JP2003124061A - 薄膜コンデンサとそれを用いたチップコンデンサ及びlcフィルタ並びにその製造方法 - Google Patents
薄膜コンデンサとそれを用いたチップコンデンサ及びlcフィルタ並びにその製造方法Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】本発明の目的は、耐電圧特性及び高周波領域に
おけるQ特性に優れた薄膜コンデンサとそれを用いたチ
ップコンデンサ及びLCフィルタ並びにその製造方法を
提供することにある。 【解決手段】本発明は、基板/下部電極/金属酸化物誘電
体/上部電極で構成され、前記誘電体が非晶質成分の多
い非晶質層と結晶質成分の多い結晶層との2層で構成さ
れ、同一の組成を有することを特徴とする薄膜コンデン
サとそれを用いたチップコンデンサ及びLCフィルタ並
びにその製造方法にある。
おけるQ特性に優れた薄膜コンデンサとそれを用いたチ
ップコンデンサ及びLCフィルタ並びにその製造方法を
提供することにある。 【解決手段】本発明は、基板/下部電極/金属酸化物誘電
体/上部電極で構成され、前記誘電体が非晶質成分の多
い非晶質層と結晶質成分の多い結晶層との2層で構成さ
れ、同一の組成を有することを特徴とする薄膜コンデン
サとそれを用いたチップコンデンサ及びLCフィルタ並
びにその製造方法にある。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子機器に用いら
れる新規な薄膜コンデンサとその製造方法に係り、特
に、高周波ノイズを除去するLCフィルタ用の薄膜コン
デンサとその製造方法に関する。
れる新規な薄膜コンデンサとその製造方法に係り、特
に、高周波ノイズを除去するLCフィルタ用の薄膜コン
デンサとその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、移動体通信機器が広く普及すると
ともに、機器には小型軽量化、高性能化、高精度化、低
コスト化が要求されている。それに伴いこのような機器
に用いられる電子部品も小型軽量、高性能、高精度、低
コスト化が要求されている。従って、電子回路部品のコ
ンデンサの誘電体は薄膜化され、耐電圧に優れた材料の
開発が望まれている。また、低消費電力の要求も厳しく
なってきており、高周波帯域での高いQ値(Q:Quarity
Facter、tanδの逆数で、Qが大きい程エネルギー損失が
少なく好ましい)を有するコンデンサの開発が望まれて
いる。
ともに、機器には小型軽量化、高性能化、高精度化、低
コスト化が要求されている。それに伴いこのような機器
に用いられる電子部品も小型軽量、高性能、高精度、低
コスト化が要求されている。従って、電子回路部品のコ
ンデンサの誘電体は薄膜化され、耐電圧に優れた材料の
開発が望まれている。また、低消費電力の要求も厳しく
なってきており、高周波帯域での高いQ値(Q:Quarity
Facter、tanδの逆数で、Qが大きい程エネルギー損失が
少なく好ましい)を有するコンデンサの開発が望まれて
いる。
【0003】従来、薄膜コンデンサの形成方法として、
スパッタ法がよく用いられているが、非加熱で形成され
たスパッタ誘電体膜は空孔欠陥の多い非晶質である。こ
のような誘電体で作製されたコンデンサの耐電圧は小さ
い。そこで、非晶質誘電体を結晶化させて耐電圧を向上
させている。
スパッタ法がよく用いられているが、非加熱で形成され
たスパッタ誘電体膜は空孔欠陥の多い非晶質である。こ
のような誘電体で作製されたコンデンサの耐電圧は小さ
い。そこで、非晶質誘電体を結晶化させて耐電圧を向上
させている。
【0004】誘電体を結晶化させる一つの手法として、
誘電体にレーザを照射する方法が特開平9−219587号公
報に開示されている。この公報ではSi基板上に、樹脂
製の層間絶縁層を形成した後、下部電極を積層する。そ
の上に、SrTiO3誘電体を非加熱方式で成膜後、室
温で、誘電体にレーザを照射し、誘電体を結晶化させ
て、コンデンサを作成している。
誘電体にレーザを照射する方法が特開平9−219587号公
報に開示されている。この公報ではSi基板上に、樹脂
製の層間絶縁層を形成した後、下部電極を積層する。そ
の上に、SrTiO3誘電体を非加熱方式で成膜後、室
温で、誘電体にレーザを照射し、誘電体を結晶化させ
て、コンデンサを作成している。
【0005】特開平1−3151247号公報には非晶質層と結
晶質層の多層薄膜から成る誘電体を用いたコンデンサが
記載され、特開平9−17949号公報には結晶粒を非晶質の
高誘電率膜で被覆したキャパシタ素子が記載され、特開
平10−242393号公報には結晶質層を厚さ10〜30nmの非晶
質層でサンドイッチした多層薄膜から成るキャパシタ素
子が記載されている。
晶質層の多層薄膜から成る誘電体を用いたコンデンサが
記載され、特開平9−17949号公報には結晶粒を非晶質の
高誘電率膜で被覆したキャパシタ素子が記載され、特開
平10−242393号公報には結晶質層を厚さ10〜30nmの非晶
質層でサンドイッチした多層薄膜から成るキャパシタ素
子が記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このようにして作製さ
れたコンデンサは結晶化しているので、金属酸化物誘電
体の結晶粒界が上部電極から下部電極まで連続して形成
