JP2003121347A - グルコース濃度測定方法および測定装置 - Google Patents
グルコース濃度測定方法および測定装置Info
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- JP2003121347A JP2003121347A JP2001320439A JP2001320439A JP2003121347A JP 2003121347 A JP2003121347 A JP 2003121347A JP 2001320439 A JP2001320439 A JP 2001320439A JP 2001320439 A JP2001320439 A JP 2001320439A JP 2003121347 A JP2003121347 A JP 2003121347A
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Abstract
ルコース濃度を測定する装置において、血液中のグルコ
ース濃度を高精度で測定する。 【解決手段】 ファイバカプラ201 において、低コヒー
レンス光源部10から出射された波長805nmの低コヒーレ
ンス光L1a および波長1.2μm〜2.0μmの低コヒーレン
ス光L1bを、血管3を含む被測定点5に照射する信号光
と、参照光とに分割し、また、被測定点5の所定の深部
で反射された信号光と参照光とを合波し、低コヒーレン
ス光L1a による干渉光L5a および低コヒーレンス光L1b
による干渉光L5b を作成する。血管3内から得られた干
渉光L5a の光強度から赤血球光減衰係数を求め、血管3
内から得られた干渉光L5b の光強度から血液光減衰スペ
クトルを求め、赤血球光減衰係数(805nm)を用いて規
格化した規格化血液光減衰スペクトルの多変量解析を行
って、血中グルコース濃度を求める。
Description
ース濃度の測定方法および装置に関し、詳細には生体に
おける血中グルコース濃度を非侵襲的に測定する方法お
よび装置に関するものである。
その平均レベルは異なるが、特に糖尿病疾患に対する投
薬の要否を決定するための重要な指標値となっている。
内容、肉体的活動、その他疾患の併発等によって極短時
間の間に大きく変動する特性を有しており、急激な血中
グルコース濃度の上昇によって緊急に投薬を要する場合
も少なくない。
ついてはなるべく短い間隔で血中グルコース濃度をモニ
タすることが望まれているが、一方でこの血中グルコー
ス濃度のモニタは通常、指先を穿切して実際に採血し、
この血液を分析することにより血液中に含まれるグルコ
ースの濃度(以下、単に血中グルコース濃度という)を
測定することにより行なわれており、この穿切に伴う痛
みのため患者に1日に何回も測定を強要するのは困難な
状況にある。
侵襲型(侵入型)の測定に代えて、痛み等を伴わない非
侵襲型(非侵入型)のグルコース濃度測定装置が種々提
案されている。
濃度、例えば人の眼球部の角膜と水晶体との間にある前
眼房を満たす眼房水中のグルコース濃度や、細胞間質液
などのグルコース濃度は、個人差はあるものの血中グル
コース濃度と極めて高い相関関係を有していることに着
目し、これらのグルコース濃度を低コヒーレンス光によ
る光干渉計測を用いて測定することにより、血中グルコ
ース濃度を推定するものである。
/眼房水境界と眼房水/水晶体境界間の光学的光路長を
求め、グルコース濃度を得る装置が開示されている。ま
た、特開平9-299333号には、角膜/眼房水境界と眼房水
/水晶体境界における反射光に基づいて、眼房水の光減
衰特性を求めて、グルコース濃度を得る装置が、本発明
者等により提案されている。また、特開平11-239567号
には、角膜/眼房水境界と眼房水/水晶体境界における
反射光に基づいて、眼房水屈折率を求めて、グルコース
濃度を得る装置が、本出願人により提案されている。
の複数波長を用いて、生体組織における光減衰特性を求
めて、グルコース濃度を得る装置が開示されている。さ
らに、「Optics Letters Vol.26,No13 P992-994」(by I
rina V. Larina et.al 2001)には、細胞間質液の散乱
係数を求めて、グルコース濃度を得る装置が記載されて
いる。
は、血中グルコース濃度と、眼房水や細胞質間液等の生
体組織におけるグルコース濃度との相関には、時間遅れ
が存在し、このために血中グルコース濃度の測定精度が
悪化するという問題がある。すなわちリアルタイムでの
血中グルコース濃度の変化を知るためには、血管内の血
液のグルコース濃度に直接関連するパラメータを計測す
ることが望ましい。
号、特開平9-299333号および特開平11-239567号に記載
された装置では、角膜/眼房水境界あるいは眼房水/水
晶体境界等の反射境界部における反射光を用いて光学的
光路長や、光吸収特性、屈折率等のパラメータを取得し
ているため、このような装置を用いて血管内血液のグル
コース濃度に関連するパラメータを取得することは不可
能である。
Letters Vol.26,No13 P992-994」(by Irina V. Larina
et.al 2001)に記載された装置を利用すれば、原理的
には血管内血液の光減衰特性(光吸収特性+散乱特性)
を得ることは可能であるが、血液中には、赤血球等の光
減衰特性に影響を与える物質が多く、これらの影響によ
りグルコース濃度を精度良く検出することが困難であ
る。また血中の赤血球数は、個人差があるうえに、同一
人物であっても、健康状態により変化するため、赤血球
による光減衰特性等を数学的処理により補正することが
難しく、一層血中グルコース濃度の測定が困難となる。
グルコース濃度を非侵襲的に精度良く測定する装置およ
び方法を提供することをも目的とするものである。
濃度測定方法は、波長750nm〜850nm内の所定の波長帯域
である第1波長帯域の第1低コヒーレンス光と、波長1.
4μm〜1.8μmを含む第2波長帯域の第2低コヒーレン
ス光を射出し、該第1低コヒーレンス光および第2低コ
ヒーレンス光を信号光と参照光に分割し、前記信号光を
血管を含む被測定点に照射し、前記信号光の前記血管内
の血液からの反射光と前記参照光とを干渉させ、前記第
1波長帯域および第2波長帯域毎に反射光と参照光の干
渉光の光強度を測定し、測定された前記第1波長帯域に
おける干渉光の光強度に基づいて、前記血液中の赤血球
数に対応した赤血球光減衰特性を求め、また前記第2波
長帯域における干渉光の光強度に基づいて、前記血液の
光減衰特性である血液光減衰特性を求め、前記赤血球光
減衰特性および血液光減衰特性に基づいて、前記血液中
のグルコース濃度を算出することを特徴とするものであ
る。
ントを前記被測定点に一致させるには、上記被測定点近
傍の画像を取得し、該画像に基づいて、前記信号光によ
る照射ポイントを制御するようにしてもよい。また、上
記被測定点近傍の光断層画像を取得し、該光断層画像に
基づいて、前記信号光による照射ポイントを制御するよ
うにしてもよい。
波長750nm〜850nm内の所定の波長帯域である第1波長帯
域の第1低コヒーレンス光と、波長1.4μm〜1.8μmを
含む第2波長帯域の第2低コヒーレンス光とを射出する
低コヒーレンス光源部と、該低コヒーレンス光源部から
射出された前記第1低コヒーレンス光および第2低コヒ
ーレンス光を異なる光路内を伝搬する信号光と参照光に
分割し、前記信号光を血管を含む被測定点に照射し、前
記参照光の光路長を調整し、前記信号光の前記血管内の
血液からの反射光と前記参照光とを干渉させる分波・合
波手段と、前記第1波長帯域および第2波長帯域毎に反
射光と参照光の干渉光の光強度を測定する光強度測定手
段と、該光強度測定手段により測定された前記第1波長
帯域における干渉光の光強度に基づいて、前記血液中の
赤血球数に対応した赤血球光減衰特性を求め、また前記
第2波長帯域における干渉光の光強度に基づいて、前記
血液の光減衰特性である血液光減衰特性を求め、前記赤
血球光減衰特性および前記血液光減衰特性に基づいて、
前記血液中のグルコース濃度を算出するグルコース濃度
算出部とを備えたことを特徴とするものである。
置においては、「血管を含む被測定点」とは、該被測定
点に信号光を照射することにより、被測定点の内側に存
在する血管に信号光が達する点を意味し、例えば血管が
皮下血管であれば、血管を被う皮膚上の一点を意味し、
血管が眼底血管であれば、血管の一点を意味している。
低コヒーレンス光と第2低コヒーレンス光を単一の光路
により導光するものであってもよいし、異なる光路を用
いて別個に導光するものであってもよい。
コヒーレンス光を射出する第1光源部と、前記第2低コ
