JP2003121945A - 画像読取装置 - Google Patents
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 写真フィルムのアナログ画像情報をデジタル
化する画像情報取得部と、写真フィルムの記録情報を取
得する記録情報取得部と、写真フィルムを装入口から画
像情報取得部に搬送する順送りモードと逆向きに搬送す
る逆送りモードとの間で切り換え可能な主搬送機構と、
写真フィルムの塵埃を除去するクリーニング機構とを備
え、クリーニング機構は、写真フィルムに接当しながら
回転するベルトと、主搬送機構の回転駆動力をベルトに
伝える伝動機構とを有する画像読取装置において、クリ
ーニング機構が逆送りモードでの本スキャン操作に影響
を及ぼし難い画像読取装置を提供する。 【解決手段】 順送りモードにおける主搬送機構の回転
駆動力をクリーニングベルト71に伝え、逆送りモード
における回転駆動力のクリーニングベルト71への伝達
を遮断するワンウェイクラッチ機構76を伝動機構に設
けた。
化する画像情報取得部と、写真フィルムの記録情報を取
得する記録情報取得部と、写真フィルムを装入口から画
像情報取得部に搬送する順送りモードと逆向きに搬送す
る逆送りモードとの間で切り換え可能な主搬送機構と、
写真フィルムの塵埃を除去するクリーニング機構とを備
え、クリーニング機構は、写真フィルムに接当しながら
回転するベルトと、主搬送機構の回転駆動力をベルトに
伝える伝動機構とを有する画像読取装置において、クリ
ーニング機構が逆送りモードでの本スキャン操作に影響
を及ぼし難い画像読取装置を提供する。 【解決手段】 順送りモードにおける主搬送機構の回転
駆動力をクリーニングベルト71に伝え、逆送りモード
における回転駆動力のクリーニングベルト71への伝達
を遮断するワンウェイクラッチ機構76を伝動機構に設
けた。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】写真フィルムを装入可能な装
入口と、装入された写真フィルムを前記装入口から延び
た搬送レーン上で所定の速度で搬送するための主搬送機
構と、写真フィルムに担持されたアナログ画像情報を光
学的に取得してデジタル画像情報に変換するために前記
搬送レーン上に配置された画像情報取得ポイントと、写
真フィルムに担持された補助記録情報を磁気的に取得す
るために前記搬送レーン上に配置された補助記録情報取
得ポイントと、写真フィルムの面に位置する異物を除去
するために前記搬送レーン上の前記補助記録情報取得ポ
イントの上流側に配置されたクリーニング機構とを備
え、前記主搬送機構は、写真フィルムを前記装入口から
前記画像情報取得ポイントに向けて搬送する順送りモー
ドと、写真フィルムを画像情報取得ポイントから前記装
入口に向けて搬送する逆送りモードとの間で切り換え可
能に設けられ、前記クリーニング機構は、写真フィルム
の面に接当する作用面を備える状態で回転可能に支持さ
れた無端状のクリーニングベルトと、前記主搬送機構の
回転駆動力を前記クリーニングベルトの回転駆動軸に伝
える伝動機構とを有する画像読取装置に関する。 【0002】 【従来の技術】上記の画像読取装置では、装入口から装
入された写真フィルムを前記順送りモードで搬送しなが
ら補助記録情報取得ポイントで補助記録情報を取得し、
更に、画像情報取得ポイントでアナログ画像情報を取得
して低解像度のデジタル画像情報を作成して一旦格納
(プレスキャン操作)し、次に、今度は逆送りモードで
搬送しながら、プレスキャン操作で得られた補助記録情
報に基づいて、画像情報取得ポイントで再びアナログ画
像情報を取得し、今度は高解像度のデジタル画像情報を
作成する(本スキャン操作)という使用形態が実現可能
である。 【0003】尚、240フィルムの各駒部位には、カメ
ラ側から撮影条件やプリントのフォーマットタイプ(縦
横比など)、同時プリント部数等のユーザー入力情報を
磁気的に書き込み可能なカメラトラック、或いは、前回
そのフィルムからのプリントを行ったラボで入力された
プリント補正データ等を磁気的に書き込み可能なラボト
ラックと言った補助記録情報用のトラックが設けられて
おり、これらのトラックに記録されている補助記録情報
をプリント補正データを算出する上での参照値とするこ
とによって、高画質のプリント処理を迅速に実施するこ
とが可能となっている。 【0004】他方、240フィルムのフィルムベース
は、従来からの135フィルムのフィルムベースに比し
て薄く強度が高い反面、静電気を帯び易く、従って塵埃
を寄せ付け易い材料で形成されているため(135フィ
ルムのベースはアセテート製であり、240フィルムの
ベースは強化ポリエチレンナフタレート製)、フィルム
表面に位置するこの塵埃によって補助記録情報の正確な
取得が阻害される虞があるが、表面に塵埃などが付着し
た状態で写真フィルムが装入された場合でも、写真フィ
ルムは写真フィルムの面に押付けられながら回転するク
リーニングベルトによって塵埃などを除去された上で補
助記録情報取得ポイントに進入するので、補助記録情報
の読み取りは確実に行われる。 【0005】しかし、クリーニング機構が、静止状態で
配置された単なる塵埃除去ブラシではなく、このように
回転駆動されるクリーニングベルトからなる場合、塵埃
の除去は確実に行われる一方、回転するクリーニングベ
ルトと写真フィルムとの間で発生する摩擦が、高解像度
の画像データを取得する本スキャン操作に対して影響を
及ぼし、最終的に得られるプリントの画質を損なう虞が
あった。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的
は、上に例示した従来技術による画像読取装置の前述し
た欠点に鑑み、補助記録情報用のトラックに書き込まれ
た磁気情報の読み取りを確実に行うために塵埃の除去は
回転するクリーニングベルトによって確実に行う構成と
しながら、同時に、このクリーニング機構の作用が、高
解像度の画像データを取得する本スキャン操作に対して
影響を及ぼすことなく、最終的に得られるプリントの高
画質が保たれる画像読取装置を提供することにある。 【0007】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る画像読取装置は、特許請求の範囲の欄
の請求項1に記された特徴構成を備えている。すなわ
ち、本発明の請求項1による画像読取装置は、写真フィ
ルムを装入可能な装入口と、装入された写真フィルムを
前記装入口から延びた搬送レーン上で所定の速度で搬送
するための主搬送機構と、写真フィルムに担持されたア
ナログ画像情報を光学的に取得してデジタル画像情報に
変換するために前記搬送レーン上に配置された画像情報
取得ポイントと、写真フィルムの面に位置する異物を除
去するために前記搬送レーン上に配置されたクリーニン
グ機構とを備え、前記主搬送機構は、写真フィルムを前
記装入口から前記画像情報取得ポイントに向けて搬送す
る順送りモードと、写真フィルムを画像情報取得ポイン
トから前記装入口に向けて搬送する逆送りモードとの間
で切り換え可能に設けられ、前記クリーニング機構は、
写真フィルムの面に接当する作用面を備える状態で回転
可能に支持された無端状のクリーニングベルトと、前記
主搬送機構の回転駆動力を前記クリーニングベルトの回
転駆動軸に伝える伝動機構とを有する画像読取装置であ
って、前記伝動機構には、前記順送りモードにおける前
記主搬送機構の回転駆動力を前記クリーニングベルトの
回転駆動軸に伝え、前記逆送りモードにおける前記主搬
送機構の回転駆動力の前記クリーニングベルトの回転駆
動軸への伝達を遮断するワンウェイクラッチ機構が介装
されていることを特徴構成としている。 【0008】このような特徴構成を有するために、本発
明の特許請求の範囲の請求項1による画像読取装置で
は、プレスキャン操作を行う順送りモードでは、クリー
ニングベルトは主搬送機構の回転駆動力によって駆動さ
れて、写真フィルムは表面に塵埃のない正常な状態で画
像情報取得ポイントに進入するので、補助記録情報用の
トラックに書き込まれた磁気情報の読み取りは確実に行
われ、他方、本スキャン操作を行う逆送りモードでは、
ワンウェイクラッチ機構の作用によって、主搬送機構の
回転駆動力は実質的にクリーニングベルトに伝えられ
ず、クリーニングベルトは静止した単なる塵埃除去ブラ
シとしてのみ機能するので、本スキャン操作における高
解像度の画像データの取得はクリーニング機構の影響を
受けることなく、最終的に得られるプリントの高画質が
保たれるという効果が得られる。 【0009】本発明によるその他の特徴および利点は、
以下図面を用いた実施形態の説明により明らかになるで
あろう。 【0010】 【発明の実施の形態】図1は、本発明による画像読取装
置の一実施形態としてのスキャナ装置1の外観を示す。 (スキャナ装置とその構成)スキャナ装置1は、現像済
みの写真フィルムFに形成されたアナログ画像データ
を、写真フィルムの各画像駒を透過する透過光をCCD
で受光することによってデジタル画像データに変換する
ためのものである。得られたデジタル画像データは、一
般に、スキャナ装置1に接続されたデジタルプリント装
置(不図示)乃至はコンピュータ(不図示)の記憶部な
どに一旦格納され、適当な時期に所望の方式で出力する
ことができる。出力方式としては、前記デジタルプリン
ト装置などによる銀塩式写真プリントの他、コンパクト
ディスク、MOその他の記憶媒体への保存が可能とな
る。 【0011】スキャナ装置1は、下面に移動用のキャス
タ4が付けられた直方体のキャビネット3を有するスキ
ャナ本体2と、スキャナ本体2の上面に着脱自在に設け
られたフィルムキャリア9とを備えている。尚、市中に
は、フィルムの外形の幅が約35mmの135フィル
ム、幅が24mmでAPSフィルムとも呼ばれる240
フィルム、幅が16mmの110フィルム、幅が60m
mの120或いは220フィルムと言った、複数の形態
の写真フィルムが存在するので、フィルムキャリアも複
数の型のものが用意されている。ここでは、135フィ
ルムF1と240フィルムF2の2種類のフィルムに対
応した兼用型のフィルムキャリア9について解説する。
尚、ここでは、135フィルムF1としては、6駒程度
以下の画像駒を備えた短いピースフィルムの状態の写真
フィルムを、240フィルムF2としては、専用のカー
トリッジFC内に引き出し可能に収納されている240
フィルムF2を処理するものとして説明する。 【0012】(スキャナ本体の構成)スキャナ本体2の
内部には光源ランプ5が配置されており、スキャナ本体
2の上面には、光源ランプ5からの光ビームをフィルム
