JP2003114283A - 積雪監視装置および融氷雪システム - Google Patents

積雪監視装置および融氷雪システム

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JP2003114283A
JP2003114283A JP2001307351A JP2001307351A JP2003114283A JP 2003114283 A JP2003114283 A JP 2003114283A JP 2001307351 A JP2001307351 A JP 2001307351A JP 2001307351 A JP2001307351 A JP 2001307351A JP 2003114283 A JP2003114283 A JP 2003114283A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 発熱ヒータシステムの無駄な電力消費を低減
するため、観測地点に積雪状況に応じて発熱ヒータシス
テムを制御することができる積雪監視装置と、その積雪
監視装置を用いて観測地点の融氷雪を行うことができる
融氷雪システムとを提供すること。 【解決手段】 道路Rの積雪状況は、降水検知センサ
3、温度センサ4及び監視カメラ2によりそれぞれ検出
される。降水検知センサ3によって降雪が検知される
と、温度センサ4によって気温が検出される。その気温
が融雪温度より低い場合、降水する雪は観測地点に残存
して積雪しやすい状況にある。この場合、監視カメラ2
によって路面の画像が撮影され、その撮影された画像の
明度レベルが画像解析回路14により解析される。この
解析明度レベルに応じて、制御電流信号は回路15〜2
0により変更され、遅延回路20を介してヒータ駆動ユ
ニット8へ出力されて、制御電流信号に応じた電力が発
熱ヒータ9へ供給される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、観測地点の積雪
状況に応じて発熱ヒータシステムを制御することができ
る積雪監視装置と、その積雪監視装置を用いて観測地点
の融氷雪を行うことができる融氷雪システムとに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】 積雪地域では、大量に積雪する雪を除
雪するために多大な労力を費やしており、この労力を低
減するための各種設備が設けられている。例えば、積雪
した路面を除雪する設備として、北陸地方では、ポンプ
装置により汲み上げた地下水を路面に散水して除雪する
散水式融雪設備が路面に埋設されている。北陸地方の平
野部は、北海道や東北地方に比べて南方に位置するた
め、路面に散水した地下水が凍結することは希であり、
上記した散水式融雪設備が普及している。
【0003】一方、北陸地方の山間部や北海道などの低
温寒冷地は、冬季気温が氷点下に達することが多く、上
記した散水式融雪設備では、散水した地下水が凍結した
り、或いは、融け残った雪が結氷して路面が凍結する恐
れがある。そこで、このような低温寒冷地では、路面に
埋設される発熱ヒータに電力供給して発熱させ、その発
熱により路面を加熱して融雪するヒータ式融雪設備が普
及している。
【0004】ヒータ式融雪設備は、一般に、降雪する雪
を検知する降水検知器を備えており、この降水検知器に
より降雪が検知された場合に、発熱ヒータへ電力供給し
て路面を加熱するように構成されている。しかし、降水
検知器は、単に降雪の有無を検知する機器であるため、
実際に融雪がなされる路面の積雪状況を検知することが
できない。よって、路面に積雪しない程度の降雪であっ
ても発熱ヒータへの電力供給が行われるため、電力を無
駄に消費してしまうことがある。
【0005】しかも、上記ヒータ式融雪設備は、一般
に、降雪中にのみ一定の電力を発熱ヒータへ供給するも
のであるため、降雪量が多い場合には降雪中の発熱ヒー
タの発熱だけでは融雪しきれず、路面に雪の融け残りが
残存することもある。そこで、ヒータ式融雪設備のなか
には、発熱ヒータへ電力供給する時間を計時するタイマ
回路を備えたものがある。
【0006】このタイマ回路を備えたヒータ式融雪設備
によれば、降水検知器が降雪を検知した場合に、発熱ヒ
ータへの電力供給が開始され、発熱ヒータにより路面が
加熱される。その後、雪が降り止むと、タイマー回路に
より所定時間が計時される間は発熱ヒータへの一定電力
の供給を継続し、所定時間の経過後、発熱ヒータへの電
力供給を停止するのである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】 しかしながら、降雪
の終了から路面の積雪が完全に融雪されるまでの所要時
間は、発熱ヒータの発熱量、熱負荷、降雪量、降雪強度
などの各種要因に応じて大きく変動するものであるた
め、上記したヒータ式融雪設備では、タイマ回路によっ
て計時される所定時間を的確に設定することができない
という問題点があった。
【0008】そこで、タイマ回路により計時される所定
時間は、路面に積雪した雪を充分に融雪可能とするため
に長時間に設定する必要がある。ところが、このように
設定時間を長時間に設定してしまうと、路面上の雪が完
全に融雪された場合であっても、設定時間の経過以前
は、積雪時と同様の電力が発熱ヒータへ供給され続けて
しまうため、結果として、降雪量が少ない場合に無駄な
消費電力が生じてしまうという問題点があった。
【0009】本発明は、上述した問題点を解決するため
になされたものであり、発熱ヒータシステムの無駄な電
力消費を低減するため、観測地点に積雪状況に応じて発
熱ヒータシステムを制御することができる積雪監視装置
と、その積雪監視装置を用いて観測地点の融氷雪を行う
ことができる融氷雪システムとを提供することを目的と
している。
【0010】
【課題を解決するための手段】 この目的を達成するた
めに請求項1記載の積雪監視装置は、観測地点に設置さ
れる発熱ヒータシステムを制御するための制御信号を、
その発熱ヒータシステムへ出力する出力手段を備え、そ
の出力手段を介して出力される制御信号を観測地点の積
雪状況に応じて変更するものであり、観測地点の気温を
