JP3837316B2 - 積雪監視装置および融氷雪システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、観測地点の積雪状況に応じて発熱ヒータシステムを制御することができる積雪監視装置と、その積雪監視装置を用いて観測地点の融氷雪を行うことができる融氷雪システムとに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
積雪地域では、大量に積雪する雪を除雪するために多大な労力を費やしており、この労力を低減するための各種設備が設けられている。例えば、積雪した路面を除雪する設備として、北陸地方では、ポンプ装置により汲み上げた地下水を路面に散水して除雪する散水式融雪設備が路面に埋設されている。北陸地方の平野部は、北海道や東北地方に比べて南方に位置するため、路面に散水した地下水が凍結することは希であり、上記した散水式融雪設備が普及している。
【0003】
一方、北陸地方の山間部や北海道などの低温寒冷地は、冬季気温が氷点下に達することが多く、上記した散水式融雪設備では、散水した地下水が凍結したり、或いは、融け残った雪が結氷して路面が凍結する恐れがある。そこで、このような低温寒冷地では、路面に埋設される発熱ヒータに電力供給して発熱させ、その発熱により路面を加熱して融雪するヒータ式融雪設備が普及している。
【0004】
ヒータ式融雪設備は、一般に、降雪する雪を検知する降水検知器を備えており、この降水検知器により降雪が検知された場合に、発熱ヒータへ電力供給して路面を加熱するように構成されている。しかし、降水検知器は、単に降雪の有無を検知する機器であるため、実際に融雪がなされる路面の積雪状況を検知することができない。よって、路面に積雪しない程度の降雪であっても発熱ヒータへの電力供給が行われるため、電力を無駄に消費してしまうことがある。
【0005】
しかも、上記ヒータ式融雪設備は、一般に、降雪中にのみ一定の電力を発熱ヒータへ供給するものであるため、降雪量が多い場合には降雪中の発熱ヒータの発熱だけでは融雪しきれず、路面に雪の融け残りが残存することもある。そこで、ヒータ式融雪設備のなかには、発熱ヒータへ電力供給する時間を計時するタイマ回路を備えたものがある。
【0006】
このタイマ回路を備えたヒータ式融雪設備によれば、降水検知器が降雪を検知した場合に、発熱ヒータへの電力供給が開始され、発熱ヒータにより路面が加熱される。その後、雪が降り止むと、タイマー回路により所定時間が計時される間は発熱ヒータへの一定電力の供給を継続し、所定時間の経過後、発熱ヒータへの電力供給を停止するのである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、降雪の終了から路面の積雪が完全に融雪されるまでの所要時間は、発熱ヒータの発熱量、熱負荷、降雪量、降雪強度などの各種要因に応じて大きく変動するものであるため、上記したヒータ式融雪設備では、タイマ回路によって計時される所定時間を的確に設定することができないという問題点があった。
【0008】
そこで、タイマ回路により計時される所定時間は、路面に積雪した雪を充分に融雪可能とするために長時間に設定する必要がある。ところが、このように設定時間を長時間に設定してしまうと、路面上の雪が完全に融雪された場合であっても、設定時間の経過以前は、積雪時と同様の電力が発熱ヒータへ供給され続けてしまうため、結果として、降雪量が少ない場合に無駄な消費電力が生じてしまうという問題点があった。
