JPH11291394A - 突起付き高強度ポリウレタン重防食被覆鋼材 - Google Patents

突起付き高強度ポリウレタン重防食被覆鋼材

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JPH11291394A
JPH11291394A JP11008498A JP11008498A JPH11291394A JP H11291394 A JPH11291394 A JP H11291394A JP 11008498 A JP11008498 A JP 11008498A JP 11008498 A JP11008498 A JP 11008498A JP H11291394 A JPH11291394 A JP H11291394A
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steel material
coating
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polyurethane
protrusions
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JP11008498A
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Nobuki Yoshizaki
信樹 吉崎
Yoshihiro Miyajima
義洋 宮嶋
Hiroyuki Mimura
博幸 三村
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Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 外面に防食被覆を必要とする鋼材として、例
えば鋼矢板や鋼管矢板の打設時、もしくは打設後の捨て
石類、その他船舶を含む浮遊物等によって発生する衝撃
に対して被覆の耐衝撃性と耐剥離性に優れた突起付き高
強度ポリウレタン重防食被覆鋼材を提供する。 【解決手段】 ウレタン被覆厚みより突き出す突起3を
設けた鋼材1の表面に、下地処理を施し、プライマー層
4、ポリウレタン層5を1〜6mmの厚みで積層した
後、長さ方向の全て又は一部の表層にガラス繊維を10
〜60wt%の範囲で含有した不飽和ポリエステル硬化
樹脂による厚さ2〜10mmの保護被覆層6を順次積層
し、突起付き高強度ポリウレタン重防食被覆鋼材とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は外面に防食被覆を必
要とする鋼材である鋼矢板及び鋼管矢板の搬送、港湾・
河川の桟橋や護岸などの鋼構造物の打設時、もしくは打
設後の捨て石類、その他船舶を含む浮遊物等によって発
生する衝撃に対して防食被覆の耐衝撃・耐久性に優れた
外面重防食被覆鋼材に関する。
【0002】
【従来の技術】数十年の外面防食が必要とされる鋼材で
ある鋼矢板及び鋼管矢板においては、ポリウレタン樹脂
を被覆材として使用したポリウレタン重防食被覆鋼材が
製造され、長期防食性と耐衝撃性を確保するために数m
mの厚みにポリウレタンを塗装している。ポリウレタン
重防食被覆鋼材は被覆の防食性には著しく優れるが、樹
脂の強度が低いため、運搬、保管、施工時のハンドリン
グにおける衝突や摩擦などによる被覆の傷発生が問題と
なってきた。
【0003】これに対して鋼管杭では、特開平6−14
6271号に示されるように、鋼管杭にポリオレフィン
またはウレタン被覆を行った後、エンボス加工を行い、
その上層にガラスクロス又はマットで強化したビニルエ
ステルもしくはポリエステル樹脂を保護被覆として積層
する方法が提案されている。一方、鋼管矢板においても
特開平6−122173号に示されるように、ポリウレ
