JP2003118037A - 熱可塑性樹脂被覆金属板,熱融着金属接合体の製造方法及び熱融着金属接合体の分離・解体方法 - Google Patents
熱可塑性樹脂被覆金属板,熱融着金属接合体の製造方法及び熱融着金属接合体の分離・解体方法Info
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- JP2003118037A JP2003118037A JP2001319539A JP2001319539A JP2003118037A JP 2003118037 A JP2003118037 A JP 2003118037A JP 2001319539 A JP2001319539 A JP 2001319539A JP 2001319539 A JP2001319539 A JP 2001319539A JP 2003118037 A JP2003118037 A JP 2003118037A
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- B29—WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
- B29C—SHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
- B29C66/00—General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts
- B29C66/70—General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts characterised by the composition, physical properties or the structure of the material of the parts to be joined; Joining with non-plastics material
- B29C66/71—General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts characterised by the composition, physical properties or the structure of the material of the parts to be joined; Joining with non-plastics material characterised by the composition of the plastics material of the parts to be joined
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- Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
- Lining Or Joining Of Plastics Or The Like (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 フッ素含有熱可塑性樹脂塗膜を熱融着に利用
することにより、耐候性,耐食性に優れ、分離・解体が
容易な熱融着金属接合体を得る。 【構成】 融点が130〜220℃の範囲にあり、冷却
時に硬化することで熱融着性を発現するフッ素含有熱可
塑性樹脂塗膜が下地金属板の一面又は両面に設けられて
いる熱可塑性樹脂被覆金属板であり、同材又は異材と重
ね合わせ、フッ素含有熱可塑性樹脂の融点以上に加熱し
た後で冷却することにより熱融着金属接合体に組み立て
られる。分離・解体に際しては、同様な加熱処理でフッ
素含有熱可塑性樹脂を流動化させ、熱融着金属接合体を
構成する熱可塑性樹脂被覆金属板及び同材又は異材の何
れか一方又は双方に外力を加えることにより、熱融着金
属接合体が各板材に分離される。
することにより、耐候性,耐食性に優れ、分離・解体が
容易な熱融着金属接合体を得る。 【構成】 融点が130〜220℃の範囲にあり、冷却
時に硬化することで熱融着性を発現するフッ素含有熱可
塑性樹脂塗膜が下地金属板の一面又は両面に設けられて
いる熱可塑性樹脂被覆金属板であり、同材又は異材と重
ね合わせ、フッ素含有熱可塑性樹脂の融点以上に加熱し
た後で冷却することにより熱融着金属接合体に組み立て
られる。分離・解体に際しては、同様な加熱処理でフッ
素含有熱可塑性樹脂を流動化させ、熱融着金属接合体を
構成する熱可塑性樹脂被覆金属板及び同材又は異材の何
れか一方又は双方に外力を加えることにより、熱融着金
属接合体が各板材に分離される。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、溶接,カシメ,ネジ止
め,リベット止め等を必要とせず、熱融着で目標形状に
組み立てられる熱可塑性樹脂被覆金属板及び熱融着金属
接合体を製造又は分離・解体する方法に関する。
め,リベット止め等を必要とせず、熱融着で目標形状に
組み立てられる熱可塑性樹脂被覆金属板及び熱融着金属
接合体を製造又は分離・解体する方法に関する。
【0002】
【従来技術及び問題点】家電器具,家具調度品,洗濯
機,各種収納庫等は、通常、塗装鋼板の切板を所定形状
に組み立てた後、溶接,カシメ,ネジ止め,リベット止
め等で固着することにより製造されている。この種の用
途に供される塗装鋼板には、工場出荷段階で所定の塗装
を施したプレコート鋼板が多用されている。溶接,カシ
