JP2003119772A - 高強度重防食被覆鋼管矢板 - Google Patents
高強度重防食被覆鋼管矢板Info
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- JP2003119772A JP2003119772A JP2001309689A JP2001309689A JP2003119772A JP 2003119772 A JP2003119772 A JP 2003119772A JP 2001309689 A JP2001309689 A JP 2001309689A JP 2001309689 A JP2001309689 A JP 2001309689A JP 2003119772 A JP2003119772 A JP 2003119772A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】防食被覆を必要とする鋼管矢板に対して、鋼管
矢板の打設時、もしくは打設後の捨て石類、その他船舶
を含む浮遊物等によって発生する衝撃に対して耐衝撃性
と耐剥離性に優れた高強度重防食被覆鋼材を提供する。 【解決手段】 繊維強化樹脂による保護被覆をその塗装
端部に沿った軸位置に、溶接したボルトとナットを用い
て直接鋼管に固定し、爪及ぶ鋼管の爪嵌合面を除いた鋼
管本体にのみ被覆を実施する。すなわち、鋼管矢板1の
表面にボルトを溶接し、その溶接部を含めて下地処理を
施し、プライマー層2、ポリウレタン層3を1〜6mm
の厚みで積層する。さらに、その表層に繊維強化樹脂4
による2mm以上の厚みを有する保護被覆層を積層す
る。ナット取り付け後、その表層に繊維強化樹脂層5を
塗装することでナットを完全に覆う。最後に、その表層
に化粧塗装した高強度重防食被覆鋼管矢板。
矢板の打設時、もしくは打設後の捨て石類、その他船舶
を含む浮遊物等によって発生する衝撃に対して耐衝撃性
と耐剥離性に優れた高強度重防食被覆鋼材を提供する。 【解決手段】 繊維強化樹脂による保護被覆をその塗装
端部に沿った軸位置に、溶接したボルトとナットを用い
て直接鋼管に固定し、爪及ぶ鋼管の爪嵌合面を除いた鋼
管本体にのみ被覆を実施する。すなわち、鋼管矢板1の
表面にボルトを溶接し、その溶接部を含めて下地処理を
施し、プライマー層2、ポリウレタン層3を1〜6mm
の厚みで積層する。さらに、その表層に繊維強化樹脂4
による2mm以上の厚みを有する保護被覆層を積層す
る。ナット取り付け後、その表層に繊維強化樹脂層5を
塗装することでナットを完全に覆う。最後に、その表層
に化粧塗装した高強度重防食被覆鋼管矢板。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は外面に重防食被覆鋼
管矢板の搬送、港湾・河川の桟橋や護岸などの鋼構造物
の打設時、もしくは打設後の捨て石類、その他船舶や流
木等によって発生する衝撃に対して防食被覆の耐衝撃・
耐久性に優れた重防食被覆鋼管矢板に関する。
管矢板の搬送、港湾・河川の桟橋や護岸などの鋼構造物
の打設時、もしくは打設後の捨て石類、その他船舶や流
木等によって発生する衝撃に対して防食被覆の耐衝撃・
耐久性に優れた重防食被覆鋼管矢板に関する。
【0002】
【従来の技術】数十年の外面防食が必要とされる鋼管矢
板では、ポリウレタン樹脂を塗装した重防食被覆鋼材が
製造される。ポリウレタン樹脂被覆は防食性には著しく
優れるが、樹脂強度が低いため、運搬、保管、施工時の
ハンドリングにおける衝突や摩擦などによる被覆の傷発
生が問題となってきた。これに対し、特開平6−122
173号公報に示されるように、ポリウレタン被覆鋼管
矢板の表面に、ガラスフレーク入りのビニルエステル、
ポリエステルもしくはエポキシの保護被覆層を植毛材を
介して被覆する方法が提案されている。また、特開平1
1−291394号公報に示されるように被覆端部に突
起を設けた後に、ポリウレタン防食被覆、ガラス繊維を
含有する不飽和ポリエステル樹脂による保護層を形成す
る方法が提案されている。
板では、ポリウレタン樹脂を塗装した重防食被覆鋼材が
製造される。ポリウレタン樹脂被覆は防食性には著しく
優れるが、樹脂強度が低いため、運搬、保管、施工時の
ハンドリングにおける衝突や摩擦などによる被覆の傷発
生が問題となってきた。これに対し、特開平6−122
173号公報に示されるように、ポリウレタン被覆鋼管
矢板の表面に、ガラスフレーク入りのビニルエステル、
ポリエステルもしくはエポキシの保護被覆層を植毛材を
介して被覆する方法が提案されている。また、特開平1
1−291394号公報に示されるように被覆端部に突
起を設けた後に、ポリウレタン防食被覆、ガラス繊維を
含有する不飽和ポリエステル樹脂による保護層を形成す
る方法が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】重防食被覆表層に強度
・硬度に優れる保護被覆を形成する場合、重防食被覆と
高強度保護被覆では樹脂組成が異なるため接着力が十分
で無く、その接着維持が問題となる。特に鋼管矢板では
単に保護層を表面に形成しただけでは、爪端部近傍への
衝撃や、打ち込み時の嵌合により生じた被覆の疵や爪の
変形により、長期使用において保護被覆が防食被覆から
