-09-28 2009-04-23 Sumitomo Forestry Co Ltd 構造用正角材の製造方法
JP2011088359A (ja) * 2009-10-22 2011-05-06 Dainippon Printing Co Ltd 化粧板の製造方法および製造装置

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005288820A (ja) * 2004-03-31 2005-10-20 Noritsu Koki Co Ltd ラミネート装置及びラミネート方法
JP2006218640A (ja) * 2005-02-08 2006-08-24 Dainippon Ink & Chem Inc 化粧造作部材の製造方法
JP4507902B2 (ja) * 2005-02-08 2010-07-21 Dic株式会社 化粧造作部材の製造方法
JP2009026696A (ja) * 2007-07-23 2009-02-05 Dainippon Printing Co Ltd コロナ放電処理装置、コロナ放電処理方法、及び当該方法を用いて製造される床用化粧材
JP2009066846A (ja) * 2007-09-12 2009-04-02 Eidai Co Ltd 複合基材の製造方法および複合基材並びにこの複合基材を用いた化粧板
JP2009083213A (ja) * 2007-09-28 2009-04-23 Sumitomo Forestry Co Ltd 構造用正角材の製造方法
JP2011088359A (ja) * 2009-10-22 2011-05-06 Dainippon Printing Co Ltd 化粧板の製造方法および製造装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0908287A4 (en) PLATFORM MATERIAL AND METHOD FOR THE PRODUCTION THEREOF
WO2005067527A3 (en) Method for laminating glass sheets using microwave radiation
JP2003127115A (ja) 化粧板及びその製造方法
JP4173348B2 (ja) 加飾シートおよび加飾品
JP4132284B2 (ja) 化粧シート貼り板材の製造装置及び製造方法
JP2009234248A (ja) 複合化粧板
JP3133969B2 (ja) 化粧板の製造方法
WO2000002739A1 (fr) Materiau de revetement par transfert et procede de revetement par transfert d'une surface de miroir
WO2022073263A1 (zh) 一种耐候打印板材的制备方法
JPS6096444A (ja) 溝付き防水シ−トの製法
AU7258981A (en) Method of bonding floorcoverings
JP2004237510A (ja) 車両用窓枠パネルの製造方法
JPH071404A (ja) 化粧板及び化粧板の製造方法
KR100549696B1 (ko) 가구재용 오버레이 화장판 제조방법 및 그로부터 제조되는가구재용 오버레이 화장판
EP1491330A3 (en) Method for manufacturing a translucent laminate and laminate produced thereby
JPH1034853A (ja) 化粧板の成形方法
JP3072090B1 (ja) 化粧無機質板の製造方法
JPH04201443A (ja) クッション材
JPH02235739A (ja) 塩化ビニル樹脂被覆された木理化粧シート及び木理化粧ボードの製造方法
JPH04135826A (ja) 化粧板の製造方法
JPS6078665A (ja) 紫外線硬化膜積層体の製造法
JPH0310840A (ja) 化粧板及びその製造方法
JP4505682B2 (ja) 床材の製造方法
JPH01120327A (ja) 化粧板の製造方法
JP2001150887A (ja) 転写方法及び化粧材

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20050104