JP2002290673A - フィルムキャリア及びスキャナ装置 - Google Patents

フィルムキャリア及びスキャナ装置

Info

Publication number
JP2002290673A
JP2002290673A JP2001094189A JP2001094189A JP2002290673A JP 2002290673 A JP2002290673 A JP 2002290673A JP 2001094189 A JP2001094189 A JP 2001094189A JP 2001094189 A JP2001094189 A JP 2001094189A JP 2002290673 A JP2002290673 A JP 2002290673A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
photographic film
scanner device
speed
film carrier
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001094189A
Other languages
English (en)
Inventor
Michihiko Serizawa
充彦 芹澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP2001094189A priority Critical patent/JP2002290673A/ja
Publication of JP2002290673A publication Critical patent/JP2002290673A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 写真フィルムに対する搬送量の目標値と実測
値との誤差を十分小さくするための補正情報をスキャナ
装置の制御部へ出力する。 【解決手段】 フィルムキャリア100は、その機体毎
に写真フィルムに対する搬送速度の誤差を補正するため
の補正値を有し、この補正値はEEPROM360に格
納されている。スキャナ装置10のCPU342は、E
EPROM360から補正値RF,RRを読み取り、この
補正値RF,RRに基づいて基準パルス数を補正(演算)
し、この基準パルス数を定数格納部351に書き込む。
搬送制御回路350は、フィードローラ対により搬送さ
れる写真フィルムの搬送速度を制御する際には、基準パ
ルス数に基づいて単位時間当たりにフィードモータ21
0へ出力する駆動パルス数を演算し、単位時間当たりに
演算された駆動パルス数がフィードモータ210へ出力
されるようにモータドライバ354を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、写真フィルムの画
像をラインスキャンにより読み取るためのスキャナ装置
へ着脱可能に装着され、画像が記録された写真フィルム
をスキャナ装置により画像が読み取られる読取位置へ搬
送するフィルムキャリア及び、このフィルムキャリアが
着脱可能に装着されるスキャナ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】写真フィルム用のデジタルスキャナ装置
(以下、単に「スキャナ装置」という。)には、画像が
記録された写真フィルムを所定の読取速度で搬送しつ
つ、この写真フィルムの画像をCCDラインセンサ等か
らなるラインスキャナによって読み取り、この読み取り
によって得られた画像データを用いて記録材料への画像
の記録、ディスプレイへの画像の表示等を行うものがあ
る。このようなスキャナ装置では、例えば、搬送ローラ
により写真フィルムをフィルム搬送路に沿って一方向へ
搬送しつつ、ラインスキャナにより比較的にラフな解像
度で写真フィルムの画像を読み取るプレスキャニングを
行い、写真フィルムのコマ領域に記録された画像のサイ
ズやダイナミックレンジ等を確認した後、写真フィルム
の搬送方向を反転して写真フィルムを逆方向へ搬送しつ
つ、プレスキャニングにより得られたデータに基づいて
高解像度で写真フィルムの画像を読み取るファインスキ
ャニングを行う。
【0003】また、上記のようなスキャナ装置には、外
部から供給され、又はフィルム装填部に装填された写真
フィルムをラインスキャナによる画像読取位置へ搬送
し、この画像読取位置で写真フィルムをスキャニングに
対応する速度で副走査方向に沿って移動させるフィルム
キャリアが着脱可能になっているものがある。このよう
にフィルムキャリアをスキャナ装置の本体に対して着脱
可能とすることにより、画像を読み取る写真フィルムの
種類が変更になった場合でも、フィルムキャリアを写真
フィルムの種類に適合するものに交換するだけで、写真
フィルムから画像を読み取ることが可能になる。
【0004】スキャナ装置に装着されるフィルムキャリ
アには、駆動源であるステッピングモータが発生した所
定の減速比を有するトルク伝達機構によりフィードロー
ラに伝達し、このフィードローラにより写真フィルムを
挟持しつつフィルム搬送路に沿って搬送するものがあ
る。このフィルム搬送路の途中には、スキャナ装置によ
り写真フィルムがラインスキャンされる読取部が設けら
れており、この読取部を所定速度で搬送される写真フィ
ルムから画像が読み取られる。ここで、フィルムキャリ
アにおけるトルク伝達機構には、例えば、無端状のベル
ト及び複数のプーリが設けられると共に、必要に応じて
ステッピングモータとフィードローラとの間におけるト
ルク伝達を制御するためのクラッチ部材が設けられたも
のがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ようなフィルムキャリアでは、トルク伝達機構における
プーリ外径の寸法誤差、フィードローラ外径の寸法誤差
等の影響によりステッピングモータの回転速度に対応す
る設計上の写真フィルムの搬送速度(目標値)に対し、
フィードローラにより搬送される写真フィルムの実際の
搬送速度(実速度)が一致しない、すなわち写真フィル
ムの搬送速度の目標値に対して実速度に誤差が生じる。
このような写真フィルムに対する搬送速度に誤差が大き
くなると、写真フィルムにおけるスキャナ装置により画
像が読み取られる領域(走査領域)と画像が記録された
領域(コマ領域)とが一致しなくなったり、スキャナ装
置により読み取られた画像情報による再生されたプリン
ト画像に歪みが生じて再プリント画像の画質が低下する
おそれがある。
【0006】上記のような写真フィルムの搬送速度の誤
差は、例えば、フィルムキャリアにおける写真フィルム
に対する搬送速度の誤差及び方向(誤差がプラス側、マ
イナス側の何れに生じるか)を基準となるリスフィルム
を用い予め実測しておき、この誤差の大きさ及び方法に
応じ、スキャナ装置の制御部に設定された写真フィルム
の単位搬送量当たりの出力パルス数を補正すれば、消失
させ又は十分小さくできる。しかし、このような誤差の
大きさ及び方向は、フィルムキャリアの機体が異なると
異なるものになる。このため、スキャナ装置に装着され
るフィルムキャリアの機体が異なるものに交換される
と、これを換言すれば、フィルムキャリアが装着される
スキャナ装置の機体が異なるものに交換されると、写真
フィルムに対する搬送速度の目標値と実測値との間に再
び大きな誤差が生じてしまうおそれがある。
【0007】本発明の一の目的は、上記事実を考慮し
て、写真フィルムに対する搬送量の目標値と実測値との
誤差を十分小さくするための補正情報をスキャナ装置の
制御部へ出力できるフィルムキャリアを提供することに
ある。
【0008】また本発明の他の目的は、上記事実を考慮
して、装着されるフィルムキャリアが交換されても、こ
のフィルムキャリアの機体特性に応じて写真フィルムに
対する搬送量の目標値と実測値との誤差が十分小さくな
るようにフィルムキャリアの駆動手段を制御できるスキ
ャナ装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のフィルムキャリ
アによれば、情報保持手段が、制御信号により設定され
るフィルム搬送部材による写真フィルムの搬送量の目標
値と予め実測された前記目標値に対する写真フィルムの
搬送量の実測値との差から演算され、制御信号を補正す
るための補正情報をスキャナ装置の制御部により読取可
能となるように保持することにより、フィルムキャリア
による写真フィルムの搬送開始前に、スキャナ装置の制
御部がフィルムキャリアの情報保持部から補正情報を読
み取り、この補正情報に従ってスキャナ装置の制御部が
写真フィルムの搬送時に駆動手段へ出力される制御信号
を、写真フィルムに対する搬送速度の目標値と実測値と
を一致させ、又はこの誤差が十分小さくなるように補正
することが可能になる。
【0010】また本発明のスキャナ装置によれば、フィ
ルムキャリアが装着されると、制御部が、フィルムキャ
リアにおける情報保持手段により保持された補正情報を
読み取り、この補正情報に基づいて駆動手段へ出力する
制御信号を補正することにより、フィルムキャリアにお
けるフィルム搬送部材による写真フィルムの搬送量の目
標値と実測値との差を消失させ、又は十分小さくでき
る。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態に係るス
キャナ装置及びフィルムキャリアについて図面を参照し
て説明する。
【0012】(スキャナ装置の構成)図1に示されるよ
うに、スキャナ装置10は、パソコン12、マウス1
4、2種類のキーボード16,18、及びディスプレイ
20が設けられた作業テーブル22を備えている。キー
ボード16は作業テーブル22の作業面24に埋設さ
れ、作業面24と面一となっている。また、キーボード
18は、不使用時には、作業テーブル22の下面に設け
られたL字状の受け台26に収納されている。なお、作
