JP2003114496A - 熱現像感光材料用感光性乳剤、熱現像感光材料、画像記録方法ならびに熱現像感光材料の処理方法 - Google Patents

熱現像感光材料用感光性乳剤、熱現像感光材料、画像記録方法ならびに熱現像感光材料の処理方法

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JP2003114496A
JP2003114496A JP2001309837A JP2001309837A JP2003114496A JP 2003114496 A JP2003114496 A JP 2003114496A JP 2001309837 A JP2001309837 A JP 2001309837A JP 2001309837 A JP2001309837 A JP 2001309837A JP 2003114496 A JP2003114496 A JP 2003114496A
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Hitoshi Adachi
仁 安達
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 所望の感度や最高濃度が得られ、かつ耐光性
や銀色調も併せて改良できる熱現像感光材料関連技術を
提供する。 【解決手段】 感光性ハロゲン化銀粒子として沃化銀含
有率0.1〜4モル%の沃臭化銀粒子、非感光性有機銀
塩、バインダー、還元剤及び一般式(1)で表される化
合物を含有することを特徴とする熱現像感光材料用感光
性乳剤。支持体上の少なくとも一方の側に、上記の熱現
像感光材料用感光性乳剤を塗設して成る層を有すること
を特徴とする熱現像感光材料。該熱現像感光材料に、波
長770〜1100nmのレーザー光による露光を行う
ことを特徴とする画像記録方法。上記熱現像感光材料が
100〜150℃の現像温度で処理されることを特徴と
する熱現像感光材料の処理方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱現像感光材料に関
し、詳しくは該感光材料に好適な感光性乳剤ならびに該
感光材料を用いる画像記録方法、該感光材料の処理方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から印刷製版や医療の分野では、画
像形成材料の湿式処理に伴う廃液が、作業性の上で問題
となっており、近年では環境保全、省スペースの観点か
らも処理廃液の減量が強く望まれている。
【0003】処理廃液を出さないための技術としては、
熱現像処理法を用いて写真画像を形成する熱現像感光材
料が挙げられる。例えば、米国特許3152904号、
同3457075号、及びD.モーガン(Morga
n)とB.シェリー(Shely)による「熱によって
処理される銀システム(Thermally Proc
essed Silver Systems)」(イメ
ージング・プロセッシーズ・アンド・マテリアルズ(I
maging Processes and Mate
rials) Neblette 8版、スタージ(S
turge)、V.ウォールワース(Walwort
h)、A.シェップ(Shepp)編集、2頁,196
9年)に開示されている。
【0004】このような熱現像感光材料は、還元可能な
銀源(有機銀塩等)、触媒活性量の光触媒(ハロゲン化
銀等)、及び還元剤を、通常、(有機)バインダーマト
リックス中に分散した状態で含有している。熱現像感光
材料は常温で安定であるが、露光後高温に加熱した場合
に還元可能な銀源(酸化剤として機能する)と還元剤と
の間の酸化還元反応を通じて銀を生成する。この酸化還
元反応は露光で発生した潜像の触媒作用によって促進さ
れる。露光領域中の有機銀塩の反応によって生成した銀
は黒色画像を提供し、これは非露光領域と対象をなし、
画像の形成が為される。
【0005】この様な画像形成プロセスを用いる系にお
いては、現像可能になるハロゲン化銀の個数即ち発色点
数が感度や最高濃度にとって重要な要素となる。理論的
にはハロゲン化銀1粒子当たりの大きさを大きくすると
感度が高くなるが、有機銀塩の分散の過程でカブリを生
じ易くなったり、耐光性が劣化するという様な問題が生
じた。又、粒径が小さすぎると感度が低下し、所望の濃
度が得られないという様な問題が生じた。
【0006】又、単位面積当たりの銀量は一定で、ハロ
ゲン化銀粒子の個数を増やすことにより所望の感度や最
高濃度を得ることができるが、ハロゲン化銀の粒径を大
きくする場合と同様に、耐光性が著しく劣化するという
問題が生じる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に鑑
みて為されたもので、その目的とするところは、所望の
感度や最高濃度が得られ、かつ耐光性や銀色調も併せて
改良できる熱現像感光材料関連技術を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は以下
の構成によって達成される。
【0009】1)感光性ハロゲン化銀粒子として沃化銀
含有率0.1〜4モル%の沃臭化銀粒子、非感光性有機
銀塩、バインダー、還元剤及び前記一般式(1)で表さ
れる化合物「化1」を含有する熱現像感光材料用感光性
乳剤。
【0010】2)感光性ハロゲン化銀粒子の80%以上
(個数)に遷移金属イオンが含有される1)記載の熱現
像感光材料用感光性乳剤。
【0011】3)非感光性有機銀塩が、有機酸のアルカ
リ金属塩を含む水と有機溶剤の混合溶液又は懸濁液中
に、銀イオンを含む溶液を添加することにより調製され
る1)記載の熱現像感光材料用感光性乳剤。
【0012】4)支持体上の少なくとも一方の側に、
1)〜3)の何れか1項記載の熱現像感光材料用感光性
乳剤を塗設して成る層を有する熱現像感光材料。
【0013】5)4)記載の熱現像感光材料に、波長7
70〜1100nmのレーザー光による露光を行う画像
記録方法。
【0014】6)請求項4記載の熱現像感光材料に、走
査レーザー光が縦マルチであるレーザー光走査露光機に
よる露光を行う画像記録方法。
【0015】7)請求項4に記載の熱現像感光材料に、
走査レーザー光の為す角度が実質的に垂直になることが
ないレーザー光走査露光機による露光を行う画像記録方
法。
【0016】8)請求項4記載の熱現像感光材料が10
0〜150℃の現像温度で処理される熱現像感光材料の
処理方法。
【0017】以下、本発明を、感光性ハロゲン化銀粒
子、非感光性有機銀塩、バインダー、還元剤、画像記録
について、順次、詳細に説明する。
【0018】(感光性ハロゲン化銀粒子)熱現像感光材
料において、ハロゲン化銀粒子は光センサーとして機能
するものであり、熱現像系においては、画像形成後の白
濁を低く抑えるため、そして良好な画質を得るために平
均粒子サイズは小さい方が好ましく、平均粒子サイズが
0.2μm以下、より好ましくは0.01〜0.15μ
m、特に0.02〜0.13μmが好ましい。
【0019】ここで言う粒子サイズとは、ハロゲン化銀
粒子が立方体あるいは八面体の所謂、正常晶である場合
には、ハロゲン化銀粒子の稜の長さを言う。又、正常晶
でない場合、例えば球状、棒状、あるいは平板状の粒子
の場合には、ハロゲン化銀粒子の体積と同等な球を考え
た時の直径を言う。又、ハロゲン化銀は単分散であるこ
とが好ましい。ここで言う単分散とは、下記式で求めら
れる単分散度が40%以下を言う。更に好ましくは30
%以下であり、特に好ましくは0.1〜20%の粒子で
ある。
【0020】単分散度(%)=(粒径の標準偏差/粒径
の平均値)×100 ハロゲン化銀粒子の形状については特に制限はないが、
ミラー指数〔100〕面の占める割合が高いことが好ま
しく、この割合が50%以上、更には70%以上、特に
80%以上であることが好ましい。ミラー指数〔10
0〕面の比率は感光色素の吸着における〔111〕面と
〔100〕面との吸着依存性を利用したT.Tani:
J.Imaging Sci.,29,165(198
5)により求めることができる。
【0021】又、もう一つの好ましいハロゲン化銀の形
状は平板粒子である。ここで言う平板粒子とは、投影面
積の平方根を粒径rμmとして垂直方向の厚みをhμm
とした場合のアスペクト比=r/hが3以上のものを言
う。その中でも好ましくは、アスペクト比が3〜50の
ものである。又、粒径は0.1μm以下であることが好
ましく、更に0.01〜0.08μmが好ましい。これ
らは米国特許5,264,337号、同5,314,7
98号、同5,320,958号等に記載されており、
容易に目的の平板状粒子を得ることができる。本発明
で、これらの平板状粒子を用いた場合、更に画像の鮮鋭
性も向上する。
【0022】本発明においては、ハロゲン化銀粒子のハ
ロゲン組成として、沃化銀含有率0.1〜4モル%の沃
臭化銀を用いる。この範囲より沃度含有率が高くても低
くても、必要な感度を得ることが難しく好ましくない。
【0023】ハロゲン化銀乳剤は、P.Glafkid
es著:Chimie et Physique Ph
otographique(Paul Montel社
刊,1967年)、G.F.Duffin著:Phot
ographic Emulsion Chemist
ry(The Focal Press刊、1966
年)、V.L.Zelikman et al著:Ma
king and Coating Photogra
phic Emulsion(The Focal P
ress刊,1964年)等に記載された方法を用いて
調製することができる。即ち、酸性法、中性法、アンモ
ニア法等の何れでもよく、又、可溶性銀塩と可溶性ハロ
ゲン塩を反応させる方法としては、片側混合法、同時混
合法、それらの組合せ等の何れを用いてもよい。このハ
ロゲン化銀は、如何なる方法で画像形成層に添加されて
もよく、この時、ハロゲン化銀は還元可能な銀源に近接
するように配置する。又、ハロゲン化銀は有機銀塩とハ
ロゲンイオンとの反応による有機銀塩中の銀の一部又は
全部をハロゲン化銀に変換することによって調製したも
のを組み合わせて用いることも可能である。又、有機銀
塩と独立して調製されたハロゲン化銀を有機銀塩と混合
する時期には特に制約はないが、好ましくは有機銀塩の
形成時である。一般に、ハロゲン化銀は、有機銀塩に対
して0.75〜30質量%の量で含有することが好まし
い。
【0024】本発明に用いられるハロゲン化銀の80%
(個数)には、照度不軌改良や改良調整のために、元素
周期律表の6〜10族に属する遷移金属のイオンを含有
することが好ましい。より好ましくは85〜100%で
ある。上記の金属としては、W、Fe、Co、Ni、C
u、Ru、Rh、Pd、Re、Os、Ir、Pt、Au
が好ましく、これらの金属イオンは、金属塩をそのまま
ハロゲン化銀に導入してもよいが、金属錯体又は錯体イ
オンの形でハロゲン化銀に導入できる。これらの遷移金
属錯体及び金属錯体イオンとしては、下記一般式で表さ
れる6配位錯体イオンが好ましい。
【0025】一般式〔ML6m 式中、Mは元素周期表の6〜10族の元素から選ばれる
遷移金属、Lは架橋配位子、mは0、1−、2−、3−
又は4−を表す。Lで表される配位子の具体例として
は、ハロゲン化物(弗化物、塩化物、臭化物及び沃化
物)、シアン化物、シアナート、チオシアナート、セレ
ノシアナート、テルロシアナート、アジド及びアコの各
配位子、ニトロシル、チオニトロシル等が挙げられ、好
ましくはアコ、ニトロシル及びチオニトロシル等であ
る。アコ配位子が存在する場合には、配位子の一つ又は
二つを占めることが好ましい。Lは同一でもよく、又、
異なってもよい。
【0026】Mとして特に好ましい具体例は、ロジウム
(Rh)、ルテニウム(Ru)、レニウム(Re)、イ
リジウム(Ir)及びオスミウム(Os)である。
【0027】以下に遷移金属配位錯イオンの具体例を示
す。 1:〔RhCl63- 2:〔RuCl63- 3:〔ReCl63- 4:〔RuBr63- 5:〔OsCl63- 6:〔IrCl64- 7:〔Ru(NO)Cl52- 8:〔RuBr4(H2O)〕2- 9:〔Ru(NO)(H2O)Cl4- 10:〔RhCl5(H2O)〕2- 11:〔Re(NO)Cl52- 12:〔Re(NO)(CN)52- 13:〔Re(NO)Cl(CN)42- 14:〔Rh(NO)2Cl4- 15:〔Rh(NO)(H2O)Cl4- 16:〔Ru(NO)(CN)52- 17:〔Fe(CN)63- 18:〔Rh(NS)Cl52- 19:〔Os(NO)Cl52- 20:〔Cr(NO)Cl52- 21:〔Re(NO)Cl5- 22:〔Os(NS)Cl4(TeCN)〕2- 23:〔Ru(NS)Cl52- 24:〔Re(NS)Cl4(SeCN)〕2- 25:〔Os(NS)Cl(SCN)42- 26:〔Ir(NO)Cl52- 27:〔Ir(NS)Cl52- 28:〔IrCl62- これらの金属錯体又は錯体イオンは1種類でもよいし、
同種の金属及び異種の金属を2種以上併用してもよい。
【0028】これらの金属のイオン、金属錯体及び錯体
イオンの含有量としては、一般的には、ハロゲン化銀1
モル当たり1×10-9〜1×10-2モルが適当であり、
好ましくは1×10-8〜1×10-4モルである。これら