ヒーレンス光を射出する第2光源部とを備えたものであ
れば、上記第2光源部は、超短パルス光を射出するパル
ス光源部と、該パルス光源部から射出された超短パルス
光の波長帯域を前記第2波長帯域を含む波長帯域まで拡
大する波長帯域拡大手段とを備えたものとすることがで
きる。
パルス光を射出するパルス光源部と、該パルス光源部か
ら射出された超短パルス光の波長帯域を前記第1波長帯
域から前記第2波長帯域までの波長を含む波長帯域まで
拡大する波長帯域拡大手段とを備えたものとすることも
できる。すなわち、このような場合には、1種類のパル
ス光のなかに、第1低コヒーレンス光と第2コヒーレン
ス光が含まれることとなる。
あるいは半導体レーザを用いることができる。また、上
記波長帯域拡大手段としては、前記パルス光源部から射
出された超短パルス光を伝搬させ、かつ該超短パルス光
の波長帯域において負分散特性を有するファイバを用い
ることができる。該負分散特性を有するファイバとして
は、零分散ファイバあるいはフォトニッククリスタルフ
ァイバを用いることができる。
なると波長分散(ps/nm/km)の値が小さくなることを意
味し、上記超短パルス光が、このような特性を備えるフ
ァイバを伝搬すると、そのパルス幅が圧縮され、波長帯
域が拡大される。またこの波長帯域が拡大された超短パ
ルス光は、低コヒーレンス光源部から低コヒーレンス光
として射出されるものである。
照射ポイントを移動する照射ポイント設定手段を備えた
ものとすることができる。
置は、前記被測定点近傍の画像を取得する画像取得手段
と、該画像取得手段に取得された画像を表示する表示手
段とをさらに備えたものであってよい。また、前記被測
定点近傍の画像を取得する画像取得手段と、該画像取得
手段により取得された画像に基づいて、前記照射ポイン
ト設定手段を制御して、前記信号光による照射ポイント
を設定する照射ポイント設定手段とをさらに備えたもの
であってもよい。なお画像取得手段は、前記低コヒーレ
ンス光源部から射出された低コヒーレンス光を照明光と
して用いるものであってもよい。
定手段は、前記被測定点近傍の光断層画像を取得する光
断層画像取得手段と、該光断層画像取得手段により取得
された光断層画像を表示する表示手段とをさらに備えた
ものであってもよい。また、前記被測定点近傍の光断層
画像を取得する光断層画像取得手段と、該光断層画像取
得手段により取得された光断層画像に基づいて、前記照
射ポイント設定手段を制御して、前記信号光による照射
ポイントを前記被測定点に一致させる照射ポイント設定
手段とをさらに備えたものであってもよい。なお、光断
層画像取得手段は、前記低コヒーレンス光源部および前
記分波・合波部の一部を用いて光断層画像を取得するも
のであってもよい。
あってもよい。
グルコース濃度の変化を知るためには、血管内の血液の
グルコース濃度に直接関連するパラメータを計測するこ
とが望ましい。このグルコース濃度に直接関連するパラ
メータとしては、グルコースによる光吸収特性等が挙げ
られる。
μmの赤外波長帯域に存在するが、この波長帯域の光
は、水により光吸収されてしまうため、生体内の計測に
は適していない。また、1.4μm〜1.8μmの波長帯域で
は、グルコースに含まれるC−Hの振動・回転光吸収の
倍音による光吸収が存在する。しかし、この波長帯域に
おいては、グルコースによる光吸収以外に、脂質等によ
る光吸収や、赤血球による散乱などが存在し、これらが
加算され、血液の光減衰が構成されている。特に、上記
の1.4μm〜1.8μmの波長帯域では、赤血球による光吸
収は少ないものの、散乱により、血液の光減衰特性は大
きく影響される。前述したように、赤血球数は個人差が
大きいうえ、同一人物においても、体調などにより変化
するため、赤血球などによる光減衰を数学的処理により
補正することが難しく、この波長帯域の血液の光減衰特
性のみから血中グルコース濃度を精度良く算出すること
できない。一方750nm〜850nmの波長帯域では、グルコー
スによる光吸収はほとんど存在しないが、赤血球による
光吸収と散乱が存在する。また通常赤血球の光吸収は、
赤血球内のヘモグロビンの酸化・還元状態により異なる
が、上記の750nm〜850nmの波長帯域では、酸化・還元状
態によらずほぼ一定であるため、この波長帯域における
光減衰特性の変動は、主として赤血球数の変動によるも
のである。
び装置においては、波長750nm〜850nm内の所定の波長帯
域である第1波長帯域の第1低コヒーレンス光と、波長
1.4μm〜1.8μmを含む第2波長帯域を含む第2低コヒ
ーレンス光を射出し、該第1および第2低コヒーレンス
光を信号光と参照光に分割し、前記信号光を血管を含む
被測定点に照射し、前記参照光の光路長を調整し、前記
信号光の前記血管内の血液からの反射光と前記参照光と
を干渉させ、前記第1波長帯域および第2波長帯域毎に
反射光と参照光の干渉光の光強度を測定し、測定された
前記第1波長帯域における干渉光の光強度に基づいて、
前記血液中の赤血球数に対応した赤血球光減衰特性を求
め、また前記第2波長帯域における干渉光の光強度に基
づいて、前記血液の光減衰特性である血液光減衰特性を
求めている。この血液光減衰特性は、グルコース以外の
血液成分による光減衰特性とグルコースによる光吸収特
性とが、加算されている光減衰特性である。上記グルコ
ース以外の血液成分による光減衰特性は、主に赤血球数
の変動により変動し、グルコースによる光吸収特性はグ
ルコース濃度により変動する。このため、赤血球減衰特
性(750nm〜850nm)を用いて、上記血液光減衰特性(1.4
μm〜1.8μm)の多変量解析を行うことにより、血中
グルコース濃度を算出することができるので、血管部血
液中のグルコース濃度を非侵襲的に精度良く測定するこ
とが可能となる。
ス光源部が、前記第1低コヒーレンス光を射出する第1
光源部と、前記第2低コヒーレンス光を射出する第2光
源部とを備えたものであり、第2光源部が、超短パルス
光を射出するパルス光源部と、該パルス光源部から射出
された超短パルス光の波長帯域を前記第2波長帯域を含
む波長帯域まで拡大する波長帯域拡大手段とを備えたも
のである場合には、第1光源部および第2光源部とも
に、簡易な構成を有する安価な光源部を用いることがで
きる。
超短パルス光を射出するパルス光源部と、該パルス光源
部から射出された超短パルス光の波長帯域を前記第1波
長帯域から前記第2波長帯域までの波長を含む波長帯域
まで拡大する波長帯域拡大手段とを備えたものを用いる
場合であれば、光源部を1つ使用するのみでよいため、
簡易な構成で、小型化された低コヒーレンス光源部を実
現することができる。
使用する場合には、高出力の超短パルス光を容易に得る
ことができる。また、上記パルス光源として、半導体レ
ーザを使用する場合には、パルス光源を小型化すること
ができる。
記パルス光源部から射出された超短パルス光を伝搬さ
せ、かつ該超短パルス光の波長帯域において負分散特性
を有するファイバを用いる場合であれば、このようなフ
ァイバは、その長さを任意に設定可能であり、所望の波
長帯域まで、波長帯域を容易に拡大することができる。
該負分散特性を有するファイバとして、零分散ファイバ
を用いれば、低コストで波長帯域を拡大することができ
る。また、負分散特性を有するファイバとして、フォト
ニッククリスタルファイバを用いれば、所望の波長に対
して負分散特性を得ることができるため、所望の波長に
対して、波長帯域を拡大することができる。
照射ポイントを設定する照射ポイント設定手段を備えた
ものであれば、容易に照射ポイントを被測定点へ一致さ
せることができる。
被測定点近傍の画像を取得する画像取得手段と、該画像
取得手段に取得された画像を表示する画像表示手段とを
さらに備えたものであれば、測定者は、画像表示手段に
表示された画像から血管を視認することができ、被測定
点の選択および照射ポイントの設定を容易に行うことが
できる。
取得手段と、該画像取得手段により取得された画像に基
づいて、前記照射ポイント設定手段を制御して、前記信
号光による照射ポイントを前記被測定点に一致させる照
射ポイント制御手段とをさらに備えたものであれば、照
射ポイントを被測定点へ一致させる際の煩わしい手動操
作が不要になる。
部から射出される低コヒーレンス光を照明光として用い
る場合であれば、この低コヒーレンス光は近赤外光であ
り、生体における透過特性が良好であるため、取得され
た画像上には血管の位置がより鮮明に表示される。
取得する光断層画像取得手段と、該光断層画像取得手段
により取得された光断層画像を表示する光断層画像表示
手段とを備えたものであれば、測定者は、光断層画像表