業テーブル22の前面左側には、システム全体を立ち上
げるためのメインスイッチ28が設けられている。パソ
コン12は、作業テーブル22の下方に設けられた収納
部34に収納されてり、この収納部34の前面側に形成
された開口には開閉扉36が配置されている。
【0013】スキャナ装置10は、ネガフィルムやリバ
ーサルフィルムの写真フィルムに記録されているフィル
ム画像を読み取るためのものであり、例えば、135サ
イズの写真フィルム、110サイズの写真フィルム、及
び透明な磁気層が形成された写真フィルム(240サイ
ズの写真フィルム:所謂APSフィルム)、120サイ
ズ及び220サイズ(ブローニサイズ)の写真フィルム
のフィルム画像を読取対象とすることができる。
【0014】パソコン12は、スキャナ装置10から出
力された画像データが入力されると共に、入力された画
像データに対して補正等の画像処理を行って、記録用画
像データとして、図示しないレーザプーリンタ部へ出力
する。
【0015】図2に示されるように、スキャナ装置10
の光学系は、作業テーブル22の下方に配置された光源
部38、作業テーブル22に支持された拡散ボックス4
0、作業テーブル22にセットされるフィルムキャリア
100、及び作業テーブル22を挟んで光源部38の反
対側に配置された画像検出部42を備えている。光源部
38は金属製のケーシング44内に収容されており、ケ
ーシング44内部には、ハロゲンランプやメタルハライ
ドランプ等から成るランプ46が配置されている。ラン
プ46の光の一部はリフレクタ48によって反射され、
一定の方向へ射出される。またリフレクタ48の側方に
は、複数のファン50,52が設けられている。ファン
50,52はランプ46が点灯している間作動され、ケ
ーシング44の内部が過熱状態となることを防止する。
【0016】一方、図2及び図3に示されるように、リ
フレクタ48の光射出側には、リフレクタ48からの射
出光の光軸Lに沿って、紫外域及び赤外域の波長の光を
カットすることで写真フィルムの温度上昇を防止し読取
精度を向上させるUV/IRカットフィルタ64、ラン
プ46からの光及びリフレクタ48からの射出光の光量
を調整する絞り66、及び画像検出部42に到達する光
の色成分を、写真フィルムの種類(ネガフィルム/リバ
ーサルフィルム)に応じて適切に設定するバランスフィ
ルタ68が設けられている。絞り66は光軸Lを挟んで
配置された一対の板材から成り、一対の板材が接近離間
するようにスライドする。
【0017】拡散ボックス40は、上部になるに従っ
て、フィルムキャリア100によって搬送される写真フ
ィルムの搬送方向の長さが狭くなり、該搬送方向に直交
する方向の長さが広がる形状とされている。拡散ボック
ス40に入射された光は、フィルムキャリア100(す
なわち写真フィルム)に向けて、写真フィルムの幅方向
を長手方向とするスリット光とされ、また、光拡散板に
よって拡散光とされて射出される。このように、拡散ボ
ックス40から射出される光が拡散光とされることによ
り、写真フィルムに照射される光の光量むらが低減さ
れ、フィルム画像に均一な光量のスリット光が照射され
ると共に、フィルム画像に傷が付いていたとしても、こ
の傷が目立ちにくくなる。
【0018】画像検出部42のケーシング44の内部に
は、図3に示されるように、上面にラインCCD70が
取付けられた載置台72が設けられており、載置台72
からは支持レール74が複数本垂下されている。これら
の支持レール74には、縮小・拡大等の変倍のために作
業テーブル22と接近離間する高さ方向(矢印H方向)
にスライド移動可能にレンズユニット76が支持されて
いる。作業テーブル22には支持フレーム78が立設さ
れている。載置台72は、支持フレーム78に取り付け
られたガイドレール80に、上記変倍やオートフォーカ
ス時に共役長を確保するために作業テーブル22と接近
離間する高さ方向にスライド可能に支持されている。
【0019】レンズユニット76は複数枚のレンズから
成り、複数枚のレンズの間にはレンズ絞り82が設けら
れている。この絞り82により通過する光の光量が変化
する。ラインCCD70には、CCDセル及びフォトダ
イオード等の光電変換素子が、写真フィルムの幅方向に
一列に多数配置されかつ電子シャッタ機構が設けられた
センシング部が、間隔を空けて互いに平行に3ライン設
けられており、各センシング部の光入射側にR、G、B
の色分解フィルタの何れかが各々取付けられて構成され
ている(所謂3ラインカラーCCD)。
【0020】ラインCCD70の各センシング部の近傍
には、多数のCCDセルから成る転送部が各センシング
部に対応して各々設けられており、各センシング部の各
CCDセルに蓄積された電荷は、対応する転送部を介し
て順に転送される。またラインCCD70の光入射側に
は、CCDシャッタ84が設けられている。CCDシャ
ッタ84は、暗補正のためにラインCCD70に入射さ
れる光を遮光する全閉状態、通常の読み取りや明補正の
ためにラインCCD70に光を入射させる全開状態、リ
ニアリティ補正のためにラインCCD70に入射される
光を減光する減光状態の何れかの状態に切り替わる。
【0021】作業テーブル22内には、図3に示される
ように写真フィルムを冷却するための冷却風を生成する
コンプレッサ86が配置されている。コンプレッサ86
により生成された冷却風は、案内管88によりフィルム
キャリア100内へ供給される。これにより、写真フィ
ルムの読取部に位置する領域を冷却することができる。
なお、案内管88は、その途中に冷却風の流量を検出す
る流量センサ90が設けられている。
【0022】図4に示されるように、作業テーブル22
の上面部はフィルムキャリア100が着脱可能に装着さ
れるキャリア装着部92として構成されており、このキ
ャリア装着部92には、略矩形の開口部94が形成され
ると共に、この開口部94をテーブル幅方向に沿って挟
むように一対のガイドレール96が設置されている。作
業テーブル22の開口部94内には、拡散ボックス40
を支持した肉厚板状の防振台98が配置されており、こ
の防振台98の上面中央部からは拡散ボックス40の上
端部が突出している。
【0023】一方、フィルムキャリア100には、図4
に示されるようにベース台102及び、このベース台1
02との間に写真フィルムを搬送するためのフィルム搬
送路を形成する開閉カバー104が設けられており、こ
の開閉カバー104に窓部106が開口している。この
窓部106の周縁部には、写真フィルムに対して傾斜し
た気流ガイド面108が形成されており、案内管88を
通してコンプレッサ86から供給される冷却風は、気流
ガイド面108に沿ってフィルムキャリア100内へ流
入し、写真フィルムを冷却する。なお、スキャナ装置1
0には、135サイズの写真フィルム、APSフィルム
等の写真フィルムの種類に応じて専用のフィルムキャリ
アが装着されるが、図7には一例としてAPSフィルム
用のフィルムキャリア100が示されている。
【0024】フィルムキャリア100におけるベース台
102の下面部には、ガイド溝110及び拡散ボックス
40の上端部が入り込む凹状の挿入路(図示省略)が形成
されており、フィルムキャリア100をキャリア装着部
92へ装着する際には、キャリア装着部92の手前側に
フィルムキャリア100を載置し、ガイド溝110の内
側へ一対のガイドレール96を挿入しつつ、フィルムキ
ャリア100をキャリア装着部92の奥側へスライドさ
せて行く。これにより、フィルムキャリア100がテー
ブル幅方向に沿って位置決めされ、フィルムキャリア1
00が所定の装着位置までスライドすると、フィルムキ
ャリア100の側面に設けられた雄ボールキャッチ11
4がキャリア装着部92に設けられた雌ボールキャッチ
116と係合し、フィルムキャリア100がキャリア装
着部92にロックされて装着される。
【0025】(写真フィルムの構成)図5にはフィルム
キャリア100に装填される写真フィルム120が示さ
れている。図5(A)に示されるように、本実施形態の
フィルムキャリア100に装填される写真フィルム12
0は、一端がカートリッジ122のスプール軸124に
係止されロール状に巻き取られて収納されており、長手
方向に沿って所定間隔で画像が記録された複数の画像コ
マ126が設けられている。この写真フィルム120
は、幅方向の一端に各画像コマ126の位置に合わせて
パーフォレーション128が形成されており、それぞれ
のパーフォレーション128の間で画像コマ126に隣
接する位置に磁気情報が記録される磁気トラック130
が設けられている。この磁気トラック130には、各画
像コマ126に記録された画像の撮影時の情報、プリン
ト処理を行うときのプリントサイズ、露光条件等の種々
の情報を記録することができる。なお、パーフォレーシ
ョン128と反対側の端部に設けられている磁気トラッ
ク132には、主に撮影時の情報がカメラ等の撮影装置
によって記録されている。また写真フィルム120に
は、磁気トラック132の表面部分にバーコード印字部
134が設けられており、このバーコード印字部134
には各種の光学情報等がバーコードとして印字されてい
る。
【0026】図5(B)に示されるように、カートリッ
ジ122は、写真フィルム120の引出口135がパネ
ル状の遮光ドア136によって閉塞されて内部が遮光さ
れており、ドア軸54を回転させて遮光ドア136を開
いた後に、引出口135を通して写真フィルム120の
引出しが行われるようになっている。また、カートリッ
ジ122の一方の側面には、内部に収容している写真フ
ィルム120の処理状態を識別する表示孔138A、1
38B、138C、138Dが、スプール軸124の周
囲に設けられている。ここれらの表示孔138A〜13
8Dは、例えば、丸孔の表示孔138Aが未露光の写真
フィルム120を収容していることを表示し、半円状の
