JPH09216069A - プレコート金属板の接合方法 - Google Patents

プレコート金属板の接合方法

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JPH09216069A
JPH09216069A JP2261696A JP2261696A JPH09216069A JP H09216069 A JPH09216069 A JP H09216069A JP 2261696 A JP2261696 A JP 2261696A JP 2261696 A JP2261696 A JP 2261696A JP H09216069 A JPH09216069 A JP H09216069A
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JP2261696A
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Inventor
Hiroshi Kanai
洋 金井
Hiroyasu Furukawa
博康 古川
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 通常の直接通電のできないプレコート金属板
と、他の金属板との接合を、高い生産性、高い信頼性で
行うことを目的とする。 【解決手段】 少なくとも片面に導電性を持たない被覆
層が形成されているプレコート金属板の接合方法におい
て、まず、接着剤によって両者を接着した後に、バイパ
スによる通電回路を形成して前記金属板を発熱させ、そ
の熱によってナゲットを形成したい部分の導電性を持た
ない被覆を破壊して間接的に通電し、ナゲットを形成し
て接合することを特徴とするプレコート金属板の接合方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、家電・器物、建
材、自動車用等に用いられる有機被覆金属板、無機被覆
金属板、有機・無機被覆金属板などのプレコート金属板
の接合方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、家電・器物、建材、自動車等を製
造するメーカーでの塗装工程、あるいは施工現場での塗
装工程を省略するために、あらかじめ鉄鋼メーカー、塗
装メーカーで金属板上に必要な被覆が施されているプレ
コート金属板の需要が伸びてきている。しかし、これら
のプレコート金属板は、一般的には被覆に導電性がない
ため、溶接による接合ができないという欠点を持ってい
る。このため、溶接による接合に変わって、かしめやビ
ス、リベット等の機械的な接合が主流になっている。ま
た、特開昭63−77983号公報や特開昭52−10
0530号公報などで提案されている接着による接合も
実施されている。さらに、特公昭63−24796号公
報で提案されている間接通電による接合なども検討され
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】機械的な接合は、生産
性が必ずしも高くなく、溶接による接合に比べて強度が
低いケースが多い。また、プレコート金属板を採用する
前に、スポット溶接による接合を行っていた場合には、
その溶接機が無駄になるという経済的な不利もあった。
接着による接合は、生産性はかなりあげることができる
が、剥離強度が得にくいため、接着構造の設計に工夫が
必要であり、また信頼性の点で強度が必要な場合には大
量生産にはかならずしも適していなかった。
【0004】間接通電溶接は、従来の溶接機がそのまま
使えるケースでは経済的に有利な面があり、また条件さ
え選べばナゲットを直接通電溶接なみに形成することが
可能であり、接合強度も得られる。しかし、直接通電な
みの信頼性はなく、強度が必要な部分の接合には使用し
にくいのが形状である。また、溶接による接合は変形応
力を点で受けるため、面で変形応力を受けとめることの
出来る接着に比べて、接合した材料が変形しやすい欠点
をもっている。
【0005】
【課題を解決するための手段】以下の(1)〜(5)に
記載の手段で課題を解決できる。 (1)少なくとも片面に導電性を持たない被覆層が形成
されているプレコート金属板の接合方法において、ま
ず、接着剤によって両者を接着した後に、バイパスによ
る通電回路を形成して前記金属板を発熱させ、その熱に
