JP2003115621A - トンネル磁気抵抗効果素子およびその作製方法 - Google Patents

トンネル磁気抵抗効果素子およびその作製方法

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JP2003115621A JP2001310012A JP2001310012A JP2003115621A JP 2003115621 A JP2003115621 A JP 2003115621A JP 2001310012 A JP2001310012 A JP 2001310012A JP 2001310012 A JP2001310012 A JP 2001310012A JP 2003115621 A JP2003115621 A JP 2003115621A
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magnetic
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Kazuhisa Okano
一久 岡野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電流磁界で書き込み可能であるような所望の
保磁力を持つトンネル磁気抵抗効果素子を提供する。 【解決手段】 垂直磁化膜を持つ強磁性層を重希土類金
属と3d遷移金属との合金膜とし、その合成膜の組成を
変えて垂直磁気異方性定数Kuと飽和磁化Msの値を適当に
調節することにより、電流磁界で書き込み可能であるよ
うな所望の保持力を達成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トンネル磁気抵抗
効果素子およびその作製方法に関し、特に、トンネル磁
気抵抗効果素子をマトリックス状に配置した不揮発固体
磁気記憶装置(MRAM)に用いられるトンネル磁気抵抗効
果素子およびその作製方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、磁性薄膜メモリは、半導体メ
モリと同様に移動部のない固体メモリとして知られてい
る。このような磁性薄膜メモリは、電源が遮断されても
情報が消失しない、情報の繰り返し書き換え回数が無限
回である、放射線が入射しても情報が消失する危険性が
ない等の条件をすべて満たしており、従来の半導体メモ
リと比較して有利な点を数多く持っている。
【0003】中でも、最近において提案されているトン
ネル磁気抵抗(TMR;Tunnel Magneto Resistive)効
果を利用した磁性薄膜メモリは、従来の異方性磁気抵抗
効果、巨大磁気抵抗効果を利用した磁性薄膜メモリと比
較して大きな出力を得ることができるため、特に注目さ
れている。
【0004】トンネル磁気抵抗効果を利用した磁性薄膜
メモリでは、2つの強磁性層が薄い絶縁層(トンネルバ
リア層)によって隔てられ、この2つの強磁性層のスピ
ン分極率の差に応じた磁気抵抗変化が生じる。トンネル
電流の大きさは、2つの強磁性層の磁化が相対的に平行
か、反平行かに依存する。
【0005】図1は、従来のトンネル磁気抵抗効果を利
用した磁性薄膜メモリの一構成例を示す概略図である。
【0006】図1に示すように本従来例の磁性薄膜メモ
リは、保磁力が互いに異なる強磁性層1,3間にトンネ
ルバリア層(絶縁層)2を挟み込んだ構造より成ってい
る。
【0007】上記のように構成された磁性薄膜メモリに
おいては、強磁性層1,3間に電圧4が印加されると、
一方の強磁性層からの電子がトンネルバリア層2を貫通
して他方の強磁性層に進入してトンネル電流を発生させ
る。このトンネル電流の大きさは印加電圧に依存する。
抵抗は強磁性層1,3の両層の磁化の状態に依存し、両
層が相対的に平行のとき最小の抵抗値をとり、反平行の
とき最大の抵抗値をとる。この現象は強磁性層1,3が
面内磁気異方性を持つ場合にも、垂直磁気異方性を持つ
場合にも確認されている(日本応用磁気学会誌 24,563-
566(2000))。
【0008】このような現象を利用した磁性薄膜メモリ