剥離しやすいという問題があった。
・硬度に優れる保護被覆を形成する場合、重防食被覆と
高強度保護被覆では樹脂組成が異なるため接着力が十分
で無く、その接着維持が問題となる。特に鋼管矢板では
単に保護層を表面に形成しただけでは、爪端部近傍への
衝撃や、打ち込み時の嵌合により生じた被覆の疵や爪の
変形により、長期使用において保護被覆が防食被覆から
剥離しやすいという問題があった。
【0004】これに対して、特開平6−122173号
公報にあるように、ポリウレタン樹脂が硬化する前に静
電植毛やエアー吹き付けを行った植毛によりポリウレタ
ンとの接着を確保し、保護層としてガラスフレーク入り
のビニルエステル、ポリエステルもしくはエポキシを被
覆する方法では、擦り傷等には強いが耐衝撃性が十分で
は無い。一方、特開平11−291394号公報に示さ
れるように予め端部に突起を設けておき、防食被覆を施
した後にガラス繊維を含有する不飽和ポリエステル樹脂
による保護層を形成する方法は、ポリウレタン防食層の
塗装厚みが数mmと厚いこととから、突起周辺部の塗装
が困難で、突起の隙間確保のために高さを大きくする必
要があるが、突起部分に衝撃を受けやすい。更には、突
起下への塗装に気泡が残存しやすく作業にも時間を要す
るという問題があった。
公報にあるように、ポリウレタン樹脂が硬化する前に静
電植毛やエアー吹き付けを行った植毛によりポリウレタ
ンとの接着を確保し、保護層としてガラスフレーク入り
のビニルエステル、ポリエステルもしくはエポキシを被
覆する方法では、擦り傷等には強いが耐衝撃性が十分で
は無い。一方、特開平11−291394号公報に示さ
れるように予め端部に突起を設けておき、防食被覆を施
した後にガラス繊維を含有する不飽和ポリエステル樹脂
による保護層を形成する方法は、ポリウレタン防食層の
塗装厚みが数mmと厚いこととから、突起周辺部の塗装
が困難で、突起の隙間確保のために高さを大きくする必
要があるが、突起部分に衝撃を受けやすい。更には、突
起下への塗装に気泡が残存しやすく作業にも時間を要す
るという問題があった。
【0005】また、いずれの方法も継ぎ手嵌合部に保護
被覆を行っているが、打ち込み時の接触あるいは爪に変
形が生じると、繊維強化樹脂は硬く伸びが無いために保
護被覆の浮きが発生しやすいという問題があった。本発
明は、保護被覆を鋼管本体にボルトで直接固定する構造
を爪嵌合部近傍に持ち、なおかつ嵌合部分に保護被覆を
設けないことによって嵌合時の爪の接触や爪の変形によ
っても保護被覆端部に剥離起点を生じることが無く、施
工時のみならず長期使用においても防食層の傷付きを防
止することが可能である高強度重防食被覆鋼管矢板を提
供するものである。
被覆を行っているが、打ち込み時の接触あるいは爪に変
形が生じると、繊維強化樹脂は硬く伸びが無いために保
護被覆の浮きが発生しやすいという問題があった。本発
明は、保護被覆を鋼管本体にボルトで直接固定する構造
を爪嵌合部近傍に持ち、なおかつ嵌合部分に保護被覆を
設けないことによって嵌合時の爪の接触や爪の変形によ
っても保護被覆端部に剥離起点を生じることが無く、施
工時のみならず長期使用においても防食層の傷付きを防
止することが可能である高強度重防食被覆鋼管矢板を提
供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記問題を
解決する手段として、下地処理を施した鋼材表面にプラ
イマー層、ポリウレタン層を順次積層して防食層を形成
した後、繊維強化樹脂保護層を爪及び爪の嵌合によって
接触する鋼管部分を除いて被覆し、また、爪部い沿った
直線上に鋼管に溶接したボルトと、ナットによって繊維
強化樹脂保護層の端部が固定される構造を持つことによ
り、耐衝撃性、耐傷性、防食性に優れ、かつ端部からの
浮き、剥離を防止した高強度重防食被覆鋼管矢板が得ら
れることを見いだし、本発明に至った。
解決する手段として、下地処理を施した鋼材表面にプラ
イマー層、ポリウレタン層を順次積層して防食層を形成
した後、繊維強化樹脂保護層を爪及び爪の嵌合によって
接触する鋼管部分を除いて被覆し、また、爪部い沿った
直線上に鋼管に溶接したボルトと、ナットによって繊維
強化樹脂保護層の端部が固定される構造を持つことによ
り、耐衝撃性、耐傷性、防食性に優れ、かつ端部からの
浮き、剥離を防止した高強度重防食被覆鋼管矢板が得ら
れることを見いだし、本発明に至った。
【0007】すなわち、本発明のボルト固定構造例を図
1の断面図にて示す。鋼管矢板1の鋼管表面に溶接した
ボルト7のネジ部をマスキングして下地処理を施し、プ
ライマー層2、ポリウレタン層3を1〜6mmの厚みで
積層する。次いでボルトのマスキングカバーを除去し、
その表層に不飽和ポリエステル樹脂に代表される熱硬化
型の樹脂を繊維で強化した2mm以上の厚みを有する繊
維強化樹脂層A4を爪及びその鋼管の嵌合面を除いて積
層する。ナット8は繊維強化樹脂層A4の硬化前に取り
付けを行い、固定構造を作製する。ボルト7及びナット
8は防食性と耐疵性をもたせるため、表面保護被覆6と
繊維強化樹脂層B5の塗装、あるいは樹脂カバーを行
う。また、必要に応じて表面保護被覆の表層には化粧塗
装を行う。
1の断面図にて示す。鋼管矢板1の鋼管表面に溶接した
ボルト7のネジ部をマスキングして下地処理を施し、プ
