JP2003115743A - 弾性表面波素子、弾性表面波素子を用いた電気信号処理装置、及び電気信号処理装を用いた環境評価装置 - Google Patents

弾性表面波素子、弾性表面波素子を用いた電気信号処理装置、及び電気信号処理装を用いた環境評価装置

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JP2003115743A JP2001311788A JP2001311788A JP2003115743A JP 2003115743 A JP2003115743 A JP 2003115743A JP 2001311788 A JP2001311788 A JP 2001311788A JP 2001311788 A JP2001311788 A JP 2001311788A JP 2003115743 A JP2003115743 A JP 2003115743A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】結晶材料の基材を用いた弾性表面波素子、弾性
表面波素子を用いた電気信号処理装置、及び電気信号処
理装置を用いた環境評価装置を提供する。 【解決手段】球状の水晶の基材210のZ軸を地軸とし
て、赤道上の経路aに沿って円環状表面211が形成さ
れている。円環状表面211には櫛形電極223が対向
している。発信器226から入力信号が櫛形電極223
に入力されると円環状表面211に沿って伝搬する弾性
表面波が励起される。この弾性表面波に応じた出力信号
がディジタルオシロスコープ228に入力される。混合
周波数をもつ入力信号を入力すると特定の周波数成分が
出力される。基材210を加湿すると出力信号の出力が
小さくなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、弾性表面波素子、
弾性表面波素子を用いた電気信号処理装置、及び電気信
号処理装を用いた環境評価装置に関する。より詳細に
は、本発明は、単結晶で形成されており、少なくとも球
面の一部で形成されていて円環状に連続している円環状
表面を有している基材を有しており、円環状表面に沿っ
て伝搬する弾性表面波が励起される弾性表面波素子に関
する。さらに本発明は、所定の電気信号が入力され、こ
の電気信号を処理し、電気信号を出力する電気信号処理
装置に関する。またさらに本発明は、環境の変化を感知
する環境評価装置に関する。
【0002】
【従来の技術】基材上に弾性表面波を発生させるととも
に、基材上に発生された弾性表面波を受信するものとし
て弾性表面波素子は従来から良く知られている。
【0003】従来の弾性表面波素子では平坦な基材上に
1対の櫛形電極が設けられている。基材が圧電性材料で
形成されているか、又は櫛形電極と基板の間には圧電体
が設けられており、一方の櫛形電極に高周波電圧を供給
することにより電極の並んでいる方向に弾性表面波を励
起させる。他方の櫛形電極はこの弾性表面波の伝搬方向
に配置されていてこの弾性表面波を受信する。
【0004】弾性表面波素子は、遅延線、発信機のため
の発振素子若しくは共振素子、周波数を選択するための
フィルタ、化学センサー、バイオセンサ、又はリモート
タグ等に使用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような弾性表面波
素子の性能を高めるためには、1対の櫛形電極相互間を
弾性表面波が伝搬する際の伝搬損失を出来る限り小さく
することが望まれている。
【0006】しかしながら、通常の弾性表面波素子は1
対の櫛形電極が設けられている圧電体の表面及び基材の
表面が平坦であるので、一方の櫛形電極で励起された弾
性表面波は他方の櫛形電極に向かい伝搬する間に上記表
面上で伝搬方向と直交する方向にも拡散し弱くなる。こ
のために弾性表面波の伝搬損失を小さくすることができ
ない。また、弾性表面波の発信から受信までの時間変化
を測定対象として観測して応用する場合に、伝搬距離が
長くなることにより伝搬損失が大きくなると十分な強度
の信号を得ることができない。これらの問題から、性能
を高めることに限界がある。
【0007】このような問題解決のために、球状の基材
を用いることが考えられている。この基材の表面に弾性
表面波を励起させると、弾性表面波は拡散せずに多数回
基材を周回する。これを利用すれば、長い伝搬距離を獲
得することができる。
【0008】しかしながら、基材が圧電性材料で形成さ
れていない場合は基材の表面に圧電性材料の膜を設ける
必要がある。また、この膜の厚さなどによって弾性波の
伝搬特性が変わるので、大量に安定した素子を作成する
ことが困難である。さらに、基材を圧電性材料で形成す
る場合、良質な圧電性材料として水晶、LiNbO
LiTaO等の単結晶が適切であるが、これらの単結
晶の表面上では弾性表面波の伝搬速度が異なるために一
般には弾性表面波の周回が起きず、その実現が困難だっ
た。
【0009】本発明はこのような事情の下でなされ、本
発明の目的は、結晶材料で形成された基材を用い、より
性能の優れた弾性表面波素子、弾性表面波素子を用いた
電気信号処理装置、及び電気信号処理装置を用いた環境
評価装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項1に係わる弾性表面波素子は、少な
くとも球面の一部で形成されていて円環状に連続してい
る円環状表面を有しており、単結晶で形成されている基
材と、前記円環状表面に沿って伝搬する弾性表面波を励
起する弾性表面波励起手段とを備えている。
【0011】本発明の請求項2に係わる弾性表面波素子
では、前記円環状表面は、前記基材を形成しいている単
結晶の結晶方位で決まる所定の経路に沿って形成されて
いる。
【0012】本発明の請求項3に係わる弾性表面波素子
では、前記基材の少なくとも一部は、圧電性材料で形成
されている。
【0013】本発明の請求項4に係わる弾性表面波素子
では、前記基材を形成しいている単結晶の結晶系は、三
方晶系である。
【0014】本発明の請求項5に係わる弾性表面波素子
では、前記基材を形成しいている単結晶は、水晶であ
る。
【0015】本発明の請求項6に係わる弾性表面波素子
では、前記基材を形成しいている単結晶は、LiNbO
の単結晶およびLiTaOの単結晶からなる群から
選択される単結晶である。
【0016】本発明の請求項7に係わる弾性表面波素子
では、前記基材を形成しいている単結晶の結晶系は三方
晶系であり、結晶方位で決まる前記所定の経路は、球面
と、この球面の中心を通り、前記三方晶系の単結晶のZ
軸と直交する平面との交線を含んでいる。
【0017】本発明の請求項8に係わる弾性表面波素子
では、前記基材を形成しいている単結晶の結晶系は三方
晶系であり、結晶方位で決まる前記所定の経路は、球面
と、この球面の中心を通り、前記三方晶系の単結晶のZ
軸と平行な平面との交線を含んでいる。
【0018】本発明の請求項9に係わる弾性表面波素子
では、前記弾性表面波励起手段により励起される弾性表
面波の波長が、基材の球面の半径の1/10以下であ
る。
【0019】本発明の請求項10に係わる弾性表面波素
子では、前記弾性表面波励起手段は、前記円環状表面に
沿って設けられ、高周波電源に接続される櫛形電極を含
んでいる。
【0020】本発明の請求項11に係わる弾性表面波素
子では、前記櫛形電極は前記円環状表面から離間してい
る。
【0021】本発明の請求項12に係わる弾性表面波素
子では、前記櫛形電極の重なり幅は、前記基材の球面の
直径の半分以下でこの球面の半径の1/100以上であ
る。