として、MRAM(Magnetic Random Access Memory)
と呼ばれる不揮発性の磁気記憶装置が、日経マイクロデ
バイス P16,P17 2000年3月号などで紹介されている。
【0009】従来では、トンネル磁気抵抗効果膜に用い
る強磁性層にFe,Co,Niなどの面内磁気異方性を持つ強
磁性層を用いたトンネル磁気抵抗効果素子の開発が盛ん
である。
【0010】これに対して、特開平11-213650号公報に
開示されているような垂直磁化膜を用いたトンネル磁気
抵抗効果素子では、素子サイズを小さくしても、反磁界
が生じないため、微細化に優位であることが示されてい
る。
【0011】このような磁気抵抗効果素子をメモリセル
として用いた場合、情報の記録再生には、磁気抵抗効果
素子を形成している磁性膜の磁化方向を変化させる必要
がある。この際に磁性膜の保磁力や磁化反転磁界の大き
さに応じて、ワード線などに流す電流によって磁界を誘
起し、磁化反転を行う必要がある。
【0012】また、特開平09-204470号公報にはメモリ
セルの表面にキーパー層と呼ばれる磁性体を備えさせる
ことにより、書き込み磁界を2倍にできるという報告が
ある。したがって、キーパー層を用いれば、書き込み配
線による限界書き込み磁界は、最大200[Oe]程度と見積
もれる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、メモリ
セルの磁化を書き換えるために必要な磁界である反転磁
界は、ソフト層では10[Oe]〜200[Oe]、ハード層ではソ
フト層よりも10[Oe]程度以上高い磁界、すなわち20[Oe]
〜20[kOe]程度の磁界を必要とする。メモリセルに必要
とされる、そのような反転磁界はメモリセルの持つ物性
値としては、個々の磁性層の保磁力に相当する。
【0014】本発明の目的は、垂直磁化膜を用いたトン
ネル磁気抵抗効果素子への情報の書き込みに関し、電流
磁界で書き込み可能であるような所望の保磁力を持つト
ンネル磁界抵抗効果素子およびその作製方法を提供する
ことにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のトンネル磁気抵抗効果素子は、垂直磁化膜
を重希土類金属と遷移金属との合金膜とし、その組成を
調整することにより所望の保磁力を達成することを特徴
とするものである。
【0016】さらに、本発明のトンネル磁気抵抗効果素
子は、重希土類金属と遷移金属との合金膜にCuなどの非
磁性遷移金属を加えることにより、飽和磁化Msを細かく
制御して所望の保磁力を持つ磁性層を達成することを特
徴とするものである。
【0017】さらに、本発明のトンネル磁気抵抗効果素
子は、重希土類金属と遷移金属との合金膜に飽和磁化Ms
の小さな軽希土類金属を加え、その合金膜中に重希土類
金属としてTb、Dyなどの垂直磁気異方性を高める元素を
加え、組成調整を行うことにより、所望の保磁力を達成
することを特徴とするものである。
【0018】さらに、本発明のトンネル磁気抵抗効果素
子は、大きな垂直磁気異方性を持つ重希土類金属と遷移
金属との合金膜からなる磁性層(第1および第4磁性
層)に、面内磁気異方性を持つ磁性層(第2および第4
磁性層)を交換結合させることにより、所望の保磁力を
達成することを特徴とするものである。
【0019】さらに、本発明のトンネル磁気抵抗効果素
子の作製方法は、垂直磁気異方性を持つ磁性層(第1お
よび第4磁性層)を作製する際に、基板バイアス電圧の
制御を行うことにより、所望の保磁力を達成することを
特徴とするものである。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。
【0021】本発明においては、垂直磁化膜の保磁力に
着目した。垂直磁化膜の保磁力は、Hcを保磁力の大きさ
とすると、以下の式で表される。
【0022】Hc=Ku−2πMs2 ここで、Kuは垂直磁気異方性定数であり、Msは飽和磁化
である。垂直磁化膜としては、現在、光磁気記録媒体の
材料として知られている希土類遷移金属合金薄膜が知ら
れている。