よってナゲットを形成したい部分の導電性を持たない被
覆を破壊して間接的に通電し、ナゲットを形成して接合
することを特徴とするプレコート金属板の接合方法。
【0006】(2)接着剤が常温硬化型であり、接着剤
をプレコート金属板上に形成した後に、他の金属板を接
着剤層を介して接合し、次いで接着された面の中の少な
くとも1点を間接通電溶接によって接合することを特徴
とする前記(1)に記載のプレコート金属板の接合方
法。 (3)接着剤が加熱硬化型であり、接着層をプレコート
金属板上に形成した後に、他の金属板を接着剤層を介し
て接合し、次いで接着された面の中の少なくとも1点を
間接通電溶接によって接合し、次いで加熱して接着剤層
を硬化させることを特徴とする前記(1)に記載のプレ
コート金属板の接合方法。
【0007】(4)接着剤が加熱硬化型であり、接着層
をプレコート金属板上に形成した後に、他の金属板を接
着剤層を介して接合し、次いで接着剤によって接合した
材料を加熱して接着剤層を硬化させ、次いで接着面の中
の少なくとも1点を間接通電溶接によって接合したこと
を特徴とする前記(1)に記載のプレコート金属板の接
合方法。 (5)プレコート金属板上または、これと接合する他の
金属板、またはその両者に、あらかじめ接着剤層が形成
されていることを特徴とする前記(1)から(4)のい
ずれかに記載されているプレコート金属板の接合方法に
ある。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明におけるプレコート金属板
は、金属板上の少なくとも片面に、少なくとも1層の有
機、無機、あるいは有機・無機複合型の皮膜が形成され
ているものである。また、本発明は、金属板上に形成さ
れた被覆の内の少なくとも一層がプレコート金属板を溶
接するために必要な導電性を持たず、通常のスポット溶
接などの直接通電による溶接接合ができない場合の接合
についてなされたものである。
【0009】接合の相手となる金属板は、プレコート金
属板と異なる別の金属板でも良いし、プレコート金属板
そのものでも良い。つまり、プレコート金属板のある場
所と別の場所を接合する場合にも本発明が適用できる。
本発明によれば、導電性がないために直接通電溶接によ
る接合ができないプレコート金属板を、接合の相手とな
る金属板と効率的に、かつ高い生産性と信頼性を維持し
ながら接合することができる。
【0010】プレコート金属板、その接合の相手の金属
板共に、金属板の種類としては、たとえば、熱延鋼板、
冷延鋼板や、亜鉛めっき鋼板、合金化溶融亜鉛めっき鋼
板、亜鉛合金めっき鋼板、アルミめっき鋼板、クロムめ
っき鋼板、ニッケルめっき鋼板、銅めっき鋼板などのめ
っき鋼板、ステンレス鋼板、アルミ板、銅板、アルミ合
金板など、公知の金属板あるいは合金板が挙げられる。
【0011】被覆の種類としては、たとえば、ポリエス
テル樹脂系、エポキシ樹脂系、アクリル樹脂系、ウレタ
ン樹脂系、フッ素樹脂系、エーテル樹脂系、硫黄樹脂
系、塩化ビニル樹脂系、オレフィン樹脂系、ケトン樹脂
系、シリコン樹脂などの有機被覆や、シロキサン系、ボ
ロン系、ボロシロキサン系などの無機被覆がある。シロ
キサン、ボロシロキサン等の無機の骨格を有機樹脂中に
導入したような有機・無機複合型の皮膜でもよい。被覆
の形成方法は、塗料を金属板上に塗布して硬化乾燥した
もの、あらかじめ被覆材料をフィルム状にしたものを金
属板上に貼り付けたものなどがあるが、その形成手段は
問わない。
【0012】プレコート金属板に接合する相手の金属板
は、どのようなものでもよい。ただし、後述するよう
に、間接通電溶接を可能にするための条件を充たすこと
が必要である。接着による接合とは、プレコート金属板
または、接合する相手の金属板の上に接着剤層を設け、
その接着剤層を介して、両者を接合することである。接
着剤層は、プレコート金属板上に設けても良いし、相手
の金属板上に設けても良いし、或いはプレコート金属板
と接合する相手の金属板の両者に設けても良い。
【0013】接着剤としては公知のもの、市販のものを
使用することができる。接着剤には常温で放置すること
によって硬化することができるタイプと、加熱すること
によって硬化するタイプがある。それはたとえば、エポ
キシ系、シアノアクリレート系、ニトリル系、ブタジエ
ンゴム系、ウレタン系、ホットメルト系、ポリエステル