の金属のイオン又は錯体イオンを提供する化合物は、ハ
ロゲン化銀粒子形成時に添加し、ハロゲン化銀粒子中に
組み込まれることが好ましく、ハロゲン化銀粒子の調
製、つまり核形成、成長、物理熟成、化学増感の前後の
どの段階で添加してもよいが、特に核形成、成長、物理
熟成の段階で添加するのが好ましく、更には核形成、成
長の段階で添加するのが好ましく、最も好ましくは核形
成の段階で添加する。添加に際しては、数回に亘って分
割して添加してもよく、ハロゲン化銀粒子中に均一に含
有させることもできるし、特開昭63−29603号、
特開平2−306236号、同3−167545号、同
4−76534号、同6−110146号、同5−27
3683号等に記載される様に粒子内に分布を持たせて
含有させることもできる。
【0029】これらの金属化合物は、水あるいは適当な
有機溶媒(アルコール類、エーテル類、グリコール類、
ケトン類、エステル類、アミド類)に溶解して添加する
ことができるが、例えば金属化合物の粉末の水溶液もし
くは金属化合物と塩化ナトリウム、塩化カリウムとを一
緒に溶解した水溶液を、粒子形成中の水溶性銀塩溶液又
は水溶性ハライド溶液中に添加しておく方法、あるいは
銀塩溶液とハライド溶液が同時に混合されるとき第3の
水溶液として添加し、3液同時混合の方法でハロゲン化
銀粒子を調製する方法、粒子形成中に必要量の金属化合
物の水溶液を反応容器に投入する方法、あるいはハロゲ
ン化銀調製時に予め金属のイオン又は錯体イオンをドー
プしてある別のハロゲン化銀粒子を添加して溶解させる
方法等がある。特に、金属化合物の粉末の水溶液もしく
は金属化合物と塩化ナトリウム、塩化カリウムとを一緒
に溶解した水溶液を水溶性ハライド溶液に添加する方法
が好ましい。粒子表面に添加する時には、粒子形成直後
又は物理熟成時途中もしくは終了時又は化学熟成時に必
要量の金属化合物の水溶液を反応容器に投入することも
できる。
【0030】感光性ハロゲン化銀粒子はヌードル法、フ
ロキュレーション法等、当業界で知られている方法の水
洗により脱塩することができるが、本発明においては脱
塩してもしなくてもよい。
【0031】本発明に係るハロゲン化銀粒子には、カル
コゲン原子を有する有機増感剤(硫黄増感剤、セレン増
感剤、テルル増感剤)による化学増感以外に、貴金属増
感、還元増感等公知の増感法を用いることができる。
又、これら増感法は2種以上組み合わせて用いることも
できる。貴金属増感法に好ましく用いられる化合物とし
ては、例えば塩化金酸、カリウムクロロオーレート、カ
リウムオーリチオシアネート、硫化金、金セレナイド、
又は米国特許2,448,060号、英国特許618,
061号等に記載される化合物を挙げることができる。
【0032】還元増感法の貝体的な化合物としてはアス
コルビン酸、2酸化チオ尿素、塩化第1錫、ヒドラジン
誘導体、ボラン化合物、シラン化合物、ポリアミン化合
物等を用いることができる。又、乳剤のpHを7以上も
しくはpAgを8.3以下に保持して熟成することによ
り還元増感することができる。
【0033】感光性ハロゲン化銀には、分光増感色素を
吸着させ分光増感を施すことが好ましい。分光増感色素
としてシアニン色素、メロシアニン色素、コンプレック
スシアニン色素、コンプレックスメロシアニン色素、ホ
ロポーラーシアニン色素、スチリル色素、ヘミシアニン
色素、オキソノール色素、ヘミオキソノール色素等を用
いることができる。例えば特開昭63−159841
号、同60−140335号、同63−231437
号、同63−259651号、同63−304242
号、同63−15245号、米国特許4,639,41
4号、同4,740,455号、同4,741,966
号、同4,751,175号、同4,835,096号
等に記載された増感色素が使用できる。
【0034】本発明に使用される有用な増感色素は、例
えばRD17643,23頁IV−A項(1978年12
月)、同18431,437頁X項(1978年8月)
に記載もしくは引用の文献に記載されている。特に各種
レーザーイメージャーやスキャナーの光源の分光特性に
適した分光感度を有する増感色素を用いるのが好まし
い。例えば特開平9−34078号、同9−54409
号、同9−80679号記載の化合物が好ましく用いら
れる。
【0035】有用なシアニン色素は、例えばチアゾリン
核、オキサゾリン核、ピロリン核、ピリジン核、オキサ
ゾール核、チアゾール核、セレナゾール核及びイミダゾ
ール核などの塩基性核を有するシアニン色素である。有
用なメロシアニン染料で好ましいものは、上記の塩基性
核に加えて、チオヒダントイン核、ローダニン核、オキ
サゾリジンジオン核、チアゾリンジオン核、バルビツー
ル酸核、チアゾリノン核、マロノニトリル核及びピラゾ
ロン核などの酸性核も含む。
【0036】本発明においては、特に赤外に分光感度を
有する増感色素を用いることが好ましい。好ましく用い
られる赤外分光増感色素としては、例えば米国特許4,
536,473号、同4,515,888号、同4,9
59,294号等に開示されている赤外分光増感色素が
挙げられる。
【0037】更に、特に好ましい分光増感色素として
は、下記一般式(S1)〜(S4)で表される色素が挙
げられる。
【0038】
【化2】
【0039】式中、Y1、Y2、Y11、Y21、Y22及びY
31は、各々、酸素原子、硫黄原子、セレン原子、−C
(Ra)(Rb)−基、又は−CH=CH−基を表し、Z
1は5又は6員の縮合された環を完成するに必要な非金
属原子群を表す。Rは水素原子、低級アルキル基、シク
ロアルキル基、アラルキル基、低級アルコキシ基、アリ
ール基、ヒドロキシル基、ハロゲン原子を表し、Ra
びRbは各々、水素原子、低級アルキル基、あるいはRa
とRb間で結合して5又は6員の脂肪族スピロ環を形成
するに必要な非金属原子群を表す。R1、R11、R21
22、R31及びR32は各々、脂肪族基、あるいはR1
3と、R11はW14との間で縮合環を形成するに必要な
非金属原子群を表す。Rc及びRdは各々、低級アルキル
基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリール基、複
素環基を表す。W1、W2、W3、W4、W 11、W12
13、W14、W21、W22、W23、W24、W31、W32、W
33及びW34は各々、水素原子、置換基、あるいはW1
2と、W11はW12と、W21はW22と、W23はW24と、
31はW32と、W33はW34との間で結合して縮合環を形
成するに必要な非金属原子群を表す。V1〜V9、V11
13、V21〜V29及びV31〜V33は各々、水素原子、ハ
ロゲン原子、アミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ
基、低級アルキル基、低級アルコキシ基、アリール基、
複素環基、あるいはV1はV3と、V2はV4と、V3はV5
と、V4はV6と、V5はV7と、V6はV8と、V7はV
9と、V11はV13と、V21はV23と、V22はV24と、V
23はV25と、V24はV2 6と、V25はV27と、V26はV28
と、V27はV29と、V31はV33との間で結合して5〜7
員の環を形成するに必要な非金属原子群を表し、V1
9の何れか一つ及びV11〜V13の何れか一つは水素原
子以外の基である。X1、X11、X21及びX31は各々、
分子内の電荷を相殺するに必要なイオンを表し、l1、
l11、l21及びl31は各々、分子内の電荷を相殺
するに必要なイオンの数を表す。k1、k2、k21及
びk22は各々、0又は1を表す。n21、n22、n
31及びn32は各々、0〜2の整数を表すが、n21
とn22及びn31とn32が同時に0になることはな
い。p1及びp11は各々、0又は1であり、q1及び
q11は各々、1及び2の整数であり、p1とq1及び
p11とq11の和は2を超えない。
【0040】これら一般式(S1)〜(S4)の各置換
基についての詳細な説明は特開2001−249428
の段落〔0159〕〜〔0177〕に、化合物例は同出
願の段落〔0180〕〜〔0193〕にS−1〜S−7
0として記載される。
【0041】本発明のこれら赤外分光増感色素、一つは
ベンゾアゾール環の窒素原子とそのペリ位炭素原子との
間が結合した3環縮合複素環核を有することを特徴とし
た、もう一つはベンゾアゾール環のベンゼン環上にスル
フィニル基が置換されていることを特徴とした長鎖のポ
リメチン色素が特に好ましい。
【0042】これらの増感色素は単独に用いてもよい
が、それらの組合せを用いてもよく、増感色素の組合せ
は、特に強色増感の目的でしばしば用いられる。増感色
素と共に、それ自身分光増感作用を持たない色素あるい
は可視光を実質的に吸収しない物質であって、強色増感
を示す物質を乳剤中に含んでもよい。有用な増感色素、
強色増感を示す色素の組合せ及び強色増感を示す物質
は、リサーチ・ディスクロージャ(Research
Disclosure、RDと略記)17643,23
頁IVのJ項(1978年12月)、又は特公平9−25
500号、同43−4933号、特開昭59−1903
2号、同59−192242号、特開平5−34143
2号等に記載されている。
【0043】(非感光性有機銀塩)本発明において、銀
画像形成のための銀イオン供給源としての有機銀塩は、
有機酸及びヘテロ有機酸の銀塩、特にこの中でも長鎖の
(炭素数10〜30、好ましくは15〜25)脂肪族カ
ルボン酸の銀塩、及び含窒素複素環化合物の銀塩が好ま
しい。配位子が銀イオンに対する総安定度常数として
4.0〜10.0の値を持つようなRD17029及び
同29963に記載された有機又は無機の錯体も好まし
い。これら好適な銀塩の例としては以下のものが挙げら
れる。
【0044】有機酸の銀塩、例えば、没食子酸、蓚酸、
ベヘン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、パルミチン
酸、ラウリン酸等の銀塩。銀のカルボキシアルキルチオ
尿素塩、例えば、1−(3−カルボキシプロピル)チオ
尿素、1−(3−カルボキシプロピル)−3,3−ジメ
チルチオ尿素等の銀塩、アルデヒドとヒドロキシ置換芳
香族カルボン酸とのポリマー反応生成物の銀塩乃至錯
体、例えば、アルデヒド類(ホルムアルデヒド、アセト
アルデヒド、ブチルアルデヒド等)とヒドロキシ置換酸
類(例えば、サリチル酸、安息香酸、3,5−ジヒドロ
キシ安息香酸)の反応生成物の銀塩乃至錯体、チオン類
の銀塩又は錯体、例えば、3−(2−カルボキシエチ
ル)−4−ヒドロキシメチル−4−チアゾリン−2−チ
オン、及び3−カルボキシメチル−4−チアゾリン−2
−チオン等の銀塩乃至錯体、イミダゾール、ピラゾー
ル、ウラゾール、1,2,4−チアゾール及び1H−テ
トラゾール、3−アミノ−5−ベンジルチオ−1,2,
4−トリアゾール及びベンズトリアゾールから選択され
る窒素酸と銀との錯体又は塩、サッカリン、5−クロロ
サリチルアルドキシム等の銀塩、及びメルカプチド類の
銀塩。
【0045】これらの中でも特に好ましい銀塩として
は、ベヘン酸銀、アラキジン酸銀及びステアリン酸銀な
どの長鎖の(炭素数10〜30、好ましくは15〜2
5)脂肪族カルボン酸の銀塩が挙げられる。
【0046】又、本発明においては、有機銀塩が2種以
上混合されていることが現像性を上げ高濃度、高コント
ラストの銀画像を形成する上で好ましく、例えば2種以
上の有機酸混合物に銀イオン溶液を混合して調製するこ
とが好ましい。
【0047】有機銀塩化合物は、水溶性銀化合物と銀と
錯形成する化合物を混合することにより得られるが、正
混合法、逆混合法、同時混合法、特開平9−12764
3号に記載される様なコントロールドダブルジェット法
等が好ましく用いられる。例えば、有機酸にアルカリ金
属塩(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムな
ど)を加えて有機酸アルカリ金属塩ソープ(例えば、ベ
ヘン酸ナトリウム、アラキジン酸ナトリウムなど)を作
製した後に、コントロールドダブルジェット法により、
前記ソープと硝酸銀などを混合して有機銀塩の結晶を作
製する。その際にハロゲン化銀粒子を混在させてもよ
い。
【0048】(有機銀塩結晶成長抑制剤/分散剤等)本
発明においては、脂肪族カルボン酸銀粒子に対する結晶
成長抑制剤ないし分散剤として機能する化合物を、脂肪
族カルボン酸銀粒子の製造工程において、共存させた条
件下で脂肪族カルボン酸銀を製造することが好ましい。
【0049】この脂肪族カルボン酸銀粒子に対する結晶
成長抑制剤ないし分散剤として機能する化合物とは、当
該化合物を共存させた条件下で脂肪族カルボン酸銀を製
造した時に、共存させない条件下で製造した時より小粒
径化や単分散化する機能、効果を有する化合物を言う。
具体例として、炭素数が10以下の1価アルコール類、
好ましくは第2級アルコール、第3級アルコール、エチ
レングリコール、プロピレングリコール等のグリコール
類、ポリエチレングリコール等のポリエーテル類、グリ
セリン等が挙げられる。これら化合物の好ましい添加量
としては、脂肪族カルボン酸銀に対して10〜200質
量%である。
【0050】一方で、イソヘプタン酸、イソデカン酸、
イソトリデカン酸、イソミリスチン酸、イソパルミチン
酸、イソステアリン酸、イソアラキジン酸、イソベヘン