表示孔138Bが露光済で未現像であることを示し、矩
形状の表示孔138Dが写真フィルム120の現像済で
あることをカートリッジ122の内部の表示プレート1
40を回転させて表示できるようになっている。本実施
形態では、表示孔138Dによって現像済であることが
表示されているカートリッジ122がフィルムキャリア
100に装填され、写真フィルム120から画像が読み
取られる。
【0027】(フィルムキャリアの構成)図6〜12に
は本実施形態に係るフィルムキャリア100が示されて
いる。このフィルムキャリア100には、図9に示され
るようにローディングモータ150、略筒状のホルダ1
52、ローディングモータ150からのトルクにより作
動しホルダ152を所定のイジェクト位置とローディン
グ位置との間で移動させるローディング駆動部154等
からなるローディング機構156が設けられている。ホ
ルダ152は1個のカートリッジ122が挿入可能とさ
れており、このホルダ152の手前側の側端面にはホル
ダ152に対してカートリッジ122を挿入及び排出す
るための挿入口158(図11参照)が設けられてい
る。
【0028】ローディング機構156は、ホルダ152
をフィルムキャリア100の奥行方向(矢印D方向)に
沿ってイジェクト位置(図11参照)とローディング位
置(図12参照)との間で移動可能に支持しており、イ
ジェクト位置にあるホルダ152には、フィルムキャリ
ア100の外部からカートリッジ122が挿入可能にな
る。ローディング機構156は、イジェクト位置にある
ホルダ152内にカートリッジ122が挿入されると、
カートリッジ122と共にホルダ152をローディング
位置へ搬送する。このローディング位置では、カートリ
ッジ122の引出口135が後述するフィルム搬送路1
60の入口部に面する。これにより、遮光ドア136を
開放し引出口135を通してカートリッジ122内から
写真フィルム120を送り出すと、この写真フィルム1
20の先端部がフィルム搬送路160内へ送り込まれ
る。またローディング機構156は、写真フィルム12
0に対する画像読取が完了し、写真フィルム120がカ
ートリッジ122内へ巻き戻されると、カートリッジ1
22と共にホルダ152をローディング位置からイジェ
クト位置へ搬送しホルダ152内からカートリッジ12
2を自動的に排出する。
【0029】フィルムキャリア100の開閉カバー10
4は、図8に示されるようにキャリア本体であるベース
台102に対して開閉可能に支持され、閉鎖時にベース
台102の上面部を覆うようになっている。ベース台1
02には、幅方向(矢印W方向)の一端部にローディン
グ位置に搬送されてきたカートリッジ122が装填され
るフィルム装填部166が設けられており、他端部にカ
ートリッジ122から引き出された写真フィルム120
を収容するフィルム収容部168が設けられている。ま
たベース台102の上面部には、フィルム装填部166
とフィルム収容部168とを繋ぐフィルム搬送路160
が設けられており、このフィルム搬送路160は閉鎖位
置にある開閉カバー104により覆われる。
【0030】フィルム装填部166には、図11に示さ
れるようにフィルムキャリア100の奥行方向に沿って
ホルダ152を間に挟むように一対の支持部材170,
172が設けられている。ここで、オペレータから見て
奥側(図11では右側)に配置された支持部材170
は、図11に示されるように、カートリッジ122のス
プール軸124及び遮光ドア136のドア軸137にそ
れぞれに対応する駆動軸174と開閉軸176とを軸支
し、これらの駆動軸174及び開閉軸176の先端部を
ホルダ152側へ突出させている。駆動軸174及び開
閉軸176は、カートリッジ122がホルダ152と共
にローディング位置に移動すると、カートリッジ122
におけるスプール軸124及びドア軸137にそれぞれ
連結される。
【0031】一方、手前側(図11では左側)に配置さ
れた支持部材172は、ベース台102の底板上に配置
されたガイドロッド178により奥行方向に沿って移動
可能に支持されており、この支持部材172には、ロー
ディングモータ150がピニオン、ラック等からなるギ
ヤ機構を介して連結されており、ローディングモータ1
50からの駆動力により待機位置(図11参照)と連結
位置(図12参照)との間で移動可能する。支持部材1
72は、カートリッジ122のスプール軸124に対応
する中心軸180をホルダ152側へ突出させている。
この中心軸180は支持部材170における駆動軸17
4と同軸的に支持されている。
【0032】ここで、支持部材172は、ホルダ152
のイジェクト位置からローディング位置への移動に連動
し待機位置から連結位置に移動し、またホルダ152の
ローディング位置からイジェクト位置への移動に連動し
連結位置から待機位置に移動する。このとき、連結位置
に移動した支持部材172は中心軸180をローディン
グ位置に移動したカートリッジ122のスプール軸12
4に連結し、また待機位置に移動した支持部材172は
中心軸180をイジェクト位置に移動したカートリッジ
122から離脱させる。
【0033】図9に示されるように、駆動軸174はギ
ヤ列182を介してスプールモータ184に連結されて
おり、スプールモータ184からのトルクにより送出し
方向及び巻戻し方向へ回転可能とされている。また開閉
軸176はカム機構186を介してドア開閉モータ18
8に連結されており、ドア開閉モータ188からのトル
クによりカム機構186が作動すると開放方向又は閉鎖
方向へ回転する。ドア開閉モータ188は、カートリッ
ジ122がホルダ152と共にローディング位置に搬送
されてくると、カム機構186を作動させて開閉軸17
6及びドア軸137を開放方向ヘ回転させて遮光ドア1
36を開放し、またフィルム搬送路160からカートリ
ッジ122内に写真フィルム120が巻き戻されると、
開閉軸176及びドア軸137を閉鎖方向へ回転させて
遮光ドア136を閉鎖する。
【0034】スプールモータ184は、カートリッジ1
22がホルダ152と共にローディング位置に搬送され
てくると、駆動軸174及びスプール軸124を送出し
方向へ回転させ、写真フィルム120をカートリッジ1
22内からフィルム搬送路160へ送り出し、またフィ
ルム搬送路160内の写真フィルム120をフィルム収
容部168側からフィルム装填部166側へ搬送するリ
ワインド搬送時に、駆動軸174及びスプール軸124
を巻戻し方向へ回転させ、写真フィルム120をフィル
ム搬送路160からカートリッジ122内へ巻き戻す。
【0035】図10に示されるように、フィルム搬送路
160には、フィルム装填部166側からフィルム収容
部168側へ向かって順に、写真フィルム120を搬送
するための第1フィードローラ対190、第2フィード
ローラ対192及び第3フィードローラ対194が配置
されており、これらのフィードローラ対190,19
2,194は、図8に示されるようにベース台102に
設けられた駆動ローラ190A,192A,194A及
び開閉カバー104に設けられた従動ローラ190B,
192B,194Bにより構成されている。
【0036】また、これらのフィードローラ対190,
192,194を構成する駆動ローラ190A,192
A,194Aは、図7に示されるように、ローラ軸19
6,198,200により一体となって回転するように
支持されている。図8に示されるように、ローラ軸19
6,198,200には、それぞれ2個ずつ駆動ローラ
190A,192A,194Aが配置されており、これ
ら2個の駆動ローラ190A,192A,194Aは、
写真フィルム120の両端部に対応するように軸方向に
沿って互いに異なる位置に配置されている。
【0037】一方、従動ローラ190B,192B,1
94Bも同一軸上に2個ずつ配置されており、2個の従
動ローラ190B,192B,194Bはそれぞれ2個
の駆動ローラ190A,192A,194Aと当接す
る。これにより、フィードローラ対190,192,1
94は、フィルム搬送路160内の写真フィルム120
におけるパーフォレーション128が形成された両端部
のみを挟持し、写真フィルム120における画像コマ1
26には接しない。
【0038】図7に示されるように、ローラ軸196,
198,200の一端部には、終段プーリ202,20
4,206がそれぞれ固定されており、これらの終段プ
ーリ202,204,206には、トルク伝達機構20
8を介してフィードモータ210が連結されている。こ
のトルク伝達機構208には、それぞれ異なる減速比を
有する3系統のトルク伝達経路が設けられている。これ
らの3系統のトルク伝達経路は3個の電磁クラッチ21
2H,214M,216Lのオン/オフが制御されるこ
とにより何れか1系統が選択され、フィードモータ21
0から終段プーリ202,204,206へトルクを伝
達する。なお、以下の説明で、トルク伝達機構208に
おける高速、中速及び低速搬送を受け持つ構成部品の部
材番号には、それぞれ末尾に“H”、“M”及び“L”
をそれぞれ付し、また高速、中速及び低速搬送の全てに
共通の構成部品の部材番号には末尾に“C”を付すもの
とする。
【0039】トルク伝達機構208では、フィードモー
タ210の駆動軸に第1プーリ218Cが取り付けら
れ、この第1プーリ218Cには無端の第1ベルト23
0Cが巻き掛けられている。この第1ベルト230は、
フィードモータ210に対してフィルム装填部166側
に配置された第1シャフト226Cの軸方向中間部に取
り付けられた第2プーリ220Cへ巻掛けられており、
フィードモータ210から第1シャフト226へトルク
を伝達する。第1シャフト226Cの一端部部には高速
搬送用の電磁クラッチ212Hが配置されており、この
電磁クラッチ212Hの外側には第1プーリ234Hが
同軸的に配置されている。また第1シャフト226Cに
