JP2003123790A - 電気化学デバイス及びカチオン伝導体 - Google Patents
電気化学デバイス及びカチオン伝導体Info
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Abstract
囲(少なくとも0℃〜130℃)で分解せず、また化学
的にも安定であって長時間安定に高いプロトン伝導性を
示すカチオン伝導体を用いた燃料電池等の電気化学デバ
イスと、これに用いるカチオン伝導体を提供すること。 【解決手段】 有機残基(R)を介してフラーレン分子
にスルホン酸基(−SO 3H)が結合してなるフラーレ
ンポリアルキルスルホン酸等のカチオン伝導体、及びこ
れがプロトン伝導部1として水素極2と酸素極3との間
に配されている燃料電池等の電気化学デバイス。
Description
化学デバイス、及びプロトン伝導体等のカチオン伝導体
に関するものである。
の電源に固体電解質を用いた燃料電池の研究が盛んに行
われている。こうした固体電解質としては、ポリパーフ
ルオロスルホン酸(デュポン社製のナフィオンなど)や
ポリモリブデン酸類などが知られている。
置かれると、常温付近で高いプロトン伝導性を示す。即
ち、ポリパーフルオロスルホン酸を例にとると、そのス
ルホン酸基より電離したプロトンは、高分子マトリック
ス中に大量に取込まれている水分と結合(水素結合)し
てプロトン化した水、つまりオキソニウムイオン(H 3
O+)を生成し、このオキソニウムイオンの形態をとっ
てプロトンが高分子マトリックス内を移動することがで
きるので、この種のマトリックス材料は常温下でプロト
ン伝導効果を示す。
プロトン伝導が加湿状態でのみ発現するため、使用中に
おいて継続的に充分な湿潤状態に置かれることが必要で
ある。従って、燃料電池等のシステムの構成には、加湿
装置や各種の付随装置が要求され、装置の規模が大型化
したり、システム構築のコストアップが避けられない。
しかも、低温においては水の凍結が生じ、また高温にお
いては水の蒸発によりプロトン伝導度が低下するという
問題点がある。
及び硫酸水素エステル化フラレノールがプロトン伝導性
を示すことを見出し、特願平11−204038号及び
特願2000−058116号において新規なプロトン
伝導体を提起した。この先願発明によるプロトン伝導体
は、常温を含む広い温度域で用いることができ、その下
限温度も特に高くはなく、しかも移動媒体としての水分
を必要としないという、雰囲気依存性の小さなプロトン
伝導体である。
分子C60やC70を示すが、先願発明では、これらのフラ
ーレン分子を構成する炭素原子に、図15(A)のよう
に複数の水酸基を付加した構造を持った化合物であるポ
リ水酸化フラーレン(通称「フラレノール(Fullereno
l)」や、図15(B)のようにフラレノールの水酸基
がスルホン基と置き換わった化合物であるポリ水酸化フ
ラーレン硫酸水素エステルによって、プロトン伝導部を
形成している(なお、図15中、○はフラーレン分子を
簡略に示したものである)。
エステルは、フラーレン1分子中にOH基又はOSO3
H基からなるプロトン解離性の基が多数導入されている
ため、水分が存在しなくてもプロトン伝導性を呈し、し
かもプロトン伝導体としてプロトン移送サイトの体積当
たりの数密度が多くなる。この場合、プロトン伝導性
は、フラレノールよりも、スルホン基をフラーレン分子
の構成炭素原子に導入した図14(B)のポリ水酸化フ
ラーレン硫酸水素エステルの方が顕著となる。
ル誘導体であるこうしたポリ水酸化フラーレン硫酸水素
エステルは無加湿の条件下でも高いプロトン伝導性を示
すが、水が存在する条件下では高温(特に85℃以上)
で硫酸エステル部分が加水分解し易いことが分った。こ
のため、水の存在下(これは、電池反応の結果として酸
素極側に生成する水分も同様である。)、高温で使用す
ると、プロトン伝導度が低下し易いという問題点がある
ことが判明した。
温を含む広い温度範囲(少なくとも0℃〜130℃)で
分解せず、また化学的にも安定であって長時間安定に高
いプロトン伝導性を示すカチオン伝導体を用いた燃料電
池等の電気化学デバイスと、これに用いるカチオン伝導
体を提供することにある。
基を介してフラーレン分子に酸性基(例えばスルホン酸
基)が結合してなるカチオン伝導体が、第1極と第2極
との間に配されている電気化学デバイスに係るものであ
る。
ン分子に酸性基(例えばスルホン酸基)が結合してなる
カチオン伝導体も提供するものである。
が、有機残基を介してフラーレン分子にスルホン酸基等
のプロトン解離性の酸性基が結合してなるので、常温常
湿(又は無加湿)の条件下でも、この酸性基によって移
