JP2015163862A - 光断層画像撮像装置および光断層画像撮像装置を用いたヒト肌の計測方法 - Google Patents

光断層画像撮像装置および光断層画像撮像装置を用いたヒト肌の計測方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ヒト肌について、可視光域の任意の波長域の光を用いた光断層画像を取得可能な光断層画像撮像装置とその装置を用いたヒト肌の計測方法を提供する。
【解決手段】光断層画像撮像装置1を、400nm〜800nmに亘る波長域を少なくとも含む光を射出する単一の光源11および、光源11から射出された光から可視域の任意の波長域を切り出してスペクトル成形をするスペクトル成形部12を有し、スペクトル成形された低コヒーレント光L0を射出する光源部10と、低コヒーレント光L0を測定光L1と参照光L2とに分割する光分割部3と、測定光L1を測定対象にライン状に照射する照射光学系20と、測定光L1が測定対象Sに照射されたときの測定対象からの反射光L3と参照光L2とを重ね合わせる合波部4と、干渉光L4を分光検出する干渉光検出部30と、検出された干渉光を周波数解析することにより測定対象の二次元光断層画像を取得する断層画像取得部40とを備えたものとする。
【選択図】図1

Description

本発明は、光断層画像撮像装置に関し、特には可視光分光を利用した光断層画像撮像装置に関するものである。また、本発明は光断層画像撮像装置を用いたヒト肌の計測方法に関するものである。
化粧品や医薬品の開発、及び医療において、皮膚内部の状態を観察することは重要である。欧州では、2013年春に動物実験した化粧品の販売が全面禁止となっているため、ヒト肌を非破壊・非浸襲で観察する手法の必要性が増している。また写真フィルムなどの多層構造を非破壊で高分解能に計測することも工業上の管理手法として重要である。
非破壊・非浸襲な断層画像撮像法としては、MRI、超音波、X線CT、OCT (Optical Coherence Tomography)がある。MRI、超音波、X線CTの測定深度はmmからcmオーダーと深いが、分解能は10μmから100μm以上で高くない。OCTは、光干渉を利用した断層撮像法で、一般に近赤外の光 (1.3μm、または1.5μm)が使用されている。1990年代より開発が進み、主に眼底検査などに応用されてきた。
近赤外OCTは深さ分解能が約20μm程度であるため、肌の高分解能な観測には適さない。肌の層構造は、表面側から角質(10〜30μm)、表皮(100〜300μm)、真皮(1mm以上)となっており、分解能20μmでは十分でない。OCTの深さ分解能Δzは、
Δz=2×ln(2)/π×λ/Δλ
で与えられるため、使用する光源の波長幅Δλを大きくすること、及び光源の中心波長λを小さくすることで高分解能化することができる(ここで、λは光源の中心波長、Δλは光源の波長幅、Δzは深さ方向の分解能を指す。)。近年、深さ分解能の高性能化のために、可視から近赤外の波長域全体を使ったOCTの開発が行われてきた(非特許文献1)。非特許文献1では、深さ分解能がサブμmオーダーまで到達している。また、他の公知例(特許文献3)では、深さ方向の高分解能化を達成するために、共焦点顕微鏡とOCTを組み合わせて内視鏡用途に小型化した方式が報告されている。
特許文献1では、可視域の赤、緑、青の低コヒーレント光を各色のSLD(Super Luminescent Diode)光源でそれぞれ発生させ、肌のレプリカにファンデーションを塗布して表面凹凸やファンデーション層の厚さを評価する方法が考案されている。
特許文献2には、皮膚内の構造を知るために散乱光の角度情報を取得したり、A-SCANとウィンドウを組み合わせて一次元深さに対する反射スペクトルの情報を取得したりする方法が開示されている。
特開2013−108766号公報 特表2013−518256号公報 特開2009−131666号公報
Journal of Biomedical Optics 9(1), 47-74 (2004)
しかしながら、非特許文献1のように分解能を上げるために可視域全体の波長域を使う方法では、可視光である利点を生かしきれない。皮膚内部の表皮にはメラニン色素、真皮にはヘモグロビン色素が存在する。これらの色素は吸収スペクトルに特徴があり、緑色や青色の光を吸収し、赤色の光は吸収しない特性を持つ。つまり、可視域の波長域全体を使うのでなく、分光して使うことで初めて、色素の分布をイメージングすることができる。工業用フィルムの例である写真フィルムの場合では、色ごとに感光層が層構造になっているため、分光して各層で入射光を吸収させることで層ごとに帰属を明らかにすることが出来る。つまり光源の波長幅を適切に狭くして、分光した断層画像を取得することで、適度な深さ分解能を維持しつつ色素や材料の位置を特定できる。しかしながら、非特許文献1の方法では、分光断層画像は得られないため、色素分布などを評価することができない。
また、特許文献1の方法は、試料ステージやミラーを稼動させる方式のため、これらを稼動中にヒト肌のブレやステージの振動の影響を受けてしまい、実際のヒトの肌を非破壊で鮮明に観測するには適さず、さらには複数の色で同時に同一箇所を測るのにも不向きという問題があった。特許文献2の方法の問題点は、A-SCANに稼動部を必要とし、さらには波長毎の二次元空間画像が得られていないことである。このため、一次元的な分布は分かっても色毎の二次元分布断層像を得るのが難しい。特許文献2の白色の干渉スペクトルに複数のウィンドウを演算した方法では、計算が煩雑になって画像計算の時間がかかり、肌への照射光量も多くなる。さらには、特定の波長のみの情報をとろうと思っても、その波長範囲が広いため肌への照射量が多くロスが多い、かつ測定深度向上のために複数の分光器と検出機をつかって波長分解能をあげるような方法をとることも困難であり、これらを両立した方法になっていない。