【0023】特に、希土類遷移金属合金薄膜として、重
希土類金属と3d遷移金属の合金薄膜が用いられてお
り、重希土類金属と3d遷移金属の磁気モーメントは反
平行に結合するため、飽和磁化Msは小さく制御すること
が可能である。中でもTb,Dyと3d遷移金属の合金薄膜
では大きなKuを有している。
【0024】光磁気記録媒体では、昇温により記録再生
を行うため、情報を安定して保持するために、室温で保
磁力が大きい組成の磁性層を用いることが多い。
【0025】一方、軽希土類金属と3d遷移金属の合金
薄膜では、垂直磁気異方性を持つものの軽希土類金属と
3d遷移金属の磁気モーメントが平行に結合するため、
飽和磁化Msが大きく磁化が垂直に向きにくい。また、垂
直磁気異方性は成膜時の基板バイアスなどによって制御
することも可能である(特開2001-110051号公報)。
【0026】このような状況のもとで更に検討を行った
結果、上述の垂直磁化膜を用いての不揮発性磁気記憶装
置における情報の限界書き込み磁界以内に保磁力を制御
する方法を見出した。
【0027】垂直磁化膜を用いたトンネル磁気抵抗効果
素子は図2に示すように、電界効果型トランジスタによ
り駆動される。図2は、基板上にゲート25、ソース2
7を備え、さらに、トンネル磁気抵抗効果素子21を記
憶素子としている。また、ワード線26から生じる電流
磁界の垂直成分とビット線22から生じる電流磁界の面
内成分との足し合わせにより、書き込みが行われ、ビッ
ト線22から読み出しができる不揮発性磁気記憶装置で
ある。メモリセル間は層間絶縁膜23により電気的に孤
立した状態になっている。
【0028】トンネル磁気抵抗効果素子21と電界効果
型トランジスタは、トンネル磁気抵抗効果素子21の下
端部と、電界効果型トランジスタのドレイン部分とを、
メタルプラグ24を介して導通させる。図3および図4
に、ワード線に6.5MA/cm2の電流密度でワード線とビッ
ト線に同時に電流を流したときの構成図、電流から発生
する磁界が記録素子の位置で生じる磁場の図をそれぞれ
示す。図3において、記録素子33に書き込みを行うと
きは、ワード線31,32に互いに逆向きに電流を流
し、同時にビット線34にも電流を流す。記録素子33
に書き込みを行うときは、ビット線35には電流を流さ
ない。図4では、図3の方法で電流を流したときの発生
磁界を記してある。メモリセル(図4では「記録セ
ル」)部分に最大100[Oe]程度の書き込み磁界が
付与可能であることがわかる。
【0029】
【実施例】以下に、本発明の実施例について説明する
が、本発明は以下に記載する実施例によって何ら限定さ
れるものではない。
【0030】(実施例1)図5に示すように本実施例に
おけるトンネル磁気抵抗効果膜は、シリコン基板56上
に、下部電極層55、下部強磁性層54、絶縁層53、
上部強磁性層52、上部電極層51を順次積層した構造
を持つ。これらの層については、5×10-5Pa以下まで排
気した後、スパッタリング装置で成膜を行った。
【0031】図6に図5のトンネル磁気抵抗効果膜の磁
化曲線の一例を示す。
【0032】図5における上部強磁性層52と下部強磁
性層54は保磁力に差があるので、図6のように2段階
の磁化曲線が描かれる。
【0033】本実施例では、下部強磁性層54に低保磁
力磁性層としてGdFe層、上部強磁性層52に高保磁力磁
性層としてTbFe層を用いている。
【0034】図7にGdFe磁性層における保磁力とGdの組
成依存のグラフを示す。図7から明らかなようにGdの組
成が20[%]以上29[%]以下のところで保磁力20[Oe]以上を
達成することができた。
【0035】さらに、図8にTbFe磁性層における保磁力
とTbの組成依存のグラフを示す。図8から明らかなよう
にTbの組成が14[%]以上20[%]以下のところで保磁力3[kO
e]以上を達成することができた。
【0036】本実施例の特徴は、図9に示すように重希
土類金属Gdと遷移金属Feが反平行に結合することを利用
して、その組成を調整することにより、Msの値を調整
し、所望の保磁力を達成することにある。