されている。このような場合、コンデンサに電圧が印加
されると、電子移動は結晶粒界を介して容易となるの
で、コンデンサの耐電圧は小さい。また、基板に誘電損
失の大きいSiが使用されているので、コンデンサのQ値
は小さい。
れたコンデンサは結晶化しているので、金属酸化物誘電
体の結晶粒界が上部電極から下部電極まで連続して形成
されている。このような場合、コンデンサに電圧が印加
されると、電子移動は結晶粒界を介して容易となるの
で、コンデンサの耐電圧は小さい。また、基板に誘電損
失の大きいSiが使用されているので、コンデンサのQ値
は小さい。
【0007】又、上述の公報には誘電率の向上、小型化
が示されているが、高周波領域におけるQ特性に関して
は示されていない。
が示されているが、高周波領域におけるQ特性に関して
は示されていない。
【0008】本発明の目的は、耐電圧特性及び高周波領
域におけるQ特性に優れた薄膜コンデンサとそれを用い
たチップコンデンサ及びLCフィルタ並びにその製造方
法を提供することにある。
域におけるQ特性に優れた薄膜コンデンサとそれを用い
たチップコンデンサ及びLCフィルタ並びにその製造方
法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、基板/下部電
極/金属酸化物誘電体/上部電極で構成されるコンデンサ
において、前記誘電体が非晶質成分の多い非晶質層と結
晶質成分の多い結晶層との上下2層で構成され、同一の
組成を有するものである。層の構成は非晶質層が結晶質
層の上部に位置しても、下部に位置しても、どちらでも
よい。非晶質成分の多い層は結晶粒界がなく、欠陥も存
在しないので、これを誘電体に用いたコンデンサでは耐
電圧特性に優れたコンデンサを得ることができる。一
方、結晶質成分の多い層では欠陥も少なく、品質が高い
結晶体であるので誘電体特有の電気特性を発現する。特
に、非晶質層を結晶質層の上に形成するのが製造が容易
であり、結晶質層を厚く形成する。結晶質層の厚さは非
晶質層の厚さの3〜7倍が好ましい。
極/金属酸化物誘電体/上部電極で構成されるコンデンサ
において、前記誘電体が非晶質成分の多い非晶質層と結
晶質成分の多い結晶層との上下2層で構成され、同一の
組成を有するものである。層の構成は非晶質層が結晶質
層の上部に位置しても、下部に位置しても、どちらでも
よい。非晶質成分の多い層は結晶粒界がなく、欠陥も存
在しないので、これを誘電体に用いたコンデンサでは耐
電圧特性に優れたコンデンサを得ることができる。一
方、結晶質成分の多い層では欠陥も少なく、品質が高い
結晶体であるので誘電体特有の電気特性を発現する。特
に、非晶質層を結晶質層の上に形成するのが製造が容易
であり、結晶質層を厚く形成する。結晶質層の厚さは非
晶質層の厚さの3〜7倍が好ましい。
【0010】従って、非晶質成分の多い層と結晶質成分
の多い層との上下2層で構成される誘電体では耐電圧特
性に優れたコンデンサが得られる。また、前記誘電体を
ガラス基板上に形成する。ガラス基板は誘電損失が小さ
いので、Q特性に優れたコンデンサを得ることができ
る。また、前記誘電体を有機樹脂基板上に形成する。有
機樹脂基板も誘電損失が小さいので、Q特性に優れたコ
ンデンサを得ることができる。非晶質成分の多い層の厚
みは30〜150nmが好ましい。30nm以下では高
電界下では非晶質成分の多い層から結晶質成分の多い層
への電子の移動が容易になり、耐電圧特性に優れたコン
デンサを得にくい。150nm以上では非晶質成分の多
い層と結晶質成分の多い層との熱膨張率差により、非晶
質成分の多い層にマイクロクラックが発生し、耐電圧が
低下するので、耐電圧特性に優れたコンデンサを得にく
い。
の多い層との上下2層で構成される誘電体では耐電圧特
性に優れたコンデンサが得られる。また、前記誘電体を
ガラス基板上に形成する。ガラス基板は誘電損失が小さ
いので、Q特性に優れたコンデンサを得ることができ
る。また、前記誘電体を有機樹脂基板上に形成する。有
機樹脂基板も誘電損失が小さいので、Q特性に優れたコ
ンデンサを得ることができる。非晶質成分の多い層の厚
みは30〜150nmが好ましい。30nm以下では高
電界下では非晶質成分の多い層から結晶質成分の多い層
への電子の移動が容易になり、耐電圧特性に優れたコン
デンサを得にくい。150nm以上では非晶質成分の多
い層と結晶質成分の多い層との熱膨張率差により、非晶
質成分の多い層にマイクロクラックが発生し、耐電圧が
低下するので、耐電圧特性に優れたコンデンサを得にく
い。
【0011】又、本発明の誘電体の組成は、Mg1−X
MXTiOy(ただし、MはCa,Sr,Baのいずれ
か、もしくはそれらを組み合わせたものを示す)で、X
が0≦X≦0.1の範囲が好ましい。本誘電体の組成
は、高いQ値が得られ、波長が300nm以下の短波長域に
吸収があり、例えば、波長が248nmのKrFエキシマレー
ザを照射することにより、ガラス又は有機樹脂の耐熱温
度以下の低温度で、結晶化できるためである。組成をこ
の範囲とすることにより誘電損失が小さく、Q特性に優
れたコンデンサを得ることができる。
MXTiOy(ただし、MはCa,Sr,Baのいずれ
か、もしくはそれらを組み合わせたものを示す)で、X
が0≦X≦0.1の範囲が好ましい。本誘電体の組成
は、高いQ値が得られ、波長が300nm以下の短波長域に
吸収があり、例えば、波長が248nmのKrFエキシマレー