キャリア9内に支持された写真フィルムFを透過する下
向きの光ビームに変換する導光アーム6が設けられてい
る。導光アーム6内には、光源ランプ5から発され一旦
キャビネット3外まで進む上向きの光路を水平の光路に
変換する第1反射ミラー6aと、この水平の光路を更に
下向きの光路に変換して、フィルムキャリア9内に支持
された写真フィルムに導く第2反射ミラー6bとが設け
られている。但し、光ファイバー束などからなる導光手
段を、第1反射ミラー6aと第2反射ミラー6bからな
る構成に代えても良い。スキャナ本体2の内部にはさら
に、写真フィルムFの画像駒を透過した透過光を受光
し、デジタル画像データに光電変換するためのラインC
CD8、幾つかのフィルム幅規格から選択される任意の
幅を備えた写真フィルムFから届けられる光ビームの幅
をラインCCD8の幅に適合させ、同時に、前記透過光
が形成するアナログ画像をCCD8の入力面に合焦させ
るズームレンズ7などが配置されている。ラインCCD
8は、スキャニングの主走査方向と一致する図1の矢印
Aと平行に延びている。 【0013】(フィルムキャリアの構成)図2と図3に
示すように、フィルムキャリア9は、合成樹脂などで形
成された筐体状のフィルムキャリア本体10を有する。
フィルムキャリア本体10は、スキャナ本体2の上面に
設けられた位置決めレールを受け入れる係合溝(不図
示)を下面に備えた下側本体10Lと、下側本体10L
の上面を覆う上側本体10Uとからなる。フィルムキャ
リア本体10の右辺には、オペレータが装入する135
フィルムF1を受け入れる装入口10aが設けられてお
り、左辺には必要に応じて135フィルムF1を左側か
ら排出するための排出口10bが設けられている。 【0014】上側本体10Uは、オペレータから見て奥
側の第1部位10Fと、オペレータから見て手前側の第
2部位10Gとからなり、これら2つの部位10F,1
0Gは水平な軸芯を備えたヒンジ(不図示)によって連
結されている。そして、通常は第1部位10Fは下側本
体10Lにネジ止めされているが、第2部位10Gは、
下側本体10Lの上面を閉じた閉鎖姿勢(図2の状態)
と、下側本体10Lの上面が開放されて、内部の構造に
アクセス可能な開放姿勢(不図示)との間で切り換え可
能に設けられている。第2部位10Gと下側本体10L
の間には、第2部位10Gを閉鎖姿勢で保持するロック
機構(不図示)が設けられている。フィルムキャリア9
はこの閉鎖姿勢でスキャナ本体2の導光アーム6の下に
設置可能となる。 【0015】上側本体10U(第2部位10G)には、
導光アーム6の先端から下向きに延びるスキャニング用
の光ビームを受け入れる上側開口部11Uが形成されて
いる。同様に、下側本体10Lには、写真フィルムFの
画像駒を透過した透過光をスキャナ本体2の内部のライ
ンCCDに導く下側開口部(不図示)が形成されてい
る。上側開口部11Uと下側開口部の副走査方向に延び
た中心軸は、ラインCCD8によるスキャニングポイン
トSPと略一致する。装入口10aから受け入れられた
135フィルムF1は(尚、後述する240フィルムF
2も同様である)、装入口10aと排出口10bを結ぶ
直線と一致する固定された搬送軸芯Xm(図2を参照)
に沿って、言い換えれば、矢印Aと直交する副走査方向
に搬送されながらスキャニングポイントSPでスキャニ
ングされる。 【0016】また、図3と図6に示すように、フィルム
キャリア本体10内には、135フィルムF1用の第1
搬送レーンFL1と240フィルムF2用の第2搬送レ
ーンFL2とを同時に備えたデュアルレーンユニット3
0が設けられている。第1搬送レーンFL1と第2搬送
レーンFL2の各搬送方向の軸芯X1,X2上には、そ
れぞれ、導光アーム6の先端から送られる光ビームを、
その断面形状を適切に整えた状態で各写真フィルムに照
射する第1と第2スリットSL1,SL2が設けられて
いる。図6(イ)と図6(ロ)とに示すように、デュア
ルレーンユニット30は、下側本体10Lの床面に形成
された一対のレール(不図示)上を副走査方向に沿って
摺動自在に支持されている。そして、デュアルレーンユ
ニット30は、135フィルムF1用の第1スリットS
L1がスキャニングポイントSPと一致する第1位置
(図6(イ)の状態)と、240フィルムF2用の第2
スリットSL2がスキャニングポイントSPと一致する
第2位置(図6(ロ)の状態)との間を任意に移動可能
であり、前記第1と第2位置のいずれか一方の位置で選
択的に仮止めすることができる。尚、このデュアルレー
ンユニット30の位置の切り換え、及び、仮止めは、フ
ィルムキャリア9外に突出した第1操作ハンドルH1を
介して、オペレータの手動操作によって行われる。 【0017】(フィルム搬送機構)フィルムキャリア9
には、写真フィルムFを一定の速度で副走査方向に搬送
するフィルム搬送機構20が搭載されている。図5と図
4に示すように、フィルム搬送機構20は、デュアルレ
ーンユニット30の第1搬送レーンFL1上に副走査方
向に沿って配置された4組の搬送ローラ対Rp1a,R
p1b,Rp1c,Rp1dと、第2搬送レーンFL2
上に副走査方向に沿って配置された3組の搬送ローラ対
Rp2a,Rp2b,Rp2cと、やはりデュアルレー
ンユニット30上に固定されたモータM1と、モータM
1の回転駆動力をこれらの各搬送ローラ対に伝達するた
めに適宜回転自在に配置されたタイミングギヤとタイミ
ングベルトとを有する。モータM1を正転させれば、写
真フィルムFは、第1搬送レーンFL1或いは第2搬送
レーンFL2上を図4の左向きに搬送され、モータM1
を逆転させれば、第1搬送レーンFL1或いは第2搬送
レーンFL2上を図4の右向きに搬送される。 【0018】尚、図3に示すように、デュアルレーンユ
ニット30は、フィルムキャリア9の下側本体10Lに
直接支持されレーンユニット本体30aと、レーンユニ
ット本体30aの上面に揺動自在に支持された第1と第
2揺動プレート31a,31bとを有する。第1と第2
揺動プレート31a,31bは、これらの揺動プレート
31a,31bの奥側の辺に配置されたヒンジを介し
て、レーンユニット本体30aが水平姿勢を取って揺動
プレート31a,31bの全体がレーンユニット本体3
0aに近接した閉鎖位置(図2の状態ではこの閉鎖位置
が実現されているが、図示はされていない)と、レーン
ユニット本体30aが傾斜姿勢を取って揺動プレート3
1a,31bの手前側がレーンユニット本体30aから
離間した開放位置(図3に示す状態)との間で切り換え
可能に設けられている。第1と第2揺動プレート31
a,31bの手前側の辺付近には、オペレータが第1と
第2揺動プレート31a,31bを下向きに押付ける操
作に応じて、第1と第2揺動プレート31a,31bを
自動的に前記閉鎖位置に固定するロック手段(不図示)
が設けられている。逆に前記ロック手段を解除操作すれ
ば、第1と第2揺動プレート31a,31bは付勢手段
(不図示)によって自動的に開放位置に変位する。因み
に、揺動プレート31a,31bを開放位置に引き上げ
る操作は、フィルムキャリア本体10の第2部位10G
を開放姿勢に切り換えた後で初めて可能であるが、図3
では第2部位10Gを省略している。 【0019】レーンユニット本体30aには、第1と第
2搬送レーンFL1,FL2の下面(写真フィルムFの
下向き面、すなわち乳剤面と対向する)が形成されてお
り、第1と第2揺動プレート31a,31bには、第1
と第2搬送レーンFL1,FL2の上面(写真フィルム
Fの上向き面、すなわちベース面と対向する)が形成さ
れている。より具体的には、図3に示すように、第1搬
送レーンFL1の上流側の2組の搬送ローラ対Rp1
a,Rp1bと第2搬送レーンFL2の最初の搬送ロー
ラ対Rp2aを構成する各上側の各搬送ローラR1a,
R1b,R2aは、第1揺動プレート31aに支持され
ており、第1揺動プレート31aが前記閉鎖位置を取っ
た状態では、これらの各搬送ローラは、レーンユニット
本体30a側の対応位置に配置された下側の搬送ローラ
R1a,R1b,R2aに押付けられる。 【0020】同様に、第1搬送レーンFL1の下流側の
2組の搬送ローラ対Rp1c,Rp1dと第2搬送レー
ンFL2の後半の搬送ローラ対Rp2b,Rp2cを構
成する各上側の各搬送ローラR1c,R1d,R2b,
R2cは、第2揺動プレート31bに支持されており、
第2揺動プレート31bが前記閉鎖位置を取った状態で
は、これらの各搬送ローラは、レーンユニット本体30
a側の対応位置に配置された下側の搬送ローラR1c,
R1d,R2b,R2cに押付けられる。尚、レーンユ
ニット本体30aに支持された下側の搬送ローラR1
a,R1b,R1c,R1d,R2a,R2b,R2c
は、タイミングギヤとタイミングベルトを介してモータ
M1によって直接回転駆動される駆動ローラであるが、
第1揺動プレート31aと第2揺動プレート31bに支
持された上側の搬送ローラR1a,R1b,R1c,R
1d,R2a,R2b,R2cは、下側の搬送ローラR
1a,R1b,R1c,R1d,R2a,R2b,R2
cとの互いの周面の間で発生する摩擦(乃至は、各ロー
ラ対の間に挟着された写真フィルムFと前記周面との間
で発生する摩擦)に基づいて従動的に駆動される従動ロ
ーラである。 【0021】(フィルム搬送機構の巻取りユニットにつ
いて)さらに、図3、図5及び図6に示すように、フィ
ルム搬送機構20は、排出口10bの直前に配置された
固定排出ローラ対Rp1e(すなわち下側の固定排出ロ
ーラR1eと上側の固定排出ローラR1e)と、排出ロ
ーラ対Rp1eのさらに直前で、デュアルレーンユニッ
ト30の下流側端部に隣接する位置に配置された巻取り
ユニット40とを含む。巻取りユニット40は、主に排
出口10bからフィルムキャリア9外に排出させたくな
い135フィルムF1及び240フィルムF2の先端か
ら中間部位などを巻き取って一時的にフィルムキャリア
9内に保管するために設けられている。尚、巻取りユニ
ット40は、デュアルレーンユニット30側から供給さ
れてくる写真フィルムFを巻取りユニット40のドラム
41の周面上に巻き取る巻取りモード(図9(イ)の状
態)と、供給されてくる写真フィルムFを巻き取ること
なく、そのまま通過させ、下流の排出ローラ対Rp1e
に供給する通過モード(図9(ロ)の状態)との間で切
り換え可能に設けられている。他方、固定排出ローラ対
R1e,R1eは、主に、デュアルレーンユニット30
側から供給されてくる135フィルムF1を、右側の装
入口10a側に戻すことなく、左側の排出口10bから
フィルムキャリア9外に迅速に排出するために設けられ