タン被覆鋼管矢板の表面に、ガラスフレーク入りのビニ
ルエステル、ポリエステルもしくはエポキシの保護被覆
層を植毛材を介して被覆する方法が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】重防食被覆の表層に強
度・硬度に優れる耐傷性被覆層を形成する方法では防食
被覆と種類の異なる樹脂を積層するため、その接着が問
題となる。特に鋼矢板や鋼管矢板は保護被覆端部が存在
するため、単にウレタン被覆上に保護層を形成しただけ
では端部近傍への衝撃と、長期の使用による界面接着力
の低下により保護被覆が防食被覆から剥離し、最終的に
脱落するという問題があった。
【0005】これに対して従来の特開平6−14627
1号では、ガラスクロス又はマットで強化したビニルエ
ステルもしくはポリエステル樹脂の保護被覆層を積層す
るため、ポリウレタン表層にエンボス加工を施し凹凸を
付けることによって物理的な剪断接着力を持たせること
で保護層の被覆を可能としている。しかし、防食層の表
面形状を変更する方法では垂直密着力の向上が期待出来
ないため、端部を有する鋼矢板や鋼管矢板にエンボス加
工方法を用いることは出来ない。
【0006】一方、特開平6−122173号にあるよ
うに、ポリウレタンの表面に植毛を施す方法は、端部の
ある鋼材に対しても接着強化方法としては有効である。
しかしながら、ポリウレタン樹脂が硬化する前に静電植
毛やエアー吹き付けを行い、ほぼ垂直に繊維を吹き付け
る必要があり、ポリウレタンの硬化速度の制約により生
産性が低下する。また、繊維は未硬化状態のポリウレタ
ン表面に塗布しても有効に作用する繊維は一部でしかな
く、端部の剥離に対して十分な密着力を確保することが
難しい。さらには、保護層として用いるガラスフレーク
入りのビニルエステル、ポリエステルもしくはエポキシ
では、擦り傷等には強いが耐衝撃性が十分でないといっ
た問題があった。
【0007】本発明は、鋼矢板や鋼管矢板のように端部
のある被覆鋼材において、表層のポリエステル保護被覆
とウレタン防食被覆との垂直密着力が、水分の影響等に
よる劣化や衝撃により低下した場合でも、端部の突起と
いう信頼性の高い方法によって剥離を防止し、安定した
耐衝撃性と優れた防食性を持つ突起付き高強度ポリウレ
タン重防食被覆鋼材を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の問
題を解決する手段として、被覆の端部部分にウレタン被
覆厚みより上部に突き出す様に突起を設けた鋼材を用い
ることにより、剪断接着性、耐衝撃性・耐傷性と防食性
に優れ、また端部剥離を防止した突起付き高強度ポリウ
レタン重防食被覆鋼材が得られることを見いだし、本発
明に至った。
【0009】本発明の要旨は、以下の通りである。
【0010】(1) 被覆の端部部分に端部方向の鋼材
表面のウレタン被覆厚みより上部に突起を有する鋼材の
表面に、下地処理を施し、鋼材用プライマー層、ポリウ
レタン層を順次積層し、防食被覆を構成した後、その表
層に着色顔料とガラス繊維を10〜60wt%の範囲で
含有した不飽和ポリエステル硬化樹脂の保護被覆層を順
次積層したことを特徴とする突起付き高強度ポリウレタ
ン重防食被覆鋼材。
【0011】(2) 前期(1)の鋼材表面の突起が被
覆幅方向の両端部に、長さ方向に直線状に配置されてい
ることを特徴とする突起付き高強度ポリウレタン重防食
被覆鋼材。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。
【0013】本発明の一例としては第1図の断面図に示
すが如く、端部にウレタン被覆厚みより突き出す突起3
を設けた鋼材1の表面に、下地処理を施し、プライマー
層4、ポリウレタン層5を1〜6mmの厚みで積層した