ザを照射することにより、ガラス又は有機樹脂の耐熱温
度以下の低温度で、結晶化できるためである。組成をこ
の範囲とすることにより誘電損失が小さく、Q特性に優
れたコンデンサを得ることができる。
【0012】また、チップコンデンサは非晶質成分の多
い非晶質層と結晶質成分の多い結晶層との上下2層で構
成される誘電体と内部電極が交互に積み重ねられた積層
体と外部電極で構成されている。この構成により、耐電
圧特性、Q特性に優れたコンデンサを得ることができ
る。また、LCフィルタは前記コンデンサとインダクタ
とから構成される。本発明のコンデンサを用いることに
よりQ特性に優れたLCフィルタを作製することができ
る。
い非晶質層と結晶質成分の多い結晶層との上下2層で構
成される誘電体と内部電極が交互に積み重ねられた積層
体と外部電極で構成されている。この構成により、耐電
圧特性、Q特性に優れたコンデンサを得ることができ
る。また、LCフィルタは前記コンデンサとインダクタ
とから構成される。本発明のコンデンサを用いることに
よりQ特性に優れたLCフィルタを作製することができ
る。
【0013】本発明は、基板に形成された下部電極上に
金属酸化物誘電体及び該誘電体上に形成された上部電極
を有する薄膜コンデンサにおいて、周波数1GHzにお
けるQ値が80以上、好ましくは90〜120であるこ
とを特徴とする。本発明は、上述の誘電体を用いること
によって優れた高周波特性が得られるものである。
金属酸化物誘電体及び該誘電体上に形成された上部電極
を有する薄膜コンデンサにおいて、周波数1GHzにお
けるQ値が80以上、好ましくは90〜120であるこ
とを特徴とする。本発明は、上述の誘電体を用いること
によって優れた高周波特性が得られるものである。
【0014】本発明の薄膜コンデンサは以下のようにし
て製造される。ガラス基板上に下部電極を形成した後、
金属酸化物誘電体をスパッタ法で成膜する。次に、エキ
シマレーザを誘電体表面へ照射し、室温に冷却した後、
上部電極を形成する。又、レーザ光を照射することによ
り、所望の厚さの非晶質層を容易にえることができる。
このようにしてコンデンサを製造することにより金属酸
化物誘電体の表面に耐電圧特性、Q特性に優れたコンデ
ンサを得ることができる。
て製造される。ガラス基板上に下部電極を形成した後、
金属酸化物誘電体をスパッタ法で成膜する。次に、エキ
シマレーザを誘電体表面へ照射し、室温に冷却した後、
上部電極を形成する。又、レーザ光を照射することによ
り、所望の厚さの非晶質層を容易にえることができる。
このようにしてコンデンサを製造することにより金属酸
化物誘電体の表面に耐電圧特性、Q特性に優れたコンデ
ンサを得ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】(実施例1)図1は、本実施例のコ
ンデンサの模式断面図である。図において、アルミノ珪
酸塩ガラス基板1、Cr/Cu/Crで構成される下部電極2、レ
ーザ照射後のMgTiO 3誘電体の結晶質成分の多い層
3、非晶質成分の多い層4、下部電極2と同じCr/Cu/Crで
構成される上部電極5を有する。
ンデンサの模式断面図である。図において、アルミノ珪
酸塩ガラス基板1、Cr/Cu/Crで構成される下部電極2、レ
ーザ照射後のMgTiO 3誘電体の結晶質成分の多い層
3、非晶質成分の多い層4、下部電極2と同じCr/Cu/Crで
構成される上部電極5を有する。
【0016】本発明によるコンデンサ作製の一実施例を
図2により説明する。アルミノ珪酸塩ガラス基板1の上
に、スパッタ法によりCr膜6を50nm形成後、その上
にメッキ法によりCu膜7を500nm積層した。さらに、
スパッタ法によりCr膜6'を50nm積層し、下部電極を
作製した。その後下部電極上にスパッタ法により、Mg
TiO3誘電体を非加熱で500nm成膜した。このMg
TiO3誘電体のスパッタ膜は非晶質であった。
図2により説明する。アルミノ珪酸塩ガラス基板1の上
に、スパッタ法によりCr膜6を50nm形成後、その上
にメッキ法によりCu膜7を500nm積層した。さらに、
スパッタ法によりCr膜6'を50nm積層し、下部電極を
作製した。その後下部電極上にスパッタ法により、Mg
TiO3誘電体を非加熱で500nm成膜した。このMg
TiO3誘電体のスパッタ膜は非晶質であった。
【0017】次に、350℃に加熱しながら基板/下部電極
/誘電体で構成される積層体表面のMgTiO3誘電体
に、波長248nmのKrFエキシマレーザをエネルギー
密度0.1J/cm2、ショット数12000で照射した。照射
した誘電体の上に、スパッタ法によりCr膜6''を50n
m形成後、その上にメッキ法によりCu膜7'を500nm
積層した。さらに、スパッタ法によりCr膜6'''を50n
m積層し、上部電極を作製した。レーザ照射後のMgT
iO3誘電体の結晶性をSEM及び薄膜X線回折より評
価した。SEM像より、誘電体の断面は結晶粒が観察さ
れない非晶質成分の多い非晶質層4と結晶粒が観察され
る結晶質成分の多い結晶質層3の2層で構成されてい
た。結晶粒サイズは30〜50nmである。薄膜X線回
折より、SEMで観察された結晶粒はMgTiO3であ
ることが同定された。非晶質成分の多い非晶質層4の厚
みは約70nm〜100nmである。また、ICPにより元
素分析をした結果、非晶質成分の多い非晶質層4と結晶