示手段に表示された光断層画像から血管を視認すること
ができ、被測定点の選択および照射ポイントの設定を容
易に行うことができる。
得する光断層画像取得手段と、該光断層画像取得手段に
より取得された光断層画像に基づいて、前記照射ポイン
ト設定手段を制御して、前記信号光による照射ポイント
を前記被測定点に一致させる照射ポイント設定手段とを
備えたものであれば、照射ポイントを被測定点へ一致さ
せる際の煩わしい手動操作が不要になる。
レンス光源部および前記分波・合波部の一部を用いて光
断層画像を取得するものであれば、光断層画像取得手段
を別個に設ける必要がない。
場合であれば、生体の任意の部位において、血中グルコ
ース濃度を測定することができる。また、上記血管とし
て、眼底血管を用いれば、血管を覆う皮膚などの生体組
織による光減衰の影響が少なく、精度よく血中グルコー
ス濃度を測定することができる。
施形態であるグルコース濃度測定装置について図1を参
照して説明する。図1は本発明によるグルコース濃度測
定装置の概略構成図である。
ヒーレンス光としての、波長805nmの低コヒーレンス光L
1a と、第2低コヒーレンス光としての、中心波長1.56
μmでスペクトル幅が約800nm(1.2μm〜2.0μm)で
ある低コヒーレンス光L1b とを射出する低コヒーレンス
光源部10と、この低コヒーレンス光源部10から出射され
た低コヒーレンス光L1a およびL1b をそれぞれ参照光L2
a および信号光L3a と、参照光L2b と信号光L3b へ分割
および合波を行うファイバ結合光学系20と、参照光L2a
およびL2b の光路上に配され、参照光L2a およびL2b の
光路長を調整する光路調整部30と、信号光L3a およびL3
b による照射ポイントを設定する照射ポイント設定部40
と、被測定点5の所定の深度で反射された反射光L4a と
参照光L2a との干渉光L5a および反射光L4b と参照光L2
b との干渉光L5b の光強度をそれぞれ検出するバランス
差分検出部50と、該バランス差分検出部50で検出された
干渉光L5a およびL5b の光強度に基づいて、血液中の赤
血球数に対応した赤血球光減衰係数と血液の光減衰スペ
クトルである血液光減衰スペクトルを求め、赤血球光減
衰係数および血液光減衰スペクトルに基づいて、血中グ
ルコース濃度を求めるグルコース濃度算出部60と、グル
コース濃度算出部60で得られた血中グルコース濃度を表
示する表示部70と、被測定点5近傍の観察部4の画像を
取得するCCD801からなる画像取得部80と、該画像取
得部80で取得された画像に基づいて、信号光の照射ポイ
ントを制御する照射ポイント制御部90とから構成される
ものである。
スペクトル幅約20nmの連続光である低コヒーレンス光L1
a を射出する第1光源部101 と波長帯域1.2μm〜2.0μ
m、パルス幅十数fsの低コヒーレンス光L1b を射出する
第2光源部102 と、低コヒーレンス光L1a と低コヒーレ
ンス光L1b とを合波するファイバカプラ103 とを備えて
いる。
を射出するSLD(Supper Luminescent Diode)104 お
よび低コヒーレンス光L1a を導光するファイバ105 およ
びSLD111 から射出された低コヒーレンス光L1a をフ
ァイバ105 へ導入する集光レンズ106 とから構成されて
いる。
(fs)オーダーである超短パルス光を射出するパルス光源
部108 と、該パルス光源部108 から射出された超短パル
ス光の波長帯域、すなわちスペクトル幅を拡大する波長
帯域拡大部109 とを備えている。
心波長1.56μmでスペクトル幅が約20nmの超短パルス光
を射出するモード同期Er添加ファイバレーザであり、
Er添加ファイバ110 と、該Er添加ファイバ110 に導
入される980nmの励起光を射出する励起用SLD111
と、該励起光を導光するファイバ112 と、励起光をEr
添加ファイバ110 へ導入するファイバカプラ113 と、過
飽和光減衰ミラーである全反射ミラー114と、パルス光
を後段の波長帯域拡大部109 へ導入する光コネクタ115
とから構成されている。なおEr添加ファイバ110 の出
射端側には出力ミラーとなるファイバブラッググレーテ
ィング116 が形成されている。
波長1.56μm前後において、負分散特性を有する零分散
ファイバ118 および零分散ファイバ118 でスペクトル幅
(波長帯域)が拡大された超短パルス光(低コヒーレン
ス光L1b)を導光するシングルモード光ファイバである
ファイバ119 と、零分散ファイバ111 とファイバ119を
接続する光コネクタ120 とから構成されている。一般
に、超短パルス光では、図3に示すように、長波長成分
1が先に進み短波長成分2が後になりパルス幅が広がっ
ている。このような超短パルス光を負分散特性を有する
ファイバで伝搬させると、パルス幅が圧縮される。ま
た、通常超短パルス光においては、不確定性の原理か
ら、パルス幅の逆数がスペクトル幅にほぼ比例するた
め、パルス幅を圧縮することにより、スペクトル幅を拡
大することができる。このため、パルス光源部108 から
射出された超短パルス光は、波長帯域拡大部109 におい
て、さらにパルス幅が圧縮され、そのスペクトル幅が、
図4に示すように約800nm程度まで拡大される。
域が拡大された超短パルス光、すなわち低コヒーレンス
光L1bと、前述の第1光源部101 から射出された低コヒ
ーレンス光L1a とが、ファイバカプラ103 で合波され、
ファイバ105 によりファイバ結合光学系20へ導光され
る。
光源部10から出射された低コヒーレンス光L1a およびL1
b を信号光L3a およびL3b と参照光L2a およびL2b とに
分割し、また信号光L3a およびL3b の被測定点5の所定
の深部からの反射である反射光L4a およびL4bと、参照
光L2a およびL2b とを合波し、干渉光L5a およびL5bを
得るファイバカプラ201 と、低コヒーレンス光源部10と
ファイバカプラ201 の間に設けられ、低コヒーレンス光
L1a およびL1b とをファイバ結合光学系20へ導入するフ
ァイバカプラ202 と、ファイバカプラ201 および202 を
介して光路調整部30とバランス差分検出部50を繋ぐシン
グルモード光ファイバであるファイバ203 と、ファイバ
カプラ201 を介して照射ポイント設定部40とバランス差
分検出部50を繋ぐシングルモード光ファイバであるファ
イバ204 と、ファイバ203 およびファイバ204 から射出
された干渉光L5a およびL5b をそれぞれ平行光へ変換す
るレンズ205 およびレンズ206 と、該レンズ205 および
レンズ206 により平行光に変換された干渉光L5a および
L5b の波長帯域を1.0μm以下の波長帯域の光、すなわ
ち干渉光L5a と、1.0μmより長い波長帯域の光、すな
わち干渉光L5b とに分割するダイクロイックミラー207
および208 と、ミラー209 およびミラー210とを備えて
いる。なお、ダイクロイックミラー207 および208 は、
1.0μm以下の波長帯域の光を透過し、1.0μmより長い
波長帯域の光を反射する。ファイバ203および204 はシ
ングルモード光ファイバである。
れた参照光L2を平行光に変換し、また反射された参照光
L2をファイバ203 へ入射させるレンズ301 と、図1にお
ける水平方向への移動により参照光L2の光路長を変化さ
せるプリズム302 とを備えている。
する照射ポイントを、図1における上下方向および図1
に対する垂直方向へ移動させるためのミラー401 および
402と、ファイバ204 から射出された信号光L3aおよびL3
bを平行光へ変換し、かつ被測定点5で反射した反射光L
4をファイバ204 に入射させるレンズ403 と、信号光L3
を照射ポイントへ集光し、かつ反射光L4を集光するレン
ズ404 と、ミラー401および402 の角度を設定するミラ
ー操作部405 と、被測定部5近傍の像を画像取得部80へ
反射させるためのハーフミラー406 とを備えている。な
お、ハーフミラー406 は、不図示の出入機構により、画
像を取得する際のみ、光路上に挿入される。
ら射出された干渉光L5a の光強度を測定する光検出器50
1 と、ファイバ203 から射出された干渉光L5b の光強度
を測定する光検出器502 と、ファイバ204 から射出され
た干渉光L5a の光強度を測定する光検出器503 と、ファ
イバ204 から射出された干渉光L5b の光強度を測定する
光検出器504 と、光検出器501 の検出値と光検出器503
の検出値の入力バランスを調整し、ノイズ成分やドリフ
ト成分を相殺した上で、差分を増幅する差動増幅器505
