JP2003118755A - 針刺し栓およびその製造方法 - Google Patents

針刺し栓およびその製造方法

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JP2003118755A
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needle
outer cylinder
diaphragm
needle puncture
plug
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Hiroshi Kodaira
博志 小平
Kashio Sakaguchi
嘉之雄 坂口
Akira Oi
瑛 大井
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Ohtsu Tire and Rubber Co Ltd
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Ohtsu Tire and Rubber Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 部品点数,組立工数が少なく、生産性の高い
針刺し栓およびその製造方法を提供することにある。 【解決手段】 外筒10の筒状本体11に、前記針刺し
部20の接液面である下面22に接する隔膜12を、一
体に設けて断面略H字形状とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、外部から内部に針
を刺し込まれる液体容器に用いられる針刺し栓、特に、
防汚染性を高めた針刺し栓およびその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】従来、医
療用薬液を封入した薬液用瓶またはバッグに注射用ある
いは点滴用針を刺すために針刺し部を備えた針刺し栓と
しては、例えば、特開平3−205141号に開示のプ
ラスチック容器栓体、または、特公平7−23171号
の輸液用プラスチック容器がある。これらの針刺し栓は
いずれも、防汚染性を高めるために針刺し部の接液面に
ラミネートフィルムを貼着一体化してある。
【0003】しかしながら、前述の針刺し栓では、部品
点数,組立工数が多く、生産性が低いという問題点があ
った。
【0004】本発明は、前記問題点に鑑み、部品点数,
組立工数が少なく、生産性の高い針刺し栓およびその製
造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる針刺し栓
は、前記目的を達成すべく、熱可塑性合成樹脂からなる
外筒の一端側に熱可塑性エラストマーを充填して針刺し
部を形成したことを特徴とする針刺し栓において、前記
外筒の筒状本体に、前記針刺し部の接液面に接する隔膜
を、一体成形して断面略H字形状とした構成としてあ
る。本発明によれば、部品点数は外筒と針刺し部との2
部品からなるので、部品点数,組立工数が少なく、生産
性の高い針刺し栓が得られる。
【0006】また、熱可塑性合成樹脂からなる外筒の一
端側に熱可塑性エラストマーを充填して針刺し部を形成
したことを特徴とする針刺し栓において、前記外筒の筒
状本体に、前記針刺し部の接液面に接する別体の隔膜
を、一体化して断面略H字形状とした構成としてもよ
い。本発明によれば、前述と同様、部品点数,組立工数
が少なく、生産性の高い針刺し栓が得られる。
【0007】さらに、前記隔膜は、厚さ0.1mmない
し0.5mmであればよく、また、前記隔膜は湾曲して
いてもよい。
【0008】また、本発明にかかる針刺し部の製造方法
は、隔膜を備えた断面略H字形状の外筒を熱可塑性合成
樹脂で形成した後、前記外筒の一端側に熱可塑性エラス
トマーを射出成形することにより、針刺し部を前記外筒
に熱融着で一体化した工程からなる。本発明によれば、
2個の部品で隔膜を備えた針刺し栓が得られるので、部
品点数,組立工数が少なく、生産性の高い針刺し栓の製
造方法が得られる。
【0009】また、針刺し部を成形した後、前記針刺し
部の接液面に接する隔膜を備えた断面略H字形状の外筒
に前記針刺し部をインサート成形することにより、針刺
し部を前記外筒に熱融着で一体化した工程であってもよ
い。本発明によれば、前述と同様、部品点数,組立工数
が少なく、生産性の高い針刺し栓の製造方法が得られる
という効果がある。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明にかかる実施形態を図1お
よび図2の添付図面に従って説明する。本発明にかかる
第1実施形態は、図1に示すように、外筒10と、針刺
し部20とから構成されている。
【0011】外筒10は針刺し部20を保持する筒状本
体11からなり、例えば、温度230℃、2.16kg
におけるメルトインデックス40以上のポリエチレン、