この他にも肌のブレを無くすためにガラス板に肌を押し付けて固定して、肌とガラス板の間にマッチングオイルを挟むような機械的な方法と特許文献2、3にあるような方法を組み合わせることも考えられるが、肌は柔らかいので圧縮されて不自然な状態になり、かつ化粧品は剥がれてしまことが想定されるため、マッチングオイルやガラスに押し付けた状態の不自然な肌でなく、自然な肌の状態であることが望ましい。
また、特許文献1に開示されているRGB−OCT装置は、可視光域の光源として、R、G、B各色のSLD光源を備える必要がある一方で、備えられている光源の波長での測定に限定され、任意色での測定はできない。すなわち、R、G、Bなど備えられている光源の波長を吸収する色素情報は得ることができるが、他の波長域、例えば、黄色、オレンジなどの波長域の光を吸収する色素情報を得ることはできない。また各色を同時に測って、複数の分光断層画像を同時に得ることもできない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、ヒトの肌を測定できる、可視光域の任意の波長域の光を用いた光断層画像を取得可能で、稼動部を要しない光断層画像撮像装置およびその装置を用いたヒト肌の計測方法を提供することを目的とする。
本発明の光断層画像撮像装置は、400nm〜800nmに亘る波長域を少なくとも含む光を射出する単一の光源、および光源から射出された光から可視域の単一もしくは複数ピークをもつ任意の波長域を切り出してスペクトル成形をするスペクトル成形部を有し、スペクトル成形された低コヒーレント光を射出する光源部と、
光源部から射出された低コヒーレント光を測定光と参照光とに分割する光分割部と、
測定光を測定対象にライン状に照射する測定光照射光学系と、
測定光が測定対象に照射されたときの測定対象からの反射光と参照光とを重ね合わせる合波部と、
合波部により合波された反射光と参照光との干渉光を分光検出する干渉光検出部と、
干渉光検出部により検出された干渉光を周波数解析することにより測定対象の二次元光断層画像を取得する断層画像取得部とを有する。
本発明の光断層画像撮像装置においては、測定光照射光学系がシリンドリカルレンズを備え、合波部と干渉光検出部との間に、測定光照射光学系のシリンドリカルレンズと直交配置された対物シリンドリカルレンズを備えていることが好ましい。
本発明の光断層画像撮像装置においては、任意の波長域として互いに異なる波長域の光を用いて複数の光断層画像を取得し、複数の光断層画像に基づいて測定対象中の構造を分析する分析部を備えたものとすることができる。
スペクトル成形部により切り出す任意の波長域を設定し、任意の波長域の光による光断層画像を取得する制御部をさらに備えていてもよい。
スペクトル成形部が複数のカラーフィルタを備えていることが好ましい。
スペクトル成形部においては、1つの色だけでなく、複数の色を同時に透過させてもよい。
光源が射出する光は、青から赤までの全波長の光を含むことが好ましい。
光源が射出する光は、スーパーコンティニューム光とすることができる。
光分割部が石英板からなり、石英板の光入射面が低コヒーレント光の光軸に対して所定の角度で配置されており、石英板に入射した低コヒーレント光のうち石英板を透過する透過光が参照光であり、石英板により反射された反射光が測定光であり、石英板により生じる光分散を補償する分散補償機構をさらに備えていることが好ましい。
参照光の光路上に減光フィルタを備えていることがより好ましい。
本発明のヒト肌の計測方法は、本発明の光断層画像撮像装置を用い、
ヒト肌に対して、測定光を照射し、
干渉光を分光検出し、
干渉光を周波数解析することによりヒトの肌の分光断層画像を取得し、
分光断層画像を画像表示装置に表示し、分光検出した干渉光からヒト肌の表面もしくは内部の光学的特長を求めて画像表示装置に表示するヒト肌の計測方法である。
光学的特長としては、ヒト肌の表面もしくは内部の任意箇所における反射光強度、あるいは反射光強度の深さ方向プロファイルなどがあげられる。ここで、反射光強度には、散乱光による光も含まれる。
ヒト肌に対する任意の化粧品もしくは医薬品の塗布前、および塗布後のそれぞれの場合のヒト肌についての分光断層画像を取得し、光学的特長を求め、
塗布前および塗布後の分光断層画像および光学的特長をそれぞれ画像表示装置に表示することができることが好ましい。
本発明の光断層画像撮像装置は、低コヒーレント光を使用して光断層撮影画像を取得する装置であって、400nm〜800nmに亘る波長域を少なくとも含む光を射出する単一の光源、および光源から射出された光から可視域の任意の波長域を切り出してスペクトル成形をするスペクトル成形部を有し、スペクトル成形された低コヒーレント光を射出する光源部を備えたことにより、近赤外光を用いた場合と比較して分解能の高い光断層画像を取得することができ、見た目と直接対応した画像を取得することができる。さらに可視域の任意の波長域の低コヒーレント光を用いた光断層画像撮影が可能であるため、測定対象中の特定波長域に吸収を生じる色素などの分布状態を明らかにすることができる。
また、反射光と参照光との干渉光を分光検出する干渉光検出部と、干渉光検出部により検出された干渉光を周波数解析することにより測定対象の二次元光断層画像を取得する断層画像取得部とを有しているので、スペクトルから深さ方向位置における反射情報を取得することができるので、深さ方向における機械的なスキャンが不要となった。