後、長さ方向の全て又は一部の表層にガラス繊維を10
〜60wt%の範囲で含有した不飽和ポリエステル硬化
樹脂による厚さ2〜10mmの保護被覆層6を順次積層
したことを特徴とする突起付き高強度ポリウレタン重防
食被覆鋼材である。鋼矢板や鋼管矢板における利用例と
しては、第3図、第4図に示されるように、爪の近傍に
平衡に突起を配置する。
【0014】本発明に使用する鋼材は、海洋、河川の鋼
構造物として使用される鋼材である。鋼材製品として
は、鋼管矢板、あるいはその他形鋼として、鋼矢板、H
形鋼、溝形鋼等である。また、鋼材種は何でもよく、一
般鋼及び合金鋼を使用する。
【0015】鋼材に保護被覆を実施する被覆の端部部分
にウレタン被覆厚みより上部に設ける。特に板状の突起
では、板状の突起の場合は断面角度を小さくすると隙間
部分の塗装性が低下する。このため端部方向の鋼材表面
との断面角度は0〜60度であると良い。一方、断面角
度をおよそ30度以下とする場合、図2に示す様に突起
支持部7を持つ形状を利用すると、塗装での泡混入等の
問題が少ない。また、支持部に穴を開けるか、棒状の支
持部を用いると被覆の塗装が容易となる。突起は、不飽
和ポリエステルを被覆する全面に設けても良いが、その
被覆幅の両端部近傍に、長さ方向に直線状に配置すると
効率的である。また、突起は鋼材を用いて溶接し、突起
の鋼材種は異種金属接触腐食が生じない様に、母材との
電位の差が少ないものを利用する。その他の樹脂等の材
料を突起として用いる場合は、ビス止めや接着剤等を利
用する。端部に突起を設けることにより、端部近傍に大
きな衝撃が加わった場合でも、その剥離が端部にまで伝
播することを防止することが可能となる。また、物理的
なアンカー効果が期待出来るため、不飽和ポリエステル
樹脂とウレタン樹脂との接着性が低下しても脱落が生じ
ないため、その耐衝撃性と防食性の長期維持が可能とな
る。
【0016】鋼材表面の下地処理は、サンド、グリッ
ド、ショット等を用いてブラスト処理を行ない表面付着
物を除去する。ただし、表面の油分・スケール等を除去
する機能があればブラスト処理以外の脱脂・酸洗等の他
の方法を用いることもできる。更に下地処理として、被
覆鋼材の使用環境が厳しい場合や耐陰極剥離性能が求め
られる場合には、ブラスト後の表面にクロメート処理を
実施する。クロメート処理に用いるクロメート処理剤は
成分としてクロム酸を含有するものであれば良いが、部
分還元クロム酸と乾式シリカを主成分としたもの、また
は前記主成分にリン酸やその化合物、シランカップリン
グ剤等の各種添加剤を添加したものを用いると耐剥離性
等の防食性に優れる。クロメート処理剤はローラー、刷
毛等により、塗布後、十分に乾燥する。また塗布量とし
ては全クロム付着量が50〜1000mg/m2の範囲
になるよう塗布する。
【0017】下地処理を施した鋼材の表面にはプライマ
ー処理剤を塗布して硬化させる。プライマー処理剤は熱
硬化性樹脂に無機顔料を添加したものを用いる。プライ
マー処理剤は液体、あるいは粉体で供給され、ロール塗
装、スプレー塗装、静電粉体塗装等を用いて塗布し、常
温、あるいは加熱により硬化させる。プライマー処理層
の硬化後の膜厚は10〜150μmが望ましい。膜厚が
10μm以下ではプライマーによる鋼材表面被覆率が低
下する。150μm以上ではプライマーの応力増加によ
り密着力が低下する。プライマー処理剤に使用する熱硬
化性樹脂はエポキシ樹脂又はウレタン樹脂等の鋼材との
密着性に優れたものを用いる。エポキシ樹脂とはビスフ
ェノールA又はビスフェノールFのジグリシジルエーテ
ルを単独又は混合物である。これに塗料粘度が問題にな
らない場合は、耐熱性の高いフェノールノボラック型エ
ポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等の
