JP2003115707A - 表面波伝送線路 - Google Patents

表面波伝送線路

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高耐熱性で吸湿寸法安定性、熱寸法安定性に
優れるとともに、低誘電率、低誘電損失などの電気的性
質に優れ、しかも低吸湿性で、吸湿により影響を受け難
い安定した高周波特性を有する表面波伝送線路を提供す
る。 【解決手段】 表面波伝送線路は、光学的に異方性の溶
融相を形成し得る熱可塑性液晶ポリマーからなる誘電体
6を媒質とする。また、金属からなる支持体上に、光学
的に異方性の溶融相を形成し得る熱可塑性液晶ポリマー
からなる誘電体6が接合されてなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学的に異方性の
溶融相を形成し得る熱可塑性ポリマー(以下、これを熱
可塑性液晶ポリマーと略称することがある)からなる誘
電体を媒質とする表面波伝送線路に関する。本発明によ
る表面波伝送線路は、媒質となる誘電体を形成する熱可
塑性液晶ポリマーに由来する優れた低吸湿性、耐熱性、
耐薬品性、および電気的性質を有し、特に低誘電率、低
誘電損失であって高周波回路、プリント配線基板などに
適している。
【0002】
【従来の技術】近年、PC(パーソナルコンピュータ)
などの情報処理分野、携帯電話などの無線通信分野の発
展は目覚ましい。これらの分野において情報処理速度を
向上させるには、伝播速度の向上、ミリ波領域での低伝
送損失を実現するために低誘電率、低誘電損失である表
面波伝送線路が有用である。
【0003】表面波伝送線路は、図1の(a)〜(d)
に示すように、誘電体または誘電体と金属とから構成さ
れており、電磁波が誘電体と空気の境界面、または誘電
体と金属との境界面で全反射を繰り返しながら誘電体の
表面を進んでいく線路である。この表面波伝送線路は、
金属の壁で囲まれた導波管に比べて、製造コストが安
い、自由に曲げることが可能である、などの点で優れ
ている。
【0004】従来、表面波伝送線路を構成する誘電体と
しては、多数の空隙を設けて、極力、誘電体損失を少な
くした物、一般にはポリスチレンを空気泡で薄めた発泡
ポリスチレンが使用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来表面波
伝送線路の誘電体として用いられている発泡ポリスチレ
ンは、吸湿に伴い高周波特性が悪化していくことから、
屋外設置、車載用といった過酷な環境での使用において
は安定した特性を維持できず、民生用電子機器の要求と
は必ずしも合致しない。このため、民生用電子機器に適
用できるようにするには、低吸湿性で、吸湿により影響
を受け難い安定した高周波特性を有する表面波伝送線路
が求められている。
【0006】本発明は、低誘電率、低誘電損失などの電
気的性質に優れ、しかも低吸湿性で、吸湿により影響を
受け難い安定した高周波特性を有する表面波伝送線路を
提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記の
課題は、熱可塑性液晶ポリマーからなる誘電体を媒質と
する表面波伝送線路を提供することによって解決され
る。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明において、誘電体を構成す
る熱可塑性液晶ポリマーは特に限定されるものではない
が、その具体例として、以下に例示する(1)から
(4)に分類される化合物およびその誘導体から導かれ
る公知のサーモトロピック液晶ポリエステルおよびサー
モトロピック液晶ポリエステルアミドを挙げることがで
きる。但し、光学的に異方性の溶融相を形成し得るポリ
マーを得るためには、各々の原料化合物の組み合わせに
は適当な範囲があることは言うまでもない。
【0009】(1)芳香族または脂肪族ジヒドロキシ化
合物(代表例は表1参照)
【0010】
【表1】
【0011】(2)芳香族または脂肪族ジカルボン酸(代
表例は表2参照)
【0012】
【表2】
【0013】(3)芳香族ヒドロキシカルボン酸(代表