質成分の多い結晶質層3の構成元素は同一で,同じ組成で
あった。レーザ照射により非晶質のスパッタ膜は基板側
が結晶質層3と、その極表面が非晶質層4となった。
/誘電体で構成される積層体表面のMgTiO3誘電体
に、波長248nmのKrFエキシマレーザをエネルギー
密度0.1J/cm2、ショット数12000で照射した。照射
した誘電体の上に、スパッタ法によりCr膜6''を50n
m形成後、その上にメッキ法によりCu膜7'を500nm
積層した。さらに、スパッタ法によりCr膜6'''を50n
m積層し、上部電極を作製した。レーザ照射後のMgT
iO3誘電体の結晶性をSEM及び薄膜X線回折より評
価した。SEM像より、誘電体の断面は結晶粒が観察さ
れない非晶質成分の多い非晶質層4と結晶粒が観察され
る結晶質成分の多い結晶質層3の2層で構成されてい
た。結晶粒サイズは30〜50nmである。薄膜X線回
折より、SEMで観察された結晶粒はMgTiO3であ
ることが同定された。非晶質成分の多い非晶質層4の厚
みは約70nm〜100nmである。また、ICPにより元
素分析をした結果、非晶質成分の多い非晶質層4と結晶
質成分の多い結晶質層3の構成元素は同一で,同じ組成で
あった。レーザ照射により非晶質のスパッタ膜は基板側
が結晶質層3と、その極表面が非晶質層4となった。
【0018】上記のように作製したコンデンサの耐電圧
特性を評価した結果を図3に示す。横軸は電界(MV/c
m)で、縦軸は電流密度(A/cm2)である。電流密
度は電界の増加とともに大きくなるが、1〜3(MV/c
m)の高電界でも、電流密度は10−7(A/cm2)と
小さい。このため、高電界でも高容量のコンデンサを作
製できる。
特性を評価した結果を図3に示す。横軸は電界(MV/c
m)で、縦軸は電流密度(A/cm2)である。電流密
度は電界の増加とともに大きくなるが、1〜3(MV/c
m)の高電界でも、電流密度は10−7(A/cm2)と
小さい。このため、高電界でも高容量のコンデンサを作
製できる。
【0019】なお、本発明の実施例ではアルミノ珪酸塩
ガラス基板で説明したが誘電損失の小さいポリイミド有
機樹脂基板を用いてもよい。また、本発明の実施例で、
電極にCuを選択したのは電気抵抗率が従来のAu、Ptなど
の貴金属より小さいためである。なお、Cuは酸化されや
すいので、酸化を防止するために、CuをCr膜で被覆し
た。電極のCuの厚みは本発明の実施例では500nmで
説明したが、100nm〜20μmが好ましい。100nm未満
では電極の比抵抗が大きくなり、Q特性に優れたコンデ
ンサを得ることができない。20μm以上では電極形成に
長時間を要し、安価なコンデンサを作製できない。
ガラス基板で説明したが誘電損失の小さいポリイミド有
機樹脂基板を用いてもよい。また、本発明の実施例で、
電極にCuを選択したのは電気抵抗率が従来のAu、Ptなど
の貴金属より小さいためである。なお、Cuは酸化されや
すいので、酸化を防止するために、CuをCr膜で被覆し
た。電極のCuの厚みは本発明の実施例では500nmで
説明したが、100nm〜20μmが好ましい。100nm未満
では電極の比抵抗が大きくなり、Q特性に優れたコンデ
ンサを得ることができない。20μm以上では電極形成に
長時間を要し、安価なコンデンサを作製できない。
【0020】また、電極材料は本発明の実施例ではCu
で説明したが、Ag、Ti,W,Pd,Ag−Pd,Ni,Cr、Au、P
tが好ましい。また、本実施例ではレーザを照射すると
きの誘電体の加熱温度は350℃で説明したが、150℃〜50
0℃でもよい。100℃未満では非晶質成分の多い層の厚さ
が30nm以下と薄く、耐電圧特性に優れたコンデンサを
作製することができない。500℃以上ではレーザ照射
後、基板/下部電極/誘電体からなる積層体の加熱を止め
て積層体を室温に戻す時に、熱応力により、誘電体薄膜
が下部電極から剥離し、健全なコンデンサを作製するこ
とができない。
で説明したが、Ag、Ti,W,Pd,Ag−Pd,Ni,Cr、Au、P
tが好ましい。また、本実施例ではレーザを照射すると
きの誘電体の加熱温度は350℃で説明したが、150℃〜50
0℃でもよい。100℃未満では非晶質成分の多い層の厚さ
が30nm以下と薄く、耐電圧特性に優れたコンデンサを
作製することができない。500℃以上ではレーザ照射
後、基板/下部電極/誘電体からなる積層体の加熱を止め
て積層体を室温に戻す時に、熱応力により、誘電体薄膜
が下部電極から剥離し、健全なコンデンサを作製するこ
とができない。
【0021】また、本実施例では照射エネルギー密度は
0.1J/cm2で説明したが、0.04J/cm2〜0.25J
/cm2でもよい。0.04J/cm2未満では非晶質成分
の多い非晶質層の厚さが30nm以下と薄く、また、金属
酸化物誘電体の結晶状態の変化量が小さいので、耐電圧
特性、Q特性に優れたコンデンサを作製することができ
ない。0.25J/cm2以上では金属酸化物誘電体がアブ
レーションし、健全なコンデンサを作製することができ
ない。
0.1J/cm2で説明したが、0.04J/cm2〜0.25J
/cm2でもよい。0.04J/cm2未満では非晶質成分
の多い非晶質層の厚さが30nm以下と薄く、また、金属
酸化物誘電体の結晶状態の変化量が小さいので、耐電圧
特性、Q特性に優れたコンデンサを作製することができ