【0022】本発明の請求項13に係わる弾性表面波素
子では、前記弾性表面波励起手段は、前記円環状表面に
設けられ、レーザ光を吸収し熱弾性効果により弾性表面
波を励起するレーザ吸収部材を有している。
【0023】本発明の請求項14に係わる電気信号処理
装置は、請求項1乃至12いずれか1項に記載の弾性表
面波素子と、所定の電気信号を前記弾性表面波励起手段
に入力し、この結果弾性表面波励起手段は前記円環状表
面に沿って伝搬する弾性表面波を励起する入力部と、こ
の円環状表面に沿って伝搬する弾性表面波を検出する検
出手段と、前記検出手段により検出された弾性表面波に
応じた電気信号を出力する出力部とを備えている。
【0024】本発明の請求項15に係わる電気信号処理
装置は、請求項10乃至12いずれか1項に記載の弾性
表面波素子を備えている電気信号処理装置であって、前
記櫛形電極は、電気信号が入力されたときに前記円環状
表面に沿って伝搬する弾性表面波を励起し、前記円環状
表面に沿って伝搬する弾性表面波がこの櫛形電極に入射
したときにこの弾性表面波に応じた電気信号を発生し、
この電気信号処理装置は、前記櫛形電極に所定の電気信
号を入力するとともに、この櫛形電極により発生された
電気信号を出力する入出力部をさらに備えている。
【0025】本発明の請求項16に係わる環境評価装置
は、請求項14又は15に記載の電気信号処理装置と、
前記電気信号処理装置により出力された電気信号の周波
数、この電気信号の強度、及び前記電気信号処理装置に
電気信号が入力されてから前記電気信号処理装置により
電気信号が出力されるまでの時間の内の少なくとも1つ
に基づいて前記基材の周りの環境又は前記基材が置かれ
ていた環境を評価する処理部をさらに備えている。
【0026】
【発明の実施の形態】図1から図14を参照して、本発
明の実施の形態に係わる弾性表面波素子、並びにこの弾
性表面波素子を用いた本発明の実施の形態に係わる電気
信号処理装置、及びこの弾性表面波素子を用いた本発明
の実施の形態に係わる環境評価装置を説明する。先ず、
本発明の第1の実施の形態の弾性表面波素子と、この弾
性表面波素子を用いた本発明の実施の形態に係わる電気
信号処理装置とを説明する。図1は弾性表面波素子と、
これを用いた電気信号処理装置の構成を示す図である。
弾性表面波素子は単結晶の水晶で形成されている球状の
基材110を有している。本実施の形態では水晶の単結
晶を用いているが、LiNbO、LiTaO等の三
方晶系の単結晶を用いてもよい。
【0027】基材110の表面には高周波電源123に
接続されている1対の櫛形電極121,122が設けら
れている。櫛形電極121,122は弾性表面波励起手
段として用いられている。基材110と櫛形電極12
1,122は弾性表面波素子を構成している。高周波電
源123は所定の電気信号を出力する。櫛形電極12
1,122は、基材110の表面に積層されたクロムの
層と、クロムの層の上に積層された金の層とを有してお
り、フォトリソグラフィーを用いて形成される櫛形パタ
ーンである。この櫛形パターンには高周波電源123に
接続されている入力用電極120a,120bが設けら
れている。入力用電極120a,120bは入力部とし
て用いられている。入力用電極120a,120bは、
高周波電源123からの所定の電気信号を櫛形電極12
1,122に入力する。この結果、櫛形電極121,1
22は、以下に説明するように、基材110の円環状表
面に沿って伝搬しこの電気信号に応じた弾性表面波を励
起する。
【0028】水晶の基材110は圧電性材料である。即
ち、基材110の表面は圧電性材料で形成されている。
高周波電源123により櫛形電極121,122に電圧
が印加されると、基材110の表面が圧電効果により振
動し、基材110の表面に所定のモードの弾性表面波が
励起される。櫛形電極121,122を用いた弾性表面
波励起手段は比較的高い効率でかつ特定の方向に弾性表
面波を励起することができる。
【0029】励起された弾性表面波は円環状に連続して
いる基材110の円環状表面111に沿って伝搬する。
弾性表面波は基材110の表面を周回する。円環状表面
111には、円環状表面111に沿って伝搬する弾性表
面波を検出する検出手段(図示せず)が設けられてい
る。本実施の形態では検出手段として櫛形電極121,
122とは別の櫛形電極を用いている。この検出用の櫛
形電極は弾性表面波を再び電気信号に変換することによ
り弾性表面波を検出する。検出用の櫛形電極には、検出
用の櫛形電極により検出された弾性表面波に応じた電気
信号を出力する出力用電極が設けられている。出力用電
極は出力部として用いられている。入力用電極120
a,120bと検出用の櫛形電極と出力用電極とは電気
信号処理装置を構成している。尚、基材110の表面に
は、この検出用の櫛形電極及び励起用の櫛形電極12
1,122、の他に、弾性表面波の伝搬を変化せるため
の所望のパターンが形成されていてもよい。
【0030】本明細書では、単結晶の基材の表面近傍に
エネルギーを集中させて伝搬する弾性波を弾性表面波と
総称している。単結晶の基材からエネルギーを放出しな
がら伝播する漏洩弾性表面波や、SH(シェアーホリゾ
ンタル)波や、ラテラル波と呼ばれる弾性波も含まれ
る。
【0031】弾性表面波が球状の基材の円環状表面に沿
って伝搬する現象は、等方性の材料で形成されている基
材については知られていた。単結晶で形成された基材に
ついては、結晶方位に従って弾性表面波の伝搬速度が異
なる。そして、単結晶で形成された球状の基材を周回す
る過程で伝搬不可能な結晶面を通過したり、エネルギー
が拡散する結晶面を通過したりするために、弾性表面波
が基材の表面を周回する際の効率が悪化し、周回する度
に急激にエネルギーを消耗すると考えられていた。
【0032】ところが、水晶、LiNbO、LiTa
等の三方晶系の単結晶の基材については、弾性表面
波が伝搬する経路を適切に選べば同様の現象が起こるこ
とが発明者らにより実験で確認された。この経路は、後
に示すように、結晶方位で決まる。この経路に沿って伝
搬する弾性表面波は弾性波エネルギーの散逸や球表面に
おける反射は小さいので、多数回の周回が実現できる。
【0033】非圧電性材料で基材を形成する場合、基材
と櫛形電極との間に圧電膜を形成する必要がある。Li
NbO、LiTaOおよび本実施の形態の基材を形
成している水晶は良好な圧電材料であるので、圧電膜を
形成する必要がなく低コストである。また、圧電膜の形
成プロセスの条件に伴って弾性表面波素子の特性が変わ
る危険性が無いので安定して同じ製品を生産できる。
【0034】非圧電性材料の基材を用いた場合よりも、
水晶、LiNbOおよびLiTaOの基材を用いた
場合の方が信号純度が高い。従って、非圧電性材料の場
合に比べ遥かに性能を高めることができる。
【0035】上記単結晶の中で、水晶は硬度がたかく、
加工が容易で、材料として安価に入手できるために非常
に有用である。LiNbOおよびLiTaOについ
ても電気機械結合係数が大きく、また弾性表面波の位相
速度の温度依存性についての特徴から雑音の少ない良好
な周回が実現できる。
【0036】弾性表面波が拡散することなく球状の基材
の表面を周回する条件は、近似的に以下のようにして求
められた。以下の計算は等方性材料で基材を形成した場
合について説明されているが、大部分の弾性表面波が周
回する領域において、弾性表面波が伝搬する方向の弾性
表面波位相速度が著しく変化しない場合に、理論的に近
似的な推測を行うことができる。
【0037】先ず、弾性表面波の発生源が点とみなせる
場合について説明する。発生源は球状の基材の表面にあ