ている。 【0022】尚、巻取りユニット40と固定排出ローラ
対R1e,R1eとは、移動可能なデュアルレーンユニ
ット30上ではなく、フィルムキャリア9内の一定の位
置に固定設置されているが、デュアルレーンユニット3
0上の各ローラ対と同様にモータM1からの回転駆動力
によって駆動される。すなわち、図5に示すように、デ
ュアルレーンユニット30の下流側端部の手前側の下面
には、モータM1の回転駆動力をデュアルレーンユニッ
ト30外に分配する出力ギヤDGが設けられており、他
方、下側本体10Lには、出力ギヤDGと噛合する入力
ギヤLGが回転自在に支持されている。この入力ギヤL
Gは、デュアルレーンユニット30の前記第1と第2位
置の間での移動に関わらず常に出力ギヤDGと噛合状態
を保持可能なように、主走査方向に非常に長い幅を備え
た形状を有する。 【0023】(2つのスキャニング操作方法について)
ところで、スキャナ装置1に本実施形態に記されたフィ
ルムキャリア9を用いた場合には、ツーパス方式とワン
パス方式と言う2種類のスキャニング操作方法が可能と
なる。図12と図13に示すように、ツーパス方式で
は、先ず、第1工程として、装入口10aから受け入れ
られた写真フィルムFを左向きに高速で搬送し、スキャ
ニングポイントSPを越えた写真フィルムFの部位を巻
取りユニット40に巻き取りながら、指定された画像駒
のプレスキャンを行い(図12(イ)並びに図13
(イ)の工程)、引き続き、第2工程として、巻き取ら
れた写真フィルムFの部位を巻取りユニット40から引
き出しながら、写真フィルムFを今度は右向きに低速で
搬送しながら搬送しながら本スキャンを行う(図12
(ロ)並びに図13(ロ)の工程)。 【0024】プレスキャンでは、スキャニングを必要と
する画像駒の位置(言い換えれば画像駒どうしの間に位
置する素抜け部の位置)の特定など補助的な情報の入手
を行うと共に、前記デジタルプリント装置などのモニタ
スクリーンに表示された画像に基づいて色補正操作等の
プレジャッジを実施するために最小限必要な低解像度の
画像データを、前記画像駒からラインCCD8によって
前記記憶部の所定領域に取込む。 【0025】本スキャンでは、プレスキャンで得られた
画像駒の位置情報などに基づいて、前記デジタルプリン
ト装置によるプリント出力などに必要な高解像度の画像
データを前記画像駒からラインCCD8によって前記記
憶部の別の所定領域に取込む。次に、前記記憶部に取込
まれた高解像度の画像データにプレジャッジで得られた
色補正条件を反映したプリントデータが作成され、前記
記憶部の前記所定領域に上書きされ、適宜プリント出力
される。プレスキャンで得られたデータは、対応する画
像駒のプリントデータの格納に応じて次々に削除される
ので、その分だけ前記記憶部の容量が小さくて済む。ツ
ーパス方式を行う場合には、135フィルムF1と24
0フィルムF2のいずれのタイプのフィルムでも、プレ
スキャン時には、デュアルレーンユニット30よりも更
に下流側に供給される写真フィルムFの部位は、一旦巻
取りユニット40に巻き取られる。 【0026】ワンパス方式では、装入口10aから受け
入れられた写真フィルムFを左向きに低速で搬送しなが
ら、指定された画像駒の一度限りのスキャンを、プレス
キャンと本スキャンを兼ねたスキャニングとして行う
(図12(ハ)及び図13(ハ)の工程)。図12
(ハ)に示すように、135フィルムF1に対してワン
パス方式を行う場合には、デュアルレーンユニット30
から下流側に供給される写真フィルムFの部位を巻取り
ユニット40に巻き取る操作は行われず、巻取りユニッ
ト40を通過モードに設定しておくことで、135フィ
ルムF1の全体が巻取りユニット40上をそのまま通過
し、下流の固定排出ローラ対R1e,R1eと排出口1
0bを介して、フィルムキャリア9から排出される。こ
れによって処理効率が向上する。図13(ハ)に示すよ
うに、240フィルムF2に対してワンパス方式を行う
場合には、デュアルレーンユニット30から下流側に供
給される写真フィルムFの部位を巻取りユニット40に
巻き取りながら、スキャニングが行われ、スキャニング
の完了後、カートリッジFCに巻き戻される。これは、
原則的に240フィルムFの端部は、専用のカートリッ
ジFCのスプール軸FC1から切り離すことなくスキャ
ニング処理されるためである。 【0027】(排出ローラ対の構成)図10に示すよう
に、固定排出ローラ対R1e,R1eもまた、レーンユ
ニット本体30aに支持された下側の搬送ローラR1e
と、レーンユニット本体30aの上面に揺動自在に支持
された第3揺動プレート31cに支持された上側の搬送
ローラR1eとからなる。そして、下側の搬送ローラR
1eは、タイミングギヤとタイミングベルトを介してモ
ータM1によって直接回転駆動される駆動ローラである
が、上側の搬送ローラR1eは、下側の搬送ローラR1
eとの互いの周面の間で発生する摩擦(乃至は、各ロー
ラ対の間に挟着された写真フィルムFと前記周面との間
で発生する摩擦)に基づいて従動的に駆動される従動ロ
ーラである。さらに、下側の搬送ローラR1eと直結し
たタイミングプーリの軸芯(伝動機構の一例)の上に
は、ワンウェイクラッチ機構33(引き込み防止機構の
一例)が介装されている。この構成の結果、モータM1
が正転駆動されると、下側の搬送ローラR1eは、レー
ンユニット本体30aの下側の各搬送ローラR1a,R
1b,R1c,R1d,R2a,R2b,R2cと同一
の周速度で回転駆動されて、135フィルムF1を左向
きに搬送するが(図10(イ)の状態)、モータM1が
逆転駆動された場合には、ワンウェイクラッチ33の作
用で、モータM1の駆動力は実質的に排出ローラ対R1
e,R1eに伝えられない(図10(ロ)の状態)。言
い換えれば、モータM1が逆転駆動された場合には、ワ
ンウェイクラッチ機構33の作用で、下側の搬送ローラ
R1eは、僅かな荷重の抵抗によって回転不能な状態に
保持される。 【0028】この搬送ローラR1eの構成は、ワンパス
方式によるスキャン操作を完了した135フィルムF1
が、排出ローラ対R1e,R1eによって排出口10b
からフィルムキャリア9外に排出された後に、ツーパス
方式によるスキャン操作を完了した135フィルムF
1、または、ツーパス方式乃至はワンパス方式によるス
キャン操作を完了した240フィルムF2が、モータM
1の逆転によって右向きに戻された場合に、先の135
フィルムF1が排出ローラ対R1e,R1eによって再
びフィルムキャリア9内に引き込まれて、例えば巻取り
ユニット40などでジャミングを起こすと言った事態を
防止するための構成である。 【0029】すなわち、ワンパス方式によってスキャン
された135フィルムF1が、排出ローラ対R1e,R
1eによって排出口10bからフィルムキャリア9外に
排出された時、もしも、135フィルムF1の端部が未
だ排出ローラ対R1e,R1eの周面に接していた場
合、モータM1の逆転によって排出ローラ対R1e,R
1eが強制的に逆転操作される構成であれば、上記のよ
うに一旦排出された135フィルムF1が再びフィルム
キャリア9内に引き込まれる虞がある。しかし、本実施
形態のフィルムキャリア9では、モータM1の回転駆動
力は、前述したようなワンウェイクラッチ内蔵型のプー
リ33を介して下側の排出ローラR1eに伝達されるよ
うに構成されているので、先行して処理済みの135フ
ィルムF1の端部が未だ排出ローラ対R1e,R1eの
周面に接している状態でモータM1の逆転操作が行われ
ても、排出ローラ対R1e,R1eは強制的に逆転操作
されず、小さな抵抗力で静止状態に保持されるので、フ
ィルムキャリア9内に引き込まれ難い。 【0030】(巻取りユニットの詳細な構造)図7と図
8に示すように、巻取りユニット40は、主に、モータ
M1の正転に応じてフィルム巻取り方向に回転駆動さ
れ、モータM1の逆転に応じてフィルム繰出し方向に回
転駆動される巻取りドラム41と、巻取りドラム41の
上流側上方に位置する軸芯X3周りで揺動自在に支持さ
れた第1ガイドアーム42と、巻取りドラム41の下流
側下方に位置する軸芯X4周りで揺動自在に支持された
第2ガイドアーム43と、巻取りドラム41の上流側下
方に位置する軸芯X5周りで揺動自在に支持された保持
アーム44とを有する。第1ガイドアーム42の先端に
は、一対の遊転ローラ42a,42aが支持されてお
り、第1ガイドアーム42の下面には、軸芯X3付近か
ら遊転ローラ42a,42a付近まで延びた案内面42
bが形成されている。案内面42bは、下向き凹面状の
断面形状を有し、写真フィルムFの先端をスムースに案
内する働きを有する。そして、第1ガイドアーム42
は、ソレノイド49によって操作されるアクチュエータ
機構50によって、遊転ローラ42a,42aが巻取り
ドラム41の周面に近接した第1姿勢(図9の(イ)の
状態)と、遊転ローラ42a,42aが巻取りドラム4
1の周面から離間した第2姿勢(図9の(ロ)の状態)
との間で切り換え操作される。 【0031】第2ガイドアーム43は鋭角な断面形状を
備えた先端部43aを有する。第2ガイドアーム43の
内面には、軸芯X4付近から先端部43aまで概して上
方に延びた第1案内面43bが形成されている。第1案
内面43bは、凹面状の断面形状を有し、写真フィルム
Fの先端を下方側にスムースに案内する働きを有する。
また、先端部43aからは、下流側に向かって水平に延
びた第2案内面43cが延びている。第2案内面43c
は平面状の断面形状を有し、写真フィルムFの先端を排
出口10b側へとスムースに案内する働きを有する。第
2ガイドアーム43は、アクチュエータ機構50によっ
て、先端部43aが前記第2姿勢にある第1ガイドアー
ム42の案内面42bよりも径方向外側に退避した第1
姿勢(図9の(イ)の状態)と、先端部43aが巻取り
ドラム41の周面に突出形成された弾性ベルト41aの
外周面よりも巻取りドラム41の中心側に進入した第2
姿勢(図9の(ロ)の状態)との間で切り換え操作され
る。第2ガイドアーム43が第1姿勢にある時、写真フ
ィルムFの先端は、巻取りドラム41に巻き取られるべ
く、第1案内面43bに沿って下方に案内される。他
方、第2ガイドアーム43が第2姿勢にある時、写真フ
ィルムFの先端は、第2案内面43cによって水平に案
内され、巻取りドラム41の上方を素通りして排出口1
0b側へと進む。 【0032】尚、保持アーム44の先端には、一対の遊
転ローラ44a,44aが支持されている。そして、保
持アーム44は、アクチュエータ機構50の作用と無関
係に常に遊転ローラ44a,44aが巻取りドラム41