【0009】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、発熱ヒータシステムの無駄な電力消費を低減するため、観測地点に積雪状況に応じて発熱ヒータシステムを制御することができる積雪監視装置と、その積雪監視装置を用いて観測地点の融氷雪を行うことができる融氷雪システムとを提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために請求項1記載の積雪監視装置は、観測地点に設置される発熱ヒータシステムを制御するための制御信号を、その発熱ヒータシステムへ出力する出力手段を備え、その出力手段を介して出力される制御信号を観測地点の積雪状況に応じて変更するものであり、観測地点の気温を検出する温度検出器と、その観測地点に降る雪を検知する降水検知器と、その観測地点の画像を撮影する画像撮影手段とにそれぞれ接続可能な接続手段と、その接続手段に接続される温度検出器および降水検知器によって、観測地点の降雪が検知され、且つ、観測地点の気温が融雪設定温度より低いと検出された場合に、前記接続手段に接続される画像撮影手段によって撮影された観測地点の画像の明度を解析する解析手段と、その解析手段により解析された観測地点の画像の明度に応じて、前記出力手段を介して出力される制御信号を変更する変更手段と、観測地点の照度を検出する照度検出器が接続可能な第2接続手段と、その第2接続手段に接続される照度検出器によって検出された照度が所定値以下となった場合に、前記出力手段へ出力される制御信号を、通常の制御信号より大きくして出力させる高レベル化手段とを備えている。
【0011】
この請求項1記載の積雪監視装置によれば、観測地点の積雪状況は、接続手段に接続された温度検出器、降水検知器および画像撮影手段によりそれぞれ検出される。降水検知器によって観測地点における雪の降雪が検知されると、温度検出器によって観測地点の気温が検出される。検出された気温が融雪設定温度より低い場合、降雪する雪は観測地点に残存して積雪しやすい状況にある。このように観測地点に雪が積雪しやすい状況にある場合、画像撮影手段によって観測地点の画像が撮影され、解析手段によって、その撮影された画像の明度が解析される。
【0012】
ここで、観測地点に雪が積雪し始めて、観測地点が雪で徐々に覆われると、観測地点の画像全体の色調は、観測地点の背景色が白色の雪で覆われることにより白色の割合(白さ具合)が増加し、結果、観測地点の画像の明度が上昇する。このため、解析手段により観測地点の画像の明度を解析することによって、観測地点における降雪の強度がより詳しく検知される。
【0013】
観測地点の画像の明度が解析されると、制御信号は、その画像の明度に応じて変更手段により変更され、出力手段を介して発熱ヒータシステムへ出力される。このようにして、制御信号を観測地点の画像の明度に応じて変更すれば、観測地点における降雪の強度(積雪状況)に応じて制御信号が変更されるので、降雪の強度に応じた適切な制御信号を発熱ヒータシステムへ出力して、かかる発熱ヒータシステムを制御することができる。
【0014】
例えば、観測地点の積雪量が多い場合には、発熱ヒータシステムの発熱量を増加させる制御信号を出力することができる一方、観測地点の積雪量が少ない場合には、発熱ヒータシステムの発熱量を減少させる制御信号を出力することができる。結果、従来のように発熱ヒータシステムへの電力供給を、降水検知器やタイマー回路によりオンオフ制御する方式に比べて、発熱ヒータシステムの消費電力を大幅に軽減することができるのである。
【0015】
請求項2記載の積雪監視装置は、請求項1記載の積雪監視装置において、前記解析手段は、画像撮影手段により撮影された白色および黒色の2値データで構成される画像の白色データの割合から明度を解析するものである。
【0016】
請求項3記載の積雪監視装置は、請求項1又は2に記載の積雪監視装置において、前記変更手段は、前記解析手段により解析された観測地点の画像の明度が所定の基準明度より小さい場合、その基準明度に対応した制御信号を、前記出力手段を介して発熱ヒータシステムへ出力するものである。
【0017】
請求項4記載の積雪監視装置は、請求項1から3のいずれかに記載の積雪監視装置において、降水検知器により雪が検知され、且つ、温度検出器により検出される気温が融雪設定温度より低い状態が継続する時間を計時する第1計時手段と、その第1計時手段による計時が所定時間を超えるまで、前記解析手段および変更手段の作動開始を待機させる待機手段とを備えている。
