JP2003116573A - 血液凝固阻害活性を有するハマダラカ由来のAs−1蛋白質 - Google Patents

血液凝固阻害活性を有するハマダラカ由来のAs−1蛋白質

Info

Publication number
JP2003116573A
JP2003116573A JP2001317330A JP2001317330A JP2003116573A JP 2003116573 A JP2003116573 A JP 2003116573A JP 2001317330 A JP2001317330 A JP 2001317330A JP 2001317330 A JP2001317330 A JP 2001317330A JP 2003116573 A JP2003116573 A JP 2003116573A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
protein
blood coagulation
gene
amino acid
blood clotting
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001317330A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3648548B2 (ja
Inventor
Yasuo Chinzei
康雄 鎮西
Masao Yuda
正夫 油田
Haruhiko Izawa
晴彦 伊澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mie University NUC
Original Assignee
Mie University NUC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mie University NUC filed Critical Mie University NUC
Priority to JP2001317330A priority Critical patent/JP3648548B2/ja
Publication of JP2003116573A publication Critical patent/JP2003116573A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3648548B2 publication Critical patent/JP3648548B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 血液凝固阻害作用を有する新規な蛋白質を提
供することが、本発明の課題である。 【解決手段】 本発明により、ハマダラカ(Anopheles
stephensi )由来の新規な蛋白質であるAs-1蛋白質、及
び当該蛋白質をコードするAs-1遺伝子が与えられた。As
-1蛋白質は血液凝固阻害活性を有するために、As-1蛋白
質を有効成分として含有する医薬は、新規な血液凝固阻
害剤として、心筋梗塞、肺梗塞、脳梗塞の治療及び予防
に有効である。またAs-1蛋白質は、医薬開発の場におけ
る血液凝固阻害剤のリード化合物としてもまた、大きな
可能性を有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、吸血昆虫であるハ
マダラカ(Anopheles stephensi )の唾液腺に由来し、
血液凝固阻害活性を有するAs-1蛋白質、及び当該As-1蛋
白質をコードする遺伝子に関する。
【0002】
【従来の技術】高齢化社会を迎え、成人病がますます重
要な社会問題となってきた。成人病に起因する症状、特
に血液関連の疾病、例えば高血圧症、肺高血圧症、心筋
梗塞、脳梗塞、肺梗塞、クモ膜下出血後の血管攣縮など
のように、血管が細くしかも硬くなることによって起こ
る疾病を治療したり、予防することは、高年齢層の社会
では重要な課題である。これらの疾病は、血管弛緩拡張
剤や血液凝固阻害剤によって治療したり予防することが
できる。その様な目的に使用が可能である抗凝固活性を
有するペプチドとしては、ヒルの唾液腺由来のヒルジン
がこれまでに知られていた。ヒルジンは吸血するムシの
唾液腺から同定された抗凝固活性ペプチドであり、トロ
ンビン阻害活性を有する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のヒルジ
ンは合成が困難であり、副作用を有するという欠点を有
していた。そのために大量に得て安全な医薬として用い
るには、これらの問題を解決する必要がある。そこで、