送サイトが多くて高いプロトン伝導性を示すと共に、こ
の酸性基をフラーレン分子に結合する有機残基は加水分
解等の分解を受け難いために、水が存在していても酸性
基が分解を生じずにフラーレン分子に保持され、高いプ
ロトン伝導性を長時間保持することができる。
チオン伝導体においては、前記有機残基は、炭素数が1
〜20であるのがよく、N、O、P、Sのようなヘテロ
原子を含んでいてもよい。また、前記有機残基がフラー
レン1分子に対して2〜14個結合しているのがよい。
基が挙げられるが、これ以外にもリン酸基、カルボキシ
ル基等が挙げられる。
は、球状炭素分子Cm(m=36、60、70、76、
78、80、82、84等の、球状分子を形成しうる自
然数)からなっている。
トン伝導部が水素極と酸素極との間に配された燃料電池
として構成されるのがよい。
参照下に説明する。
される本発明のカチオン伝導体(プロトン伝導体として
のフラーレン誘導体)は、有機残基(−R−)を介して
プロトン解離性の酸性置換基、特にスルホン酸基(−S
O3H)がフラーレン分子C6 0に化学的に結合した一般
式(1)で表されるフラーレンポリアルキルスルホン酸
である。このカチオン伝導体は、上記した理由から、常
温を含む広い温度範囲(少なくとも0℃〜130℃)で
高いイオン伝導度を示し、水が存在していても加水分解
されない化学的にも安定なイオン伝導性化合物である。
換基数)は、n≧1であって特に制限はないが、好まし
くは2〜14であり、より好ましくは8〜14である。
このnが少ないとイオン伝導率が低くなる傾向にあり、
またnが15以上の場合には立体障害が生じるので、化
合物の合成が困難である。
炭素数1〜20の全ての2価の有機残基を表す。この炭
素数が1〜2の化合物は溶媒に対する溶解が困難であ
り、例えばイオン交換時の溶媒溶解性が乏しくなり、ま
た炭素数が5以上の化合物は合成が困難となる傾向があ
るため、炭素数が1〜4、特に3又は4が好ましい。そ
して、炭素数が20を超えると、有機残基がバルキーで
あってスルホン酸基によるイオン伝導性に悪影響が生じ
ることがある。
ルキレン基(例えば、メチレン基、エチレン基、トリメ
チレン基、テトラメチレン基、エチルエチレン基、プロ
ピレン基)、芳香族基(例えば、フェニレン基、ナフチ
レン基)が挙げられる。このRは、N、O、P、Sのよ
うなヘテロ原子を含んでいてもよい(例えば、オキシ
基、カルボニル基、チオ基、チオカルボキシル基、スル
フィニル基、スルホン基、イミノ基、アゾ基、ホスホン
基などを挙げることができる)。
に示すように、導入したいアルキルスルホン酸基の数に
応じて、フラーレンに対し2〜30当量の還元剤(例え
ばアルカリ金属ナフタレニド)及びスルホン化剤(例え
ばアルキルスルトン)を用いる。この反応では、Rを介
して導入された例えばSO3Naをイオン交換によりS
O3Hに導く。良好なイオン伝導性を実現するために、
好ましくは15〜30当量の還元剤及びスルホン化剤を
必要とする。このうち、10当量未満の場合は、導入さ
れるスルホン酸基の数(n)が少なくなり、またnが1
5を超えると、目的物は殆ど得られず、これ以上の過剰
の反応剤は、製造コストの観点からも不必要である。
なアルカリ金属ナフタレニド(アルカリ金属は、Li、
Na等、以下、同様)、アルカリ金属ジターシャルビフ
ェニル等の還元試薬を用いてよく、これ以外にも、電極
から供給する電子の還元作用を用いる電気化学的方法を
採用してもよい。
%程度の水分子を結晶水として強固に取り込んでいるこ
とがあり、この結晶水は100℃程度の高温かつ10-6
Torrの高真空下においても脱離しない。即ち、この
化合物は、これらの結晶水とスルホン酸基からなるプロ
トン伝導チャネルをバルク固体として形成するため、常
温を含む広い温度範囲にわたって高いイオン伝導性を具
現するものである。この化合物は、常温常湿(又は無加
湿)下でも良好なイオン伝導性を示すが、加湿条件下で
は、水の存在によってさらに高いイオン伝導を実現する
ことができる。
(フラーレンポリアルキルスルホン酸)をプロトン伝導
体として用いた燃料電池の一具体例を示す。この燃料電
池は、触媒2a及び3aをそれぞれ密着若しくは分散さ
せた互いに対向した端子8及び9付きの負極(燃料極又
は水素極)2及び正極(酸素極)3を有し、これらの両
極間にプロトン伝導部1が挟着されている。
水素が供給され、排出口13(これは設けないこともあ
る。)から排出される。燃料(H2)14が流路15を
通過する間にプロトンを発生し、図3(B)に示すよう
に、このプロトンはプロトン伝導部1で発生したプロト
ンとともに正極3側へ移動し、そこで導入口16から流
路17に供給されて排気口18へ向かう酸素(又は空
気)19と反応し、これにより所望の起電力が取り出さ