検出する温度検出器と、その観測地点に降る雪を検知す
る降水検知器と、その観測地点の画像を撮影する画像撮
影手段とにそれぞれ接続可能な接続手段と、その接続手
段に接続される温度検出器および降水検知器によって、
観測地点の降雪が検知され、且つ、観測地点の気温が融
雪設定温度より低いと検出された場合に、前記接続手段
に接続される画像撮影手段によって撮影された観測地点
の画像の明度を解析する解析手段と、その解析手段によ
り解析された観測地点の画像の明度に応じて、前記出力
手段を介して出力される制御信号を変更する変更手段と
を備えている。
【0011】この請求項1記載の積雪監視装置によれ
ば、観測地点の積雪状況は、接続手段に接続された温度
検出器、降水検知器および画像撮影手段によりそれぞれ
検出される。降水検知器によって観測地点における雪の
降雪が検知されると、温度検出器によって観測地点の気
温が検出される。検出された気温が融雪設定温度より低
い場合、降雪する雪は観測地点に残存して積雪しやすい
状況にある。このように観測地点に雪が積雪しやすい状
況にある場合、画像撮影手段によって観測地点の画像が
撮影され、解析手段によって、その撮影された画像の明
度が解析される。
【0012】ここで、観測地点に雪が積雪し始めて、観
測地点が雪で徐々に覆われると、観測地点の画像全体の
色調は、観測地点の背景色が白色の雪で覆われることに
より白色の割合(白さ具合)が増加し、結果、観測地点
の画像の明度が上昇する。このため、解析手段により観
測地点の画像の明度を解析することによって、観測地点
における降雪の強度がより詳しく検知される。
【0013】観測地点の画像の明度が解析されると、制
御信号は、その画像の明度に応じて変更手段により変更
され、出力手段を介して発熱ヒータシステムへ出力され
る。このようにして、制御信号を観測地点の画像の明度
に応じて変更すれば、観測地点における降雪の強度(積
雪状況)に応じて制御信号が変更されるので、降雪の強
度に応じた適切な制御信号を発熱ヒータシステムへ出力
して、かかる発熱ヒータシステムを制御することができ
る。
【0014】例えば、観測地点の積雪量が多い場合に
は、発熱ヒータシステムの発熱量を増加させる制御信号
を出力することができる一方、観測地点の積雪量が少な
い場合には、発熱ヒータシステムの発熱量を減少させる
制御信号を出力することができる。結果、従来のように
発熱ヒータシステムへの電力供給を、降水検知器やタイ
マー回路によりオンオフ制御する方式に比べて、発熱ヒ
ータシステムの消費電力を大幅に軽減することができる
のである。
【0015】請求項2記載の積雪監視装置は、請求項1
記載の積雪監視装置において、前記解析手段は、画像撮
影手段により撮影された白色および黒色の2値データで
構成される画像の白色データの割合から明度を解析する
ものである。
【0016】請求項3記載の積雪監視装置は、請求項1
又は2に記載の積雪監視装置において、前記変更手段
は、前記解析手段により解析された観測地点の画像の明
度が所定の基準明度より小さい場合、その基準明度に対
応した制御信号を、前記出力手段を介して発熱ヒータシ
ステムへ出力するものである。
【0017】請求項4記載の積雪監視装置は、請求項1
から3のいずれかに記載の積雪監視装置において、降水
検知器により雪が検知され、且つ、温度検出器により検
出される気温が融雪設定温度より低い状態が継続する時
間を計時する第1計時手段と、その第1計時手段による
計時が所定時間を超えるまで、前記解析手段および変更
手段の作動開始を待機させる待機手段とを備えている。
【0018】請求項5記載の積雪監視装置は、請求項1
から4のいずれかに記載の積雪監視装置において、観測
地点の照度を検出する照度検出器が接続可能な第2接続
手段と、その第2接続手段に接続される照度検出器によ
って検出された照度が所定値以下となった場合に、前記
出力手段へ出力される制御信号を、通常の制御信号より
大きくして出力させる高レベル化手段とを備えている。
【0019】請求項6記載の積雪監視装置は、請求項1
から5のいずれかに記載の積雪監視装置において、前記
解析手段および変更手段の作動後に、降水検知器により
降雪が検知されなくなった場合、又は、温度検出器によ
り検出される気温が融雪設定温度より高くなった場合に
計時を開始する第2計時手段と、その第2計時手段によ
る計時が所定時間を超えた場合に、前記出力手段を介し
た制御信号の出力を停止させる遅延手段とを備えてい
る。
【0020】請求項7記載の融氷雪システムは、請求項
1から6のいずれかに記載の積雪監視装置と、前記出力
手段に接続されて観測地点に設置される発熱ヒータシス
テムとを備え、前記発熱ヒータシステムは、観測地点に
設置されると共に電力供給を受けて発熱する発熱ヒータ
と、その発熱ヒータへ電力を供給する給電手段と、その
給電手段により前記発熱ヒータへ供給される電力を、前
記変更手段により変更される制御信号の変化に応じて変
更する無接点継電器とを備えている。
【0021】この請求項7記載の融氷雪システムによれ
ば、その積雪監視装置が請求項1から6のいずれかの積
雪監視装置と同様に作用する上、積雪監視装置からの制
御信号は、変更手段により変更されて積雪監視装置の出
力手段により無接点継電器へ出力される。一方、給電手
段からの電力は、無接点継電器によって、変更手段によ
り変更された制御信号の変化に応じて、無段階かつ略線
形的に変更されて発熱ヒータへ供給される。電力供給さ
れた発熱ヒータは積雪状況に応じて変更される制御信号
に対応した発熱量を生じ、この発熱により観測地点に積
雪する雪や結氷が融氷雪される。
【0022】
【発明の実施の形態】 以下、本発明の好ましい実施例
について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発
明の融氷雪システム及び積雪監視装置の一実施例である
融氷雪システム1及び積雪監視コントローラ7の使用状
態の一例を示した外観図である。図1に示すように、融
氷雪システム1は、主に、監視カメラ2、降水検知セン
サ3、温度センサ4、照度センサ5、制御盤6、降雪監
視コントローラ7、ヒータ駆動ユニット8、発熱ヒータ
9、積雪報知器10を備えている。