ライマー層2、ポリウレタン層3を1〜6mmの厚みで
積層する。次いでボルトのマスキングカバーを除去し、
その表層に不飽和ポリエステル樹脂に代表される熱硬化
型の樹脂を繊維で強化した2mm以上の厚みを有する繊
維強化樹脂層A4を爪及びその鋼管の嵌合面を除いて積
層する。ナット8は繊維強化樹脂層A4の硬化前に取り
付けを行い、固定構造を作製する。ボルト7及びナット
8は防食性と耐疵性をもたせるため、表面保護被覆6と
繊維強化樹脂層B5の塗装、あるいは樹脂カバーを行
う。また、必要に応じて表面保護被覆の表層には化粧塗
装を行う。
【0008】図2は本発明の高強度重防食被覆をL−T
爪鋼管矢板に適用した場合の断面図の一例を示す図であ
り、また、図3は本発明の高強度重防食被覆をP−P爪
鋼管矢板に適用した場合の断面図の一例を示す図であ
る。さらに、図4は本発明の高強度重防食被覆をL−T
爪鋼管矢板に適用した場合の外観の模式図である。この
図2〜4に示す様に、ボルトは爪部近傍の軸方向に10
〜100cmのピッチで配置することで表面保護被覆の
端部の浮きを防止する。これによって、従来重防食層と
鋼材の接着力が低下した場合でも、表面保護被覆が直接
鋼管に固定されているために重防食の剥離を防止する効
果によって、従来よりも長期の安定した防食性が期待出
来る。
爪鋼管矢板に適用した場合の断面図の一例を示す図であ
り、また、図3は本発明の高強度重防食被覆をP−P爪
鋼管矢板に適用した場合の断面図の一例を示す図であ
る。さらに、図4は本発明の高強度重防食被覆をL−T
爪鋼管矢板に適用した場合の外観の模式図である。この
図2〜4に示す様に、ボルトは爪部近傍の軸方向に10
〜100cmのピッチで配置することで表面保護被覆の
端部の浮きを防止する。これによって、従来重防食層と
鋼材の接着力が低下した場合でも、表面保護被覆が直接
鋼管に固定されているために重防食の剥離を防止する効
果によって、従来よりも長期の安定した防食性が期待出
来る。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明に用いる鋼管矢板は鋼材種は何でもよく、
一般鋼及び合金鋼を使用する。また、代表的な爪形状と
してはJISA5530に記載されるL−T型、P−P
型、P−T型を用いる。高強度保護被覆の固定に使用す
るボルト及びナットは鋼管矢板との異種金属接触腐食が
生じると腐食が進行しやすいため、鋼管矢板よりも貴な
電位を持つものを使用する。材質としては、例えばSU
S304,316,316L等のステンレス合金鋼を用
いると良い。
する。本発明に用いる鋼管矢板は鋼材種は何でもよく、
一般鋼及び合金鋼を使用する。また、代表的な爪形状と
してはJISA5530に記載されるL−T型、P−P
型、P−T型を用いる。高強度保護被覆の固定に使用す
るボルト及びナットは鋼管矢板との異種金属接触腐食が
生じると腐食が進行しやすいため、鋼管矢板よりも貴な
電位を持つものを使用する。材質としては、例えばSU
S304,316,316L等のステンレス合金鋼を用
いると良い。
【0010】また、溶接が可能であればYUS、チタン
等の高耐食合金を用いることも出来る。溶融部は鉄の酸
化物層が残存して腐食を生じやすいため、下地処理を含
めた重防食塗装を必ず実施する。海上部や干満帯では電
位的に貴な材質を使用してもボルト、ナットが露出して
いると、腐食が進行しやすいことから、ボルト及びナッ
ト部分は繊維強化樹脂の塗装、あるいは樹脂カバーを設
ける。ボルトは剥離応力が発生しやすい爪近傍の鋼管の
軸方向に直線上に10〜100cmのピッチで配置す
る。ピッチが10cm未満の場合、作業性が悪化し、一
方、ピッチが100cmを越えると端部の浮きを抑制す
る効果が低下する。
等の高耐食合金を用いることも出来る。溶融部は鉄の酸
化物層が残存して腐食を生じやすいため、下地処理を含
めた重防食塗装を必ず実施する。海上部や干満帯では電
位的に貴な材質を使用してもボルト、ナットが露出して
いると、腐食が進行しやすいことから、ボルト及びナッ
ト部分は繊維強化樹脂の塗装、あるいは樹脂カバーを設
ける。ボルトは剥離応力が発生しやすい爪近傍の鋼管の
軸方向に直線上に10〜100cmのピッチで配置す
る。ピッチが10cm未満の場合、作業性が悪化し、一
方、ピッチが100cmを越えると端部の浮きを抑制す
る効果が低下する。
【0011】鋼材表面の下地処理としては、サンド、グ
リッド、ショット等を用いてブラスト処理を行ない、表
面付着物を除去する。ただし、表面の油分・スケール等
を除去する機能があればブラスト処理以外の脱脂・酸洗
等の他の方法を用いることもできる。更に被覆鋼材の使
用環境が厳しい場合や耐陰極剥離性能が求められる場合
には、ブラスト後の表面にクロメート処理を実施する。
クロメート処理に用いるクロメート処理剤は成分として
クロム酸を含有するものであれば良いが、部分還元クロ
ム酸と乾式シリカを主成分としたもの、または前記主成
分にリン酸やその化合物、シランカップリング剤等の各
種添加剤を添加したものを用いると耐剥離性等の防食性
に優れる。クロメート処理剤はローラー、刷毛等によ
り、塗布後、十分に乾燥する。また塗布量としては全ク
ロム付着量が50〜1000mg/m2 の範囲になるよ
う塗布する。
リッド、ショット等を用いてブラスト処理を行ない、表