の周面に押付けられるように、付勢手段(不図示)によ
って付勢されている。保持アーム44の下流側に面した
内面には、軸芯X5付近から遊転ローラ44a,44a
付近まで延びた案内面44bが形成されている。案内面
44bは、下流側を向いた凹面状の断面形状を有し、写
真フィルムFの先端を、巻取りドラム41の周面を形成
している弾性ベルト41aと遊転ローラ44a,44a
の境界部へとスムースに案内する働きを有する。 【0033】アクチュエータ機構50は、第1ガイドア
ーム42をその第1姿勢から第2姿勢に切り換える操作
と、第2ガイドアーム43をその第1姿勢から第2姿勢
に切り換える操作とを同時に行い、同様に、第1ガイド
アーム42をその第2姿勢から第1姿勢に戻す操作と、
第2ガイドアーム43をその第2姿勢から第1姿勢に切
り換える操作とを同時に行うように構成されている。第
1ガイドアーム42と第2ガイドアーム43の第1姿勢
によって、巻取りユニット40の巻取りモードが実現さ
れ、第1ガイドアーム42と第2ガイドアーム43の第
2姿勢によって、巻取りユニット40の通過モードが実
現される。尚、アクチュエータ機構50は、第1ガイド
アーム42と共通の軸芯X3周りで揺動可能な制御アー
ム50aからなり、制御アーム50aには、第1ガイド
アーム42と第2ガイドアーム43の各々を前述した要
領で揺動操作するための作用点(不図示)が形成されて
いる。尚、巻取りドラム41の軸と直結したタイミング
プーリは、ツーウェイクラッチ内臓型のプーリによって
構成されているので、モータM1の回転方向と無関係
に、巻取りドラム41の周面に働く小さな抵抗によって
静止状態に保持される。 【0034】(カートリッジ操作機構)フィルムキャリ
ア9には、専用のカートリッジFC内に収納されている
240フィルムF2をスキャニング処理するためのカー
トリッジ操作機構60が設けられている。図3と図4に
示すように、カートリッジ操作機構60は、カートリッ
ジFCを係止するためにデュアルレーンユニット30の
第2搬送レーンFL2の上流側端部に設けられたポケッ
ト状のカートリッジホルダ61と、カートリッジホルダ
61内に係止されたカートリッジFCのスプール軸FC
1の端面内に係入するようにカートリッジホルダ61の
対向する一対の壁面61a,61bから内側に突出した
1対のスピンドル62a,62bと、カートリッジFC
の開口部を開閉する遮光扉FC2の被走査軸の端面内に
係入するように奥側の壁面61aから内側に突出した扉
操作軸63と、手前側のスピンドル62bと扉操作軸6
3とを適宜のタイミングで必要な方向に回転駆動するた
めにデュアルレーンユニット30の手前側の端部に固定
されたモータM2とを有する。 【0035】カートリッジホルダ61の奥側の壁面61
aは、カートリッジFCの軸芯方向に沿って移動可能な
ブロック状部材64に形成されている。ブロック状部材
64は、図4の双方向を向いた矢印が示すように、1対
のスピンドル62a,62b間の間隔がカートリッジF
Cの長さを超える開放位置と、1対のスピンドル62
a,62bがカートリッジFCのスプール軸FC1の端
面内に係入する係止位置との間で切り換え可能になって
いる。ブロック状部材64の位置の切り換えは、フィル
ムキャリア9外に突出した第2操作ハンドルH2を介し
てオペレータの手動操作によって行われる。デュアルレ
ーンユニット30を前記第1位置に切り換え、ブロック
状部材64を開放位置にした状態で240フィルムF2
のカートリッジFCをカートリッジホルダ61内に投入
し、第2操作ハンドルH2によってブロック状部材64
を係止位置に切り換えると、自動的に、モータM2によ
って先ず扉操作軸63が駆動されて、カートリッジFC
の遮光扉FC2が開放され、次に、スピンドル62aが
駆動されて、カートリッジFCの開口部から240フィ
ルムF2が、第2搬送レーンFL2に供給されるように
構成されている。尚、第2搬送レーンFL2には、24
0フィルムF2の磁気トラック上に記録された磁気記録
の内容を読み取る磁気トラックリーダ66が配置されて
いる。磁気記録の内容は、撮影に使用されたカメラから
記録された撮影データや、前回のプリント処理を行った
プリント装置等から記録された露光条件に関しており、
現在実施しようとしているプリント用の露光操作等に反
映させることができる。 【0036】(除塵機構の構成)図4と図5に示すよう
に、フィルムキャリア9には、第2搬送レーンFL2を
通過中の240フィルムF2の面に存在する塵埃などを
物理的に除去するための除塵機構70が設けられてい
る。除塵機構70は、磁気記録リーダ66の直前に配置
された一対の無端状のクリーニングベルト71と、クリ
ーニングベルト71の手前側の端部に隣接して配置され
た除塵ブラシ74と、除塵ブラシ74に隣接するように
フィルムキャリア本体10の下側本体10Lに設けられ
た排気ファン75とを有する。図11に示すように、ク
リーニングベルト71は、デュアルレーンユニット30
のレーンユニット本体30aに支持された下側ベルト7
1aと、第1揺動プレート31a側に支持された上側ベ
ルト71bとからなる。下側ベルト71aと上側ベルト
71bはいずれも第2搬送レーンFL2の軸芯X2と直
角に延びている。下側ベルト71aと上側ベルト71b
の内側面は、軸芯X2と平行に延びた軸芯を持つタイミ
ングプーリの歯と噛合するタイミングベルトの形態を有
するが、その外側面には、クリーニング用の別珍かそれ
に類似の起毛されたファブリックシートが貼付されてい
る。 【0037】レーンユニット本体30aには、幾つかの
タイミングギヤとタイミングベルトの組み合わせを介し
てモータM1の回転軸と一体的に回転する入力ギヤ72
aが配置されており、この入力ギヤ72aと一体回転す
る軸72b上に第1中継ギヤ73aが外嵌されている。
そして、下側ベルト71aはこの第1中継ギヤ73aと
常に一体的に回転するように構成されている。また、第
1揺動プレート31aには、第1揺動プレート31aを
水平な閉鎖位置に切り換える操作に応じて初めて第1中
継ギヤ73aと噛合状態となる第2中継ギヤ73bが回
転自在に支持されており、上側ベルト71bはこの第2
中継ギヤ73bと常に一体的に回転するように構成され
ている。 【0038】尚、モータM1の正転に応じて、240フ
ィルムF2が左向きに搬送されるプレスキャンのモード
では下側ベルト71aと上側ベルト71bが回転駆動さ
れるが(図11(イ)の状態)、モータM1の逆転に応
じて、240フィルムF2が右向きに搬送される本スキ
ャンのモードでは下側ベルト71aと上側ベルト71b
が回転駆動されず、静止状態に保持される(図11
(ロ)の状態)ように、第1中継ギヤ73aと軸72b
の間にはワンウェイクラッチ機構76が介装されてい
る。これは、回転操作中のベルト71a,71bが、本
スキャンの際の240フィルムF2の搬送速度にむらを
生じる等、本スキャンのモードでの高解像度のデジタル
画像情報の取得に対して、回転駆動されるベルト71
a,71bが及ぼす影響を排除するためである。すなわ
ち、モータM1の逆転に応じて、240フィルムF2が
右向きに搬送される本スキャンのモードでは、上下のベ
ルト71a,71bは静止状態で上下の搬送レーンに配
置された単なる塵埃除去ブラシとして機能することにな
る。 【0039】除塵ブラシ74は、ベルト71a,71b
と同様に、第2搬送レーンFL2の軸芯X2と平行な軸
芯周りで回転自在に支持されており、除塵ブラシ74か
ら径方向外向きに延びた多数の剛毛体は、ベルト71
a,71bの面と直角に延び、双方のベルト71a,7
1bの面に常に押付けられている。除塵ブラシ74の一
端面側には入力用のピニオンギヤ84が一体回転するよ
うに配置されている。このピニオンギヤ84は、下側ベ
ルト71aを支持する最も手前側のタイミングプーリと
一体回転するように配置されたピニオンギヤ85と連動
するように中間ギヤを介して連結されている。従って、
除塵ブラシ74は、モータM1の正転に応じて回転操作
されるベルト71a,71bと常に同期回転され、下側
ベルト71aと上側ベルト71bの双方と逆向きに回転
駆動されて、ベルト71a,71b上に付着している塵
埃などを掻き取り、下方に送る。下方に送られた塵埃
は、下側本体10Lに設けられた排気ファン75によっ
て、フィルムキャリア本体10外に排出される。尚、装
入口10aから装入された135フィルムF1の面に存
在する塵埃を除去するための手段としては、塵埃除塵ブ
ラシ69が、第1スリットSL1よりも上流側、具体的
には、第1搬送レーンFL1上の最上流側の搬送ローラ
対Rp1aと2組目の搬送ローラ対Rp1bとの間に静
止状態で配置されている。
入口と、装入された写真フィルムを前記装入口から延び
た搬送レーン上で所定の速度で搬送するための主搬送機
構と、写真フィルムに担持されたアナログ画像情報を光
学的に取得してデジタル画像情報に変換するために前記
搬送レーン上に配置された画像情報取得ポイントと、写
真フィルムに担持された補助記録情報を磁気的に取得す
るために前記搬送レーン上に配置された補助記録情報取
得ポイントと、写真フィルムの面に位置する異物を除去
するために前記搬送レーン上の前記補助記録情報取得ポ
イントの上流側に配置されたクリーニング機構とを備
え、前記主搬送機構は、写真フィルムを前記装入口から
前記画像情報取得ポイントに向けて搬送する順送りモー
ドと、写真フィルムを画像情報取得ポイントから前記装
入口に向けて搬送する逆送りモードとの間で切り換え可
能に設けられ、前記クリーニング機構は、写真フィルム
の面に接当する作用面を備える状態で回転可能に支持さ
れた無端状のクリーニングベルトと、前記主搬送機構の
回転駆動力を前記クリーニングベルトの回転駆動軸に伝
える伝動機構とを有する画像読取装置に関する。 【0002】 【従来の技術】上記の画像読取装置では、装入口から装
入された写真フィルムを前記順送りモードで搬送しなが
ら補助記録情報取得ポイントで補助記録情報を取得し、
更に、画像情報取得ポイントでアナログ画像情報を取得
して低解像度のデジタル画像情報を作成して一旦格納
(プレスキャン操作)し、次に、今度は逆送りモードで
搬送しながら、プレスキャン操作で得られた補助記録情
報に基づいて、画像情報取得ポイントで再びアナログ画
像情報を取得し、今度は高解像度のデジタル画像情報を
作成する(本スキャン操作)という使用形態が実現可能
である。 【0003】尚、240フィルムの各駒部位には、カメ
ラ側から撮影条件やプリントのフォーマットタイプ(縦
横比など)、同時プリント部数等のユーザー入力情報を
磁気的に書き込み可能なカメラトラック、或いは、前回
そのフィルムからのプリントを行ったラボで入力された