と、光検出器502 の検出値と光検出器504 の検出値の入
力バランスを調整し、ノイズ成分やドリフト成分を相殺
した上で、差分を増幅する差動増幅器506 とを備えてい
る。
5 から出力された干渉光L5a の光強度に基づいて、血液
中の赤血球数に対応する赤血球光減衰係数を求める光減
衰係数取得部601 と、差動増幅器506 から出力された干
渉光L5b の光強度に基づいて、血液の光減衰スペクトル
に対応した血液光減衰スペクトルを求める光減衰スペク
トル取得部602 と、また赤血球光減衰係数および血液光
減衰スペクトルに基づいて、血液中のグルコース濃度を
算出するグルコース濃度取得部603 とを備えている。
出部50で検出された干渉光L5a の光強度のうち、血管3
内の血液部から取得された光強度に基づいて、波長805n
mにおける光減衰係数を求めるものである。750nm〜850n
mの波長帯域では、グルコースによる光吸収はほとんど
存在しない。また、赤血球が酸素と結合している酸化型
と、結合していない還元型の光吸収スペクトルがほぼ等
しくなるため、酸化型赤血球と還元型赤血球の比率に左
右されずに、赤血球等による光減衰(光吸収+光散乱)
を計測することができる。すなわち、血液部から得られ
た干渉光L5a の光強度から、赤血球数に対応した光減衰
係数を求めることができる。
血液部から求めた干渉光L5b の光強度のフリンジパター
ンから取得した信号に対して、ウエブレット(wavelet)
変換などを行い、干渉光L5b に含まれる分光情報を取り
出すことにより、血液の1.2μmから2.0μmの波長帯域
における光減衰スペクトルである血液光減衰スペクトル
を算出する。なお、このように低コヒーレンス光の干渉
により生じるフリンジパターンを測定することにより、
被測定点における分光情報を取得する装置は、分光型の
OCT装置として知られ、生体組織等の微細構造の観察
などに利用されている。例えば、「OPTICS LETTERS,Vo
l.25,No.2 P.111〜113」(U.Morgner,他6名著,2000
年)には、チタンサファイアレーザ等からなる光源から
出射された低コヒーレンス光を、信号光と参照光に分割
し、信号光を被測定組織に入射させて該被測定組織の所
定の深度で反射した反射光と参照光とを干渉させ、その
干渉光の強度を測定し、フーリエ変換などの信号処理を
施して、干渉光に含まれる分光情報を取り出すことによ
り、光断層情報を取得する分光型のOCT装置の構成お
よび動作原理の詳細が記載されている。このような分光
型のOCT装置では、参照光の光路上に配置した可動ミ
ラー等を微少移動させ、参照光の光路長を僅かに変化さ
せることにより、参照光の光路長と信号光の光路長が一
致した、被測定組織の深度での分光情報を得ることがで
きる。
ず、光減衰係数取得部601 において取得された赤血球光
減衰係数により、光減衰スペクトル取得部602 で取得さ
れた血液光減衰スペクトルを規格化し、規格化血液光減
衰スペクトルを求め、この規格化血液光減衰スペクトル
の多変量解析を行い、血中グルコース濃度を求める。上
記規格化血液光減衰スペクトルは、赤血球光減衰係数に
よる規格化により、赤血球数に依存しない減衰スペクト
ルとなるため、この減衰スペクトルの多変量解析を行う
ことにより、精度よくグルコース濃度を求めることがで
きる。
ス濃度測定装置の動作について説明する。実際の測定を
行う前に、皮下血管である血管3が観察可能な観察部4
の画像を取得し、この観察部4の画像に基づいて、信号
光L3aおよびL3bの照射ポイントを被測定点5と一致させ
る。このために、まず照射ポイント設定部40のハーフミ
ラー406 を光路上へ挿入する。観察部4の光像は、ハー
フミラー406 により反射され、結像レンズ802 により、
CCD801 上に結像される。画像取得部80で取得された
観察部4の画像は、照射ポイント制御部90へ出力され
る。照射ポイント制御部90では、観察部4の画像の画像
解析を行い、血管3を含む被測定点5を求め、信号光L3
の照射ポイントを被測定点5と一致させるミラー401 お
よび402 の角度を算出し、ミラー操作部405 へ出力す
る。ミラー操作部405 では、入力された値に従って、ミ
ラー401 および402 の角度を設定し、信号光L3の照射ポ
イントを被測定点5に一致させる。なお、画像取得部80
として、近赤外光に対して感度を有する近赤外CCDを
用いれば、低コヒーレンス光源部10から射出される低コ
ヒーレンス光L1a またはL1b を、画像取得の際の照明光
としても使用することができる。近赤外光は、生体にお
ける透過特性が良好であり、この波長帯域の光を照明光
として用いれば、皮下に存在する血管3の位置をより容
易に検知することができる。
像表示部91を設け、画像表示部91に表示された観察部4
の画像を測定者が目視し、ミラー操作部405 を操作し
て、ミラー401 および402 の角度を手動設定して、信号
光L3a およびL3b の照射ポイントを被測定点5に一致さ
せてもよい。予め信号光L3a およびL3b の光路上にエイ
ミング光を重畳しておけば、測定者は、容易に所望の被
測定点5へ信号光L3a およびL3b の照射ポイントを一致
させることができる。
L3b の照射ポイントを被測定点5と一致させた後、血中
グルコース濃度の測定を開始する。第1光源部101 のS
LD104からは波長805nm、スペクトル幅20nmの低コヒー
レンス光L1a が射出され、集光レンズ106 によりファイ
バ105 へ導入される。
ては、モード同期Erイオン添加ファイバレーザから射
出されたパルス幅約100fs、中心波長1.56μm、スペク
トル幅約20nmのパルス光は、光コネクタ115 を介して波
長帯域拡大部109 に射出される。波長帯域拡大部109 で
は、パルス光は零分散ファイバ118 を伝搬し、パルス圧
縮され、かつ波長帯域が拡大された後、光コネクタ120
を介してファイバ119へ導入される。この際には、パル
ス光は、スペクトル幅約800nm(1.2μm〜2.0μm)の
低コヒーレンス光L1b となっている。
L1b は、ファイバカプラ103 で、ファイバ105 へ導入さ
れる。ファイバ105 を透過した低コヒーレンス光L1a お
よびL1b は、ファイバカプラ202 で、ファイバ203 に導
入される。さらに、ファイバカプラ201 で、ファイバ20
3 内を光路調整部30の方向へ進行する参照光L2a および
参照光L2b と、ファイバ204 内を照射ポイント設定部40
の方向へ進行する信号光L3a およびL3bとに分割され
る。
部40のレンズ403 で平行光に変換され、ミラー401 およ
び402 で反射され、レンズ404 で集光されて被測定点5
へ入射される。被測定点5に入射された信号光L3a のう
ち被測定点5の所定の深度で反射された反射光L4a およ
び被測定点5に入射された信号光L3b のうち被測定点5
の所定の深度で反射された反射光L4b は、レンズ404 、
ミラー402 、ミラー401 およびレンズ403 により、ファ
イバ204 に帰還せしめられる。ファイバ204 に帰還せし
められた反射光L4a およびL4bは、ファイバカプラ201
において、後述するファイバ203 に帰還せしめられた参
照光L2a およびL2b と合波される。
向へ進行した参照光L2a および参照光L2b は、光路調整
部30のレンズ301 を介して、プリズム302に入射し、こ
のプリズム302で反射され再度レンズ301 を透過して、
ファイバ203 に帰還せしめられる。ファイバ203 に帰還
せしめられた参照光L2a およびL2b はファイバカプラ20
1 で、上述した反射光L4a およびL4b と合波される。
a およびL4bと、参照光L2a およびL2bは、再び同軸上に
重なることになり所定の条件の時に反射光L4a と参照光
L2aが干渉し、干渉光L5a となり、反射光L4b と参照光L
2b が干渉し、干渉光L5b となる。
距離の短い低コヒーレンス光であるため、低コヒーレン
ス光が信号光と参照光に分割されたのち、信号光(反射
光)がファイバカプラ201 に到達するまでの光路長が、
参照光がファイバカプラ201に到達するまでの光路長に
略等しい場合に両光が干渉し、干渉光が生じる。
201 で分割され、それぞれレンズ205 およびレンズ206
で平行光へ変換される。レンズ205 で平行光に変換され
た干渉光L5a およびL5b は、ダイクロイックミラー207
にて、波長帯域を1.0μm以下の波長帯域の光、すなわ
ち干渉光L5a と、1.0μmより長い波長帯域の光、すな
わち干渉光L5b とに分割される。ダイクロイックミラー