は、第1プーリ218Cと電磁クラッチ212Hとの間
に、中速搬送用の第1プーリ240Mが同軸的に取り付
けられ、第1プーリ218C外側に低速搬送用の第1プ
ーリ244Lが同軸的に取り付けられている。
【0040】先ず、フィルム搬送路160における写真
フィルム120を高速搬送する場合について説明する。
この場合、電磁クラッチ212Hがオン、電磁クラッチ
214M,216Lがそれぞれオフに制御される。これ
により、電磁クラッチ212Hにより第1シャフト22
6Cが第1プーリ134Hと一体となって回転するよう
に連結され、第1シャフト226Cの他の第1プーリ2
42M,44Lは共に空転状態となる。
【0041】第1プーリ234Hの回転は、第1ベルト
238Hにより第2プーリ236H(図9参照)に伝達
され、この第2プーリ236Hの回転は第2シャフト2
28Cに伝達される。第2シャフト228Cの第2プー
リ236Hとは反対側の端部には第3プーリ222Cが
取り付けられている。
【0042】フィルム搬送路160の下部側には、第3
フィードローラ対194のローラ軸200がフィルム搬
送路160を横断するように配置されており、このロー
ラ軸200には、軸方向に沿って奥側の一端部に第4プ
ーリ224Cが、他端部に終段プーリ206がそれぞれ
取り付けられている。第3プーリ222C及び第4プー
リ224Cには第2ベルト232Cが巻き掛けられ、こ
の第2ベルト32Cにより第3プーリ222Cの回転が
ローラ軸200に伝達される。また終段プーリ206及
び終段プーリ204には第3ベルト250Cが巻き掛け
られており、これにより、終段プーリ206の回転がロ
ーラ軸198に伝達される。
【0043】さらに、終段プーリ204及び終段プーリ
202には第4ベルト252Cが巻き掛けられており、
これにより、終段プーリ204の回転がローラ軸196
に伝達される。ここで、ローラ軸196,198,20
0の終段プーリ202,204,206は外径が互いに
等しくなっている。これにより、ローラ軸196,19
8,200は、すなわち駆動ローラ190A,192
A,194Aは同一速度(高速)で同一方向へ回転する
ことになる。
【0044】次に、フィルム搬送路160における写真
フィルム120を中速搬送する場合について説明する。
この場合は、電磁クラッチ214Mがオン、電磁クラッ
チ212H,216Lがそれぞれオフに制御される。こ
れにより、高速搬送用の第1プーリ234Hが第1シャ
フト226Cから切り離されると共に、低速搬送用の第
1プーリ244Lが空転状態になる。
【0045】図7に示されるように、第2シャフト22
8Cの中間部には、第2プーリ236H(図9参照)が
配置された一端部から第3プーリ222Cが配置された
他端部へ向かって順に、低速搬送用の第3プーリ247
L、中速搬送用の電磁クラッチ214及び第2プーリ2
41Mが配置されており、第1プーリ240M及び第2
プーリ241Mには第1ベルト242Mが巻き掛けられ
ている。電磁クラッチ214Mがオンになると、第1プ
ーリ240Mが第2シャフト228Cに連結される。こ
れにより、第1プーリ240Mの回転が第2プーリ24
1Mに伝達され、この第2プーリ241Mと一体となっ
て第2シャフト228Cが回転する。この第2シャフト
228Cの回転は、高速搬送の場合と同様に、第3プー
リ222C及び第4プーリ224Cに巻き掛けられた第
2ベルト232Cによりローラ軸200に伝達され、こ
のローラ軸200の回転は、終段プーリ202,204
に巻き掛けられた第3ベルト250C及び終段プーリ2
04,206に巻き掛けられた第4ベルト252Cによ
りそれぞれ他のローラ軸196,198に伝達される。
これにより、ローラ軸196,198,200は同一速
度(中速)で同一方向へ回転することになる。
【0046】最後に、フィルム搬送路160における写
真フィルム120を低速搬送する場合について説明す
る。この場合は、電磁クラッチ216がオン、電磁クラ
ッチ212,214がそれぞれオフに制御される。これ
により、高速搬送用の第1プーリ234Hが第1シャフ
ト226Cから切り離されると共に、中速搬送用の第1
プーリ240Mが空転状態になる。
【0047】図7に示されるように、第1シャフト22
6Cと第2シャフト228Cとの間には、低速搬送用の
第1シャフト249Lが配置されており、この第1シャ
フト249Lには、オペレータから見て手前側の他端部
に電磁クラッチ216Lが配置されると共に、この電磁
クラッチ216Lの外側に同軸的に第2プーリ246L
が配置されている。第1プーリ244L及び第2プーリ
246Lには第1ベルト248Lが巻き掛けられてお
り、電磁クラッチ216がオンになると、第2プーリ2
46Lが第1シャフト249Lに連結される。これによ
り、第1プーリ244Lの回転が第1ベルト248Lに
より第2プーリ246Lに伝達され、この第2プーリ2
46Lと一体となって第1シャフト249Lが回転す
る。
【0048】また、第2シャフト228Cに配置された
第3プーリ247L及び第2プーリ246Lには第2ベ
ルト254Lが巻き掛けられており、第1シャフト24
9Lの回転は、第2プーリ246L及び第3プーリ24
7Lに巻き掛けられた第2ベルト254Lにより第2シ
ャフト228Cに伝達される。この第2シャフト228
Cの回転は、高速及び中速搬送の場合と同様に、第3プ
ーリ222C及び第4プーリ224Cに巻き掛けられた
第2ベルト232Cによりローラ軸200に伝達され、
このローラ軸200の回転は、終段プーリ202,20
4に巻き掛けられた第3ベルト250C及び終段プーリ
204,206に巻き掛けられた第4ベルト252Cに
よりそれぞれ他のローラ軸196,198に伝達され
る。これにより、ローラ軸196,198,200は同
一速度(低速)で同一方向へ回転することになる。
【0049】トルク伝達機構208を介してフィードロ
ーラ対190,192,194に連結されたフィードモ
ータ210は5相ステッピングモータからなり、このフ
ィードモータ210に出力される駆動パルス数は300
0〜23049PPS(パルス/秒)の範囲で制御され
る。一方、高速搬送時の写真フィルム120の搬送速度
は158.5mm/秒に設定され、中速搬送時の写真フ
ィルム120の搬送速度は10〜20mm/秒の範囲で
設定され、低速搬送時の写真フィルム120の搬送速度
は2〜6.5mm/秒の範囲で設定される。すなわち、
駆動パルス数の最大値/最小値は7.68程度であるの
に対し、搬送速度の最大値/最小値は79.25程度で
あり広い範囲で変化する。このため、トルク伝達機構2
08には、それぞれ減速比が異なる3系統のトルク伝達
経路を設ける必要がある。
【0050】図7に示されるように、フィルム収容部1
68には写真フィルム120を巻き取る巻取軸260が
配置されている。この巻取軸260の奥側には終段ギヤ
262が同軸的に連結固定されており、この終段ギヤ2
62は中間ギヤ264及び始段ギヤ266と共にギヤ列
268を構成している。始段ギヤ266の回転軸270
は奥行方向に沿ってフィルム搬送路160の手前側まで
延びており、この回転軸270の先端部にはプーリ27
2が取り付けられている。このプーリ272及び終段プ
ーリ202には、ベルト274が巻き掛けられている。
これにより、巻取軸260はフィードモータ210から
のトルクにより駆動ローラ190A,192A,194
Aの回転速度に対応する速度で回転する。
【0051】開閉カバー104には、図8に示されるよ
うに巻取軸260の外周側に支持され、巻取軸260の
外周面との間にスリット状の隙間を形成するガイド部材
276が配置されると共に、巻取軸260の外周面にお
けるフィルム搬送路160の出口部に面した部位へ圧接
するガイドコロ278がプレート状のレバー部材280
を介して支持されている。これにより、写真フィルム1
20がフィルム収容部168側へ搬送されるフォワード
方向への搬送時には、フィルム搬送路160からフィル
ム収容部168に送り出された写真フィルム120は巻
取軸260外周面上に巻き取られ、また写真フィルム1
20がフィルム装填部166側へ搬送されるフォワード
方向への搬送時には、巻取軸260により巻き取られた
写真フィルム120がフィルム搬送路160へ送り出さ
れる。
【0052】またギヤ列268の始段ギヤ266には、
円板状のローレット282と一体的に成形されたローレ
ットギヤ284が噛み合っている。これにより、オペレ
ータがローレットを手動回転させると、このローレット
282からのトルクが巻取軸260及びローラ軸19
6,198,200に伝達され、巻取軸260及び駆動
ローラ190A,192A,194Aがそれぞれ回転す
る。従って、オペレータがローレット282を回転させ
ることで、巻取軸260及び駆動ローラ190A,19
2A,194Aに対する清掃作業を簡単にできるように
なる。
【0053】トルク伝達機構208におけるベルト23
0C,232C,250C,252C,238H,24
2M,248L,254L,274(以下、これらを総
称して「ベルトB」という。)にはそれぞれテンション
機構286が設けられている。このテンション機構28
6には、図13に示されるように、ベース台102の底
板部上に設けられた基台部288上に固定された支持プ
レート290が設けられており、この支持プレート29
0には揺動軸292を介してプレート状のコロレバー2
94が揺動可能に連結されている。コロレバー294の
先端部には円筒状のテンションコロ296が回動可能に
支持されており、このテンションコロ296はコロレバ
ー294の揺動によりベルトBに接離可能になってい
る。
【0054】支持プレート290とコロレバー294と
の間には、コイルスプリング298が掛け渡されてお
り、このコイルスプリング298は、テンションコロ2
96をベルトBから離間させる方向へ付勢している。ま
