JP2003122019A - 近接露光方法および近接露光装置 - Google Patents

近接露光方法および近接露光装置

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JP2003122019A
JP2003122019A JP2001319854A JP2001319854A JP2003122019A JP 2003122019 A JP2003122019 A JP 2003122019A JP 2001319854 A JP2001319854 A JP 2001319854A JP 2001319854 A JP2001319854 A JP 2001319854A JP 2003122019 A JP2003122019 A JP 2003122019A
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JP
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gap
inert gas
exposure
exposure mask
gas
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JP2001319854A
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Kimio Suzuki
公雄 鈴木
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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  • Liquid Crystal (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】露光マスクと被露光層とのギャップを簡単に規
定の幅に調整できるようにする。 【解決手段】基台51の上面にフリーな状態で配された
露光マスク22と、この露光マスクを透過した光が照射
され、露光マスクと少許の間隙を介して対向する被露光
層20が形成された基板4と、この基板を取り付ける取
り付け台32と、基台の上面であって、露光マスクと被
露光層との対向間隙内には不活性ガス供給用の開口端5
1bが設けられる。この開口端より間隙内に不活性ガス
が送給されると共に、対向配置された薄板の間に気体流
を流したとき、気体流によって互いの薄板が引き寄せら
れる。したがってギャップ内に送給するガスの圧力と流
速を調整することで、所定の間隔に調整できる。気体流
の圧力と流速を調整することで、2枚の薄板の対向間隙
を微調整できるから、間隙を200〜300μm程度ま
で正確に微調整でき、近接露光処理に最適である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】この発明は、プラズマアドレ
ス表示装置や液晶表示装置などのようにフラットパネル
構造の表示装置を製造する場合に使用して好適な近接露
光方法および近接露光装置に関する。詳しくは、露光マ
スクと露光すべき被露光層との狭間隙(狭ギャップ)の
間に放射流などの気体流を流すと共に、その間隙内に流
すべき気体流の圧力と流速を適宜調整することで、この
間隙が所定幅となるように微調整できるようにしたもの
である。また、不活性ガスなどの基体流を流した状態で
露光処理することで、露光処理時間を短縮できるように
したものである。
【0002】
【従来の技術】プラズマ放電と液晶などの電気光学材料
を使用したプラズマアドレス表示装置や、STN(Supe
r Twisted Nematic)形液晶表示装置などのように、フ
ラットパネル構造の表示装置が知られている。
【0003】例えば、表示セルとして液晶などの電気光
学材料を使用し、この表示セルとプラズマセルとで構成
された二次元のプラズマアドレス表示装置(PALC
(=Plasma Addressed Liquid Crystal))は図8
のように構成されている。
【0004】図8はオープンセル構造を有するプラズマ
セル表示装置10における断面構造であって、これは表
示セル1とプラズマセル2と両者の間に介在する薄板ガ
ラスからなる中間基板3とを積層したフラットパネル構
造である。