ない。0.25J/cm2以上では金属酸化物誘電体がアブ
レーションし、健全なコンデンサを作製することができ
ない。
【0022】また、本実施例ではショット数は12000で
説明したが、500〜200,000でもよい。500未満では非晶
質成分の多い非晶質層が30nm以下と薄く、また、金属
酸化物誘電体の結晶状態の変化量が小さいので、耐電圧
特性、Q特性に優れたコンデンサを作製することができ
ない。200,000以上では 金属酸化物誘電体がアブレーシ
ョンし、健全なコンデンサを製造することができない。
また、ショット数はレーザの繰り返し周波数と照射時間
との積で表せるものであるので、ショット数の増加は作
業工数の増加につながるので、製品コストが高くなると
いう問題が生じる。
説明したが、500〜200,000でもよい。500未満では非晶
質成分の多い非晶質層が30nm以下と薄く、また、金属
酸化物誘電体の結晶状態の変化量が小さいので、耐電圧
特性、Q特性に優れたコンデンサを作製することができ
ない。200,000以上では 金属酸化物誘電体がアブレーシ
ョンし、健全なコンデンサを製造することができない。
また、ショット数はレーザの繰り返し周波数と照射時間
との積で表せるものであるので、ショット数の増加は作
業工数の増加につながるので、製品コストが高くなると
いう問題が生じる。
【0023】(実施例2)本発明のアルミノ珪酸塩ガラ
ス基板、ポリイミド有機樹脂基板を用いて作製したコン
デンサと比較例のSi基板を用いて作製したコンデンサの
Q値特性を評価した。本発明の実施例2のコンデンサは実
施例1と同様の手法で作成した。比較例のコンデンサはS
i基板を用いた以外は本発明の実施例1と同様の方法で作
製した。
ス基板、ポリイミド有機樹脂基板を用いて作製したコン
デンサと比較例のSi基板を用いて作製したコンデンサの
Q値特性を評価した。本発明の実施例2のコンデンサは実
施例1と同様の手法で作成した。比較例のコンデンサはS
i基板を用いた以外は本発明の実施例1と同様の方法で作
製した。
【0024】これらのコンデンサのQ値特性を図4に示
す。横軸に測定周波数を示し、縦軸にQ値を示す。な
お、本発明のアルミノ珪酸塩ガラス基板を用いて作製し
たコンデンサのQ値も、ポリイミド有機樹脂基板を用い
て作製したコンデンサのQ値もほぼ同じ値であったの
で、ここではアルミノ珪酸塩ガラス基板の結果を用い
た。Q値は比較例の9も、本発明の実施例の8も、測定周
波数の増加とともに減少するが、本実施例の8のQ値は
比較例の9に比べ、全ての周波数域で高い。特に、0.8GH
z〜2GHzの高周波帯域でのQ値が高い。従って、基板
にアルミノ珪酸塩ガラス及びポリイミド有機樹脂を用い
た場合は高周波帯域で、低消費電力のコンデンサを作製
することができる。
す。横軸に測定周波数を示し、縦軸にQ値を示す。な
お、本発明のアルミノ珪酸塩ガラス基板を用いて作製し
たコンデンサのQ値も、ポリイミド有機樹脂基板を用い
て作製したコンデンサのQ値もほぼ同じ値であったの
で、ここではアルミノ珪酸塩ガラス基板の結果を用い
た。Q値は比較例の9も、本発明の実施例の8も、測定周
波数の増加とともに減少するが、本実施例の8のQ値は
比較例の9に比べ、全ての周波数域で高い。特に、0.8GH
z〜2GHzの高周波帯域でのQ値が高い。従って、基板
にアルミノ珪酸塩ガラス及びポリイミド有機樹脂を用い
た場合は高周波帯域で、低消費電力のコンデンサを作製
することができる。
【0025】なお、レーザ照射後のMgTiO3誘電体
を本発明の実施例1と同様に、断面の層構成、結晶状
態、結晶性物質の同定、非晶質成分の多い層の厚さ、結
晶粒の大きさなどを、SEM及び薄膜X線回折より評価
した。その結果は本発明の実施例1とほぼ同じであっ
た。また、ICPにより元素分析をした結果、非晶質成
分の多い層と結晶質成分の多い層の構成元素は同一であ
った。
を本発明の実施例1と同様に、断面の層構成、結晶状
態、結晶性物質の同定、非晶質成分の多い層の厚さ、結
晶粒の大きさなどを、SEM及び薄膜X線回折より評価
した。その結果は本発明の実施例1とほぼ同じであっ
た。また、ICPにより元素分析をした結果、非晶質成
分の多い層と結晶質成分の多い層の構成元素は同一であ
った。
【0026】(実施例3)誘電体の組成がMg1−XM
XTiOy(ただし、MはCa,Sr,Baのいずれ
か、もしくはそれらを組み合わせたものを示す)で、X
が0≦X≦0.1の範囲の誘電体と0.1を超える組成の
誘電体を用いて、本発明の実施例1と同様の手法で、コ
ンデンサを作製し、Q値特性を評価した。
XTiOy(ただし、MはCa,Sr,Baのいずれ
か、もしくはそれらを組み合わせたものを示す)で、X
が0≦X≦0.1の範囲の誘電体と0.1を超える組成の
誘電体を用いて、本発明の実施例1と同様の手法で、コ
ンデンサを作製し、Q値特性を評価した。
【0027】その結果を表1に示す。前記誘電体で、Xが
0.1以下の組成では、高いQ値を示したが、Xが0.2以上
の組成ではXが0.1以下の組成のものに比べ、Q値は小さ
い。本発明の1GHzでのQ値はいずれも70以上と高い
ものである。尚、Mを有しないもののQ値は110〜120で
ある。
0.1以下の組成では、高いQ値を示したが、Xが0.2以上
の組成ではXが0.1以下の組成のものに比べ、Q値は小さ
い。本発明の1GHzでのQ値はいずれも70以上と高い