多官能エポキシ樹脂を添加して使用すると耐水性が向上
する。エポキシ樹脂の硬化剤としては、脂環式アミン、
脂肪族アミン、ジシアンジアミド、変性イミダゾール、
フェノールノボラック硬化剤等を単独又は混合して用い
る。一方、ウレタン樹脂を用いる場合、ポリオールとイ
ソシアネートーからなる化合物であればよく、2液反応
硬化もしくはイソシアネート末端プレポリマーによる湿
気硬化型として使用する。イソシアネート末端プレポリ
マーとしては、ポリプロピレングリコールなどのポリオ
ールとメチレンジフェニルイソシアネートを付加した一
般市販のものを用いる。プライマー処理剤には顔料とし
て、無機微粉末を主として添加する。酸化ケイ素、アル
ミナ、酸化チタン、ケイ酸マグネシウム、炭酸カルシウ
ム、クロム酸化合物、リン酸化合物、ホウ酸化合物また
はそれの混合物などが使用出来る。また、乾式超微粒子
シリカも塗料のチキソ性制御や、防食性向上に添加して
も構わない。
【0018】下地処理、鋼材用のプライマー処理を行っ
た鋼材表面に防食層としてポリウレタン樹脂を塗装す
る。ポリウレタン樹脂は、ポリオールと充填無機顔料、
着色顔料の混合物からなる主剤と、イソシアネート化合
物からなる硬化剤を2液混合塗装する。ポリオールとし
てはポリエステルポリオール、ポリブタジエンポリオー
ル、ポリプロピレングリコールなどの一般市販のポリオ
ールを用いる。イソシアネートとしてはメチレンジフェ
ニルジイソシアネートなどの一般市販のイソシアネート
を使用する。充填無機顔料としては、シリカ、酸化チタ
ン、カオリンクレーなどの一般市販の無機顔料を用い
る、また着色顔料には、樹脂に耐候性を付与するため、
一般的にはカーボンブラックを用いる。意匠性から他の
着色顔料を用いる場合には、紫外線吸収剤を併せて添加
する。被覆厚みとしては、重防食層としての機能と経済
性を考慮し、1〜6mmまでの間で被覆する。
【0019】高強度保護層として、ガラス繊維を含有す
る不飽和ポリエステル樹脂層を被覆するにはハンドレイ
アップ法、スプレーアップ法、コールドプレス法、フィ
ラメントワインデイング法や型枠による注入成形等の方
法を用いる。本発明で使用する不飽和ポリエステル硬化
樹脂とは、分子内にエステル結合と二重結合を有するも
のであれば良く、オルソ系、イソ系、ビスフェノール系
の不飽和ポリエステル樹脂が使用出来る。また材料コス
トの問題はあるが、化学的に安定で末端に二重結合を持
つビニルエステルを使用しても良い。これらの不飽和ポ
リエステル樹脂をスチレンモノマー等の重合性単量体を
含有率で30〜60%の割合に溶解したものをケトンパ
ーオキシド、ハイドロパーオキシドの様な過酸化物触媒
とコバルト系、バナジウム系、マンガン系、アミン系等
の促進剤によって硬化する熱硬化性樹脂を用いる。
【0020】ポリエステル樹脂層にはガラス繊維を充填
する。ガラス繊維はその長さが短いと強度向上効果が得
られないため、5mm以上の長さを持つものを10wt
%以上添加する。ガラスクロスを用いる場合では特に長
さの上限はないが、スプレーアップ法等においてガラス
短繊維を用いる場合は、ガラス繊維が長いと塗料の脱泡
性が低下することから5〜50mmの範囲が望ましい。
ガラス添加量は、添加量が多いほど硬化収縮が小さく密
着性が向上し、また、皮膜の強度も向上する。しかしな
がら、塗装や脱泡の作業性から60wt%の以下の範囲
で添加する。添加繊維には、価格と樹脂補強効果、防食
性能においてガラス繊維が優れるためこれを用いる。ガ
ラス以外の繊維として有機繊維や炭素繊維、金属繊維等
を組み合わせて用いても良い。また、意匠性と耐候性付
与のため着色顔料の添加によってポリエステル樹脂層を
着色する。不飽和ポリエステルは暴露により表層部分が
劣化するため、着色顔料を0.5〜3%の範囲で添加す
る。特に耐候性が必要な場合は、ガラス繊維を含有しな