酸、イソヘキサコ酸など、それぞれ異性体を含む分岐脂
肪族カルボン酸も好ましい。この場合、好ましい側鎖と
して、炭素数4以下のアルキル基又はアルケニル基が挙
げられる。又、パルミトレイン酸、オレイン酸、リノー
ル酸、リノレン酸、モロクチン酸、エイコセン酸、アラ
キドン酸、エイコサペンタエン酸、エルカ酸、ドコサペ
ンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、セラコレン酸などの
脂肪族不飽和カルボン酸が挙げられる。好ましい添加量
は、脂肪族カルボン酸銀の0.5〜10モル%である。
【0051】グルコシド、ガラクトシド、フルクトシド
等の配糖体類、トレハロース、スクロースなどトレハロ
ース型二糖類、グリコーゲン、デキストリン、デキスト
ラン、アルギン酸などの多糖類、メチルセロソルブ、エ
チルセロソルブ等のセロソルブ類、ソルビタン、ソルビ
ット、酢酸エチル、酢酸メチル、ジメチルホルムアミド
など水溶性有機溶媒、ポリビニルアルコール、ポリアク
リル酸、アクリル酸共重合体、マレイン酸共重合体、カ
ルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロ
ース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニ
ルピロリドン、ゼラチン等の水溶性ポリマー類も好まし
い化合物として挙げられる。好ましい添加量は、脂肪族
カルボン酸銀に対して0.1〜20質量%である。
【0052】炭素数が10以下のアルコール、好ましく
は第2級アルコール、第3級アルコールは、仕込み工程
での脂肪族カルボン酸ナトリウムの溶解度を上げること
により減粘し、攪拌効率を上げることで単分散かつ小粒
径化する。分岐脂肪族カルボン酸及び脂肪族不飽和カル
ボン酸は、脂肪族カルボン酸銀が結晶化する際にメイン
成分である直鎖脂肪族カルボン酸銀よりも立体障害性が
高く、結晶格子の乱れが大きくなるため大きな結晶は生
成せず、結果的に小粒径化する。
【0053】有機銀塩は種々の形状において使用できる
が、本発明では平板状の粒子が好ましい。特に、アスペ
クト比3以上の平板状粒子であり、かつ、最大面積を有
する2枚のほぼ平行に相対する面(主平面)の形状異方
性が小さくして感光層中での充填を行うため、主平面方
向から計測される該平板状粒子の針状比率の平均値が
1.1以上10.0未満である粒子が好ましい。尚、更
に好ましい針状比率は1.1以上5.0未満である。
【0054】又、本発明において、アスペクト比3以上
の平板状有機銀塩粒子であるとは、前記平板状有機銀塩
粒子が全有機銀塩粒子の個数の50%以上を占めること
を表す。更に、本発明に係る有機銀塩は、アスペクト比
3以上の平板状粒子が全粒子の個数の60%以上を占め
ることが好ましく、更に好ましくは70%以上(個数)
であり、特に好ましくは80%以上(個数)である。
【0055】アスペクト比3以上の平板状粒子とは、粒
径と厚さの比、下記式で表される所謂アスペクト比(A
Rと略す)が3以上の粒子である。
【0056】AR=粒径(μm)/厚さ(μm) 平板状有機銀塩粒子のアスペクト比は好ましくは、3〜
20であり、更に好ましくは3〜10である。その理由
としては、アスペクト比が低すぎると、有機銀塩粒子が
最密され易くなり、又、アスペクト比が余りに高い場合
には、有機銀塩粒子同士が重なり易く、又、くっ付いた
状態で分散され易くなるので光散乱等が起き易くなり、
その結果として感光材料の透明感の低下をもたらすから
である。
【0057】前記形状を有する有機銀塩粒子を得る方法
としては特に限定されないが、有機酸アルカリ金属塩ソ
ープ形成時の混合状態及び/又は前記ソープに硝酸銀を
添加する際の混合状態などを良好に保つことや、ソープ
と反応する硝酸銀の割合を最適にすることなどが有効で
ある。
【0058】平板状有機銀塩粒子は、必要に応じてバイ
ンダーや界面活性剤などと共に予備分散した後、メディ
ア分散機又は高圧ホモジナイザ等で分散粉砕することが
好ましい。上記予備分散には、アンカー型、プロペラ型
等の一般的攪拌機や高速回転遠心放射型攪拌機(ディゾ
ルバ)、高速回転剪断型撹拌機(ホモミキサ)を使用す
ることができる。尚、上記メディア分散機としては、ボ
ールミル、遊星ボールミル、振動ボールミルなどの転動
ミルや、媒体攪拌ミルであるビーズミル、アトライタ
ー、その他バスケットミルなどを用いることが可能であ
り、高圧ホモジナイザとしては、壁、プラグ等に衝突す
るタイプ、液を複数に分けてから高速で液同士を衝突さ
せるタイプ、細いオリフィスを通過させるタイプ等、様
々なタイプを用いることができる。
【0059】メディア分散時に使用されるセラミックス
ビーズに用いられるセラミックスとしては、分散時にお
けるビーズや分散機との摩擦による不純物生成が少ない
等の理由から、イットリウム安定化ジルコニア、ジルコ
ニア強化アルミナ(これらジルコニアを含有するセラミ
ックスを以下においてジルコニアと略す)が特に好まし
く用いられる。
【0060】本発明に係る有機銀塩粒子は単分散粒子で
あることが好ましく、好ましい単分散度としては1〜3
0%であり、この範囲の単分散粒子にすることにより、
濃度の高い画像が得られる。ここで言う単分散度とは、
下記式で定義される。
【0061】単分散度=(粒径の標準偏差/粒径の平均
値)×100上記の有機銀塩の平均粒径(円相当径)は
0.01〜0.2μmが好ましく、更に好ましくは0.
02〜0.15μmである。尚、平均粒径(円相当径)
とは、電子顕微鏡で観察される個々の粒子像と等しい面
積を有する円の直径を表す。
【0062】感光材料の失透を防ぐためには、ハロゲン
化銀及び有機銀塩の総量は、銀量に換算して1m2当た
り0.5〜2.2gであることが好ましい。この範囲に
することで医用画像として好ましい画像が得られる。
【0063】(有機溶剤の使用)本発明に用いる有機銀
塩は、水と有機溶剤の混合溶液又は懸濁溶液中で調製さ
れるのが好ましい。有機溶剤としては総炭素数15以下
の第3級アルコールが好ましく、更に好ましくは総炭素
数10以下である。好ましい第3級アルコールの例とし
てはt−ブタノール等が挙げられる。第3級アルコール
の添加時期は、有機銀塩調製時の何れのタイミングでも
よいが、有機酸アルカリ金属塩の調製時に添加して、有
機酸アルカリ金属塩を溶解して用いることが好ましい。
又、第3級アルコールの使用量は、有機銀塩調製時の溶
媒としての水に対しての質量比で0.01〜10の範囲
で任意に使用することができるが、0.03〜1の範囲
が好ましい。
【0064】(強色増感剤)前述のように、赤外増感の
問題を改良するための方法として、強色増感の技術が種
々開示されているが、未だ満足なものではなく、更なる
改良が求められている。本発明の一般式(1)の化合物
は優れた強色増感剤である。以下、之について詳述す
る。
【0065】Tで表される脂肪族炭化水素基から成る2
価の連結基としては、直鎖、分岐又は環状のアルキレン
基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは1〜1
6、更に好ましくは1〜12)、アルケニル基(好まし
くは炭素数2〜20、より好ましくは2〜16、更に好
ましくは2〜12)、アルキニル基(好ましくは炭素数
2〜20、より好ましくは2〜16、更に好ましくは2
〜12)であり、置換基を有してもよく、例えば脂肪族
炭化水素基としては、直鎖、分岐又は環状のアルキル基
(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは1〜1
6、更に好ましくは1〜12)、アルケニル基(好まし
くは炭素数2〜20、より好ましくは2〜16、更に好
ましくは2〜12)、アルキニル基(好ましくは炭素数
2〜20、より好ましくは2〜16、更に好ましくは2
〜12)であり、アリール基としては、炭素数6〜20
の単環又は縮環のアリール基(フェニル、ナフチル等が
挙げられ、好ましくはフェニル)であり、複素環基とし
ては、3〜10員の飽和、不飽和の複素環基(2−チア
ゾリル、1−ピペラジニル、2−ピリジル、3−ピリジ
ル、2−フリル、2−チエニル、2−ベンゾイミダゾリ
ル、カルバゾリル等)であり、これらの基中の複素環は
単環であっても、他の環と縮合環を形成してもよい。こ
れらの各基は任意の個所に置換基を有してもよく、以下
の置換基が挙げられる。
【0066】アルキル基(シクロアルキル基、アラルキ
ル基を含み、好ましくは炭素数1〜20、より好ましく
は炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8であ
り、例えばメチル、エチル、プロピル、i−プロピル、
ブチル、t−ブチル、ヘプチル、オクチル、デシル、ウ
ンデシル、ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペン
チル、シクロヘキシル、ベンジル、フェネチル等)。ア
ルケニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましく
は炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8であ
り、例えばビニル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテ
ニル等)。アルキニル基(好ましくは炭素数2〜20、
より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数
2〜8であり、例えばプロパルギル、3−ペンチニル
等)。アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好
ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜1
2であり、例えばフェニル、p−トリル、o−アミノフ
ェニル、ナフチル等)。アミノ基(好ましくは炭素数、
0〜20、より好ましくは炭素数0〜10、特に好まし
くは炭素数0〜6であり、例えばアミノ、メチルアミ
ノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、
ジフェニルアミノ、ジベンジルアミノ等)。イミノ基
(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1
〜18、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えば
メチルイミノ、エチルイミノ、プロピルイミノ、フェニ
ルイミノ等)。アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜2
0、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭
素数1〜8であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキ
シ等)。アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜2
0、より好ましくは炭素数6〜16、特に好ましくは炭
素数6〜12であり、例えばフェニルオキシ、2−ナフ
チルオキシ等)。アシル基(好ましくは炭素数1〜2
0、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭
素数1〜12であり、例えばアセチル、ベンゾイル、ホ
ルミル、ピバロイル等)。アルコキシカルボニル基(好
ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜1
6、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメト
キシカルボニル、エトキシカルボニル等)。アリールオ
キシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜20、より好
ましくは炭素数7〜16、特に好ましくは炭素数7〜1
0であり、例えばフェニルオキシカルボニル等)、アシ
ルオキシ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましく
は炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜10であ
り、例えばアセトキシ、ベンゾイルオキシ等)。アシル
アミノ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは
炭素1〜16、特に好ましくは炭素数1〜10であり、
例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノ等)。アルコ
キシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、
より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数
2〜12であり、例えばメトキシカルボニルアミノ
等)。アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは
炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7〜16、特に
好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキ
シカルボニルアミノ等)。スルホニルアミノ基(好まし
くは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、
特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンス
ルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノ等)。スル
ファモイル基(好ましくは炭素数0〜20、より好まし
くは炭素0〜16、特に好ましくは炭素数0〜12であ
り、例えばスルファモイル、メチルスルファモイル、ジ
メチルスルファモイル、フェニルスルファモイル等)、
カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ま
しくは炭素1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12で
あり、例えばカルバモイル、メチルカルバモイル、ジエ
チルカルバモイル、フェニルカルバモイル等)。アルキ
ルチオ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは
炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であ
り、例えばメチルチオ、エチルチオ等)、アリールチオ
基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素6
〜16、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えば
フェニルチオ等)、スルホニル基(好ましくは炭素数1
〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましく
は炭素数1〜12であり、例えばメタンスルホニル、ト
シル等)。スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜2
0、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭
素数1〜12であり、例えばメタンスルフィニル、ベン
ゼンスルフィニル等)。ウレイド基(好ましくは炭素数
1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好まし
くは炭素数1〜12であり、例えばウレイド、メチルウ
レイド、フェニルウレイド等)。燐酸アミド基(好まし
くは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、
特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばジエチル
燐酸アミド、フェニル燐酸アミド等)。その他、ヒドロ
キシル基、メルカプト基、ハロゲン原子(弗素、塩素、
臭素、沃素)、シアノ基、スルホ基、スルフィノ基、カ
ルボキシル基、ホスホノ基、ホスフィノ基、ニトロ基、
ヒドロキサム酸基、ヒドラジノ基、複素環基(イミダゾ
リル、ベンズイミダゾリル、チアゾリル、ベンゾチアゾ
リル、カルバゾリル、ピリジル、フリル、ピペリジル、
モルホリノ等)等もある。
【0067】上記の基の内、ヒドロキシル基、メルカプ
ト基、スルホ基、スルフィノ基、カルボキシル基、ホス
ホノ基、ホスフィノ基等のような塩形成可能な基は塩で
あってもよい。これらの置換基は更に置換されてもよ
い。又、置換基が二つ以上ある場合は、同じでも異なっ
てもよい。置換基として好ましくは、アルキル基、アラ
ルキル基、アルコキシ基、アリール基、アルキルチオ
基、アシル基、アシルアミノ基、イミノ基、スルファモ
イル基、スルホニル基、スルホニルアミノ基、ウレイド
基、アミノ基、ハロゲン原子、ニトロ基、複素環基、ア
ルコキシカルボニル基、ヒドロキシ基、スルホ基、カル
バモイル基、カルボキシル基であり、より好ましくはア
ルキル基、アルコキシ基、アリール基、アルキルチオ
基、アシル基、アシルアミノ基、イミノ基、スルホニル
アミノ基、ウレイド基、アミノ基、ハロゲン原子、ニト
ロ基、複素環基、アルコキシカルボニル基、ヒドロキシ
ル基、スルホ基、カルバモイル基、カルボキシル基であ
り、更に好ましくはアルキル基、アルコキシ基、アリー
ル基、アルキルチオ基、アシルアミノ基、イミノ基、ウ
レイド基、アミノ基、複素環基、アルコキシカルボニル
基、ヒドロキシル基、スルホ基、カルバモイル基、カル
ボキシル基である。アミジノ基としては、置換基を有す
るものを含み、置換基としては例えば、アルキル基(メ
チル、エチル、ピリジルメチル、ベンジル、フェネチ
ル、カルボキシベンジル、アミノフェニルメチル等)、
アリール基(フェニル、p−トリル、ナフチル、o−ア
ミノフェニル、o−メトキシフェニル等)、複素環基
(2−チアゾリル、2−ピリジル、3−ピリジル、2−
フリル、3−フリル、2−チエノ、2−イミダゾリル、
ベンゾチアゾリル、カルバゾリル等)等が挙げられる。
【0068】Jで表される酸素原子、硫黄原子又は窒素
原子を一つ以上含む2価の連結基としては、例えば以下
のものが挙げられる。又、これらの組合せでもよい。
【0069】
【化3】
【0070】ここで、Re及びRfは各々、前述のRa
〜Rdで定義した内容と同義である。
【0071】HArで表される芳香族炭化水素基として
は、好ましくは炭素数6〜30のもので、より好ましく
は炭素数6〜20の単環又は縮環のアリール基であり、
例えば、フェニル、ナフチル等が挙げられ、特に好まし
くはフェニル基である。
【0072】HArで表される芳香族複素環基として
は、N、O及びSの内の少なくとも1原子を含む5〜1
0員の不飽和複素環基であり、これらの基中の複素環は
単環でよいし、更に他の環と縮合環を形成してもよい。
このような複素環として好ましくは、5〜6員の芳香族
複素環及びそのベンゾ縮合環であり、より好ましくは、
窒素原子を含む5〜6員の芳香族複素環及びそのベンゾ
縮合環であり、更に好ましくは、窒素原子を1〜2個含
む5〜6員の芳香族複素環及びそのベンゾ縮合環であ
る。
【0073】上記複素環基の具体例としては、チオフェ
ン、フラン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、ピ
リジン、ピラジン、ピリダジン、トリアゾール、トリア
ジン、インドール、インダゾール、プリン、チアジアゾ
ール、オキサジアゾール、キノリン、フタラジン、ナフ
チリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、プ
テリジン、アクリジン、フェナントロリン、フェナジ
ン、テトラゾール、チアゾール、オキサゾール、ベンゾ
イミダゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾー
ル、ベンゾチアゾリン、ベンゾトリアゾール、テトラザ
インデン、カルバゾール等から誘導される基が挙げられ
る。中でも好ましくは、イミダゾール、ピラゾール、ピ
リジン、ピラジン、インドール、インダゾール、チアジ
アゾール、オキサジアゾール、キノリン、フェナジン、
テトラゾール、チアゾール、オキサゾール、ベンゾイミ
ダゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベ
ンゾチアゾリン、ベンゾトリアゾール、テトラザインデ
ン、カルバゾールからなる基であり、更に好ましくは、
イミダゾール、ピリジン、ピラジン、キノリン、フェナ
ジン、テトラゾール、チアゾール、ベンゾオキサゾー
ル、ベンゾイミダゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾチ
アゾリン、ベンゾトリアゾール、カルバゾールから誘導
される基である。
【0074】HArで表される芳香族炭化水素基ならび
に芳香族複素環基は置換基を有していてもよく、置換基
としては、例えばTの置換基として挙げた基と同様のも
のを挙げることができ、好ましい範囲も同様である。こ
れらの置換基は更に置換されてもよく、又、置換基が複
数ある場合には、各々、同じでも異なってもよい。HA
rで表される基は、好ましくは芳香族複素環基である。
【0075】Ra、Rb、Rc及びRdで表される脂肪
族炭化水素基、アリール基及び複素環基は、前記Tで脂
肪族炭化水素基、アリール基及び複素環基の例として挙
げたと同様のものを挙げることができ、好ましい範囲も
同様である。
【0076】Ra、Rb、Rc及びRdで表されるアシ
ル基としては、炭素数1〜12の脂肪族又は芳香族の基
であり、具体的にはアセチル、ベンゾイル、ホルミル、
ピバロイル等の基が挙げられる。
【0077】RaとRb、RcとRd、RaとRc又は
RbとRdの間で結合して形成することができる含窒素
複素環基としては、3〜10員の飽和、不飽和の複素環
基(ピペリジン、ピペラジン、アクリジン、ピロリジ
ン、ピロール、モルホリン環等の残基)が挙げられる。
【0078】Mで表される分子内の電荷を相殺するに必
要なイオンとして、酸アニオンの具体例としては、p−
トルエンスルホン酸、過塩素酸、4弗化硼素、6弗化
燐、硫酸、メチル硫酸、エチル硫酸、メタンスルホン
酸、トリフルオロメタンスルホン酸等の各イオンが挙げ
られる。
【0079】以下に、一般式(1)で表される強色増感
剤(以下、本発明の強色増感剤と称す)の具体例を挙げ
るが、本発明はこれらに限定されない。
【0080】
【化4】
【0081】
【化5】
【0082】
【化6】
【0083】
【化7】
【0084】
【化8】
【0085】
【化9】
【0086】
【化10】
【0087】本発明の強色増感剤は市販のものを用いて
もよいし、あるいは既知の方法で合成してもよい。例え
ば、日本化学会編;新実験化学講座14巻(III)17
39〜1741頁(1978)等に記載の方法が参照で
きる。
【0088】本発明の強色増感剤は、熱現像感光材料の
感光性層に添加するが、必要に応じて更に非感光性層に
添加してもよい。
【0089】強色増感剤の添加量は所望の目的により異
なるが、銀1モル当たり10-4〜1モル、好ましくは1
-3〜0.3モル、更に好ましくは10-3〜0.1モル
添加することが好ましい。又、強色増感剤は1種のみを
用いても2種以上を併用してもよい。
【0090】本発明の強色増感剤は、水又は適当な有機
溶媒、例えばアルコール類(メタノール、エタノール、
プロパノール、弗素化アルコール等)、ケトン類(アセ
トン、メチルエチルケトン等)、ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルスルホキシド、メチルセロソルブ等に溶解
して用いることができる。又、既によく知られている乳
化分散法によって、ジブチルフタレート、トリクレジル
ホスフェート、グリセリルトリアセテート又はジエチル
フタレート等のオイル、酢酸エチルやシクロヘキサノン
等の補助溶媒を用いて溶解し、機械的に乳化分散物を作
製して用いることができる。又、固体分散法として知ら
れている方法によって、粉末を水の中にボールミル、コ
ロイドミル、サンドグラインダーミル、マントンゴーリ
ン、マイクロフルイダイザーあるいは超音波によって分
散して用いることができる。又、固体微粒子分散する際
に分散助剤を用いてもよい。
【0091】本発明に用いられる還元剤としては、下記
一般式(A)で表されるビスフェノール誘導体が好まし
い。
【0092】
【化11】
【0093】式中、Xはカルコゲン原子又はCHRを表
し、Rは水素原子、ハロゲン原子、炭素数が7以下の脂
肪族基又は6員環以下の環状基を表す。R′、R″は水
素原子、ハロゲン原子又は置換基を表す。
【0094】一般式(A)において、Xが表すカルコゲ
ン原子としては、硫黄、セレン、テルル原子であり、好
ましくは硫黄原子である。
【0095】CHR中のRが表すハロゲン原子として
は、例えば弗素、塩素、臭素原子等であり、炭素数が7
以下の脂肪族基としては、例えばメチル、エチル、プロ
ピル、ブチル、ヘキシル、ヘプチル、ビニル、アリル、
ブテニル、ヘキサジエニル、エテニル−2−プロペニ
ル、3−ブテニル、1−メチル−3−プロペニル、3−
ペンテニル、1−メチル−3−ブテニル等の各基であ
り、6員環以下の環状基としては脂環式基、複素環基を
含み、炭素環式基としては、シクロブテン、シクロペン
チル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロへキ
セニル、シクロヘキサジエニル、フェニル等の4〜6員
環が好ましく、複素環基としては、ピラゾール、ピロー
ル、ピロリジン、ピリミジン、ピラジン、ピリジン、ト
リアジン、チアゾール、フラン、ピラン等の5、6員環
の残基が好ましく、特に好ましくは、水素原子又はシク
ロアルキル基、シクロアルケニル基、フェニル基などの
環状構造を有する基である。
【0096】これらの基は更に置換基を有していてもよ
く、置換基としては、ハロゲン原子(弗素、塩素、臭素
等)、シクロアルキル基(シクロヘキシル、シクロヘプ