プリント補正データ等を磁気的に書き込み可能なラボト
ラックと言った補助記録情報用のトラックが設けられて
おり、これらのトラックに記録されている補助記録情報
をプリント補正データを算出する上での参照値とするこ
とによって、高画質のプリント処理を迅速に実施するこ
とが可能となっている。 【0004】他方、240フィルムのフィルムベース
は、従来からの135フィルムのフィルムベースに比し
て薄く強度が高い反面、静電気を帯び易く、従って塵埃
を寄せ付け易い材料で形成されているため(135フィ
ルムのベースはアセテート製であり、240フィルムの
ベースは強化ポリエチレンナフタレート製)、フィルム
表面に位置するこの塵埃によって補助記録情報の正確な
取得が阻害される虞があるが、表面に塵埃などが付着し
た状態で写真フィルムが装入された場合でも、写真フィ
ルムは写真フィルムの面に押付けられながら回転するク
リーニングベルトによって塵埃などを除去された上で補
助記録情報取得ポイントに進入するので、補助記録情報
の読み取りは確実に行われる。 【0005】しかし、クリーニング機構が、静止状態で
配置された単なる塵埃除去ブラシではなく、このように
回転駆動されるクリーニングベルトからなる場合、塵埃
の除去は確実に行われる一方、回転するクリーニングベ
ルトと写真フィルムとの間で発生する摩擦が、高解像度
の画像データを取得する本スキャン操作に対して影響を
及ぼし、最終的に得られるプリントの画質を損なう虞が
あった。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的
は、上に例示した従来技術による画像読取装置の前述し
た欠点に鑑み、補助記録情報用のトラックに書き込まれ
た磁気情報の読み取りを確実に行うために塵埃の除去は
回転するクリーニングベルトによって確実に行う構成と
しながら、同時に、このクリーニング機構の作用が、高
解像度の画像データを取得する本スキャン操作に対して
影響を及ぼすことなく、最終的に得られるプリントの高
画質が保たれる画像読取装置を提供することにある。 【0007】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る画像読取装置は、特許請求の範囲の欄
の請求項1に記された特徴構成を備えている。すなわ
ち、本発明の請求項1による画像読取装置は、写真フィ
ルムを装入可能な装入口と、装入された写真フィルムを
前記装入口から延びた搬送レーン上で所定の速度で搬送
するための主搬送機構と、写真フィルムに担持されたア
ナログ画像情報を光学的に取得してデジタル画像情報に
変換するために前記搬送レーン上に配置された画像情報
取得ポイントと、写真フィルムの面に位置する異物を除
去するために前記搬送レーン上に配置されたクリーニン
グ機構とを備え、前記主搬送機構は、写真フィルムを前
記装入口から前記画像情報取得ポイントに向けて搬送す
る順送りモードと、写真フィルムを画像情報取得ポイン
トから前記装入口に向けて搬送する逆送りモードとの間
で切り換え可能に設けられ、前記クリーニング機構は、
写真フィルムの面に接当する作用面を備える状態で回転
可能に支持された無端状のクリーニングベルトと、前記
主搬送機構の回転駆動力を前記クリーニングベルトの回
転駆動軸に伝える伝動機構とを有する画像読取装置であ
って、前記伝動機構には、前記順送りモードにおける前
記主搬送機構の回転駆動力を前記クリーニングベルトの
回転駆動軸に伝え、前記逆送りモードにおける前記主搬
送機構の回転駆動力の前記クリーニングベルトの回転駆
動軸への伝達を遮断するワンウェイクラッチ機構が介装
されていることを特徴構成としている。 【0008】このような特徴構成を有するために、本発
明の特許請求の範囲の請求項1による画像読取装置で
は、プレスキャン操作を行う順送りモードでは、クリー
ニングベルトは主搬送機構の回転駆動力によって駆動さ
れて、写真フィルムは表面に塵埃のない正常な状態で画
像情報取得ポイントに進入するので、補助記録情報用の
トラックに書き込まれた磁気情報の読み取りは確実に行
われ、他方、本スキャン操作を行う逆送りモードでは、
ワンウェイクラッチ機構の作用によって、主搬送機構の
回転駆動力は実質的にクリーニングベルトに伝えられ
ず、クリーニングベルトは静止した単なる塵埃除去ブラ
シとしてのみ機能するので、本スキャン操作における高
解像度の画像データの取得はクリーニング機構の影響を
受けることなく、最終的に得られるプリントの高画質が
保たれるという効果が得られる。 【0009】本発明によるその他の特徴および利点は、
以下図面を用いた実施形態の説明により明らかになるで
あろう。 【0010】 【発明の実施の形態】図1は、本発明による画像読取装
置の一実施形態としてのスキャナ装置1の外観を示す。 (スキャナ装置とその構成)スキャナ装置1は、現像済
みの写真フィルムFに形成されたアナログ画像データ
を、写真フィルムの各画像駒を透過する透過光をCCD
で受光することによってデジタル画像データに変換する
ためのものである。得られたデジタル画像データは、一
般に、スキャナ装置1に接続されたデジタルプリント装
置(不図示)乃至はコンピュータ(不図示)の記憶部な
どに一旦格納され、適当な時期に所望の方式で出力する
ことができる。出力方式としては、前記デジタルプリン
ト装置などによる銀塩式写真プリントの他、コンパクト
ディスク、MOその他の記憶媒体への保存が可能とな
る。 【0011】スキャナ装置1は、下面に移動用のキャス
タ4が付けられた直方体のキャビネット3を有するスキ
ャナ本体2と、スキャナ本体2の上面に着脱自在に設け
られたフィルムキャリア9とを備えている。尚、市中に
は、フィルムの外形の幅が約35mmの135フィル
ム、幅が24mmでAPSフィルムとも呼ばれる240
フィルム、幅が16mmの110フィルム、幅が60m
mの120或いは220フィルムと言った、複数の形態
の写真フィルムが存在するので、フィルムキャリアも複
数の型のものが用意されている。ここでは、135フィ
ルムF1と240フィルムF2の2種類のフィルムに対
応した兼用型のフィルムキャリア9について解説する。
尚、ここでは、135フィルムF1としては、6駒程度
以下の画像駒を備えた短いピースフィルムの状態の写真
フィルムを、240フィルムF2としては、専用のカー
トリッジFC内に引き出し可能に収納されている240
フィルムF2を処理するものとして説明する。 【0012】(スキャナ本体の構成)スキャナ本体2の
内部には光源ランプ5が配置されており、スキャナ本体
2の上面には、光源ランプ5からの光ビームをフィルム
キャリア9内に支持された写真フィルムFを透過する下
向きの光ビームに変換する導光アーム6が設けられてい
る。導光アーム6内には、光源ランプ5から発され一旦
キャビネット3外まで進む上向きの光路を水平の光路に
変換する第1反射ミラー6aと、この水平の光路を更に
下向きの光路に変換して、フィルムキャリア9内に支持
された写真フィルムに導く第2反射ミラー6bとが設け
られている。但し、光ファイバー束などからなる導光手
段を、第1反射ミラー6aと第2反射ミラー6bからな
る構成に代えても良い。スキャナ本体2の内部にはさら
に、写真フィルムFの画像駒を透過した透過光を受光
し、デジタル画像データに光電変換するためのラインC
CD8、幾つかのフィルム幅規格から選択される任意の
幅を備えた写真フィルムFから届けられる光ビームの幅
をラインCCD8の幅に適合させ、同時に、前記透過光
が形成するアナログ画像をCCD8の入力面に合焦させ
るズームレンズ7などが配置されている。ラインCCD
8は、スキャニングの主走査方向と一致する図1の矢印
Aと平行に延びている。 【0013】(フィルムキャリアの構成)図2と図3に
示すように、フィルムキャリア9は、合成樹脂などで形
成された筐体状のフィルムキャリア本体10を有する。
フィルムキャリア本体10は、スキャナ本体2の上面に
設けられた位置決めレールを受け入れる係合溝(不図
示)を下面に備えた下側本体10Lと、下側本体10L
の上面を覆う上側本体10Uとからなる。フィルムキャ
リア本体10の右辺には、オペレータが装入する135
フィルムF1を受け入れる装入口10aが設けられてお
り、左辺には必要に応じて135フィルムF1を左側か
ら排出するための排出口10bが設けられている。 【0014】上側本体10Uは、オペレータから見て奥
側の第1部位10Fと、オペレータから見て手前側の第
2部位10Gとからなり、これら2つの部位10F,1
0Gは水平な軸芯を備えたヒンジ(不図示)によって連
結されている。そして、通常は第1部位10Fは下側本
体10Lにネジ止めされているが、第2部位10Gは、
下側本体10Lの上面を閉じた閉鎖姿勢(図2の状態)
と、下側本体10Lの上面が開放されて、内部の構造に
アクセス可能な開放姿勢(不図示)との間で切り換え可
能に設けられている。第2部位10Gと下側本体10L
の間には、第2部位10Gを閉鎖姿勢で保持するロック
機構(不図示)が設けられている。フィルムキャリア9
はこの閉鎖姿勢でスキャナ本体2の導光アーム6の下に
設置可能となる。 【0015】上側本体10U(第2部位10G)には、
導光アーム6の先端から下向きに延びるスキャニング用
の光ビームを受け入れる上側開口部11Uが形成されて
いる。同様に、下側本体10Lには、写真フィルムFの
画像駒を透過した透過光をスキャナ本体2の内部のライ
ンCCDに導く下側開口部(不図示)が形成されてい
る。上側開口部11Uと下側開口部の副走査方向に延び
た中心軸は、ラインCCD8によるスキャニングポイン
トSPと略一致する。装入口10aから受け入れられた
135フィルムF1は(尚、後述する240フィルムF
2も同様である)、装入口10aと排出口10bを結ぶ
直線と一致する固定された搬送軸芯Xm(図2を参照)
に沿って、言い換えれば、矢印Aと直交する副走査方向
に搬送されながらスキャニングポイントSPでスキャニ
ングされる。 【0016】また、図3と図6に示すように、フィルム
キャリア本体10内には、135フィルムF1用の第1
搬送レーンFL1と240フィルムF2用の第2搬送レ
ーンFL2とを同時に備えたデュアルレーンユニット3
0が設けられている。第1搬送レーンFL1と第2搬送
レーンFL2の各搬送方向の軸芯X1,X2上には、そ
れぞれ、導光アーム6の先端から送られる光ビームを、
その断面形状を適切に整えた状態で各写真フィルムに照
射する第1と第2スリットSL1,SL2が設けられて
いる。図6(イ)と図6(ロ)とに示すように、デュア
ルレーンユニット30は、下側本体10Lの床面に形成