さらに、照射光学系にシリンドリカルレンズを採用すれば、測定対象の測定面に対して測定光をライン状に照射することができるので面方向のスキャンも不要になり、かつ、そのシリンドリカルレンズに直交した方向のシリンドリカルレンズを対物レンズとして用いることで、この面方向および深さ方向への機械的な光走査を行うことなく、二次元光断層画像を取得することができるため、非常に短時間の一度の測定で、断層画像を取得でき、ヒト肌のようなブレのある試料の測定が可能となる。
本発明の実施形態に係る光断層画像撮像装置の全体構成を示す模式図である。 光分割部として石英板を備え、分散補償機構を備えていない場合の装置構成を示す模式図である。 図2に示す装置構成において取得される深さ方向の信号プロファイルを示す図である。 光分割部として石英板を備え、分散補償機構を備えた場合の装置構成を示す模式図である。 図4に示す装置構成において取得される深さ方向の信号プロファイルを示す図である。 本実施形態の光断層画像撮像装置(回折格子600本/mm)において、700nm近傍の波長域で取得した光断層画像である。 本実施形態の光断層画像撮像装置(回折格子1200本/mm)において、700nm近傍の波長域で取得した光断層画像である。 市販の近赤外光断層画像撮像装置により取得した光断層画像である(比較例)。 本実施形態の光断層画像撮像装置において、所定の波長域を切り出して成形されたスペクトル(Aは赤色、Bは緑色、Cは青色、Dはオレンジ色)を用いて取得した、見た目が白く明るい被験者の光断層画像である。 本実施形態の光断層画像撮像装置において、所定の波長域を切り出して成形されたスペクトル(Aは赤色、Bは緑色)を用いて取得した、見た目が暗い肌を持つ被験者の光断層画像である。 本実施形態の光断層画像撮像装置において、赤色波長域のスペクトルを用いて取得した肌レプリカIの分光断層画像Aおよび深さ方向の一次元プロファイルBである。 本実施形態の光断層画像撮像装置において、赤色波長域のスペクトルを用いて取得した肌レプリカIIの分光断層画像Aおよび深さ方向の一次元プロファイルBである。 本実施形態の光断層画像撮像装置において、赤色波長域のスペクトルを用いて取得したヒト肌の分光断層画像Aおよび深さ方向の一次元プロファイルBである。 多波長同時透過フィルタの透過スペクトルである。 図14に示す透過スペクトルのフィルタを用いて、各色でヒト肌を同時測定した結果であり、Aは青色、Bは緑色、Cは赤色の各波長域の分光断層画像である。 ヒト肌について赤色波長を用いて取得した分光断層画像であり、Aは未塗布、Bは0.09mg/cm2、Cは0.28mg/cm2、Dは0.48mg/cm2、それぞれファンデーションを塗布した場合についての画像である。 分光断層画像撮影時に分光検出される干渉光から求められたヒト肌あるいは肌レプリカの最表面における反射光強度のファンデーションの塗布量との関係を示す図である。
以下、本発明の光断層画像撮像装置の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る光断層画像撮像装置1の全体構成を模式的に示した図である。
図1に示すように、本実施形態の光断層画像撮像装置1は低コヒーレント光Lを射出する光源部10と、光源部10から射出された低コヒーレント光Lを測定光Lと参照光Lとに分割する光分割部3と、測定光Lを測定対象S(ここでは、ヒト肌)にライン状に照射する測定光照射光学系20と、測定光Lが測定対象Sに照射されたときの測定対象Sからの反射光Lと参照光Lとを重ね合わせる合波部4と、合波部4により合波された反射光Lと参照光Lとの干渉光Lを分光検出する干渉光検出部30と、干渉光検出部30により検出された干渉光を周波数解析することにより測定対象の二次元分光断層画像を取得する断層画像取得部40と、二次元分光断層画像を表示する画像表示装置50を有する。
光源部10は、少なくとも400nm〜800nmに亘る波長域を含む光を射出する単一の光源11および光源11から射出された光から可視域の任意の波長域を切り出してスペクトル成形をするスペクトル成形部12を有しており、任意の波長域のスペクトル成形された低コヒーレント光Lを射出する。
光源11は少なくとも400nm〜800nmの可視域を含む白色光源であり、特には、スーパーコンティニューム光を射出する白色光源が好適である。
スペクトル成形部12は、光源11から射出される可視光全域を含む帯域の光から任意の波長域を切り出し、ガウシアン分布のスペクトル成形をするものであり、具体的には、カラーフィルタを用いることができる。複数のカラーフィルタを備え、カラーフィルタを切り替えることにより任意の波長域を切り出す構成とすることができる。カラーフィルタとしては、赤色、緑色、青色などの他、オレンジ色、黄色等測定対象に応じて選択可能なように複数種を備えていることが好ましい。さらに、複数色の波長域を同時に透過させる複数ピークの透過スペクトルを有するフィルタを備えていてもよい。このようなフィルタを備えることにより、分光器の波長範囲内であれば、赤と緑など複数の色を同時に透過させることで、1回の測定で同じ場所を違う色で同時刻に測定することも可能である。
本実施形態において、光源部10から射出された低コヒーレント光Lを測定光L、参照光Lに分離する光分割部3は、石英板により構成されており、これは、測定対象Sに照射された測定光Lの反射光Lと参照光Lを合波する合波部4としても機能するものである。石英板3(4)は、低コヒーレント光Lがその入射面に0°でない所定の入射角度(例えば、45°)で入射し、石英板3(4)の入射面に入射した低コヒーレント光Lのうち入射面で反射した光を測定光Lとして測定対象Sに照射し、入射面に入射した低コヒーレント光Lのうち石英板3(4)を透過した光を参照光Lとして反射部材6に入射させるように構成されている。