ポリプロピレンなどの熱可塑性合成樹脂で形成されてい
る。そして、前記筒状本体11は、その略中央部に隔膜
12が一体に形成されている一方、その下方側の開口部
にかかる外側縁部に接続用環状リブ13が形成されてい
る。前記隔膜12は針刺し部20の接液面である下面2
2を被覆することにより、防汚染性を高めるものであ
る。また、前記接続用環状リブ13は、例えば、薬液用
バッグに熱融着して接続するためのものである。
【0012】前記隔膜12の厚さは、0.1mmないし
0.5mmが好ましい。0.1mm未満であると、薄す
ぎて成形できないからであり、0.5mmを越えると、
針刺し抵抗が高すぎ、厚い隔膜のために針を刺しても隔
膜が破れにくいからである。
【0013】針刺し部20は、前記外筒10の上方開口
部から熱可塑性エラストマーを充填して形成される。前
記熱可塑性エラストマーとしては、例えば、スチレン系
エラストマー、オレフィン系エラストマーから選択さ
れ、単体あるいはこれらを組み合せて使用できる。
【0014】前記針刺し部20は、上下面21,22が
平坦面であるが、必ずしもこれに限らず、例えば、下面
22が下方に凸形状に膨出していてもよい(図1B)。
この場合、針刺し部20の最大厚さは3mm〜15m
m、特に、5mm〜13mmが好適である。また、最大
厚さと最小厚さとの片面の厚み差は、0.1mm〜8m
m、特に、0.5mm〜5mmが好適である。前述の数
値範囲であれば、針を刺して抜いても、液漏れが生じに
くいという利点がある。
【0015】また、図1Bでは、下面22が下方に凸形
状に膨出している場合を示したが、必ずしもこれに限ら
ず、前記上下面21,22の少なくともいずれか一方が
凹形状の湾曲面を有していてもよい。また、前記上下面
21,22の表面形状は、凸形状および凹形状の湾曲面
を必要に応じて組み合せてもよい。
【0016】次に、前記針刺し栓の製造方法について説
明する。本実施形態にかかる針刺し栓の製造方法として
は、例えば、第1工程で隔膜12を備えた外筒10を一
体成形した後、第2工程で前記外筒10の一端部に針刺
し部20を充填,成形してもよい。また、第1工程で針
刺し部20を形成した後、第2工程で前記針刺し部20
を、隔膜12を備えた外筒10にインサート成形しても
よい。いずれの製造方法も、第2工程における成形と同
時に外筒10および針刺し部20が熱融着で一体化さ
れ、作業効率が良い。
【0017】また、針刺し部20を成形する場合には、
射出成形の射出圧力,射出速度は通常の条件、例えば、
射出圧力100〜350kg/cm以下、射出速度5
0cm/分以下で成形できる。このため、バリの発生を
容易に防止できるだけでなく、残留応力が少なく、針刺
し抵抗が小さいので、針の抜き差しが容易な針刺し栓が
得られるという利点がある。
【0018】第2実施形態は、図2に示すように、針刺
し部20の接液面である下面22に別体の隔膜23を後
付けする場合である。すなわち、外筒10の筒状本体1
1の内周面には成形用環状リブ14が形成され、この環
状リブ14の上方に針刺し部20が形成されている(図
2A)。そして、前記針刺し部20の下面22に隔膜2
3が貼着一体化されている。なお、前記環状リブ14
は、針刺し部20の成形の際に金型(図示せず)に圧接
し、外筒10の内周面と金型の外周面との間隙を封止す
ることにより、前記間隙に前述のエラストマーが侵入す
るのを阻止し、バリの発生を防止するという機能を有し
ている。
【0019】本実施形態にかかる成形用環状リブは前述
の形状に限らず、例えば、図2Bに示すように、下方に
傾斜した環状リブ15であってもよい。そして、この変
形例によれば、針刺し部22の下面22が下方側に膨出
している。
【0020】また、図2Cに示すように、外筒10の内
周面の上方開口縁部に段付きの成形用環状リブ16を形
成しておいてもよい。この変形例であっても、外筒10
の一端側に針刺し部20を射出成形する場合に、前記環
状リブ16の下端面が成形金型(図示せず)が圧接し、
金型と外筒10との間に存在する隙間が封止され、バリ
が発生しないという利点がある。
【0021】
【実施例】(試験例1)図1Aに示した断面形状を有す
る外筒10の一端側にスチレン系エラストマーを、射出
温度,射出圧力を一定に保持しつつ、隔膜の厚さを変え
て射出成形することにより、針刺し部20の成形性の良
否を調べた。試験結果を図3に示す。なお、前記外筒1
0の成形にはポリプロピレンを使用し、その筒状本体1
1は外径27mm、内径22mm、高さ15.5mm、
前記針刺し部は厚さ8mmであった。成形機としては、
住友重機械工業(株)製SE−100を使用した。
【0022】図3から明らかなように、メルトインデッ
クスが40以上の場合には、隔膜の厚さは0.5mm以
上、また、メルトインデックスが80以上の場合には、
隔膜の厚さは0.1mm以上であれば、成形性に問題の
ないことが判った。