された一対のレール(不図示)上を副走査方向に沿って
摺動自在に支持されている。そして、デュアルレーンユ
ニット30は、135フィルムF1用の第1スリットS
L1がスキャニングポイントSPと一致する第1位置
(図6(イ)の状態)と、240フィルムF2用の第2
スリットSL2がスキャニングポイントSPと一致する
第2位置(図6(ロ)の状態)との間を任意に移動可能
であり、前記第1と第2位置のいずれか一方の位置で選
択的に仮止めすることができる。尚、このデュアルレー
ンユニット30の位置の切り換え、及び、仮止めは、フ
ィルムキャリア9外に突出した第1操作ハンドルH1を
介して、オペレータの手動操作によって行われる。 【0017】(フィルム搬送機構)フィルムキャリア9
には、写真フィルムFを一定の速度で副走査方向に搬送
するフィルム搬送機構20が搭載されている。図5と図
4に示すように、フィルム搬送機構20は、デュアルレ
ーンユニット30の第1搬送レーンFL1上に副走査方
向に沿って配置された4組の搬送ローラ対Rp1a,R
p1b,Rp1c,Rp1dと、第2搬送レーンFL2
上に副走査方向に沿って配置された3組の搬送ローラ対
Rp2a,Rp2b,Rp2cと、やはりデュアルレー
ンユニット30上に固定されたモータM1と、モータM
1の回転駆動力をこれらの各搬送ローラ対に伝達するた
めに適宜回転自在に配置されたタイミングギヤとタイミ
ングベルトとを有する。モータM1を正転させれば、写
真フィルムFは、第1搬送レーンFL1或いは第2搬送
レーンFL2上を図4の左向きに搬送され、モータM1
を逆転させれば、第1搬送レーンFL1或いは第2搬送
レーンFL2上を図4の右向きに搬送される。 【0018】尚、図3に示すように、デュアルレーンユ
ニット30は、フィルムキャリア9の下側本体10Lに
直接支持されレーンユニット本体30aと、レーンユニ
ット本体30aの上面に揺動自在に支持された第1と第
2揺動プレート31a,31bとを有する。第1と第2
揺動プレート31a,31bは、これらの揺動プレート
31a,31bの奥側の辺に配置されたヒンジを介し
て、レーンユニット本体30aが水平姿勢を取って揺動
プレート31a,31bの全体がレーンユニット本体3
0aに近接した閉鎖位置(図2の状態ではこの閉鎖位置
が実現されているが、図示はされていない)と、レーン
ユニット本体30aが傾斜姿勢を取って揺動プレート3
1a,31bの手前側がレーンユニット本体30aから
離間した開放位置(図3に示す状態)との間で切り換え
可能に設けられている。第1と第2揺動プレート31
a,31bの手前側の辺付近には、オペレータが第1と
第2揺動プレート31a,31bを下向きに押付ける操
作に応じて、第1と第2揺動プレート31a,31bを
自動的に前記閉鎖位置に固定するロック手段(不図示)
が設けられている。逆に前記ロック手段を解除操作すれ
ば、第1と第2揺動プレート31a,31bは付勢手段
(不図示)によって自動的に開放位置に変位する。因み
に、揺動プレート31a,31bを開放位置に引き上げ
る操作は、フィルムキャリア本体10の第2部位10G
を開放姿勢に切り換えた後で初めて可能であるが、図3
では第2部位10Gを省略している。 【0019】レーンユニット本体30aには、第1と第
2搬送レーンFL1,FL2の下面(写真フィルムFの
下向き面、すなわち乳剤面と対向する)が形成されてお
り、第1と第2揺動プレート31a,31bには、第1
と第2搬送レーンFL1,FL2の上面(写真フィルム
Fの上向き面、すなわちベース面と対向する)が形成さ
れている。より具体的には、図3に示すように、第1搬
送レーンFL1の上流側の2組の搬送ローラ対Rp1
a,Rp1bと第2搬送レーンFL2の最初の搬送ロー
ラ対Rp2aを構成する各上側の各搬送ローラR1a,
R1b,R2aは、第1揺動プレート31aに支持され
ており、第1揺動プレート31aが前記閉鎖位置を取っ
た状態では、これらの各搬送ローラは、レーンユニット
本体30a側の対応位置に配置された下側の搬送ローラ
R1a,R1b,R2aに押付けられる。 【0020】同様に、第1搬送レーンFL1の下流側の
2組の搬送ローラ対Rp1c,Rp1dと第2搬送レー
ンFL2の後半の搬送ローラ対Rp2b,Rp2cを構
成する各上側の各搬送ローラR1c,R1d,R2b,
R2cは、第2揺動プレート31bに支持されており、
第2揺動プレート31bが前記閉鎖位置を取った状態で
は、これらの各搬送ローラは、レーンユニット本体30
a側の対応位置に配置された下側の搬送ローラR1c,
R1d,R2b,R2cに押付けられる。尚、レーンユ
ニット本体30aに支持された下側の搬送ローラR1
a,R1b,R1c,R1d,R2a,R2b,R2c
は、タイミングギヤとタイミングベルトを介してモータ
M1によって直接回転駆動される駆動ローラであるが、
第1揺動プレート31aと第2揺動プレート31bに支
持された上側の搬送ローラR1a,R1b,R1c,R
1d,R2a,R2b,R2cは、下側の搬送ローラR
1a,R1b,R1c,R1d,R2a,R2b,R2
cとの互いの周面の間で発生する摩擦(乃至は、各ロー
ラ対の間に挟着された写真フィルムFと前記周面との間
で発生する摩擦)に基づいて従動的に駆動される従動ロ
ーラである。 【0021】(フィルム搬送機構の巻取りユニットにつ
いて)さらに、図3、図5及び図6に示すように、フィ
ルム搬送機構20は、排出口10bの直前に配置された
固定排出ローラ対Rp1e(すなわち下側の固定排出ロ
ーラR1eと上側の固定排出ローラR1e)と、排出ロ
ーラ対Rp1eのさらに直前で、デュアルレーンユニッ
ト30の下流側端部に隣接する位置に配置された巻取り
ユニット40とを含む。巻取りユニット40は、主に排
出口10bからフィルムキャリア9外に排出させたくな
い135フィルムF1及び240フィルムF2の先端か
ら中間部位などを巻き取って一時的にフィルムキャリア
9内に保管するために設けられている。尚、巻取りユニ
ット40は、デュアルレーンユニット30側から供給さ
れてくる写真フィルムFを巻取りユニット40のドラム
41の周面上に巻き取る巻取りモード(図9(イ)の状
態)と、供給されてくる写真フィルムFを巻き取ること
なく、そのまま通過させ、下流の排出ローラ対Rp1e
に供給する通過モード(図9(ロ)の状態)との間で切
り換え可能に設けられている。他方、固定排出ローラ対
R1e,R1eは、主に、デュアルレーンユニット30
側から供給されてくる135フィルムF1を、右側の装
入口10a側に戻すことなく、左側の排出口10bから
フィルムキャリア9外に迅速に排出するために設けられ
ている。 【0022】尚、巻取りユニット40と固定排出ローラ
対R1e,R1eとは、移動可能なデュアルレーンユニ
ット30上ではなく、フィルムキャリア9内の一定の位
置に固定設置されているが、デュアルレーンユニット3
0上の各ローラ対と同様にモータM1からの回転駆動力
によって駆動される。すなわち、図5に示すように、デ
ュアルレーンユニット30の下流側端部の手前側の下面
には、モータM1の回転駆動力をデュアルレーンユニッ
ト30外に分配する出力ギヤDGが設けられており、他
方、下側本体10Lには、出力ギヤDGと噛合する入力
ギヤLGが回転自在に支持されている。この入力ギヤL
Gは、デュアルレーンユニット30の前記第1と第2位
置の間での移動に関わらず常に出力ギヤDGと噛合状態
を保持可能なように、主走査方向に非常に長い幅を備え
た形状を有する。 【0023】(2つのスキャニング操作方法について)
ところで、スキャナ装置1に本実施形態に記されたフィ
ルムキャリア9を用いた場合には、ツーパス方式とワン
パス方式と言う2種類のスキャニング操作方法が可能と
なる。図12と図13に示すように、ツーパス方式で
は、先ず、第1工程として、装入口10aから受け入れ
られた写真フィルムFを左向きに高速で搬送し、スキャ
ニングポイントSPを越えた写真フィルムFの部位を巻
取りユニット40に巻き取りながら、指定された画像駒
のプレスキャンを行い(図12(イ)並びに図13
(イ)の工程)、引き続き、第2工程として、巻き取ら
れた写真フィルムFの部位を巻取りユニット40から引
き出しながら、写真フィルムFを今度は右向きに低速で
搬送しながら搬送しながら本スキャンを行う(図12
(ロ)並びに図13(ロ)の工程)。 【0024】プレスキャンでは、スキャニングを必要と
する画像駒の位置(言い換えれば画像駒どうしの間に位
置する素抜け部の位置)の特定など補助的な情報の入手
を行うと共に、前記デジタルプリント装置などのモニタ
スクリーンに表示された画像に基づいて色補正操作等の
プレジャッジを実施するために最小限必要な低解像度の
画像データを、前記画像駒からラインCCD8によって
前記記憶部の所定領域に取込む。 【0025】本スキャンでは、プレスキャンで得られた
画像駒の位置情報などに基づいて、前記デジタルプリン
ト装置によるプリント出力などに必要な高解像度の画像
データを前記画像駒からラインCCD8によって前記記
憶部の別の所定領域に取込む。次に、前記記憶部に取込
まれた高解像度の画像データにプレジャッジで得られた
色補正条件を反映したプリントデータが作成され、前記
記憶部の前記所定領域に上書きされ、適宜プリント出力
される。プレスキャンで得られたデータは、対応する画
像駒のプリントデータの格納に応じて次々に削除される
ので、その分だけ前記記憶部の容量が小さくて済む。ツ
ーパス方式を行う場合には、135フィルムF1と24
0フィルムF2のいずれのタイプのフィルムでも、プレ
スキャン時には、デュアルレーンユニット30よりも更
に下流側に供給される写真フィルムFの部位は、一旦巻
取りユニット40に巻き取られる。 【0026】ワンパス方式では、装入口10aから受け
入れられた写真フィルムFを左向きに低速で搬送しなが
ら、指定された画像駒の一度限りのスキャンを、プレス
キャンと本スキャンを兼ねたスキャニングとして行う
(図12(ハ)及び図13(ハ)の工程)。図12
(ハ)に示すように、135フィルムF1に対してワン
パス方式を行う場合には、デュアルレーンユニット30
から下流側に供給される写真フィルムFの部位を巻取り
ユニット40に巻き取る操作は行われず、巻取りユニッ
ト40を通過モードに設定しておくことで、135フィ
ルムF1の全体が巻取りユニット40上をそのまま通過
し、下流の固定排出ローラ対R1e,R1eと排出口1
0bを介して、フィルムキャリア9から排出される。こ
れによって処理効率が向上する。図13(ハ)に示すよ
うに、240フィルムF2に対してワンパス方式を行う
場合には、デュアルレーンユニット30から下流側に供