系、ナイロン系などであり、配合によって、常温で硬化
させたり、加熱で硬化させたりするタイプのものができ
る。本発明においては、接着剤には導電性を必要としな
い。接着剤に導電性がない場合のメリットは、接着剤の
設計が容易であり、接着剤の厚みなど施工時に厳しい管
理が必要ないことが挙げられる。
【0014】接着剤層の形成方法も特に限定されず、刷
毛、チューブ、ロールなどを用いて塗布する方法、ガン
から押し出して塗布する方法、スプレー等で吹き付ける
方法、加熱装置を持つ接着剤塗布装置を用いる方法、2
液以上の接着剤を混合しながら塗布する装置を用いる方
法など液状の接着剤を用いる方法や、あらかじめフィル
ム状になっている接着剤を用いるなど固形の接着剤を用
いる方法もある。
【0015】接着剤層を形成する前に、プレコート金属
板やその接合の相手の金属板を予熱しておくこともでき
る。接着剤層を形成した後に、プレコート金属板やその
接合相手の金属板を加熱して、接着剤中の揮発成分を揮
発させたり、接着剤を予備硬化させたり、あるいは固形
の接着剤を金属板に仮留めしたりすることも可能であ
る。接着剤層を形成した後に、接合する両金属板を接着
剤層を介して接着できるように、重ね合わせる。このと
き、接着を強固にするために圧力をかけたり、硬化促進
のために加熱したりしても良い。
【0016】間接通電溶接とは、ナゲットを形成したい
部分に導電性がなく直接通電できない場合に、まず間接
的なバイパスの通電ルートを形成して金属板を発熱さ
せ、その熱によってナゲットを形成したい部分の絶縁被
覆を破壊することによって、溶接したい部分に通電さ
せ、ナゲットを形成して接合する方法のことである。従
って、どこかで間接的な通電回路を形成することが必須
であり、プレコート金属板と、接合する相手の金属板の
導電性について、表裏面に導電性があるかないかを適宜
選択する必要がある。
【0017】前述のように本発明では、プレコート金属
板の少なくとも片面は、施されている被覆に直接通電溶
接を行うために必要な導電性がない。この金属板のもう
片面に導電性が必要かどうかは接合部分の形態による。
接合する相手の金属板としては、プレコート金属板やプ
レコートされていない金属板が考えられるが、この金属
板の両面の導電性についても、組み合わせの方法や接合
の形態によって導電性の要否が異なり、一様に説明する
ことはできない。実施例にて例を紹介する。
【0018】金属板の被覆に導電性を付与する技術とし
ては、公知のものを使用することができる。たとえば、
被覆中に導電性の物質(たとえば金属の粉、カーボンの
粉等)を混合したり、導電性の樹脂を使用する方法など
がある。また、被覆が1〜1.5μm程度と薄い場合に
は、特に被覆材料に工夫をしなくても導電性を確保でき
る場合もある。間接通電溶接に使用する溶接機はスポッ
ト溶接の溶接機をそのまま使用することが可能である。
溶接の条件は、接合したい金属板の種類や、接合の枚数
等によって異なる。
【0019】接着接合に続いて間接通電溶接をすること
によるメリットは、以下の通りである。接着剤が常温硬
化型である場合には、接着剤で金属板同志を接合したあ
と、接着剤が硬化するまでの仮留めの役目を間接通電溶
接が果たし、特に加熱をしなくても、接着接合による強
度と溶接による強度や信頼性を確保できる。また、間接
通電溶接の熱によって溶接部分の回りの接着剤の硬化が
促進され、接合強度が向上するメリットもある。接着剤
が加熱硬化型の場合にも、溶接の熱で、接着剤の硬化が
促進され、後加熱による接着剤の完全硬化の前にも、あ
る程度の強度が確保される利点もある。
【0020】接着剤がフィルム型の場合には特にメリッ
トが大きく、間接通電溶接をフィルム状接着剤の仮留め
として使用することも可能であり、また上述のように溶
接部周辺では接着強度も得られるため、加熱硬化前にも
有る程度の接合強度を確保することが可能になる。接着
接合は面の接合であるため、接着された材料にかかる応
力を分散することが可能で、一カ所に応力集中せず、接
合の強度を確保することができる。また、鋼板などのよ
うに切断端面の耐食性が問題となるケースでは、接着剤
によって端面部が被覆されて耐食性が向上する効果が期
待できる場合もある。
【0021】溶接による接合は信頼性があり、仮に接着
の一部に破壊が生じた場合にも、溶接点があれば、この
部分でも強度を確保することができる。接着接合と間接