光分割部3および合波部4としては、一般的なビームスプリッター、ハーフミラー等を用いることも可能であるが、石英板は安価であり、かつ、反射光が4%程度と非常に低いので、この反射光を測定光として用いることによりヒト肌への刺激を抑制することができ、非常に好ましいことが本発明者らの検討により明らかになった。
なお、石英板3(4)の入射面に対して垂直でない方向から入射して、入射面に対向する出射面から射出される光には大きな屈折率分散が生じるため、分散補償用の石英板5が測定光Lの光路上に配置されている。分散補償用の石英板5は、光分割部である石英板3と同一形状であり、石英板3とほぼ平行に配置されている。
石英板3(4)と測定対象Sとの間には、測定光照射光学系20が備えられている。測定光照射光学系20にはシリンドリカルレンズ21が備えられており、このシリンドリカルレンズ21により、測定対象Sの表面上の一軸(図1中紙面奥行方向)方向yに延びるライン状に測定光Lを照射するよう構成されている。シリンドリカルレンズ21としては、例えば焦点距離f=75mmのものを備える。測定光Lをライン状に照射することにより、二次元断層画像を短時間の一回の露光により取得することができる。
なお、測定光照射光学系20には、図示していない偏光子、ズームレンズ等の他の光学系を備えていてもよい。
反射部材6は例えばミラーからなり、光分割部3で分離された参照光Lを合波部4側に反射するように配置されている。
合波部4は、反射部材6により反射された参照光Lと測定対象Sからの反射光Lとを合波し干渉光検出部側に射出するものであり、既述の通り、本実施形態において、合波部4は光分割部3を兼ねる石英板により構成されている。
参照光Lと反射光Lとの干渉性を良好なものとするためには、参照光Lと反射光Lが通過した光路長や、波長分散特性が同一であることを要する。そこで、本実施形態においては、参照光Lの光路上には測定光L(およびその反射光L)の光路上に配されるシリンドリカルレンズ21と同じ、例えばf=75mmのシリンドリカルレンズ25を備えている。また、測定対象Sに照射された測定光Lのうち、測定対象Sから反射して合波部4に戻る反射光Lは非常に小さいので、参照光Lと反射光Lとの対称性を担保するために、参照光Lの強度を低減されるための減光フィルタ(NDフィルタ)27を参照光Lの光路上に備えている。さらには、減光フィルタ27により生じる光路差を補償するために測定光Lの光路上には光路調整機構28を備えている。光路調整機構28は、減光フィルタ27により生じる光路差を補償できる構成であれば特に制限はないが、具体的には、厚みを調整した石英板を用いることができる。このように、参照光Lの光路長が、測定対象Sの基準点(ここでは、測定対象Sの表面)に照射される測定光Lの光路長に等しくなるように光学系を構成することが好ましい。
干渉光検出部30は、合波部4により合波された反射光Lと参照光Lとの干渉光Lを分光して波長成分毎で検出するものであって、干渉光Lを分光する分光器31と、二次元光検出器32を備えている。
分光器31としては様々な公知の技術を用いることができ、例えば、回折格子等により構成することができる。光検出器32は、例えばCCDあるいはフォトダイオード等の受光素子が二次元状に配列した二次元光センサから構成される。また、干渉光Lをビームスプリッターなどで分けて、分岐した光に対してそれぞれ分光器やCCDを複数台設置し、分光情報を同時に測定する方法も考えられる。
また、合波部4と干渉光検出部30との間には、干渉光Lを干渉光検出部30に導く光学系として、シリンドリカルレンズ(本例では焦点距離f=150mm)26および、結像レンズ(焦点距離f=50mm)35を備えている。
シリンドリカルレンズ26は、測定光照射光学系20中に配置されたライン状照射を行うためのシリンドリカルレンズ21に対して円筒の長さ方向の軸が直交するように配置されるy方向の対物用レンズである。
光検出器32を構成するXY軸二次元光センサの受光素子は図1中光検出器32中に模式的に示す二次元XY方向に配列されており、分光器31は干渉光Lを分光して二次元光センサ上においてX軸方向に配列される受光素子により波長毎の光量が検出されるように配置される。二次元光センサにおいて、Y軸方向に配列される受光素子には測定面におけるライン状の測定光のライン方向(y方向)位置毎の反射光に起因する干渉光が入射されることとなる。シリンドリカルレンズ21により圧縮されたx方向の光をフーリエ変換することで、深さ方向(z方向)の情報をえることができる。すなわち、本光断層画像撮像装置1においては、二次元光センサに測定対象の面方向(y方向)および深さ方向(z方向)の情報を有する光が同時に入射するため、y方向およびz方向の二次元光断層画像を一回の露光で取得できる。
断層画像取得部40は、例えば、パーソナルコンピュータおよびコンピュータプログラムにより構成される。断層画像取得部40は、干渉光検出部30において検出された干渉光Lを周波数解析することにより測定対象Sの深さ位置zにおける反射情報を取得して、二次元光断層画像を取得する。断層画像取得部40においては、二次元光センサのX軸方向に配列された受光素子から検出された波長毎の強度スペクトルにおいて波長を波数に変換し、フーリエ変換(FT)することにより、測定対象における深さ位置zにおける反射情報を取得する。なお、この操作において、波数をFT変換後することで深さzが得られるが、このときの深さzは屈折率1相当の光路長であるため、深さ位置zの表示には屈折率を考慮する必要がある。今回測定した試料では屈折率を1.5としている。上記方法で得られる任意の深さ位置zの反射情報には、測定対象の光学的特長が含まれている。たとえば、光学的特長としては、測定対象の最表面での反射光強度、任意の深さにおける散乱光を含む反射光強度、あるいは深さ方向の一次元プロファイル等が挙げられる。断層画像取得部40は、断層画像の取得と併せて、任意の光学的特長を求めるように構成されていることが望ましい。