例は表3参照)
【0014】
【表3】
【0015】(4)芳香族ジアミン、芳香族ヒドロキシ
アミンまたは芳香族アミノカルボン酸(代表例は表4参
照)
【0016】
【表4】
【0017】これらの原料化合物から得られる熱可塑性
液晶ポリマーの代表例として表5に示す構造単位を有す
る共重合体(a)〜(e)を挙げることができる。
【0018】
【表5】
【0019】また、本発明に使用される熱可塑性液晶ポ
リマーの融点は、耐熱性および加工性の点で、200〜
400℃の範囲内、とりわけ250〜350℃の範囲内
であることが好ましい。
【0020】本発明の表面波伝送線路における誘電体
は、熱可塑性液晶ポリマーの成形体によって構成される
が、熱可塑性液晶ポリマーのフィルムを使用して形成す
ることが好ましい。誘電体の形状には特に制限はない
が、その断面が、円形、多角形、中空円などの形状であ
るものが、製造が容易であることから好ましい。誘電体
は、打ち抜きまたは裁断によって熱可塑性液晶ポリマー
のフィルムを所定の形状とすることによって作製しても
よいし、所定形状とした熱可塑性液晶ポリマーのフィル
ムを複数枚重ねて熱圧着することによって作製してもよ
い。
【0021】上記において使用される熱可塑性液晶ポリ
マーフィルムは、公知の方法によって製造することがで
きるが、Tダイ法、インフレーション法などによって製
造することが工業的に有利である。特にインフレーショ
ン法は、フィルムの機械軸方向(以下、MD方向と略称
する)だけでなく、これと直交する方向(以下、TD方
向と略称する)にも応力が加えられ、MD方向とTD方
向との間における機械的性質および熱的性質のバランス
のとれたフィルムが得られるので、より好適である。
【0022】また、熱可塑性液晶ポリマーフィルムのな
かでも、分子配向度SORが1.3以下の熱可塑性液晶
ポリマーフィルムは、MD方向とTD方向との間におけ
る機械的性質および熱的性質のバランスが良好であるの
で好ましく、分子配向度SORが1.03以下であるも
のがより好ましい。
【0023】ここで、分子配向度SOR(Segment Ori
entation Ratio)とは、分子配向の度合いを与える指
標をいい、従来のMOR(Molecular Orientation R
atio)とは異なり、物体の厚さを考慮した値である。こ
の分子配向度SORは、以下のように算出される。
【0024】まず、周知のマイクロ波分子配向度測定機
において、液晶ポリマーフィルムを、マイクロ波の進行
方向にフィルム面が垂直になるように、マイクロ波共振
導波管中に挿入し、フィルムを透過したマイクロ波の電
場強度(マイクロ波透過強度)を測定する。
【0025】そして、この測定値に基づいて、次式によ
り、m値(屈折率)を算出する。m=(Zo/△z)
X [1−νmax/νo]ただし、 Zoは装置定数、△
z は物体の平均厚、νmaxはマイクロ波の振動数を変化
させたとき、最大のマイクロ波透過強度を与える振動
数、νoは平均厚ゼロのとき(すなわち物体がないと
き)の最大マイクロ波透過強度を与える振動数である。
【0026】次に、マイクロ波の振動方向に対する物体
の回転角が0°のとき、つまり、マイクロ波の振動方向
と、物体の分子が最もよく配向されている方向であっ
て、最小マイクロ波透過強度を与える方向とが合致して
いるときのm値をm0、回転角が90°のときのm値を
90として、分子配向度SORがm0/ m90により算出
される。
【0027】また、熱可塑性液晶ポリマーフィルムの熱
膨張係数は、用いられる金属の熱膨張係数と実質的に同
一とすることが好ましい。熱可塑性液晶ポリマーフィル
ムの熱膨張係数は、熱可塑性液晶ポリマーフィルムを熱
処理することにより金属の熱膨張係数と実質的に同一に
することができる。
【0028】熱可塑性液晶ポリマーフィルムの熱処理
は、金属と接合する前または後に行ってもよい。熱処理
の手段としては特に制限はなく、熱風循環炉、熱ロー
ル、セラミックヒーター、熱プレスなどを例示すること
ができる。
【0029】また、ヒートサイクルに対する信頼性をよ
り高めるためには、熱可塑性液晶ポリマーフィルムに接