通電溶接を上述のように組み合わせることによって、通
常のスポット溶接が使用できないプレコート金属板の接
合強度向上、信頼性向上を簡単な工程で達成できる。
【0022】
【実施例】以下、本発明について実施例で説明する。プ
レコート金属板として表1に示したものを用いた。ま
た、これらと接合する相手の金属板として表2に示した
ものを用いた。プレコート金属板の表面はいずれも、片
面付着量60g/m2 の溶融亜鉛めっき鋼板にクロメー
ト処理を施し、ポリエステル樹脂系のプライマー塗料を
乾燥膜厚5μmとなるように塗布、乾燥・硬化し、次い
でポリエステル樹脂系の上塗り塗料(白系)を乾燥膜厚
15μmとなるように塗布、乾燥・硬化したものであ
り、この面の表面抵抗値は大きく、直接通電溶接に必要
な導電性を持たない。裏面は、クロメート処理のみ施し
たものは表面抵抗値が小さく、導電性を有する。導電性
エポキシ樹脂は、エポキシ樹脂系のクリアー塗料に、導
電性のNi粉末を添加したもので、表面抵抗値は小さく
間接通電溶接に必要な導電性を有している。裏面に使用
したポリエステル樹脂は導電性を有しない。
【0023】プレコート金属板と接合する相手の金属板
は、プレコート金属板と同じ種類の亜鉛めっき鋼板を用
い、クロメート処理、塗装内容ともに表1に記載のもの
と同様である。表1、表2に記載のいずれの金属板も、
油やゴミ等の付着はなかったので、特に前処理を施さず
に接着した。前処理が必要な場合には、前処理を施して
も差し支えない。使用した接着剤は、表3に記載した。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】
【表3】
【0027】接着剤層の形成方法は以下の通りである。
接着剤ア、イは溶剤を含まないもので、アは2つの液を
所定の重量で混合した後に、イはそのまま、定量押しだ
し機から直接プレコート金属板上に塗布し、ローラーで
均一に延ばした。接着剤ウは、フィルム状なので、必要
な大きさに切断した後にプレコート金属板状に乗せた。
エは、溶剤を含んでいるため定量押しだし機から直接プ
レコート金属板上に塗布した後に、40℃のエアーを吹
き付けて溶剤を揮発させた。また、接着剤エをあらかじ
め鋼板上にプレコートした金属板も用いた(表1のDと
表2のe,f)。いずれもプレコート鋼板の製造ライン
で、表1のDと表2のeは通常の裏面コート用塗料の代
わりに接着剤を塗布して製造した。表2のfは、プレコ
ート鋼板の製造ラインで表裏に接着剤を塗布し、乾燥す
ることによって製造した。
【0028】以下、本発明例と比較例を示すが、(A)
は、接着剤が表3に示すア、イ、ウの場合で、接合の前
に接着剤と塗布する場合の例を示す。また、(B)で
は、表3に示すエのホットメルト型接着剤をあらかじめ
プレコート金属板または、接合する相手の金属板または
その両者に形成してあるものを使用する例を示す。
【0029】(本発明例(A)と比較例)接合したプレ
コート金属板と相手の金属板は、80mm幅に切断して
用いた。鋼板の幅で、相手の金属板と接合される分の長
さにわたって接着剤層を形成した。なお、接着剤層は接
合する相手の金属板上に形成してもよいし、両者に形成
しても良い。作業性を考慮して選択すれば良い。接合の
形態を図1と図2に示した。図1は、プレコート金属板
の被覆の導電性に制限がない場合の本発明の接合形状の
一実施例を示す断面図であり、通電のためのバイパスと
して別に用意した亜鉛めっき鋼板を用いた例である。バ
イパスの亜鉛めっき鋼板が通電可能なので、接合するプ
レコート鋼板と相手の金属板の種類を問わずに間接通電
溶接が可能である。図2は、プレコート金属板の片面の
被覆に導電性が必要な場合の本発明の接合形状の一実施
例を示す断面であり、この形状で間接通電溶接をするた
めには、プレコート金属板の裏面に導電性が必要であ
る。接合するプレコート金属板の接合端部を180度折
り曲げ加工したのちに、導電性塗膜面を溶接用電極の当
接面としたプレコート金属板の接合端部によって、他方
のプレコート金属板の接合端部を両面ともはさみ込むよ
うにして重ね合わせたものである。相手の金属板は表裏
共に導電性がなくても良い。
【0030】図1の場合は、バイパス用亜鉛めっき鋼板
をはさむ形で、図2の場合は、プレコート金属板の裏側
塗膜面をはさむ形で、溶接用電極の陽極と陰極をつき合