面付着物を除去する。ただし、表面の油分・スケール等
を除去する機能があればブラスト処理以外の脱脂・酸洗
等の他の方法を用いることもできる。更に被覆鋼材の使
用環境が厳しい場合や耐陰極剥離性能が求められる場合
には、ブラスト後の表面にクロメート処理を実施する。
クロメート処理に用いるクロメート処理剤は成分として
クロム酸を含有するものであれば良いが、部分還元クロ
ム酸と乾式シリカを主成分としたもの、または前記主成
分にリン酸やその化合物、シランカップリング剤等の各
種添加剤を添加したものを用いると耐剥離性等の防食性
に優れる。クロメート処理剤はローラー、刷毛等によ
り、塗布後、十分に乾燥する。また塗布量としては全ク
ロム付着量が50〜1000mg/m2 の範囲になるよ
う塗布する。
【0012】下地処理を施した鋼材の表面にはプライマ
ー処理剤を塗布して硬化させる。プライマー処理剤は熱
硬化性樹脂に無機顔料を添加したものを用いる。プライ
マー処理剤は液体、あるいは粉体で供給され、ロール塗
装、スプレー塗装、静電粉体塗装等を用いて塗布し、常
温、あるいは加熱により硬化させる。プライマー処理層
の硬化後の膜厚は10〜150μmが望ましい。膜厚が
10μm以下ではプライマーによる鋼材表面被覆率が低
下する。150μm以上ではプライマーの応力増加によ
り密着力が低下する。プライマー処理剤に使用する熱硬
化性樹脂はエポキシ樹脂又はウレタン樹脂等の鋼材との
密着性に優れたものを用いる。
ー処理剤を塗布して硬化させる。プライマー処理剤は熱
硬化性樹脂に無機顔料を添加したものを用いる。プライ
マー処理剤は液体、あるいは粉体で供給され、ロール塗
装、スプレー塗装、静電粉体塗装等を用いて塗布し、常
温、あるいは加熱により硬化させる。プライマー処理層
の硬化後の膜厚は10〜150μmが望ましい。膜厚が
10μm以下ではプライマーによる鋼材表面被覆率が低
下する。150μm以上ではプライマーの応力増加によ
り密着力が低下する。プライマー処理剤に使用する熱硬
化性樹脂はエポキシ樹脂又はウレタン樹脂等の鋼材との
密着性に優れたものを用いる。
【0013】エポキシ樹脂とはビスフェノールA又はビ
スフェノールFのジグリシジルエーテルを単独又は混合
物である。これに塗料粘度が問題にならない場合は、耐
熱性の高いフェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレ
ゾールノボラック型エポキシ樹脂等の多官能エポキシ樹
脂を添加して使用すると耐水性が向上する。エポキシ樹
脂の硬化剤としては、脂環式アミン、脂肪族アミン、ジ
シアンジアミド、変性イミダゾール、フェノールノボラ
ック硬化剤等を単独又は混合して用いる。
スフェノールFのジグリシジルエーテルを単独又は混合
物である。これに塗料粘度が問題にならない場合は、耐
熱性の高いフェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレ
ゾールノボラック型エポキシ樹脂等の多官能エポキシ樹
脂を添加して使用すると耐水性が向上する。エポキシ樹
脂の硬化剤としては、脂環式アミン、脂肪族アミン、ジ
シアンジアミド、変性イミダゾール、フェノールノボラ
ック硬化剤等を単独又は混合して用いる。
【0014】一方、ウレタン樹脂を用いる場合、ポリオ
ールとイソシアネートからなる化合物であればよく、2
液反応硬化もしくはイソシアネート末端プレポリマーに
よる湿気硬化型として使用する。イソシアネート末端プ
レポリマーとしては、ポリプロピレングリコールなどの
ポリオールとメチレンジフェニルイソシアネートを付加
した一般市販のものを用いる。プライマー処理剤には顔
料として、無機微粉末を主として添加する。酸化ケイ
素、アルミナ、酸化チタン、ケイ酸マグネシウム、炭酸
カルシウム、クロム酸化合物、リン酸化合物、ホウ酸化
合物またはそれの混合物などが使用出来る。また、乾式
超微粒子シリカも塗料のチキソ性制御や、防食性向上に
添加しても構わない。
ールとイソシアネートからなる化合物であればよく、2
液反応硬化もしくはイソシアネート末端プレポリマーに
よる湿気硬化型として使用する。イソシアネート末端プ
レポリマーとしては、ポリプロピレングリコールなどの
ポリオールとメチレンジフェニルイソシアネートを付加
した一般市販のものを用いる。プライマー処理剤には顔
料として、無機微粉末を主として添加する。酸化ケイ
素、アルミナ、酸化チタン、ケイ酸マグネシウム、炭酸
カルシウム、クロム酸化合物、リン酸化合物、ホウ酸化
合物またはそれの混合物などが使用出来る。また、乾式
超微粒子シリカも塗料のチキソ性制御や、防食性向上に
添加しても構わない。
【0015】下地処理、鋼材用のプライマー処理を行っ
た鋼材表面に防食層としてポリウレタン樹脂を塗装す
る。ポリウレタン樹脂は、ポリオールと充填無機顔料、
着色顔料の混合物からなる主剤と、イソシアネート化合
物からなる硬化剤を2液混合塗装する。ポリオールとし
てはポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオー
ル、ポリブタジエンポリオール、ポリプロピレングリコ
ールなどの一般市販のポリオールを用いる。また、ひま
し油を原料として用いたものでも良い。
た鋼材表面に防食層としてポリウレタン樹脂を塗装す