【0005】中間基板3は表示セル1を駆動するために
できる限り薄いことが必要であり、例えば50μm程度
の板厚を有する。表示セル1は上側のガラス基板4を用
いて構成されており、その内側主面には透明導電層から
なる複数のストライプ状データ電極Dが互いに列方向に
沿って平行に形成されている。
【0006】上側基板4はスペーサ5によって所定の間
隙を保持した状態で中間基板3に接合されている。上側
基板4のデータ電極Dと接する面には図11に示すよう
に、ストライプ状をなすR、G、Bのフィルタ層21が
被着形成されている。
【0007】上側基板4と中間基板3との間隙内には電
気光学材料としての液晶が充填されている。この液晶が
充填された空間は液晶層6となる。液晶層6はスペーサ
5によって密封される。その間隔は通常4〜10μm程
度(本例では5μm)である。
【0008】一方、プラズマセル2は下側ガラス基板7
を用いて構成される。下側基板7の内表面にはアノード
電極Aとカソード電極Kとが交互に所定の間隔を保持し
て行方向に配列形成される。電極位置を特定するため、
図8のように左側に形成されたアノード電極とカソード
電極をそれぞれ基準にして番号を付す。1番目のアノー
ド電極をA1とし、1番目のカソード電極をK1として
表わすがごとくである。アノード電極Aとカソード電極
Kはデータ電極Dと交差するように行方向に沿って配列
される。
【0009】図8に示すように、アノード電極Aとカソ
ード電極Kの各上面のほぼ中央部には、行方向に延在す
るように所定幅の隔壁(リブ)8が形成され、それぞれ
の頂部は中間基板3の下面に当接してプラズマセル2の
寸法間隙が一定に保持される。
【0010】下側基板7の周辺部にはこの周辺部に沿っ
て低融点ガラスなどを使用したシール材11が配設され
て、中間基板3と下側基板7とが気密的に接合される。
したがって複数の隔壁8により気密封止された複数の空
間9が形成される。この空間9の内部にはイオン化可能
なガスが封入されてそれぞれに放電チャネルが形成され
る。
【0011】封入ガスとしては例えばヘリウム、ネオ
ン、アルゴン、キセノンあるいはこれらの混合気体を利
用できる。個々の放電チャネルを特定するため、図8の
ように左側から順に番号(CH1,CH2,・・・)を
付す。
【0012】このように構成することによって、アノー
ド電極Aとカソード電極Kとは隣り合う放電チャネルC
Hによって共用することができる。例えば、1番目のカ
ソード電極K1(電極では2番目)は1番目の放電チャ
ネルCH1と2番目の放電チャネルCH2の両方に露出
しているので、放電チャネルCH1,CH2で共用構成
となる。
【0013】2番目のアノード電極A2は2番目の放電
チャネルCH2と3番目の放電チャネルCH3の両方に
露出しているので、アノード電極A2は放電チャネルC
H2とCH3で共用される。
【0014】この構成において放電チャネルCHとデー
タ電極D(D1〜Dn:nは水平方向の画素数)との交
差部にそれぞれ図9のように画素12が形成されるの
で、隣接するアノード電極Aとカソード電極Kとの間に
所定の電圧を印加すると、封入されているガスが選択的
にイオン化されプラズマ放電することによって対応する
放電チャネルが選択できる。例えば、アノード電極A1
とカソード電極K1との間に所定の電圧を印加すると放
電チャネルCH1が選択される。
【0015】放電チャネルCHはアノード電極Aとカソ
ード電極Kとの間に所定の電圧を印加した瞬間だけプラ
ズマ放電し、そのときのアノード電位(浮遊電位)が次
の放電期間(例えば1フィールド若しくは1フレーム
後)まで保持される。
【0016】したがって、アノード電極Aとカソード電
極Kに所定の電圧を印加しながら順次放電チャネルCH
にプラズマ放電を発生させて選択走査を行なうと同時
に、データ電極Dに所定のデータ電圧を印加すれば二次
元の画像を表示することができる。
【0017】上述した液晶層6は上側基板4にスペーサ
5を介して中間基板3が貼着されたフラットパネル表示
部つまり表示セル1の一部として構成されており、液晶
は上側基板4側から注入、充填される。アノード電極A
とカソード電極Kとは図10のように、放電チャネルC
Hごとに独立して構成することもできる。
【0018】ところで、図11のように上側基板4の下
面にはデータ電極Dと対応したピッチでR、G、Bのフ