い着色不飽和ポリエステル硬化樹脂層を最外層に100
〜1000μmの厚みで形成する。記組成の不飽和ポリ
エステル硬化樹脂層に保護層としての機能と密着性を持
たせるため、その厚みとしては2〜10mmの皮膜を形
成する。厚みが2mmに及ばないと、耐衝撃性が低下
し、厚みが10mmを越えると、硬化発熱が大きく収縮
応力が増加するため接着性が低下する。
【0021】以上の被覆を突起を持つ鋼材上に第1図の
断面図に示すように順次積層すると、端部からの剥離が
生じず、安定した耐衝撃性と優れた防食性を持つ高強度
ポリウレタン重防食被覆が得られることを見いだし、本
発明に至った。
【0022】
【実施例】<実施例1>幅50mm×長さ300mm×
肉厚9mmの鋼板の長さ方向の両端に、それぞれ端から
60mmの位置に、幅15mm×15mm×長さ40m
m×肉厚3.2mmの山型鋼を幅方向に平衡に断面角度
が90度と0度になるように取り付けた。その表面にグ
リッドブラスト処理を施し、スケール等を除去して粗度
を付与した後、クロム−シリカ系のクロメート処理剤を
全クロム付着量で500mg/m2となるように塗布乾
燥し、下地処理を行った。プライマー処理にはイソシア
ネート末端プレポリマーによる1液の湿気硬化型のウレ
タン樹脂に顔料として、カオリンクレー微粉末を20w
t%添加したものを塗料として30〜60μm膜厚とな
るようにスプレー塗布して硬化させた。次いでその表面
にカオリンクレー微粉末を30wt%含有するポリブタ
ジエンポリオールの主剤とメチレンジフェニルジイソシ
アネートの硬化剤の2液硬化ウレタンエラストマーをミ
キサーで混合してスプレー塗装を行い、従来のポリウレ
タン樹脂被覆を行った。
【0023】次に、スプレーアップ法により、スチレン
モノマーを含有するオルソ系不飽和ポリエステル樹脂と
過酸化物触媒含有硬化剤をスプレー混合しながら、ガラ
スロービングをガンの先端で25mm長に切断したもの
を同時に吹き付け塗装を行い着色保護層を形成した。こ
のときガラスの添加量を調整し、0〜60%の範囲のサ
ンプルを作製した。以上の方法により、比較例1及び端
部の耐剥離性を改善した本発明の実施例1〜5の突起付
き高強度保護被覆を持つポリウレタン被覆鋼材を作成し
た。
【0024】<実施例2>幅50mm×長さ300mm
×肉厚9mmの鋼板の長さ方向の両端に、それぞれ端か
ら60mmの位置に、幅15mm×長さ40mm×肉厚
3mmの鋼板を幅方向に平衡に断面角度を変えて取り付
けた。この鋼板に<実施例1>と同じ下地処理と塗装を
行い、比較例2及び本発明の実施例6〜7の突起付き高
強度保護被覆を持つポリウレタン被覆鋼材を作成した。
【0025】<比較例1>幅50mm×長さ300mm
×肉厚9mmの鋼板表面にグリッドブラスト処理を施
し、スケール等を除去して粗度を付与した後、クロム−
シリカ系のクロメート処理剤を全クロム付着量で500
mg/m2となるように塗布乾燥し、下地処理を行っ
た。プライマー処理にはイソシアネート末端プレポリマ
ーによる1液の湿気硬化型のウレタン樹脂に顔料とし
て、カオリンクレー微粉末を20wt%添加したものを
塗料として30〜60μm膜厚となるようにスプレー塗
布して硬化させた。次いでその表面にカオリンクレー微
粉末を30wt%含有するポリブタジエンポリオールの
主剤とメチレンジフェニルジイソシアネートの硬化剤の
2液硬化ウレタンエラストマーをミキサーで混合してス
プレー塗装を行い、従来のポリウレタン樹脂被覆を行っ
た。ポリウレタン塗装の直後の表面に、植毛材として2
mm長のナイロン繊維を、5g/m2となる量を散布し
た。
【0026】次に、スプレーアップ法により、スチレン
モノマーを含有するオルソ系不飽和ポリエステル樹脂と
過酸化物触媒含有硬化剤をスプレー混合しながら、同時
に吹き付け塗装を行い保護層を形成した。以上の方法に