さらに、本光断層画像撮像装置1は、分光断層画像や測定対象の光学的特長を表示する画像表示装置50を備えている。画像表示装置50は液晶ディスプレイなどで構成でき、画像表示装置50に測定対象の分光断層画像および光学的特長を表示させることにより、観察者は画像化あるいは数値化された測定対象を見て、測定対象を評価することができる。画像表示装置50への分光断層画像の表示と光学的特長の表示とは、同時であってもよいし、逐次であってもよい。
なお、本発明の光断層画像撮像装置においては、任意の波長域として互いに異なる波長域の光を用いて複数の分光断層画像を取得し、複数の分光断層画像に基づいて測定対象中の構造を分析する分析部を備えることが好ましい、さらには、スペクトル成形部により切り出す任意の波長域を設定し、任意の波長域の光による分光断層画像を取得する制御部、すなわち、任意の波長域の光による分光断層画像を取得するようにスペクトル成形部よび断層画像取得部を制御する制御部が備えられていることが好ましい。断層画像取得部、分析部、制御部は、干渉光検出部と接続されたパーソナルコンピュータ、およびそのコンピュータに組み込まれたプログラムにより構成することができる。
本発明の光断層画像撮像装置は、広帯域な白色光源を使用したSD(スペクトラドメイン)型のOCTであり、上記構成の装置により、ヒト肌の角質、表皮、真皮上層の可視域における色毎の二次元断層画像を非破壊・非浸襲の自然な状態(in-vivo、in-situ)で初めて実現することができた。スペクトルから深さ分布を取得できるためTD(タイムドメイン)型とは異なり、光路長を変化させるための機械的なスキャンが不要である。また照射光学系のシリンドリカルレンズを採用して、測定光の測定面での照射をライン状にし、かつそれと直交したシリンドリカルレンズの対物レンズを備え、二次元光断層画像を取得する際の面方向のスキャンも不要である。一回のライン状の測定光の照射により測定光によるスキャンを行うことなく光断層画像を取得できるので、ヒト肌のようなブレのある試料も測定可能である。
また、カラーフィルタで白色光源から射出された光を分光するよう構成されているので、任意の波長域の光を簡易に取り出して断層画像を取得することができる。
現在、眼科用として一般的に用いられている近赤外OCTで得られる断層画像は赤外光の散乱の情報である。一方、例えば、緑色の光を吸収する色素が測定対象中に存在する場合に、緑色の光を用いて画像取得を行うと、色素の吸収に起因して暗く表示されるが、赤など他の光の光は吸収されないため赤色の光を用いて画像取得を行った場合には、その色素があっても暗く表示されることはない。このように、赤色と緑色の光をそれぞれ使用して測定し、各色の断層画像を比較することで、材料中の色素の分布を把握することができる。本発明の光源部は、赤、緑等の特定の色の波長に限定されず、オレンジ、黄色など任意の波長を切り出して画像撮影を行うことができるので、種々の色素についての情報を得ることが可能である。
さらには、可視光は近赤外光に比べて波長が短いため、断層画像の深さ分解能が高いメリットが挙げられる。近赤外光では深さ分解能の観点で観測困難な、皮膚の角質層、薄膜などの評価が可能となる。
図2〜図5を用いて、光分割部3かつ合波部4として石英板を用いた場合における分散補償機構の必要性を説明する。図2は、光分割部3として石英板を備え、分散補償機構を備えていない場合の装置構成を示す模式図であり、図3は、図2に示す装置構成において取得される深さ方向の信号プロファイルを示す図である。図4は、光分割部3として石英板を備え、分散補償機構を備えた場合の装置構成を示す模式図であり、図5は、図4に示す装置構成において取得される深さ方向の信号プロファイルを示す図である。
図2および図4において、測定対象として、深さ方向の信号プロファイルが既知であるミラー8を配置し、深さ方向の信号プロファイルをそれぞれ取得した。ここでは、スーパーコンティニューム光源からの光を赤色(698±32nm)のカラーフィルタで赤色光を切り出してスペクトル成形された低コヒーレント光を用いた。
ミラー8は深さ方向において鋭い一つのピークを有するプロファイルを示すことが知られている。図2に示す分散補償機構を備えていない装置構成の場合、深さ方向のプロファイル中に複数のピークが生じ、正確な情報が得られない。これは、石英の入射面から入射して対向する面から屈折出射される参照光に大きな光分散が生じているためである。他方、図4に示すように、測定光L1の光路上に分散補償機構として光分割部3とほぼ同じ厚みの石英板を光分割部3と平行に配置した場合、図5に示すように半値幅の狭い(4μm)の鋭いピークを有する信号プロファイルを得ることができた。すなわち、分散補償機構を備えることにより、屈折率分散の大きい可視域の深さ方向の分解能を向上することができた。
本実施形態の光断層画像撮像装置を用いた本発明のヒト肌の計測方法の実施形態について説明する。
被験者の肌(ヒト肌)に対して、測定光を照射し、測定光と参照光との干渉光を分光検出し、干渉光を周波数解析することによりヒト肌の分光断層画像を取得し、また、分光検出した干渉光からヒト肌の表面もしくは内部の光学的特長を求める。そして、分光断層画像および光学的特長を画像表示装置に表示させる。画像と光学的特長とを画像表示装置に同時に表示させてもよいし、逐次表示させてもよい。