ものである。尚、Mを有しないもののQ値は110〜120で
ある。
【0028】
【表1】
【0029】(実施例4)図5は実施例のチップコンデ
ンサの斜視図である。10は外部電極、11は誘電体で、こ
れは非晶質成分の多い層と結晶質成分の多い層の2層か
らなる。12は内部電極である。本発明によるチップコン
デンサの作製の一実施例を図5により説明する。まず、
MgTiO3誘電体11を印刷法により形成する。これを酸化雰
囲気中で、130℃に10時間乾燥する。その後、本発明の
実施例1と同様に、MgTiO3誘電体を250℃に加熱しながら
誘電体の片面にKrFエキシマレーザを照射する。
ンサの斜視図である。10は外部電極、11は誘電体で、こ
れは非晶質成分の多い層と結晶質成分の多い層の2層か
らなる。12は内部電極である。本発明によるチップコン
デンサの作製の一実施例を図5により説明する。まず、
MgTiO3誘電体11を印刷法により形成する。これを酸化雰
囲気中で、130℃に10時間乾燥する。その後、本発明の
実施例1と同様に、MgTiO3誘電体を250℃に加熱しながら
誘電体の片面にKrFエキシマレーザを照射する。
【0030】次に、誘電体のレーザ照射面にCr/Cu/Crで
構成される内部電極12を本発明の実施例1と同様の手
法、手順で、スパッタ法で形成する。次に、前記のよう
にして作製した誘電体/内部電極の2層構成の積層体を複
数枚重ね合わせ、250℃に加熱しながら加圧成形した。
最後に印刷法により外部電極10を形成し、チップコンデ
ンサを作成した。このチップコンデンサの電気特性を評
価した結果、耐電圧特性、Q値特性は良好であった。
構成される内部電極12を本発明の実施例1と同様の手
法、手順で、スパッタ法で形成する。次に、前記のよう
にして作製した誘電体/内部電極の2層構成の積層体を複
数枚重ね合わせ、250℃に加熱しながら加圧成形した。
最後に印刷法により外部電極10を形成し、チップコンデ
ンサを作成した。このチップコンデンサの電気特性を評
価した結果、耐電圧特性、Q値特性は良好であった。
【0031】なお、レーザ照射後のMgTiO3誘電体
を本発明の実施例1と同様に、断面の層構成、結晶状
態、結晶性物質の同定、非晶質成分の多い層の厚さ、結
晶粒の大きさなどを、SEM及び薄膜X線回折より評価
した。その結果は本発明の実施例1とほぼ同じであっ
た。また、ICPにより元素分析をした結果、非晶質成
分の多い層と結晶質成分の多い層の構成元素は同一であ
った。
を本発明の実施例1と同様に、断面の層構成、結晶状
態、結晶性物質の同定、非晶質成分の多い層の厚さ、結
晶粒の大きさなどを、SEM及び薄膜X線回折より評価
した。その結果は本発明の実施例1とほぼ同じであっ
た。また、ICPにより元素分析をした結果、非晶質成
分の多い層と結晶質成分の多い層の構成元素は同一であ
った。
【0032】(実施例5)図6は本実施例のLCフィル
タの模式断面図である。図において、13,14,13'は下部
電極で、それぞれCr膜、Cu膜、Cr膜である。13'',14',1
3'''は上部電極のCr膜、Cu膜、Cr膜である。15はポリイ
ミド有機樹脂、16、16'はインダクタ、17、17'は電気的
に接続する配線導体、18は薄膜導体、19はボール外部端
子である。
タの模式断面図である。図において、13,14,13'は下部
電極で、それぞれCr膜、Cu膜、Cr膜である。13'',14',1
3'''は上部電極のCr膜、Cu膜、Cr膜である。15はポリイ
ミド有機樹脂、16、16'はインダクタ、17、17'は電気的
に接続する配線導体、18は薄膜導体、19はボール外部端
子である。
【0033】図中1〜14'で示すコンデンサを実施例1の
方法で作製した後、コンデンサとインダクタ16を電気的
に接続する配線導体17をスパッタ法で形成した。更に、
インダクタをスパッタ法で形成し、配線導体とインダク
タをポリイミド有機樹脂15に埋設した。次に、基板1に
穴を開け、薄膜導体18をスパッタ法で作成後、電気的に
接続する配線導体17'をメッキ法で形成した。
方法で作製した後、コンデンサとインダクタ16を電気的
に接続する配線導体17をスパッタ法で形成した。更に、
インダクタをスパッタ法で形成し、配線導体とインダク
タをポリイミド有機樹脂15に埋設した。次に、基板1に
穴を開け、薄膜導体18をスパッタ法で作成後、電気的に
接続する配線導体17'をメッキ法で形成した。
【0034】最後に、ボール外部端子19をSn−Ag−Cuは
んだペーストを用いて印刷法で作製した。このようにし
て作製したLCフィルタのQ値を測定した結果、0.8GH
z〜2GHzの高周波領域でQ値は100以上であった。な
お、レーザ照射後のMgTiO 3誘電体を実施例1と同
様に、断面の層構成、結晶状態、結晶性物質の同定、非
晶質成分の多い層の厚さ、結晶粒の大きさなどを、SE
M及び薄膜X線回折より評価した。その結果は実施例1
とほぼ同じであった。また、ICPによる元素分析の結
果非晶質成分の多い層と結晶質成分の多い層の構成元素
は同一であった。
んだペーストを用いて印刷法で作製した。このようにし
て作製したLCフィルタのQ値を測定した結果、0.8GH
z〜2GHzの高周波領域でQ値は100以上であった。な
お、レーザ照射後のMgTiO 3誘電体を実施例1と同
様に、断面の層構成、結晶状態、結晶性物質の同定、非
晶質成分の多い層の厚さ、結晶粒の大きさなどを、SE