た支持プレート290には、揺動軸292を中心とする
周方向に沿って長円状の挿通溝300が形成されてお
り、コロレバー294には前記挿通溝300に面してネ
ジ穴(図示省略)が穿設されている。挿通溝300には固
定ネジ302が挿通し、この固定ネジ302の先端部は
コロレバー294のネジ穴に捻じ込まれている。従っ
て、固定ネジ302を緩めればコロレバー294が揺動
軸292を中心として揺動可能になり、また固定ネジ3
02を所要の締結トルクが発生するまで捻じ込むことに
より、コイルスプリング298の付勢力に抗してコロレ
バー294は揺動方向において固定される。これによ
り、固定ネジ302を緩め、テンションコロ296によ
りベルトBに所定の張力が発生するようにコロレバー2
94を揺動させた後、固定ネジ302を捻じ込むことと
により、ベルトBは所要の張力が生じた状態に維持され
る。
【0055】図8及び図9に示されるように、フィルム
搬送路160の搬送方向中央部には、写真フィルム12
0から画像を読み取るための読取部304が設けられて
いる。この読取部304には、フィルムキャリア100
の高さ方向(矢印H方向)に沿ってベース台102を貫
通するスリット孔306が設けられており、このスリッ
ト孔306は、写真フィルム120の幅方向と一致する
主走査方向に沿って細長く形成されている。また読取部
304には、スリット孔306の周縁部に額縁状の案内
部材308が設置されており、この案内部材308に
は、フィルム搬送方向に沿ってスリット孔306の開口
端部を頂部とするような逆V字状の傾斜ガイド面31
0,312が形成されている。これにより、写真フィル
ム120は案内部材308の頂部に接した状態で搬送さ
れるので、スリット孔306上での光軸方向に沿った位
置が常に一定となる。
【0056】一方、開閉カバー104には、図6に示さ
れるように、ベース台102のスリット孔306に面す
るように略矩形の窓部106が開口している。従って、
スキャナ装置10における光源部38から出射された光
は、スリット孔306を通してフィルムキャリア100
内へ入射し、写真フィルム120を透過する。これによ
り、透過光は窓部106を通してフィルムキャリア10
0からスキャナ装置10の画像検出部42に入射し、透
過光が担持するフィルム画像がラインCCD70により
読み取られる。
【0057】図9に示されるように、フィルム搬送路1
60の入口部直後には一対のパーフォセンサ316,3
18が設けられている。これら一対のパーフォセンサ3
16,318は、写真フィルム120両端部のパーフォ
レーション128に対応するように配置されており、図
10に示されるように、ベース台102に配置された発
光部316A,318Aと開閉カバー104に配置され
発光部316A,316Aにそれぞれ対面する受光部3
16B,318Bとにより構成されている。ここで、パ
ーフォセンサ316は写真フィルム120の一端部に形
成されたパーフォレーション128(図5参照)を検出
し、またパーフォセンサ318は写真フィルム120の
他端部に形成されたターンアラウンドパーフォレーショ
ン(図示省略)を検出する。
【0058】また発光部316A,318AはLED
(発光ダイオード)を光源としており、フィルム搬送路
160に写真フィルム120が供給される前の待機時に
はLEDを一定周期で間欠的に発光させ、また写真フィ
ルム120がフィルム搬送路160へ供給されて先頭の
パーフォレーション128が検出された後にはLEDを
連続発光させる。これにより、待機時におけるLEDの
発光時間が減少してLEDの寿命の遅延化が図られてい
る。
【0059】図10に示されるように、フィルム搬送路
160には、フォワード方向に沿ってパーフォセンサ3
16,318の下流側に、フィードローラ対190、ク
リーニングヘッド部322及びクリーニングローラ対3
24が順に配置されている。クリーニングヘッド部32
2は、図10に示されるように、開閉カバー104に配
置されたセラミック製のダミーヘッド322A及び、こ
れら2個のダミーヘッド322Aにそれぞれ圧接するよ
うにベース台102に配置された2個の加圧ローラ32
2Bからなり、2個のダミーヘッド322Aは、それぞ
れ写真フィルム120の両端部に設けられた磁気トラッ
ク130,132にそれぞれ圧接し、現像後も写真フィ
ルム120に残存する現像液等を磁気トラック130,
132の表面から除去する。
【0060】クリーニングローラ対324は、図10に
示されるように、ベース台102に配置された下側ロー
ル324A及び、この下側ロール324Aに当接するよ
うに開閉カバー104に配置された上側ロール324B
からなり、これらのロール324A,324Bは、フェ
ルト等の起毛され柔軟性を有する素材がシート状に加工
された塵埃吸着材が芯金の外周面に貼り合わされて構成
されている。このため、これらのロール324A,32
4Bの表面にはそれぞれ塵埃吸着材の継目(図示省略)が
形成され、この継目はローラ324A,324Bの軸方
向に対して30°程度、傾斜した方向に沿って延在して
いる。
【0061】ここで、ロール324A,324Bはそれ
ぞれワンウェイクラッチ(図示省略)を介して軸支されて
おり、このワンウェイクラッチは、写真フィルム120
がフィルム搬送路160にフォワード方向へ搬送される
場合には、ロール324A,324Bを塵埃吸着材の継
目以外の部分が接する位相まで写真フィルム120に従
動回転させて後に、ロール324A,324Bの回転を
ロックする。これにより、フォワード方向へ搬送される
写真フィルム120の裏面(乳剤面)及び表面からはロ
ール324A,324Bにより塵埃が除去される。この
とき、写真フィルム120には、ロール324A,32
4Bにおける継目が接しないので、ロール324A,3
34Bの継目から写真フィルム120への塵埃の転移が
防止される。
【0062】またワンウェイクラッチは、写真フィルム
120がフィルム搬送路160にリワインド方向へ搬送
される場合には、ロール324A,324Bをそれぞれ
写真フィルム120に従動回転させる。これにより、フ
ォワード方向への搬送時にローラ324A,324Bに
付着された塵埃が写真フィルム120に転移し、継目を
除くローラ324A,324Bの表面に塵埃が過剰に付
着し、写真フィルム120の塵埃が吸着不能になること
が防止されている。
【0063】図10に示されるように、フィルム搬送路
160には、フォワード方向に沿ってクリーニングロー
ラ対324の下流側に、磁気ヘッド部326及び磁気ヘ
ッド部328が順に配置されている。上流側の磁気ヘッ
ド部326は、開閉カバー104に配置された2個の磁
気ヘッド326A及び、これら2個の磁気ヘッド326
Aにそれぞれ圧接するようにベース台102に配置され
た2個の加圧ローラ326Bからなり、2個の磁気ヘッ
ド326Aは、写真フィルム120両端部に設けられた
磁気トラック130,132に対応するようフィルム搬
送路160の両端部にそれぞれ配置されている。これら
の磁気ヘッド326Aは、写真フィルム120の磁気ト
ラック130,132から磁気情報を読み取る。また下
流側の磁気ヘッド部328も、磁気ヘッド部326と同
様に、2個の磁気ヘッド328A及び2個の加圧ローラ
328Bからなり、これら2個の磁気ヘッド328A
は、写真フィルム120両端部に設けられた磁気トラッ
ク130,132に所定の磁気情報を書き込む。
【0064】図6及び図12に示されるように、フィル
ムキャリア100には、フィルム装填部166の上部側
に割込ガイド328が配置されている。この割込ガイド
328には、その上面側に写真フィルム120が通過可
能なフィルムガイド路330が形成されている。また割
込ガイド66は、揺動軸332を中心として待機位置
(図10(A)参照)とこの待機位置から写真フィルム
120の挿入口を上方へ所定角度だけ揺動させる割込位
置(図10(B)参照)との間で揺動可能に支持されて
おり、割込位置へ揺動するとフィルムガイド路332を
フィルム搬送路160の入口部に接続し、待機位置へ揺
動するとフィルムガイド路332をフィルム搬送路16
0から離脱させる。これにより、割込ガイド330を待
機位置から割込位置へ揺動させると、フィルムガイド路
332を通してカートリッジ122から取り出された写
真フィルム120(ストリップスフィルム及びフィルム
ピース)をフィルム搬送路160へ供給可能になり、ま
たファインスキャニングが完了した写真フィルム120
がフィルムガイド路332を通して排出可能となる。
【0065】(制御部の概略構成)図14には本実施形
態に係るスキャナ装置10の制御部340の概略構成が
示されている。制御部340は、スキャナ装置10全体
を制御するためのCPU(中央演算処理装置)342を
備えており、このCPU342には、バス344を介し
てメモリ346、ハードディスク348、ディスプレイ
20、キーボード16,18、搬送制御回路350及び
データ入出力部352が各種のデータが入出力可能とな
るように接続されている。ここで、搬送制御回路350
は、主としてフィルムキャリア100における写真フィ
ルム120の搬送を制御するためのものである。この搬
送制御回路350には、フィルムキャリア100に配置
されたモータドライバ354を介してローディングモー
タ150、ドア開閉モータ188、スプールモータ18
4及びフィードモータ210が接続されている。また搬
送制御回路350は、データが書換可能なRAM等によ
り構成された定数格納部351を備えており、この定数
格納部351には、フィルムキャリア100における写
真フィルム120の搬送等を制御するための各種の定数
が格納されている。この定数格納部351の所定の領域
には、少なくとも写真フィルム120を一定搬送量だけ
フォワード方向及びリワインド方向へ搬送する際に、フ
ィードモータ210へ出力される駆動パルス数(基準パ