207 を透過した干渉光L5a は、バランス差分検出部50の
光検出器501 へ入射し、ダイクロイックミラー207 で反
射された干渉光L5b は、ミラー208 で反射され、光検出
器502 へ入射する。
干渉光L5a およびL5b は、ダイクロイックミラー208 に
て、波長帯域を1.0μm以下の波長帯域の光、すなわち
干渉光L5a と、1.0μmより長い波長帯域の光、すなわ
ち干渉光L5b とに分割される。ダイクロイックミラー20
8 を透過した干渉光L5a は、バランス差分検出部50の光
検出器503 へ入射し、ダイクロイックミラー208 で反射
された干渉光L5b は、ミラー210 で反射され、光検出器
504 へ入射する。
度を検出する。差動増幅器505 では、光検出器501 の検
出値と光検出器503 の検出値の差分を求め、グルコース
濃度算出部60の光減衰係数取得部601 へ出力する。な
お、差動増幅器505 は、その入力値の直流成分のバラン
スを調整する機能を備えているため、たとえ低コヒーレ
ンス光源部10から出射された低コヒーレンス光L1a にド
リフトが生じている場合でも、直流成分のバランスを調
整した上で差分を増幅することにより、ドリフト成分は
相殺され、光強度のみが検出される。同様に、差動増幅
器506 では、光検出器502 の検出値と光検出器504 の検
出値の差分を求め、光減衰スペクトル取得部602 へ出力
する。
302 をその光軸方向(図中水平方向)に移動すると、参
照光L2a およびL2b がファイバカプラ201 に到達するま
での光路長が変化する。このため参照光と干渉する信号
光(反射光)の光路長も変化するため、光強度を取得す
る被測定点5の深度が変化する。例えば図5の(a)に
しめすように血管3を含む被測定点5に信号光を入射さ
せれば、図5の(b)に示すように、表皮6および血管
3の血管壁の存在する深度において、特に反射光の光強
度が強くなり、この深度の反射光により形成される干渉
光の光強度も強くなる。また、血管3内には血漿7の中
に赤血球8が存在し、この赤血球8により反射光の光強
度が強くなり、やはり干渉光の光強度も強くなる。な
お、図5の(b)においては、深度減衰による光強度の
減衰は補正されている。
検出部50で検出された干渉光L5a の光強度のうち、血管
3内に相当する深度から取得された光強度に基づいて、
波長805nmにおける光減衰係数を算出する。
バランス差分検出部50で検出された干渉光L5b の光強度
のうち、血管3内に相当する深度から取得された干渉光
L5bに光強度のフリンジパターンから取得した信号に対
して、ウエブレット(wavelet)変換を行い、干渉光L5b
に含まれる分光情報を取り出すことにより、図6に実線
で示すような、血液の1.2μmから2.0μmの波長帯域に
おける光減衰スペクトルである血液光減衰スペクトルを
算出する。
ず、赤血球光減衰係数により血液光減衰スペクトル規格
化し、図6に破線で示すような規格化血液光減衰スペク
トルを求める。さらに、この規格化血液光減衰スペクト
ルの多変量解析を行い、血中グルコース濃度を求め、表
示部70へ出力する。表示部70では、血中グルコース濃度
を表示する。
態においては、波長805nmの低コヒーレンス光L1aによる
干渉光L5aに基づいて、血液中の赤血球数に対応した赤
血球光減衰係数(805nm)求め、また波長帯域1.2μm〜
2.0μmの低コヒーレンス光L2bによる干渉光L5bから、
血液中のグルコースによる光吸収も含んでいる血液光減
衰スペクトルを取得し、赤血球光減衰係数により血液光
減衰スペクトルを規格化し、赤血球数に依存しない減衰
スペクトルである規格化血液光減衰スペクトルを算出
し、この規格化血液光減衰スペクトルの多変量解析を行
うことにより、血中グルコース濃度を算出することがで
きるので、血中グルコース濃度を非侵襲的に精度良く測
定することが可能となる。特に、低コヒーレンス光L1a
の波長が805nmであるため、血液中の酸素濃度に左右さ
れずに、赤血球光減衰係数を取得することができる。
り低コヒーレンス光L1a を射出する第1光源部101 を用
いたため、第1光源部が、簡易な構成を有する安価なも
のとなる。第2光源部102 のパルス光源として、Er添加
ファイバレーザからなるパルス光源部108 を用いたた
め、高出力の超短パルス光を容易に得ることができる。
また第2光源部102 の波長帯域拡大部として、零分散フ
ァイバ118 からなる波長帯域拡大部109 を用いたため、
低コストで波長帯域が拡大された低コヒーレンス光L2b
を得ることができる。
画像取得部80と、該画像取得部80により取得された画像
に基づいて、照射ポイント設定部40を制御して、信号光
による照射ポイントを被測定点5に一致させる照射ポイ
ント制御部90とを備えたことにより、照射ポイントを被
測定点5へ一致させる際の煩わしい手動操作が不要にな
る。
ーレンス光L1aとして、波長805μmの光を用いたが、こ
れに限定されるものではなく、波長750nm〜850nmの波
長帯域内の波長を有する低コヒーレンス光であれば、如
何なる光であってもよい。
ーレンス光L1bとして、波長帯域1.2μm〜2.0μmの光
を用いたがこれに限定されるものではない。少なくと
も、波長帯域1.4μm〜1.8μmにおける血中グルコース
光減衰スペクトルが得られれば、演算処理により血中グ
ルコース濃度を算出することができるたため、低コヒー
レンス光L1b としては、波長帯域1.4μm〜1.8μmを含
むものであればよい。
ス光源部108 の代わりに、図7に示すようなモード同期
ファイバリングレーザを用いたパルス光源部121 を用い
た第2光源部120 を備えた低コヒーレンス光源部12を低
コヒーレンス光源部10に代わりに用いたものも考えれ
る。パルス光源部121 は、偏波依存型アイソレータ12
2、出力カプラ123 、回転型偏光子124 、合波カプラ125
、Er添加ファイバ126、1.48μmの励起光を射出する
励起用半導体レーザ127 、励起光を導光するファイバ12
8 から構成されるモード同期ファイバリングレーザと、
出力用ファイバ129 と、光コネクタ130 とから構成され
ている。パルス光源部121 から射出されたパルス幅約10
0fs、中心波長1.56nm、スペクトル幅約20nmの超短パル
ス光は、光コネクタ130 を介してパルス幅圧縮部109 に
射出され、零分散ファイバ118 を伝搬し、パルス圧縮さ
れて、光コネクタ120 を介してファイバ119 へ導入され
る。この際には、パルス光は、パルス幅十数fs、スペク
トル幅約800nmの低コヒーレンス光となっている。モー
ド同期ファイバリングレーザの構成および動作原理の詳
細は、「レーザ研究 第27巻11号 P756−761、中沢正
隆 他著、1999年」に記載されている。ファイバリング
レーザでは、利得帯域を最大限に用いた発振が可能であ
るため、小型で安価で、かつ使い勝手のよい光源を用い
て、容易に高出力、短パルスのパルス光を得ることがで
きる。
て、低コヒーレンス光源部10の代わりに、図8に示すよ
うな中心波長1.56μmの超短パルス光を射出するモード
同期半導体レーザ143 を用いたパルス光源部141 および
パルス圧縮部109から構成される第2光源部140を備えた
低コヒーレンス光源部14を用いるものも考えれる。モー
ド同期半導体レーザ143 から射出されたを超短パルス光
は、集光レンズ144 によりパルス圧縮部109 へ導入され
る。モード同期半導体レーザの構成および動作原理の詳
細は、「レーザ研究 第27巻11号 P750−755、横山
弘之著、1999年」に記載されている。
短パルス光を射出可能な光源であれば、パルス光源とし
て使用可能であり、例えばKLM:Al2O3レーザや、KLM:M
g2SiO4レーザ等も用いることができる。
あるグルコース濃度測定装置について図9を参照して説
明する。図9は本発明によるグルコース濃度測定装置の
概略構成図である。なお、図1に示す第1の具体的な実
施形態と共通の要素については同番号を付し、特に必要
のない限りその説明は省略する。
ル幅が約1100nm(0.7μm〜1.8μm)である超短パルス
光である低コヒーレンス光L1を射出する低コヒーレンス
光源部16と、この低コヒーレンス光源部16から出射され
た低コヒーレンス光L1を参照光L2および信号光L3とに分
割および合波を行うファイバ結合光学系20と、参照光L2
の光路上に配され、参照光L2の光路長を調整する光路調
整部30と、信号光L3による照射ポイントを設定する照射
ポイント設定部41と、被測定点5の所定の深度で反射さ
れた反射光L4と参照光L2との干渉光L5のうち波長帯域1.