合成が容易であり、かつ副作用を有さない抗凝固活性を
有する蛋白質を採取することが求められていた。その様
な蛋白質は、抗血栓剤のリード化合物として有用であ
り、創薬の分野において高い有用性を有するものと考え
られる。
【0004】そこで本発明の目的は、吸血昆虫であるハ
マダラカ(Anopheles stephensi )の唾液腺から単離さ
れ、血液凝固阻害活性を有する蛋白質を提供することに
ある。そして、更にはバキュロウイルスの系を用いてそ
の様な蛋白質の大量供給を可能とすることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記の課題を解決するた
めに、本出願において以下の発明を提供するものであ
る。本発明は、配列表の配列番号1に示す、アミノ酸番
号(-21)-80で示されるアミノ酸配列からなることを特徴
とする、ハマダラカ由来の蛋白質である。血液凝固阻害
活性を有し、その一部が欠損、置換若しくは付加された
蛋白質もまた、本発明の範囲内である。更に当該蛋白質
をコードする遺伝子もまた、本発明の範囲内である。
【0006】更に本発明は、配列表の配列番号1に示
す、アミノ酸番号1-80で示されるアミノ酸配列からなる
ことを特徴とする、ハマダラカ由来の蛋白質である。血
液凝固阻害活性を有し、その一部が欠損、置換若しくは
付加された蛋白質もまた、本発明の範囲内である。
【0007】更に本発明は、配列表の配列番号2に示
す、塩基番号1-456 で示される塩基配列からなることを
特徴とする、ハマダラカ由来のAs-1遺伝子である。血液
凝固阻害活性を有し、その一部が欠損、置換若しくは付
加されたポリペプチドをコードする遺伝子もまた、本発
明の範囲内である。
【0008】更に本発明は、上記の蛋白質を有効成分と
して含有する血液凝固阻害剤である。
【0009】
【発明の実施の形態】吸血性昆虫やダニの類の唾液腺に
は動物の血液や血管に対して特異な活性をもつ物質が含
まれている。本発明者らは、唾液腺から抗凝血作用を持
つ活性物質を同定し、単離・精製し、それらの有効成分
の性状を解析することにより、また、遺伝子cDNAのクロ
ーニングを行うことにより、バキュロウイルス発現系に
よって血管弛緩機能を持つ蛋白質を多量に製造できるこ
とを明らかにして本発明を完成するに至った。
【0010】即ち、本発明者らは吸血昆虫であるハマダ
ラカ(Anopheles stephensi:As)に注目し、ハマダラカ
由来の抗凝結活性を有する蛋白質を採取することを試み
た。ハマダラカ約50匹から唾液腺を摘出し、全RNA を抽
出し、poly(A)+RNA としてリバーストランスクリプター
ゼによりdsDNA を合成し、トランスファーベクターに組
み込んで唾液腺cDNAライブラリーを作製した。As唾液腺
cDNAライブラリーからランダムにコロニーをピックアッ
プして、塩基配列の解析を行った。1280個の配列を決
め、重複を除いて分泌シグナルを持つもの38個のcDNAを
得た。このうち、27個の全塩基配列を決めた。
【0011】そのうちの15個について、バキュロウイル
ス(AcNPV ) を用いた蛋白質発現系で発現させるための
トランスファーベクターコンストラクトを作製し、ウイ
ルスにトランスフェクトし、多核体を作らない、即ち挿
入蛋白質を発現しているウイルスクローンを分離した。
蛋白質の発現をSDS-PAGEにより確認し、HPLCによるゲル
濾過・イオン交換クロマトグラフィーにより精製するこ
とにより、本発明のAs-1蛋白質を採取した。そして上記
の方法により採取した本発明の蛋白質が、血液凝固に及
ぼす作用を検討した。
【0012】ところで、血液が凝固する過程はその開始
機序の違いから、内因系凝固反応と外因系凝固反応の2
つの経路が知られている。内因系凝固反応は、血液が異
物面に接触することにより惹起される反応である。血液
凝固のカスケード系を、図1において示す。図1に示さ
れるように、異物面との接触により生成した活性化第XI
a 因子は、カルシウム存在下で第IX因子を活性化させて
IXa を生じ、それが引き金となってフィブリンが生成し
て血栓が形成する。一方、外因系凝固反応は、組織因子
(TF)が第VIIa因子と複合体を形成することにより開始
され、第IX因子、第X 因子をともに活性化することが引
き金となって血栓が形成される。
【0013】目的とする物質をヒトの血漿に加え、凝固
するまでの時間を測定することにより血液凝固阻害作用
の検討を行うことが、一般的に行われている。しかし、
この方法では最終的なフィブリン形成による凝固を観察
するため、血液凝固阻害剤の具体的な作用点および作用
機構の詳細については判断できない。すなわち、血液凝