給される写真フィルムFの部位を巻取りユニット40に
巻き取りながら、スキャニングが行われ、スキャニング
の完了後、カートリッジFCに巻き戻される。これは、
原則的に240フィルムFの端部は、専用のカートリッ
ジFCのスプール軸FC1から切り離すことなくスキャ
ニング処理されるためである。 【0027】(排出ローラ対の構成)図10に示すよう
に、固定排出ローラ対R1e,R1eもまた、レーンユ
ニット本体30aに支持された下側の搬送ローラR1e
と、レーンユニット本体30aの上面に揺動自在に支持
された第3揺動プレート31cに支持された上側の搬送
ローラR1eとからなる。そして、下側の搬送ローラR
1eは、タイミングギヤとタイミングベルトを介してモ
ータM1によって直接回転駆動される駆動ローラである
が、上側の搬送ローラR1eは、下側の搬送ローラR1
eとの互いの周面の間で発生する摩擦(乃至は、各ロー
ラ対の間に挟着された写真フィルムFと前記周面との間
で発生する摩擦)に基づいて従動的に駆動される従動ロ
ーラである。さらに、下側の搬送ローラR1eと直結し
たタイミングプーリの軸芯(伝動機構の一例)の上に
は、ワンウェイクラッチ機構33(引き込み防止機構の
一例)が介装されている。この構成の結果、モータM1
が正転駆動されると、下側の搬送ローラR1eは、レー
ンユニット本体30aの下側の各搬送ローラR1a,R
1b,R1c,R1d,R2a,R2b,R2cと同一
の周速度で回転駆動されて、135フィルムF1を左向
きに搬送するが(図10(イ)の状態)、モータM1が
逆転駆動された場合には、ワンウェイクラッチ33の作
用で、モータM1の駆動力は実質的に排出ローラ対R1
e,R1eに伝えられない(図10(ロ)の状態)。言
い換えれば、モータM1が逆転駆動された場合には、ワ
ンウェイクラッチ機構33の作用で、下側の搬送ローラ
R1eは、僅かな荷重の抵抗によって回転不能な状態に
保持される。 【0028】この搬送ローラR1eの構成は、ワンパス
方式によるスキャン操作を完了した135フィルムF1
が、排出ローラ対R1e,R1eによって排出口10b
からフィルムキャリア9外に排出された後に、ツーパス
方式によるスキャン操作を完了した135フィルムF
1、または、ツーパス方式乃至はワンパス方式によるス
キャン操作を完了した240フィルムF2が、モータM
1の逆転によって右向きに戻された場合に、先の135
フィルムF1が排出ローラ対R1e,R1eによって再
びフィルムキャリア9内に引き込まれて、例えば巻取り
ユニット40などでジャミングを起こすと言った事態を
防止するための構成である。 【0029】すなわち、ワンパス方式によってスキャン
された135フィルムF1が、排出ローラ対R1e,R
1eによって排出口10bからフィルムキャリア9外に
排出された時、もしも、135フィルムF1の端部が未
だ排出ローラ対R1e,R1eの周面に接していた場
合、モータM1の逆転によって排出ローラ対R1e,R
1eが強制的に逆転操作される構成であれば、上記のよ
うに一旦排出された135フィルムF1が再びフィルム
キャリア9内に引き込まれる虞がある。しかし、本実施
形態のフィルムキャリア9では、モータM1の回転駆動
力は、前述したようなワンウェイクラッチ内蔵型のプー
リ33を介して下側の排出ローラR1eに伝達されるよ
うに構成されているので、先行して処理済みの135フ
ィルムF1の端部が未だ排出ローラ対R1e,R1eの
周面に接している状態でモータM1の逆転操作が行われ
ても、排出ローラ対R1e,R1eは強制的に逆転操作
されず、小さな抵抗力で静止状態に保持されるので、フ
ィルムキャリア9内に引き込まれ難い。 【0030】(巻取りユニットの詳細な構造)図7と図
8に示すように、巻取りユニット40は、主に、モータ
M1の正転に応じてフィルム巻取り方向に回転駆動さ
れ、モータM1の逆転に応じてフィルム繰出し方向に回
転駆動される巻取りドラム41と、巻取りドラム41の
上流側上方に位置する軸芯X3周りで揺動自在に支持さ
れた第1ガイドアーム42と、巻取りドラム41の下流
側下方に位置する軸芯X4周りで揺動自在に支持された
第2ガイドアーム43と、巻取りドラム41の上流側下
方に位置する軸芯X5周りで揺動自在に支持された保持
アーム44とを有する。第1ガイドアーム42の先端に
は、一対の遊転ローラ42a,42aが支持されてお
り、第1ガイドアーム42の下面には、軸芯X3付近か
ら遊転ローラ42a,42a付近まで延びた案内面42
bが形成されている。案内面42bは、下向き凹面状の
断面形状を有し、写真フィルムFの先端をスムースに案
内する働きを有する。そして、第1ガイドアーム42
は、ソレノイド49によって操作されるアクチュエータ
機構50によって、遊転ローラ42a,42aが巻取り
ドラム41の周面に近接した第1姿勢(図9の(イ)の
状態)と、遊転ローラ42a,42aが巻取りドラム4
1の周面から離間した第2姿勢(図9の(ロ)の状態)
との間で切り換え操作される。 【0031】第2ガイドアーム43は鋭角な断面形状を
備えた先端部43aを有する。第2ガイドアーム43の
内面には、軸芯X4付近から先端部43aまで概して上
方に延びた第1案内面43bが形成されている。第1案
内面43bは、凹面状の断面形状を有し、写真フィルム
Fの先端を下方側にスムースに案内する働きを有する。
また、先端部43aからは、下流側に向かって水平に延
びた第2案内面43cが延びている。第2案内面43c
は平面状の断面形状を有し、写真フィルムFの先端を排
出口10b側へとスムースに案内する働きを有する。第
2ガイドアーム43は、アクチュエータ機構50によっ
て、先端部43aが前記第2姿勢にある第1ガイドアー
ム42の案内面42bよりも径方向外側に退避した第1
姿勢(図9の(イ)の状態)と、先端部43aが巻取り
ドラム41の周面に突出形成された弾性ベルト41aの
外周面よりも巻取りドラム41の中心側に進入した第2
姿勢(図9の(ロ)の状態)との間で切り換え操作され
る。第2ガイドアーム43が第1姿勢にある時、写真フ
ィルムFの先端は、巻取りドラム41に巻き取られるべ
く、第1案内面43bに沿って下方に案内される。他
方、第2ガイドアーム43が第2姿勢にある時、写真フ
ィルムFの先端は、第2案内面43cによって水平に案
内され、巻取りドラム41の上方を素通りして排出口1
0b側へと進む。 【0032】尚、保持アーム44の先端には、一対の遊
転ローラ44a,44aが支持されている。そして、保
持アーム44は、アクチュエータ機構50の作用と無関
係に常に遊転ローラ44a,44aが巻取りドラム41
の周面に押付けられるように、付勢手段(不図示)によ
って付勢されている。保持アーム44の下流側に面した
内面には、軸芯X5付近から遊転ローラ44a,44a
付近まで延びた案内面44bが形成されている。案内面
44bは、下流側を向いた凹面状の断面形状を有し、写
真フィルムFの先端を、巻取りドラム41の周面を形成
している弾性ベルト41aと遊転ローラ44a,44a
の境界部へとスムースに案内する働きを有する。 【0033】アクチュエータ機構50は、第1ガイドア
ーム42をその第1姿勢から第2姿勢に切り換える操作
と、第2ガイドアーム43をその第1姿勢から第2姿勢
に切り換える操作とを同時に行い、同様に、第1ガイド
アーム42をその第2姿勢から第1姿勢に戻す操作と、
第2ガイドアーム43をその第2姿勢から第1姿勢に切
り換える操作とを同時に行うように構成されている。第
1ガイドアーム42と第2ガイドアーム43の第1姿勢
によって、巻取りユニット40の巻取りモードが実現さ
れ、第1ガイドアーム42と第2ガイドアーム43の第
2姿勢によって、巻取りユニット40の通過モードが実
現される。尚、アクチュエータ機構50は、第1ガイド
アーム42と共通の軸芯X3周りで揺動可能な制御アー
ム50aからなり、制御アーム50aには、第1ガイド
アーム42と第2ガイドアーム43の各々を前述した要
領で揺動操作するための作用点(不図示)が形成されて
いる。尚、巻取りドラム41の軸と直結したタイミング
プーリは、ツーウェイクラッチ内臓型のプーリによって
構成されているので、モータM1の回転方向と無関係
に、巻取りドラム41の周面に働く小さな抵抗によって
静止状態に保持される。 【0034】(カートリッジ操作機構)フィルムキャリ
ア9には、専用のカートリッジFC内に収納されている
240フィルムF2をスキャニング処理するためのカー
トリッジ操作機構60が設けられている。図3と図4に
示すように、カートリッジ操作機構60は、カートリッ
ジFCを係止するためにデュアルレーンユニット30の
第2搬送レーンFL2の上流側端部に設けられたポケッ
ト状のカートリッジホルダ61と、カートリッジホルダ
61内に係止されたカートリッジFCのスプール軸FC
1の端面内に係入するようにカートリッジホルダ61の
対向する一対の壁面61a,61bから内側に突出した
1対のスピンドル62a,62bと、カートリッジFC
の開口部を開閉する遮光扉FC2の被走査軸の端面内に
係入するように奥側の壁面61aから内側に突出した扉
操作軸63と、手前側のスピンドル62bと扉操作軸6
3とを適宜のタイミングで必要な方向に回転駆動するた
めにデュアルレーンユニット30の手前側の端部に固定
されたモータM2とを有する。 【0035】カートリッジホルダ61の奥側の壁面61
aは、カートリッジFCの軸芯方向に沿って移動可能な
ブロック状部材64に形成されている。ブロック状部材
64は、図4の双方向を向いた矢印が示すように、1対
のスピンドル62a,62b間の間隔がカートリッジF
Cの長さを超える開放位置と、1対のスピンドル62
a,62bがカートリッジFCのスプール軸FC1の端
面内に係入する係止位置との間で切り換え可能になって
いる。ブロック状部材64の位置の切り換えは、フィル
ムキャリア9外に突出した第2操作ハンドルH2を介し
てオペレータの手動操作によって行われる。デュアルレ
ーンユニット30を前記第1位置に切り換え、ブロック
状部材64を開放位置にした状態で240フィルムF2
のカートリッジFCをカートリッジホルダ61内に投入
し、第2操作ハンドルH2によってブロック状部材64
を係止位置に切り換えると、自動的に、モータM2によ
って先ず扉操作軸63が駆動されて、カートリッジFC
の遮光扉FC2が開放され、次に、スピンドル62aが
駆動されて、カートリッジFCの開口部から240フィ
ルムF2が、第2搬送レーンFL2に供給されるように
構成されている。尚、第2搬送レーンFL2には、24
0フィルムF2の磁気トラック上に記録された磁気記録
の内容を読み取る磁気トラックリーダ66が配置されて