0μm以下の干渉光L5c と波長帯域が1.0μmより長い干
渉光L5d の光強度をそれぞれ検出するバランス差分検出
部50と、該バランス差分検出部50で検出された干渉光L5
c およびL5d の光強度に基づいて、血液中の赤血球数に
対応した赤血球光減衰係数と血液の光減衰スペクトルで
ある血液光減衰スペクトルを求め、この赤血球光減衰係
数および血液光減衰スペクトルに基づいて、血中グルコ
ース濃度を求めるグルコース濃度算出部61と、グルコー
ス濃度算出部61で得られた血中グルコース濃度を表示す
る表示部70と、バランス差分検出部50で検出された干渉
光L5c の光強度に基づいて、被測定点5近傍の光断層画
像を求める光断層画像検出部81と、該光断層画像検出部
81で取得された光断層画像に基づいて、信号光L3の照射
ポイントを制御する照射ポイント制御部92とから構成さ
れるものである。
が約1100nm(0.7μm〜1.8μm)、パルス幅が十数fsの
超短パルス光である低コヒーレンス光L1を射出するもの
である。低コヒーレンス光L1の波長帯域が広いために、
この1種類の低コヒーレンス光L1が、本発明における第
1低コヒーレンス光および第2低コヒーレンス光を兼ね
ることができる。低コヒーレンス光源部16は、超短パル
ス光を射出するパルス光源部161 と、該パルス光源部16
1 から射出された超短パルス光のスペクトル幅を拡大す
る波長帯域拡大部162 とを備えている。
スペクトル幅約6nm、パルス幅約180fsの超短パルス光
を射出するモード同期Er添加ファイバレーザと第2高
調波発生器から構成され、Er添加ファイバ110 と、該
Er添加ファイバ110 に導入される980nmの励起光を
射出する励起用SLD111 と、該励起光を導光するファ
イバ112 と、励起光をEr添加ファイバ110 へ導入する
ファイバカプラ113 と、過飽和光減衰ミラーである全反
射ミラー114と、Er添加ファイバ110 の出射端側に形
成され、出力ミラーとなるファイバブラッググレーティ
ング116と、該ファイバブラッググレーティング116 か
ら出力されたパルス光(波長1.56μm)を第2高調波発
生器163 へ集光するレンズ164 および165 と、第2高調
波発生器163 で第2高調波へ変換されたパルス光(波長
780μm)を波長帯域拡大部162 へ導入するためのレン
ズ166 および167 とを備えている。
いて、負分散特性を有するフォトニッククリスタルファ
イバ170 と、波長0.7μm以上の光を透過させる光学フ
ィルタ171 と、該光学フィルタ171 を透過した光を導光
し、ファイバ結合光学系20へ導入するファイバ172 と、
フォトニッククリスタルファイバ170 から射出された光
を平行光に変換するレンズ173 と、光学フィルタ170 を
透過した光をファイバ172 に集光するレンズ174 とを備
えている。フォトニッククリスタルファイバは、構造分
散値を選択可能であるため所望の波長帯域において、負
分散特性を実現することができ、その構成および動作原
理の詳細は、「Optics Letters Vol.25,No1 P25-27」(b
y Andrew J. Stentz et.al 2001)に記載されている。
ス光(波長780nm、スペクトル幅6nm)の波長帯域は、
フォトニッククリスタルファイバ170により波長帯域0.4
μm〜1.8μmまで拡大され、その後フィルタ171によ
り、波長0.7μm以上の光のみが、透過されるため、最
終的には、波長0.7μm〜1.8μm、パルス幅十数fsの低
コヒーレンス光L1が、ファイバ172により、ファイバ結
合光学系20へ導光される。
の実施形態におけるハーフミラー406 を備えていないこ
とを除いては、照射ポイント設定部40と同一の構成を備
えている。
5 から出力された干渉光L5c の光強度に基づいて、血液
中の赤血球数に対応した赤血球光減衰係数を求める光減
衰係数取得部611 と、差動増幅器506 から出力された干
渉光L5d の光強度に基づいて、血液光減衰スペクトルを
求める光減衰スペクトル取得部612 と、また赤血球光減
衰係数および血液光減衰スペクトルに基づいて、血液中
のグルコース濃度を算出するグルコース濃度取得部613
とを備えている。
出部50で検出された干渉光L5c の光強度のうち、血管3
内の血液から取得された光強度に基づいて、波長帯域70
0nm〜1000nmの反射光L4の光強度を算出し、この算出さ
れた光強度に応じた血液中の赤血球数に対応した赤血球
光減衰係数を算出する。波長帯域700nm〜1000nmでは、
グルコースによる光吸収が少ないため、主に赤血球等に
よる光減衰(光吸収+光散乱)を計測することができ
る。すなわち、血液部から得られた干渉光L5cの光強度
から、主に赤血球数に対応した光減衰係数を求めること
ができる。
血液部から求めた干渉光L5d の光強度のフリンジパター
ンから取得した信号に対して、ウエブレット(wavelet)
変換などを行い、干渉光L5d に含まれる分光情報を取り
出すことにより、血液の1.0μmから1.8μmの波長帯域
における光減衰スペクトルである血液光減衰スペクトル
を算出する。
ず、光減衰係数取得部611 において取得された赤血球光
減衰係数により、光減衰スペクトル取得部612 で取得さ
れた血液光減衰スペクトルを規格化し、規格化血液光減
衰スペクトルを求め、この規格化血液光減衰スペクトル
の多変量解析を行い、血中グルコース濃度を求める。上
記規格化血液光減衰スペクトルは、赤血球光減衰係数に
よる規格化により、赤血球数に依存しない減衰スペクト
ルとなるため、この減衰スペクトルの多変量解析を行う
ことにより、精度よくグルコース濃度を求めることがで
きる。
像取得動作により観察部4の光断層画像を検出するもの
であり、バランス差分検出部50で検出された干渉光L5c
の光強度に基づいて、観察部4の光断層画像を検出し、
照射ポイント制御部92へ出力するものである。なお低コ
ヒーレンス光源部16、ファイバ結合光学系20、光路調整
部30、照射ポイント設定部41、バランス差分検出部50お
よび光断層画像検出部81は、本発明の光断層画像取得手
段を構成するものである。
像解析を行い、血管3を含む被測定点5を求め、信号光
L3の照射ポイントを被測定点5と一致させるミラー401
および402 の角度を算出し、ミラー操作部405 へ出力す
る。
ス濃度測定装置の動作について説明する。実際の測定を
行う前に、光断層画像取得動作により観察部4の光断層
画像を取得し、該光断層画像に基づいて、信号光L3の照
射ポイントを被測定点5と一致させる。説明の重複を避
けるために、上記光断層画像取得動作の詳細は、実際の
測定動作の説明の後に記載する。
の照射ポイントを被測定点5と一致させた後、血中グル
コース濃度の測定を開始する。低コヒーレンス光源16か
ら射出された波長0.7μm〜2.0μmの低コヒーレンス光
L1は、ファイバ172 を透過して、ファイバカプラ202
で、ファイバ203 に導入される。さらに、ファイバカプ
ラ201 で、ファイバ203 内を光路調整部30の方向へ進行
する参照光L2とファイバ204 内を照射ポイント設定部41
の方向へ進行する信号光L3とに分割される。