ィルタ層(蛍光体層)21(21R、21G、21B)
が被着形成されている。このフィルタ層21は次のよう
にして形成することができる。
【0019】図12はその一例を示す製造工程を簡略化
して示したもので、上側基板4としては通常透明ガラス
が使用される。図12Aに示すように、上側基板4の表
面(図では上面)にはその全面に亘ってRのフィルタ層
(Rの感光剤と例えば紫外線硬化樹脂との混合剤)20
Rが塗布される。
【0020】次に、露光マスク22を使用して例えば紫
外線UVを使用した露光処理が行われる。紫外線が当た
ったフィルタ層20R、つまり露光部20Raのみが硬
化するので(図12C)、現像処理することで非露光部
20Rbが除去され、露光部20Raのみが残る(図1
2D)。これがRのフィルタ層(ストライプ層)21R
となる。
【0021】以後同様な手順で、GおよびBの蛍光材を
塗布し、そして露光、現像することによって、図12E
に示すようなフィルタ層21(21R、21G、21
B)が形成される。
【0022】露光マスク22による露光処理は本来であ
れば上側基板4に塗布された蛍光材20Rの面に密着さ
せて行えばベストであるが、そうすると蛍光材20Rの
面に付着した塵埃などが露光マスク22に付着すること
があり、これが基で次の露光処理の欠陥につながる場合
がある。そのため、通常は図12Bに示すように所定の
ギャップgを置いて露光するようにしている。
【0023】このギャップgの間隔は200〜300μ
mと非常に狭い。そのため、このような場合に使用され
る露光装置は近接露光装置と呼称される。狭ギャップを
保持しながら露光するため、この近接露光装置は図13
のように構成されているものがある。近接露光装置は縦
型と横型があるが、図13は縦型構成の概念図を示す。
【0024】露光装置にはフィルタ層(被露光層)であ
る蛍光材層20が塗布されて乾燥された状態の上側基板
4が取り付け台32に取り付け固定される。その固定は
上側基板4を接着剤などを使用して張り付けるのが一般
的である。取り付け台32は基台34に対してスライド
自在に構成されており、その微調整は取り付け台32の
後部面に設けられた複数の位置調整手段36によって行
われる。
【0025】図13の例では、取り付け台32を3点で
調整するものであって、例えば図14のように正三角形
の各頂点の位置に位置調整手段36(36A〜36C)
が配される。位置調整手段36は別の部材(図示はしな
い)に固定されており、取り付け台32を進退させるた
めのモータ38(38A〜38C)を有する。モータ3
8によって取り付け台32に固定された支持台座40
(40A〜40C)が進退する。
【0026】一方、取り付け台32と対向する位置には
露光マスク22が支持枠24を介して天井(図示しな
い)などから、取り付け台32と平行に対峙した状態で
つり下げられている。
【0027】また、この露光マスク22側には複数この
例では3つの測長センサ(測幅センサ)42(42A〜
42C)が配され、露光マスク22の内側端面22aと
フィルタ層20の表面20aとの間の距離つまりギャッ
プgが測長される。測長センサ42も位置調整手段36
と同じような位置に配置されて、3点での測長が行わ
れ、測長データがそれぞれ対応する位置調整手段36に
フィードバックされて、それぞれのギャップgが基準値
(200〜300μm)となるように位置調整手段36
によって取り付け台32の取り付け位置(露光マスク2
2との対向距離)が微調整される。
【0028】ここで、通常は図15のように最初は十分
な距離を隔てて対向させておき、その間隙内に不活性ガ
ス例えば窒素ガスを流し込みながら、位置調整手段36
を動かして次第にその間隙を狭める。そして、最終的に
は基準値となるように微調整される。
【0029】ギャップgが基準値となった段階で、図1
6のように露光源46を用いて紫外線による露光処理を
行う。この場合、図16に示す冷却手段48を用いて冷
却を行う。使用する冷媒は空気であって、空冷である。
【0030】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図13に示
す近接露光装置を使用して近接露光を行う場合、上述し
たようにフィルタ層20と露光マスク22との間のギャ
ップgは、できるだけ狭いのが好ましいので、通常は2