M及び薄膜X線回折より評価した。その結果は実施例1
とほぼ同じであった。また、ICPによる元素分析の結
果非晶質成分の多い層と結晶質成分の多い層の構成元素
は同一であった。
【0035】
【発明の効果】本発明によりレーザ照射後の誘電体を非
晶質成分の多い非晶質層と結晶質成分の多い結晶層との
2層構造とすることにより、1GHz付近の高周波領域
での耐電圧特性及びQ値特性に優れた薄膜コンデンサが
得られる効果がある。また、ガラス基板は再利用できる
ので、環境に優しい効果がある。
晶質成分の多い非晶質層と結晶質成分の多い結晶層との
2層構造とすることにより、1GHz付近の高周波領域
での耐電圧特性及びQ値特性に優れた薄膜コンデンサが
得られる効果がある。また、ガラス基板は再利用できる
ので、環境に優しい効果がある。
【図1】 本発明のコンデンサの断面模式図である。
【図2】 本発明のコンデンサの電界(MV/cm)と
電流密度(A/cm2)の関係を示す線図である。
電流密度(A/cm2)の関係を示す線図である。
【図3】 本発明と比較例のコンデンサの測定周波数と
Q値の関係を示す線図である。
Q値の関係を示す線図である。
【図4】 本発明のチップコンデンサの斜視図である。
【図5】 本発明のLCフィルタの断面図である。
1…ガラス基板または有機樹脂基板、2…下部電極、3…
誘電体の結晶質成分の多い層、4…誘電体の非晶質成分
の多い層、5…上部電極、6、6'、6''、6'''…電極を構
成するCr膜、7、7'…電極を構成するCr膜、8…実施
の形態の構成によるコンデンサの測定周波数に対するQ
値特性、9…比較例の形態の構成によるコンデンサの測
定周波数に対するQ値特性、10…外部電極、11…誘電
体、12…内部電極、13、13'、13''、13'''…電極を構成
するCr膜、14、14'…電極を構成するCu膜、15…ポリイ
ミド有機樹脂、16、16'…インダクタ、17、17'…電気的
に接続する配線導体、18…薄膜導体、19…ボール外部端
子。
誘電体の結晶質成分の多い層、4…誘電体の非晶質成分
の多い層、5…上部電極、6、6'、6''、6'''…電極を構
成するCr膜、7、7'…電極を構成するCr膜、8…実施
の形態の構成によるコンデンサの測定周波数に対するQ
値特性、9…比較例の形態の構成によるコンデンサの測
定周波数に対するQ値特性、10…外部電極、11…誘電
体、12…内部電極、13、13'、13''、13'''…電極を構成
するCr膜、14、14'…電極を構成するCu膜、15…ポリイ
ミド有機樹脂、16、16'…インダクタ、17、17'…電気的
に接続する配線導体、18…薄膜導体、19…ボール外部端
子。
フロントページの続き
(72)発明者 生田目 俊秀
茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株
式会社日立製作所日立研究所内
(72)発明者 久保 征治
東京都小平市上水本町五丁目20番1号 株
式会社日立製作所半導体グループ内
(72)発明者 三輪 崇夫
茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株
式会社日立製作所日立研究所内
Fターム(参考) 5E082 AA01 DD07 FG03
Claims (13)
- 【請求項1】基板に形成された下部電極上に金属酸化物
誘電体及び該誘電体上に形成された上部電極を有する薄
膜コンデンサにおいて、前記誘電体は、非晶質成分の多
い非晶質層と、結晶質成分の多い結晶質層との多層膜か
ら成り、前記非晶質層及び結晶質層が同じ組成によって
構成されていることを特徴とする薄膜コンデンサ。 - 【請求項2】基板に形成された下部電極上に金属酸化物
誘電体及び該誘電体上に形成された上部電極を有する薄
膜コンデンサにおいて、前記誘電体は、前記基板側に結
晶質成分の多い結晶質層と、該結晶質層上に形成された
非晶質成分の多い非晶質層との多層膜から成り、前記結
晶質層の厚さが前記非晶質層の厚さより大きいことを特
徴とする薄膜コンデンサ。 - 【請求項3】基板に形成された下部電極上に金属酸化物
誘電体及び該誘電体上に形成された上部電極を有する薄
膜コンデンサにおいて、前記誘電体は、Mg1−XMX
TiOy(但し、MはCa,Sr及びBaの1種以上、
Xが0≦X≦0.1の範囲にある)から成ることを特徴
とする薄膜コンデンサ。 - 【請求項4】基板に形成された下部電極上に金属酸化物
誘電体及び該誘電体上に形成された上部電極を有する薄
膜コンデンサにおいて、周波数1GHzにおけるQ値が
80以上であることを特徴とする薄膜コンデンサ。 - 【請求項5】請求項3又は4において、前記誘電体は、
非晶質成分の多い非晶質層と、結晶質成分の多い結晶質
層との多層膜から成ることを特徴とする薄膜コンデン
サ。 - 【請求項6】請求項5において、前記結晶質層の厚さが
前記非晶質層の厚さより大きいことを特徴とする薄膜コ
ンデンサ。 - 【請求項7】請求項1〜6のいずれかにおいて、前記誘
電体がガラス基板又は有機樹脂基板上に形成されている
ことを特徴とする薄膜コンデンサ。 - 【請求項8】請求項1、2及び5〜7のいずれかにおい
て、前記非晶質層の厚さが30〜150nmであることを特
徴とする薄膜コンデンサ。 - 【請求項9】請求項1、2、4〜8のいずれかにおい
て、前記誘電体は、Mg1−XMXTiOy(但し、M