わせた状態において下記条件で、幅方向の両端面部から
15mmの点2点を間接通電により溶接した。加熱硬化
型の接着剤を使用した場合には、この後、表3に示した
硬化条件となるように接合した材料を加熱した。比較と
して、接着剤のみで接合したもの、間接通電溶接のみで
接合したものも作成した。接着接合次いで溶接接合され
た試験片を引っ張り試験機により引っ張ったときの破断
の様子を評価した。評価は、間接通電溶接の直後、後加
熱後(加熱硬化型接着剤の場合のみ)、常温で接着剤の
硬化に必要な時間放置した後に行った。
【0031】溶接の条件は以下の通りである。 電 極 :先端径4mm プリン型 通電時間:10サイクル(0.2秒) 加圧力 :200kgf 電 流 :実効値7.7kA
【0032】プレコート金属板と相手の金属板の組み合
わせは、図1の接合形状の場合には、表1のA、B、C
と表2のa、b、c、dのすべての組み合わせについ
て、接着剤ア、イ、ウ、エを用いて接合した。図2の接
合形状の場合には、表1のA、Cと表2のa、b、c、
dのすべての組み合わせについて、接着剤ア、イ、ウ、
エを用いて接合した。さらに、プレコート金属板と相手
の金属板を入れ替えて(つまり図2の下側に書いてある
板をプレコート金属板とし、その相手の金属板を上側と
した)、表2のa、b、cと表1のA、B、Cのすべて
の組み合わせについて(ただし、この場合aとA、Cと
aの組み合わせは通常のスポット溶接で接合できるので
除いた)、接着剤ア、イ、ウ、エを用いて接合した。
【0033】その結果、いずれの組み合わせでも、溶接
直後で接着剤が十分に硬化する前に引っ張り荷重を加え
ても、溶接点が荷重を受けとめて剥離しなかった。さら
に荷重を加えると鋼板が破断することによって剥離し、
通常の溶接と同様の強度が得られた。接着に次いで溶接
を行うことによって、接着剤が硬化前であっても、間接
通電溶接部によって接合強度が確保できているので、接
合した材料を搬送したり、他の工程に送ることが可能で
あり、生産性を向上できる。
【0034】また、接着剤が加熱硬化型の場合には、接
着剤の硬化のために必要な後加熱を行ってから、接着剤
が常温硬化型の場合には必要な時間常温で放置後に再び
引っ張り試験を行った。接着剤による接合のない場合
(比較例)には、図3(a)に示すように、引っ張られ
た金属板がかなり変形するのに対し、接着剤による接合
がある場合(本発明例)には、図3(b)に示すよう
に、接着剤が剥離するまでは(a)に示すような変形を
しなかった。より広い面で荷重を受けとめることがで
き、接合の信頼性が向上していた。接着してから溶接し
たものは、切断端面部に接着剤が若干回りこみ、屋外に
60日放置した後の、端面耐食性が向上していた。接着
のないものでは、各切断端面部(切り口を観察したと
き)の赤錆発生面積率がほぼ100%であったが、接着
を施したものでは20%以下であった。
【0035】接着剤のみの接合で、間接通電溶接による
接合がない場合(比較例)には、接着剤の硬化が不十分
なときに引っ張り荷重を加えると、プレコート金属板と
相手の金属板は簡単に剥離し、強度が得られなかった。
接着剤を硬化させるための加熱や時間が必要であり、接
着剤が硬化するまでは、接合した材料を静置する必要が
あり、後の工程に送ることができない。なお、図1の形
状の接合の場合に、バイパス用の亜鉛めっき鋼板にも接
着剤層を形成し、バイパス用にはめ込んだ部分でプレコ
ート金属板の裏面側と接着させたところ、更に引っ張り
強度が向上した。
【0036】(本発明例(B))表1のA、B、C、D
と表2のe、fの組み合わせ、表1のDと表2のa、
b、c、dの組み合わせについて図1の接合形状で接合
した。溶接の条件、評価内容は実施例Aと同様である。
この実施例では、接着剤層はすでに形成済みであるの
で、接着剤の塗布工程が省略可能である。従って、各金
属板を切断、加工後、ただちに間接通電溶接が行え、本
発明例(A)に比べて工程が大幅に省略できるメリット
が認められた。また、接着剤が均一にきれいに塗布され
ているため、接合部分からの接着剤のはみ出しがなく、
外観上、接着剤をその場で塗布した場合より美麗であっ
た。接合後の各段階での強度の評価は、本発明例Aと同
様であった。端面部の耐食性は、接着剤の回り込みが非
常に少ないため、屋外60日放置後の切断端面部の赤錆
発生面積率は80〜90%と、接着剤のないものより良