【0023】融氷雪システム1は、監視カメラ2、降水
検知センサ3、温度センサ4及び照度センサ5による検
出結果に基づいて路面RSにおける積雪状況を判断し、
そのの路面RS上に積雪する雪を発熱ヒータ9により融
雪するためのシステムである。監視カメラ2は、道路R
の路側帯REに立設される支柱P1上部に設置されてお
り、その内部には非接触方式によりモノクロ画像を撮影
するCCDカメラ2aが搭載されている。このCCDカ
メラ2aによって、路面RSにおける所定の撮影範囲A
の画像を、支柱P1の上部から撮影することができる。
【0024】CCDカメラ2aは、受光素子であるCC
D(電荷結合素子)によってデジタル方式のモノクロ画
像を撮影するものであり、このモノクロ画像は白色およ
び黒色データの2値データで構成される画像である。こ
のCCDカメラ2aによれば、カラー画像データを撮影
するカラーCCDカメラに比べて撮影感度が高いので、
撮影範囲Aを撮影した場合の画像データを高感度で撮影
することができる。なお、本実施例のCCDカメラ2a
は、例えば、最低被写体照度が0.1ルクス、有効画素
数が略25万画素、画像データのアナログ電圧信号のせ
ん頭値(ピーク・ピーク値)が1ボルト(以下「V」と
称す。)とされている。
【0025】降水検知センサ3は、監視カメラ2の支柱
P1に隣接して路側帯REに設置されており、道路R周
辺に降る雪の有無を検知するセンサである。降水検知セ
ンサ3は、その上部に略平板状の受雪板3aが設けられ
ている。受雪板3aは、その上面に白金製の平面視略櫛
形状の電極(図示せず)が敷設されている。この降水検
知センサ3によれば、受雪板3aの電極上に雪が降雪す
ることによる抵抗値の変化を検出して、降雪を検知する
ことができる。
【0026】温度センサ4は、降水検知センサ3に隣接
して路側帯REに設置されており、道路R周辺の外気温
度(気温)を検出するセンサである。この温度センサ4
は、白金線を利用した白金温度センサで構成されてお
り、この白金温度センサは外気温度の変化に伴って変化
する白金線の電気抵抗値に基づいて気温を検出するもの
である。
【0027】照度センサ5は、例えば、監視カメラ2と
共に支柱P1の上部に設置されており、道路R周辺の照
度(明るさ具合)を検出するセンサである。この照度セ
ンサ5は、光照射により導電率が変化するCdSセルな
どの光導電素子で構成されており、電圧が印加された光
導電素子が光を受光した場合に、光導電素子の電気抵抗
値の変化により照度の変化を検出するものである。
【0028】制御盤6は、降水検知センサ3に隣接して
路側帯REに設置されており、融氷雪システム1の動作
を制御するためのものである。この制御盤6は、略矩形
箱状の筐体6aを備えており、この筐体6a内には、積
雪監視コントローラ7及びヒータ駆動ユニット8が収容
されている。
【0029】積雪監視コントローラ7は、上記した監視
カメラ2及び各センサ3〜5による検出結果に基づい
て、ヒータ駆動ユニット8へ制御電流信号を出力し、そ
の制御電流信号により発熱ヒータ9へ供給される電力量
を制御するものである。また、ヒータ駆動ユニット8
は、積雪監視コントローラ7からの制御電流信号に基づ
いて、発熱ヒータ9へ電力供給するものである。なお、
積雪監視コントローラ7及びヒータ駆動ユニット8の詳
細については後述する。
【0030】発熱ヒータ9は、路面RSに平面視略蛇行
状に埋設された電熱線であり、この電熱線がヒータ駆動
ユニット8からの電力供給を受けて発熱することにより
路面RSが加熱されて、路面RS上に積雪する雪を融雪
するのである。1つの発熱ヒータ9は、道路Rの路線方
向(図1の左下側から右上側へ向かう方向)へ所定長さ
Lとされており、路面RSには、複数個の発熱ヒータ9
が埋設されている。なお、図1中では、2つの発熱ヒー
タ9,9のみを図示している。
【0031】積雪報知器10は、道路Rの他方の路側帯
REに立設される支柱P2上部に設置されており、道路
R周辺の降雪状況や路面RSの積雪状況などの情報を走
行車輌に報知するものである。積雪報知器10は、その
前面に降雪状況や積雪状況などの情報を表示する表示パ
ネル10aと、その表示パネル10aを制御する表示パ
ネル駆動ユニット10bとを備えている。
【0032】図2は、融氷雪システム1の電気的構成を
示すブロック線図である。図2に示すように、積雪監視
コントローラ7は、主に、降水検知コントローラ11、
温度コントローラ12、指令判定回路13、画像解析回
路14、予熱明度レベル設定回路15、レベル判定回路
16、レベル反転回路17、照度判定回路18、演算回
路19、遅延回路20がそれぞれ設けられている。な
お、監視カメラ2により撮影された画像、降水検知セン
サ3により検知される降雪の有無、温度センサ4により
検出される外気温度、照度センサ5により検出される照
度は、それぞれアナログ電圧信号として積雪監視コント
ローラ7へ出力される。
【0033】降水検知コントローラ11は、道路R周辺
の降雪の有無を検知する降水検知センサ3と接続されて
おり、かかる降水検知センサ3により検知される降雪の
強度、即ち降雪強度と所定の検知感度とを比較して、そ
の比較結果に応じた出力信号を指令判定回路13へ出力
する回路である。
【0034】具体的に、降水検知コントローラ11は、
実際の降雪強度が検知感度より低い場合にその旨を示す
信号(以下、「非降雪時信号」と称す。)を出力する一
方、実際の降雪強度が検知感度より高い場合にその旨を
示す信号(以下、「降雪時信号」と称す。)を、それぞ
れ指令判定回路13へ出力する。つまり、降水検知コン
トローラ11は、検知感度を上げた場合には降雪強度が
弱い雪でも降雪有りとして検知できる一方、検知感度を
下げた場合には降雪強度が強い雪でなければ降雪有りと
して検知しないのである。
【0035】また、降水検知コントローラ11には、上
記した検知感度を設定するための感度設定回路11aが
設けられており、この感度設定回路11aにより検知感
度を「強」から「弱」の範囲で多段階(例えば、10段
階)に設定変更することができる。なお、本実施例にお
いて、感度設定回路11aにより設定される検知感度
は、比較的少量の雪が降雪した際にも検知できるように