る。これは、櫛形電極121,122の重なり幅が基材
110の球面の半径の1/100未満であることに対応
している(図1参照)。ここで、重なり幅は櫛形電極1
21の複数の電極片と、櫛形電極122の複数の電極片
とが相互に対面する長さである。この重なり幅は櫛形電
極121,122により励起される弾性表面波の幅に一
般的には対応することは明らかである。
【0038】弾性表面波は発生源を中心にして球面であ
る表面上を同心円状に広がった後に発生源とは正反対の
側の地点に向かい同心円状に集束する。そして、正反対
の側の地点から球面上を同心円状に広がった後に発生源
に集束する。即ち、発生源が点とみなせる場合は、指向
性をもたずに拡散し、櫛形電極の配線取り付け部、櫛形
電極の回路パターン、基材を支持するための支持部など
で弾性表面波が散乱される。
【0039】次に、弾性表面波の発生源が円弧とみなせ
る場合について説明する。これは、櫛形電極121,1
22の重なり幅が基材110の球面の半径の1/100
以上であることに対応している。但し、付随の電気回路
パターンなどを含めた櫛形電極の全幅は、基材110の
周囲長の半分以下である必要があるので、櫛形電極12
1,122の重なり幅は基材110の球面の直径の半分
以下である。図2には、球状の基材の中心を原点Oとす
る座標系が示されている。XYZ座標軸と基材の半径r
の球面の交点をそれぞれ点A、B,Cとする。また、O
B間にあり、Y軸上の点を点E、点E通りZ軸に平行な
直線と上記球面との交点を点F、点E通りX軸に平行な
直線と上記球面との交点を点Dとする。円弧DF上の点
Pから発生した弾性表面波が円弧CG上の点Qに達する
とする。ここで、点Gは円弧AB上の点である。角度φ
,θ,φ,θを図2中に示したように取ると、
点P,Qの座標はそれぞれ(rcosφcosθo
rsinφ,rcosφsinθo)及び(rco
sφcosθ,rcosθsinφ,rsin
θ)となるため、 PQ=2r[1−cosφcosθocosφcosθ− sinφcosφcosθ−cosφsinφsinθ]…(1) である。従って、角POQ=θとおくと余弦定理より cosθ=cosφcosθocosφcosθ+ sinφcosφcosθ+cosφsinφsinθ …(2) の関係が成り立つ。
【0040】点Pで発生した弾性表面波の点Qにおける
粒子変位の半径方向成分は、
【数1】 …(3) である(Viktorov,Rayleigh and
Lamb Waves)。式(3)はレイリー波やラ
ム波について求められたものであるが弾性表面波一般に
も適用できる。なおここで、Cは定数、Cはレイリー
波速度、tは時間である。mは m=円周の長さ/弾性表面波の波長 であり、波数パラメータと呼ぶ。
【0041】角度θは式(2)から求められる。点Eか
ら見こむ角度が2θの円弧状音源による点Qの音場
は、式(3)をθoについて−θからθまで積分す
ることにより得られる。音場分布は点Qの迎角θを変
化させて計算することで求められる。
【0042】図3には点PがXZ面上にあるφ=0の
場合について式(3)を使用して求めた弾性表面波が球
面上を伝搬する4つの状態が示されている。
【0043】図3(A)、図3(B)及び図3(C)
は、波数パラメータm=600の場合の音場(粒子変位
の絶対値の角度θ依存性)を調べた結果である。図の
各々において、最も下のプロットは球面上の弾性表面波
の伝搬を表す角度(伝搬角)φ が0°の場合の音場で
あり、上に向かって15°づつ増加した場合の音場が順
にプロットしてある。
【0044】図3(A)は、開口半角θ=30°の場
合である。この場合には、図3(A)から明らかなよう
に、弾性表面波の伝搬状態は集束ビーム形状である。即
ち、伝搬角φが増加するにつれて音場の幅が減少しφ
=90°で最小になった後は再び幅が増加し対極点1
80°で音源上と同じ分布が再現される。以降は180
°毎に上記同じ変化が繰り返され、何周回っても同じ変
化が繰り返される。これは回折による波の拡散が全く無
い球面に独特な現象である。この場合、開口半角θ
30°よりも音場が広がることがなく、θ<θの帯
状部分に弾性表面波のエネルギーが閉じ込められてい
る。この場合には球面のθ>θの部分に他の物体を
接触させても音場に擾乱は生じない。
【0045】図3(C)は、開口半角θ=1°の場合
である。この場合には、図3(C)から明らかなよう
に、弾性表面波の伝搬状態は点音源の場合と類似した発
散ビーム形状である。即ち、伝搬角φが増加するにつ
れて音場の幅も増加しφ=90°で最大になった後は
再び幅が減少し対極点180°で音源上と同じ分布が再
現される。この場合は、図3(A)を参照しながら上述
した集束ビームの場合とは異なり、θ<θの帯状部
分に弾性表面波のエネルギーが閉じ込められることが無
く、φ=90°では球の表面全体に広がってしまう。
この場合には、球面のφ=90°かつθ>θの部
分に他の物体を接触させると音場に擾乱が生じる。
【0046】図3(B)は、開口半角θ=3.5°の
場合である。この場合には、図3(B)から明らかなよ
うに、弾性表面波の伝搬状態は伝搬角φが増加しても
音場の幅は殆ど変化しないコリメートビーム形状であ
る。即ち、θ=θの帯状部分に弾性表面波のエネル
ギーが閉じ込められている。これは無限媒体中のベッセ
ルビームと同様な特性である。そしてコリメートビーム
が得られる開口半角θをコリメート角θcolと呼
ぶ。
【0047】図3(A)、図3(B)及び図3(C)か
ら明らかなように、開口半角θがコリメート角θ
colに略等しい時、最も幅の狭い帯状部分に弾性表面
波のエネルギーが閉じ込められているさらに、波数パラ
メータmを変化させて上述したのと同様の数値解析を行
った結果、波数パラメータmによりコリメート角θ
colが変化することが分かった。図3(D)は、波数
パラメータmが300の場合に弾性表面波の伝搬状態が
コリメートビーム形状になるのは、開口半角θが略
4.5°であることを示しており、この場合のコリメー
ト角θcolは約4.5°になる。
【0048】以下には、波数パラメータmが変化した場
合のコリメート角θcolの値を示す。
【0049】 波数パラメータm コリメート角θcol (球の周囲長/弾性表面波波長) 150 7.0 300 4.5 450 4.0 600 3.5 750 3.0 なおこれは、数値計算による近似値である。このよう
に、コリメート角θcolは波数パラメータmから式
(3)を用いて求められる。
【0050】再び図1を参照して本実施の形態の弾性表
面波素子を説明する。櫛形電極121,122から弾性
表面波が出力されると、上述のように円環状表面111
に沿って伝搬する。説明の便宜上、円環状表面111の
幅を櫛形電極121,122の重なり幅と等しく取る。
櫛形電極121,122の重なり幅は、コリメート角θ
colにより規定される弾性表面波の発生源の幅以上で
ある。より好ましくは重なり幅はコリメート角θcol
により規定される幅に等しい。弾性表面波は、上記数値
計算の結果から円環状表面111の幅を超えて拡散する
ことなく、円環状表面111に沿って伝搬する。このよ
うに、弾性表面波が、コリメート角θ olにより規定
される幅と等しい幅かこの幅に近い幅をもつように弾性
表面波を励起することで、過度のエネルギーの集中や散
乱が円環状表面111で起きない利点がある。この伝搬
の様子は図3(A)及び図3(B)に対応する。コリメ
ート角θcolを決定する波数パラメータmの代表的な
値は、100〜800である。
【0051】上記数値計算では、弾性表面波の波長及び
位相速度は弾性表面波が伝搬する球面の全ての場所で一