り、被測定点5へ入射される。被測定点5に入射された
信号光L3のうち被測定点5の所定の深度で反射された反
射光L4ファイバ204 に帰還せしめられ、ファイバカプラ
201 において、後述するファイバ203 に帰還せしめられ
た参照光L2と合波される。一方、ファイバ203 内を光路
調整部30の方向へ進行した参照光L2は、光路調整部30で
反射され、ファイバ203に帰還せしめられ、ファイバカ
プラ201 で、上述した反射光L4と合波される。
と、参照光L2は、再び同軸上に重なることになり、参照
光と信号光(反射光)の光路長が等しい場合に、反射光
L4と参照光L2が干渉し、干渉光L5となる。
れ、それぞれレンズ205 およびレンズ206 で平行光へ変
換される。レンズ205 で平行光に変換された干渉光L5
は、ダイクロイックミラー207 にて、波長帯域を1.0μ
m以下の波長帯域の光、すなわち干渉光L5c と、1.0μ
mより長い波長帯域の光、すなわち干渉光L5d とに分割
される。ダイクロイックミラー207 を透過した干渉光L5
c は、バランス差分検出部50の光検出器501 へ入射し、
ダイクロイックミラー207 で反射された干渉光L5d は、
ミラー208 で反射され、光検出器502 へ入射する。同様
に、レンズ206 で平行光に変換された干渉光L5は、ダイ
クロイックミラー208 にて、波長帯域を1.0μm以下の
波長帯域の光、すなわち干渉光L5c と、1.0μmより長
い波長帯域の光、すなわち干渉光L5d とに分割される。
ダイクロイックミラー208 を透過した干渉光L5c は、バ
ランス差分検出部50の光検出器503 へ入射し、ダイクロ
イックミラー208 で反射された干渉光L5d は、ミラー21
0 で反射され、光検出器504 へ入射する。
度を検出する。差動増幅器505 では、光検出器501 の検
出値と光検出器503 の検出値の差分を求め、グルコース
濃度算出部61の光減衰係数取得部611 へ出力する。同様
に、差動増幅器506 では、光検出器502 の検出値と光検
出器504 の検出値の差分を求め、光減衰スペクトル取得
部612 へ出力する。
302 をその光軸方向(図中水平方向)に移動すると、参
照光L2がファイバカプラ201 に到達するまでの光路長が
変化する。このため参照光と干渉する信号光(反射光)
の光路長も変化するため、光強度を取得する被測定点5
の深度が変化する。
光強度のうち、血管3内に相当する深度から取得された
光強度に基づいて、波長700nm〜1000nmにおける光減衰
係数を算出する。
バランス差分検出部50で検出された干渉光L5d の光強度
のうち、血管3内の血液から取得された干渉光L5d の光
強度のフリンジパターンから取得した信号に対して、ウ
エブレット(wavelet)変換などを行い、干渉光L5d に含
まれる分光情報を取り出すことにより、血液の1.0μm
から1.8μmの波長帯域における光減衰スペクトルであ
る血液光減衰スペクトルを算出する。
ず光減衰係数取得部611 で取得された赤血球光減衰係数
を用いて、光減衰スペクトル取得部612 で取得された血
液光減衰スペクトルを規格化し、規格化血液光減衰スペ
クトルを求める。さらに、この規格化血液光減衰スペク
トルの多変量解析を行い、血中グルコース濃度を求め、
表示部70へ出力する。表示部70では、血中グルコース濃
度を表示する。
像取得動作について説明する。まず、上述の測定動作と
同様の動作により、観察部4の端部の1点に信号光L3を
照射し、バランス差分検出部50の差動増幅器505 で、干
渉光L5c の光強度を求め、光断層画像検出部81に出力す
る。光断層画像検出部81では、所定の深度で反射された
反射光L4の強度を求め、画像信号に変換する。観察部4
の所定点における表面から所望の深度までの光断層情報
を取得したのち、照射ポイント設定部41のミラー401 お
よび402 により、信号光L3の入射点を僅かに移動させ、
同様に所定の深度までの光断層情報を取得する。このよ
うな動作を繰り返すことにより、観察部4の所定の部位
の光断層画像を得ることができる。
層画像は、照射ポイント制御部92へ出力される。照射ポ
イント制御部92では、観察部4の光断層画像の画像解析
を行い、血管3を含む被測定点5を求め、信号光L3の照
射ポイントを被測定点5と一致させるミラー401 および
402 の角度を算出し、ミラー操作部405 へ出力する。ミ
ラー操作部405 では、入力された値に従って、ミラー40
1 および402 の角度を設定し、信号光L3の照射ポイント
を被測定点5に一致させる。生体における透過特性が良
好である近赤外光である低コヒーレンス光L1により、観
察部4を光走査しているため、皮下に存在する血管3の
位置をより容易に検知することができる。
な装置を設ける必要がなく、測定装置の利便性が向上す
る。なお、照射ポイント制御部92の代わりに光断層画像
表示部93を設け、この光断層画像表示部93に表示された
観察部4の光断層画像を測定者が目視し、ミラー操作部
405 を操作して、ミラー401 および402 の角度を手動設
定して、信号光L3 の照射ポイントを被測定点5に一致
させてもよい。予め信号光L3の光路上にエイミング光を
重畳しておけば、測定者は、容易に所望の被測定点5へ
信号光L3の照射ポイントを一致させることができる。
態においては、低コヒーレンス光L1による干渉光L5の内
の波長0.7μm〜1.0μmの干渉光L5c の光強度に基づい
て、血液中の赤血球等の光減衰に対応した赤血球光減衰
係数(0.7μm〜1.0μm)を求め、干渉光L5の内の波長
1.0μm〜1.8μmの干渉光L5dの光強度に基づいて、血
液中のグルコースによる光吸収も含む血液光減衰スペク
トル(1.0μm〜1.8μm)を取得し、赤血球光減衰係数
により血液光減衰スペクトルを規格化し、赤血球数に依
存しない減衰スペクトルである規格化血液光減衰スペク
トル(1.0μm〜1.8μm)を算出し、この規格化血液光
減衰スペクトルの多変量解析を行うことにより、血中グ
ルコース濃度を算出することができるので、血中グルコ
ース濃度を非侵襲的に精度良く測定することが可能とな
る。また、低コヒーレンス光源手段として、低コヒーレ
ンス光源部16を1つ使用するのみでよいため、簡易な構
成で、小型化された低コヒーレンス光源部を実現するこ
とができる。
得し、該光断層画像に基づいて、自動的に信号光による
照射ポイントを被測定点5に一致させるため、照射ポイ
ントを被測定点5へ一致させる際の煩わしい手動操作が
不要になる。また、光断層画像取得装置を、別個に設け
る必要がなく、装置の小型化および低コスト化が可能と
なる。
ス光源部161 の代わりに、モードロック半導体レーザ、
KLM:Al2O3レーザあるいはKLM:Mg2SiO4レーザ等を用
いることができる。
血管である血管3内の血中グルコースを測定する構成と
したため、生体の任意の部位において、血中グルコース
濃度を測定することができる。
手段において、ファイバを用いたファイバ干渉系を用い
たが、これに限定されるものではなく、自由空間でのレ
ンズ等を用いた干渉系を用いてもよい。被測定部5に含
まれる血管3としては、皮下血管を用いたが、眼底血管
を用いてもよい。眼底血管を用いれば、血管を覆う皮膚