メ,ネジ止め,リベット止め等でプレコート鋼板の折板
を接合する場合、接合形態に応じた一長一短がある。た
とえば、カシメ等による接合では製品に凹凸が生じるこ
とが避けられず、リベットや二次止めでは製品に凹凸が
生じるだけでなく締結材を必要とする。その結果、接合
後に凹凸等の欠陥部を後補修することを余儀なくされ
る。
機,各種収納庫等は、通常、塗装鋼板の切板を所定形状
に組み立てた後、溶接,カシメ,ネジ止め,リベット止
め等で固着することにより製造されている。この種の用
途に供される塗装鋼板には、工場出荷段階で所定の塗装
を施したプレコート鋼板が多用されている。溶接,カシ
メ,ネジ止め,リベット止め等でプレコート鋼板の折板
を接合する場合、接合形態に応じた一長一短がある。た
とえば、カシメ等による接合では製品に凹凸が生じるこ
とが避けられず、リベットや二次止めでは製品に凹凸が
生じるだけでなく締結材を必要とする。その結果、接合
後に凹凸等の欠陥部を後補修することを余儀なくされ
る。
【0003】概して絶縁性の塗膜が形成されている塗装
鋼板を溶接で接合する場合、鋼板種類の選択幅が非常に
狭くなり、塗膜を介して導通を採るために各種添加材に
よって塗膜に導電性を付与する必要がある。しかし、塗
装鋼板の外観に重点を置くと、塗料に添加される添加材
に制約が加わる。接着剤を用いた塗装鋼板の接合も採用
されているが、固着までに時間がかかることから生産性
が低い。
鋼板を溶接で接合する場合、鋼板種類の選択幅が非常に
狭くなり、塗膜を介して導通を採るために各種添加材に
よって塗膜に導電性を付与する必要がある。しかし、塗
装鋼板の外観に重点を置くと、塗料に添加される添加材
に制約が加わる。接着剤を用いた塗装鋼板の接合も採用
されているが、固着までに時間がかかることから生産性
が低い。
【0004】ところで、リサイクル法の制定に伴い、大
型の家電器具のリサイクルが義務付けられた。大型家電
器具のリサイクルに際しては、ネジ止め部,接着部等の
取外し作用を効率の悪い手作業に頼っている。大型家電
器具の全体を細かく破砕し、材質ごとに分離回収する方
法も一部で採用されているが、全破砕及び分離回収には
複雑で大規模な設備を必要とする。しかも、破砕された
金属粉等の材料を有効資源として再利用するために再度
の溶解,精錬等のプロセスが必要になる。
型の家電器具のリサイクルが義務付けられた。大型家電
器具のリサイクルに際しては、ネジ止め部,接着部等の
取外し作用を効率の悪い手作業に頼っている。大型家電
器具の全体を細かく破砕し、材質ごとに分離回収する方
法も一部で採用されているが、全破砕及び分離回収には
複雑で大規模な設備を必要とする。しかも、破砕された
金属粉等の材料を有効資源として再利用するために再度
の溶解,精錬等のプロセスが必要になる。
【0005】全破砕せずに家電器具をリサイクルするた
め、ポリオレフィン等の熱可塑性樹脂を被覆した金属板
を熱融着で目標形状に組み立てた製品が知られている。
製品の解体に際しては、所定温度に加熱した状態で歪を
加えることにより各部材に分離している。しかし、低融
点のポリオレフィン等の熱可塑性樹脂は、耐熱温度が低
く、低温で接合できるものの、夏季等の高温雰囲気に曝
される屋外用途に使用される塗装鋼板には不適である。
因みに、屋外温度は場所によっては60℃近傍まで上昇
することがあり、熱融着力低下に起因した不測のガタが
家電器具に生じる虞がある。屋外配置も予想される家電
器具の用途を考慮すると、熱融着金属接合体は、60〜
80℃の高温雰囲気においても十分な接合強度を維持す
る必要がある。塗装金属板としての耐候性も要求され
る。
め、ポリオレフィン等の熱可塑性樹脂を被覆した金属板
を熱融着で目標形状に組み立てた製品が知られている。
製品の解体に際しては、所定温度に加熱した状態で歪を
加えることにより各部材に分離している。しかし、低融
点のポリオレフィン等の熱可塑性樹脂は、耐熱温度が低
く、低温で接合できるものの、夏季等の高温雰囲気に曝
される屋外用途に使用される塗装鋼板には不適である。
因みに、屋外温度は場所によっては60℃近傍まで上昇
することがあり、熱融着力低下に起因した不測のガタが
家電器具に生じる虞がある。屋外配置も予想される家電
器具の用途を考慮すると、熱融着金属接合体は、60〜
80℃の高温雰囲気においても十分な接合強度を維持す
る必要がある。塗装金属板としての耐候性も要求され
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような要
求に応えるべく、130〜220℃の温度域に融点があ
るフッ素含有熱可塑性樹脂塗膜を設けることにより、使
用耐熱温度が高く耐候性,耐食性にも優れ、分離・解体
が容易な熱融着金属接合体を得ることを目的とする。本
発明の熱可塑性樹脂被覆金属板は、その目的を達成する
ため、融点が130〜220℃の範囲にあり、冷却時に
硬化することで熱融着性を発現するフッ素含有熱可塑性
樹脂塗膜が下地金属板の一面又は両面に設けられている
ことを特徴とする。
求に応えるべく、130〜220℃の温度域に融点があ
るフッ素含有熱可塑性樹脂塗膜を設けることにより、使
用耐熱温度が高く耐候性,耐食性にも優れ、分離・解体
が容易な熱融着金属接合体を得ることを目的とする。本
発明の熱可塑性樹脂被覆金属板は、その目的を達成する
ため、融点が130〜220℃の範囲にあり、冷却時に
硬化することで熱融着性を発現するフッ素含有熱可塑性
樹脂塗膜が下地金属板の一面又は両面に設けられている
ことを特徴とする。
【0007】熱可塑性樹脂被覆金属板を同材又は異材と
重ね合わせ、フッ素含有熱可塑性樹脂の融点以上に加熱