00〜300μmとなるように調整した状態で露光処理
が行われる。
【0031】上述したギャップgとなるようにするに
は、測長センサ42からのデータに基づき、個々の位置
調整手段36を制御して目的のギャップ長となるように
微調整するものであるが、複数の位置調整手段36を制
御して所定のギャップ長となるように微調整するのは非
常に大変な作業である。しかも、3点とも基準値のギャ
ップgとなるようにしないと、フィルタ層20に対する
平行度が狂ってしまう。平行度の精度が悪いと、正しい
ストライプ層が得られないから、露光処理前の調整作業
時間がかかり、調整精度を高めるため、位置調整手段3
6は高精度な制御精度が要求される。したがって設備の
高騰を招来している。
【0032】また、上述した従来例では、図15および
図16に示すように、ギャップgの粗調整段階では不活
性ガスを充填し、その後微調整段階になると酸素雰囲気
となるように気体の置換を行っている。そのため気体の
置換処理に時間がかかったりする問題がある。
【0033】さらに、図15の粗調整段階から図16の
微調整段階までギャップ長を狭めるときの調整速度が速
いときには、露光マスク22の内部に入り込んだ気体の
ために、露光マスク22が膨らむ。これが平面状態まで
戻るまで待ってから露光処理が行われる。そのため、露
光待機時間がかかってしまうので、通常は粗調整から微
調整までは緩やかに変化させている。何れにしても露光
処理までの待機時間が長くなる問題は残ることになる。
【0034】上述した問題点は、PALC表示装置用の
カラーフィルタ形成のみならず、ストライプ状の素片を
狭ピッチで形成する場合に共通する。そこで、この発明
はこのような従来の改題を解決したものであって、ギャ
ップ内に流す気体として不活性ガスを使用し、その放射
流をギャップ内に流すと共に、その圧力や流量を適宜調
整することで、ギャップを所望の値に調整できるように
したものである。ギャップの粗調整から微調整さらには
露光処理中は何れも同一の不活性ガスを使用すること
で、露光処理時間の短縮や、気体の置換作業などを全廃
できるようにしたものである。
【0035】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
め、請求項1に記載したこの発明に係る近接露光方法で
は、基台の上面に露光マスクと、この露光マスクを透過
した光が照射される被露光層とが少許の間隙を保持して
対向配置され、その対向間隙内の上記基台上面には不活
性ガス供給用の開口端が位置し、この開口端より上記間
隙内に上記不活性ガスの気体流を送給した状態で上記露
光マスクを動かして粗調整を行い、粗調整を終了した段
階で、上記間隙が規定幅となるように上記間隙内に送給
する上記不活性ガスの圧力と流速を調整することで上記
ギャップの微調整を行い、微調整後に上記被露光層の表
面が不活性ガスで覆われた雰囲気中で露光処理を行うこ
とを特徴とする。
【0036】また請求項5に記載したこの発明に係る近
接露光装置では、基台の上面にフリーな状態で配された
露光マスクと、この露光マスクを透過した光が照射さ
れ、上記露光マスクと少許の間隙を介して対向する被露
光層が形成された基板と、この基板を取り付ける取り付
け台と、上記基台の上面であって、上記露光マスクと被
露光層との対向間隙内には不活性ガス供給用の開口端が
設けられ、この開口端より上記間隙内に上記不活性ガス
の気体流を送給する送給手段とで構成され、上記露光マ
スクと上記被露光層との間隙が規定の幅となるように、
上記間隙内に送給する上記不活性ガスの圧力と流量が調
整されると共に、上記被露光層の表面が上記不活性ガス
で覆われた雰囲気中で露光処理を行うことを特徴とす
る。
【0037】この発明では少許の間隙を保持した状態で
対向配置された薄板の間に気体流を流したとき、その気
体流によって互いの薄板が引き寄せられる現象を巧みに
利用して間隙の調整を行う。そのためにギャップ内に送
給する気体、特に不活性ガスの圧力とその流量を調整す
ることで、所定の間隔に調整する。気体流の圧力と流量
を調整することで、2枚の薄板の対向間隙を微調整でき
るから、間隙を200〜300μm程度まで正確に微調
整でき、近接露光処理に最適である。
【0038】また気体流を流し続けることで被露光層を
不活性ガス雰囲気中に置くようにして露光処理を遂行さ