固反応は複雑な連鎖反応であるので、反応経路の一部が
阻害されれば、結果的にそれ以降の反応は進行せず、凝
固は完結しないことになるからである。
【0014】そこで本発明においては、血液凝固能を評
価するために、活性化部分トロンボプラスチン時間(ac
tivated partial thromboplastin time:APTT)と、プロ
トロンビン時間(prothrombin time:PT )の測定を行っ
た。前者は内因系凝固時間を、後者は外因系凝固時間を
それぞれ反映する。その結果、As-1蛋白質は内因系凝固
時間及び外因系凝固時間の両者を濃度依存的に延長し
た。よって本発明のAs-1蛋白質は血液凝固を抑制する作
用を有し、血液凝固阻害剤として有効であることが示さ
れた。そのために、As-1蛋白質は、心筋梗塞、肺梗塞、
脳梗塞等の治療薬や予防薬に有効であると思われる。
【0015】As-1蛋白質は、配列表の配列番号1に示
す、アミノ酸番号(-21)-80で示されるアミノ酸配列によ
り特定される。本願明細書において、配列番号1に示す
蛋白質の一部が欠失、置換若しくは付加された蛋白質と
は、配列番号1に示すアミノ酸配列において、20個以
下、好ましくは10個以下、更に好ましくは5個以下のア
ミノ酸が置換された蛋白質である。また、その様な蛋白
質と配列番号1に示すアミノ酸配列とは、95%以上、好
ましくは97%以上、更に好ましくは99%以上の相同性を
有する。その様な蛋白質も、血液凝固を阻害するAs-1蛋
白質としての機能を有する限り、本発明の範囲内であ
る。なお、配列表の配列番号1において、-21から-1の
部分はシグナルペプチドであり、プロセシングを受けた
結果、成熟蛋白質はアミノ酸番号1-80で示される80個の
アミノ酸からなっている。
【0016】また、As-1遺伝子は上記のAs-1蛋白質をコ
ードしており、配列表の配列番号2に示す、塩基番号1-
456 で示される塩基配列からなることを特徴とする。な
お、塩基配列中の塩基番号33-335に相当する部分が読み
枠であり、上記の蛋白質をコードしている。遺伝子組み
換え技術によれば、基本となるDNA の特定の部位に、当
該DNA の基本的な特性を変化させることなく、あるいは
その特性を改善する様に、人為的に変異を起こすことが
できる。本発明により提供される天然の塩基配列を有す
る遺伝子、あるいは天然のものとは異なる塩基配列を有
する遺伝子に関しても、同様に人為的に挿入、欠失、置
換を行う事により、天然の遺伝子と同等のあるいは改善
された特性を有するものとすることが可能であり、本発
明はそのような変異遺伝子を含むものである。
【0017】即ち、配列表の配列番号2に示す遺伝子の
一部が欠失、置換若しくは付加された遺伝子とは、配列
番号2に示す塩基配列において、20個以下、好ましくは
10個以下、更に好ましくは5個以下の塩基が置換された
遺伝子である。また、その様な遺伝子と配列番号2に示
す塩基配列とは、95%以上、好ましくは97%以上、更に
好ましくは99%以上の相同性を有する。その様な遺伝子
も、血液凝固を阻害するAs-1蛋白質としての機能を有す
る蛋白質をコードする限り、本発明の範囲内である。ま
た、その様な遺伝子はストリンジェントな条件下で、配
列表の配列番号2に示す遺伝子とハイブリッドを形成す
る。
【0018】本発明におけるAs-1蛋白質は、As-1蛋白質
のcDNAを組みこんだバキュロウイルス発現系で多量に製
造することができる。それらの一例を次に挙げる。カイ
コ(Bombyx mori )の核多角体ウイルス(BmNPV )を用
い、カイコの培養細胞BmN4又はカイコの幼虫を用いて発
現させることができ、それぞれ培養液又はカイコ体液か
らクロマトグラフィーにより単離できる。また、As-1蛋
白質のcDNAをオートグラファカリフォルニカ(Autograp
ha californica)の核多角体ウイルス(AcNPV)に組込
み、ヨトウムシ(Spodoptera frugiperda )のSF9 細
胞、あるいはイラクサギンウワバ(Trichoplusia ni )
のTn5 細胞で発現させ、培養上清から同様にクロマトグ
ラフィーにより精製することができる。
【0019】また本発明におけるAs-1蛋白質は、As-1蛋
白質のcDNAを組みこんだ大腸菌による発現系を用いるこ
とによっても多量に製造することができる。その様な目
的のために、As-1蛋白質のcDNAを増幅し、pGEX6P-1,pGE
X-2T,pGEX-3X等のプラスミドに組み込んだglutathione-
S transferase(GST)融合蛋白質発現ベクターを作製する
ことができる。そして、その発現ベクターにより大腸菌