定であるとして説明した。しかしながら、結晶である水
晶で形成された球では、波長及び位相速度は結晶方位に
従って一般に異なる。但し、振動数は一定である。よっ
て、波数パラメータmも球面上で一定ではないが、近似
的に一定であるとする。この一定の波数パラメータmを
求めるために、弾性表面波励起手段により弾性表面波が
励起される基材の部分を伝搬している弾性表面波の波長
を用いる。即ち、櫛形電極121,122が設けられた
基材110の部分の波長を用いる。
【0052】弾性表面波が伝搬する円環状表面111
は、上述したように基材110を形成しいている単結晶
の結晶方位で決まる所定の経路に沿って形成されてい
る。この経路は三方晶系に属する水晶については発明者
らの実験によって確認されている。この経路は水晶のZ
軸に関係している。水晶の結晶軸は図4に示されてい
る。
【0053】図5はこの経路を示す図である。説明の便
宜上、Z軸は球状の基材110の中心を通るものとす
る。結晶方位で決まる所定の経路は4つの経路a,b
1,b2,b3を含んでいる。経路aは基材110の表
面である球面と、この球面の中心を通り、Z軸と直交す
る平面との交線である。経路b1,b2,b3はそれぞ
れ基材110の表面である球面と、この球面の中心を通
り、Z軸と平行な3つの平面との交線である。経路b1
を含む平面は経路b2,b3を含む平面とそれぞれ60
°,−60°の角度をなしている。Z軸を球状の基材1
10の地軸と考えると、経路aは赤道であり、経路b
1,b2,b3は60°間隔で並んでいる6つの経線で
構成される。
【0054】本実施の形態では、弾性表面波は図1に示
されているように経路aに沿って伝搬する。即ち、円環
状表面111は経路aに沿って形成されている。しかし
ながら、本発明はこれに限定されるものではない。経路
a,b1,b2,b3の内の少なくとも2つの経路に沿
って弾性表面波を伝搬させてもよい。例えば経路aと経
路b1に沿って伝搬させる場合、経路a,b1上に弾性
表面波励起手段をそれぞれ設ける。また、経路aと経路
b1が交差する基材110の部分に弾性表面波を散乱す
る散乱体又は弾性表面波を反射する反射体を設け、経路
aを伝搬する弾性表面波を経路b1に分岐してもよい。
経路a上の弾性表面波の乱れが無視できる程度の散乱体
又は反射体を設ければ、経路a上で励起され、経路aを
周回する弾性表面波を経路aの外で検出できる。
【0055】櫛形電極121,122をより詳細に説明
する。図6は櫛形電極121,122の平面図である。
櫛形電極121は弾性表面波が伝搬する向きに配列して
いる複数の電極片l1,l2,l3,…を有している。
櫛形電極122は電極片l1,l2,l3,…と互い違
いに配列している複数の電極片r1,r2,r3,…を
有している。隣り合う電極(例えば電極片r1と電極片
l1、又は電極片l1と電極片r2)の間隔は全て等し
い。電極片l1,l2,l3,…と電極片r1,r2,
r3,…とは経路aに対して垂直に延びている。即ち、
Z軸を基材110の地軸とすれば、これらの電極片は経
線に沿って延びている。これらの電極片は周期的に並ん
でいる。即ち、電極片l1,r1を経路aに沿って移動
すれば、電極片l2,r2、電極片l3,r3、…にそ
れぞれ重なる。
【0056】電極周期Pは一定である。ところで、弾性
表面波励起手段により励起される弾性表面波の波長は、
基材の球面の半径の1/10以下であることが好まし
い。このとき、この波長は電極周期Pにほぼ等しくな
る。但し、上述したように、弾性表面波励起手段により
励起される弾性表面波の波長、即ち櫛形電極121,1
22が設けられた基材110の部分の弾性表面波の波長
は、基材110のその他の部分の波長と異なる場合があ
る。
【0057】櫛形電極121,122が配置されている
基材110の位置は、図1のように経路a上にある。櫛
形電極121,122は、これから出力された弾性表面
波が経路aに沿って伝搬するように向けられている。経
路aはX線回折方法などを用いて明らかにされたZ軸に
基づいて求められる。
【0058】電極周期Pは以下のようにして決められ
る。以下、15.1MHzの弾性表面波のみを励起して
周回させる場合について説明する。電極周期Pは、水晶
の表面の弾性表面波の代表的な位相速度値3160m/
sを周波数で割って求める。
【0059】3160(m/s)/15.1(MHz)
=209.3μm 予定する周波数に正確に且つ高精度に出力特性が実現で
きるように電極周期Pを決めるには、先ず、結晶方位の
X軸あるいはY軸を求める。次に、櫛形電極121,1
22の設置予定位置の理論的なZ軸周回方向の位相速度
を求め、その速度を周波数で割った値を電極周期Pとす
る。
【0060】重なり幅Wは、上述したように、基材11
0の球面の直径の半分以下でこの球面の半径の1/10
0以上である。
【0061】次に、櫛形電極の変形例を説明する。図7
は本変形例の櫛形電極125,126の平面図を変形し
た図である。図7では水晶の基材110のZ軸を地軸と
したとき、全ての緯線が同じ長さにされている。即ち、
地軸に対して垂直に基材110を見ると、基材110は
正方形に見える。
【0062】櫛形電極125は経路aに沿って配列して
いる複数の電極片S1,s1,S2,s2,S3,s
3,…を有している。これらの電極片は経線方向に延び
ている。電極片S1,s1、電極片S2,s2、電極片
S3,s3…はそれぞれ組みになっている。これらの電
極片は周期的に並んでいる。電極片S1と電極片S2の
間隔、電極片S2と電極片S3の間隔、…は全て等し
い。電極片S1と電極片s1の間隔、電極片S2と電極
片s2の間隔、電極片S3と電極片s3の間隔、…は全
て等しい。電極片S1,s1を経路aに沿って移動すれ
ば、電極片S2,s2、電極片S3,s3…にそれぞれ
重なる。
【0063】櫛形電極126は経路aに沿って配列して
いる複数の電極片T0,T1,T2,T3,…を有して
いる。これらの電極片は経線方向に延びている。電極片
T1は電極片s1と電極片S2の間に、電極片T2は電
極片s2と電極片S3の間に、それぞれ配置されてい
る。T3以降の電極片Ti(i=3,4,5…)も電極
片T1,T2と同様に電極片siと電極片Si+1の間
に配置されている。電極片T0は、電極片T0と電極片
T1との間に電極片S1,s1が位置するように配置さ
れている。電極片T0,T1,T2,T3,…の内の隣
り合う電極片の間隔は全て等しい。電極片T0を経路a
に沿って移動すれば、電極片T1,T2,T3,…にそ
れぞれ重なる。
【0064】電極片S1,s1,T1、電極片S2,s
2,T3、電極片S3,s3,T3…はそれぞれ組みに
なっている。上記説明からこれらの電極片の組みは周期
的に並んでいることは明らかである。櫛形電極125,
126の寸法を説明する。電極周期Pは図7に示されて
いるように、 電極周期P=(電極片S1と電極片S2の間隔)+(経
路aに沿った方向の電極片S1の幅) で表される。電極周期Pを用いて櫛形電極125,12
6の寸法は、 経路aに沿った方向の電極片S1の幅=P/4 経路aに沿った方向の電極片T1の幅=P/8 電極片T1と電極片S2の間隔=3P/16 となるように設定されている。
【0065】櫛形電極125,126を上記のように形
成すると、経路aに沿って一方向(図7の矢印の方向)
に弾性表面波を出力することができる。
【0066】本実施の形態の櫛形電極121,122及
び櫛形電極125,126には様々な修正と変形とが可
能である。例えば、電極片は基材110の経線に沿って
延びているが、経線に沿って湾曲していてもよい。図8