せたものである。露光処理中は不活性ガス雰囲気中に被
露光層が置かれるため、露光の反応時間が加速される。
その結果、露光処理時間を短縮できる。
【0039】露光マスク22とフィルタ層20との対向
間隙には常に不活性ガスが流れているから、この対向間
隙内に浮遊していたり、露光マスク22やフィルタ層2
0の表面に付着している塵埃などが、この気体流によっ
て除去される。その結果、この塵埃などによる露光欠陥
を防止できる。
【0040】ギャップgの粗調整から微調整までの期間
および露光処理期間中は、何れも同一の不活性ガス雰囲
気中で行われるから、ガスの置換作業を廃止でき、これ
によっても露光時間を短縮できる。
【0041】
【発明の実施の形態】続いてこの発明に係る近接露光方
法および近接露光装置の実施の形態を図面を参照して詳
細に説明する。この発明では狭ギャップで対峙する一対
の部材の間に放射流を流せるような構成を採用し、その
放射流の流速と圧力を調整することで所望のギャップg
を得るものである。そしてその放射流として不活性ガス
を用いることで、ギャップgの粗調整および微調整期間
はもとより、露光処理中はフィルタ層表面を同一の気
体、例えば不活性ガスを使用したものである。そして、
この不活性ガスでフィルタ層の表面を覆うようにするこ
とで、フィルタ層の光源に対する反応速度を速められる
ようにしたものである。
【0042】続いて、この発明の原理を次に説明する。
放射流の説明として、図4および図5に示すように、円
盤状のフランジ45を有した管体46と、このフランジ
45と少許の間隙Sを保持して、フランジ45と同じ外
径を有する円盤47をそれぞれ用意する。半径がr1で
ある管体46は図4のようにその一端が開放されてい
る。
【0043】そして管体46の始端部から流体を管体4
6内に送り込むときの流速を図4のようにvo、管体4
6の中心軸状で間隙Sの中心の圧力をpo、間隙Sを通
して放射状に流れる流体のうち、中心軸から半径rでの
流速をv、そのときの圧力をpとする。そして、間隙S
を通過した任意の点における流速をv2,そのときの圧
力をp2とする。
【0044】このような条件の下で管体46の始端部か
ら流体、例えば気体を流速voで流し込むと、図6のよ
うに気体は円盤47に沿って拡散して円盤47の外周よ
り外部(大気中)に流れ出る。そのときの流体は放射状
に流れる。円盤47内の任意の半径rと、円盤47の外
側の任意の位置r2における流量Qは同じであるので、 Q=2πrSv =2πr2Sv2 =一定 ・・・・・(1) となるので、 v2=Q/2πr2S ・・・・・(2) となり、中心からの距離r、r2と流速v、v2の関係
は、 v/v2=r2/r ・・・・・(3) のようになる。
【0045】また、流し込む流体が気体である場合に
は、ベルヌーイの定理より、 (P2-p)/r=(v−v2)/2g =(1/2g)×(Q/2πr2S){(r2/r)−1} ≧0 ・・・・・(4) であるから、円盤47内の圧力は大気圧より低いことが
判る。大気圧より円盤47内の圧力が低いと言うこと
は、フランジ45と円盤47とは互いに引き合って釣り
合っていることになる。一方、任意の半径rから円盤4
7の外側の任意の半径r2の間で互いに引き合う力P1
は、(5)式のようになる。
【0046】
【数1】
【0047】また、管体46から流入した気体によって
フランジ45から円盤47を引き離そうとする力P2
は、中心部の半径r1の領域では、 P2=πr1po+(円盤の自重) ・・・・・(6) となる。放射流が流れている状態では、 P1=P2 ・・・・・・・・(7) となるから、(5)式と(6)式および(7)式から、
poとvoとによってフランジ45と円盤47との間隔S
が決まる。
【0048】poは管体に流入する気体の圧力であり、
またvoはそのときの流速である。またこれらの値は外
部から制御できる。したがって、円盤47をフランジ4
5に対してフリーな状態に置くと共に、管体46から流
入する気体の圧力poと流速voとを適宜調整することに
よって、気体を間隔S内を流した状態で、この間隔Sを
任意の値に制御できることになる。
【0049】そこで、この発明ではこの放射流の原理を
応用した近接露光方法および近接露光装置を提案するも
のである。図1はこの発明に係る近接露光装置50の実
施の形態を示すもので、この実施の形態では、位置調整