を形質転換し、IPTGを含む培地中で培養することによ
り、大腸菌においてGST 融合As-1蛋白質の発現を誘導す
ることができる。この様な目的のために使用可能な大腸
菌株としては、例えばBL21株、DH5α株、NM522 株等を
挙げることができる。そして、大腸菌体内において誘導
されたGST 融合As-1蛋白質を、大腸菌を破砕することに
より回収することができる。その様にして回収されたGS
T 融合As-1蛋白質を、グルタチオンビーズを用いたアフ
ィニティークロマトグラフィーにより、精製することが
できる。
【0020】本発明のAs-1蛋白質は、吸血性昆虫の唾液
腺より血液凝固阻害作用を持つ活性物質を同定し、単離
・精製し、その遺伝子cDNAのクローニングを行うことに
より、バキュロウイルス発現系により血液凝固阻害作用
を持つ蛋白質を多量に製造できるものである。また、蛋
白質の血液凝固阻害作用に起因する活性部位を究明し、
構造解析が進めば、分子設計手法で活性物質を一般の化
学合成手法で製造することも可能である。
【0021】また、本発明のAs-1蛋白質は血液凝固阻害
作用を有する医薬のリード化合物としても高い有用性を
有すると思われる。即ちAs-1蛋白質に種々の改変を行う
ことにより、より血液凝固阻害作用の高い物質を得るこ
とができる可能性がある。本発明のAs-1蛋白質は、その
様な検討の基礎となる生理活性物質を与えるものであ
り、更なる新規な抗凝血物質を得るためのリード化合物
としても大きな有用性を有するものである。
【0022】
【実施例】次に本発明を実施例を挙げて具体的に説明す
るが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
【0023】(遺伝子の採取方法)ハマダラカ(Anophe
les stephensi )胸部より唾液腺を摘出した。 これよ
り、MIicroprep mRNA purification(Amersham pharmac
ia社製)を用いて、唾液腺mRNAを抽出・精製した。次に
このmRNAをテンプレートに用い、Superscript Plasmid
system (Life technologies 社製)で唾液腺cDNAライブ
ラリーを構築した。 このライブラリーからランダムにク
ローン(総数1280クローン)を拾い上げ、QIAPrep mini
prep kit(QIAGEN社製)にてプラスミド抽出・精製し
た。 このプラスミドに組み込まれているcDNAの塩基配列
をABI PRISM 310 Genetic analyer (PEbiosystems社
製)を用いて解読した。 解読されたcDNAの塩基配列は、
Genetyx ver8.5(Software development社製)を用いて
解析した。 その結果、同一の塩基配列を有する26個のcD
NAクローンが見いだされ、これをAs-1と命名した。この
様にして得られたcDNAの塩基配列及び推定アミノ酸配列
を図2に示す。
【0024】(組み換え蛋白質の大量発現と精製)As-1
の予想される分泌シグナル配列部分を除いたcDNAをPCR
法にて増幅した後、プラスミドpGEX6P-1(Amersham pha
rmacia社製)のクローニングサイトに組み込んだgluath
ione-S transferase(GST)融合蛋白発現ベクターを作製
し、定法に従い組換え蛋白質を大腸菌BL-21 株にて発現
させた。 超音波処理した大腸菌破砕物からのGST 融合As
-1蛋白質の回収は、glutathione Sepharose 4B(Amersh
am pharmasia社製)を用いたアフイニティークロマトゲ
ラフィーによりった。回収された蛋白質は、プレシジョ
ンプロテアーゼ(Amersham pharmacia社製)にてGSTとA
s-1蛋白質とを切り離した。 これを、再びglutathione S
epharose 4Bに通してGST を除き、さらにRESOURCE Q(A
mersham Pharmacia 社製)用いた陰イオン交換クロマ
トグラフイーを行うことで純化し、以下の実験に供し
た。
【0025】(活性化部分トロンボプラスチン時間およ
びプロトロンビン時間の計測)ヒト血漿標品(商品名:
カリプラズマインデックス100 ,bioMerieux社製)20μ
l に対し、50mM TrisHCl,pH7.0 ,150mM NaClに溶解し
た精製As-1を20μl 加え、37℃でインキュベートした。
5 分後、1/10に希釈したアクチン(商品名:データファ
イ・APTT,CYSMEX社製)あるいはトロンボプラスチン
(商品名:オーソブレーントロンポプラスチン、オーソ
・クリニカル・ダイアグノスティックス社製)を35μl