降雪強度が「中」から「弱」の範囲で降雪を検知するよ
うに設定されている。
【0036】温度コントローラ12は、道路R周辺の外
気温度を検出する温度センサ4と接続されており、かか
る温度センサ4により検出された外気温度と所定の設定
温度とを比較して、その比較結果に応じた出力信号を指
令判定回路13へ出力する回路である。具体的に、温度
コントローラ12は、外気温度が設定温度より低い場合
にその旨を示す信号(以下、「低温時信号」と称す。)
を出力する一方、外気温度が設定温度より高い場合にそ
の旨を示す信号(以下、「高温時信号」と称す。)を出
力する。
【0037】また、温度コントローラ12には、上記し
た設定温度を設定変更するための温度設定回路12aが
設けられている。この温度設定回路12aにより設定さ
れる設定温度は、路面RSに降雪する雪が融けずに積雪
する温度に設定する必要がある。そこで、本実施例で
は、温度設定回路12aにより設定される設定温度を、
雪が融け始める気温(以下、「融雪設定温度」と称
す。)である略1℃から略2℃の範囲に設定しており、
好適には略1.4℃に設定している。
【0038】道路R周辺の外気温度が融雪設定温度より
高い場合、降雪する雪は、水気の多い霙(みぞれ)状や
雨水状となるため、路面RSに積雪しにくい状態であ
る。一方、外気温度が融雪設定温度より低い場合、降雪
する雪は、水気の少ない霰(あられ)状や新雪などにな
るため、路面RSに積雪しやすい状態である。このよう
に外気温度が融雪設定温度より低い場合、即ち、雪が積
雪しやすい外気温度である場合には路面RSに積雪する
ことが予測されるので、温度コントローラ12は、発熱
ヒータ9を稼動させて路面RSの融雪を行うため、低温
時信号を指令判定回路13へ出力するのである。
【0039】指令判定回路13は、上記した降水検知コ
ントローラ11及び温度コントローラ12とそれぞれ接
続されており、降水検知コントローラ11からの降雪時
信号および温度コントローラ12からの低温時信号の双
方が入力され、その両信号の入力状態が所定の待機時間
を超えて継続する場合にその旨を示す信号(以下、「出
力開始信号」と称す。)を、演算回路19及び遅延回路
20へ出力する回路である。
【0040】降雪が検知され、且つ、外気温度が融雪設
定温度以下である場合には、降雪する雪が積雪しやすい
状況下にあり、路面RSに積雪することが予測される。
よって、かかる場合には、指令判定回路13は、ヒータ
駆動ユニット8への制御電流信号の出力を開始して発熱
ヒータ9の稼動を開始させるため、演算回路19及び遅
延回路20へ出力開始信号を出力するのである。
【0041】その一方で、指令判定回路13は、上記し
た非降雪時信号または高温時信号の少なくともいずれか
一方が入力された場合にその旨を示す信号(以下、「出
力停止信号」と称す。)を、演算回路19及び遅延回路
20へ出力する回路でもある。即ち、降雪が検知されな
い場合や、外気温度が融雪設定温度を超えて雪が積雪し
にくい状況下の場合、指令判定回路13は、ヒータ駆動
ユニット8への制御電流信号の出力を停止して発熱ヒー
タ9の稼動を停止させるため、演算回路19及び遅延回
路20へ出力停止信号を出力するのである。
【0042】また、指令判定回路13には、上記した待
機時間を設定変更するための待機時間設定回路13a
と、その待機時間設定回路13aにより設定された待機
時間を計時する待機計時回路13bとが設けられてい
る。待機時間設定回路13aは、0秒から1秒刻みに2
4時間までの待機時間を設定することができる回路であ
り、具体的に待機時間は、降雪強度が「中」から「弱」
である雪が徐々に路面RSに積雪し始める時間である略
10分から略15分の範囲に設定されており、好適には
略15分に設定される。
【0043】画像解析回路14は、監視カメラ2と接続
されており、その監視カメラ2のCCDカメラ2aによ
り撮影される路面RSの撮影範囲Aにおける画像の明度
を解析し、その解析された画像の明度レベル(以下、
「解析明度レベル」と称す。)に応じた信号(以下、
「解析明度レベル信号」と称す。)をレベル判定回路1
6へ出力する回路である。ここで、CCDカメラ2aに
より撮影される画像は、白色および黒色の2値データで
構成されるモノクロ画像である。このため、例えば、モ
ノクロ画像に撮影された路面RSがアスファルト舗装の
場合、路面RSは黒色にて映し出され、その路面RSに
積雪する雪は白色にて映し出される。
【0044】ここで、本実施例では、監視カメラ2によ
り撮影された画像の解析明度レベルを0%〜100%の
百分率で示している。具体的には、撮影範囲Aの撮影画
像全体が黒色である場合に解析明度レベルが0%とな
り、撮影範囲Aの路面RSが積雪により白色に徐々に変
化するにつれて解析明度レベルが増加して、撮影範囲A
の路面RSの全体が積雪により覆われて撮影画像全体が
白色となった場合における解析明度レベルが100%と
なるように設定されている。
【0045】画像解析回路14によれば、監視カメラ2
のCCDカメラ2aにより撮影された画像は、監視カメ
ラ2からアナログ信号として入力され、デジタル信号に
A/D(アナログ/デジタル)変換される。結果、監視
カメラ2により撮影されたアナログ画像は、白色および
黒色の2値データで構成されるデジタル画像とされる。
このデジタル画像は、画像解析回路14によって、その
各画素が白色データ又は黒色データであるかが分析され
る。
【0046】この分析によって、デジタル画像の全画素
中に白色データが占める割合(分布量)から、撮影範囲
Aを撮影した画像の解析明度レベルが0%〜100%の
範囲のいずれの値であるかが解析される。この解析によ
って、撮影範囲Aの画像の解析明度レベルが導出される
と、その解析明度レベルを示すデジタル信号は、画像解
析回路14によって、アナログ信号である解析明度レベ
ル信号にD/A(デジタル/アナログ)変換されて、レ
ベル判定回路16へ出力される。
【0047】予熱明度レベル設定回路15は、発熱ヒー
タ9を予熱するための明度レベル(以下、「予熱明度レ
ベル」と称す。)を示す信号(以下、「予熱明度レベル
信号」と称す。)を設定してレベル判定回路16へ出力
する回路である。この予熱明度レベル設定回路15は、