【0037】希土類−遷移金属の材料については、特開
2000-307170号公報にGdと遷移金属の合金膜においてす
でに開示されているが、垂直磁気異方性を持つ磁性層で
あれば、Gd以外の重希土類金属(例えば、Tb,Dy,Ho,
Er,Tm)を用いても構わず、その組成を調整することに
よって、同様の効果を得ることができる。なお、遷移金
属の材料については、Fe以外の遷移金属(例えば、Co)
を用いても良い。
【0038】(実施例2)本実施例では、実施例1にお
ける低保磁力磁性層の元素が重希土類金属、磁性遷移金
属、非磁性遷移金属よりなり、重希土類金属としてGd、
磁性遷移金属としてFe、非磁性遷移金属としてCuを用い
ている。成膜の構成および成膜条件は実施例1と同じ条
件下で行った。
【0039】本実施例では、実施例1に比べてより細か
くMsを変化させることができる。GdとFeのみで組成を調
整しようとした場合、GdとFeは反平行に結合しているの
で、Msの変化量はGdの持つ磁化の変化量とFeの持つ磁化
の変化量を足し合わせた量だけ変化する。しかしなが
ら、本実施例のようにCuを加えて一方の磁性層のみを濃
度変化させると磁化の変化は濃度変化させた磁性元素の
変化量のみとなるので、Msの調整を細かく設定すること
ができた。
【0040】本実施例の特徴は、図10に示すように磁
化が反平行に結合している重希土類金属Gdと磁性遷移金
属Feの合金に非磁性遷移金属Cuがを添加し、その組成を
細かく調整することにより、Msの値を細かく調整し、所
望の保磁力を達成することにある。
【0041】希土類−遷移金属の材料については、特開
2000-307170号公報にGdと遷移金属の合金膜に限定して
すでに開示されているが、垂直磁気異方性を持つ磁性層
であれば、Gd以外の重希土類金属(例えば、Tb,Dy,H
o,Er,Tm)を用いても構わず、その組成を調整するこ
とによって、同様の効果を得ることができる。なお、磁
性遷移金属の材料については、Fe以外の磁性遷移金属
(例えば、Co)を用いても良く、非磁性遷移金属の材料
については、Cu以外の非磁性遷移金属(例えば、Ti,C
r,Zn,Mo,Ru,Pd,Ag,Ta,W,Pt,Au)を用いても良
い。
【0042】(実施例3)本実施例では、実施例1にお
ける低保磁力磁性層の元素が軽希土類金属、重希土類金
属、遷移金属よりなり、軽希土類金属としてSm、重希土
類金属としてTb、遷移金属としてFeを用いている。成膜
の構成および、成膜条件は実施例1と同じ条件下で行っ
た。
【0043】本実施例では、Kuを変化させて保磁力を調
整することができる。SmFe合金薄膜にTbを添加していく
ことにより、垂直磁気異方性Kuが増大し、面内磁化膜で
あったSmFe合金薄膜を垂直磁化膜とすることができた。
さらに、遷移金属の濃度を一定として、SmとTbの組成比
を適当に変化させることによって、保磁力を調節するこ
とができた。
【0044】本実施例の特徴は、図11に示すように軽
希土類金属Smと遷移金属Feが平行に結合し、重希土類金
属Gdと遷移金属Feが反平行に結合することを利用して、
その組成比を調整することにより、Kuの値を調整し、所
望の保磁力を達成することにある。
【0045】重希土類金属の材料については、Tb以外の
重希土類金属(例えば、Gd,Dy,Ho,Er,Tm)を用いて
も構わず、その組成を調整することによって、同様の効
果を得ることができる。なお、遷移金属の材料について
は、Fe以外の遷移金属(例えば、Co)を用いても良く、
軽希土類金属の材料については、Sm以外の軽希土類金属
(例えば、Ce,Pr,Nd,Pm,Eu)を用いても良い。
【0046】(実施例4)本実施例では、希土類金属と
遷移金属の合金薄膜においてスパッタリングによる成膜
時に基板バイアス電圧を印加することにより、垂直磁気
異方性Kuを増大させて、保磁力を調節するものであり、
希土類金属としてGd、遷移金属としてFeを用いている。
【0047】図12にGdFe合金薄膜における垂直磁気異
方性の基板バイアス依存性のグラフを示す。
【0048】図12から明らかなように基板バイアスVb