好であったが、実施例Aよりは悪かった。
【0037】
【発明の効果】接着接合した後に間接通電溶接による接
合を行うことによって、通常の直接通電溶接のできない
プレコート金属板と、他の金属板の接合を、高い生産
性、高い信頼性で行うことができる。特に、接着剤層が
事前にプレコート金属板或いは接合の相手の金属板に形
成されている場合には、特に生産性の向上が著しい。
【図面の簡単な説明】
【図1】プレコート金属板の被覆の導電性に制限がない
場合の本発明の接合形状の一実施例を示す断面図、
【図2】プレコート金属板の片面の被覆に導電性が必要
な場合の本発明の接合形状の一実施例を示す断面図、
【図3】比較例及び本発明での引っ張り試験をしたとき
の材料の変形挙動を示す図である。
【符号の説明】
1 任意のプレコート金属板 2 任意の金属板 3 裏面に導電性を有するプレコート金属板 4 溶接電極 5 導電性を有する塗膜面 6 接着剤層 7 間接通電溶接によって溶接された部分

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも片面に導電性を持たない被覆
    層が形成されているプレコート金属板の接合方法におい
    て、まず、接着剤によって両者を接着した後に、バイパ
    スによる通電回路を形成して前記金属板を発熱させ、そ
    の熱によってナゲットを形成したい部分の導電性を持た
    ない被覆を破壊して間接的に通電し、ナゲットを形成し
    て接合することを特徴とするプレコート金属板の接合方
    法。
  2. 【請求項2】 接着剤が常温硬化型であり、接着剤をプ
    レコート金属板上に形成した後に、他の金属板を接着剤
    層を介して接合し、次いで接着された面の中の少なくと
    も1点を間接通電溶接によって接合することを特徴とす
    る請求項1に記載のプレコート金属板の接合方法。
  3. 【請求項3】 接着剤が加熱硬化型であり、接着層をプ
    レコート金属板上に形成した後に、他の金属板を接着剤
    層を介して接合し、次いで接着された面の中の少なくと
    も1点を間接通電溶接によって接合し、次いで加熱して
    接着剤層を硬化させることを特徴とする請求項1に記載
    のプレコート金属板の接合方法。
  4. 【請求項4】 接着剤が加熱硬化型であり、接着層をプ
    レコート金属板上に形成した後に、他の金属板を接着剤
    層を介して接合し、次いで接着剤によって接合した材料
    を加熱して接着剤層を硬化させ、次いで接着面の中の少
    なくとも1点を間接通電溶接によって接合したことを特
    徴とする請求項1に記載のプレコート金属板の接合方
    法。
  5. 【請求項5】 プレコート金属板上または、これと接合
    する他の金属板、またはその両者に、あらかじめ接着剤
    層が形成されていることを特徴とする請求項1から4の
    いずれかに記載されているプレコート金属板の接合方
    法。
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JP2261696A Pending JPH09216069A (ja) 1996-02-08 1996-02-08 プレコート金属板の接合方法

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012157888A (ja) * 2011-01-31 2012-08-23 Jfe Steel Corp インダイレクトスポット溶接方法
JP2014131817A (ja) * 2014-03-10 2014-07-17 Jfe Steel Corp インダイレクトスポット溶接方法
JP2020157348A (ja) * 2019-03-27 2020-10-01 日本製鉄株式会社 継手構造、及び自動車部品
DE102019131093A1 (de) * 2019-11-18 2021-05-20 Fraunhofer-Gesellschaft zur Förderung der angewandten Forschung e.V. Schweißverfahren und Schweißvorrichtung

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