る。ポリウレタン樹脂は、ポリオールと充填無機顔料、
着色顔料の混合物からなる主剤と、イソシアネート化合
物からなる硬化剤を2液混合塗装する。ポリオールとし
てはポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオー
ル、ポリブタジエンポリオール、ポリプロピレングリコ
ールなどの一般市販のポリオールを用いる。また、ひま
し油を原料として用いたものでも良い。
【0016】イソシアネートとしてはメチレンジフェニ
ルジイソシアネートなどの一般市販のイソシアネートを
使用する。充填無機顔料としては、シリカ、酸化チタ
ン、カオリンクレーなどの一般市販の無機顔料を用い
る、また着色顔料には、樹脂に耐候性を付与するため、
一般的にはカーボンブラックを用いる。意匠性から他の
着色顔料を用いる場合には、紫外線吸収剤を併せて添加
する。被覆厚みとしては、重防食層としての機能と経済
性を考慮し、1〜6mmの厚みで被覆する。
ルジイソシアネートなどの一般市販のイソシアネートを
使用する。充填無機顔料としては、シリカ、酸化チタ
ン、カオリンクレーなどの一般市販の無機顔料を用い
る、また着色顔料には、樹脂に耐候性を付与するため、
一般的にはカーボンブラックを用いる。意匠性から他の
着色顔料を用いる場合には、紫外線吸収剤を併せて添加
する。被覆厚みとしては、重防食層としての機能と経済
性を考慮し、1〜6mmの厚みで被覆する。
【0017】高強度保護層として、繊維強化樹脂には強
化用繊維を含有する不飽和ポリエステル樹脂層を被覆す
る。その被覆方法としてはハンドレイアップ法、スプレ
ーアップ法、コールドプレス法や、型枠による注入成形
等の方法がある。本発明で使用する不飽和ポリエステル
硬化樹脂とは、分子内にエステル結合と二重結合を有す
るものであれば良く、オルソ系、イソ系、ビスフェノー
ル系の不飽和ポリエステル樹脂が使用出来る。また材料
コストの問題はあるが、化学的に安定で末端に二重結合
を持つビニルエステルを使用しても良い。これらの不飽
和ポリエステル樹脂をスチレンモノマー等の重合性単量
体を含有率で30〜60%の割合に溶解したものをケト
ンパーオキシド、ハイドロパーオキシドの様な過酸化物
触媒とコバルト系、バナジウム系、マンガン系、アミン
系等の促進剤によって硬化する熱硬化性樹脂を用いる。
化用繊維を含有する不飽和ポリエステル樹脂層を被覆す
る。その被覆方法としてはハンドレイアップ法、スプレ
ーアップ法、コールドプレス法や、型枠による注入成形
等の方法がある。本発明で使用する不飽和ポリエステル
硬化樹脂とは、分子内にエステル結合と二重結合を有す
るものであれば良く、オルソ系、イソ系、ビスフェノー
ル系の不飽和ポリエステル樹脂が使用出来る。また材料
コストの問題はあるが、化学的に安定で末端に二重結合
を持つビニルエステルを使用しても良い。これらの不飽
和ポリエステル樹脂をスチレンモノマー等の重合性単量
体を含有率で30〜60%の割合に溶解したものをケト
ンパーオキシド、ハイドロパーオキシドの様な過酸化物
触媒とコバルト系、バナジウム系、マンガン系、アミン
系等の促進剤によって硬化する熱硬化性樹脂を用いる。
【0018】樹脂を強化する繊維は、カーボン繊維、ケ
プラ−やポリエステルに代表される有機繊維、ガラス等
の無機繊維を充填する。中でもガラス繊維は、コストと
強度のバランスに優れる。添加する繊維はその長さが短
いと強度向上効果が得られないため、5mm以上の長さ
を持つものを10wt%以上添加する。クロスを用いる
場合では特に長さの上限はないが、スプレーアップ法に
おいて短繊維を用いる場合は、繊維が長いと塗料の脱泡
性が低下することから5〜50mmの範囲が望ましい。
繊維添加量は多いほど強度は向上する。
プラ−やポリエステルに代表される有機繊維、ガラス等
の無機繊維を充填する。中でもガラス繊維は、コストと
強度のバランスに優れる。添加する繊維はその長さが短
いと強度向上効果が得られないため、5mm以上の長さ
を持つものを10wt%以上添加する。クロスを用いる
場合では特に長さの上限はないが、スプレーアップ法に
おいて短繊維を用いる場合は、繊維が長いと塗料の脱泡
性が低下することから5〜50mmの範囲が望ましい。
繊維添加量は多いほど強度は向上する。
【0019】しかしながら、塗装や脱泡の作業性から例
えばガラス繊維では60wt%以下の範囲で添加する。
また、意匠性と耐候性付与のため、着色顔料を添加して
不飽和ポリエステル樹脂層を着色する。不飽和ポリエス
テル樹脂は暴露により表層部分が劣化するため、着色顔
料を0.5〜3%の範囲で添加する。また、外観向上と
耐久性向上のためにガラス繊維を含有しない着色不飽和
ポリエステル硬化樹脂層(ゲルコート層)を最外層に3
00〜2000μmの厚みで形成する。
えばガラス繊維では60wt%以下の範囲で添加する。
また、意匠性と耐候性付与のため、着色顔料を添加して
不飽和ポリエステル樹脂層を着色する。不飽和ポリエス
テル樹脂は暴露により表層部分が劣化するため、着色顔
料を0.5〜3%の範囲で添加する。また、外観向上と
耐久性向上のためにガラス繊維を含有しない着色不飽和
ポリエステル硬化樹脂層(ゲルコート層)を最外層に3
00〜2000μmの厚みで形成する。
【0020】保護層に機能と密着性を持たせるため、そ