より、植毛により密着性改善した特開平6−12217
3号に相当する比較例4のポリウレタン被覆鋼材を作成
した。
【0027】以上の方法で作成した実施例1〜7及び比
較例1〜4の被覆鋼材に、ASTMG14の衝撃試験に
準じ、衝撃剥離の評価として15.9mm直径の半球状
の先端を被覆面に接触させ、その上部から30kgの重
りを1mの高さから落下させた。またその衝撃位置とし
ては図 に示す様に幅50mm方向の中心に60mm間
隔で5箇所の位置に衝撃を加えた。衝撃により円周状に
ポリエステルとウレタン間の剥離が発生するため、長さ
方向の両端部からのポリエステル被覆の剥離を評価し
た。この後、試験片を60℃の3%食塩水に60日間浸
漬し、再度剥離状態を確認した。結果を表1に示す。
【0028】
【表1】 表1の結果から明らかなように、表面突起を有し、ガラ
ス繊維を所定量含有すると不飽和ポリエステル被覆を持
つ本発明は、被覆の全面に衝撃を受けた場合でもポリエ
ステル被覆が全面剥離することなく、また、長期の浸水
環境においても剥離が発生しない優れた性能を有するこ
とがわかる。
【0029】
【発明の効果】本発明の突起付き高強度ポリウレタン重
防食被覆鋼材は実施例からも明らかな様に、従来の高強
度保護被覆を持つポリウレタン重防食被覆鋼材に比較し
て、安定した衝撃性と、衝撃及び長期の接水環境での高
強度保護層の剥離を抑制することが出来る。この結果、
鋼矢板、あるいは鋼管矢板のように被覆端部を有する被
覆鋼材においても、端部からの剥離を抑制することが出
来る。従って、本発明では、保護層による耐衝撃性とポ
リウレタンによる防食性を有する高強度ポリウレタン重
防食被覆鋼材を鋼矢板及び鋼管矢板として適用すること
により、保護層の剥離が無く、重防食被覆鋼材の施工時
や、船舶等の衝突、捨て石による損傷を防止することが
出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の突起付き高強度ポリウレタン重防食被
覆鋼材の一例を示す断面図である。
【図2】本発明の突起付き高強度ポリウレタン重防食被
覆鋼材の一例を示す断面図である。
【図3】本発明の突起付き高強度ポリウレタン重防食被
覆鋼管矢板の一例を示す図である。
【図4】本発明の突起付き高強度ポリウレタン重防食被
覆鋼矢板の一例を示す図である。
【図5】実施例及び比較例における衝撃試験片の衝撃位
置を示す上面図である。
【符号の説明】
1 下地処理を施した鋼材 2 突起 3 突起の断面角度 4 プライマー層 5 ポリウレタン防食被覆層 6 ガラス繊維を含有する不飽和ポリエステル樹脂着色
保護被覆層 7 鋼管矢板 8 鋼矢板 9 衝撃試験片 10 衝撃位置

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被覆の端部部分に端部方向の鋼材表面の
    ウレタン被覆厚みより上部に突起を有する鋼材の表面
    に、下地処理を施し、鋼材用プライマー層、ポリウレタ
    ン層を順次積層し、防食被覆を構成した後、その表層に
    着色顔料とガラス繊維を10〜60wt%の範囲で含有
    した不飽和ポリエステル硬化樹脂の保護被覆層を順次積
    層したことを特徴とする突起付き高強度ポリウレタン重
    防食被覆鋼材。
  2. 【請求項2】 請求項1の鋼材表面の突起が被覆幅方向
    の両端部に、長さ方向に直線状に配置されていることを
    特徴とする突起付き高強度ポリウレタン重防食被覆鋼
    材。
JP11008498A 1998-04-07 1998-04-07 突起付き高強度ポリウレタン重防食被覆鋼材 Pending JPH11291394A (ja)

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