した後で冷却することによりフッ素含有熱可塑性樹脂に
熱融着性を発現させ、フッ素含有熱可塑性樹脂を介して
熱可塑性樹脂被覆金属板を同材又は異材に接合すること
により熱融着金属接合体が製造される。熱融着金属接合
体の分離・解体に際しては、熱融着金属接合体をフッ素
含有熱可塑性樹脂の融点以上に加熱することによりフッ
素含有熱可塑性樹脂を流動化させ、熱融着金属接合体を
構成する熱可塑性樹脂被覆金属板及び同材又は異材の何
れか一方又は双方に外力を加え、熱可塑性樹脂被覆金属
板から同材又は異材を分離する。
重ね合わせ、フッ素含有熱可塑性樹脂の融点以上に加熱
した後で冷却することによりフッ素含有熱可塑性樹脂に
熱融着性を発現させ、フッ素含有熱可塑性樹脂を介して
熱可塑性樹脂被覆金属板を同材又は異材に接合すること
により熱融着金属接合体が製造される。熱融着金属接合
体の分離・解体に際しては、熱融着金属接合体をフッ素
含有熱可塑性樹脂の融点以上に加熱することによりフッ
素含有熱可塑性樹脂を流動化させ、熱融着金属接合体を
構成する熱可塑性樹脂被覆金属板及び同材又は異材の何
れか一方又は双方に外力を加え、熱可塑性樹脂被覆金属
板から同材又は異材を分離する。
【0008】
【実施の形態】本発明者等は、熱融着金属接合体に使用
可能な塗装金属板について、塗膜性状を種々調査検討し
た。その結果、熱可塑性樹脂塗膜の中でも、フッ素含有
熱可塑性樹脂を用いて塗膜を形成すると、熱融着が可能
で熱融着金属接合体の耐熱性が向上することを見出し
た。しかも、耐食性,耐候性,耐薬品性に優れたフッ素
樹脂を含むことから耐久性に優れ、分離・解体も容易な
熱融着金属接合体が得られる。
可能な塗装金属板について、塗膜性状を種々調査検討し
た。その結果、熱可塑性樹脂塗膜の中でも、フッ素含有
熱可塑性樹脂を用いて塗膜を形成すると、熱融着が可能
で熱融着金属接合体の耐熱性が向上することを見出し
た。しかも、耐食性,耐候性,耐薬品性に優れたフッ素
樹脂を含むことから耐久性に優れ、分離・解体も容易な
熱融着金属接合体が得られる。
【0009】熱可塑性樹脂塗膜が設けられる下地金属板
には、普通鋼板,亜鉛めっき鋼板,アルミニウムめっき
鋼板,亜鉛・アルミニウム合金めっき鋼板,化成処理鋼
板,ステンレス鋼板,アルミニウム板,アルミニウム合
金板,銅板等、種々の金属板が使用される。下地金属板
は、常法に従って適宜研磨,脱脂,酸洗等を経てリン酸
塩処理,クロメート処理,クロムフリー処理等の塗装前
処理が施される。次いで、フッ素含有熱可塑性樹脂塗料
が下地金属板に塗布され、焼付け乾燥によって塗膜が形
成される。
には、普通鋼板,亜鉛めっき鋼板,アルミニウムめっき
鋼板,亜鉛・アルミニウム合金めっき鋼板,化成処理鋼
板,ステンレス鋼板,アルミニウム板,アルミニウム合
金板,銅板等、種々の金属板が使用される。下地金属板
は、常法に従って適宜研磨,脱脂,酸洗等を経てリン酸
塩処理,クロメート処理,クロムフリー処理等の塗装前
処理が施される。次いで、フッ素含有熱可塑性樹脂塗料
が下地金属板に塗布され、焼付け乾燥によって塗膜が形
成される。
【0010】フッ素樹脂としては、融点が200℃以下
で溶融後の流動性が良く、塗膜の耐食性に優れ取扱い性
の面からもフッ化ビニリデンが好ましい。フッ化ビニリ
デンは融点が160〜200℃の範囲にあるので、フッ
化ビニリデンを塗膜の主成分とした塗装金属板から熱融
着金属接合体を製造する場合には融点以上に塗装金属板
を加熱する必要があり、熱融着金属接合体の分離・解体
に際しても融点近傍までの加熱が必要となる。このこと
は、熱融着金属接合体の耐熱性が高く、夏季等の屋外使
用でも十分な耐候性が発現することを意味する。なお、
熱融着金属接合体の組立てに際して塗装金属板が局部的
に融点近傍の温度に加熱されるが、200℃程度の局部
加熱は材料に与える影響も少ない。
で溶融後の流動性が良く、塗膜の耐食性に優れ取扱い性
の面からもフッ化ビニリデンが好ましい。フッ化ビニリ
デンは融点が160〜200℃の範囲にあるので、フッ
化ビニリデンを塗膜の主成分とした塗装金属板から熱融
着金属接合体を製造する場合には融点以上に塗装金属板
を加熱する必要があり、熱融着金属接合体の分離・解体
に際しても融点近傍までの加熱が必要となる。このこと
は、熱融着金属接合体の耐熱性が高く、夏季等の屋外使
用でも十分な耐候性が発現することを意味する。なお、
熱融着金属接合体の組立てに際して塗装金属板が局部的
に融点近傍の温度に加熱されるが、200℃程度の局部
加熱は材料に与える影響も少ない。
【0011】フッ化ビニリデンの他にポリテトラフロオ
ロエチレン(PTFE)の使用も考えられるが、溶融状
態のPTFEは高粘度で流動性が不足するため熱融着金
属接合体用の塗装金属板としては適さない。また、PT
FEは融点が300℃と高く、実用的な温度領域で熱融
着金属接合体を製造することにも不適である。更には、
ポリエステル系樹脂塗膜を設けた塗装金属板を異材とす
る熱融着金属接合体の組立てに際し、300℃近傍の温
度まで加熱するとポリエステル系樹脂の熱分解によって
塗膜が劣化し、諸特性に悪影響を及ぼす。このようなこ
とから、PTFEはフッ素樹脂として好ましくない。テ
トラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエ
ーテル共重合体(PFA)もフッ素樹脂に使用可能であ
るが、非粘着性の強い樹脂であることからPFA塗膜が
形成された塗装金属板を熱融着する場合には圧力等の熱
融着条件の調整が必要となる。
ロエチレン(PTFE)の使用も考えられるが、溶融状
態のPTFEは高粘度で流動性が不足するため熱融着金