の厚みとしては2〜20mmの皮膜を形成する。厚みが
2mmに及ばないと、耐衝撃性が低下し、厚みが20m
mを越えると、硬化発熱が大きく被覆の収縮応力が増加
する。以上の被覆を鋼管矢板の鋼管上に図1の断面図に
示すように順次積層すると、繊維強化樹脂の端部からの
剥離が生ずることなく安定した耐衝撃性と優れた防食性
を持つ高強度重防食被覆が得られることを見いだし本発
明に至った。
の厚みとしては2〜20mmの皮膜を形成する。厚みが
2mmに及ばないと、耐衝撃性が低下し、厚みが20m
mを越えると、硬化発熱が大きく被覆の収縮応力が増加
する。以上の被覆を鋼管矢板の鋼管上に図1の断面図に
示すように順次積層すると、繊維強化樹脂の端部からの
剥離が生ずることなく安定した耐衝撃性と優れた防食性
を持つ高強度重防食被覆が得られることを見いだし本発
明に至った。
【0021】
【実施例】600A×長さ10mのL−T型爪付きの鋼
管矢板の長さ方向の両端に直線上に一定のピッチで、1
0MのSUS304ボルトをアークスタッド溶接した
後、ボルト下端部を残してマスキングを実施した。続い
て、ブラスト処理を施し、スケール等を除去して粗度を
付与した後、クロム−シリカ系のクロメート処理剤を全
クロム付着量で500mg/m2となるように塗布乾燥
し、下地処理を行った。プライマー処理にはイソシアネ
ートとポリオールの無溶剤2液反応型のウレタン樹脂に
顔料として、焼成カオリンクレー微粉末、防錆顔料を添
加したものを塗料として30〜60μm膜厚となるよう
にスプレー塗布して硬化させた。次いでその表面にカオ
リンクレー微粉末を含有するポリブタジエンポリオール
の主剤とクルードMDIの硬化剤の2液硬化ウレタンエ
ラストマーをミキサーで混合してスプレー塗装を行い、
3mm厚みの従来のポリウレタン重防食樹脂被覆を行
い、ポリウレタン樹脂硬化後に、ボルトのマスキングカ
バーを取り外した。
管矢板の長さ方向の両端に直線上に一定のピッチで、1
0MのSUS304ボルトをアークスタッド溶接した
後、ボルト下端部を残してマスキングを実施した。続い
て、ブラスト処理を施し、スケール等を除去して粗度を
付与した後、クロム−シリカ系のクロメート処理剤を全
クロム付着量で500mg/m2となるように塗布乾燥
し、下地処理を行った。プライマー処理にはイソシアネ
ートとポリオールの無溶剤2液反応型のウレタン樹脂に
顔料として、焼成カオリンクレー微粉末、防錆顔料を添
加したものを塗料として30〜60μm膜厚となるよう
にスプレー塗布して硬化させた。次いでその表面にカオ
リンクレー微粉末を含有するポリブタジエンポリオール
の主剤とクルードMDIの硬化剤の2液硬化ウレタンエ
ラストマーをミキサーで混合してスプレー塗装を行い、
3mm厚みの従来のポリウレタン重防食樹脂被覆を行
い、ポリウレタン樹脂硬化後に、ボルトのマスキングカ
バーを取り外した。
【0022】次に、爪とその嵌合時に接触する鋼管面に
マスキングを行い、スプレーアップ法によりスチレンモ
ノマーを含有する不飽和ポリエステル樹脂と過酸化物触
媒含有硬化剤をスプレー混合しながら、ガラスロービン
グをガン先端で25mm長に切断したものを同時に吹き
付け塗装を行い1回目の4mm厚みの保護層を形成し
た。このときガラスの添加量は30重量%となるように
調整した。不飽和ポリエステル樹脂が完全に硬化する前
にボルト部分にSUS304製のナットを取り付けた。
その後、ボルト位置の鋼管軸直線状にスプレーアップ法
により、ナットの塗装を実施した。この後、表層に着色
を施した不飽和ポリエステル樹脂と硬化触媒を0.5m
m厚み狙いでゲルコート塗装を実施し、本発明の高強度
重防食被覆鋼管矢板を製造した。
マスキングを行い、スプレーアップ法によりスチレンモ
ノマーを含有する不飽和ポリエステル樹脂と過酸化物触
媒含有硬化剤をスプレー混合しながら、ガラスロービン
グをガン先端で25mm長に切断したものを同時に吹き
付け塗装を行い1回目の4mm厚みの保護層を形成し
た。このときガラスの添加量は30重量%となるように
調整した。不飽和ポリエステル樹脂が完全に硬化する前
にボルト部分にSUS304製のナットを取り付けた。
その後、ボルト位置の鋼管軸直線状にスプレーアップ法
により、ナットの塗装を実施した。この後、表層に着色
を施した不飽和ポリエステル樹脂と硬化触媒を0.5m
m厚み狙いでゲルコート塗装を実施し、本発明の高強度
重防食被覆鋼管矢板を製造した。
【0023】
【表1】
【0024】表1に示すように、ボルトの取り付けピッ
チは25、50、100cmのピッチを本発明例No.
1〜3、200cmピッチを比較例No.4とした。ま
た、ボルトの無い場合を比較例No.5とした。No.
6は重防食のみの比較例である。また、表2に示す比較
例No.4では、鋼管矢板に従来の爪部にマスキングを
実施しないで保護被覆塗装を行った場合の重防食鋼管矢
板の製造を実施した。比較例No.5は、鋼管矢板に本
発明例No.1と同様の構成の被覆を実施したが、ボル
トの材質に普通鋼を用い亜鉛めっきを施したものを用い
た。また、ナットにはダクロ処理+フッ素系塗料塗装
(商品名:タケコート)を行ったナットを取り付けた。
チは25、50、100cmのピッチを本発明例No.
1〜3、200cmピッチを比較例No.4とした。ま
た、ボルトの無い場合を比較例No.5とした。No.