光学的特長としては、ヒトの肌の表面もしくは内部の任意箇所における反射光強度、あるいは反射光強度の深さ方向の一次元プロファイルなどがあげられ、それぞれの数値あるいはグラフ等が表示される。
このように本発明のヒトの肌の計測方法により分光断層画像及び光学的特長が表示されれば、この表示内容から測定者あるいは診断者等が肌の状態について容易に評価することができる。各分光断層画像における輝度、深さ方向プロファイル等について多数の被験者からのサンプルを取得し、健常、異常とみなせる数値範囲を予めデータとして分析部に備えておき、それらの数値と測定値との比較により健常、異常などの評価を合わせて表示するようにしてもよい。
また、評価したい化粧品や医薬品について、ヒトの肌への塗布前および塗布後にそれぞれ分光断層画像を取得し、光学的特長を求め、塗布前後の分光断層画像および光学的特長を画像表示装置に同時にあるいは逐次に表示させることにより、化粧品や医薬品の塗布前後の肌表面および肌内部の変化を視覚的に確認することができ、塗布した製品の効果等を評価することができる。なお、画像表示装置への表示は、比較したい画像あるいは数値などを同時に表示させた方が、より比較しやすいため好ましい。塗布前後の分光断層画像の差分や、光学的特長の差分を求め、塗布前後の変化としてこれら差分を画像表示装置に表示させるようにしてもよい。
次に、本実施形態の光断層画像撮像装置において、モデル皮膚について取得した光断層画像(図6、図7)と市販の近赤外OCT(ソーラボ社製)を用いて取得した光断層画像(図8)とを示す。図6、図7は、スーパーコンティニューム光源からの光を赤色(698±32nm)のカラーフィルタで切り出してスペクトル成形された赤色光の低コヒーレント光を用い、分光器として回折格子を用いて撮影したモデル皮膚の光断層画像であり、図6は、回折格子の格子数が600本の/mm場合、図7は格子数が1200本/mmの場合である。
図6に示すように格子数が600本の場合、本実施形態の装置において、深度350μm程度までの画像を取得することができた。表皮、真皮、角質層(図6では、角質と表示。図9では、角質層と表示)、基底層等が非常に明確に表示されており、高い分解能が得られていることが分かる。一方、図7に示すように格子数を1200本とした場合、600μmの深度までの情報を取得することができ、この場合も高い分解能で表皮と真皮とを観察することができた。市販の近赤外OCTで同様にモデルの皮膚の光断層画像を撮影した場合、図8に示すように図6と比較して角質層が明瞭でなく、かつ図7と比較して表皮と真皮の境が明確でなかった。このように、可視域の光を用いて画像を取得することにより高い分解能の画像を取得できた。
また、図6、図7の比較から分かるように回折格子の格子数(溝本数)を大きくすることにより測定深度を深くすることができることが明らかであり、測定波長毎に回折格子の格子数を調整して最適な測定深度に最適化することが可能である。
図9は、本実施形態の光断層画像撮像装置において、スーパーコンティニューム光から所定の波長域を切り出して成形されたスペクトル(Aは赤色、Bは緑色、Cは青色、Dはオレンジ色)を用いて取得したヒト肌の分光断層画像である。図9中のAは赤色(698±32nm)フィルタ、Bは緑色(572±38nm)フィルタ、Cは青色(453±33nm)フィルタ、Dはオレンジ色 (595±30nm)フィルタをそれぞれ用い、30歳男性の腕の裏の皮膚に対し、それぞれ露光時間20ms(ミリ秒)で撮像した画像である。
特許文献1の装置は、タイムドメイン型であり、深さ方向のスキャンを機械的に行うために、二次元光断層画像を取得するのに数分程度を要する。そのため、ヒト肌のようにブレや振動が生じる測定対象についての良好な断層画像を取得することができなかった。本発明の光断層画像撮像装置においては、例えば図9の例で示した20msという非常に短時間の露光で撮影が可能であるため、実際のヒト肌の光断層画像を取得することができた。図9のA、B、C、Dの撮影は波長帯毎に異なる時刻に行ったものであり、同一部位について同時に取得したものではない。従って、図9のA、B、C、Dの画像において表皮厚さ、真皮厚さ、乳頭層の位置などは一致していない。
図9に示すように、波長帯によって、肌内部の状態が異なって見えるのは、肌内部に存在する色素分布の状態に依存するものであり、異なる波長帯の画像を比較することにより肌内部に存在する色素分布を把握することが可能である。ヒト肌の表皮にはメラニン色素、真皮にはヘモグロビン色素が存在する。これらの色素は吸収スペクトルに特徴があり、緑色や青色の光を吸収し、赤色の光は吸収しない特性を持つため、緑色波長帯の光を用いた画像を取得すると、色素の吸収に起因して暗く表示されるが、赤など他の緑色波長帯以外の波長帯を使用した場合は、光は吸収されず明るく表示される。本光断層画像撮影装置を用いれば、ヒト肌に対しても容易に異なる波長帯の断層画像を取得することができるので、これら色素の分布を非破壊で明らかにすることができる。
このように、本発明では機械的に肌をガラス板に押し付けたり、マッチングオイルにつけたりすることなく、評価できるため、肌の自然な状態の評価を行うことが出来る。なお、本願発明の装置の測定対象はヒト肌に限るものではなく、薄膜材料等の厚み方向の材料分布情報を得るために用いることもできる。
図10は、本実施形態の光断層画像撮像装置において、Aは赤色(698±32nm)フィルタ、Bは緑色(572±38nm)フィルタにより、それぞれスーパーコンティニューム光から赤色(698±32nm)、緑色(572±38nm)とを切り出して成形されたスペクトルの波長を用いて、露光時間20msで取得した光断層画像である。図10は、図9の被験者とは別人である。