ルス数NF及び基準パルスNR)が格納されている。
【0066】フィルムキャリアには、図9に示されるよ
うに奥側の側壁部にコネクタプラグ362が配置されて
おり、このコネクタプラグ362は、ケーブルを介して
フィルムキャリア100における制御基板(図示省略)に
接続されている。ここで、フィルムキャリア100をキ
ャリア装着部92へ装着すると、それに連動してコネク
タプラグ362にキャリア装着部92に配置されたコネ
クタ(図示省略)が接続される。これにより、モータドラ
イバ354はフィルムキャリア100における制御基板
上の回路を介してローディングモータ150、ドア開閉
モータ188、スプールモータ184及びフィードモー
タ210に接続される。またフィルムキャリア100の
制御基板には、EEPROM(プログラマブルROM)
360が搭載されており、このEEPROM360も制
御部340におけるデータ入出力部352に接続され
る。
【0067】モータドライバ354は、搬送制御回路3
50からの制御信号に従ってローディングモータ15
0、ドア開閉モータ188、スプールモータ184又は
フィードモータ210へ駆動電流を供給すると共に、所
定のタイミングで駆動パルスを出力する。これにより、
駆動パルスが入力したローディングモータ150、ドア
開閉モータ188、スプールモータ184又はフィード
モータ210は、入力した駆動パルス数に比例する回転
量だけ回転する。ここで、フィルムキャリア100にお
けるローディングモータ150、ドア開閉モータ18
8、スプールモータ184及びフィードモータ210へ
出力される駆動パルス数は、実行される動作に応じて搬
送制御回路350の定数格納部351に予め格納されて
いる。また搬送制御回路350は、フィルムキャリア1
00におけるトルク伝達機構208の電磁クラッチ21
2,214,216のオン/オフを制御すると共に、フ
ィルムキャリア100に配置されたパーフォセンサ31
6,318等の各種センサからの入力信号によりフィル
ムキャリア100及びフィルムキャリア100における
写真フィルム120の状態を判断する。
【0068】次に、上記のように構成されたスキャナ装
置10及びフィルムキャリア100による写真フィルム
120に対する読取動作について説明する。
【0069】スキャナ装置10のメインスイッチ28が
オンされ、かつキャリア装着部92にフィルムキャリア
100が装着されると、スキャナ装置10はフィルムキ
ャリア100に対応する写真フィルム120、すなわち
本実施形態ではAPSフィルムに対する読取待機状態に
なる。この状態で、フィルムキャリア100におけるホ
ルダ152に現像済み写真フィルム120を格納したカ
ートリッジ122が挿入されると、ローディング機構1
56はカートリッジ122と共にホルダ152をイジェ
クト位置からローディング位置へ搬送する。カートリッ
ジ122がローディング位置に達すると、これに連動し
てカートリッジ122におけるスプール軸124には駆
動軸174が、ドア軸137には開閉軸176がそれぞ
れ連結される。カートリッジ122のローディング位置
への到達後、先ず、ドア開閉モータ188が作動して開
閉軸176を所定量、開放方向へ回転させ、カートリッ
ジ122の遮光ドア136を開放する。
【0070】カートリッジ122の遮光ドア136が開
放されると、次いで、スプールモータ184が作動し、
スプール軸124に連結された駆動軸174を送出方向
へ回転させる。これにより、カートリッジ122内から
写真フィルム120の先端部がフィルム搬送路160へ
送り出される。フィルム搬送路160の入口部直後に配
置されたパーフォセンサ318により写真フィルム12
0の先頭のパーフォレーション(図示省略)が検出される
と、搬送制御回路350はモータドライバ354へ制御
信号を出力し、モータドライバ354によりフィードモ
ータ210へ駆動パルスを出力すると共に、トルク伝達
機構208における電磁クラッチ212,214,21
6のオン/オフを制御し、高速搬送用の電磁クラッチ2
12を介してフィードモータ210のトルクがフィード
ローラ対190,192,194及び巻取軸260へ伝
達されるトルク伝達経路を選択する。このとき、搬送制
御回路350は、写真フィルム120がプレスキャン速
度である158.5mm/秒の搬送速度で搬送されるよ
うに、モータドライバ354からフィードモータ210
へ出力される駆動パルスのパルスレートを設定する。
【0071】フィードモータ210がプレスキャン速度
に対応する回転速度で回転開始すると、写真フィルム1
20はフィードローラ対190により挟持されプレスキ
ャン速度で搬送開始される。
【0072】写真フィルム120の先端部がフィルム搬
送路160途中の読取部304まで搬送されてくると、
スキャナ装置10による写真フィルム120に対するプ
レスキャニングが開始され、スキャナ装置10の画像検
出部42は、スリット孔306上を通過する写真フィル
ム120に記録されたフィルム画像を低解像度で読み取
ると同時に、バーコード印字部134に印字されたバー
コードを読み取る。スキャナ装置10のCPU342
は、プレスキャニングによって得られた画像データに基
づいて写真フィルム120の各画像のアスペクト比、各
画像の濃度等の特徴量を判断する。
【0073】写真フィルム120におけるプレスキャニ
ングが完了した部分は、フィルム搬送路160からフィ
ルム収容部168へ搬出され、巻取軸260によりロー
ル状に巻き取られて行く。この後、パーフォセンサ31
8により写真フィルム120の最後尾のパーフォレーシ
ョン(図示省略)が検出され、最終の画像コマ126の位
置が判断されると、搬送制御回路350は、最終のコマ
画像が読取部304を通過しタイミングでフィードモー
タ210を停止させる。
【0074】スキャナ装置10のCPU342は、プレ
スキャニング時に得られた画像データ及びフィルム画像
のプリントサイズ等に応じて後述するファインスキャン
時の搬送速度(ファインスキャン速度)を設定する。搬
送制御回路350は、設定されたファインスキャン速度
に対応させてトルク伝達機構208の電磁クラッチ21
2,214,216のオン/オフを制御し、フィードモ
ータ210からフィードローラ対190,192,19
4へトルクを伝達するトルク伝達経路として中速又は低
速搬送用の何れかを選択する。このとき、写真フィルム
120の搬送速度が10〜20mm/秒の範囲である場
合には、電磁クラッチ214を介してトルクが伝達され
る中速搬送用のトルク伝達経路が選択され、また写真フ
ィルム120の搬送速度が2〜6.5mm/秒の範囲で
ある場合には、電磁クラッチ216を介してトルクが伝
達される低速搬送用のトルク伝達経路が選択される。
【0075】搬送制御回路350は、モータドライバ3
54によりファインスキャン速度に対応するパルスレー
トで、フィードモータ210へ駆動パルスを出力開始す
る。このとき、モータドライバ354から出力される駆
動パルスの極性はファインスキャン時とは逆になってい
る。これにより、フィードローラ対190,192,1
94により写真フィルム120が、CPU342により
設定されたファインスキャン速度でリワインド方向ヘ搬
送開始されると共に、フィルム収容部168内の写真フ
ィルム120がフィルム搬送路160へ送り出される。
【0076】写真フィルム120がファインスキャン速
度でリワインド方向ヘ搬送されるファインスキャン時に
は、画像検出部42がスリット孔306上を通過する画
像コマ126をファインスキャン速度に対応する解像度
で読み取り、このファインスキャンにより得られた画像
データを再生用の画像データとしてフレームメモリ等の
画像メモリ(図示省略)に保管する。
【0077】但し、上記プレスキャンの開始前に、予め
キーボード16,18等から写真フィルム120の特定
の画像コマ126のみをファインスキャンすることが設
定されている場合、搬送制御回路350は、特定の画像
コマ126間のファインスキャンが不要な画像コマ12
6が読取部304のスリット孔306上を通過する間
は、トルク伝達機構208を高速搬送用のトルク伝達経
路に切り換え、写真フィルム120をプレスキャン速度
でリワインド方向へ搬送する。これにより、写真フィル
ム120の全ての画像コマ126をファインスキャンす
る必要が無い場合の読取時間の短縮が図られている。
【0078】写真フィルム120におけるファインスキ
ャンが完了した部分は、フィルム搬送路160からカー
トリッジ122内へ搬出され、カートリッジ122内の
スプール軸124によりロール状に巻き取られる。パー
フォセンサ318により写真フィルム120の先頭のパ
ーフォレーションが再び検出され、この検出時から写真
フィルム120が所定量リワインド方向へ搬送される
と、搬送制御回路350は写真フィルム120全体がカ
ートリッジ122内に収容されたと判断し、フィードモ
ータ210及びスプールモータ184を停止させると共
に、ドア開閉モータ188を作動させてカートリッジ1
22の遮光ドア136を閉鎖する。
【0079】また、遮光ドア136が閉鎖されるとロー
ディング機構156は、ローディング位置にあるホルダ
152をイジェクト位置へ搬送開始し、ホルダ152が
カートリッジ122と共にイジェクト位置へ達したなら
ば、ホルダ152内からカートリッジ122を自動的に
排出する。
【0080】(実施形態の作用)次に、本実施形態に係
るスキャナ装置10及びフィルムキャリア100の作用
について説明する。フィルムキャリア100では、トル
ク伝達機構208におけるプーリ外径の寸法誤差、フィ
ードローラ対190,192,194外径の寸法誤差等
の影響によりフィードモータ210の回転速度に対応す
る設計上の写真フィルム120の搬送速度(目標速度)
に対し、フィードローラ対190,192,194によ
り搬送される写真フィルム120の実際の搬送速度(実
速度)が一致しない、すなわちフィルム搬送路160に