属接合体用の塗装金属板としては適さない。また、PT
FEは融点が300℃と高く、実用的な温度領域で熱融
着金属接合体を製造することにも不適である。更には、
ポリエステル系樹脂塗膜を設けた塗装金属板を異材とす
る熱融着金属接合体の組立てに際し、300℃近傍の温
度まで加熱するとポリエステル系樹脂の熱分解によって
塗膜が劣化し、諸特性に悪影響を及ぼす。このようなこ
とから、PTFEはフッ素樹脂として好ましくない。テ
トラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエ
ーテル共重合体(PFA)もフッ素樹脂に使用可能であ
るが、非粘着性の強い樹脂であることからPFA塗膜が
形成された塗装金属板を熱融着する場合には圧力等の熱
融着条件の調整が必要となる。
【0012】フッ化ビニリデンに各種の樹脂を配合でき
る。配合可能な樹脂には、ポリオレフィン樹脂、ポリ塩
化ビニル,ポリ酢酸ビニル等のビニル樹脂、ポリアクリ
ロニトリル等のアクリレート樹脂、ポリエステル樹脂、
アルキル樹脂、スチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、
ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂やエチレン−酢酸ビ
ニル共重合樹脂等がある。これらの樹脂の共重合体又は
混合物をフッ素樹脂に配合すると、溶融状態にある塗膜
の流動性が改善される。しかし、過剰量の樹脂添加はフ
ッ素樹脂の特性に悪影響を及ぼすので、添加量の上限を
50質量%に設定することが好ましい。
る。配合可能な樹脂には、ポリオレフィン樹脂、ポリ塩
化ビニル,ポリ酢酸ビニル等のビニル樹脂、ポリアクリ
ロニトリル等のアクリレート樹脂、ポリエステル樹脂、
アルキル樹脂、スチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、
ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂やエチレン−酢酸ビ
ニル共重合樹脂等がある。これらの樹脂の共重合体又は
混合物をフッ素樹脂に配合すると、溶融状態にある塗膜
の流動性が改善される。しかし、過剰量の樹脂添加はフ
ッ素樹脂の特性に悪影響を及ぼすので、添加量の上限を
50質量%に設定することが好ましい。
【0013】フッ素樹脂に混合又は共重合化する樹脂に
極性基を導入すると、下地金属板に対する塗膜の密着性
を高めることができる。極性基導入の効果は、フッ素含
有熱可塑性樹脂塗膜の下にプライマを施した場合、下塗
り塗膜に対するフッ素含有熱可塑性樹脂塗膜の密着性向
上にも有効である。また、フッ素含有熱可塑性樹脂の極
性基と一部橋掛けする樹脂成分を混合すると、塗膜の凝
集力が高くなり、熱融着金属接合体の接合強度が向上す
る。しかし、過剰量の橋掛け成分を配合するとフッ素含
有熱可塑性樹脂の熱融着性が発現しなくなるので、橋掛
け成分を添加する場合には上限を10質量%以下に規制
することが好ましい。
極性基を導入すると、下地金属板に対する塗膜の密着性
を高めることができる。極性基導入の効果は、フッ素含
有熱可塑性樹脂塗膜の下にプライマを施した場合、下塗
り塗膜に対するフッ素含有熱可塑性樹脂塗膜の密着性向
上にも有効である。また、フッ素含有熱可塑性樹脂の極
性基と一部橋掛けする樹脂成分を混合すると、塗膜の凝
集力が高くなり、熱融着金属接合体の接合強度が向上す
る。しかし、過剰量の橋掛け成分を配合するとフッ素含
有熱可塑性樹脂の熱融着性が発現しなくなるので、橋掛
け成分を添加する場合には上限を10質量%以下に規制
することが好ましい。
【0014】熱融着性を示す塗膜を形成するための塗料
組成物は、フッ素含有熱可塑性樹脂を溶媒に溶解又は分
散することにより調製される。塗料組成物には、重合促
進剤,反応促進剤,重合及び接着を同時進行させるモノ
マーセメント,耐水性や耐熱性の向上に有効な硫酸チタ
ニル,硫酸クロム等の金属塩が必要に応じて添加され
る。フッ素含有熱可塑性樹脂塗膜が設けられた塗装金属
板に接合される相手材が高エネルギー表面をもつ金属板
等の場合、樹脂塗膜に極性基を導入することにより良好
な接合性が得られる。相手材が低エネルギー材である塗
装金属板や樹脂被覆材の場合、接合対象である樹脂に対
する相溶性の良い樹脂をフッ素含有熱可塑性樹脂に混合
することが好ましい。相溶性の良い樹脂の配合により、
接合対象である樹脂塗膜とフッ素含有熱可塑性樹脂塗膜
との表面エネルギーが近接し、熱融着力が向上する。
組成物は、フッ素含有熱可塑性樹脂を溶媒に溶解又は分
散することにより調製される。塗料組成物には、重合促
進剤,反応促進剤,重合及び接着を同時進行させるモノ
マーセメント,耐水性や耐熱性の向上に有効な硫酸チタ
ニル,硫酸クロム等の金属塩が必要に応じて添加され
る。フッ素含有熱可塑性樹脂塗膜が設けられた塗装金属
板に接合される相手材が高エネルギー表面をもつ金属板
等の場合、樹脂塗膜に極性基を導入することにより良好
な接合性が得られる。相手材が低エネルギー材である塗
装金属板や樹脂被覆材の場合、接合対象である樹脂に対
する相溶性の良い樹脂をフッ素含有熱可塑性樹脂に混合
することが好ましい。相溶性の良い樹脂の配合により、
接合対象である樹脂塗膜とフッ素含有熱可塑性樹脂塗膜
との表面エネルギーが近接し、熱融着力が向上する。
【0015】フッ素含有熱可塑性樹脂塗料は、下地金属
板の片面又は両面に塗布され、焼付け乾燥によってフッ
素含有熱可塑性樹脂塗膜となる。フッ素含有熱可塑性樹
脂塗膜が設けられた塗装金属板を樹脂製品等の異材と接