加えさらに2 分間インキュべートした。 最後に25mM CaC
12を25μl加え、これより凝固が完了するまでの時間をA
melung KC-10A micro (エム・シー・メディカル社製)
により計測した。
【0026】As-1がAPTTに対して及ぼす影響を図3に、
As-1がPTに対して及ぼす影響を図4に示す。これらの結
果より、As-1は濃度依存的にAPTTおよびPTを延長させる
活性を示した。すなわち、ハマダラカ唾液腺由来蛋白質
As-1は内因系瀬固反応と外因系凝固反応双方を阻害する
蛋白質であることが明らかとなった。
【0027】
【発明の効果】本発明により、ハマダラカ唾液腺由来の
新規な蛋白質であるAs-1蛋白質、及び当該蛋白質をコー
ドするAs-1遺伝子が与えられた。As-1蛋白質は血液凝固
阻害活性を有するために、As-1蛋白質を有効成分として
含有する医薬は、新規な血液凝固阻害剤として、心筋梗
塞、肺梗塞、脳梗塞の治療及び予防に有効である。また
As-1蛋白質は、医薬開発の場における血液凝固阻害剤の
リード化合物としてもまた、大きな可能性を有してい
る。
【0028】
【配列表】 <110>三重大学長 <120>血液凝固阻害活性を有するハマダラカ由来のAs-1蛋白質 <160>2 <210>1 <211>101 <212>アミノ酸 <213>Anopheles stephensi <400>1 -21 Met Ala Ser Lys Val Ile Val Ile Ala Leu Leu Cys Ile Ala Leu Ala -6 Ala Phe Val Gln Gly Ala Pro Gln Tyr Thr His Gly Glu Glu Pro Glu 11 Tyr Asp Glu Asp Asp Gly Ala Asp Glu Pro Val Gln Pro His Ser Ser 27 Ser Asn His Ala Asp Thr Glu Asp Asp Phe Asp Leu Ser Leu Leu Asp 43 Lys Pro Tyr Ala Asn Ala Pro Glu Asn Ala Asp Pro Gly Arg Arg Pro 59 Glu Phe Leu Lys Gln His Asn Asn Glu Asn Gln Ser Asp Ser Ser Ser 75 Gly Ser Thr Glu Asn 80 <210>2 <211>456 <212>核酸 <213>Anopheles stephensi <400>2 CTTCATTCAT TATCTCAAAA AGCGGGGAAA TAATGGCATC CAAAGTGATC GTGATTGCGT 60 TGCTGTGCAT CGCACTGGCA GCGTTTGTCC AGGGAGCTCC GCAATATACG CACGGCGAGG 120 AGCCTGAATA TGACGAGGAT GATGGGGCAG ACGAACCGGT TCAGCCTCAT TCGAGTAGCA 180 ATCACGCAGA CACTGAGGAT GATTTTGATC TGAGTCTTCT GGACAAGCCG TACGCTAATG 240 CACCGGAGAA TGCCGATCCC GGACGACGTC CCGAGTTCCT TAAGCAACAC AACAACGAAA 300 ACCAGTCGGA TTCGTCTTCC GGATCGACCG AAAATTAGCA CGAAGCAATA CAACTCTGAC 360 GTCCTTTGGA TCATTTAAAG TCGTATTGAA ATGAATATAC GCATCAATAA ATTTACGGAA 420 ACGGTATTAC AAACCTAAAA AAAAAAAAAA AAAAAA 456
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、血栓形成へと至る、血液凝固のカスケ
ード系を示す図である。
【図2】図2は、As-1蛋白質及びそれをコードする遺伝
子の配列を示す図である。
【図3】図3は、As-1蛋白質が活性化部分トロンポプラ
スチン時間(APTT)に及ぼす影響を示すグラフである。
【図4】図4は、As-1蛋白質がプロトロンピン時間(P
T)に及ぼす影響を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊澤 晴彦 三重県津市一身田中野76−1 コーポバロ ン中野201号 Fターム(参考) 4B024 AA01 BA80 CA04 DA02 EA02 GA11 4C084 AA02 AA07 BA44 CA53 DC50 ZA542 4H045 AA10 AA30 BA10 CA51 DA55 EA24 FA74