れる。
T.Canteenwala, J.-P.Hung, J.Shiea, B.-J.Chen and
L.Y.Chiang, Chem.Lett.,1998,465.)を参考にして行っ
た。フラーレンの粉末2gのジメトキシエタン溶液に、
予め調製しておいたナトリウムナフタレニドのジメトキ
シエタン溶液を30当量加え、室温にて窒素雰囲気下で
2時間撹拌した後、1,3−プロパンスルトンを30当
量加え、さらに室温にて窒素雰囲気下で12時間撹拌し
た。
沈澱物を集めた。更に、濾液を濃縮してメタノールを加
え、再沈澱させ、濾過して沈澱物を集めた。得られた沈
澱物をメタノールで充分洗浄した。
オン交換カラムに通してスルホン酸化し、エバポレータ
ーで水を除去した後に、真空乾燥した。
−IR(図4)及びTOF−MS(図5)測定を行った
ところ、フラーレンポリプロピルスルホン酸であること
が確認された(図5中のnは、導入されたプロピルスル
ホン酸基の数を表している)。
ン酸の粉末80mgを測りとり、直径15mmの円形ペ
レット状になるように一方向に、約5トン/cm2でプ
レスした。
ンピーダンスプロットを作成し、イオン伝導度を測定し
た。同試料を湿度60%の雰囲気にて測定すると、20
℃にて1×10-3Scm-1、50℃にて7×10-3Sc
m-1、85℃にて1×10-2Scm-1であった。同試料
を湿度100%の雰囲気にて測定すると、85℃にて1
×10-2Scm-1であった。
T.Canteenwala, J.-P.Hung, J.Shiea, B.-J.Chen and
L.Y.Chiang, Chem.Lett.,1998,465.)を参考にして行っ
た。フラーレンの粉末2gのジメトキシエタン溶液に、
予め調製しておいたナトリウムナフタレニドのジメトキ
シエタン溶液を30当量加え、室温にて窒素雰囲気下で
2時間撹拌した後、1,4−ブタンスルトンを30当量
加え、さらに室温にて窒素雰囲気下で12時間撹拌し
た。
沈澱物を集めた。更に、濾液を濃縮してメタノールを加
え、再沈澱させ、濾過して沈澱物を集めた。得られた沈
澱物をメタノールで充分洗浄した。
オン交換カラムに通し、エバポレーターで水を除去した
後に、真空乾燥した。
−IR(図6)及びTOF−MS(図7)測定を行った
ところ、フラーレンポリブチルスルホン酸であることが
確認された(図7中のnは、導入されたブチルスルホン
酸基の数を表している)。
酸の粉末80mgを測りとり、直径15mmの円形ペレ
ット状になるように一方向に、約5トン/cm2でプレ
スした。
ンピーダンスプロットを作成し、イオン伝導度を測定し
た。同試料を湿度60%の雰囲気にて測定すると、20
℃にて1×10-3Scm-1、50℃にて7×10-3Sc
m-1、85℃にて1×10-2Scm-1であった。同試料
を湿度100%の雰囲気にて測定すると、85℃にて1
×10-2Scm-1であった。
合成条件を下記の表1に示すように種々に変えた以外は
実施例2と同様にして、目的物を得た。
TOF=−MSスペクトルを図8〜図13に示すが、こ
れらの結果を図5の結果と併せて考察すると、加えるナ
トリウムナフタレニド及び1,4−ブタンスルトンの当
量を増やした方が置換基数は増えること、温度は室温よ
り高いのがよいが、50℃が最も適していること、反応
溶媒はジメトキシエタンより極性が高いテトラヒドロフ
ランが適していることがそれぞれ分る。
介してフラーレン分子にスルホン酸基等の酸性基が結合
してなるカチオン伝導体を用いているので、常温常湿
(又は無加湿)の条件下でも、高いプロトン伝導性を示
すと共に、水が存在していても酸性基が分解せず、高い
プロトン伝導性を長時間保持することができる。
ーレンポリアルキルスルホン酸の化学構造を示す概略図
である。
スキームを示す概略図である。
ン酸をプロトン伝導体として用いた一実施の形態による
燃料電池の概略断面図(A)と動作原理図(B)であ
る。
ピルスルホン酸のFT−IRの測定結果を示すスペクト
ル図である。
F−MSの測定結果を示すスペクトル図である。
ブチルスルホン酸のFT−IRの測定結果を示すスペク
トル図である。
−MSの測定結果を示すスペクトル図である。
ポリブチルスルホン酸のTOF−MSの測定結果を示す
スペクトル図である。
OF−MSの測定結果を示すスペクトル図である。
TOF−MSの測定結果を示すスペクトル図である。
TOF−MSの測定結果を示すスペクトル図である。
TOF−MSの測定結果を示すスペクトル図である。
酸のTOF−MSの測定結果を示すスペクトル図であ
る。
ラーレン(A)とその硫酸水素エステル(B)をプロト
ン伝導体に用いる例の概略図である。
媒、3…第2極(酸素極)、3a…触媒、14…水素、