のような各部が縦方向と横方向に直線的に延びる穴を有
する板状のフォトマスクを基材110の球面に対向させ
て露光するフォトプロセスにより櫛形電極を形成する場
合、電極片は経線に沿って湾曲する。このようなフォト
マスクは容易に設計することができる。
【0067】また、隣り合う電極片の間隔(例えば、電
極片S1と電極片s1の間隔、電極片s1と電極片T1
の間隔等)又は、電極片の組みの間隔(電極片T1と電
極片S2の間隔)、又は電極周期を一定にしなくともよ
い。上述したように、結晶である水晶で形成された球で
は、波長及び位相速度は結晶方位に従って一般に異な
る。電極片が位置する基材110の部分の波長に応じて
それぞれの電極片の間隔や電極周期等を設定すれば、所
望の周波数をもつ弾性表面波を効率よく励起できる。特
に、電極片の数が比較的多く、かつ弾性表面波が基材1
10を1周するために必要な位相変化が2π(rad)
の整数倍になるように櫛形電極が形成されている場合、
このような弾性表面波素子を用いた電気信号処理装置
は、特定の周波数において強い出力をもつ共振器として
使用できる。
【0068】ところで、従来、基材が平板状であり、広
帯域用の弾性表面波素子では、電極片の組みが周期的に
並んでいる弾性表面波素子が知られている。このような
弾性表面波素子を球状の基材110に応用すれば、広い
波長域にわたって弾性表面波が励起される。波長と関係
しているコリメート角θcolが櫛形電極の重なり幅以
上であるような波長をもつ弾性表面波だけが拡散せずに
基材110を周回できる。
【0069】また、本実施の形態の弾性表面波素子を用
いた電気信号処理装置では、入力用電極120a,12
0bに高周波電源123が接続されている。しかしなが
ら、本発明はこのような構成に限定されない。例えば、
高周波電源123の代わりに、高周波の電波を受信する
アンテナを入力用電極120a,120bに接続しても
よい。
【0070】アンテナに接続された電気信号処理装置を
周波数フィルタとして使用する例を説明する。アンテナ
に高周波の電波が受信されると、高周波電源123が接
続されていた場合と同様に、櫛形電極121,122に
電界が発生し、弾性表面波が励起される。櫛形電極12
1,122は、電界が発生したとき、特定の周波数をも
つ弾性表面波のみが励起されるように形成されている。
櫛形電極の形状によって特徴づけられた周波数成分のみ
が励起される。この弾性表面波に応じた電気信号が出力
用電極から出力される。
【0071】次に、本発明の第2の実施の形態の弾性表
面波素子と、この弾性表面波素子を用いた本発明の実施
の形態に係わる電気信号処理装置と、この電気信号処理
装置を用いた本発明の実施の形態に係わる環境評価装置
とを説明する。図9は弾性表面波素子と、弾性表面波素
子を用いた電気信号処理装置の構成を示す図である。弾
性表面波素子は単結晶の水晶で形成されている球状の基
材210を有している。基材210は石英ガラスで形成
されている基台221に保持されている。基台221に
は基材210の球面の一部に適合する凹部222が設け
られている。凹部222は基材210を透視して示され
ている。基材210は凹部222に嵌合している。本実
施の形態では、基材210の半径及び凹部222の曲率
半径はともに5mmである。
【0072】凹部222にはハッチングで示されている
櫛形電極223が形成されている。櫛形電極223は弾
性表面波励起手段として用いられている。基材210と
櫛形電極223は弾性表面波素子を構成している。櫛形
電極223は基台221の表面に積層された厚さ500
Åのクロムの層と、クロムの層の上に積層された厚さ1
500Åの金の層とを有している。これらの層は熱蒸着
により形成され、その後フォトリソグラフィーにより櫛
形のパターンが形成されるようにパターニングされてい
る。櫛形電極223はその他の形成方法により形成され
てもよい。例えば、導電性の箔を櫛形に切り抜きこれを
凹部222に貼り付けてもよい。また、印刷、スパッタ
リング、ゾルゲル法等を用いてもよい。
【0073】櫛形電極223はこれに電気信号が入力さ
れたときに、後に述べるように、円環状表面に沿って伝
搬しこの電気信号に応じた弾性表面波を励起する。この
ように弾性表面波を励起するとともに、櫛形電極223
は、円環状表面に沿って伝搬する弾性表面波がこの櫛形
電極に入射したときにこの弾性表面波に応じた電気信号
を発生する。
【0074】櫛形電極223にはインピーダンスマッチ
ング回路224を介してサーキュレータ225、発信器
226、アンプ227、ディジタルオシロスコープ22
8が接続されている。インピーダンスマッチング回路2
24は櫛形電極223に設けられた入出力用電極220
a,220bに接続されている。入出力用電極220
a,220bは、櫛形電極223に所定の電気信号を入
力するとともに、櫛形電極223により発生された電気
信号を出力する。入出力用電極220a,220bは入
出力部として用いられている。櫛形電極223に入力さ
れる電気信号は発信器226により発生され、櫛形電極
223により発生された電気信号はディジタルオシロス
コープ228に入力される。基材210と櫛形電極22
3と入出力用電極220a,220bとは電気信号処理
装置を構成している。本実施の形態では、電気信号処理
装置は、周波数が15.1MHzの狭帯域周波数フィル
タを形成する。
【0075】水晶の基材210のZ軸は水平にされてい
る。基材210は、経路aに沿って櫛形電極223の電
極片が並ぶように凹部222に対して位置決めされてい
る。第1の実施の形態で説明したように、経路aはZ軸
を地軸としたときの赤道である。
【0076】櫛形電極223の電極周期は以下のように
して設定される。以下、基材210を等方性の材料で形
成されていると見なす。水晶の結晶のYカット面のX軸
伝搬のレイリー波の位相速度は3160m/sである。
上述したように周波数が15.1MHzになるように電
極周期を設定する。波数パラメータは150になるよう
にする。ことから弾性表面波の波長は3160m/s÷
15.1MHz=209.3μmである。従って、電極
周期を0.209mmに設定する。
【0077】弾性表面波が拡散しないような重なり幅は
以下のようにして設定される。基材210の周囲長は3
1.415mmである。150である波数パラメータに
対応するコリメート角θcolは、第1の実施の形態の
数値計算から7.0°である。コリメート角の定義から
重なり幅は、 重なり幅=(2×θcol/360)×周囲長 =(2×7.0/360)×31.415=1.22 従って、重なり幅を1.22mmに設定する。
【0078】水晶の基材210の表面には5000Åの
樹脂薄膜が形成されている。櫛形電極223に電圧を印
加すると、櫛形電極223は電界を発生する。この電界
は、樹脂薄膜を通過し、凹部222に対向している基材
210の表面に印加される。これに対して、基台に凹部
が設けられておらず、平板状の基台に櫛形電極が形成さ
れ、これらが基材210に対向している場合は、電界は
基材210の表面の比較的狭い領域にしか印加されな
い。
【0079】尚、樹脂薄膜は基材210の周りの環境の
変化に応じて物性が変化する材料で形成されていてもよ
い。また、特定の物質と反応して物性が変化する材料で
形成されていてもよい。
【0080】基材210の表面に電界が印加されると、
水晶の圧電効果により基材210の表面上の円環状表面
211に沿って伝搬する弾性表面波が励起される。円環
状表面211は経路aに沿って延びている。櫛形電極2
23の近傍での円環状表面211の幅は櫛形電極223
の重なり幅とほぼ等しい。