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハマダラカ由来の蛋白質であり、以下の
    (a)または(b)に示すアミノ酸配列からなることを
    特徴とする蛋白質。 (a)配列表の配列番号1に示す、アミノ酸番号(-21)-
    80で示されるアミノ酸配列からなることを特徴とする蛋
    白質。 (b)血液凝固阻害活性を有し、(a)の一部が欠損、
    置換若しくは付加された蛋白質。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の蛋白質をコードする遺伝
    子。
  3. 【請求項3】 ハマダラカ由来の蛋白質であり、以下の
    (c)または(d)に示すアミノ酸配列からなることを
    特徴とする蛋白質。 (c)配列表の配列番号1に示す、アミノ酸番号1-80で
    示されるアミノ酸配列からなることを特徴とする蛋白
    質。 (d)血液凝固阻害活性を有し、(c)の一部が欠損、
    置換若しくは付加された蛋白質。
  4. 【請求項4】 ハマダラカ由来の蛋白質をコードし、以
    下の(e)または(f)に示す塩基配列からなることを
    特徴とする遺伝子。 (e)配列表の配列番号2に示す、塩基番号1-456 で示
    される塩基配列からなることを特徴とする遺伝子。 (f)血液凝固阻害活性を有する蛋白質をコードし、
    (e)の一部が欠損、置換若しくは付加された遺伝子。
  5. 【請求項5】 請求項3記載の蛋白質を有効成分として
    含有する、血液凝固阻害剤。
JP2001317330A 2001-10-15 2001-10-15 血液凝固阻害活性を有するハマダラカ由来のAs−1蛋白質 Expired - Lifetime JP3648548B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001317330A JP3648548B2 (ja) 2001-10-15 2001-10-15 血液凝固阻害活性を有するハマダラカ由来のAs−1蛋白質

