JP2003116199A5 - - Google Patents

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【発明の名称】スピーカ用振動板の製造方法
【特許請求の範囲】
【請求項1】少なくとも複数の抄紙工程を備えており、一次抄紙で堆積した紙料を二次抄紙網に転写して、吸着せしめた状態を維持しながら、二次抄紙以降の漉き槽にある紙料分散液の液中に置き、上方に排水して堆積する多層漉き抄紙法を用いた、多層構造を特徴とするスピーカ用振動板の製造方法。
【請求項2】請求項1の製造方法を用いて、二層以上を重ね合わせて堆積する多層構造のスピーカ用振動板。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明に属する技術分野】
本発明は、音響機器に用いるスピーカ用振動板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
スピーカ用振動板の製造方法を図2に説明する。
【0003】
一般的に多く用いる製造方法は、(g)の漉き槽13の底部に所定の形状をした抄紙網14を配置しており、この槽内へ紙料液15を投入し、(h)の14から下方へ排水して、紙料16を堆積する抄紙法を用いており、抄紙した16は、(i)の転写型17に吸着して14から取り出した後、乾燥するが、通常は単一構造の抄紙である。
この後、加熱プレス成形する場合、(j)の金網20を装着した凹型18と凸型19の金型を所定の温度に加熱して置き、16を20の上に転写して19と重ね合わせてプレス成形する。或いは、ノンプレス成形する場合、16を(i)の17に転写して吸引しながら、16に温風を吹き付けて乾燥する方法を用いている。
【0004】
加えるに、この抄紙法から排出する廃液は、抄紙網の網目から漏れ出た繊維、染料、薬剤などの紙料の一部を含んでいる。その量は、消費する紙料の4%前後に達するため、この廃液は、行政の定めた排水基準に沿って、浄化処理を義務付けられている。
【0005】また、処理後に残る繊維、染料、薬剤など不純物は、再利用できない産業廃棄物になるため、専門業者によって投棄処分されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記に示す浄化処理の設備は、排水基準を厳守するために管理責任者を置き、所轄の行政機関から検査、報告、指導を受けて稼動している。ところが、産業廃棄物の投棄処分は、環境汚染の問題から、規制強化の方向にある事は言うまでも無く、現実に土壌を汚染し、資源を浪費しながら、自然環境に負荷を与え続けている問題が有る。
【0007】
そこで、この問題を解消するに、廃液を再利用できれば良いが、抄紙工程の給水用に使うと、不純物の影響で振動板の音質、外観、重量にバラツキを生じる欠点がある。他方、不純物を減らすために抄紙網を細かくすれば、目詰まりをおこして、漉きムラを発生する不都合がある。
【0008】
然るに、従来の製造方法では、排出する産業廃棄物の削減が困難なため、これを解決する新たな製造方法が求められている。
【0009】
更に、前記の振動板は、図5の断面1aに示すごとく単一構造である事から、従来の音質を超える音造りが難しい。また、以前に考案された多層構造では、同一材料の積層した物、積層の境界が不明確な物、紙料に条件がある物などの制約がある。そこで、前記の制約が無い、新たな多層構造の振動板の出現が望まれる。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明の製造方法は、目的とする振動板の重量を分割し、裏面側になる一次抄紙の工程と表面側になる二次抄紙以降の工程に分けて、多層漉きする抄紙法を特徴とするものである。
【0011】
先ず、一次抄紙で堆積した紙料は、水素結合する前の膨張した湿紙の状態を保ち、網目状に荒れた紙料の裏面側へ堆積するように、二次抄紙網へ転写して置く。この時、紙料は抄紙網の下に吸着しており、この状態から、二次以降の紙料分散液の液中に置いて、上方に排水しながら所定の量を堆積する方法である。この抄紙法の長所は、一次抄紙の紙料が十分に水を含んだ所へ、二次以降の紙料液に浮遊している繊維が絡み付いて堆積する事にある。この為、乾燥後は、積層した境界が明確に判別できる多層構造になり、機械的な結合と水素結合によって、強固に一体化した振動板ができる。
【0012】
前記の抄紙法から、一次抄紙の廃液は、振動板の外観に影響の無い、裏面を構成する紙料液からの物で、染料とその助剤が無いため、再利用する事が容易である。更に、二次抄紙網からの廃液は、一次抄紙の紙料がフィルターの役割を果たすため、不純物の量が微量になり、同様に再利用する事が容易である。
【0013】
また、この抄紙法を用いた振動板は、表面側に高ヤング率の適した材料を施し、裏面側に内部損失と曲げ剛性に適した材料を施して、多様な音造りを可能にする多層構造に特徴がある。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を説明する。
【0015】
請求項1は、抄紙工程の廃液を再利用しながら、産業廃棄物を削減できる多層漉き抄紙法を用いており、この振動板の製造方法を図1に説明する。
【0016】