おける写真フィルム120の目標速度に対して実速度に
誤差が生じ得る。
【0081】本実施形態のフィルムキャリア100は、
その機体毎に写真フィルム120に対する搬送速度の誤
差を補正するための補正値を有し、この補正値はユーザ
への出荷前にフィルムキャリア100のEEPROM3
60に格納され、このEEPROM360に格納された
補正値は、出荷後においても必要に応じて適宜、新たな
値に設定し直される。
【0082】次に、上記の補正値を求めるための手順及
び補正値をフィルムキャリア100のEEPROM36
0へ格納する方法について具体的に説明する。オペレー
タは、例えば、コマ画像が所定のコマ数(例えば、3コ
マ)のみ連続的に形成された補正用フィルム(リスフィ
ルム)をフィルム搬送路160へ送り込み、このリスフ
ィルムのコマ画像が形成された部分の先端を所定の基準
位置(例えば、パーフォセンサ316の位置)に一致さ
せた後、リスフィルムにおける先頭のコマ画像先端から
最後尾のコマ画像後端までの長さ(基準長L)に対応す
る数の駆動パルスをフィードモータへ供給し、フィード
ローラ対190,192,194によりリスフィルムを
フォワード方向へ搬送し、リスフィルムの実際の搬送量
(=実測値LF)を実測する。リワインド方向について
もフォワード方向の場合と同様に、基準長Lに対応する
数の駆動パルスをフィードモータへ供給し、フィードロ
ーラ対190,192,194によりリスフィルムをリ
ワインド方向へ搬送し、リスフィルムの実際の搬送量
(=実測値LR)を実測する。
【0083】次いで、オペレータは、スキャナ装置10
のキーボード16,18等を用いて実測値LF及び実測
値LRをCPU342へ入力する。これにより、CPU
342は、入力された実測値LF及び実測値LRと予め登
録されている基準値Lとの差からフォワード方向ついて
の補正値RF及びリワインド方向ついての補正値RRをそ
れぞれ演算し、データ入出力部352を補正値RF及び
補正値RRをそれぞれEEPROM360における所定
の領域に書き込む。このとき、EEPROM360に既
に補正値RF及び補正値RRが格納されている場合には、
格納されていた補正値RF及びRRが消去され、新に書き
込まれる補正値RF及び補正値RRがEEPROM360
に格納される。
【0084】上記の補正値RF及び補正値RRは、例え
ば、下記の(1)式及び(2)式により演算される。
【0085】 RF=(1000×LF)/L−1000・・・(1) RR=(1000×LR)/L−1000・・・(2) 上記(1)式及び(2)式によれば、1000パルス当
たりの駆動パルスに対して補正すべきパルス数が補正値
F及び補正値RRとして演算される。
【0086】一方、スキャナ装置10のCPU342
は、フィルムキャリア100がキャリア装着部92に装
着されると、これに連動してEEPROM360から補
正値R F及び補正値RRを読み取り、この補正値RF及び
補正値RRに基づいて基準パルス数NF及び基準パルス数
Rを補正(演算)し、この基準パルス数NF及び基準パ
ルス数NRを搬送制御回路350の定数格納部351に
おける所定領域に上書きする。ここで、基準パルス数N
Fは、フィードローラ対190,192,194により
写真フィルム120を一定搬送量だけフォワード方向へ
搬送する際に、フィードモータ210へ出力される駆動
パルス数であり、また基準パルス数NRは、フィードロ
ーラ対190,192,194により写真フィルム12
0を一定搬送量だけリワインド方向へ搬送する際に、フ
ィードモータ210へ出力される駆動パルス数である。
【0087】搬送制御回路350は、フィードローラ対
190,192,194により搬送される写真フィルム
120の搬送速度を制御する際には、基準パルス数NF
及び基準パルス数NRに基づいて単位時間当たりにフィ
ードモータ210へ出力する駆動パルス数を演算し、単
位時間当たりに演算された駆動パルス数がフィードモー
タ210へ出力されるようにモータドライバ354を制
御する。また搬送制御回路350は、フィードローラ対
190,192,194により搬送される写真フィルム
120の搬送量を制御する際には、基準パルス数NF
び基準パルス数NRに基づいてフィードモータ210へ
出力する駆動パルス数を演算し、この演算された駆動パ
ルス数がフィードモータ210へ出力されるようにモー
タドライバ354を制御する以上説明した本実施形態に
係るスキャナ装置10及びフィルムキャリア100によ
れば、フィルムキャリア100におけるEEPROM3
60が、駆動パルス数により設定されるフィードローラ
対190,192,194による写真フィルム120の
搬送量の目標値と予め実測された前記目標値に対するリ
スフィルムの搬送量の実測値との差から演算され、フィ
ードモータ210へ出力される駆動パルス数を補正する
ための補正値RF及び補正値RRをスキャナ装置10のC
PU342により読取可能に保持することにより、フィ
ルムキャリア100による写真フィルム120の搬送開
始前に、スキャナ装置10のCPU342が、EEPR
OM360から補正値RF及び補正値RRを読み取り、こ
の補正値RF及び補正値RRに基づいてCPU342が基
準パルス数NF及び基準パルス数NRを補正(演算)し、
この基準パルス数NF及び基準パルス数NRに従ってモー
タドライバ354からフィードモータ210へ出力され
る駆動パルス数を補正することが可能になる。この結
果、フィードローラ対190,192,194により搬
送される写真フィルム120の搬送速度及び搬送量の目
標値と実測値とを一致させ、又は目標値に対する実測値
の誤差が十分小できる。
【0088】なお、本実施形態に係る説明では、スキャ
ナ装置10へ装着されるフィルムキャリア100をAP
Sフィルムから画像を読み取るためのものとしたが、他
のサイズ及び規格(例えば、135サイズ、ブローニサ
イズ等)の写真フィルムからが画像を読み取るためのフ
ィルムキャリアであっても、これらのフィルムキャリア
にEEPROM等の情報保持手段を設け、この情報保持
手段に補正値RF及び補正値RRを格納しておくことによ
り、スキャナ装置10側の構成を変更することなく、写
真フィルム120の搬送速度及び搬送量の目標値と実測
値とを一致させ、又は目標値に対する実測値の誤差が十
分小できる、という効果が得られる。
【0089】また本実施形態のフィルムキャリア100
には、補正値RF及び補正値RRを保持するEEPROM
360を設けたが、CPU342により補正値RF及び
補正値RRが読み取ることができるものであれば、情報
保持手段としてはEEPROM360に限定されるもの
ではなく、電子的又は電気的に情報を記録するどのよう
なメモリでも適用でき、また凹凸パターン等により機械
的に情報を補正値RF及び補正値RR可能な情報保持部材
をフィルムキャリア100に取り付け、スキャナ装置1
0のキャリア装着部92に設けられた読取装置により前
記情報保持部材から補正値RF及び補正値RRを読み取る
ようにしても良い。
【0090】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のフィルム
キャリアによれば、写真フィルムに対する搬送量の目標
値と実測値との誤差を十分小さくするための補正情報を
スキャナ装置の制御部へ出力できる。
【0091】また、本発明のスキャナ装置によれば、装
着されるフィルムキャリアが交換されても、このフィル
ムキャリアの機体特性に応じて写真フィルムに対する搬
送量の目標値と実測値との誤差が十分小さくなるように
フィルムキャリアの駆動手段を制御できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係るフィルムキャリアが
装着されるスキャナ装置の全体構成を示す斜視図であ
る。
【図2】 本発明の実施形態に係るフィルムキャリアが
装着されるスキャナ装置の全体構成を示す正面図であ
る。
【図3】 本発明の実施形態に係るフィルムキャリアが
装着されるスキャナ装置の全体構成を示す側面図であ
る。
【図4】 本発明の実施形態に係るフィルムキャリアが
着脱可能に装着されるスキャナ装置におけるキャリア装
着部の構成を示す斜視図である。
【図5】 本発明の実施形態に係るフィルムキャリアに
より副走査方向に沿って搬送される写真フィルム及びこ
の写真フィルムを収納したカートリッジを示す側面図で
ある。
【図6】 本発明の実施形態に係るフィルムキャリアに
おける外殻部の構成を示す斜視図である。
【図7】 本発明の実施形態に係るフィルムキャリアに
おけるフィルム搬送路及びフィードローラ対の駆動部の
構成を示す斜視図である。
【図8】 本発明の実施形態に係るフィルムキャリアに
おける開閉カバーを開放してフィルム搬送路を外部に露
出させた状態を示す斜視図である。
【図9】 本発明の実施形態に係るフィルムキャリアに
おけるフィルム搬送路、フィードローラ対の駆動部及び
ローディング機構の構成を示す平面図である。
【図10】 本発明の実施形態に係るフィルムキャリア
におけるフィルム搬送路及びフィードローラ対の駆動部
の構成を示す側面断面図である。
【図11】 本発明の実施形態に係るローディング機構
によるホルダの動作を説明するためのフィルムキャリア
の断面図であり、ホルダがイジェクト位置にある状態を
示している。
【図12】 本発明の実施形態に係るローディング機構
によるホルダの動作を説明するためのフィルムキャリア
の断面図であり、ホルダがローディング位置にある状態
を示している。
【図13】 本発明の実施形態に係るフィルムキャリア
におけるフィードモータからフィードローラ対へ駆動力
を伝達するベルトのテンション機構を示す斜視図及び側
面図である。
【図14】 本発明の実施形態に係るスキャナ装置にお
ける制御部の概略構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