【0081】基材210の表面に形成された樹脂薄膜と
櫛形電極223との間には粒径10μmの樹脂粒子が分
散している。これにより、櫛形電極223が円環状表面
211から離間しているので、励起された弾性表面波は
櫛形電極223等により反射されたり散乱されたりしな
い。櫛形電極223と円環状表面211との間隔は電極
周期の1/4以下が望ましい。本実施の形態では、この
間隔は約10μmであり、電極周期は0.209mmで
ある。
【0082】所定の条件が揃った場合、樹脂薄膜を導波
管として弾性波が励起される場合がある。このようなモ
ードの弾性波も本実施の形態の弾性表面波に含まれる。
【0083】上記のように設定された電極周期と重なり
幅をもつ櫛形電極223に、信号振幅20V、時間幅2
ナノ秒のインパルス信号を1ミリ秒置きに入力して、そ
の出力信号の観測を20MHzのローパスフィルターを
通して測定した波形を図10に示す。雑音信号が非常に
小さく、10回まで周回することが確認できた。
【0084】また、この周波数フィルタとして用いられ
ている電気信号処理装置の入出力用電極220a,22
0bに15MHzと10MHzの周波数が混合した電気
信号を入力した。入出力用電極220a,220bから
出力された電気信号をディジタルオシロスコープ228
で捉え、電気信号の周波数分析を行ったところ、15M
Hzの周波数成分のみが観測され、10MHzの周波数
成分は除去されることが確認された。
【0085】次に、本発明の実施の形態に係わる環境評
価装置を説明する。環境評価装置は入出力用電極220
a,220bを有する上述の電気信号処理装置を備えて
いる。ここでは、基材210の周りの環境を評価しよう
としている。環境評価装置は、この電気信号処理装置に
より出力された電気信号の周波数、この電気信号の強
度、及び電気信号処理装置に電気信号が入力されてから
電気信号処理装置により電気信号が出力されるまでの時
間の内の少なくとも1つに基づいて基材210の周りの
環境を評価する処理部をさらに備えている。環境を評価
する、とは温度や湿度などのこの環境の状態を決定する
物理量を得ることである。この処理部は入出力用電極2
20a,220bに接続されている。
【0086】ところで、ここで用いられている電気信号
処理装置に図10を用いて説明したインパルス信号と同
じ信号を入力すると、基材210の周りの温度の変化に
応じて、このインパルス信号を入力してから基材210
を4周目した信号が電気信号処理装置から出力されるま
での時間(遅延時間)が変化することが確認されてい
る。
【0087】環境評価装置の説明に戻る。処理部は予め
遅延時間と温度の対応関係を記憶しているメモリを有し
ている。上記インパルス信号が入出力用電極220a,
220bに入力されると、処理部は遅延時間を検出し、
メモリに記憶された対応関係を用いて温度を得る。この
ようにして処理部は遅延時間に基づいて温度を評価す
る。
【0088】また、ここで用いられている電気信号処理
装置に所定の電気信号を入力し、基材210を加湿した
ところ、急激に電気信号の出力が低下することが確認さ
れた。これは基材210の表面に結露が生じ、弾性表面
波の伝搬が妨げられたことに起因している。湿度と電気
信号の出力の対応関係を記憶するメモリを有する処理部
を用意すれば、湿度を評価できる。
【0089】また、環境変化検地装置は周波数を利用し
ても基材210の周りの環境を評価できる。
【0090】次に、環境評価装置の別の実施の形態を説
明する。環境評価装置は本第2の実施の形態の弾性表面
波素子を有する電気信号処理装置を用いている。ここで
は、基材210が置かれていた環境を評価しようとして
いる。基材210は基台221に着脱可能に保持され
る。基材210の表面には特定の化学物質と反応して硬
度を増す反応膜が形成されている。このような反応膜に
ついては多くの研究がなされている。先ず、基材210
を評価したい化学物質にさらさせる環境に置く。このと
き、反応が起こり、化学物質の濃度等に応じて反応膜の
硬度が増す。この後、基材210を基台221に保持さ
せ、弾性表面波の周波数や速度を処理部に入力する。反
応膜の硬度に応じて弾性表面波の周波数や速度は決ま
る。処理部はこれを利用して化学物質の濃度等の性質を
評価することができる。即ち、基材210が置かれてい
た環境を評価できる。
【0091】生体内の生体物質、例えば消化器系の生体
物質の評価に用いる場合には、多数の基材210を経口
投与する。これらの基材210は排泄物から取り出され
る。ここで、基材210が置かれていた環境は生体内で
ある。このとき、経口投与した基材210の全てを回収
する必要はない。回収された基材210を用いて上述し
たのと同様にして生体物質の性質を評価することができ
る。このような評価には多数の基材210が必要である
が、基材210は殆ど加工を要しないために非常に安価
であるので、このような評価にかかるコストは比較的低
い。これに対して、第1の実施の形態のように基材11
0に櫛形電極121,122が形成されているものをこ
のような評価に用いる場合には、このような評価にかか
るコストは比較的高くなる。
【0092】尚、櫛形電極は、第1の実施の形態の弾性
表面波素子のように、基台221ではなく、基材210
に設けられていてもよい。
【0093】次に、本発明の第3の実施の形態の弾性表
面波素子を説明する。本実施の形態の構成の大部分は、
基本的に第2の実施の形態の構成の大部分と同じであ
る。本実施の形態において、第2の実施の形態の図9を
参照して説明した構成部材と実質的に同一の構成部材
は、第2の実施の形態の対応する構成部材を指示してい
た参照符号と同じ参照符号を付して詳細な説明を省略す
る。
【0094】本実施の形態の構成が第2の実施の形態の
構成と異なる点は、基材210に樹脂薄膜が設けられて
いないことである。図11は基台221の斜視図であ
る。基台221には、樹脂粒子の代わりに、櫛形電極2
23と基材210を離間させるためのスペーサ331,
332が設けられている。スペーサ331,332は櫛
形電極223の櫛形が形成されている部分の両側に配置
されており、弾性表面波の伝搬に影響を与えないように
設けられている。
【0095】図12は基台221を図11のL12−L
12断面線で切断した断面図であり、スペーサ331,
332に基材210が保持されている。L12−L12
断面線は2つのスペーサ331,332を貫き、櫛形電
極223が弾性表面波を出力する方向に対して直交する
方向に延びている。この間隔は第2の実施の形態と同様
に櫛形電極223の電極周期の1/4以下が望ましい。
本実施の形態では、この間隔は10μmである。
【0096】円環状表面211の両側に2つのスペーサ
331,332がそれぞれ接している基材210の2つ
の部分があり、これらの部分は円環状表面211から離
れている。これにより、弾性表面波は散乱したり反射さ
れたりせずに円環状表面211を伝搬できる。
【0097】本実施の形態では、櫛形電極223の櫛形
が形成されている部分の両側に2つのスペーサが設けら
れているが、本発明はこれに限定されない。例えば両側
に2つずつ設けられていてもよい。あるいは、微小な樹
脂の粒子を基材210と櫛形電極223の間に分散させ
ても比較的よいスペーサになり得る。
【0098】次に、本発明の第4の実施の形態の弾性表
面波素子を説明する。本実施の形態の構成の大部分は、
基本的に第3の実施の形態の構成と同じである。本実施
の形態において、第3の実施の形態の図11及び図12
を参照して説明した構成部材と実質的に同一の構成部材
は、第3の実施の形態の対応する構成部材を指示してい