などの生体組織による光減衰の影響が少なく、一層精度
よく血中グルコース濃度を測定することができる。
測定装置の概略構成図
明図
干渉光の光強度の説明図
光源部の変型例の概略構成図
図
測定装置の概略構成図
Claims (20)
- 【請求項1】 波長750nm〜850nm内の所定の波長帯域で
ある第1波長帯域の第1低コヒーレンス光と、波長1.4
μm〜1.8μmを含む第2波長帯域の第2低コヒーレン
ス光とを射出し、 該第1低コヒーレンス光および第2低コヒーレンス光
を、信号光と参照光に分割し、前記信号光を血管を含む
被測定点に照射し、前記参照光の光路長を調整し、前記
信号光の前記血管内の血液からの反射光と前記参照光と
を干渉させ、 前記第1波長帯域および第2波長帯域毎に反射光と参照
光の干渉光の光強度を測定し、 測定された前記第1波長帯域における干渉光の光強度に
基づいて、前記血液中の赤血球数に対応した赤血球光減
衰特性を求め、また前記第2波長帯域における干渉光の
光強度に基づいて、前記血液の光減衰特性である血液光
減衰特性を求め、前記赤血球光減衰特性および血液光減
衰特性に基づいて、前記血液中のグルコース濃度を算出
することを特徴とするグルコース濃度測定方法。 - 【請求項2】 前記被測定点近傍の画像を取得し、該画
像に基づいて、前記信号光による照射ポイントを制御し
て、該照射ポイントを前記被測定点に一致させることを
特徴とする請求項1記載のグルコース濃度測定方法。 - 【請求項3】 前記被測定点近傍の光断層画像を取得
し、該光断層画像に基づいて、前記信号光による照射ポ
イントを制御して、該照射ポイントを前記被測定点に一
致させることを特徴とする請求項1記載のグルコース濃
度測定方法。 - 【請求項4】 波長750nm〜850nm内の所定の波長帯域で
ある第1波長帯域の第1低コヒーレンス光と、波長1.4
μm〜1.8μmを含む第2波長帯域の第2低コヒーレン
ス光とを射出する低コヒーレンス光源部と、 該低コヒーレンス光源部から射出された前記第1低コヒ
ーレンス光および第2低コヒーレンス光を異なる光路内
を伝搬する信号光と参照光に分割し、前記信号光を血管
を含む被測定点に照射し、前記参照光の光路長を調整
し、前記信号光の前記血管内の血液からの反射光と前記
参照光とを干渉させる分波・合波手段と、前記第1波長
帯域および第2波長帯域毎に反射光と参照光の干渉光の
光強度を測定する光強度測定手段と、 該光強度測定手段により測定された前記第1波長帯域に
おける干渉光の光強度に基づいて、前記血液中の赤血球
数に対応した赤血球光減衰特性を求め、また前記第2波
長帯域における干渉光の光強度に基づいて、前記血液の
光減衰特性である血液光減衰特性を求め、前記赤血球光
減衰特性および血液光減衰特性に基づいて、前記血液中
のグルコース濃度を算出するグルコース濃度算出部とを
備えたことを特徴とするグルコース濃度測定装置。 - 【請求項5】 前記低コヒーレンス光源部が、前記第
1低コヒーレンス光を射出する第1光源部と、前記第2
低コヒーレンス光を射出する第2光源部とを備えたもの
であり、 該第2光源部が、超短パルス光を射出するパルス光源部
と、該パルス光源部から射出された超短パルス光の波長
帯域を前記第2波長帯域を含む波長帯域まで拡大する波
長帯域拡大手段とを備えてなるものであることを特徴と
する請求項4記載のグルコース濃度測定装置。 - 【請求項6】 前記低コヒーレンス光源部が、超短パ
ルス光を射出するパルス光源部と、該パルス光源部から
射出された超短パルス光の波長帯域を前記第1波長帯域
から前記第2波長帯域までの波長を含む波長帯域まで拡
大する波長帯域拡大手段とを備えてなるものであること
を特徴とする請求項4記載のグルコース濃度測定装置。 - 【請求項7】 前記パルス光源が、ファイバレーザであ
ることを特徴とする請求項5および6記載のグルコース
濃度測定装置。 - 【請求項8】 前記パルス光源が、半導体レーザである
ことを特徴とする請求項5および6記載のグルコース濃
度測定装置。 - 【請求項9】 前記波長帯域拡大手段が、前記パルス光
源部から射出された超短パルス光を伝搬させ、かつ該超
短パルス光の波長帯域において負分散特性を有するファ
イバであることを特徴とする請求項4から8いずれか1
項記載のグルコース濃度測定装置。 - 【請求項10】 前記負分散特性を有するファイバが、
零分散ファイバであることを特徴とする請求項9記載の
グルコース濃度測定装置。 - 【請求項11】 前記負分散特性を有するファイバが、
フォトニッククリスタルファイバであることを特徴とす
る請求項9記載のグルコース濃度測定装置。 - 【請求項12】 前記分波・合波手段が、前記信号光に
よる照射ポイントを設定する照射ポイント設定手段を備
えたものであることを特徴とする請求項4から11いず
れか1項記載のグルコース濃度測定装置。 - 【請求項13】 前記被測定点近傍の画像を取得する画
像取得手段と、該画像取得手段に取得された画像を表示
する表示手段とをさらに備えたことを特徴とする請求項
4から12いずれか1項記載のグルコース濃度測定装
置。 - 【請求項14】 前記被測定点近傍の画像を取得する画
像取得手段と、該画像取得手段により取得された画像に
基づいて、前記照射ポイント設定手段を制御して、前記
信号光による照射ポイントを前記被測定点に一致させる
照射ポイント設定手段とをさらに備えたことを特徴とす
る請求項12記載のグルコース濃度測定装置。 - 【請求項15】 前記画像取得手段が、前記低コヒーレ
ンス光源部から射出された低コヒーレンス光を照明光と
して用いるものであることを特徴とする請求項13およ
び14記載のグルコース濃度測定装置。 - 【請求項16】 前記被測定点近傍の光断層画像を取得
する光断層画像取得手段と、該光断層画像取得手段によ
り取得された光断層画像を表示する表示手段とをさらに
備えたことを特徴とする請求項4から12いずれか1項
記載のグルコース濃度測定装置。 - 【請求項17】 前記被測定点近傍の光断層画像を取得
する光断層画像取得手段と、該光断層画像取得手段によ
り取得された光断層画像に基づいて、前記照射ポイント
設定手段を制御して、前記信号光による照射ポイントを
前記被測定点に一致させる照射ポイント設定手段とをさ
らに備えたことを特徴とする請求項12記載のグルコー
ス濃度測定装置。 - 【請求項18】 前記光断層画像取得手段が、前記低コ
ヒーレンス光源部および前記分波・合波部の一部を用い
て光断層画像を取得するものであることを特徴とする請
求項16および17記載のグルコース濃度測定装置。 - 【請求項19】 前記血管が皮下血管であることを特徴
とする請求項4から18いずれか1項記載のグルコース
濃度測定装置。 - 【請求項20】 前記血管が眼底血管であることを特徴
とする請求項4から18いずれか1項記載のグルコース
濃度測定装置。
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JP2001320439A JP2003121347A (ja) | 2001-10-18 | 2001-10-18 | グルコース濃度測定方法および測定装置 |
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