10 スキャナ装置 42 画像検出部 92 キャリア装着部 100 フィルムキャリア 120 写真フィルム 160 フィルム搬送路 190 フィードローラ対(フィルム搬送部材) 192 フィードローラ対(フィルム搬送部材) 194 フィードローラ対(フィルム搬送部材) 208 トルク伝達機構 210 フィードモータ(駆動手段) 340 制御部 342 CPU(制御部) 350 搬送制御回路(制御部) 354 モータドライバ(制御部) 352 データ入出力部(制御部) 360 EEPROM(情報保持手段)
フロントページの続き Fターム(参考) 2H106 AA62 AA64 AB04 AB46 AB70 AB99 BA11 BA22 BA37 5B047 AA05 BA01 BC16 BC18 CA08 CA12 CB07 5C062 AA05 AB03 AB17 AB30 AC11 AC66 5C072 AA01 BA04 NA04 NA06 VA03

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 副走査方向に沿って搬送される写真フィ
    ルムから画像を読み取るためのスキャナ装置に着脱可能
    に装着され、画像が記録された写真フィルムを前記副走
    査方向に沿って延在するフィルム搬送路に沿って搬送
    し、該フィルム搬送路の途中にスキャナ装置により画像
    が読み取られる読取部が設けられたフィルムキャリアで
    あって、 前記フィルム搬送路に沿って配置され、該フィルム搬送
    路に供給された写真フィルムを挟持しつつ回転し、その
    回転速度に対応する搬送速度で写真フィルムを前記フィ
    ルム搬送路に沿って搬送するフィルム搬送部材と、 前記フィルム搬送部材を回転させるためのトルクを発生
    すると共に、スキャナ装置の制御部から入力する制御信
    号により回転量が制御される駆動手段と、 前記駆動手段を前記フィルム搬送部材に連結し、該フィ
    ルム搬送部材を該駆動手段の回転量に対応する回転量だ
    け回転させるトルク伝達機構と、 前記制御信号により設定される前記フィルム搬送部材に
    よる写真フィルムの搬送量の目標値と予め実測された前
    記目標値に対する写真フィルムの搬送量の実測値との差
    から演算され、前記制御信号を補正するための補正情報
    をスキャナ装置の制御部により読取可能となるように保
    持した情報保持手段と、 を有することを特徴とするフィルムキャリア。
  2. 【請求項2】 前記回転駆動部と前記フィルム搬送部材
    との間には、該フィルム搬送部材による写真フィルムの
    搬送速度に応じて選択的に作動する複数個の前記トルク
    伝達機構が並列的に設けられ、 前記情報保持手段には、前記複数個のトルク伝達機構に
    それぞれ対応する複数の前記補正情報が保持されている
    ことを特徴とする請求項1記載のフィルムキャリア。
  3. 【請求項3】 前記駆動手段は、スキャナ装置の制御部
    から出力される駆動パルスを制御信号とし、駆動パルス
    数に比例する回転量だけ回転するステッピングモータか
    らなり、 前記情報保持手段は、スキャナ装置の制御部から出力さ
    れる写真フィルムの単位搬送量当たりの駆動パルス数を
    補正するための補正情報を保持することを特徴とする請
    求項1又は2記載のフィルムキャリア。
  4. 【請求項4】 請求項1、2又は3記載のフィルムキャ
    リアが着脱可能に装着されるスキャナ装置であって、 前記フィルムキャリアが装着されると、前記情報保持手
    段により保持された前記補正情報を読み取り、該補正情
    報に基づいて前記駆動手段へ出力する制御信号を補正す
    る制御部を有することを特徴とするスキャナ装置。
JP2001094189A 2001-03-28 2001-03-28 フィルムキャリア及びスキャナ装置 Pending JP2002290673A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001094189A JP2002290673A (ja) 2001-03-28 2001-03-28 フィルムキャリア及びスキャナ装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001094189A JP2002290673A (ja) 2001-03-28 2001-03-28 フィルムキャリア及びスキャナ装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002290673A true JP2002290673A (ja) 2002-10-04

Family

ID=18948427

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001094189A Pending JP2002290673A (ja) 2001-03-28 2001-03-28 フィルムキャリア及びスキャナ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002290673A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007006008A (ja) * 2005-06-22 2007-01-11 Noritsu Koki Co Ltd フィルムスキャナ
US10676676B2 (en) 2016-04-04 2020-06-09 Arq Ip Limited Solid-liquid crude oil compositions and fractionation processes thereof
US11254886B2 (en) 2016-04-04 2022-02-22 Arq Ip Limited Fuel oil / particulate material slurry compositions and processes

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007006008A (ja) * 2005-06-22 2007-01-11 Noritsu Koki Co Ltd フィルムスキャナ
JP4525483B2 (ja) * 2005-06-22 2010-08-18 ノーリツ鋼機株式会社 フィルムスキャナ
US10676676B2 (en) 2016-04-04 2020-06-09 Arq Ip Limited Solid-liquid crude oil compositions and fractionation processes thereof
US11254886B2 (en) 2016-04-04 2022-02-22 Arq Ip Limited Fuel oil / particulate material slurry compositions and processes
US11286438B2 (en) 2016-04-04 2022-03-29 Arq Ip Limited Fuel oil / particulate material slurry compositions and processes
US11319492B2 (en) 2016-04-04 2022-05-03 Arq Ip Limited Solid-liquid crude oil compositions and fractionation processes thereof
US11718794B2 (en) 2016-04-04 2023-08-08 Arq Ip Limited Solid-liquid crude oil compositions and fractionation processes thereof

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5754314A (en) Image input system and method for reading images from an original document
JP2002290673A (ja) フィルムキャリア及びスキャナ装置
US6587658B2 (en) Image reading apparatus
JP2002287268A (ja) フィルム画像読取装置
JPH11133519A (ja) 写真フィルム搬送装置
JP3784946B2 (ja) 画像読取装置用キャリア
JP2964927B2 (ja) 画像表示装置の制御方法
JP3781335B2 (ja) フイルムキャリア
JP2685342B2 (ja) 写真フイルム搬送制御方法
JP3745100B2 (ja) フィルムキャリア
JP2003021874A (ja) フィルムキャリア
JP3836577B2 (ja) フィルムキャリア
JPH09114016A (ja) スライドキャリア
JP2947139B2 (ja) 情報検索装置
JP2002311515A (ja) フィルム画像読取装置
JPH0420962A (ja) 画像形成装置における光センサ回路
JP2003295325A (ja) 画像読取装置及び画像読取方法
JP2002296690A (ja) フィルム画像読取装置
JPH0865469A (ja) フィルム画像入力装置
JPH11125870A (ja) 磁気ヘッド及びフィルムキャリア
JP2005294989A (ja) 画像読取装置
JPH10145549A (ja) 画像入力装置
JP2005295059A (ja) 画像読取装置
JP2005278005A (ja) フィルム搬送監視システム
JPH0837618A (ja) 原稿ホルダー