手段36を使用することなく、間隔Sの微調整を実現し
たものである。
【0050】この近接露光装置50は図1に示すように
基台51を有し、この基台51の上面には段差を持った
衝合部62が設けられ、この衝合部62に取り付け台3
2の背面が衝合するように載置固定される。取り付け台
32は着脱自在に構成され、その一の面に被露光層であ
るフィルタ層20が被着された上側基板4が取り付けら
れており、露光処理終了毎に次に露光すべき新しいフィ
ルタ層20を被着した上側基板4がこの取り付け台32
に取り付け固定される。
【0051】したがってこの発明では取り付け台32そ
のものが固定されることになるので、従来のように取り
付け台32の背面側に設置すべき位置調整手段36(3
6A〜36C)は不要になる。
【0052】基台51の左側面側には所定径(ギャップ
g以下の小径)となされた通路51aが形成され、その
開口端51bが衝合部62の底面部62a側に位置する
ように通路51aが穿設される。そして、この開口端5
1bを跨いでフィルタ層20と露光マスク22とが配さ
れるように、相対的な位置関係が定められている。
【0053】一方、露光マスク22は宙吊りされた状態
でスライド自在に装置天井(図示はしない)などに固定
されており、その状態のとき露光マスク22の内側に開
口端51bが位置するように固定される。したがってこ
の開口端51bの右側にはフィルタ層20が位置するこ
とになる。
【0054】そして、このような相対的な一方位置関係
にあるとき、フィルタ層20と露光マスク22とのギャ
ップgが所定のギャップ長よりは広めに露光マスク22
の対向位置(間隔)が、予め露光マスク22をスライド
させて粗調整される。この粗調整に当たっては露光マス
ク22側に配された複数の測長センサ42(42A〜4
2C)のデータを参照しながら、この露光マスク22を
スライドさせて調整する。
【0055】粗調整したあとで実施の形態では、g=2
00〜300μmとなるように微調整される。この微調
整は上述したようにギャップg内を流れる放射流の流速
vと圧力pを適宜調整して行う。つまり、上述したよう
にフィルタ層20の取り付け位置は固定されているた
め、これと対向配置された露光マスク22をフリーな状
態にセッテングすると共に、ギャップg内に気体を流
す。そして、その気体の流速vと圧力pを調整しなが
ら、フィルタ層20に対する露光マスク22のギャップ
gが所定のギャップ長となるように露光マスク22をフ
ィルタ層20側に引き寄せる。所定のギャップ長である
かどうかは、測長センサ42の測長データによって確認
できる。
【0056】この発明に係る近接露光方法では、通路5
1aを介して気体をギャップg内に流し込む。気体とし
ては窒素ガスのような不活性ガスが使用される。そのた
め、この実施の形態ではガス送給手段として不活性ガス
のガス供給源52が用意され、不活性ガスは連結ホース
(若しくは連結パイプ)53によって圧力レギュレータ
54に導かれる。
【0057】この圧力レギュレータ54で不活性ガスの
圧力pが所望のごとく調整される。圧力が調整された不
活性ガスはさらに連結ホース55を介して流量調整手段
56に供給されて、不活性ガスの流量、つまり流速vが
調整される。圧力および流速がそれぞれ調整された不活
性ガスはさらに連結ホース57に設けられた止着子58
を介して通路51aと連結される。
【0058】さて、上述のように構成された近接露光装
置50にあっては、フィルタ層20が被着形成された上
側基板4は取り付け台32に対して図1のように取り付
けられ、この状態で露光マスク22との対向間隙が所定
のギャップgとなるように大まかに、測長センサ42か
らのデータに基づいて粗調整されている。
【0059】この状態で不活性ガスが通路51aに流し
込まれる。通路51aを通過した不活性ガスは開口端5
1bよりギャップg内を流れて外部に排気される。通路
51aは図2に示すように基台51のほぼ中央部に設け
られており、したがってこの通路51a内に気体を流し
込むと、気体は図2のように放射状に流れる。もちろ
ん、図3のように通路51aに対して左右に分岐する分
岐路60,61を設けた場合には、中央部の通路51a
の他に、左右両端部からも気体が放出されることになる
ので、そのときの気体の放射流は図3鎖線図示のように