6は重防食のみの比較例である。また、表2に示す比較
例No.4では、鋼管矢板に従来の爪部にマスキングを
実施しないで保護被覆塗装を行った場合の重防食鋼管矢
板の製造を実施した。比較例No.5は、鋼管矢板に本
発明例No.1と同様の構成の被覆を実施したが、ボル
トの材質に普通鋼を用い亜鉛めっきを施したものを用い
た。また、ナットにはダクロ処理+フッ素系塗料塗装
(商品名:タケコート)を行ったナットを取り付けた。
【0025】比較例No.6として、600AのL−T
爪を持つ鋼管矢板を用い、特開平6−122173号公
報に相当する密着力確保の方法として、塗装したポリウ
レタン樹脂の硬化前に10mm長のポリエステル短繊維
を吹き付けた。この後、保護層としては本発明の実施例
と同じくガラス繊維強化ポリエステル樹脂を爪部を含む
全面に塗装し、重防食被覆鋼管矢板を製造した。
爪を持つ鋼管矢板を用い、特開平6−122173号公
報に相当する密着力確保の方法として、塗装したポリウ
レタン樹脂の硬化前に10mm長のポリエステル短繊維
を吹き付けた。この後、保護層としては本発明の実施例
と同じくガラス繊維強化ポリエステル樹脂を爪部を含む
全面に塗装し、重防食被覆鋼管矢板を製造した。
【0026】一方、P−P型爪付きの鋼管矢板にも同様
の被覆を端部固定用のボルトをピッチ25cmで配置し
塗装を実施した。ボルトには10MのSUS316ボル
トを用い、爪部を除いた鋼管本体部分に重防食塗装及び
繊維強化樹脂塗装を実施し、表2に示す本発明例No.
2の本発明の高強度重防食被覆鋼管矢板を製造した。耐
衝撃性に対して、本発明例No.1、比較例No.5、
比較例No.6の被覆鋼管矢板を用いて試験を行った。
鋼管矢板の被覆端部を上面に配置し、500kgの御影
石を用いて1mの高さから、長さ方向に場所を変えて垂
直に落下衝撃を20回行い、被覆端部の調査を行った。
結果を表1に示す。
の被覆を端部固定用のボルトをピッチ25cmで配置し
塗装を実施した。ボルトには10MのSUS316ボル
トを用い、爪部を除いた鋼管本体部分に重防食塗装及び
繊維強化樹脂塗装を実施し、表2に示す本発明例No.
2の本発明の高強度重防食被覆鋼管矢板を製造した。耐
衝撃性に対して、本発明例No.1、比較例No.5、
比較例No.6の被覆鋼管矢板を用いて試験を行った。
鋼管矢板の被覆端部を上面に配置し、500kgの御影
石を用いて1mの高さから、長さ方向に場所を変えて垂
直に落下衝撃を20回行い、被覆端部の調査を行った。
結果を表1に示す。
【0027】表1の結果からも明らかな様にボルト・ナ
ットの固定構造が無い比較例No.5、ボルトピッチ幅
の長い比較例No.4では、繊維強化樹脂の端部に浮き
が発生しており、繊維強化樹脂保護被覆を直接鋼管に固
定する方法は、衝撃が端部に加わった場合の浮き防止に
有効である。また、ピッチ幅としては10〜100cm
の本発明の範囲が適当である。また、保護被覆が無い従
来の重防食被覆のみの場合は強い衝撃が加わると貫通疵
が発生した。次に作成した表2に示す本発明例No.
1、4及び比較例No.3〜6の鋼管矢板を嵌合させて
打ち込み後、引き抜いたものの爪部周辺を切りだし60
℃の人工海水にエアー吹き込みを行った浸漬漕に1年間
の浸漬を行った。浸漬後サンプルを取りだし、錆発生と
端部の浮きを評価した。その結果を表2に示す。
ットの固定構造が無い比較例No.5、ボルトピッチ幅
の長い比較例No.4では、繊維強化樹脂の端部に浮き
が発生しており、繊維強化樹脂保護被覆を直接鋼管に固
定する方法は、衝撃が端部に加わった場合の浮き防止に
有効である。また、ピッチ幅としては10〜100cm
の本発明の範囲が適当である。また、保護被覆が無い従
来の重防食被覆のみの場合は強い衝撃が加わると貫通疵
が発生した。次に作成した表2に示す本発明例No.