はCa,Sr及びBaの1種以上、Xが0≦X≦0.1
の範囲にある)から成ることを特徴とする薄膜コンデン
サ。 - 【請求項10】請求項1〜9のいずれかに記載のコンデ
ンサによって構成されることを特徴とするチップコンデ
ンサ。 - 【請求項11】請求項1〜9のいずれかに記載のコンデ
ンサによって構成されることを特徴とするLCフィル
タ。 - 【請求項12】基板に形成された下部電極上に金属酸化
物誘電体及び該誘電体上に上部電極を形成する薄膜コン
デンサの製造方法において、前記上部電極を形成する前
に前記誘電体にレーザ光を照射することを特徴とする薄
膜コンデンサの製造方法。 - 【請求項13】基板に形成された下部電極上に金属酸化
物誘電体及び該誘電体上に上部電極を形成する薄膜コン
デンサの製造方法において、前記上部電極を形成する前
に前記誘電体にレーザ光を照射し、表面の非晶質成分の
多い非晶質層と基板側の結晶質成分の多い結晶質層との
多層構造にすることを特徴とする薄膜コンデンサの製造
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001312438A JP2003124061A (ja) | 2001-10-10 | 2001-10-10 | 薄膜コンデンサとそれを用いたチップコンデンサ及びlcフィルタ並びにその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001312438A JP2003124061A (ja) | 2001-10-10 | 2001-10-10 | 薄膜コンデンサとそれを用いたチップコンデンサ及びlcフィルタ並びにその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003124061A true JP2003124061A (ja) | 2003-04-25 |
Family
ID=19131093
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001312438A Pending JP2003124061A (ja) | 2001-10-10 | 2001-10-10 | 薄膜コンデンサとそれを用いたチップコンデンサ及びlcフィルタ並びにその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003124061A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007150186A (ja) * | 2005-11-30 | 2007-06-14 | Tdk Corp | 薄膜電子部品用電極、薄膜電子部品及びその製造方法 |
JP2008218753A (ja) * | 2007-03-05 | 2008-09-18 | Fujitsu Ltd | 電子部品および電子部品の製造方法 |
JP2014154703A (ja) * | 2013-02-08 | 2014-08-25 | Taiyo Yuden Co Ltd | コンデンサ及びコンデンサの製造方法 |
JP2016039283A (ja) * | 2014-08-08 | 2016-03-22 | 株式会社野田スクリーン | 薄膜キャパシタシートの製造方法 |
CN105513795A (zh) * | 2016-01-19 | 2016-04-20 | 同济大学 | 具有固态电解质功能的水合氧化铝电介质薄膜及其制备 |
CN113493346A (zh) * | 2021-06-17 | 2021-10-12 | 哈尔滨理工大学 | 一种高击穿场强的储能薄膜及其制备方法 |
-
2001
- 2001-10-10 JP JP2001312438A patent/JP2003124061A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007150186A (ja) * | 2005-11-30 | 2007-06-14 | Tdk Corp | 薄膜電子部品用電極、薄膜電子部品及びその製造方法 |
JP2008218753A (ja) * | 2007-03-05 | 2008-09-18 | Fujitsu Ltd | 電子部品および電子部品の製造方法 |
JP2014154703A (ja) * | 2013-02-08 | 2014-08-25 | Taiyo Yuden Co Ltd | コンデンサ及びコンデンサの製造方法 |
JP2016039283A (ja) * | 2014-08-08 | 2016-03-22 | 株式会社野田スクリーン | 薄膜キャパシタシートの製造方法 |
CN105513795A (zh) * | 2016-01-19 | 2016-04-20 | 同济大学 | 具有固态电解质功能的水合氧化铝电介质薄膜及其制备 |
CN105513795B (zh) * | 2016-01-19 | 2018-06-29 | 同济大学 | 具有固态电解质功能的水合氧化铝电介质薄膜及其制备 |
CN113493346A (zh) * | 2021-06-17 | 2021-10-12 | 哈尔滨理工大学 | 一种高击穿场强的储能薄膜及其制备方法 |
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