(a)の工程は、漉き槽1に一次抄紙網2を固定して、漉き槽内へ一次の紙料液3を投入し、(b)の工程で漉き槽の底部より排水して一次抄紙の紙料4を堆積する。二次抄紙網5が固定された抄紙台6に配置し、(c)の工程は、5と6を降下して4を吸着転写の後に上昇し、この吸着した状態を(e)の工程が終了するまで維持する。次に、(d)の工程は、6の4と5を漉き槽7にある二次の紙料液8の液中へ降下し、6の上方に排水しながら所定の時間を堆積する。(e)は、二次抄紙の紙料9が4に絡み付いて堆積を完了した事を示す。更に、三次抄紙以降が有るときは、別に用意した同様の(d)と(e)の工程を繰り返して紙料を積層する。(f)の工程は、金型10に固定した金網12の上に、多層漉きした紙料4と9を転写して、金型11と重ね合わせて加熱プレス成形する。或いは、温風を用いてノンプレス成形する。
【0017】
前記の製造方法で抄紙する場合、振動板の重量を裏面側と表面側に分配するが、中心部を必要とする時は、双方のバランスを考慮して分配すれば良い。その重量は、以下の配分が望ましい。
(1) 裏面側になる一次抄紙の重量を30%以上70%以下。
(2) 表面側になる二次抄紙の重量を70%以下30%以上。
(3) 中心部になる抄紙の重量を40%以下。
この重量の配分で抄紙した時、少なくとも下記の効果が得られる。
(1) 一次抄紙の廃液は、一次抄紙の給水用に全量を再利用できる。
(2) 二次抄紙網からの廃液は、一次抄紙の給水用に再利用できる。
(3) 残りの廃液は、浄化処理後に排水する。
【0018】
請求項2は、請求項1の製造方法を用いて、多層漉きした振動板の構成を図3、図4の断面図に説明する。
【0019】
図3は二層構造の振動板である。
表面側断面2aは、高ヤング率に適した材料からなり、高密度の紙パルプ、和紙、化繊、絹などの有機繊維、セラミック、カーボン、雲母などの無機繊維または粉体から紙料を選び、染料、サイズ剤、紙力剤などを加えた物で、音像が大きく、ひずみ感の少ない、鮮明な音質の再生に有効である。
裏面側断面2bは、染色を必要とせず、内部損失と曲げ剛性に適した材料からなり、紙パルプ、和紙、化繊などの有機繊維、セラミック、カーボンなどの無機繊維から紙料を選び、サイズ剤、紙力剤などを加えた物で、高域特性の乱れが少なく、中低域の力強い音質の再生に有効である。
【0020】
図4は図3に中心部を加えた三層構造の振動板である。
表面側断面3aと裏面側断面3cの間の中心部断面3bは、内部損失に適した材料からなり、低密度のパルプ、化繊、中空繊維などの紙料にサイズ剤、紙力剤などを加えた物で、高出力に耐える強い剛性が得られ、力強い低音の再生に有効である。
【0021】
【実施例】
以下は本発明の製造方法を用いた実施例である。
代表的な口径12cm振動板の仕様から、抄紙径95mm、抄紙重量2gとして、実施例1と実施例2の排水量と不純物の量を比較した。
従来の抄紙の場合、KPパルプ(叩解度25)、黒色染色、紙料濃度1g/l、抄紙網50メッシュの時、排水量2l、不純物の量130mgであった。
【0022】
(実施例1)
Figure 2003116199
この結果、一次廃液は、染料が無く繊維分が少ないため、一次抄紙の紙料用に全量を再利用して、残りの廃液を浄化処理する。
その効果は、排水量を75%、廃棄物を89.2%、それぞれ削減する事ができた。
【0023】
(実施例2)
Figure 2003116199
この結果、一次廃液は、前記と同様に染料が無く繊維分が少ないため、一次抄紙の紙料用に全量を再利用する。二次抄紙網からの二次抄紙と三次抄紙の廃液は、不純物の量が微量のため、二次抄紙の紙料用に再利用して、残りの廃液を浄化処理する。
その効果は、排水量を94%、廃棄物を98%、それぞれ削減する事ができた。
【0024】
従来の振動板と(実施例1)(実施例2)の振動板を用いたスピーカの音質を比較した場合、実施例の振動板は、力強く、音像が大きい、ひずみ感の少ない、鮮明な音質の再生に特徴がある。
【0025】
【発明の効果】
以上のように、本発明の振動板の製造方法は、裏面側の一次抄紙において、紙料を染色する必要がなく、表面側の二次抄紙以降においても、紙料が濾紙の役割を果たすため、廃液の再利用が容易になる。
この結果、浄化処理後の排水量を75%以上、産業廃棄物の量を89%以上、それぞれ削減する事が可能になり、浄化処理費、給水費、材料費など費用の節約をしながら、自然環境への負荷を軽減する効果がある。
更に、表面側に高ヤング率の適した材料を施し、裏面側に内部損失と曲げ剛性の適した材料を施して、広範囲に材料を選び、多様な音造りを提案する事が出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の工程を表した断面図である。
【図2】従来の一般的な工程を表した断面図である。
【図3】本発明を用いた二層構造振動板の断面図である。
【図4】本発明を用いた三層構造振動板の断面図である。
【図5】従来の製造方法を用いた振動板の断面図である。
【符号の説明】
(a)、(g)紙料液の投入工程
(b)、一次抄紙工程
(c)、(i)転写工程
(d)、(e)二次抄紙工程
(f)、(j)加熱プレス工程
(h)、抄紙工程
1、漉き槽1
2、一次抄紙網
3、一次の紙料液
4、一次抄紙の紙料
5、二次抄紙網
6、抄紙台
7、漉き槽2
8、二次の紙料液
9、二次抄紙の紙料
10、18、凹金型
11、19、凸金型
12、20、金網
13、漉き槽
14、抄紙網(漉き網とも言う)
15、紙料液(原料液とも言う)
16、紙料(原料とも言う)
17、転写型
1a、従来の振動板の断面
2a、二層構造振動板の表面側の断面
2b、二層構造振動板の裏面側の断面
3a、三層構造振動板の表面側の断面
3b、三層構造振動板の中心部の断面
3c、三層構造振動板の裏面側の断面
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