合する金属の熱膨張係数をP×10-6cm/cm/℃と
したときに、熱可塑性液晶ポリマーフィルムの厚さ方向
の熱膨張係数が、(P−10)×10-6cm/cm/℃
から(P+10)×10-6cm/cm/℃の範囲内にな
るように調節することが好ましい。この範囲から外れる
と、金属板と熱可塑性液晶ポリマーフィルムからなる誘
電体との間の界面剥離が発生し易くなる。ここで、銅、
アルミニウムなどの代表的な金属板のP値は11〜30
である。
【0030】熱可塑性液晶ポリマーフィルムは、表面波
伝送線路において誘電体として用いる場合、伝送損失を
小さくするためには厚みが厚いほど良いが、金属との接
着性およびフィルムの剛性や強度の点で、その膜厚は、
10〜150μmの範囲内にあることが好ましく、15
〜75μmの範囲内にあることがより好ましい。熱可塑
性液晶ポリマーフィルムは、複数枚を所定厚みとなるよ
うに積層一体化させて用いることもできる。この場合、
板状またはシート状となってもよい。
【0031】本発明の表面波伝送線路は、図1(a)に
示したように、熱可塑性液晶ポリマーからなる誘電体単
独であってもよいし、図1(b)〜(d)に示したよう
に、熱可塑性液晶ポリマーからなる誘電体が金属からな
る支持体上に接合されたものであってもよい。金属とし
ては、銅、金、銀、ニッケル、アルミニウム、すず、鉛
などが挙げられるが、銅が好ましい。また、金属として
は、ジュラルミン、真鍮などの合金を使用することも可
能である。金属からなる支持体には、通常銅箔に対して
施される酸洗浄などの化学的処理が施されていてもよ
い。金属からなる支持体の形状には特に制限はないが、
筒状、または平面状の形状を有しているのが好ましく、
表面波伝送線路の製造が容易となることから、金属から
なる支持体は平面状の形状を有していることがより好ま
しい。平面状の形状を有する支持体としては、板、シー
ト、フィルムなどが挙げられる。これらの支持体は、貫
通した孔を有していてもよいし、網目状の構造を有して
いてもよい。平面状の支持体は、厚さが10〜1000
μmの範囲内であることが好ましく、20〜350μm
の範囲内であることがより好ましい。金属からなる支持
体は公知の方法で製造することができる。例えば、平面
状の形状を有する支持体の製造方法としては、圧延法、
電気分解法などの公知の方法を採用することができる。
また、金属からなる支持体は、所望により、金属線を織
り上げて製造してもよい。金属からなる支持体が平面状
の形状を有している場合、表面波伝送線路の形状として
は、図1(c)に示されるように、1枚の金属板上の片
面に誘電体が接合された形状、図1(d)に示されたよ
うに、2枚の金属板の間に誘電体が挟み込まれた形状、
または1枚の金属板上の両面上に誘電体が接合された形
状などが可能である。かかる構造を有する表面波伝送線
路は、高周波回路などの基板として利用できるという利
点を有するものであり、特に、1枚の金属板の片面また
は両面に誘電体が接合されてなる形状のものはより好ま
しいものである。
【0032】熱可塑性液晶ポリマーからなる誘電体と金
属からなる支持体とを接合させる方法としては、蒸
着、スパッタリング、めっきなどによって誘電体の表面
の少なくとも一部に金属層を直接形成する方法、真空
プレス装置などを用いて誘電体と金属とを熱圧着する方
法、接着剤を用いて誘電体と金属とを接合する方法な
どが挙げられる。これらの中でも、の方法を利用する
と、熱可塑性液晶ポリマーフィルムから所定形状の誘電
体を成形する工程と、金属との接合工程とを同時に行う
ことができ、能率的である。なお、において使用する
接着剤は、接着剤の誘電率が誘電体の誘電率よりも小さ
くなるようなものを選択する必要がある。
【0033】本発明の表面波伝送線路を高周波回路など
の基板として使用する場合、金属からなる支持体には、
後加工によってスルーホールを形成することができる。
スルーホールを形成する方法としては、ドリルによる加
工と、炭酸ガスレーザー、YAGレーザー、エキシマレ
ーザーなどのレーザーによる加工を用いることができ
る。スルーホール形成時の発熱で、孔内に熱可塑性液晶
ポリマーが溶融析出する場合には、汎用の市販薬剤を用