図9は白く明るい肌であり、図10は暗い肌である。図10から、Aの画像では真皮まで見えているのに対し、Bの画像では表皮と真皮との境がはっきりしない。これは、表皮に含まれるメラニンやヘモグロビンなどの色素により緑色の光が吸収され光が奥まで届いていないことを示す結果であり、これらの画像から表皮中にメラニンやヘモグロビンなどの色素を多数含むと評価できる。それに対して、図9では、Aの画像でもBの画像でも真皮まで届いた光が観測されており、暗い肌と比較してメラニンやヘモグロビンなどの緑色の光を吸収する色素が少ないと評価できる。このように、肌中の色素の分布の違いによって、人が視覚的に白いと感じる肌や、暗いと感じる肌などの実際の見た目と直接対応するデータが得られている。なお、ここで白く明るい肌、暗い肌は黄色人種である日本人を対象とした主観的な評価である。
本発明の光断層画像撮像装置を用いれば、白い肌や黒い肌、透明感のある肌、にごった肌など、それぞれの肌について各色の光の深達度や強度を明らかにすることができ、肌内部の色素の存在分布や色の発現機構について新たな価値観を提示することが期待できる。なお、得られた複数の分光断層像を詳細に解析し、メラニン色素やヘモグロビン色素の量を解析したり、色素の存在位置を特定したりすることも可能である。
図11〜13は、肌レプリカI、IIおよびヒト肌について、本発明の光断層画像取得装置を用いて取得された分光断層画像Aおよび光散乱強度の深さ方向の一次元プロファイルを示す図である。測定光としては、赤(698±32nm)を用いた。図11および図12に示す通り、肌レプリカの最表面には表皮を模して透明な層が存在し、一次元プロファイルからも明らかなように、透明層の境界面からの反射ピーク以外は大きな強度値を示すものはない。一方、実際のヒト肌では、表皮中からも散乱光(反射光)が複数検出されており、肌レプリカとは一次元プロファイルの見え方が異なっている。
すなわち、肌レプリカの表面的な見え方は、色材を使って人間を模しているものの、内部の光散乱特性は大きく異なっていると言える。このように肌レプリカを用いたのでは、化粧品塗布、及び経皮吸収製剤塗布前後の人肌の光学的な特徴や、健常、異常、及び改善した肌の特徴を正確に評価、診断することはできない。
更に、実際のヒト肌の見え方は多種多様で個体差が大きい。そこで、生きた実際のヒト肌で、化粧品塗布、及び経皮吸収製剤塗布前後の肌の光学的な特徴や、健常、異常、及び改善した肌の特徴を正確に評価、診断する必要が生じる。既述の通り、従来の装置では、数分程度の撮像時間を要するため、ヒト肌の撮像には不適であったが、本発明の光断層画像撮像装置を用いれば、生きた実際のヒト肌を測定対象とすることができ、ヒト肌の分光断層画像、光学的特長を取得することができる。また、ヒト肌の光学特徴を定量するためには、各色で同一箇所を同時に計測することが望ましく、この観点でも多波長同時測定が可能な本発明の光断層画像撮像装置は非常に優れている。
本実施形態の光断層画像撮像装置において、多波長同時測定を行うためには、例えば、可視域の任意の波長域を切り出してスペクトル成形をするスペクトル成形部12として、図14に示すような複数ピークの透過スペクトルを有する多波長同時透過フィルタを用いればよい。図14に示す透過スペクトルは、青色、緑色、赤色に透過ピークを有している。このような多波長同時透過フィルタを備えることにより、各色で同時に測定できるだけでなく、不要な波長域を効率的にカットして、人体への照射光量を最適化することができる。
図15は、図14に示す透過スペクトルを有するスペクトル成形部12、分光部31として600本/mmの回折格子を用いて、各色(Aは青、Bは緑、Cは赤)について同時に取得した被験者の肌(ヒト肌)の分光断層画像である。このように同一箇所を同時刻に複数色(ここでは3色)の画像を取得することができるので、これらを同時に画像表示装置に表示させることにより色素分布等の評価をより正確に行うことが可能となる。
次に、ヒト肌に化粧品を塗布する前後での肌の光学的な変化を計測した結果について説明する。
図16は、35歳の肌色の被験者(日本人)の肌のファンデーションを未塗布の状態から、0.09mg/cm、0.28mg/cm、0.48mg/cmと塗布したとき状態を本発明の分光断層画像撮影装置によって赤色波長を用いて撮像取得した分光断層画像である。図16においてAはファンデーション未塗布、Bは0.09mg/cm塗布、Cは0.28mg/cm塗布、Dは0.48mg/cm塗布した状態で撮影した画像である。被験者の肌の所定領域を枠で区切って区画し、同一箇所に対しファンデーション未塗布の状態、各塗布量で塗布した状態で撮影した。塗布量は、パフにファンデーションを付け重さを測定し、枠内の肌に塗布した後、ファンデーションの重さを再度測定し、その質量差から算出した。
図16に示すように、ファンデーションの塗布量が増加すると、肌深部からの散乱光(反射光)の信号が減少していることがわかる。これは、ファンデーションの塗布により肌への光の侵入が抑制されたことによると考えられる。このように、塗布の前後の光断層画像の比較により肌の光学的な変化を評価することができる。機械的に、ガラス板に肌を押し付けて固定して測定する手法や、マッチングオイルを使って見やすくする方法では、化粧が肌から剥がれてしまうため、本手法に上げた非破壊の観察方法が適切である。