=-180[V]付近で最大のKuをとる。したがって、わずか
に面内に傾いている組成のGdFe合金薄膜に基板バイアス
電圧を印加するとそのGdFe合金薄膜は垂直磁化膜とな
り、基板バイアス電圧を、一例として-200[V]〜+200
[V]の範囲内で適当に調整することにより、保磁力を調
整することができた。
【0049】本実施例の特徴は、Ku−2πMs2=0付近の
組成のGdFe合金薄膜に基板バイアスを掛けることによっ
てKuの値を調整し、所望の保磁力を達成することにあ
る。
【0050】希土類−遷移金属の材料については、特開
2000-307170号公報にGdと遷移金属の合金膜に関して開
示されているが、垂直磁気異方性を持つ磁性層であれ
ば、Gd以外の重希土類金属(例えば、Tb,Dy,Ho,Er,
Tm)を用いても構わず、その組成を調整することによっ
て、同様の効果を得ることができる。なお、遷移金属の
材料については、Fe以外の遷移金属(例えば、Co)を用
いても良い。
【0051】(実施例5)本実施例では、重希土類金属
と遷移金属の合金薄膜のうち垂直磁化膜である組成の膜
と面内磁気異方性を持つ遷移金属膜を交換結合させて多
層膜とすることで、保磁力を制御するものである。
【0052】図13に本実施例におけるトンネル磁気抵
抗効果膜の構成の一例を示す。
【0053】本実施例では、垂直磁化膜の膜厚と面内磁
化膜の膜厚の比率を適当に調節することにより、所望の
保磁力を達成することができる。
【0054】希土類−遷移金属の材料については、特開
2000-307170号公報にGdと遷移金属の合金膜に関してす
でに開示されているが、垂直磁気異方性を持つ磁性層で
あれば、Gd以外の重希土類金属(例えば、Tb,Dy,Ho,
Er,Tm)を用いても構わず、その組成を調整することに
よって、同様の効果を得ることができる。なお、遷移金
属の材料については、例えば、Fe,Co等を用いることが
できる。
【0055】
【発明の効果】上述のように本発明のトンネル磁気抵抗
効果素子は、垂直磁気異方性を保ちながら、保磁力の値
を正確に制御することが可能であるため、電流磁界で書
き込み可能であるような所望の保磁力を達成することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のトンネル磁気抵抗効果を利用した磁性薄
膜メモリの一構成例を示す概略図である。
【図2】トンネル磁気抵抗効果素子を駆動させる構造を
説明するための図である。
【図3】トンネル磁気抵抗効果素子に電流磁界を掃引す
る際の動作を説明するための図である。
【図4】トンネル磁気抵抗効果素子に電流磁界を掃引し
たときにトンネル磁気抵抗効果素子にかかる磁界を説明
するための図である。
【図5】本発明の実施例1におけるトンネル磁気抵抗効
果素子の構成を示す図である。
【図6】本発明の実施例1におけるトンネル磁気抵抗効
果膜の磁化曲線を示す図である。
【図7】本発明の実施例1におけるGdFe層の保磁力のGd
組成依存性を示す図である。
【図8】本発明の実施例1におけるTbFe層の保磁力のTb
組成依存性を示す図である。
【図9】本発明の実施例1における保磁力制御の方法を
示す図である。
【図10】本発明の実施例2における保磁力制御の方法
を示す図である。
【図11】本発明の実施例3における保磁力制御の方法
を示す図である。
【図12】本発明の実施例4における保磁力制御のため
の基板バイアス依存性を示す図である。
【図13】本発明の実施例5における保磁力制御の方法
を示す図である。
【符号の説明】
1 強磁性層 2 トンネルバリア層(絶縁層) 3 強磁性層 4 印加電圧 21 トンネル磁気抵抗効果素子 22 ビット線 23 層間絶縁膜 24 メタルプラグ 25 ゲート 26 ワード線 27 ソース 31 ワード線 32 ワード線 33 記録素子 34 ビット線 35 ビット線 51 上部電極層 52 上部強磁性層 53 絶縁層 54 下部強磁性層 55 下部電極層 56 基板

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の垂直磁化膜/絶縁層/第2の垂直