た参照符号と同じ参照符号を付して詳細な説明を省略す
る。
【0099】本実施の形態では、第3の実施の形態の基
台221の代わりに、基台421を用いている。図13
は基台421の斜視図である。基台421の上面には縦
方向に延びている角柱状の電極片u1,v1,u2,v
2,u3,v3,u4がこの順に横方向に並んでいる。
これらの電極片は櫛形電極を形成している。これらの電
極片の上面にわたって、基材210の球面の一部沿った
形状をもつ凹面が形成されている。電極片u1,v1,
u2,v2,u3,v3,u4内の隣り合う電極片はそ
れぞれ別の電極に接続される。即ち、電極片u1,u
2,u3,u4は電極435に、電極片v1,v2,v
3は電極436にそれぞれ接続されている。電極43
5,436は所定の回路を介してインピーダンスマッチ
ング回路224に接続されている。電極片u1,v1,
u2,v2,u3,v3,u4と電極435,436は
弾性表面波励起手段として用いられている。
【0100】基台421の上面には基材210を保持す
るための4つの保持部材431,432,433,43
4が設けられている。保持部材431,432,43
3,434に基材210が保持されるとき、基材210
は、円環状表面211が電極片u1,v1,u2,v
2,u3,v3,u4の上面にわたって対向し、円環状
表面211が、櫛形電極により弾性表面波が出力される
方向に延びるように位置決めされる。電極片u1,v
1,u2,v2,u3,v3,u4の上面と基材210
の表面との間隔は、これらが対向する全ての部分にわた
って一定である。この間隔は第3の実施の形態の櫛形電
極223と基材210の表面との間隔と同じである。保
持部材431,432,433,434は円環状表面2
11の両側に位置する。
【0101】このように弾性表面波素子を構成しても、
第3の実施の形態と同様の効果が得られる。
【0102】次に、本発明の第5の実施の形態の弾性表
面波素子を説明する。図14(A)は、弾性表面波の励
起と検出に使用される装置の全体を概略的に示す平面図
である。図14(B)は基材10の拡大された側面図で
ある。
【0103】本実施の形態では球状の基材10はLiN
bOの単結晶で形成されているが、その他の単結晶、
例えば三方晶系に属する水晶、LiTaO等の単結晶
であってもよい。第1の実施の形態の水晶で形成された
基材110と同様に、LiNbOの基材10の円環状
表面10bは、図5に示すように、Z軸を地軸として赤
道上の経路a、と経線上の経路b1,b2,b3とに沿
って形成され得る。経路a,b1,b2,b3の内の少
なくとも2つの経路に沿って弾性表面波を伝搬させても
よい。本実施の形態では、円環状表面10bは経路aに
沿って形成されている。
【0104】経路aと基材10の表面沿い直交する方向
の所定の範囲wには弾性表面波を発生させるようレーザ
照射手段14からレーザ光が照射される。所定の範囲w
は円環状表面10bを規定している。
【0105】レーザ照射手段14は、YAGパルスレー
ザー光源14aから出射されたレーザービームLをスプ
リッタ14bにより2つに分割し、分割された一方のレ
ーザービームL1を、遅延素子14cを介して第1の副
回動反射鏡14dに導き、第1の副回動反射鏡14dか
らさらに主回動反射鏡14eに導き、主回動反射鏡14
eから基材10の外周面の所定の範囲wに照射してい
る。分割された他方のレーザービームL2は反射鏡14
f及びブラグセル(Bragg cell)14gを介
して第2の副回動反射鏡14hに導かれ、第2の副回動
反射鏡14hからさらに主回動反射鏡14eに導かれ、
主回動反射鏡14eから基材10の表面の所定の範囲w
に照射されている。
【0106】2つのレーザービームL1,L2は、所定
の範囲wにおいて熱弾性効果を伴う干渉縞を発生させる
よう第1の副回動反射鏡14d,第2の副回動反射鏡1
4h,そして主回動反射鏡14eにより位置決めされ
る。
【0107】円環状表面10bを含む基材10の表面に
はレーザ吸収部材として用いられている金の膜が施され
ている。レーザ吸収部材は弾性表面波励起手段を形成し
ている。レーザービームL1,L2が基材の表面の所定
の範囲wで重なると干渉縞が発生する。このとき、金の
膜にレーザービームL1,L2が吸収される。この結
果、熱弾性効果により所定の範囲wにおいて弾性表面波
が励起される。励起された弾性表面波は円環状表面10
bに沿って経路aに沿った矢印Yで示す方向に拡散せず
に周回する。
【0108】本実施の形態ではレーザ吸収部材を用いて
いるが、基材がレーザ光を吸収する材料で形成され、基
材の表面でレーザ光が吸収され弾性表面波が励起される
場合は、レーザ吸収部材を用いなくともよい。
【0109】このように、レーザ光の干渉縞を利用して
弾性表面波を発生する方法は、走査干渉縞(SIF)法
(H.Nishino,Y.Tsukahara,Y.
Nagata,T.Koda and K.Yaman
aka;Appl.Phys.Lett.32,199
3,2036:K.Yamanaka,O.Kolos
ov,H.Nishino,Y.Tsukahara,
Y.Nagata,and T.Toda;J.App
l.Phys.74,1993,6511)として知ら
れている。
【0110】本実施の形態の弾性表面波素子はレーザ光
の干渉縞を利用しているので、第1の実施の形態のよう
に円環状表面に弾性表面波を散乱や反射させるもの、例
えば櫛形電極が接触しない。干渉縞を用いて励起される
弾性表面波の波長は干渉縞の間隔に応じている。干渉縞
の間隔は容易に変えることができるので、比較的容易に
所望の波長をもつ弾性表面波を励起できる。これに対し
て、櫛形電極を用いた弾性表面波素子では特定の波長の
代わりに別の波長をもつ弾性表面波を励起するためには
別の櫛形電極を用意する必要がある。
【0111】図14(A)の装置はさらに、球状の基材
10の円環状表面10b中に発生し円環状表面10b中
を上述した如く伝搬する弾性表面波を非接触で検出する
ための検出手段16を備えている。検出手段16は、A
rレーザー光源16aと、Arレーザー光源16aから
出射されたレーザービームRを球状の基材10の円環状
表面10b中で2つのレーザービームL1,L2が照射
される位置から離れた位置へと導く種々の光学部材16
bと、上記離れた位置で反射されたレーザービームR´
をArレーザー光検出器(APD)16eに導く光学部
材16c及びナイフエッジ16dを備えている。
【0112】図14(A)に示されている装置の動作を
説明する。3mmの直径の2本のYAGレーザービーム
L1,L2が基材10の表面の所定の範囲w(図14
(B))に対し略直角に向けられており、一方のYAG
レーザービームL1に対し他方のYAGレーザービーム
L2はブラグセル14gを使用して30MHzだけ周波
数が偏移されている。異なった周波数を伴った2本のレ
ーザービームL1,L2の干渉により、基材10の表面
の所定の範囲w(図14(B))において2本のレーザ
ービームL1,L2が照射された部分に走査干渉縞が形
成される。第1の副回動反射鏡14d,第2の副回動反
射鏡14h,さらに主回動反射鏡14eのような機械的
な調整手段により、干渉縞の平均間隔が弾性表面波の波
長に等しくされるとともに、干渉縞の走査速度は弾性表
面波の平均位相速度に等しくされ、干渉縞と弾性表面波
との位相の整合が行われる。レーザービームL1,L2
は、干渉縞と弾性表面波との間の長い相互作用時間を達
成するために、100ns程度の特別に設計された長い
パルスを有している。長い相互作用時間は、バルク超音
波(BAW)を抑制(K.Yamanaka:Jpn.