合する場合、乾燥膜厚が2〜200μmとなるようにフ
ッ素含有熱可塑性樹脂塗料の塗布量が調整される。同材
の接合では、当該乾燥膜厚の半分、すなわち1〜100
μmの乾燥膜厚となるようにフッ素含有熱可塑性樹脂塗
膜の塗布量が調整される。乾燥膜厚が2μmに満たない
と、下地金属板とフッ素含有熱可塑性樹脂塗膜との界面
接合力が不足し、フッ素含有熱可塑性樹脂塗膜が剥離し
やすくなる。逆に200μmを超える厚膜では、フッ素
含有熱可塑性樹脂塗膜が厚くなりすぎ、凝集破壊に起因
して接合力が低下しやすい。十分な接合強度を得る上で
は、乾燥膜厚が5〜50μmとなるようにフッ素含有熱
可塑性樹脂塗膜の塗布量を調整することが好ましい。
板の片面又は両面に塗布され、焼付け乾燥によってフッ
素含有熱可塑性樹脂塗膜となる。フッ素含有熱可塑性樹
脂塗膜が設けられた塗装金属板を樹脂製品等の異材と接
合する場合、乾燥膜厚が2〜200μmとなるようにフ
ッ素含有熱可塑性樹脂塗料の塗布量が調整される。同材
の接合では、当該乾燥膜厚の半分、すなわち1〜100
μmの乾燥膜厚となるようにフッ素含有熱可塑性樹脂塗
膜の塗布量が調整される。乾燥膜厚が2μmに満たない
と、下地金属板とフッ素含有熱可塑性樹脂塗膜との界面
接合力が不足し、フッ素含有熱可塑性樹脂塗膜が剥離し
やすくなる。逆に200μmを超える厚膜では、フッ素
含有熱可塑性樹脂塗膜が厚くなりすぎ、凝集破壊に起因
して接合力が低下しやすい。十分な接合強度を得る上で
は、乾燥膜厚が5〜50μmとなるようにフッ素含有熱
可塑性樹脂塗膜の塗布量を調整することが好ましい。
【0016】フッ素含有熱可塑性樹脂塗料と下地金属板
との間に熱硬化性塗膜を介在させても良い。熱硬化性塗
膜は、たとえばエポキシ樹脂,ポリエステル樹脂,アク
リル樹脂,フェノキシ樹脂を主成分とする塗料から作製
される。下塗り用の熱硬化性塗膜塗料には、フッ素含有
熱可塑性樹脂の接合力を損なわない範囲で体質顔料,着
色顔料,防錆顔料,メタリック顔料等を添加できる。こ
れらの顔料は、熱硬化性塗膜の上に設けられるフッ素含
有熱可塑性樹脂塗膜にも配合できる。
との間に熱硬化性塗膜を介在させても良い。熱硬化性塗
膜は、たとえばエポキシ樹脂,ポリエステル樹脂,アク
リル樹脂,フェノキシ樹脂を主成分とする塗料から作製
される。下塗り用の熱硬化性塗膜塗料には、フッ素含有
熱可塑性樹脂の接合力を損なわない範囲で体質顔料,着
色顔料,防錆顔料,メタリック顔料等を添加できる。こ
れらの顔料は、熱硬化性塗膜の上に設けられるフッ素含
有熱可塑性樹脂塗膜にも配合できる。
【0017】フッ素含有熱可塑性樹脂塗料が設けられた
塗装金属板を用いて家電器具等の製品を組み立てる際、
塗装金属板を所定形状に裁断し、折板を同材又は異材と
重ね合わせる。重合せ状態でフッ素含有熱可塑性樹脂の
融点Tm以上の加熱温度Tbに加熱し冷却すると、フッ素
含有熱可塑性樹脂が溶融・流動化し、相手材との間に分
子間引力等が発現し、加熱後の冷却時に極性基の水素結
合等によって相手材に接合される。加熱温度Tbは、Tm
+(30〜130)℃の温度域に設定することが好まし
い。融点Tmより低い加熱温度Tbでは、フッ素含有熱可
塑性樹脂が十分に軟化しないため安定した接合強度が得
られない。加熱に際し同材又は異材と重ね合わせた塗装
金属板を加圧すると、流動化したフッ素含有熱可塑性樹
脂が相手材との接合界面に沿って展延し接合界面が大き
くなる。その結果、高い接合強度で熱融着金属接合体が
製造される。しかし、過剰な圧力印加はフッ素含有熱可
塑性樹脂を過度に流動化させて薄膜化し、却って接合強
度低下の原因となるので、加圧力の上限を5MPaに設
定することが好ましい。
塗装金属板を用いて家電器具等の製品を組み立てる際、
塗装金属板を所定形状に裁断し、折板を同材又は異材と
重ね合わせる。重合せ状態でフッ素含有熱可塑性樹脂の
融点Tm以上の加熱温度Tbに加熱し冷却すると、フッ素
含有熱可塑性樹脂が溶融・流動化し、相手材との間に分
子間引力等が発現し、加熱後の冷却時に極性基の水素結
合等によって相手材に接合される。加熱温度Tbは、Tm
+(30〜130)℃の温度域に設定することが好まし
い。融点Tmより低い加熱温度Tbでは、フッ素含有熱可
塑性樹脂が十分に軟化しないため安定した接合強度が得
られない。加熱に際し同材又は異材と重ね合わせた塗装
金属板を加圧すると、流動化したフッ素含有熱可塑性樹
脂が相手材との接合界面に沿って展延し接合界面が大き
くなる。その結果、高い接合強度で熱融着金属接合体が
製造される。しかし、過剰な圧力印加はフッ素含有熱可
塑性樹脂を過度に流動化させて薄膜化し、却って接合強
度低下の原因となるので、加圧力の上限を5MPaに設
定することが好ましい。
【0018】加熱手段は、特に制約されるものではない
が、加熱された下地金属板からフッ素含有熱可塑性樹脂
塗膜に接合用の熱を与える誘導加熱,抵抗加熱等、下地
金属板の電気抵抗を利用してフッ素含有熱可塑性樹脂塗
膜を所定温度域まで短時間で昇温する加熱方式が好まし
い。この加熱方式によるとき、下地金属板が広範囲にわ
たって加熱され、下地金属板の熱がフッ素含有熱可塑性
樹脂に伝達されるため、広範囲のフッ素含有熱可塑性樹
脂塗膜が接合に寄与し、大きな接合強度が得られる。し
かも、フッ素含有熱可塑性樹脂塗膜の局部的な加熱が抑
えられるので、フッ素含有熱可塑性樹脂の熱分解も少な
くなり、塗膜性状も維持される。勿論、フッ素含有熱可
塑性樹脂塗膜自体を加熱する誘導加熱や超音波加熱等も
採用できる。
が、加熱された下地金属板からフッ素含有熱可塑性樹脂
塗膜に接合用の熱を与える誘導加熱,抵抗加熱等、下地
金属板の電気抵抗を利用してフッ素含有熱可塑性樹脂塗