チル等)、シクロアルケニル基(1−シクロアルケニ
ル、2−シクロアルケニル等)、アルコキシ基(メトキ
シ、エトキシ、プロポキシ等)、アルキルカルボニルオ
キシ基(アセチルオキシ等)、アルキルチオ基(メチル
チオ、トリフルオロメチルチオ等)、カルボキシル基、
アルキルカルボニルアミノ基(アセチルアミノ等)、ウ
レイド基(メチルアミノカルボニルアミノ等)、アルキ
ルスルホニルアミノ基(メタンスルホニルアミノ等)、
アルキルスルホニル基(メタンスルホニル、トリフルオ
ロメタンスルホニル等)、カルバモイル基(カルバモイ
ル、N,N−ジメチルカルバモイル、N−モルホリノカ
ルボニル等)、スルファモイル基(スルファモイル、
N,N−ジメチルスルファモイル、モルホリノスルファ
モイル等)、トリフルオロメチル基、ヒドロキシル基、
ニトロ基、シアノ基、アルキルスルホンアミド基(メタ
ンスルホンアミド、ブタンスルホンアミド等)、アルキ
ルアミノ基(例えばアミノ基、N,N−ジメチルアミノ
基、N,N−ジエチルアミノ基等)、スルホ基、ホスフ
ォノ基、サルファイト基、スルフィノ基、アルキルスル
ホニルアミノカルボニル基(例えば、メタンスルホニル
アミノカルボニル基、エタンスルホニルアミノカルボニ
ル基等)、アルキルカルボニルアミノスルホニル基(ア
セトアミドスルホニル、メトキシアセトアミドスルホニ
ル等)、アルキニルアミノカルボニル基(アセトアミド
カルボニル、メトキシアセトアミドカルボニル等)、ア
ルキルスルフィニルアミノカルボニル基(メタンスルフ
ィニルアミノカルボニル、エタンスルフィニルアミノカ
ルボニル等)等が挙げられる。又、置換基が二つ以上あ
る場合は、同じでも異なってもよい。
【0097】R′、R″が表すハロゲン原子としては、
弗素、塩素、臭素原子等が挙げられ、置換基としては、
アルキル基、アリール基、シクロアルキル基、アルケニ
ル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、アミノ基、
アシル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、スルホニ
ルアミノ基、スルファモイル基、カルバモイル基、アル
キルチオ基、スルホニル基、アルキルスルホニル基、ス
ルフィニル基、シアノ基、複素環基等が挙げられる。複
数のR′、R″は同じでも異なってよい。
【0098】R′は炭素数2以上が好ましい。R″は炭
素数1〜5が好ましく、更に好ましくは炭素数1であ
る。これらの基は更に置換基を有してもよく、置換基と
しては、ハロゲン原子(弗素、塩素、臭素等)、アルキ
ル基(メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、
i−ペンチル、2−エチル−ヘキシル、オクチル、デシ
ル等)、シクロアルキル基(シクロヘキシル、シクロヘ
プチル等)、アルケニル基(エテニル−2−プロペニ
ル、3−ブテニル、1−メチル−3−プロペニル、3−
ペンテニル、1−メチル−3−ブテニル等)、シクロア
ルケニル基(1−シクロアルケニル、2−シクロアルケ
ニル等)、アルキニル基(、エチニル、1−プロピニル
等)、アルコキシ基(メトキシ、エトキシ、プロポキシ
等)、アルキルカルボニルオキシ基(アセチルオキシ
等)、アルキルチオ基(メチルチオ、トリフルオロメチ
ルチオ等)、カルボキシル基、アルキルカルボニルアミ
ノ基(アセチルアミノ等)、ウレイド基(メチルアミノ
カルボニルアミノ等)、アルキルスルホニルアミノ基
(メタンスルホニルアミノ等)、アルキルスルホニル基
(メタンスルホニル、トリフルオロメタンスルホニル
等)、カルバモイル基(カルバモイル、N,N−ジメチ
ルカルバモイル、N−モルホリノカルボニル等)、スル
ファモイル基(スルファモイル、N,N−ジメチルスル
ファモイル、モルホリノスルファモイル等)、トリフル
オロメチル基、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、
アルキルスルホンアミド基(メタンスルホンアミド、ブ
タンスルホンアミド等)、アルキルアミノ基(アミノ、
N,N−ジメチルアミノ、N,N−ジエチルアミノ
等)、スルホ基、ホスホノ基、サルファイト基、スルフ
ィノ基、アルキルスルホニルアミノカルボニル基(メタ
ンスルホニルアミノカルボニル、エタンスルホニルアミ
ノカルボニル等)、アルキルカルボニルアミノスルホニ
ル基(アセトアミドスルホニル、メトキシアセトアミド
スルホニル等)、アルキニルアミノカルボニル基(アセ
トアミドカルボニル、メトキシアセトアミドカルボニル
等)、アルキルスルフィニルアミノカルボニル基(メタ
ンスルフィニルアミノカルボニル、エタンスルフィニル
アミノカルボニル等)等が挙げられる。
【0099】一般式(A)で示される化合物の具体例と
しては、下記の化合物が挙げられる。
【0100】
【化12】
【0101】
【化13】
【0102】
【化14】
【0103】
【化15】
【0104】その他、米国特許3,589,903号、
同4,021,249号もしくは英国特許1,486,
148号及び特開昭51−51933号、同50−36
110号、同50−116023号、同52−8472
7号もしくは特公昭51−35727号に記載されたポ
リフェノール化合物、例えば2,2′−ジヒドロキシ−
1,1′−ビナフチル、6,6′−ジブロモ−2,2′
−ジヒドロキシ−1,1′−ビナフチル等の米国特許
3,672,904号に記載されたビスナフトール類、
更に、例えば4−ベンゼンスルホンアミドフェノール、
2−ベンゼンスルホンアミドフェノール、2,6−ジク
ロロ−4−ベンゼンスルホンアミドフェノール、4−ベ
ンゼンスルホンアミドナフトール等の米国特許3,80
1,321号に記載されているようなスルホンアミドフ
ェノール又はスルホンアミドナフトール類も挙げること
が出来る。
【0105】上記一般式(A)で表される化合物を初め
とする還元剤の使用量は、好ましくは銀1モル当たり1
×10-2〜10モル、特に1×10-2〜1.5モルであ
る。
【0106】本発明の熱現像感光材料に使用される還元
剤の量は、有機銀塩や還元剤の種類、その他の添加剤に
よって変化するが、一般的には有機銀塩1モル当たり
0.05〜10モル、好ましくは0.1〜3モルが適当
である。この量の範囲内において、上述した還元剤は2
種以上併用されてもよい。本発明においては、前記還元
剤を塗布直前に感光性ハロゲン化銀及び有機銀塩粒子及
び溶媒からなる感光性乳剤溶液に添加混合して塗布した
方が、停滞時間による写真性能変動が小さく好ましい場
合がある。
【0107】本発明の熱現像感光材料には省銀化剤を用
いることが好ましい。省銀化剤とは、一定の銀画像濃度
を得るために必要な銀量を低減化し得る化合物を言う。
この低減化する機能の作用機構は種々考えられるが、現
像銀の被覆力(カバリングパワー)を向上させる機能を
有する化合物が好ましい。ここで、現像銀の被覆力と
は、銀の単位量当たりの光学濃度を言う。この省銀化剤
としては特に制限はないが、ヒドラジン誘導体化合物、
ビニル化合物、4級オニウム化合物、アミン構造を有す
るシラン化合物等が好ましい例として挙げられる。
【0108】上記省銀化剤の添加量は、有機銀塩1モル
に対し10-5〜1モル、好ましくは10-4〜5×10-1
モルの範囲である。添加方法は有機溶剤の溶解、又は微
粒子上に固体分散状にすることが好ましい。添加する層
は、感光性層でも保護層でも、あるいは支持体に直接接
しているハレ−ション防止層や下引層の何処でも構わな
いが、感光性層が好ましい。
【0109】本発明に用いられる好適な色調剤の例はR
D17029号に開示されており、次のものがある。 イミド類(フタルイミド等);環状イミド類、ピラゾリ
ン−5−オン類及びキナゾリノン類(スクシンイミド、
3−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン、1−フェニ
ルウラゾール、キナゾリン及び2,4−チアゾリジンジ
オン等);ナフタールイミド類(N−ヒドロキシ−1,
8−ナフタールイミド等);コバルト錯体(コバルトの
ヘキサアンミントリフルオロアセテート等)、メルカプ
タン類(3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール
等);N−(アミノメチル)アリールジカルボキシイミ
ド類(N−(ジメチルアミノメチル)フタルイミド
等);ブロックされたピラゾール類(N,N′−ヘキサ
メチレンビス(1−カルバモイル−3,5−ジメチルピ
ラゾール)等);イソチウロニウム誘導体及びある種の
光漂白剤の組合せ(1,8−(3,6−ジオキサオクタ
ン)ビス(イソチウロニウムトリフルオロアセテート)
及び2−(トリブロモメチルスルホニル)ベンゾチアゾ
ールの組合せ等);フタラジノン、フタラジノン誘導体
又はこれらの誘導体の金属塩(4−(1−ナフチル)フ
タラジノン、6−クロロフタラジノン、5,7−ジメチ
ルオキシフタラジノン及び2,3−ジヒドロ−1,4−
フタラジンジオン等);フタラジノンとスルフィン酸誘
導体の組合せ(6−クロロフタラジノンとベンゼンスル
フィン酸ナトリウム又は8−メチルフタラジノンとp−
トリスルホン酸ナトリウムの組合せ等);フタラジンと
フタル酸の組合せ;フタラジン(フタラジンの付加物を
含む)とマレイン酸無水物、及びフタル酸、2,3−ナ
フタレンジカルボン酸又はo−フェニレン酸誘導体及び
その無水物(フタル酸、4−メチルフタル酸、4−ニト
ロフタル酸及びテトラクロロフタル酸無水物)から選択
される少なくとも1つの化合物との組合せ;キナゾリン
ジオン類、ベンズオキサジン、ナフトオキサジン誘導
体;ベンズオキサジン−2,4−ジオン類(1,3−ベ
ンズオキサジン−2,4−ジオン等);ピリミジン類及
び不斉トリアジン類(2,4−ジヒドロキシピリミジン
等)及びテトラアザペンタレン誘導体(3,6−ジメル
カプト−1,4−ジフェニル−1H,4H−2,3a,
5,6a−テトラアザペンタレン等)。これらのうち特
に好ましい色調剤としてはフタラジノン又はフタラジン
である。
【0110】本発明の熱現像感光材料中にはカブリ防止
剤が含まれてよい。例えば米国特許3,589,903
号等で知られる水銀化合物は有効なカブリ防止剤として
知られるが、環境的に好ましくない。そのため非水銀系
カブリ防止剤の検討が古くから行われてきた。非水銀系
カブリ防止剤としては例えば米国特許4,546,07
5号及び同4,452,885号及び特開昭59−57
234号等に開示されるようなカブリ防止剤が好まし
い。
【0111】特に好ましい非水銀カブリ防止剤は、米国
特許3,874,946号及び同4,756,999号
に開示されているような化合物、−C(X1)(X2
(X3)(ここでX1及びX2はハロゲンでX3は水素又は
ハロゲン)で表される1個以上の置換基を備えた複素環
状化合物である。好適なカブリ防止剤の例としては、特
開平9−288328号の段落〔0030〕〜〔003
6〕に記載される化合物等がある。
【0112】又、もう一つの好ましいカブリ防止剤の例
としては、特開平9−90550号の段落〔0062〕
〜〔0063〕に記載される化合物である。更に、その
他の好適なカブリ防止剤は、米国特許5,028,52
3号及び欧州特許600,587号、同605,981
号、同631,176号に開示されている。
【0113】熱現像感光材料に好適なバインダーは透明
又は半透明で、一般に無色であり、天然ポリマー合成樹
脂やポリマー及びコポリマー、その他フィルムを形成す
る媒体、例えばゼラチン、アラビアゴム、ポリ(ビニル
アルコール)、ヒドロキシエチルセルロース、セルロー
スアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリ
(ビニルピロリドン)、カゼイン、澱粉、ポリアクリル
酸、ポリメチルメタクリル酸、ポリ塩化ビニル、ポリメ
タクリル酸、コポリ(スチレン−無水マレイン酸)、コ
ポリ(スチレン−アクリロニトリル)、コポリ(スチレ
ン−ブタジエン)、ポリビニルアセタール類(ポリビニ
ルホルマール及びポリビニルブチラール)、ポリエステ
ル類、ポリウレタン類、フェノキシ樹脂、ポリ塩化ビニ
リデン、ポリエポキシド類、ポリカーボネート類、ポリ
ビニルアセテート、セルロースエステル類、ポリアミド
類がある。親水性でも疎水性でもよいが、本発明におい
ては、熱現像性を高めるために、又、熱現像後のカブリ
を低減させるために、疎水性透明バインダーを使用する
ことが好ましい。
【0114】好ましいバインダーとしては、ポリビニル
ブチラール、セルロースアセテート、セルロースアセテ
ートブチレート、ポリエステル、ポリカーボネート、ポ
リアクリル酸、ポリウレタン等が挙げられる。その中で
も、ポリビニルブチラール、セルロースアセテート、セ
ルロースアセテートブチレート、ポリエステルは特に好
ましく用いられる。
【0115】又、感光材料の表面を保護したり擦り傷を
防止するために、感光性層の外側に非感光性層を有する
ことができる。これらの非感光性層に用いられるバイン
ダーは、感光性層に用いられるバインダーと同じ種類で
も異なった種類でもよい。
【0116】熱現像の速度を速めるために、感光性層の
バインダー量が1.5〜10g/m 2であることが好ま
しい。更に好ましくは1.7〜8g/m2である。1.