Appl.Phys.36,1997,2939)する
一方で、SAWの選択的な発生と増幅のためには必須で
あると考えられる。
【0113】弾性表面波は干渉縞に対して直角な、基材
10の経路a(図14(B))に沿い、所定の範囲wの
円環状表面10b(図14(B))中を繰り返し伝搬す
る。次に弾性表面波は、干渉縞から所定の距離だけ離れ
た位置で集光されたArレーザーを用いた光学的ナイフ
エッジ法による検出手段16によりに検出される。
【0114】本実施の形態の弾性表面波素子はレーザ光
の干渉縞を利用しているので、第1の実施の形態のよう
に円環状表面に弾性表面波を散乱や反射させるもの、例
えば櫛形電極が接触しない。干渉縞を用いて励起される
弾性表面波の波長は干渉縞の間隔に応じている。干渉縞
の間隔は容易に変えることができるので、比較的容易に
所望の波長をもつ弾性表面波を励起できる。これに対し
て、櫛形電極を用いた弾性表面波素子では特定の波長の
代わりに別の波長をもつ弾性表面波を励起するためには
別の櫛形電極を用意する必要がある。
【0115】尚、本発明は上述した実施の形態に限定さ
れるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲内にお
いて種々の変形や応用が可能であることは勿論である。
【0116】
【発明の効果】以上詳述したことから明らかなように、
結晶材料で形成された基材を用い、より性能の優れた弾
性表面波素子、弾性表面波素子を用いた電気信号処理装
置、及び電気信号処理装置を用いた環境評価装置を提供
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における弾性表面波
素子と、この弾性表面波素子を用いた本発明の実施の形
態における電気信号処理装置との構成を示す図である。
【図2】弾性表面波の振幅を計算するために用いた座標
系を示す図である。
【図3】(A)、(B)、(C)及び(D)は、図2の
座標系を使用して作成された式により計算された波数パ
ラメータm(円周の長さと弾性表面波の波長の比)と開
口半角(振動手段を設ける幅の1/2)を変えて得られ
た弾性表面波が球状の基材の表面を伝搬する4つの状態
を概略的に示す図である。
【図4】水晶の結晶軸を示す図である。
【図5】弾性表面波が伝搬する経路を示す図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態における弾性表面波
素子の櫛形電極の平面図である。
【図7】図6の櫛形電極の変形例の平面図を変形した図
である。
【図8】櫛形電極のフォトマスクの穴の平面図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態における弾性表面波
素子と、この弾性表面波素子を用いた電気信号処理装置
の構成を示す図である。
【図10】図9の弾性表面波素子で測定された弾性表面
波の波形を示す図である。
【図11】本発明の第3の実施の形態における弾性表面
波素子の基台の斜視図である。
【図12】図11のL12−L12断面線で切断した基
台の断面図である。
【図13】本発明の第4の実施の形態における弾性表面
波素子の基台の斜視図である。
【図14】(A)は弾性表面波の励起と検出に使用され
る装置の全体を概略的に示す平面図であり、(B)は基
材の拡大された側面図である。
【符号の説明】
10 基材 10b 円環状表面 14 レーザ照射手段 14a YAGパルスレーザー光源 14b スプリッタ 14c 遅延素子 14d 第1の副回動反射鏡 14e 主回動反射鏡 14f 反射鏡 14g ブラグセル 14h 第2の副回動反射鏡 16 検出手段 16a レーザ光源 16b 光学部材 16e レーザ光検出器 16c 光学部材 16d ナイフエッジ 111 円環状表面 120a,120b 入力用電極(入力部) 121,122 櫛形電極 123 高周波電源 125,126 櫛形電極 211 円環状表面 220a,220b 入出力用電極(入出力部) 221 基台 222 凹部 223 櫛形電極 224 インピーダンスマッチング回路 225 サーキュレータ 226 発信器 227 アンプ 228 ディジタルオシロスコープ 331,332 スペーサ 421 基台 431,432 保持部材 435,436 電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 塚原 祐輔 東京都台東区台東1丁目5番1号 凸版印 刷株式会社内 (72)発明者 山中 一司 宮城県仙台市泉区桂2−6−3 Fターム(参考) 5J097 AA23 BB01 CC15 DD04 EE01 EE08

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも球面の一部で形成されていて
    円環状に連続している円環状表面を有しており、単結晶
    で形成されている基材と、 前記円環状表面に沿って伝搬する弾性表面波を励起する
    弾性表面波励起手段とを備えていることを特徴とする弾
    性表面波素子。
  2. 【請求項2】 前記円環状表面は、前記基材を形成しい
    ている単結晶の結晶方位で決まる所定の経路に沿って形
    成されていることを特徴とする請求項1に記載の弾性表
    面波素子。
  3. 【請求項3】 前記基材の少なくとも一部は、圧電性材
    料で形成されていることを特徴とする請求項1又は2に
    記載の弾性表面波素子。
  4. 【請求項4】 前記基材を形成しいている単結晶の結晶
    系は、三方晶系であることを特徴とする請求項1乃至3
    いずれか1項に記載の弾性表面波素子。
  5. 【請求項5】 前記基材を形成しいている単結晶は、水
    晶であることを特徴とする請求項4に記載の弾性表面波
    素子。
  6. 【請求項6】 前記基材を形成しいている単結晶は、L
    iNbOの単結晶およびLiTaOの単結晶からな
    る群から選択される単結晶であることを特徴とする請求
    項4に記載の弾性表面波素子。
  7. 【請求項7】 前記基材を形成しいている単結晶の結晶
    系は三方晶系であり、結晶方位で決まる前記所定の経路
    は、球面と、この球面の中心を通り、前記三方晶系の単
    結晶のZ軸と直交する平面との交線を含んでいることを
    特徴とする請求項4乃至6いずれか1項に記載の弾性表
    面波素子。
  8. 【請求項8】 前記基材を形成しいている単結晶の結晶
    系は三方晶系であり、結晶方位で決まる前記所定の経路
    は、球面と、この球面の中心を通り、前記三方晶系の単
    結晶のZ軸と平行な平面との交線を含んでいることを特
    徴とする請求項4乃至7いずれか1項に記載の弾性表面
    波素子。
  9. 【請求項9】 前記弾性表面波励起手段により励起され
    る弾性表面波の波長が、基材の球面の半径の1/10以
    下であることを特徴とする請求項1乃至8いずれか1項
    に記載の弾性表面波素子。
  10. 【請求項10】 前記弾性表面波励起手段は、前記円環
    状表面に沿って設けられ、高周波電源に接続される櫛形
    電極を含んでいることを特徴とする請求項1乃至9いず
    れか1項に記載の弾性表面波素子。
  11. 【請求項11】 前記櫛形電極は前記円環状表面から離
    間していることを特徴とする請求項9に記載の弾性表面
    波素子。
  12. 【請求項12】 前記櫛形電極の重なり幅は、前記基材
    の球面の直径の半分以下でこの球面の半径の1/100
    以上であることを特徴とする請求項10又は11に記載
    の弾性表面波素子。
  13. 【請求項13】 前記弾性表面波励起手段は、前記円環
    状表面に設けられ、レーザ光を吸収し熱弾性効果により
    弾性表面波を励起するレーザ吸収部材を有していること
    を特徴とする請求項1乃至9いずれか1項に記載の弾性
    表面波素子。
  14. 【請求項14】 請求項1乃至12いずれか1項に記載
    の弾性表面波素子と、 所定の電気信号を前記弾性表面波励起手段に入力し、こ
    の結果弾性表面波励起手段は前記円環状表面に沿って伝
    搬する弾性表面波を励起する入力部と、 この円環状表面に沿って伝搬する弾性表面波を検出する
    検出手段と、 前記検出手段により検出された弾性表面波に応じた電気
    信号を出力する出力部とを備えていることを特徴とする
    電気信号処理装置。
  15. 【請求項15】 請求項10乃至12いずれか1項に記
    載の弾性表面波素子を備えている電気信号処理装置であ
    って、 前記櫛形電極は、電気信号が入力されたときに前記円環
    状表面に沿って伝搬する弾性表面波を励起し、前記円環
    状表面に沿って伝搬する弾性表面波がこの櫛形電極に入
    射したときにこの弾性表面波に応じた電気信号を発生
    し、 この電気信号処理装置は、前記櫛形電極に所定の電気信
    号を入力するとともに、この櫛形電極により発生された
    電気信号を出力する入出力部をさらに備えていることを
    特徴とする電気信号処理装置。
  16. 【請求項16】 請求項14又は15に記載の電気信号
    処理装置と、 前記電気信号処理装置により出力された電気信号の周波
    数、この電気信号の強度、及び前記電気信号処理装置に
    電気信号が入力されてから前記電気信号処理装置により
    電気信号が出力されるまでの時間の内の少なくとも1つ
    に基づいて前記基材の周りの環境又は前記基材が置かれ
    ていた環境を評価する処理部をさらに備えていることを
    特徴とする環境評価装置。
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