膜を所定温度域まで短時間で昇温する加熱方式が好まし
い。この加熱方式によるとき、下地金属板が広範囲にわ
たって加熱され、下地金属板の熱がフッ素含有熱可塑性
樹脂に伝達されるため、広範囲のフッ素含有熱可塑性樹
脂塗膜が接合に寄与し、大きな接合強度が得られる。し
かも、フッ素含有熱可塑性樹脂塗膜の局部的な加熱が抑
えられるので、フッ素含有熱可塑性樹脂の熱分解も少な
くなり、塗膜性状も維持される。勿論、フッ素含有熱可
塑性樹脂塗膜自体を加熱する誘導加熱や超音波加熱等も
採用できる。
【0019】フッ素含有熱可塑性樹脂塗膜が設けられた
塗装金属板は、2枚重ね合わせて接合することは勿論、
3枚又は3枚以上の多数枚を重ね合わせて接合すること
も可能である。3枚以上重ね合わせて接合する場合、何
れの接合界面にもフッ素含有熱可塑性樹脂塗膜が位置す
るように、フッ素含有熱可塑性樹脂塗膜が設けられた塗
装金属板と相手材との重合せ状態を調整する。また、塗
装金属板及び相手材を所定形状に裁断して重ね合わせて
熱融着すると、複雑な立体形状の製品も1回の加熱・冷
却で作製できる。
塗装金属板は、2枚重ね合わせて接合することは勿論、
3枚又は3枚以上の多数枚を重ね合わせて接合すること
も可能である。3枚以上重ね合わせて接合する場合、何
れの接合界面にもフッ素含有熱可塑性樹脂塗膜が位置す
るように、フッ素含有熱可塑性樹脂塗膜が設けられた塗
装金属板と相手材との重合せ状態を調整する。また、塗
装金属板及び相手材を所定形状に裁断して重ね合わせて
熱融着すると、複雑な立体形状の製品も1回の加熱・冷
却で作製できる。
【0020】分離・解体に際しては、フッ素含有熱可塑
性樹脂の融点Tm以上の温度に熱融着金属接合体を加熱
することにより熱融着性が消失するので、熱融着金属接
合体を個々の部材に容易に分離できる。分離・解体時の
加熱手段としては、接合部分を局部加熱する誘導加熱や
抵抗加熱がある。局部加熱が困難な場合、加熱炉に熱融
着金属接合体を装入し、熱融着金属接合体全体を加熱し
ても良い。熱融着金属接合体の分離・解体に当り、塑性
変形を伴う曲げ加工,衝撃加工,押出加工等によって熱
融着金属接合体を構成する一方の板材に歪を付加するこ
ともできる。或いは、熱融着金属接合体を構成する複数
の板材に、それぞれ異なる方向の歪を付加することもで
きる。歪が付加された熱融着金属接合体を加熱すると、
加熱によって軟化したフッ素含有熱可塑性樹脂の熱融着
力が低下したとき、歪が接合界面を分離する剥離力とな
って作用し、熱融着金属接合体が一層容易に分離・解体
される。
性樹脂の融点Tm以上の温度に熱融着金属接合体を加熱
することにより熱融着性が消失するので、熱融着金属接
合体を個々の部材に容易に分離できる。分離・解体時の
加熱手段としては、接合部分を局部加熱する誘導加熱や
抵抗加熱がある。局部加熱が困難な場合、加熱炉に熱融
着金属接合体を装入し、熱融着金属接合体全体を加熱し
ても良い。熱融着金属接合体の分離・解体に当り、塑性
変形を伴う曲げ加工,衝撃加工,押出加工等によって熱
融着金属接合体を構成する一方の板材に歪を付加するこ
ともできる。或いは、熱融着金属接合体を構成する複数
の板材に、それぞれ異なる方向の歪を付加することもで
きる。歪が付加された熱融着金属接合体を加熱すると、
加熱によって軟化したフッ素含有熱可塑性樹脂の熱融着
力が低下したとき、歪が接合界面を分離する剥離力とな
って作用し、熱融着金属接合体が一層容易に分離・解体
される。
【0021】
【実施例】板厚0.4mmのSUS304ステンレス鋼
板を脱脂,酸洗,乾燥後に塗布型クロメート処理し、ク
ロム換算付着量15mg/m2のクロメート皮膜を形成
した。クロメート処理された塗装原板に塗料を塗布し、
表1の塗膜をもつ塗装金属板を作製した。
板を脱脂,酸洗,乾燥後に塗布型クロメート処理し、ク
ロム換算付着量15mg/m2のクロメート皮膜を形成
した。クロメート処理された塗装原板に塗料を塗布し、
表1の塗膜をもつ塗装金属板を作製した。
【0022】
【0023】塗装金属板A,Bから切り出された折板を
塗膜が面接触するように重ね合わせ、誘導加熱装置で2
10℃に8秒間加熱することにより、熱融着した。作製
された各熱融着金属接合体から、長手方向中央部に10
mm×10mmの接合部が位置する長さ240mm,幅
100mmの短冊状試験片を切り出した。材料試験機
(オートグラフAG-5000;株式会社島津製作所製)を用
いた引張試験で、速度50mm/分で試験片を引っ張
り、2000Nまでの最大強度を測定した。最大強度の
測定値を剥離剪断強度とし、各試験片の接合性を評価し
た。剥離剪断強度500N/10mm×10mm(接合
面積)以上を接合性良好と判定できる。
塗膜が面接触するように重ね合わせ、誘導加熱装置で2
10℃に8秒間加熱することにより、熱融着した。作製
された各熱融着金属接合体から、長手方向中央部に10
mm×10mmの接合部が位置する長さ240mm,幅
100mmの短冊状試験片を切り出した。材料試験機
(オートグラフAG-5000;株式会社島津製作所製)を用
いた引張試験で、速度50mm/分で試験片を引っ張
り、2000Nまでの最大強度を測定した。最大強度の
測定値を剥離剪断強度とし、各試験片の接合性を評価し
た。剥離剪断強度500N/10mm×10mm(接合
面積)以上を接合性良好と判定できる。
【0024】表2の試験結果にみられるように、本発明
に従った熱融着金属接合体の剥離剪断強度は、20℃以
上で750N/10mm×10mm以上,80℃でも5
00N/10mm×10mm以上と高く、実用に十分供
しえる熱融着金属接合体であった。他方、比較例の熱融