【0018】
請求項5記載の積雪監視装置は、請求項1から4のいずれかに記載の積雪監視装置において、前記解析手段および変更手段の作動後に、降水検知器により降雪が検知されなくなった場合、又は、温度検出器により検出される気温が融雪設定温度より高くなった場合に計時を開始する第2計時手段と、その第2計時手段による計時が所定時間を超えた場合に、前記出力手段を介した制御信号の出力を停止させる遅延手段とを備えている。
【0019】
請求項6記載の融氷雪システムは、請求項1から5のいずれかに記載の積雪監視装置と、前記出力手段に接続されて観測地点に設置される発熱ヒータシステムとを備え、前記発熱ヒータシステムは、観測地点に設置されると共に電力供給を受けて発熱する発熱ヒータと、その発熱ヒータへ電力を供給する給電手段と、その給電手段により前記発熱ヒータへ供給される電力を、前記変更手段により変更される制御信号の変化に応じて変更する無接点継電器とを備えている。
【0020】
この請求項6記載の融氷雪システムによれば、その積雪監視装置が請求項1から5のいずれかの積雪監視装置と同様に作用する上、積雪監視装置からの制御信号は、変更手段により変更されて積雪監視装置の出力手段により無接点継電器へ出力される。一方、給電手段からの電力は、無接点継電器によって、変更手段により変更された制御信号の変化に応じて、無段階かつ略線形的に変更されて発熱ヒータへ供給される。電力供給された発熱ヒータは積雪状況に応じて変更される制御信号に対応した発熱量を生じ、この発熱により観測地点に積雪する雪や結氷が融氷雪される。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の融氷雪システム及び積雪監視装置の一実施例である融氷雪システム1及び積雪監視コントローラ7の使用状態の一例を示した外観図である。図1に示すように、融氷雪システム1は、主に、監視カメラ2、降水検知センサ3、温度センサ4、照度センサ5、制御盤6、降雪監視コントローラ7、ヒータ駆動ユニット8、発熱ヒータ9、積雪報知器10を備えている。
【0022】
融氷雪システム1は、監視カメラ2、降水検知センサ3、温度センサ4及び照度センサ5による検出結果に基づいて路面RSにおける積雪状況を判断し、そのの路面RS上に積雪する雪を発熱ヒータ9により融雪するためのシステムである。監視カメラ2は、道路Rの路側帯REに立設される支柱P1上部に設置されており、その内部には非接触方式によりモノクロ画像を撮影するCCDカメラ2aが搭載されている。このCCDカメラ2aによって、路面RSにおける所定の撮影範囲Aの画像を、支柱P1の上部から撮影することができる。
【0023】
CCDカメラ2aは、受光素子であるCCD(電荷結合素子)によってデジタル方式のモノクロ画像を撮影するものであり、このモノクロ画像は白色および黒色データの2値データで構成される画像である。このCCDカメラ2aによれば、カラー画像データを撮影するカラーCCDカメラに比べて撮影感度が高いので、撮影範囲Aを撮影した場合の画像データを高感度で撮影することができる。なお、本実施例のCCDカメラ2aは、例えば、最低被写体照度が0.1ルクス、有効画素数が略25万画素、画像データのアナログ電圧信号のせん頭値(ピーク・ピーク値)が1ボルト(以下「V」と称す。)とされている。
【0024】
降水検知センサ3は、監視カメラ2の支柱P1に隣接して路側帯REに設置されており、道路R周辺に降る雪の有無を検知するセンサである。降水検知センサ3は、その上部に略平板状の受雪板3aが設けられている。受雪板3aは、その上面に白金製の平面視略櫛形状の電極(図示せず)が敷設されている。この降水検知センサ3によれば、受雪板3aの電極上に雪が降雪することによる抵抗値の変化を検出して、降雪を検知することができる。
【0025】
温度センサ4は、降水検知センサ3に隣接して路側帯REに設置されており、道路R周辺の外気温度(気温)を検出するセンサである。この温度センサ4は、白金線を利用した白金温度センサで構成されており、この白金温度センサは外気温度の変化に伴って変化する白金線の電気抵抗値に基づいて気温を検出するものである。