いて化学的に溶解除去すればよい。
【0034】また、金属からなる支持体におけるスルー
ホールにめっきを施すこともできる。その方法として
は、従来周知の方法を用いることができ、例えば無電解
銅めっきと電解銅によるパターンめっきおよび/または
パネルめっきを順次施す方法などが挙げられる。本発明
の表面波伝送線路は、高周波、特にミリ波(10GHz
〜100GHz)などの伝送線路として有用であり、例
えば、アンテナと増幅器の接続線、レーダーなどに利用
できる。また、本発明の表面波伝送線路は、上記の用途
の他、携帯電話などにも利用できる。
【0035】以下、本発明の実施形態を図面に基づいて
説明する。図1は、本発明にかかる表面波伝送線路を示
す断面図である。この表面波伝送線路5は、媒質である
誘電体6が熱可塑性液晶ポリマーを用いて形成されてお
り、複数枚のフィルム4を積層一体化して所望の形状の
成形体としたものである。図1(a)では、熱可塑性液
晶ポリマーフィルムからなる誘電体6は、その断面が円
形状に成形されているが、円形の他、四角形のような角
形状などに成形してもよい。
【0036】図1(b)では、金属棒7の周囲を熱可塑
性液晶ポリマーからなる誘電体6で覆っている。誘電体
6は熱可塑性液晶ポリマーフィルムから形成することも
できる。
【0037】図1(c)では、金属板8の上に熱可塑性
液晶ポリマーからなる誘電体6が接合されている。ま
た、図1(d)では、2枚の金属板8、8間に熱可塑性
液晶ポリマーからなる誘電体6が挟まれてなる。
【0038】本発明の表面波伝送線路5は、誘電体6が
熱可塑性液晶ポリマーからなるので、高耐熱性で吸湿寸
法安定性、熱寸法安定性に優れるとともに、低誘電率、
低誘電損失などの電気的性質に優れ、しかも低吸湿性
で、吸湿により影響を受け難い安定した高周波特性を有
する。
【0039】図2(a)は、図1(c)の表面波伝送線
路を真空熱プレス装置により製造する際の状態を示して
おり、1は内部に凹状の成形面11が形成された金型、
2は成形面11の開放側に設ける加熱盤である。金属板
3の上に所定形状に裁断された複数枚の熱可塑性液晶ポ
リマーフィルム4を重ねて置き、これらのフィルム4が
成形面11と対向するように、金属板8とフィルム4を
金型1と加熱盤2との間にセットする。セット後には、
真空熱プレス装置にセットして加熱盤2を加熱すること
により、熱可塑性液晶ポリマーフィルム4を互いに積層
一体化させて金属板8の上に接合する。
【0040】また、図2(b)は、図1(d)の表面波
伝送線路を真空熱プレス装置により製造する状態を示し
ており、熱可塑性液晶ポリマーフィルム4を挟んで上下
に金属板8を置き、この金属板8/フィルム4/金属板
8を金型1と加熱盤2との間にセットする。セット後に
は、真空熱プレス装置にセットして加熱盤2を加熱する
ことにより、熱可塑性液晶ポリマーフィルム4を互いに
積層一体化させて金属板8、8に接合する。なお、図1
(b)の表面波伝送線路は、金属棒7に熱可塑性液晶ポ
リマーを押出し被覆する方法、または、金属棒7に熱可
塑性液晶ポリマーフィルム4を巻き付け、熱圧着する方
法などにより製造される。
【0041】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明はこれらの実施例によって何ら制限されるも
のではない。以下の実施例において、熱可塑性液晶ポリ
マーフィルムの融点、膜厚は、以下の方法により測定し
た。
【0042】(1)融点 示差走査熱量計を用いて、フィルムの熱挙動を観察して
得た。つまり、フィルムを20℃/分の速度で昇温して
完全に溶融させた後、溶融物を50℃/分の速度で50
℃まで急冷し、再び20℃/分の速度で昇温した時に現
れる吸熱ピークの位置をフィルムの融点として記録し
た。
【0043】(2)膜厚 膜厚は、デジタル厚み計(株式会社ミツトヨ製)を用
い、得られたフィルムをTD方向に1cm間隔で測定
し、中心部および端部から任意に選んだ10点の平均値
を膜厚とした。
【0044】(3)伝送損失 図3に示す構成の装置を使用して測定した。シンセサイ
ズドスイーパ16、ネットワークアナライザ17および