0%から100%の範囲内で予熱明度レベルを設定可能
であり、本実施例では予熱明度レベル(基準明度)を5
0%となるように設定している。この設定された予熱明
度レベルは、予熱明度レベル設定回路15によって、そ
の予熱明度レベルに対応したアナログ信号である予熱明
度レベル信号に変換されて、レベル判定回路16へ出力
される。
【0048】レベル判定回路16は、上記した画像解析
回路14及び予熱明度レベル設定回路15と接続されて
おり、画像解析回路14からの解析明度レベル信号と予
熱明度レベル設定回路15からの予熱明度レベル信号と
を比較して、その比較結果に応じた出力信号をレベル反
転回路17へ出力する回路である。具体的に、レベル判
定回路16は、解析明度レベル信号と予熱明度レベル信
号との信号レベルを比較し、その信号レベルが大きい方
の信号(以下、「指令明度レベル信号」と称す。)をレ
ベル反転回路17へ出力する。
【0049】例えば、レベル判定回路16は、予熱明度
レベル設定回路15により予熱明度レベルが50%に設
定された場合において、解析明度レベルが50%以下で
あれば明度レベルが50%である指令明度レベル信号を
出力する一方、解析明度レベルが50%を超えれば解析
明度レベルに対応した50%を超え且つ100%以下の
指令明度レベル信号を出力するのである。
【0050】レベル反転回路17は、上記したレベル判
定回路16と接続されており、そのレベル判定回路16
からの入力信号が示す指令明度レベルを反転し、その反
転された明度レベル(以下、「反転明度レベル」と称
す。)を示すアナログ信号(以下、反転明度レベル信
号)を、演算回路19へ出力する回路である。
【0051】このレベル反転回路17による反転明度レ
ベルとは、レベル判定回路16により入力された指令明
度レベルを、その指令明度レベルの最大値から減算した
ものである。例えば、レベル判定回路16から入力され
た実際の指令明度レベルが75%の場合、その指令明度
レベルを最大値の100%から減算して(即ち、100
%−75%=35%)、35%の反転明度レベルが得ら
れるのである。
【0052】照度判定回路18は、道路R周辺の照度を
検出する照度センサ5と接続されており、かかる照度セ
ンサ5により検出された照度と所定の設定照度とを比較
して、その比較結果に応じた出力信号を演算回路19へ
出力する回路である。具体的に、照度判定回路18は、
実際の照度が設定照度より低い場合に、制御電流信号を
臨時的に大きくする信号を演算回路19へ出力する。ま
た、照度判定回路18には、上記した設定照度を設定変
更するための照度設定回路18aが設けられており、こ
の照度設定回路18aにより設定される設定照度は、例
えば、降雪強度が極めて強い場合における昼間の照度で
ある略300ルクスに設定されている。
【0053】ここで、照度センサ5による検出照度が設
定照度を超える場合、降雪強度は低くて積雪量が急増す
る恐れが少ない。よって、かかる場合には、発熱ヒータ
9の発熱量を臨時的に増加させる必要がないので、ヒー
タ駆動ユニット8へ出力される制御電流信号を臨時的に
大きくする必要がない。従って、かかる場合には制御電
流信号を通常値で出力させるため、照度判定回路18
は、レベル判定回路16により出力される指令明度レベ
ル信号に対して、その指令明度レベル信号の最大値(即
ち、100%)と等しい信号(以下、「通常時明度レベ
ル信号」と称す。)を、演算回路19へ出力するのであ
る。
【0054】一方、照度センサ5による検出照度が設定
照度を下回る場合、降雪強度は極めて強く積雪量が急増
する恐れがある。よって、かかる場合には、発熱ヒータ
9の発熱量を臨時的に増加させて、路面RSにおける積
雪量の急増を防ぐ必要があるので、ヒータ駆動ユニット
8へ出力される制御電流信号を臨時的に大きくする必要
がある。従って、かかる場合には制御電流信号を臨時的
に大きくするため、照度判定回路18は、レベル判定回
路16により出力される指令明度レベル信号に対して、
その指令明度レベル信号の最大値を超える値(例えば、
120%)の信号(以下、「非常時明度レベル信号」と
称す。)を、演算回路19へ出力するのである。
【0055】演算回路19は、指令判定回路13より入
力される出力開始信号を契機として、制御電圧信号の出
力値を演算して、遅延回路20及び積雪報知器10へ制
御電圧信号を出力する回路である。具体的に、この演算
回路19は、指令判定回路13から出力開始信号が入力
されると、照度判定回路13より入力される信号が示す
明度レベルから、レベル反転回路17より入力される信
号が示す明度レベルを減算して、その減算値に比例した
アナログ電圧信号である制御電圧信号を生成し、遅延回
路20へ出力する。
【0056】遅延回路20は、指令判定回路13からの
出力開始信号の入力を契機として、演算回路19からの
制御電圧信号に比例する制御電流信号を生成してヒータ
駆動ユニット8へ出力する回路である。また、遅延回路
20は、指令判定回路13からの出力停止信号の入力を
契機として、その入力時点から所定の遅延時間が経過し
た後に制御電流信号の出力を停止する回路でもある。
【0057】更に、遅延回路20は、上記した遅延時間
を設定変更する遅延時間設定回路20aと、その遅延時
間設定回路20aにより設定された遅延時間を計時する
遅延計時回路20bとを備えている。遅延時間設定回路
20aは、0秒から1秒刻みに24時間までの遅延時間
を設定することができる回路であり、具体的に遅延時間
は、略3時間以下の範囲に設定されており、好適には略
30分に設定される。
【0058】上記した遅延回路20によれば、指令判定
回路13から出力停止信号が入力された場合、即ち、降
雪が無い場合や、外気温度が融雪設定温度を超えた場合
であっても、遅延計時回路20bにより遅延時間が計時
される以前は、演算回路19からの制御電圧信号に比例
した制御電流信号を出力し続けることができる。従っ
て、遅延時間が経過するまでの間、遅延回路20は、出
力開始信号が入力されている場合と同様に、ヒータ駆動
ユニット8へ制御電流信号を出力して、発熱ヒータ9の
稼動状態の停止時期を遅延させることができる。結果、
雪が降り止んだり、或いは、積雪しにくい雪が降雪して