いる。磁気記録の内容は、撮影に使用されたカメラから
記録された撮影データや、前回のプリント処理を行った
プリント装置等から記録された露光条件に関しており、
現在実施しようとしているプリント用の露光操作等に反
映させることができる。 【0036】(除塵機構の構成)図4と図5に示すよう
に、フィルムキャリア9には、第2搬送レーンFL2を
通過中の240フィルムF2の面に存在する塵埃などを
物理的に除去するための除塵機構70が設けられてい
る。除塵機構70は、磁気記録リーダ66の直前に配置
された一対の無端状のクリーニングベルト71と、クリ
ーニングベルト71の手前側の端部に隣接して配置され
た除塵ブラシ74と、除塵ブラシ74に隣接するように
フィルムキャリア本体10の下側本体10Lに設けられ
た排気ファン75とを有する。図11に示すように、ク
リーニングベルト71は、デュアルレーンユニット30
のレーンユニット本体30aに支持された下側ベルト7
1aと、第1揺動プレート31a側に支持された上側ベ
ルト71bとからなる。下側ベルト71aと上側ベルト
71bはいずれも第2搬送レーンFL2の軸芯X2と直
角に延びている。下側ベルト71aと上側ベルト71b
の内側面は、軸芯X2と平行に延びた軸芯を持つタイミ
ングプーリの歯と噛合するタイミングベルトの形態を有
するが、その外側面には、クリーニング用の別珍かそれ
に類似の起毛されたファブリックシートが貼付されてい
る。 【0037】レーンユニット本体30aには、幾つかの
タイミングギヤとタイミングベルトの組み合わせを介し
てモータM1の回転軸と一体的に回転する入力ギヤ72
aが配置されており、この入力ギヤ72aと一体回転す
る軸72b上に第1中継ギヤ73aが外嵌されている。
そして、下側ベルト71aはこの第1中継ギヤ73aと
常に一体的に回転するように構成されている。また、第
1揺動プレート31aには、第1揺動プレート31aを
水平な閉鎖位置に切り換える操作に応じて初めて第1中
継ギヤ73aと噛合状態となる第2中継ギヤ73bが回
転自在に支持されており、上側ベルト71bはこの第2
中継ギヤ73bと常に一体的に回転するように構成され
ている。 【0038】尚、モータM1の正転に応じて、240フ
ィルムF2が左向きに搬送されるプレスキャンのモード
では下側ベルト71aと上側ベルト71bが回転駆動さ
れるが(図11(イ)の状態)、モータM1の逆転に応
じて、240フィルムF2が右向きに搬送される本スキ
ャンのモードでは下側ベルト71aと上側ベルト71b
が回転駆動されず、静止状態に保持される(図11
(ロ)の状態)ように、第1中継ギヤ73aと軸72b
の間にはワンウェイクラッチ機構76が介装されてい
る。これは、回転操作中のベルト71a,71bが、本
スキャンの際の240フィルムF2の搬送速度にむらを
生じる等、本スキャンのモードでの高解像度のデジタル
画像情報の取得に対して、回転駆動されるベルト71
a,71bが及ぼす影響を排除するためである。すなわ
ち、モータM1の逆転に応じて、240フィルムF2が
右向きに搬送される本スキャンのモードでは、上下のベ
ルト71a,71bは静止状態で上下の搬送レーンに配
置された単なる塵埃除去ブラシとして機能することにな
る。 【0039】除塵ブラシ74は、ベルト71a,71b
と同様に、第2搬送レーンFL2の軸芯X2と平行な軸
芯周りで回転自在に支持されており、除塵ブラシ74か
ら径方向外向きに延びた多数の剛毛体は、ベルト71
a,71bの面と直角に延び、双方のベルト71a,7
1bの面に常に押付けられている。除塵ブラシ74の一
端面側には入力用のピニオンギヤ84が一体回転するよ
うに配置されている。このピニオンギヤ84は、下側ベ
ルト71aを支持する最も手前側のタイミングプーリと
一体回転するように配置されたピニオンギヤ85と連動
するように中間ギヤを介して連結されている。従って、
除塵ブラシ74は、モータM1の正転に応じて回転操作
されるベルト71a,71bと常に同期回転され、下側
ベルト71aと上側ベルト71bの双方と逆向きに回転
駆動されて、ベルト71a,71b上に付着している塵
埃などを掻き取り、下方に送る。下方に送られた塵埃
は、下側本体10Lに設けられた排気ファン75によっ
て、フィルムキャリア本体10外に排出される。尚、装
入口10aから装入された135フィルムF1の面に存
在する塵埃を除去するための手段としては、塵埃除塵ブ
ラシ69が、第1スリットSL1よりも上流側、具体的
には、第1搬送レーンFL1上の最上流側の搬送ローラ
対Rp1aと2組目の搬送ローラ対Rp1bとの間に静
止状態で配置されている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としてのスキャナ装置の外
観斜視図 【図2】図1のスキャナ装置に設けられたフィルムキャ
リアの外観斜視図 【図3】フィルムキャリアの内部を示す斜視図 【図4】フィルムキャリアの内部を示す平面図 【図5】フィルムキャリアの回転駆動系を示す平面図 【図6】フィルムキャリアのデュアルレーンユニットの
動きを示す平面図 【図7】フィルムキャリアの巻取りユニットの要部を示
す平面図 【図8】フィルムキャリアの巻取りユニットの分解斜視
図 【図9】フィルムキャリアの巻取りユニットの動きを示
す正面図 【図10】フィルムキャリアの補助排出ローラ対の付近
を示す斜視図 【図11】フィルムキャリアの除塵機構を示す斜視図 【図12】135フィルムに実施される2つのスキャニ
ング操作方法を示す正面図 【図13】240フィルムに実施される2つのスキャニ
ング操作方法を示す正面図 【符号の説明】 1 スキャナ装置 2 スキャナ本体 9 フィルムキャリア 10 フィルムキャリア本体 10a 装入口 10b 排出口 30 デュアルレーンユニット 40 巻取りユニット 76 ワンウェイクラッチ機構 F1 135フィルム F2 240フィルム FL1 第1搬送レーン FL2 第2搬送レーン SP スキャニングポイント
観斜視図 【図2】図1のスキャナ装置に設けられたフィルムキャ
リアの外観斜視図 【図3】フィルムキャリアの内部を示す斜視図 【図4】フィルムキャリアの内部を示す平面図 【図5】フィルムキャリアの回転駆動系を示す平面図 【図6】フィルムキャリアのデュアルレーンユニットの
動きを示す平面図 【図7】フィルムキャリアの巻取りユニットの要部を示
す平面図 【図8】フィルムキャリアの巻取りユニットの分解斜視
図 【図9】フィルムキャリアの巻取りユニットの動きを示
す正面図 【図10】フィルムキャリアの補助排出ローラ対の付近
を示す斜視図 【図11】フィルムキャリアの除塵機構を示す斜視図 【図12】135フィルムに実施される2つのスキャニ
ング操作方法を示す正面図 【図13】240フィルムに実施される2つのスキャニ
ング操作方法を示す正面図 【符号の説明】 1 スキャナ装置 2 スキャナ本体 9 フィルムキャリア 10 フィルムキャリア本体 10a 装入口 10b 排出口 30 デュアルレーンユニット 40 巻取りユニット 76 ワンウェイクラッチ機構 F1 135フィルム F2 240フィルム FL1 第1搬送レーン FL2 第2搬送レーン SP スキャニングポイント
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フロントページの続き
Fターム(参考) 2H106 AB42 AB46 AB76 BA47 BA55
BA62
5C062 AA05 AB03 AB17 AB32 AC11
AC72 AD01 AE07 BA06
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】 写真フィルムを装入可能な装入口と、装
入された写真フィルムを前記装入口から延びた搬送レー
ン上で所定の速度で搬送するための主搬送機構と、写真
フィルムに担持されたアナログ画像情報を光学的に取得
してデジタル画像情報に変換するために前記搬送レーン
上に配置された画像情報取得ポイントと、写真フィルム
に担持された補助記録情報を磁気的に取得するために前
記搬送レーン上に配置された補助記録情報取得ポイント
と、写真フィルムの面に位置する異物を除去するために
前記搬送レーン上の前記補助記録情報取得ポイントの上
流側に配置されたクリーニング機構とを備え、 前記主搬送機構は、写真フィルムを前記装入口から前記
画像情報取得ポイントに向けて搬送する順送りモード
と、写真フィルムを画像情報取得ポイントから前記装入
口に向けて搬送する逆送りモードとの間で切り換え可能
に設けられ、 前記クリーニング機構は、写真フィルムの面に接当する
作用面を備える状態で回転可能に支持された無端状のク
リーニングベルトと、前記主搬送機構の回転駆動力を前
記クリーニングベルトの回転駆動軸に伝える伝動機構と
を有する画像読取装置であって、 前記伝動機構には、前記順送りモードにおける前記主搬
送機構の回転駆動力を前記クリーニングベルトの回転駆
動軸に伝え、前記逆送りモードにおける前記主搬送機構
の回転駆動力の前記クリーニングベルトの回転駆動軸へ
の伝達を遮断するワンウェイクラッチ機構が介装されて
いる画像読取装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001317937A JP2003121945A (ja) | 2001-10-16 | 2001-10-16 | 画像読取装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001317937A JP2003121945A (ja) | 2001-10-16 | 2001-10-16 | 画像読取装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003121945A true JP2003121945A (ja) | 2003-04-23 |
Family
ID=19135731
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001317937A Withdrawn JP2003121945A (ja) | 2001-10-16 | 2001-10-16 | 画像読取装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003121945A (ja) |
-
2001
- 2001-10-16 JP JP2001317937A patent/JP2003121945A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20050104 |