    磁化膜の構造を有するトンネル磁気抵抗効果素子におい
    て、 前記第1の垂直磁化膜および前記第2の垂直磁化膜が重
    希土類金属と遷移金属との合金であって、前記第1の垂
    直磁化膜の保磁力が10[Oe]〜200[Oe]であり、前記第2
    の垂直磁化膜の保磁力が20[Oe]〜20[kOe]であることを
    特徴とするトンネル磁気抵抗効果素子。
  2. 【請求項2】 前記第1の垂直磁化膜および前記第2の
    垂直磁化膜が、前記重希土類金属としてGd,Tb,Dyの中
    から選ばれる少なくとも1種の元素と、前記遷移金属と
    してFe,Coの少なくとも一方の元素を含む、請求項1記
    載のトンネル磁気抵抗効果素子。
  3. 【請求項3】 前記第1の垂直磁化膜および前記第2の
    垂直磁化膜が、更に非磁性遷移金属を含む、請求項1に
    記載のトンネル磁気抵抗効果素子。
  4. 【請求項4】 前記非磁性遷移金属がTi,Cr,Cu,Zn,
    Mo,Ru,Pd,Ag,Ta,W,Pt,Auの中から選ばれる少な
    くとも1種の元素を含む、請求項3記載のトンネル磁気
    抵抗効果素子。
  5. 【請求項5】 前記第1の垂直磁化膜および前記第2の
    垂直磁化膜が、更に軽希土類金属を含む、請求項1また
    は3に記載のトンネル磁気抵抗効果素子。
  6. 【請求項6】 前記軽希土類金属がCe,Pr,Nd,Pm,S
    m,Euの中から選ばれる少なくとも1種の元素を含む、
    請求項5に記載のトンネル磁気抵抗効果素子。
  7. 【請求項7】 第1磁性層/第2磁性層/非磁性層/第
    3磁性層/第4磁性層がこの順で積層されており、前記
    第1磁性層および前記第4磁性層が垂直磁化膜からな
    り、前記第2磁性層および前記第3磁性層が前記第1磁
    性層および前記第4磁性層よりも面内磁気異方性が大き
    な磁性膜からなるトンネル磁気抵抗効果素子において、 前記第1磁性層および前記第2磁性層の膜面垂直方向の
    合成保磁力が10[Oe]〜200[Oe]であり、前記第3磁性層
    および前記第4磁性層の膜面垂直方向の合成保磁力が20
    [Oe]〜20[kOe]であることを特徴とするトンネル磁気抵
    抗効果素子。
  8. 【請求項8】 前記第1磁性層および前記第4磁性層
    が、重希土類金属と遷移金属との合金膜からなり、前記
    重希土類金属としてGd,Tb,Dyの中から選ばれる少なく
    とも1種の元素を含み、前記遷移金属としてFe,Coの少
    なくとも一方の元素を含む、請求項7記載のトンネル磁
    気抵抗効果素子。
  9. 【請求項9】 請求項1に記載のトンネル磁気抵抗効果
    素子の作製方法であって、 前記第1の垂直磁化膜および前記第2の垂直磁化膜の成
    膜時に‐200[V]〜+200[V]の基板バイアス電圧を印加す
    る、トンネル磁気抵抗効果素子の作製方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7230265B2 (en) 2005-05-16 2007-06-12 International Business Machines Corporation Spin-polarization devices using rare earth-transition metal alloys
WO2009122992A1 (ja) * 2008-04-03 2009-10-08 日本電気株式会社 磁気抵抗記憶装置
JP2012014787A (ja) * 2010-06-30 2012-01-19 Sony Corp 記憶装置
US9991314B2 (en) 2014-09-19 2018-06-05 Kabushiki Kaisha Toshiba Magnetoresistive element and magnetic memory

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