5g/m2未満では未露光部の濃度が大幅に上昇し、使
用に耐えない場合がある。
【0117】熱現像後の画像の傷付き防止のためには、
熱現像感光材料の表面にマット剤を配することが好まし
く、該マット剤を、支持体から見て感光性層側の全バイ
ンダーに対し質量比で0.5〜30%含有することが好
ましい。
【0118】又、支持体を挟み感光性層の反対側に非感
光性層を設ける場合は、非感光性層側の少なくとも1層
中に、感光材料の滑り性や指紋付着防止のためにマット
剤を含有することが好ましい。マット剤は感光材料の表
面に配することが好ましく、マット剤は、感光性層側の
反対側の層の全バインダーに対し質量比で0.5〜40
%含有することが好ましい。
【0119】用いられるマット剤の材質は有機物及び無
機物の何れでもよい。例えば、無機物としては、スイス
特許330,158号等に記載のシリカ、仏国特許1,
296,995号等に記載のガラス粉、英国特許1,1
73,181号等に記載のアルカリ土類金属、カドミウ
ム又は亜鉛等の炭酸塩等をマット剤として用いることが
できる。有機物としては、米国特許2,322,037
号等に記載の澱粉、ベルギー特許625,451号や英
国特許981,198号等に記載された澱粉誘導体、特
公昭44−3643号等に記載のポリビニルアルコー
ル、スイス特許330,158号等に記載のポリスチレ
ンあるいはポリメタアクリレート、米国特許3,07
9,257号等に記載のポリアクリロニトリル、同3,
022,169号等に記載されたポリカーボネートのよ
うな有機マット剤を用いることができる。
【0120】マット剤の形状は、定形、不定形どちらで
もよいが、好ましくは定形で、球形が好ましく用いられ
る。マット剤の大きさはマット剤の体積を球形に換算し
た時の直径で表される。本発明においてマット剤の粒径
とは、この球形換算した直径を示すものとする。
【0121】本発明に用いられるマット剤は、平均粒径
が0.5〜10μmであることが好ましく、更に好まし
くは1.0〜8.0μmである。又、粒子サイズ分布の
変動係数としては、50%以下であることが好ましく、
更に、好ましくは40%以下であり、特に好ましくは3
0%以下となるマット剤である。ここで、粒子サイズ分
布の変動係数は下記の式で表される値である。
【0122】(粒径の標準偏差/粒径の平均値)×10
0(%)マット剤は任意の構成層中に含むことができる
が、本発明の目的を達成するためには好ましくは感光性
層以外の構成層であり、更に好ましくは支持体から見て
最も外側の層である。
【0123】マット剤の添加方法は、予め塗布液中に分
散させて塗布する方法であってもよいし、塗布液を塗布
した後、乾燥が終了する以前にマット剤を噴霧する方法
を用いてもよい。又、複数の種類のマット剤を添加する
場合は、両方の方法を併用してもよい。
【0124】本発明の熱現像感光材料は、支持体上に少
なくとも1層の熱現像感光性層を有している。支持体の
上に感光性層のみを形成してもよいが、感光性層の上
に、少なくとも1層の非感光性層を形成することが好ま
しい。
【0125】感光性層を通過する光の量又はその波長分
布を制御するために熱現像感光層と同じ側にフィルター
染料層、又、反対側にアンチハレーション染料層、所謂
バッキング層等を形成してもよいし、感光性層中に染料
又は顔料を含ませてもよい。
【0126】用いられる染料としては、所望の波長範囲
に目的の吸収を有するものであれば如何なる化合物でも
よいが、例えば特開昭59−6481号、同59−18
2436号、米国特許4,271,263号、同4,5
94,312号、欧州特許公開533,008号、同6
52473号、特開平2−216140号、同4−34
8339号、同平7−191432号、同7−3018
90号などに記載の化合物が好ましく用いられる。
【0127】又、これらの非感光性層には、前記のバイ
ンダーやマット剤を含有することが好ましく、更にポリ
シロキサン化合物やワックスや流動パラフィンのような
滑り剤を含有してもよい。
【0128】本発明で用いられる支持体は、熱現像処理
後の画像の変形を防ぐために、プラスチックフィルム
(ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポ
リイミド、ナイロン、セルローストリアセテート、ポリ
エチレンナフタレート等)であることが好ましい。支持
体の厚みとしては50〜300μm程度、好ましくは7
0〜180μmである。
【0129】又、熱処理したプラスチック支持体を用い
ることもできる。採用するプラスチックとしては、前記
のプラスチックが挙げられる。支持体の熱処理とはこれ
らの支持体を製膜後、感光性層が塗布される迄の間に、
支持体のガラス転移点より30℃以上高い温度で、好ま
しくは35℃以上高い温度で、更に好ましくは40℃以
上高い温度で加熱することがよい。ただし、支持体の融
点を超えた温度で加熱しては効果は得られない。
【0130】支持体の製膜方法及び下引製造方法は公知
の方法を用いることができるが、好ましくは、特開平9
−50094号の段落〔0030〕〜〔0070〕に記
載された方法を用いることである。
【0131】本発明においては帯電性を改良するために
金属酸化物及び/又は導電性ポリマー等の導電性化合物
を構成層中に含ませることができる。これらは何れの層
に含有させてもよいが、好ましくは下引層、バッックコ
ート層、感光性層と下引の間の層などに含まれる。本発
明においては、米国特許5,244,773号カラム1
4〜20に記載された導電性化合物が好ましく用いられ
る。
【0132】これらの各層、感光層、保護層及びバック
コート層等本発明の感光材料上に必要な前記構成物を含
有する各層を塗設する方法に特に制限はなく、従来知ら
れている、エアナイフコーティング、ディップコーティ
ング、バーコーティング、カーテンコーティング、ホッ
パーコーティング等の方法を用いることができる。又、
これらの層を2層以上同時に塗布してもよい。塗布液の
溶媒としてはメチルエチルケトン、酢酸エチル、トルエ
ンのような有機溶媒が好ましく用いられる。
【0133】熱現像感光材料をレーザー、あるいはLE
D等を用いたスキャナーにて書込みを行う場合には、例
えば特開昭63−159841号、同60−14033
5号、同63−231437号、同63−259651
号、同63−304242号、同63−15245号、
米国特許4,639,414号、同4,740,455
号、同4,741,966号、同4,751,175
号、同4,835,096号等に記載された増感色素の
中から、各種スキャナー光源の分光特性に適した分光感
度を有する増感色素を有利に選択することができる。本
発明に使用される有用な増感色素は例えばRD1764
3,23頁IV−A項(1978年12月)、同1843
1,437頁X項(1979年8月)に記載もしくは引
用された文献に記載される。特に、特開平9−3407
8号、同9−54409号、同9−80679号記載の
化合物が好ましく用いられる。
【0134】本発明においては、感光性層のバインダー
量が0.5〜4g/m2であることが好ましい。更に好
ましくは1.0〜3.0g/m2である。0.5g/m2
未満では未露光部の濃度が大幅に上昇し、使用に耐えな
い場合があり、又4g/m2より多いと断裁の際に膜剥
がれを起こす懸念がある。
【0135】本発明においては、バッキング層と保護層
の両方にマット剤を含有することが好ましく、本発明の
寸法の繰り返し精度を高めるには、ポリマーマット剤又
は無機マット剤を乳剤層側の全バインダーに対し、質量
比で0.5〜10%含有することが好ましい。
【0136】(画像記録)本発明の熱現像写真感光材料
は常温で安定であるが、露光後高温に加熱することで現
像される。加熱温度としては80〜200℃が好まし
く、更に好ましくは100〜150℃である。加熱温度
が80℃未満では短時間で十分な画像濃度が得られず、
又、200℃を超えるとバインダーが溶融し、ローラー
への転写など、画像そのものや搬送性にも悪影響を及ぼ
し好ましくない。加熱することで有機銀塩(酸化剤とし
て機能する)と還元剤との間の酸化還元反応を通じて銀
を生成する。この酸化還元反応は露光でハロゲン化銀に
発生した潜像の触媒作用によって促進される。露光領域
中の有機銀塩の反応によって生成した銀は黒色画像を提
供し、これは非露光領域と対照をなし、画像の形成が為
される。この反応過程は、外部から水等の処理液を供給
することなしで進行する。
【0137】本発明の熱現像感光材料は、支持体の両側
上に少なくとも1層の感光性層を有している。支持体の
上に感光性層のみを形成してもよいが、感光性層の上に
少なくとも1層の非感光性層を形成することが好まし
い。
【0138】感光性層に通過する光の量又は波長分布を
制御するためにフィルター層を形成してもよいし、感光
性層に染料又は顔料を含ませてもよい。感光性層は複数
層にしてもよく、又階調の調節のため感度を高感層/低
感層又は低感層/高感層にしても良い。各種の添加剤は
感光性層、非感光性層、又はその他の形成層のいずれに
添加しても良い。本発明の熱現像写真感光材料には例え
ば、界面活性剤、酸化防止剤、安定化剤、可塑剤、紫外
線吸収剤、被覆助剤等を用いてもよい。
【0139】本発明の露光波長は760〜1100nm
であり、好ましくは770〜850nmである。
【0140】本発明の熱現像感光材料において、露光は
レーザー走査露光により行うことが好ましいが、感光材
料の露光面と走査レーザー光のなす角度が実質的に垂直
になることがないレーザー走査露光機を用いることが好
ましい。
【0141】ここで「実質的に垂直になることがない」
とは、レーザー走査中に最も垂直に近い角度として、好
ましくは55〜88度、より好ましくは60〜86度、
更に好ましくは65〜84度、最も好ましくは70〜8
2度であることを言う。
【0142】レーザー光が、感光材料に走査される時の
感光材料露光面でのビームスポット直径は、好ましくは
200μm以下、より好ましくは100μm以下であ
る。これはスポット径が小さい方がレーザー入射角度の
垂直からのずらし角度を減らせる点で好ましい。尚、ビ
ームスポット直径の加減は10μmである。このような
レーザー走査露光を行うことにより、干渉縞様のムラの
発生等の反射光に関わる画質劣化を減じることが出来
る。
【0143】又、本発明における露光は縦マルチである
走査レーザー光を発するレーザー走査露光機を用いて行
うことも好ましい。縦単一モードの走査レーザー光に比
べて干渉縞様のムラの発生等の画質劣化が減少する。
【0144】縦マルチ化するには、合波による、戻り光