着金属接合体は、40℃以下であれば実用に耐える剥離
剪断強度を示したが、60℃以上の高温雰囲気では剥離
剪断強度が大幅に低下し、屋外用途に不向きな熱融着金
属接合体であった。また、熱硬化性塗膜を設けた塗装金
属板では、熱融着金属接合体を作製できなかった。
に従った熱融着金属接合体の剥離剪断強度は、20℃以
上で750N/10mm×10mm以上,80℃でも5
00N/10mm×10mm以上と高く、実用に十分供
しえる熱融着金属接合体であった。他方、比較例の熱融
着金属接合体は、40℃以下であれば実用に耐える剥離
剪断強度を示したが、60℃以上の高温雰囲気では剥離
剪断強度が大幅に低下し、屋外用途に不向きな熱融着金
属接合体であった。また、熱硬化性塗膜を設けた塗装金
属板では、熱融着金属接合体を作製できなかった。
【0025】
【0026】分離・解体性を調査するため、本発明例1
〜7の熱融着金属接合体を雰囲気温度210℃のオーブ
ンに装入して3分加熱保持し、オーブンから取り出した
直後に熱融着金属接合体に外力を加えたところ、各板材
に容易に分離した。他方、接着剤で接合した比較例5の
金属接合体に同様な加熱を施した直後に外力を加えた
が、各板材に分離できなかった。この対比から明らかな
ように、本発明に従った熱融着金属接合体は、各板材に
容易に分離できることからリサイクルに適し、廃棄物処
理にかかる負担が軽減されるばかりか、金属板としての
回収も可能なため資源の有効利用も図られる。これに対
し、分離・解体性に劣る比較例5の金属接合体では、従
来の破砕法による廃棄物処理を余儀なくされ、破砕粒か
ら金属板を製造するプロセスが再度必要となる。
〜7の熱融着金属接合体を雰囲気温度210℃のオーブ
ンに装入して3分加熱保持し、オーブンから取り出した
直後に熱融着金属接合体に外力を加えたところ、各板材
に容易に分離した。他方、接着剤で接合した比較例5の
金属接合体に同様な加熱を施した直後に外力を加えた
が、各板材に分離できなかった。この対比から明らかな
ように、本発明に従った熱融着金属接合体は、各板材に
容易に分離できることからリサイクルに適し、廃棄物処
理にかかる負担が軽減されるばかりか、金属板としての
回収も可能なため資源の有効利用も図られる。これに対
し、分離・解体性に劣る比較例5の金属接合体では、従
来の破砕法による廃棄物処理を余儀なくされ、破砕粒か
ら金属板を製造するプロセスが再度必要となる。
【0027】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明において
は、下地金属板の一面又は両面に設けたフッ素含有熱可
塑性樹脂塗膜の加熱・冷却で発現する熱融着性を利用
し、溶接,カシメ,ネジ止め,リベット止め等の固着手
段によることなく複数枚の塗装金属板の接合を可能にし
ている。熱融着金属接合体は、所定形状に裁断した塗装
金属板を同材又は異材と重ね合わせて加熱するだけの簡
単な作業で製造でき、同様な加熱処理で個々の板材に分
離・解体できる。そのため、リサイクルに適した製品が
得られ、廃棄物処理に要する負担も大幅に軽減される。
しかも、フッ素含有熱可塑性樹脂で塗膜を形成している
ので、80℃程度の高温雰囲気においても実用的な接合
強度が十分維持され、耐食性に優れていることと相俟っ
て屋外用途向けの製品にもなる。
は、下地金属板の一面又は両面に設けたフッ素含有熱可
塑性樹脂塗膜の加熱・冷却で発現する熱融着性を利用
し、溶接,カシメ,ネジ止め,リベット止め等の固着手
段によることなく複数枚の塗装金属板の接合を可能にし
ている。熱融着金属接合体は、所定形状に裁断した塗装
金属板を同材又は異材と重ね合わせて加熱するだけの簡
単な作業で製造でき、同様な加熱処理で個々の板材に分
離・解体できる。そのため、リサイクルに適した製品が
得られ、廃棄物処理に要する負担も大幅に軽減される。
しかも、フッ素含有熱可塑性樹脂で塗膜を形成している
ので、80℃程度の高温雰囲気においても実用的な接合
強度が十分維持され、耐食性に優れていることと相俟っ
て屋外用途向けの製品にもなる。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)
B29L 9:00 B29L 9:00
(72)発明者 原 丈人
千葉県市川市高谷新町7番1号 日新製鋼
株式会社技術研究所内
(72)発明者 森 浩治
千葉県市川市高谷新町7番1号 日新製鋼
株式会社技術研究所内
Fターム(参考) 4D075 AE02 BB18Z BB29Z CA17
DA03 DA06 DB02 DB04 DC10
DC18 EA07 EA17 EB11 EB13
EB14 EB15 EB17 EB19 EB22
EB35 EB36 EB38 EB39 EB53
4F100 AB01A AK17B BA02 BA07
CC00B EH46 GB41 GB81
JB02 JB16B JL09 JL13B
4F211 AA16 AD03 AD08 AD20 AG02
AG03 TA01 TC02 TD11 TH02
TH06 TH09 TH22 TN16
Claims (3)
- 【請求項1】 融点が130〜220℃の範囲にあり、
冷却時に硬化することで熱融着性を発現するフッ素含有
熱可塑性樹脂塗膜が下地金属板の一面又は両面に設けら
れていることを特徴とする熱可塑性樹脂被覆金属板。 - 【請求項2】 請求項1記載の熱可塑性樹脂被覆金属板
を同材又は異材と重ね合わせ、フッ素含有熱可塑性樹脂
の融点以上に加熱した後で冷却することによりフッ素含
有熱可塑性樹脂に熱融着性を発現させ、フッ素含有熱可