図17は、3人の被験者および肌レプリカに対してファンデーション未塗布および所定量塗布した状態について肌最表面における反射光強度を比較した結果を示すグラフである。被験者はいずれも日本人であり、被験者Aは35歳、肌色の肌、被験者Bは30歳、白く透明な肌、被験者Cは29歳、茶色がかった肌であった。縦軸は反射光強度、横軸はファンデーション塗布量である。ファンデーション塗布量については、上記と同様にして算出したものである。図17に示すように肌レプリカにファンデーションを塗布した場合、その反射光強度(赤698±32nm)は大きく変化する。一方、ヒトの肌では、塗布前後でも肌最表面における反射光強度が大きく変化しておらず、肌レプリカとは異なる挙動を示すことが明らかになった。これは、ファンデーション等の化粧品や薬品など肌に塗布して使用する製品についての光学的な評価は、実際の肌に塗布した状態で評価することが重要であることを示している。
本発明の光断層画像撮影装置により、肌内部構造(角質層、真皮等)の情報を非破壊で得ることができる。具体的な観測項目としては、角質層・表皮層の厚み、角質層・表皮層・真皮層の構造の乱れ、メラニン色素分布、毛穴の構造、毛乳頭の構造、肌の各色の伝搬性などが挙げられるが、特に限定されない。
また、本発明の光断層画像撮影装置を用いたヒト肌の計測方法を用いれば、化粧品・医薬部外品・医薬品等の有効成分が肌に与える影響を容易に評価することができる。具体的には、肌荒れ改善剤、保湿剤、美白剤、抗シワ剤、ニキビ改善剤、角質肥厚改善剤、ターンオーバー改善剤、毛穴収斂剤、育毛剤、抗酸化剤等の効果を評価することにも有用であるが、特に限定されない。
なお、本発明の光断層画像撮影装置は高い時間分解能でリアルタイムにカラーの断層画像を得ることができる装置であり、化粧品に関わらず、ケガ、病気を含む肌の診断・解析、フィルムの製造監視、及び構造体などの断層方向のカラーの画像解析にも用いることができ、観察対象を限定されるものではない。
1 光断層画像撮像装置
3 光分割部
4 合波部
6 反射部材(ミラー)
10 光源部
20 測定光照射光学系
21、25、26 シリンドリカルレンズ
30 干渉光検出部
31 分光部(回折格子)
32 二次元光検出器
40 断層画像取得部
50 画像表示装置

Claims (11)

  1. 400nm〜800nmに亘る波長域を少なくとも含む光を射出する単一の光源、および該光源から射出された光から可視域の任意の波長域を切り出して単一もしくは複数ピークをもつスペクトルに成形するスペクトル成形部を有し、該スペクトル成形された低コヒーレント光を射出する光源部と、
    該光源部から射出された低コヒーレント光を測定光と参照光とに分割する光分割部と、
    前記測定光を測定対象にライン状に照射する測定光照射光学系と、
    前記測定光が前記測定対象に照射されたときの該測定対象からの反射光と前記参照光とを重ね合わせる合波部と、
    該合波部により合波された前記反射光と前記参照光との干渉光を分光検出する干渉光検出部と、
    該干渉光検出部により検出された前記干渉光を周波数解析することにより前記測定対象の二次元光断層画像を取得する断層画像取得部とを有する光断層画像撮像装置。
  2. 前記測定光照射光学系が、シリンドリカルレンズを備え、
    前記合波部と前記干渉光検出部との間に、前記シリンドリカルレンズと直交配置されたシリンドリカルレンズを備えている請求項1記載の光断層画像撮像装置。
  3. 前記任意の波長域として互いに異なる波長域の光を用いて複数の光断層画像を取得し、該複数の光断層画像に基づいて前記測定対象中の構造を分析する分析部を備えている請求項1または2記載の光断層画像撮像装置。
  4. 前記スペクトル成形部により切り出す前記任意の波長域を設定し、該任意の波長域の光による光断層画像を取得する制御部をさらに備えている請求項1から3いずれか1項記載の光断層画像撮像装置。
  5. 前記スペクトル成形部が複数のカラーフィルタを備えている請求項1から4いずれか1項記載の光断層画像撮像装置。
  6. 前記光源が射出する前記光が、スーパーコンティニューム光である請求項1から5いずれか1項記載の光断層画像撮像装置。
  7. 前記光分割部が石英板からなり、該石英板の光入射面が前記光源部から射出された光の進行方向に対して垂直でない所定の角度で配置されており、
    前記光源部から射出された低コヒーレント光のうち前記石英板を透過する透過光が前記参照光であり、前記光の進行方向と異なる方向に反射された反射光が前記測定光であり、
    前記石英により生じる光分散を補償する分散補償機構をさらに備えている請求項1から6いずれか1項記載の光断層画像撮像装置。
  8. 前記参照光の光路上に減光フィルタを備えた請求項1から7いずれか1項記載の光断層画像撮像装置。
  9. 請求項1から8いずれか1項記載の光断層画像撮像装置を用い、
    ヒト肌に対して、前記測定光を照射し、
    前記干渉光を分光検出し、
    該干渉光を周波数解析することにより前記ヒト肌の分光断層画像を取得し、
    該分光断層画像を画像表示装置に表示し、分光検出した前記干渉光から前記ヒト肌の表面もしくは内部の光学的特長を求めて前記画像表示装置に表示するヒト肌の計測方法。
  10. 前記光学的特長として、前記ヒト肌の表面もしくは内部の任意箇所における反射光強度、あるいは反射光強度の深さ方向プロファイルを求める請求項9記載のヒト肌の計測方法。
  11. 前記ヒト肌に対する任意の化粧品もしくは医薬品の塗布前、および塗布後のそれぞれの場合の前記ヒト肌についての前記分光断層画像を取得し、前記光学的特長を求め、
    前記塗布前および前記塗布後の前記分光断層画像および前記光学的特長をそれぞれ前記画像表示装置に表示する請求項9または10に記載のヒト肌の計測方法。
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