いる状況において、観測地点に積雪した雪を残存させず
に融雪できるのである。
【0059】なお、この遅延回路20による制御電流信
号の出力停止に伴って監視カメラ2の電源がオフされ
る。ただし、この監視カメラ2は、次回の出力開始信号
が演算回路19又は遅延回路20へ入力された場合に再
び作動され、路面RSの積雪状況を撮影する。
【0060】ヒータ駆動ユニット8は、主に、遅延回路
20から入力される制御電流信号に基づいて接続又は切
断される無接点継電器21と、その無接点継電器21を
介して発熱ヒータ9へ電力を供給するヒータ駆動電源回
路22とを備えている。無接点継電器21は、上記した
遅延回路20と接続されており、発熱ヒータ9とヒータ
駆動電源回路22との間に介設されている。
【0061】この無接点継電器21は、無接点リレー回
路の一種であるソリッドステートリレー(略して「SS
R」)で構成されており、遅延回路20から制御電流信
号が入力されると、その制御電流信号の大きさ(電流
値)に比例した電力を、ヒータ駆動電源回路22から発
熱ヒータ9へ供給させることができる。また、ヒータ駆
動電源回路22は、発熱ヒータ9へ供給される電力を生
成する回路であり、例えば、460Vで電力を出力する
定電圧電源回路で構成されている。
【0062】このように構成されたヒータ駆動ユニット
8は、路面RSに設置される発熱ヒータ9にそれぞれ1
つずつ接続されており、各ヒータ駆動ユニット8の無接
点継電器21が電気的に直列に接続されている。ここ
で、上記した遅延回路20は、かかる無接点継電器21
へ制御信号として電流信号を出力するので、遅延回路2
0に直に接続される無接点継電器21と他の無接点継電
器21とを電気的に直列に接続することにより、多数の
ヒータ駆動ユニット8を制御することができる。よっ
て、多数のヒータ駆動ユニット8を1台の積雪監視コン
トローラ7により統括して制御することができるので、
かかるコントローラ7を各ヒータ駆動ユニット8毎に1
台ずつ設置する必要がなく、その分、システム1全体と
しての設備コストを低減することができるのである。
【0063】また一方で、演算回路19には、遅延回路
20と共に積雪報知器10の表示パネル駆動ユニット1
0bが接続されている。表示パネル駆動ユニット10b
は、主に、演算回路19から入力される制御電圧信号に
基づいて接続又は切断される有接点継電器10cと、そ
の有接点継電器10cを介して表示パネル10aの表示
動作を制御するための信号を出力する表示パネル制御回
路10dとを備えている。
【0064】有接点継電器10cは、例えば、電磁力な
どにより可動接点を動かして、その可動接点に連動され
る電気接点により回路を開閉または切換えする有接点リ
レー回路の一種である。この有接点継電器10cは、演
算回路19から入力される制御電圧信号が所定の電圧値
以下の場合に、表示パネル10aと表示パネル制御回路
10dと切断する一方で、制御電圧信号が所定の電圧値
を超えた場合に、表示パネル10aと表示パネル制御回
路10dとを接続して表示パネル10aを作動させる。
【0065】例えば、演算回路19で減算処理された明
度レベルが50%の場合に出力される制御電圧信号で有
接点継電器10cが作動するように設定したとする。か
かる場合、演算回路19で減算処理された明度レベルが
50%を超えると、有接点継電器10cによって表示パ
ネル10aと表示パネル制御回路10dとが接続され、
表示パネル制御回路10cによって表示パネル10aに
「積雪あり、走行注意」などの文字情報が表示されるの
である。
【0066】以上、実施例に基づき本発明を説明した
が、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではな
く、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形
が可能であることは容易に推察できるものである。
【0067】例えば、本実施例では、融氷雪システム1
の各機器2〜10を図1に示すように設置したが、かか
る融氷雪システム1の各機器2〜10の位置関係は、必
ずしも図1に示すものに限られるものではなく、各機器
2〜10の位置関係は適宜変更することができるもので
ある。また、本実施例では、融氷雪システム1を実施す
るために監視カメラ2を設置したが、かかる監視カメラ
は必ずしも融氷雪システム1を設置する際に新設する必
要はなく、走行車輌を監視するために道路に既設されて
いる路線監視カメラを用いて融氷雪システムを実施して
も良い。
【0068】本実施例では、温度センサ4を構成する温
度素子として、検出信号の線形特性が良好な白金温度セ
ンサを用いたが、温度センサを構成する温度素子は必ず
しもこれに限られるものではなく、例えば、その他の線
形特性が良好なガラスサーミスタ、NTCサーミスタ、
トランジスタなどの温度素子を用いても良い。また、本
実施例では、発熱ヒータ9を路面RSに略蛇行状に埋設
したが、かかる発熱ヒータの埋設形態は必ずしもこれに
限られるものではなく、例えば、発熱ヒータを略渦巻き
状や格子状の形態で路面RSに埋設しても良い。即ち、
発熱ヒータにより路面RSへ効率よく伝熱できる埋設形
態であれば良い。
【0069】更に、有接点継電器10cが短絡される制
御電圧信号の電圧値は、必ずしも解析明度レベルが50
%を超える場合に限られるものではなく、当然のことな
がら、必要に応じて、制御電圧信号の電圧値の変動範囲
内で設定変更することができる。また、表示パネル駆動
ユニット10bに搭載される継電器は、必ずしも有接点
継電器10cに限られるものではなく、例えば、上記し
た無接点継電器21と同種の継電器を用いても良い。ま
た、表示パネル10aに表示される文字情報の内容を、
演算回路19により演算された明度レベルに基づいて変
化させるように構成しても良い。
【0070】また、本実施例では、本発明の積雪監視装
置により監視される観測地点として道路Rを例に説明し
たが、かかる観測地点は、融氷雪システムによる融雪や
融氷の実施が必要な場所であれば良く、必ずしも道路に
限られるものではない。
【0071】なお、以下に本発明の変形例を示す。請求
項7記載の融氷雪システムにおいて、前記出力手段に接