1、4及び比較例No.3〜6の鋼管矢板を嵌合させて
打ち込み後、引き抜いたものの爪部周辺を切りだし60
℃の人工海水にエアー吹き込みを行った浸漬漕に1年間
の浸漬を行った。浸漬後サンプルを取りだし、錆発生と
端部の浮きを評価した。その結果を表2に示す。
【0028】
【表2】
【0029】表2の本発明例No.1及び2の結果から
明らかな様に、本発明の繊維強化樹脂保護被覆鋼管矢板
は打ち込みを実施した場合でも保護被覆に影響が無く、
良好である。打ち込み時には爪周辺被覆には疵が入りや
すいため、従来の保護被覆の固定と爪部にまで被覆を行
った比較例No.6では、端部被覆の浮きが発生する。
また、比較例No.3のように特に固定強化方法をとら
ない場合には、爪嵌合部を除いた被覆を行っても、長期
使用により端部の浮きが発生する。また、ボルト材質と
しては、爪嵌合によりボルト近傍に鋼材の露出面が出現
することから、電池が形成されやすく、比較例No.5
のような熔解性の亜鉛被膜等では防食効果が乏しく、本
発明の貴な電位を持つボルトの使用が必要である。
明らかな様に、本発明の繊維強化樹脂保護被覆鋼管矢板
は打ち込みを実施した場合でも保護被覆に影響が無く、
良好である。打ち込み時には爪周辺被覆には疵が入りや
すいため、従来の保護被覆の固定と爪部にまで被覆を行
った比較例No.6では、端部被覆の浮きが発生する。
また、比較例No.3のように特に固定強化方法をとら
ない場合には、爪嵌合部を除いた被覆を行っても、長期
使用により端部の浮きが発生する。また、ボルト材質と
しては、爪嵌合によりボルト近傍に鋼材の露出面が出現
することから、電池が形成されやすく、比較例No.5
のような熔解性の亜鉛被膜等では防食効果が乏しく、本
発明の貴な電位を持つボルトの使用が必要である。
【0030】
【発明の効果】以上述べたように、本発明のボルト固定
構造を持つ繊維強化樹脂保護被覆層を有する鋼管矢板は
ボルトを爪部近傍の軸方向に沿って10〜100cmピ
ッチで配置することで長期使用や、端部に加わる衝撃に
対して保護被覆端部の浮きを防止することが出来る。更
には、従来重防食層と鋼材の接着力が低下した場合で
も、保護被覆が直接鋼管に固定されているために重防食
の剥離防止も期待出来る。また、勘合による爪の変形
や、接触による保護被覆の剥離に対しては、爪部の塗装
を除外することで対応することが出来る。
構造を持つ繊維強化樹脂保護被覆層を有する鋼管矢板は
ボルトを爪部近傍の軸方向に沿って10〜100cmピ
ッチで配置することで長期使用や、端部に加わる衝撃に
対して保護被覆端部の浮きを防止することが出来る。更
には、従来重防食層と鋼材の接着力が低下した場合で
も、保護被覆が直接鋼管に固定されているために重防食
の剥離防止も期待出来る。また、勘合による爪の変形
や、接触による保護被覆の剥離に対しては、爪部の塗装
を除外することで対応することが出来る。
【図1】本発明のボルトとナットによる保護層固定部分
の断面図の一例を示す図、
の断面図の一例を示す図、
【図2】本発明の高強度重防食被覆をL−T爪鋼管矢板
に適用した場合の断面図の一例を示す図、
に適用した場合の断面図の一例を示す図、
【図3】本発明の高強度重防食被覆をP−P爪鋼管矢板
に適用した場合の断面図の一例を示す図、
に適用した場合の断面図の一例を示す図、
【図4】本発明の高強度重防食被覆をL−T爪鋼管矢板
に適用した場合の外観の模式図である。
に適用した場合の外観の模式図である。
1 鋼管矢板
2 プライマー層
3 ポリウレタン層
4 繊維強化樹脂層A
5 繊維強化樹脂層B
6 表面保護被覆
7 ボルト
8 ナット
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 仮屋園 義久
千葉県君津市君津1番地 新日本製鐵株式
会社君津製鐵所内
Fターム(参考) 2D049 FB03 FB14 FC03 FE02 FE10
4F100 AB03A AC10 AK01D AK44
AK51 AK51C BA04 BA07
BA10A BA10D DA11A DD04A
DG01D DH00D EJ65B GB90
JB02 JG10A JK10 YY00A
Claims (6)
- 【請求項1】 鋼管矢板表面にプライマー層、ポリウレ
タン層、繊維強化樹脂層を順次積層された重防食被覆鋼
管矢板において、爪合わせ面部以外の面について前記繊
維強化樹脂層を施したことを特徴とする高強度重防食被
覆鋼管矢板。 - 【請求項2】 鋼管焼矢板表面にプライマー層、ポリウ
レタン層、繊維強化樹脂層を順次積層された重防食被覆
鋼管矢板において、爪近傍の鋼管本体部に突起部を設
け、該突起部に前記繊維強化樹脂層を、更に前記突起部
に前記繊維強化樹脂層を押さえる押さえ部を設け、前記
繊維強化樹脂を押さえつけることにより鋼管本体に前記
繊維強化樹脂を固定したことを特徴とする高強度重防食
被覆鋼管矢板。 - 【請求項3】 前記突起部がネジ状であり、前記押さえ
部が前記ネジ状突起部と螺合するナット状であることを
特徴とする請求項2記載の高強度重防食被覆鋼管矢板。 - 【請求項4】 前記突起部同志の間隔が10〜100c
mピッチであることを特徴とする請求項2乃至3記載の
高強度重防食被覆鋼管矢板。 - 【請求項5】 前記突起部の材質が鋼管本体の材質より
も貴な電位を持つ材質であることを特徴とする請求項2
乃至4記載の高強度重防食被覆鋼管矢板。 - 【請求項6】 前記突起部及び押さえ部を絶縁物で被覆
することを特徴とする請求項2乃至5記載の高強度重防
食被覆鋼管矢板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001309689A JP2003119772A (ja) | 2001-10-05 | 2001-10-05 | 高強度重防食被覆鋼管矢板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001309689A JP2003119772A (ja) | 2001-10-05 | 2001-10-05 | 高強度重防食被覆鋼管矢板 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003119772A true JP2003119772A (ja) | 2003-04-23 |
Family
ID=19128793
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001309689A Pending JP2003119772A (ja) | 2001-10-05 | 2001-10-05 | 高強度重防食被覆鋼管矢板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003119772A (ja) |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS57155437A (en) * | 1981-03-17 | 1982-09-25 | Nakagawa Boshoku Kogyo Kk | Corrosion-proof method by coating |
JPH11291394A (ja) * | 1998-04-07 | 1999-10-26 | Nippon Steel Corp | 突起付き高強度ポリウレタン重防食被覆鋼材 |
-
2001
- 2001-10-05 JP JP2001309689A patent/JP2003119772A/ja active Pending
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS57155437A (en) * | 1981-03-17 | 1982-09-25 | Nakagawa Boshoku Kogyo Kk | Corrosion-proof method by coating |
JPH11291394A (ja) * | 1998-04-07 | 1999-10-26 | Nippon Steel Corp | 突起付き高強度ポリウレタン重防食被覆鋼材 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20051007 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20051018 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20060314 |