なり、より満遍なく気体が放流されることになる。
【0060】この不活性ガスによる放射流の流速と圧力
とによって、上述したようにギャップgが決まるので、
露光マスク22をフリーな状態にセットしておくことに
よって、予め粗く調整したギャップgを、この不活性ガ
スを流すことによってさらに微調整して、設計値通りの
ギャップ長となるようにセットできる。設計値通りのギ
ャップgになったかどうかを、測長センサ42の測長デ
ータから確認する。
【0061】設計値通りのギャップgにセットした後、
不活性ガスを流し続けながら、露光マスク22を通して
紫外線による露光処理が行われる。露光処理中は不活性
ガスが連続的に供給されているから、フィルタ層20の
表面は不活性ガスに覆われ、不活性ガス雰囲気中で露光
処理が行われることになる。このような露光処理がR、
G、B全ての蛍光体について行われて上側基板4にスト
ライプ状のフィルタ層21を形成することができる。
【0062】不活性ガス雰囲気中で露光処理を行うと、
露光反応が改善され、フィルタ層20における紫外線硬
化時間が酸素雰囲気中よりも速くなる。従来よりも1/
2以下の時間で露光処理が終了する。したがって露光時
間としてはほぼ30秒程度で済む。
【0063】また、不活性ガスを流した状態で露光処理
が行われるため、この不活性ガスによる装置内の冷却効
果も高まるので、特別な冷却装置を設置しないでも済む
ので、それだけ設備のコストダウンを図ることができ
る。
【0064】粗調整から微調整に至るまで不活性ガスを
流し続けているので、露光マスク22を比較的速めにフ
ィルタ層20側に引き寄せるように、不活性ガスの圧力
と流速を変化させたときでも、露光マスク22の中央部
が膨らんだりはしない。そのため、微調整から露光開始
までの時間(待機時間)を短縮できるなどと言った特徴
を有する。
【0065】図7はこの発明の他の実施の形態を示す。
この実施の形態は従来と同じく複数、例えば3つの位置
調整手段36(36A〜36C)を使用して基台32の
衝立位置を調整できるようにしたものである。他の構成
は図1と同じであるので、その説明と動作は割愛する。
【0066】この実施の形態においても、不活性ガスを
流しながらその圧力と流量を調整することで、ギャップ
gを正確に微調整できると共に、不活性ガスを流した状
態で露光処理を行うことによって露光時間の短縮など、
上述したと同様な効果を得ることができる。
【0067】上述した実施の形態はこの発明をプラズマ
アドレス表示装置用表示セルに適用したが、通常の液晶
表示装置やその他のフラットパネル表示装置に使用され
るフィルタ層を形成する場合にも適用できることは明ら
かである。
【0068】
【発明の効果】以上説明したようにこの発明に係る近接
露光方法および近接露光装置によれば、気体の放射流に
よる互いに引き合う力(引力)を利用して露光マスクを
所定のギャップに調整できるようにしたものである。
【0069】これによれば、気体流の圧力とその流量を
微調整するだけで、所望とする狭ギャップ調整を実現で
きる。ギャップ調整時間も従来のよりも大幅に短縮でき
る。位置調整手段を使用しないでも目的のギャップ長に
調整できるから、その場合には近接露光装置の設備費を
コストダウンできる。
【0070】露光マスクの粗調整および微調整さらには
露光処理中は何れも同じ不活性ガスを使用しているの
で、露光処理時間が短縮されると共に、従来のような気
体の置換作業が不要となるため、その分露光処理時間の
短縮を図れるなどの特徴を有する。
【0071】したがって、この発明では狭ギャップによ
る露光処理を必要とするプラズマアドレス表示装置や液
晶表示装置などのフラットパネル表示装置に使用される
近接露光装置に適用して極めて好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る近接露光装置の実施の形態を示
す要部断面図である。
【図2】気体の放射流の関係を示す図である(その
1)。
【図3】気体の放射流の関係を示す図である(その
2)。
【図4】放射流による斥力の関係を示す図である。
【図5】図4のその斜視図である。
【図6】放射流を説明する図である。
【図7】この発明に係る近接露光装置の他の実施の形態
を示す図1と同様な断面図である。
【図8】プラズマアドレス表示装置の断面図である。
【図9】電極の平面構成図である。