を利用する、高周波重畳をかける等の方法がよい。尚、
縦マルチとは、露光波長が単一でないことを意味し、通
常、露光波長の分布が5nm以上、好ましくは10nm
以上になるとよい。露光波長の分布の上限には特に制限
はないが、通常60nm程度である。
【0145】本発明の熱現像感光材料は常温で安定であ
るが、露光後高温に加熱することで現像される。加熱温
度としては80〜200℃が好ましく、更に好ましくは
100〜150℃である。加熱温度が80℃未満では短
時間で十分な画像濃度が得られず、又、200℃を超え
るとバインダーが溶融し、ローラーへの転写など、画像
そのものや搬送性にも悪影響を及ぼし、好ましくない。
【0146】加熱することで有機銀塩(酸化剤として機
能する)と還元剤との間の酸化還元反応を通じて銀を生
成する。この酸化還元反応は露光でハロゲン化銀に発生
した潜像の触媒作用によって促進される。露光領域中の
有機銀塩の反応によって生成した銀は黒色画像を提供
し、これは非露光領域と対照をなし、画像の形成が為さ
れる。この反応過程は、外部から水等の処理液を供給す
ることなしで進行する。
【0147】本発明の熱現像感光材料は、支持体上に少
なくとも1層の感光性層を有している。支持体の上に感
光性層のみを形成してもよいが、感光性層の上に少なく
とも1層の非感光性層を形成することが好ましい。感光
性層に通過する光の量又は波長分布を制御するために感
光性層と同じ側又は反対側にフィルター層を形成しても
よいし、感光性層に染料又は顔料を含ませてもよい。染
料としては特開平8−201959号の化合物が好まし
い。
【0148】感光性層は複数層にしてもよく、又、階調
の調節のため感度を高感層/低感層、又は低感層/高感
層にしてもよい。各種の添加剤は感光性層、非感光性
層、又はその他の形成層の何れに添加してもよい。
【0149】熱現像感光材料には、例えば界面活性剤、
酸化防止剤、安定化剤、可塑剤、紫外線吸収剤、被覆助
剤等を用いてもよい。これらの添加剤及び上述したその
他の添加剤は、RD17029(前出),9〜15頁に
記載される化合物を好ましく用いることができる。
【0150】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明の態様はこれに限定されない。尚、特に断
りない限り、実施例中の「%」は「質量%」を示す。
【0151】実施例1 〈下引済み写真用支持体の作製〉市販の2軸延伸熱固定
済みの厚さ175μmの、光学濃度で0.170(コニ
カ社製デンシトメータPDA−65にて測定)に青色着
色したポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム
の両面に8W/m2・分のコロナ放電処理を施し、一方
の面に下記組成の下引塗布液a−1を乾燥膜厚0.8μ
mになるように塗設し乾燥させて下引層A−1とし、
又、反対側の面に下記組成の下引塗布液b−1を乾燥膜
厚0.8μmになるように塗設し乾燥させて下引層B−
1とした。 (下引塗布液a−1) ブチルアクリレート/t−ブチルアクリレート/スチレン/2−ヒドロキシ エチルアクリレート(30/20/25/25%)共重合体ラテックス液( 固形分30%) 270g 化合物(C−1) 0.6g ヘキサメチレン−1,6−ビス(エチレンウレア) 0.8g 水で1Lに仕上げる (下引塗布液b−1) ブチルアクリレート/スチレン/グリシジルアクリレート(40/20/40 %)共重合体ラテックス液(固形分30%) 270g 化合物(C−1) 0.6g ヘキサメチレン−1,6−ビス(エチレンウレア) 0.8g 水で1Lに仕上げる 引き続き、下引層A−1及び下引層B−1の上表面に、8W/m2・分のコロ ナ放電を施し、下引層A−1の上には、下記組成の下引上層塗布液a−2を乾燥 膜厚0.1μmになる様に下引上層A−2として、下引層B−1の上には、下記 組成の下引上層塗布液b−2を乾燥膜厚0.8μmになる様に帯電防止機能を持 つ下引上層B−2として塗設した。 (下引上層塗布液a−2) ゼラチン 0.4g/m2になる質量 化合物(C−1) 0.2g 化合物(C−2) 0.2g 化合物(C−3) 0.1g シリカ粒子(平均粒径3μm) 0.1g 水で1Lに仕上げる (下引上層塗布液b−2) 化合物(C−4) 60g 化合物(C−5)を成分とするラテックス液(固形分20%) 80g 硫酸アンモニウム 0.5g 化合物(C−6) 12g ポリエチレングリコール(重量平均分子量600) 6g 水で1lL仕上げる
【0152】
【化16】
【0153】
【化17】
【0154】〈バック面側塗布〉メチルエチルケトン
(MEK)830gを攪拌しながら、セルロースアセテ
ートブチレート(Eastman Chemical社
製:CAB381−20)84.2g及びポリエステル
樹脂(Bostic社製:VitelPE2200B)
4.5gを添加し溶解した。溶解した液に、0.30g
の赤外染料1を添加し、更にメタノール43.2gに溶
解した弗素系活性剤(旭硝子社製:サーフロンKH4
0)4.5gと弗素系活性剤(大日本インク社製:メガ
ファックF120K)2.3gを添加して、溶解するま
で十分に攪拌した。最後に、MEKに1%の濃度でディ
ゾルバ型ホモジナイザにて分散したシリカ(W.R.G
race社製:シロイド64X6000)を75g添
加、攪拌しバック面側用の塗布液を調製した。
【0155】
【化18】
【0156】このように調製したバック面塗布液を、乾
燥膜厚が3.5μmになるように押出しコーターにて塗
布・乾燥を行った。乾燥温度100℃、露天温度10℃
の乾燥風を用いて5分間かけて乾燥した。
【0157】 〈比較用感光性ハロゲン化銀乳剤Aの調製〉 溶液(A1) フェニルカルバモイル化ゼラチン 88.3g 化合物A(10%メタノール水溶液) 10ml 臭化カリウム 0.32g 水で5429mlに仕上げる 溶液(B1) 0.67mol/L硝酸銀水溶液 2635ml 溶液(C1) 臭化カリウム 51.55g 沃化カリウム 1.47g 水で660mlに仕上げる 溶液(D1) 臭化カリウム 157.9g 水で1982mlに仕上げる 溶液(E1) 0.4mol/L臭化カリウム水溶液 下記銀電位制御量 溶液(F1) 水酸化カリウム 0.71g 水で20mlに仕上げる 溶液(G1) 56%酢酸水溶液 18.0ml 溶液(H1) 無水炭酸ナトリウム 1.72g 水で151mlに仕上げる A:HO(CH2CH2O)n〔CH(CH3)CH2O〕17(CH2CH2O)mH (m+n=5〜7) 特公昭58−58288号、同58−58289号に示
される混合攪拌機を用いて溶液(A1)に溶液(B1)
の1/4量及び溶液(C1)全量を温度30℃、pAg
8.09に制御しながら、同時混合法により4分45秒
を要して添加し、核形成を行った。1分後、溶液(F
1)の全量を添加した。この間pAgの調整を(E1)
を用いて適宜行った。6分間経過後、溶液(B1)の3
/4量及び溶液(D1)の全量を、温度30℃、pAg
8.09に制御しながら、同時混合法により14分15
秒かけて添加した。5分間攪拌した後、40℃に昇温
し、溶液(G1)を全量添加し、ハロゲン化銀乳剤を沈
降させた。沈降部分2000mlを残して上澄み液を捨
て、水を10L加え、攪拌後、再度ハロゲン化銀乳剤を
沈降させた。沈降部分1500mlを残して上澄み液を
捨て、更に水を10L加え、攪拌後、ハロゲン化銀乳剤
を沈降させた。沈降部分1500mlを残し、上澄み液
を捨て去った後、溶液(H1)を加え、60℃に昇温
し、更に120分攪拌した。最後にpHが5.8になる
ように調整し、銀量1モル当たり1161gになるよう
に水を添加し、沃化銀を含有しない感光性ハロゲン化銀
乳剤Aを得た。この乳剤は、平均粒子サイズ0.040
μm、粒子サイズの変動係数12%、〔100〕面比率
92%の単分散立方体沃臭化銀粒子であった。
【0158】〈比較用感光性ハロゲン化銀乳剤Bの調
製〉溶液(D1)の代わりに下記組成の溶液(D2)を
添加した以外は、感光性ハロゲン化銀乳剤Aと同様の方
法で沃化銀含有率8モル%の感光性ハロゲン化銀乳剤B
を得た。 溶液(D2) 臭化カリウム 145.1g 沃化カリウム 17.64g 水で1982mlに仕上げる 〈感光性ハロゲン化銀乳剤Cの調製〉溶液(D1)の代
わりに下記組成の溶液(D3)を添加した以外は、感光
性ハロゲン化銀乳剤Aと同様の方法で沃化銀含有率0.
1モル%の感光性ハロゲン化銀乳剤Cを得た。 溶液(D3) 臭化カリウム 157.8g 沃化カリウム 0.22g 水で1982mlに仕上げる 〈感光性ハロゲン化銀乳剤Dの調製〉溶液(D1)の代
わりに下記組成の溶液(D4)を添加した以外は、感光
性ハロゲン化銀乳剤Aと同様の方法で沃化銀含有率1モ
ル%の感光性ハロゲン化銀乳剤Dを得た。 溶液(D4) 臭化カリウム 156.3g 沃化カリウム 2.21g 水で1982mlに仕上げる 〈感光性ハロゲン化銀乳剤Eの調製〉溶液(D1)の代
わりに下記組成の溶液(D5)を添加した以外は、感光
性ハロゲン化銀乳剤Aと同様の方法で沃化銀含有率2モ
ル%の感光性ハロゲン化銀乳剤Eを得た。 溶液(D5) 臭化カリウム 154.9g 沃化カリウム 4.41g 水で1982mlに仕上げる 〈感光性ハロゲン化銀乳剤Fの調製〉溶液(D1)の代
わりに下記組成の溶液(D6)を添加した以外は、感光
性ハロゲン化銀乳剤Aと同様の方法で沃化銀含有率4モ
ル%の感光性ハロゲン化銀乳剤Fを得た。 溶液(D6) 臭化カリウム 151.5g 沃化カリウム 8.82g 水で1982mlに仕上げる 〈感光性ハロゲン化銀乳剤Gの調製〉溶液(D1)の代
わりに下記組成の溶液(D7)を添加した以外は、感光
性ハロゲン化銀乳剤Aと同様の方法で沃化銀含有率1モ
ル%で遷移金属イオンを含有する感光性ハロゲン化銀乳
剤Gを得た。 溶液(D7) 臭化カリウム 156.3g 沃化カリウム 2.21g 塩化イリジウム(1%溶液) 0.93ml 水で1982mlに仕上げる 〈粉末有機銀塩A〜Gの調製〉4720mlの純水にベ
ヘン酸130.8g、アラキジン酸67.7g、ステア
リン酸43.6g、パルミチン酸2.3gを80℃で溶
解した。次に1.5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶
液540.2mlを添加し、濃硝酸6.9mlを加えた
後、55℃に冷却して脂肪酸ナトリウム溶液を得た。こ
の脂肪酸ナトリウム溶液の温度を55℃に保ったまま、
45.3gの上記感光性ハロゲン化銀乳剤Aと純水45
0mlを添加し5分間攪拌した。
【0159】次に1mol/Lの硝酸銀水溶液702.