塑性樹脂を介して熱可塑性樹脂被覆金属板を同材又は異
材に接合することを特徴とする熱融着金属接合体の製造
方法。 - 【請求項3】 請求項2記載の熱融着金属接合体をフッ
素含有熱可塑性樹脂の融点以上に加熱することによりフ
ッ素含有熱可塑性樹脂を流動化させ、熱融着金属接合体
を構成する熱可塑性樹脂被覆金属板及び同材又は異材の
何れか一方又は双方に外力を加え、熱可塑性樹脂被覆金
属板から同材又は異材を分離することを特徴とする熱融
着金属接合体の分離・解体方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001319539A JP2003118037A (ja) | 2001-10-17 | 2001-10-17 | 熱可塑性樹脂被覆金属板,熱融着金属接合体の製造方法及び熱融着金属接合体の分離・解体方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001319539A JP2003118037A (ja) | 2001-10-17 | 2001-10-17 | 熱可塑性樹脂被覆金属板,熱融着金属接合体の製造方法及び熱融着金属接合体の分離・解体方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003118037A true JP2003118037A (ja) | 2003-04-23 |
Family
ID=19137072
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001319539A Withdrawn JP2003118037A (ja) | 2001-10-17 | 2001-10-17 | 熱可塑性樹脂被覆金属板,熱融着金属接合体の製造方法及び熱融着金属接合体の分離・解体方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003118037A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1767669A1 (en) * | 2004-06-10 | 2007-03-28 | Kabushiki Kaisha Toyota Jidoshokki | Structure and method of preventing electrolytic corrosion of the structure |
WO2019026331A1 (ja) * | 2017-08-01 | 2019-02-07 | 株式会社日立製作所 | 樹脂金属複合体、樹脂金属複合体の製造方法、及び、樹脂金属複合体の解体方法 |
JP2020040368A (ja) * | 2018-09-13 | 2020-03-19 | 日鉄日新製鋼株式会社 | 塗装金属素形材と樹脂材との複合体の製造方法 |
GB2606574A (en) * | 2021-05-14 | 2022-11-16 | Avalon Consultancy Services Ltd | Joining process and system |
-
2001
- 2001-10-17 JP JP2001319539A patent/JP2003118037A/ja not_active Withdrawn
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1767669A1 (en) * | 2004-06-10 | 2007-03-28 | Kabushiki Kaisha Toyota Jidoshokki | Structure and method of preventing electrolytic corrosion of the structure |
EP1767669A4 (en) * | 2004-06-10 | 2009-01-14 | Toyota Jidoshokki Kk | STRUCTURE AND METHOD FOR PREVENTING ELECTROLYTIC CORROSION OF THE STRUCTURE |
WO2019026331A1 (ja) * | 2017-08-01 | 2019-02-07 | 株式会社日立製作所 | 樹脂金属複合体、樹脂金属複合体の製造方法、及び、樹脂金属複合体の解体方法 |
JP2019025842A (ja) * | 2017-08-01 | 2019-02-21 | 株式会社日立製作所 | 樹脂金属複合体、樹脂金属複合体の製造方法、及び、樹脂金属複合体の解体方法 |
JP2020040368A (ja) * | 2018-09-13 | 2020-03-19 | 日鉄日新製鋼株式会社 | 塗装金属素形材と樹脂材との複合体の製造方法 |
GB2606574A (en) * | 2021-05-14 | 2022-11-16 | Avalon Consultancy Services Ltd | Joining process and system |
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Legal Events
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---|---|---|---|
A300 | Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed |
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