【図10】図7の他の例を示す一部断面図である。
【図11】フィルタ層の断面図である。
【図12】フィルタ層の製造工程を説明するための工程
図である。
【図13】フィルタ層を製造するときに使用される近接
露光装置の断面図である。
【図14】取り付け台と位置調整手段との関係を示す平
面図である。
【図15】ギャップ調整例を示す図である(その1)。
【図16】ギャップ調整例を示す図である(その1)。
【符号の説明】
1・・・表示セル、4・・・上側基板、6・・・・液晶
層、20・・・フィルタ層、22・・・露光マスク、3
2・・・取り付け台、36・・・・位置調整手段、42
・・・測長センサ、51・・・基台、51a・・・通
路、51b・・・開口端、52・・・ガス供給源、54
・・・圧力レギュレータ、56・・・流量調整手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H088 FA16 FA17 FA30 HA12 MA03 2H089 HA36 QA03 QA12 TA12 2H091 FA02Y FC10 FC26 FC29 LA12 2H097 CA12 GA45 LA11 LA12 5F046 BA02 DA17

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基台の上面に露光マスクと、この露光マ
    スクを透過した光が照射される被露光層とが少許の間隙
    を保持して対向配置され、 その対向間隙内の上記基台上面には不活性ガス供給用の
    開口端が位置し、 この開口端より上記間隙内に上記不活性ガスの気体流を
    送給した状態で上記露光マスクを動かして粗調整を行
    い、 粗調整を終了した段階で、上記間隙が規定幅となるよう
    に上記間隙内に送給する上記不活性ガスの圧力と流速を
    調整することで上記ギャップの微調整を行い、 微調整後に上記被露光層の表面が不活性ガスで覆われた
    雰囲気中で露光処理を行うことを特徴とする近接露光方
    法。
  2. 【請求項2】 上記不活性ガスは、窒素ガスであること
    を特徴とする請求項1記載の近接露光方法。
  3. 【請求項3】 上記被露光層は、R、G、Bの蛍光材層
    であることを特徴とする近接露光方法。
  4. 【請求項4】 上記露光は、紫外線露光であることを特
    徴とする請求項1記載の近接露光方法。
  5. 【請求項5】 基台の上面にフリーな状態で配された露
    光マスクと、 この露光マスクを透過した光が照射され、上記露光マス
    クと少許の間隙を介して対向する被露光層が形成された
    基板と、 この基板を取り付ける取り付け台と、 上記基台の上面であって、上記露光マスクと被露光層と
    の対向間隙内には不活性ガス供給用の開口端が設けら
    れ、 この開口端より上記間隙内に上記不活性ガスの気体流を
    送給する送給手段とで構成され、 上記露光マスクと上記被露光層との間隙が規定の幅とな
    るように、上記間隙内に送給する上記不活性ガスの圧力
    と流量が調整されると共に、 上記被露光層の表面が上記不活性ガスで覆われた雰囲気
    中で露光処理を行うことを特徴とする近接露光装置。
  6. 【請求項6】 上記送給手段は、不活性ガス供給源と、
    不活性ガスの圧力レギュレータと、不活性ガスの流量調
    整手段とで構成され、 圧力と流量が調整された上記不活性ガスが上記開口端に
    供給されることを特徴とする請求項5記載の近接露光装
    置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007317788A (ja) * 2006-05-24 2007-12-06 V Technology Co Ltd 近接露光装置
JP2015034846A (ja) * 2013-08-07 2015-02-19 株式会社清和光学製作所 縦型フィルム露光装置
JPWO2013136834A1 (ja) * 2012-03-15 2015-08-03 株式会社ニコン マスクユニット、基板処理装置及びマスクユニット製造方法並びに基板処理方法

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