続されると共に、観測地点に設置されて積雪状態を報知
する報知器と、その報知器を稼動するための電力を供給
する給電手段と、その給電手段による電力を、前記変更
手段により変更される制御信号が所定値以上となった場
合に前記報知器へ供給する継電器とを備えていることを
特徴とする融氷雪システム。ここで、この融氷雪システ
ムによれば、出力手段としては演算回路19が、報知器
としては表示パネル10aが、給電手段としては表示パ
ネル制御回路10dが、継電器としては有接点継電器1
0cが、それぞれ該当する。
【0072】
【発明の効果】 請求項1記載の積雪監視装置によれ
ば、発熱ヒータシステムへ出力される制御信号は、変更
手段により観測地点の画像の明度に応じて変更されるの
で、観測地点の積雪状況に応じた適切な制御信号を発熱
ヒータシステムへ出力して制御できるという効果があ
る。よって、従来のように発熱ヒータシステムへの電力
供給を、降水検知器やタイマー回路によりオンオフ制御
する方式に比べて、発熱ヒータシステムの消費電力を大
幅に軽減できるという効果がある。
【0073】しかも、温度検出器により観測地点の降雪
が検知され、且つ、降水検知器により観測地点の温度が
融雪設定温度より低いと検出された場合、即ち、観測地
点に降雪する雪が積雪しやすい状況下にある場合に、解
析手段は画像撮影手段により撮影された観測地点の画像
の明度を解析すると共に、その解析結果に応じて、変更
手段は制御信号を変更する。
【0074】つまり、解析手段および変更手段は、観測
地点の降雪が検知されて観測地点の温度が融雪設定温度
より高い場合、即ち、観測地点に雪が積雪しにくい状況
下では作動されない。よって、観測地点に積雪しにくい
状況であって、発熱ヒータシステムを作動させる必要が
ないような場合、制御信号を出力して発熱ヒータシステ
ムを作動させずに済むので、その分、更に発熱ヒータシ
ステムの消費電力を軽減して、発熱ヒータシステムの稼
動効率を向上できるという効果がある。
【0075】請求項2記載の積雪監視装置によれば、請
求項1記載の積雪監視装置の奏する効果に加え、解析手
段は、画像撮影手段により撮影された白色および黒色の
2値データで構成される画像の白色データの割合から画
像の明度を解析するものである。白色および黒色の2値
データで構成される画像は、カラーデータで構成される
画像に比べて高感度で撮影されるので、かかる2値デー
タで構成される画像の明度を解析することにより画像の
明度を高精度で解析できるという効果がある。
【0076】しかも、カラーデータの画像から明度を解
析する場合のように、画像を白色および黒色の2値デー
タに変換する手段が不要となるので、その分、装置全体
として構成を簡素化して製造コストを低減することがで
きるという効果がある。
【0077】請求項3記載の積雪監視装置によれば、請
求項1又は2に記載の積雪監視装置の奏する効果に加
え、変更手段は、解析手段により解析された観測地点の
画像の明度が所定の基準明度より小さい場合、その観測
地点の実際の画像明度に対応する制御信号ではなく、そ
の実際の画像明度より大きな基準明度に対応する制御信
号を出力手段へ出力することができる。
【0078】このように予め基準明度に対応する制御信
号を出力しておけば、観測地点の積雪量が急激に増加し
た場合(即ち、観測地点の実際の画像明度が急激に増加
した場合)において、制御信号の増加幅を小さくして、
発熱ヒータシステムにかかる負荷を軽減できるという効
果がある。例えば、観測地点の積雪量が少ない場合に、
予め大きめの制御信号により発熱ヒータシステムの発熱
量を大きくしておけば、観測地点を予熱しておくことが
でき、積雪量の急増に遅延することなく融雪することが
できるのである。
【0079】請求項4記載の積雪監視装置によれば、請
求項1から3のいずれかに記載の積雪監視装置の奏する
効果に加え、降水検知器により雪が検知され、且つ、温
度検出器により検出される検出温度が融雪設定温度より
低い場合、即ち、観測地点に積雪しやすい状況が所定の
時間継続するまで、解析手段および変更手段の作動開始
は、待機手段によって待機される。よって、第1計時手
段による所定時間の計時以前は、解析手段および変更手
段が作動されず、発熱ヒータシステムへは制御信号が出
力されない。従って、直に雪が降り止むような場合に、
発熱ヒータシステムへ無駄な制御信号を出力することを
防止して、発熱ヒータシステムの無駄な電力消費を更に
抑制することができるという効果がある。
【0080】ところで、観測地点の降雪強度が増すと、
雪により周囲の光が遮られ、観測地点における照度が低
下して暗くなる。このようにして観測地点の照度が低下
した場合、観測地点の画像明度に対応した通常の制御信
号を、発熱ヒータシステムへ出力したのでは、発熱ヒー
タシステムの発熱量が不足して、観測地点の融雪を充分
に行えない恐れがある。
【0081】そこで、請求項5記載の積雪監視装置によ
れば、請求項1から4のいずれかに記載の積雪監視装置
の奏する効果に加え、観測地点の照度を検出する照度検
出器が第2接続手段に接続されて、その照度検出器によ
り観測地点の照度を検出できる。しかも、照度検出器に
より検出された照度が所定値以下となった場合、変更手
段により変更される制御信号は、高レベル化手段によっ
て、通常の制御信号より大きくされる。よって、観測地
点の降雪強度が増して観測地点の照度が低下した場合に
は、通常より大きな制御信号を発熱ヒータシステムへ出
力して、その発熱ヒータシステムの発熱量を増加させる
ことができるので、かかる発熱ヒータシステムの発熱に
よる融雪能力を向上でき、観測地点の積雪量増加を抑制
できるという効果がある。
【0082】請求項6記載の積雪監視装置によれば、請
求項1から5のいずれかに記載の積雪監視装置の奏する
効果に加え、解析手段および変更手段の作動後、降水検
知器により降雪が検知されなくなった状態、又は、温度
検出器による検出温度が融雪設定温度より高くなった状
態が所定時間を超えた場合、遅延手段によって、出力手
段を介した制御信号の出力が停止される。この停止によ
り、発熱ヒータシステムへの制御信号の出力が停止さ
れ、結果、発熱ヒータシステムの稼動が停止される。
【0083】よって、第2計時手段により所定時間が計