テストセット18として、それぞれHP8340A、H
P8510B、HP8513(いずれも商品名、ヒュー
レットパッカード株式会社製)を使用した。
【0045】参考例 p−ヒドロキシ安息香酸と6−ヒドロキシ−2−ナフト
エ酸の共重合物で、融点が283℃である熱可塑性液晶
ポリマーを溶融押出し、インフレーション成形法によ
り、融点が280℃、膜厚が50μm、分子配向度SO
Rが1.05のフィルムを得た。
【0046】実施例1 参考例で得た熱可塑性液晶ポリマーフィルム(厚さ、5
0μm)を幅5mmの短冊状に裁断し、得られた短冊状
のフィルムの5枚を金属板8(銅箔)の上に重ね合わせ
て、真空熱プレス装置を用いて、290℃、30kg/
cm2の圧力で加熱圧着して、5枚の熱可塑性液晶ポリ
マーフィルム4を積層一体化してなる誘電体6(幅5m
m、長さ10cm)が金属板8上に接合された表面波伝
送線路5を作製した。
【0047】比較例1 発泡ポリスチレン〔Polyfoam(商品名、ポリフォームパ
ッカーズコーポレーション社製)〕を用いて、真空熱フ゜
レスにより、金属板(銅箔)上に該発泡ポリスチレンから
なる誘電体(幅5mm×高さ250μm×長さ10c
m)が接合されてなる表面波伝送線路を作製した。
【0048】以上の実施例1と比較例1で作製した表面
波伝送線路について、以下の吸湿条件下での伝送損失を
測定した。 吸湿条件:20℃、相対湿度が65%の空気中に96
時間放置した。 吸湿条件:40℃、相対湿度が90%の空気中に96
時間放置した。 吸湿条件:120℃、相対湿度が100%の空気中に
96時間放置した。 結果を表6に示す。
【0049】
【表6】
【0050】以上の表6から明らかなように、比較例1
の表面波伝送線路は吸湿によって伝送損失が大きく変化
するのに対し、実施例1による表面波伝送線路は、吸湿
による影響をほとんど受けず、安定した高周波特性を示
している。
【0051】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、高耐熱
性で吸湿寸法安定性、熱寸法安定性に優れるとともに、
低誘電率、低誘電損失などの電気的性質に優れ、しかも
低吸湿性で、吸湿により影響を受け難い安定した高周波
特性を有する表面波伝送線路を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(d)は本発明にかかる表面波伝送線
路の断面図である。
【図2】真空熱プレス装置により表面波伝送線路を製造
する際の状態を示す概略図である。
【図3】表面波伝送線路の伝送損失を測定する装置の構
成を示すブロック図である。
【符号の説明】
4…熱可塑性液晶ポリマーフィルム、5… 表面波伝送
線路、6… 誘電体、7… 金属棒、8… 金属板。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光学的に異方性の溶融相を形成し得る熱
    可塑性ポリマーからなる誘電体を媒質とする表面波伝送
    線路。
  2. 【請求項2】 金属からなる支持体上に、光学的に異方
    性の溶融相を形成し得る熱可塑性ポリマーからなる誘電
    体が接合されてなる請求項1に記載の表面波伝送線路。
  3. 【請求項3】 誘電体が、光学的に異方性の溶融相を形
    成し得る熱可塑性ポリマーのフィルムからなる請求項1
    または2に記載の表面波伝送線路。
  4. 【請求項4】 フィルムの厚さが10μm〜150μm
    である請求項3に記載の表面波伝送線路。
  5. 【請求項5】 フィルムの分子配向度が1.03以下で
    ある請求項3または4に記載の表面波伝送線路。
  6. 【請求項6】 金属板の上に誘電体が接合されてなる請
    求項2に記載の表面波伝送線路。
  7. 【請求項7】 2枚の金属板の間に誘電体が挟まれてな
    る請求項2に記載の表面波伝送線路。
  8. 【請求項8】 請求項6または7に記載の表面波伝送線
    路を備えた回路基板。
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