【0026】
照度センサ5は、例えば、監視カメラ2と共に支柱P1の上部に設置されており、道路R周辺の照度(明るさ具合)を検出するセンサである。この照度センサ5は、光照射により導電率が変化するCdSセルなどの光導電素子で構成されており、電圧が印加された光導電素子が光を受光した場合に、光導電素子の電気抵抗値の変化により照度の変化を検出するものである。
【0027】
制御盤6は、降水検知センサ3に隣接して路側帯REに設置されており、融氷雪システム1の動作を制御するためのものである。この制御盤6は、略矩形箱状の筐体6aを備えており、この筐体6a内には、積雪監視コントローラ7及びヒータ駆動ユニット8が収容されている。
【0028】
積雪監視コントローラ7は、上記した監視カメラ2及び各センサ3〜5による検出結果に基づいて、ヒータ駆動ユニット8へ制御電流信号を出力し、その制御電流信号により発熱ヒータ9へ供給される電力量を制御するものである。また、ヒータ駆動ユニット8は、積雪監視コントローラ7からの制御電流信号に基づいて、発熱ヒータ9へ電力供給するものである。なお、積雪監視コントローラ7及びヒータ駆動ユニット8の詳細については後述する。
【0029】
発熱ヒータ9は、路面RSに平面視略蛇行状に埋設された電熱線であり、この電熱線がヒータ駆動ユニット8からの電力供給を受けて発熱することにより路面RSが加熱されて、路面RS上に積雪する雪を融雪するのである。1つの発熱ヒータ9は、道路Rの路線方向(図1の左下側から右上側へ向かう方向)へ所定長さLとされており、路面RSには、複数個の発熱ヒータ9が埋設されている。なお、図1中では、2つの発熱ヒータ9,9のみを図示している。
【0030】
積雪報知器10は、道路Rの他方の路側帯REに立設される支柱P2上部に設置されており、道路R周辺の降雪状況や路面RSの積雪状況などの情報を走行車輌に報知するものである。積雪報知器10は、その前面に降雪状況や積雪状況などの情報を表示する表示パネル10aと、その表示パネル10aを制御する表示パネル駆動ユニット10bとを備えている。
【0031】
図2は、融氷雪システム1の電気的構成を示すブロック線図である。図2に示すように、積雪監視コントローラ7は、主に、降水検知コントローラ11、温度コントローラ12、指令判定回路13、画像解析回路14、予熱明度レベル設定回路15、レベル判定回路16、レベル反転回路17、照度判定回路18、演算回路19、遅延回路20がそれぞれ設けられている。なお、監視カメラ2により撮影された画像、降水検知センサ3により検知される降雪の有無、温度センサ4により検出される外気温度、照度センサ5により検出される照度は、それぞれアナログ電圧信号として積雪監視コントローラ7へ出力される。
【0032】
降水検知コントローラ11は、道路R周辺の降雪の有無を検知する降水検知センサ3と接続されており、かかる降水検知センサ3により検知される降雪の強度、即ち降雪強度と所定の検知感度とを比較して、その比較結果に応じた出力信号を指令判定回路13へ出力する回路である。
【0033】
具体的に、降水検知コントローラ11は、実際の降雪強度が検知感度より低い場合にその旨を示す信号(以下、「非降雪時信号」と称す。)を出力する一方、実際の降雪強度が検知感度より高い場合にその旨を示す信号(以下、「降雪時信号」と称す。)を、それぞれ指令判定回路13へ出力する。つまり、降水検知コントローラ11は、検知感度を上げた場合には降雪強度が弱い雪でも降雪有りとして検知できる一方、検知感度を下げた場合には降雪強度が強い雪でなければ降雪有りとして検知しないのである。
【0034】
また、降水検知コントローラ11には、上記した検知感度を設定するための感度設定回路11aが設けられており、この感度設定回路11aにより検知感度を「強」から「弱」の範囲で多段階(例えば、10段階)に設定変更することができる。なお、本実施例において、感度設定回路11aにより設定される検知感度は、比較的少量の雪が降雪した際にも検知できるように降雪強度が「中」から「弱」の範囲で降雪を検知するように設定されている。