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001317330A JP3648548B2 (ja) 2001-10-15 2001-10-15 血液凝固阻害活性を有するハマダラカ由来のAs−1蛋白質

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003116573A true JP2003116573A (ja) 2003-04-22
JP3648548B2 JP3648548B2 (ja) 2005-05-18

Family

ID=19135221

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001317330A Expired - Lifetime JP3648548B2 (ja) 2001-10-15 2001-10-15 血液凝固阻害活性を有するハマダラカ由来のAs−1蛋白質

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3648548B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2077328A1 (en) 2005-11-04 2009-07-08 Educational Foundation Jichi Medical University Platelet aggregation inhibitor composition
WO2018107247A1 (en) * 2016-12-16 2018-06-21 The University Of Sydney Thrombin inhibitors for treatment of stroke and related coagulative disorders

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2077328A1 (en) 2005-11-04 2009-07-08 Educational Foundation Jichi Medical University Platelet aggregation inhibitor composition
US8034763B2 (en) 2005-11-04 2011-10-11 Educational Foundation Jichi Medical University Platelet aggregation inhibitor composition
US8309512B2 (en) 2005-11-04 2012-11-13 Educational Foundation Jichi Medical University Platelet aggregation inhibitor composition
TWI391143B (zh) * 2005-11-04 2013-04-01 Otsuka Pharma Co Ltd 血小板凝集抑制劑組成物
WO2018107247A1 (en) * 2016-12-16 2018-06-21 The University Of Sydney Thrombin inhibitors for treatment of stroke and related coagulative disorders
AU2017376839B2 (en) * 2016-12-16 2021-01-14 IBMC (Instituto de Biologia Molecular e Cellular) Thrombin inhibitors for treatment of stroke and related coagulative disorders
US11091535B2 (en) 2016-12-16 2021-08-17 The University Of Sydney Thrombin inhibitors for treatment of stroke and related coagulative disorders

Also Published As

Publication number Publication date
JP3648548B2 (ja) 2005-05-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2001509029A (ja) ヒトタンパク質
TR201813067T4 (tr) Faktör IX polipeptit mutantı, bunun kullanımları ve bunu üretmeye yönelik bir yöntem.
MXPA06012321A (es) Derivados c3 del complemento humano con funcion similar al factor de veneno de cobra.
JP4855627B2 (ja) 医薬用途のためのトロンボモジュリン
US5948669A (en) Rat cathepsin K polynucleotide and polypeptide sequence
JP4701355B2 (ja) プロトロンビン活性化タンパク質
JP2003116573A (ja) 血液凝固阻害活性を有するハマダラカ由来のAs−1蛋白質
JP2002500045A (ja) ヒトウロテンシンii
JP2008517585A (ja) 組換え型プロトロンビン活性化プロテアーゼ(rLOPAP)を単量体の形態で取得するための方法;組換え型プロトロンビン活性化プロテアーゼ(rLOPAP)及びそのアミノ酸配列;デフィブリノゲナーゼ剤としての該プロテアーゼの使用および異常プロトロンビン血症のための診断キット
JP3648545B2 (ja) 血液凝固阻害活性を有するフタトゲチマダニ由来のHl−3蛋白質
JP3648547B2 (ja) 血液凝固阻害活性を有するフタトゲチマダニ由来のHl−1蛋白質
JP3648543B2 (ja) 血液凝固阻害活性を有するブラジルサシガメ由来のTi−1蛋白質
JP3648544B2 (ja) 血液凝固阻害活性を有するフタトゲチマダニ由来のHl−2蛋白質
JP3648549B2 (ja) 血液凝固阻害活性を有するブラジルサシガメ由来のTi−2蛋白質
JP2003210183A (ja) ヒトIκB−β
JP2003116571A (ja) ブラジキニン産生阻害活性及び血液凝固阻害活性を有するハマダラカ由来のAs−2蛋白質
JP3837519B2 (ja) 血小板凝集阻害活性を有するブラジルサシガメ由来のTi−3蛋白質
JP3837518B2 (ja) 血小板凝集阻害活性を有するブラジルサシガメ由来のTi−4蛋白質
JP2002502248A (ja) 組織プラスミノーゲンアクチベーター様プロテアーゼ
JPH09505733A (ja) エンドテリン変換酵素
JPH0940583A (ja) 組換えDer f IIIアレルゲン及びその製造法
CN113234708A (zh) 纤维蛋白溶解活性蛋白及其制备方法和应用、以及药物组合物和编码该蛋白的核酸
JP2002515452A (ja) ACRP30(30kDの脂肪細胞補体関連タンパク質)の相同体であるACRP30R1
JPH0967396A (ja) 血液凝固阻害活性を持つタンパク質、その製造方法および血液凝固阻害剤
JP2002010783A (ja) 改変型ヒトプロテインcインヒビター

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040622

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20040816

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040820

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050118

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350