時される以前は、遅延手段によって、出力手段を介した
制御信号の出力が停止されず、発熱ヒータシステムへ制
御信号が出力されるので、結果として、発熱ヒータシス
テムの稼動状態の停止時期を遅延させることができる。
このように発熱ヒータシステムの稼動状態の停止時期を
遅延させることによって、雪が降り止んだり、或いは、
積雪しにくい雪が降雪している状況において、観測地点
に積雪した雪を残存させずに融雪できるという効果があ
る。
【0084】請求項7記載の融氷雪システムによれば、
その積雪監視装置が請求項1記載から6のいずれかに記
載の積雪監視装置の奏する効果に加え、無接点継電器に
よって、積雪監視装置の変更手段により逐次変更される
制御信号に応じた電力が、発熱ヒータへ無段階かつ略線
形的に供給されるので、観測地点の積雪状況に見合った
電力を発熱ヒータへ供給して、かかる発熱ヒータを効率
的に稼動させることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の一実施例である融氷雪シス
テム及び積雪監視コントローラの使用状態の一例を示し
た外観図である。
【図2】 図2は、融氷雪システムの電気的構成を示す
ブロック線図である。
【符号の説明】
1 融氷雪システム 2 監視カメラ(画像撮影手段) 3 降水検知センサ(降水検知器) 4 温度センサ(温度検出器) 5 照度センサ(照度検出器) 7 積雪監視コントローラ(積雪監
視装置) 8 ヒータ駆動ユニット(発熱ヒー
タシステムの一部) 9 発熱ヒータ(発熱ヒータ、発熱
ヒータシステムの一部) 11 降水検知コントローラ(接続手
段の一部) 12 温度コントローラ(接続手段の
一部 13 指令判定手段(解析手段の一
部、待機手段) 13b 待機計時回路(第1計時手段) 14 画像解析回路(接続手段の一
部、解析手段の一部) 15 予熱明度レベル設定回路(変更
手段の一部) 16 レベル判定回路(変更手段の一
部) 17 レベル反転回路(変更手段の一
部) 18 照度判定回路(第2接続手段、
高レベル化手段) 19 演算回路(変更手段の一部) 20 遅延回路(出力手段、遅延手
段) 20b 遅延計時回路(第2計時手段) 22 ヒータ駆動電源回路(給電手
段) 21 無接点継電器 R 道路(観測地点)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 観測地点に設置される発熱ヒータシステ
    ムを制御するための制御信号を、その発熱ヒータシステ
    ムへ出力する出力手段を備え、その出力手段を介して出
    力される制御信号を観測地点の積雪状況に応じて変更す
    る積雪監視装置において、 観測地点の気温を検出する温度検出器と、その観測地点
    に降る雪を検知する降水検知器と、その観測地点の画像
    を撮影する画像撮影手段とにそれぞれ接続可能な接続手
    段と、 その接続手段に接続される温度検出器および降水検知器
    によって、観測地点の降雪が検知され、且つ、観測地点
    の気温が融雪設定温度より低いと検出された場合に、前
    記接続手段に接続される画像撮影手段によって撮影され
    た観測地点の画像の明度を解析する解析手段と、 その解析手段により解析された観測地点の画像の明度に
    応じて、前記出力手段を介して出力される制御信号を変
    更する変更手段とを備えていることを特徴とする積雪監
    視装置。
  2. 【請求項2】 前記解析手段は、画像撮影手段により撮
    影された白色および黒色の2値データで構成される画像
    の白色データの割合から明度を解析することを特徴とす
    る請求項1記載の積雪監視装置。
  3. 【請求項3】 前記変更手段は、前記解析手段により解
    析された観測地点の画像の明度が所定の基準明度より小
    さい場合、その基準明度に対応した制御信号を、前記出
    力手段を介して発熱ヒータシステムへ出力することを特
    徴とする請求項1又は2に記載の積雪監視装置。
  4. 【請求項4】 降水検知器により雪が検知され、且つ、
    温度検出器により検出される気温が融雪設定温度より低
    い状態が継続する時間を計時する第1計時手段と、 その第1計時手段による計時が所定時間を超えるまで、
    前記解析手段および変更手段の作動開始を待機させる待
    機手段とを備えていることを特徴とする請求項1から3
    のいずれかに記載の積雪監視装置。
  5. 【請求項5】 観測地点の照度を検出する照度検出器が
    接続可能な第2接続手段と、 その第2接続手段に接続される照度検出器によって検出
    された照度が所定値以下となった場合に、前記出力手段
    へ出力される制御信号を、通常の制御信号より大きくし
    て出力させる高レベル化手段とを備えていることを特徴
    とする請求項1から4のいずれかに記載の積雪監視装
    置。
  6. 【請求項6】 前記解析手段および変更手段の作動後
    に、降水検知器により降雪が検知されなくなった場合、
    又は、温度検出器により検出される気温が融雪設定温度
    より高くなった場合に計時を開始する第2計時手段と、 その第2計時手段による計時が所定時間を超えた場合
    に、前記出力手段を介した制御信号の出力を停止させる
    遅延手段とを備えていることを特徴とする請求項1から
    5のいずれかに記載の積雪監視装置。
  7. 【請求項7】 請求項1から6のいずれかに記載の積雪
    監視装置と、前記出力手段に接続されて観測地点に設置
    される発熱ヒータシステムとを備えた融氷雪システムに
    おいて、 前記発熱ヒータシステムは、観測地点に設置されると共
    に電力供給を受けて発熱する発熱ヒータと、その発熱ヒ
    ータへ電力を供給する給電手段と、その給電手段により
    前記発熱ヒータへ供給される電力を、前記変更手段によ
    り変更される制御信号の変化に応じて変更する無接点継
    電器とを備えていることを特徴とする融氷雪システム。
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