【0023】(試験例2)図1Aで示した断面形状を有
する針刺し栓の針刺し部に針を刺し込んだ場合の適否を
調べた。前記針刺し栓としては、隔膜の厚さは異なる
が、試験例1で成形したものと同一のものを使用した。
また、針はJMS200型輸液セット((株)ジェイ・
エム・エス製)のプラスチック針を使用した。試験結果
を図4に示す。
【0024】図4から明らかなように、隔膜の厚みが
0.5mm以下であれば、針の抜き差しに問題がないこ
とが判明した。
【0025】以上の試験から明らかなように、本発明に
よれば、隔膜の厚さを0.5mm以下とすれば、成形性
および針の抜き差しの両方に問題がないことが判った。
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、部品点数は外筒と針刺
し部との2部品からなるので、部品点数,組立工数が少
なく、生産性の高い針刺し栓が得られるという効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる第1実施形態を示す断面図で
あり、図Aは針刺し部の下面が平坦である場合、図Bは
針刺し部の下面が下方に膨出している場合である。
【図2】 本発明にかかる第2実施形態を示す断面図で
あり、図Aは針刺し部の下面が平坦である場合、図Bは
針刺し部の下面が下方に膨出している場合、図Cは環状
リブが段付きである場合を示す。る。
【図3】 本発明にかかる試験例1の結果を示す図表で
ある。
【図4】 本発明にかかる試験例2の結果を示す図表で
ある。
【符号の説明】
10…外筒、11…筒状本体、12,23…隔膜、13
…接続用環状リブ、14,15,16…成形用環状リ
ブ、20…針刺し部、21…上面、22…下面(接液
面)。
フロントページの続き (72)発明者 大井 瑛 大阪府堺市七道西町12−11 フローラ堺7 −107 Fターム(参考) 3E084 AB05 BA02 CA01 CC03 CC04 CC05 CC08 DA01 DC04 DC05 FA09 FD13 4F206 AA04 AA09 AA11 AA45 AA47 AG21 AH57 JA07 JB12 JB28

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性合成樹脂からなる外筒の一端側
    に熱可塑性エラストマーを充填して針刺し部を形成した
    ことを特徴とする針刺し栓において、 前記外筒の筒状本体に、前記針刺し部の接液面に接する
    隔膜を、一体成形して断面略H字形状としたことを特徴
    とする針刺し栓。
  2. 【請求項2】 熱可塑性合成樹脂からなる外筒の一端側
    に熱可塑性エラストマーを充填して針刺し部を形成した
    ことを特徴とする針刺し栓において、 前記外筒の筒状本体に、前記針刺し部の接液面に接する
    別体の隔膜を、一体化して断面略H字形状としたことを
    特徴とする針刺し栓。
  3. 【請求項3】 隔膜が、厚さ0.1mmないし0.5m
    mであることを特徴とする請求項1または2に記載の針
    刺し栓。
  4. 【請求項4】 隔膜が、湾曲していることを特徴とする
    請求項1ないし3のいずれか1項に記載の針刺し栓。
  5. 【請求項5】 隔膜を備えた断面略H字形状の外筒を熱
    可塑性合成樹脂で形成した後、前記外筒の一端側に熱可
    塑性エラストマーを射出成形することにより、針刺し部
    を前記外筒に熱融着で一体化したことを特徴とする針刺
    し栓の製造方法。
  6. 【請求項6】 針刺し部を成形した後、前記針刺し部の
    接液面に接する隔膜を備えた断面略H字形状の外筒に前
    記針刺し部をインサート成形することにより、針刺し部
    を前記外筒に熱融着で一体化したことを特徴とする針刺
    し栓の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106214483A (zh) * 2016-08-31 2016-12-14 上海太平洋实业有限公司 一种圆弧台阶医药输液制品双色组合盖
JP2019518677A (ja) * 2016-06-21 2019-07-04 コラヴァン,インコーポレイテッド 飲料抜き取り器と共に使用される飲料容器用キャップ

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019518677A (ja) * 2016-06-21 2019-07-04 コラヴァン,インコーポレイテッド 飲料抜き取り器と共に使用される飲料容器用キャップ
JP7308032B2 (ja) 2016-06-21 2023-07-13 コラヴァン,インコーポレイテッド 飲料抜き取り器と共に使用される飲料容器用キャップ
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