6mlを2分間かけて添加し、10分間攪拌し有機銀塩
分散物を得た。その後、得られた有機銀塩分散物を水洗
容器に移し、脱イオン水を加えて攪拌後、静置させて有
機銀塩分散物を浮上分離させ、下方の水溶性塩類を除去
した。その後、排水の電導度が2μS/cmになるまで
脱イオン水による水洗、排水を繰り返し、遠心脱水を実
施した後、得られたケーキ状の有機銀塩を、気流式乾燥
機フラッシュジェットドライヤー(セイシン企業社製)
を用いて、窒素ガス雰囲気及び乾燥機入り口熱風温度の
運転条件により含水率が0.1%になるまで乾燥し、粉
末有機銀塩Aを得た。
【0160】感光性ハロゲン化銀乳剤B〜Gについても
同様の操作を行い、それぞれ粉末有機銀塩B〜Gを得
た。尚、有機銀塩組成物の含水率測定には赤外線水分計
を使用した。
【0161】〈粉末有機銀塩Hの調製〉4720mlの
純水にベヘン酸130.8g、アラキジン酸67.7
g、ステアリン酸43.6g、パルミチン酸2.3gを
80℃で溶解した。次に1.5mol/Lの水酸化ナト
リウム水溶液540.2mlを添加し濃硝酸6.9ml
を加えた後、55℃に冷却して脂肪酸ナトリウム溶液を
得た。この脂肪酸ナトリウム溶液の温度を55℃に保っ
たまま、259.8gのt−ブタノールを添加し、5分
撹拌した後、45.3gの前記感光性ハロゲン化銀乳剤
Gと純水450mlを添加し更に5分間攪拌した。
【0162】次に1mol/Lの硝酸銀水溶液702.
6mlを2分間かけて添加し、10分間攪拌し有機銀塩
分散物を得た。得られた有機銀塩分散物を水洗容器に移
し、脱イオン水を加えて攪拌後、静置させて有機銀塩分
散物を浮上分離させ、下方の水溶性塩類を除去した。そ
の後、排水の電導度が2μS/cmになるまで脱イオン
水による水洗、排水を繰り返し、遠心脱水を実施した
後、得られたケーキ状の有機銀塩を、気流式乾燥機フラ
ッシュジェットドライヤー(セイシン企業社製)を用い
て、窒素ガス雰囲気及び乾燥機入り口熱風温度の運転条
件により含水率が0.1%になるまで乾燥して、粉末有
機銀塩Hを得た。
【0163】〈予備分散液A〜Hの調製〉ポリビニルブ
チラール粉末(Monsanto社製:Butvar
B−79)14.57gをMEK1457gに溶解し、
VMA−GETZMANN社製ディゾルバDISPER
MAT CA−40M型にて攪拌しながら粉末有機銀塩
A500gを徐々に添加して十分に混合することにより
予備分散液Aを調製した。
【0164】粉末有機銀塩B〜Hについても同様の操作
を行い、それぞれ予備分散液B〜Hを得た。
【0165】〈感光性乳剤分散液1〜8の調製〉予備分
散液Aをポンプを用いてミル内滞留時間が1.5分間と
なるように、0.5mm径のジルコニアビーズ(東レ社
製:トレセラム)を内容積の80%充填したメディア型
分散機DISPERMAT SL−C12EX型(VM
A−GETZMANN社製)に供給し、ミル周速8m/
sで分散を行うことにより感光性乳剤分散液1を調製し
た。
【0166】予備分散液B〜Hについても同様の操作を
行い、それぞれ感光性乳剤分散液2〜8を得た。
【0167】〈一般式(1)添加液の調製〉一般式
(1)の化合物をメタノールに1%の濃度になるように
溶解した添加液を調製した。
【0168】〈安定剤液の調製〉1.0gの安定剤1及
び0.31gの酢酸カリウムをメタノール4.97gに
溶解し安定剤液を調製した。
【0169】〈赤外増感色素液の調製〉19.2mgの
赤外増感色素S−43、1.488gの2−クロロ−安
息香酸、2.779gの安定剤2及び365mgの5−
メチル−2−メルカプトベンゾイミダゾールを31.3
mlのMEKに暗所にて溶解し、赤外増感色素液を調製
した。
【0170】〈添加液aの調製〉現像剤としての1,1
−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)
−2−メチルプロパン27.98gと1.54gの4−
メチルフタル酸、0.48gの前記赤外染料1をMEK
110gに溶解し添加液aとした。
【0171】〈添加液bの調製〉3.56gのカブリ防
止剤2、3.43gのフタラジンをMEK40.9gに
溶解し添加液bとした。
【0172】〈感光層塗布液A〜Hの調製〉不活性気体
雰囲気下(窒素97%)において、前記感光性乳剤分散
液1(50g)及びMEK15.11gを攪拌しながら
21℃に保温し、カブリ防止剤1(10%メタノール溶
液)390μlを加え、1時間攪拌した。更に臭化カル
シウム(10%メタノール溶液)494μlを添加して
20分攪拌した。続いて、安定剤液167mlを添加し
て10分間攪拌した後、1.32gの前記赤外増感色素
液を添加して1時間攪拌した。その後、温度を13℃ま
で降温して更に25分攪拌した後、一般式(1)の化合
物の添加液を表1の種類と添加量になるように添加し、
更に5分後に13℃に保温したままポリビニルブチラー
ル(Monsanto社製:Butvar B−79)
13.31gを添加して30分攪拌した後、テトラクロ
ロフタル酸(9.4%MEK溶液)1.084gを添加
して15分間攪拌した。更に攪拌を続けながら、12.
43gの添加液a、1.6mlのDesmodurN3
300/モーベイ社製の脂肪族イソシアナート(10%
MEK溶液)、4.27gの添加液bを順次添加し攪拌
することにより感光層塗布液Aを得た。
【0173】同様の操作で感光性乳剤分散液2〜8を用
いて、それぞれ感光層塗布液B〜Hを得た。
【0174】感光層塗布液作製までに使用した各添加剤
の構造を以下に示す。
【0175】
【化19】
【0176】〈マット剤分散液の調製〉セルロースアセ
テートブチレート(Eastman Chemical
社製:CAB171−15)7.5gを42.5gのM
EKに溶解し、その中に、炭酸カルシウム(Speci
ality Minerals社製:Super−Pf
lex200)5gを添加し、ディゾルバ型ホモジナイ
ザにて8000rpmで30分間分散し、マット剤分散
液を調製した。
【0177】〈表面保護層塗布液の調製〉MEK865
gを攪拌しながら、セルロースアセテートブチレート
(前出:CAB171−15)96g、ポリメチルメタ
クリル酸(ローム&ハース社製:パラロイドA−21)
4.5g、ビニルスルホン化合物(VSC)1.5g、
ベンゾトリアゾール1.0g、弗素系活性剤(旭硝子社
製:サーフロンKH40)1.0gを添加し溶解した。
次に上記マット剤分散液30gを添加して攪拌し、表面
保護層塗布液を調製した。
【0178】 VSC:(CH2=CHSO2CH22CHOH 〈感光層面側塗布〉前記感光層塗布液Aと表面保護層塗
布液を押出し(エクストルージョン)コーターを用いて
同時に重層塗布することにより感光材料101を作製し
た。塗布は、感光層は塗布銀量1.5g/m2、表面保
護層は乾燥膜厚で2.5μmになる様に行った。その
後、乾燥温度75℃、露点温度10℃の乾燥風を用いて
10分間乾燥した。同様の操作で表1に示す感光材料1
02〜116も作製した。
【0179】〈露光及び現像処理〉上記のように作製し
た感光材料の乳剤面側から、高周波重畳にて波長800
〜820nmの縦マルチモード化された半導体レーザを
露光源とした露光機によりレーザ走査による露光を与え
た。この際に、感光材料の露光面と露光レーザ光の角度
を75度として画像を形成した。(尚、当該角度を90
度とした場合に比べムラが少なく、かつ予想外に鮮鋭性
等が良好な画像が得られた)。
【0180】その後、ヒートドラムを有する自動現像機
を用いて感光材料の保護層とドラム表面が接触するよう
にして、125℃で15秒熱現像処理した。その際、露
光及び現像は23℃・50%RH(相対温度)に調湿し
た部屋で行った。
【0181】《センシトメトリー評価》得られた画像の
評価を濃度計により行った。感度(未露光部分よりも
1.0高い濃度を与える露光量の比の逆数)、カブリ、
Dmaxを測定し、相対感度は感光材料101の感度を
100とする相対値で示した。
【0182】《画像保存性の評価》センシトメトリー評
価と同様の処理をした2枚の試料を1枚は25℃・55
%RHで7日間遮光保存し、もう1枚は25℃・55%
RHで7日間自然光に晒した後、両者のカブリ部分の濃
度を測定し、カブリの増加を以て画像保存性の評価とし
た。
【0183】カブリの増加=自然光に晒した時のカブリ
−遮光保存した時のカブリ 《銀色調の評価》銀色調の評価用として、現像後の濃度
が1.1±0.05になるように露光現像した試料を作
製した。この試料を色温度7700ケルビン、照度11
600ルクスの光源台で10時間、100時間、100
0時間照射し、下記基準で銀の色調を5段階評価した。
品質保証上問題のないランクは4以上である。
【0184】 5:純黒調で全く黄色味を感じない 4:純黒ではないが、殆ど黄色味を感じない 3:部分的に僅かに黄色味を感じる 2:全面に僅かに黄色味を感じる 1:一見して黄色味が感じられる 評価結果を纏めて表1に示す。
【0185】
【表1】
【0186】表の結果より、本発明に係る熱現像感光材
料試料が、何れの評価項目でも優れることが明白であ
る。
【0187】
【発明の効果】本発明の感光性乳剤、該乳剤を用いた熱
現像感光材料によれば、所望の感度や最高濃度が得ら
れ、併せて画像保存性や銀色調も改良される。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 感光性ハロゲン化銀粒子として沃化銀含
    有率0.1〜4モル%の沃臭化銀粒子、非感光性有機銀
    塩、バインダー、還元剤及び下記一般式(1)で表され
    る化合物を含有することを特徴とする熱現像感光材料用
    感光性乳剤。 【化1】 〔式中、HArは芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基
    を表し、Tは脂肪族炭化水素基からなる2価の連結基又
    は連結基を表し、Jは酸素原子、硫黄原子又は窒素原子
    を一つ以上含む2価の連結基又は連結基を表す。Ra、
    Rb、Rc及びRdは各々、水素原子、アシル基、脂肪
    族炭化水素基、アリール基又は複素環基を表すが、Ra
    とRb、RcとRd、RaとRc又はRbとRdの間で
    結合して含窒素複素環を形成することができる。Mは分
    子内の電荷を相殺するに必要なイオンを表し、kは分子
    内の電荷を相殺するに必要なイオンの数を表す。〕
  2. 【請求項2】 感光性ハロゲン化銀粒子の80%以上
    (個数)に遷移金属イオンが含有されることを特徴とす
    る請求項1記載の熱現像感光材料用感光性乳剤。
  3. 【請求項3】 非感光性有機銀塩が、有機酸のアルカリ
    金属塩を含む水と有機溶剤の混合溶液又は懸濁液中に、
    銀イオンを含む溶液を添加することにより調製されるこ
    とを特徴とする請求項1記載の熱現像感光材料用感光性
    乳剤。
  4. 【請求項4】 支持体上の少なくとも一方の側に、請求
    項1〜3の何れか1項記載の熱現像感光材料用感光性乳
    剤を塗設して成る層を有することを特徴とする熱現像感
    光材料。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の熱現像感光材料に、波長
    770〜1100nmのレーザー光による露光を行うこ
    とを特徴とする画像記録方法。
  6. 【請求項6】 請求項4記載の熱現像感光材料に、走査
    レーザー光が縦マルチであるレーザー光走査露光機によ
    る露光を行うことを特徴とする画像記録方法。
  7. 【請求項7】 請求項4に記載の熱現像感光材料に、走
    査レーザー光の為す角度が実質的に垂直になることがな
    いレーザー光走査露光機による露光を行うことを特徴と
    する画像記録方法。
  8. 【請求項8】 請求項4記載の熱現像感光材料が100
    〜150℃の現像温度で処理されることを特徴とする熱
    現像感光材料の処理方法。
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