19…酸素(又は空気)
Claims (12)
- 【請求項1】 有機残基を介してフラーレン分子に酸性
基が結合してなるカチオン伝導体が、第1極と第2極と
の間に配されている電気化学デバイス。 - 【請求項2】 前記有機残基の炭素数が1〜20であ
る、請求項1に記載した電気化学デバイス。 - 【請求項3】 前記有機残基がフラーレン1分子に対し
て2〜14個結合している、請求項1に記載した電気化
学デバイス。 - 【請求項4】 前記酸性基がスルホン酸基である、請求
項1に記載した電気化学デバイス。 - 【請求項5】 前記フラーレン分子が球状炭素分子Cm
(m=36、60、70、76、78、80、82、8
4等の、球状分子を形成しうる自然数)からなる、請求
項1に記載した電気化学デバイス。 - 【請求項6】 前記カチオン伝導体からなるプロトン伝
導部が水素極と酸素極との間に配された燃料電池として
構成された、請求項1に記載した電気化学デバイス。 - 【請求項7】 有機残基を介してフラーレン分子に酸性
基が結合してなるカチオン伝導体。 - 【請求項8】 前記有機残基の炭素数が1〜20であ
る、請求項7に記載したカチオン伝導体。 - 【請求項9】 前記有機残基がフラーレン1分子に対し
て2〜14個結合している、請求項7に記載したカチオ
ン伝導体。 - 【請求項10】 前記酸性基がスルホン酸基である、請
求項7に記載したカチオン伝導体。 - 【請求項11】 前記フラーレン分子が球状炭素分子C
m(m=36、60、70、76、78、80、82、
84等の、球状分子を形成しうる自然数)からなる、請
求項7に記載したカチオン伝導体。 - 【請求項12】 プロトン伝導体として機能する、請求
項7に記載したカチオン伝導体。
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| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2001313994A JP4099967B2 (ja) | 2001-10-11 | 2001-10-11 | 燃料電池及びプロトン伝導体、並びにプロトン伝導体の製造方法 |
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| JP2001313994A JP4099967B2 (ja) | 2001-10-11 | 2001-10-11 | 燃料電池及びプロトン伝導体、並びにプロトン伝導体の製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2003123790A true JP2003123790A (ja) | 2003-04-25 |
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|---|---|---|---|---|
| WO2005012239A1 (ja) * | 2003-08-04 | 2005-02-10 | Sony Corporation | イオン解離性機能分子及びその製造方法、イオン伝導体、並びに電気化学装置 |
| JP2006131517A (ja) * | 2004-11-04 | 2006-05-25 | Sony Corp | イオン解離性機能分子の製造方法 |
-
2001
- 2001-10-11 JP JP2001313994A patent/JP4099967B2/ja not_active Expired - Fee Related
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|---|---|---|---|---|
| WO2005012239A1 (ja) * | 2003-08-04 | 2005-02-10 | Sony Corporation | イオン解離性機能分子及びその製造方法、イオン伝導体、並びに電気化学装置 |
| US8007942B2 (en) | 2003-08-04 | 2011-08-30 | Sony Corporation | Ion-dissociative functional compound, method for production thereof, ionic conductor, and electrochemical device |
| JP2006131517A (ja) * | 2004-11-04 | 2006-05-25 | Sony Corp | イオン解離性機能分子の製造方法 |
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