【0035】
温度コントローラ12は、道路R周辺の外気温度を検出する温度センサ4と接続されており、かかる温度センサ4により検出された外気温度と所定の設定温度とを比較して、その比較結果に応じた出力信号を指令判定回路13へ出力する回路である。具体的に、温度コントローラ12は、外気温度が設定温度より低い場合にその旨を示す信号(以下、「低温時信号」と称す。)を出力する一方、外気温度が設定温度より高い場合にその旨を示す信号(以下、「高温時信号」と称す。)を出力する。
【0036】
また、温度コントローラ12には、上記した設定温度を設定変更するための温度設定回路12aが設けられている。この温度設定回路12aにより設定される設定温度は、路面RSに降雪する雪が融けずに積雪する温度に設定する必要がある。そこで、本実施例では、温度設定回路12aにより設定される設定温度を、雪が融け始める気温(以下、「融雪設定温度」と称す。)である略1℃から略2℃の範囲に設定しており、好適には略1.4℃に設定している。
【0037】
道路R周辺の外気温度が融雪設定温度より高い場合、降雪する雪は、水気の多い霙(みぞれ)状や雨水状となるため、路面RSに積雪しにくい状態である。一方、外気温度が融雪設定温度より低い場合、降雪する雪は、水気の少ない霰(あられ)状や新雪などになるため、路面RSに積雪しやすい状態である。このように外気温度が融雪設定温度より低い場合、即ち、雪が積雪しやすい外気温度である場合には路面RSに積雪することが予測されるので、温度コントローラ12は、発熱ヒータ9を稼動させて路面RSの融雪を行うため、低温時信号を指令判定回路13へ出力するのである。
【0038】
指令判定回路13は、上記した降水検知コントローラ11及び温度コントローラ12とそれぞれ接続されており、降水検知コントローラ11からの降雪時信号および温度コントローラ12からの低温時信号の双方が入力され、その両信号の入力状態が所定の待機時間を超えて継続する場合にその旨を示す信号(以下、「出力開始信号」と称す。)を、演算回路19及び遅延回路20へ出力する回路である。
【0039】
降雪が検知され、且つ、外気温度が融雪設定温度以下である場合には、降雪する雪が積雪しやすい状況下にあり、路面RSに積雪することが予測される。よって、かかる場合には、指令判定回路13は、ヒータ駆動ユニット8への制御電流信号の出力を開始して発熱ヒータ9の稼動を開始させるため、演算回路19及び遅延回路20へ出力開始信号を出力するのである。
【0040】
その一方で、指令判定回路13は、上記した非降雪時信号または高温時信号の少なくともいずれか一方が入力された場合にその旨を示す信号(以下、「出力停止信号」と称す。)を、演算回路19及び遅延回路20へ出力する回路でもある。即ち、降雪が検知されない場合や、外気温度が融雪設定温度を超えて雪が積雪しにくい状況下の場合、指令判定回路13は、ヒータ駆動ユニット8への制御電流信号の出力を停止して発熱ヒータ9の稼動を停止させるため、演算回路19及び遅延回路20へ出力停止信号を出力するのである。
【0041】
また、指令判定回路13には、上記した待機時間を設定変更するための待機時間設定回路13aと、その待機時間設定回路13aにより設定された待機時間を計時する待機計時回路13bとが設けられている。待機時間設定回路13aは、0秒から1秒刻みに24時間までの待機時間を設定することができる回路であり、具体的に待機時間は、降雪強度が「中」から「弱」である雪が徐々に路面RSに積雪し始める時間である略10分から略15分の範囲に設定されており、好適には略15分に設定される。
【0042】
画像解析回路14は、監視カメラ2と接続されており、その監視カメラ2のCCDカメラ2aにより撮影される路面RSの撮影範囲Aにおける画像の明度を解析し、その解析された画像の明度レベル(以下、「解析明度レベル」と称す。)に応じた信号(以下、「解析明度レベル信号」と称す。)をレベル判定回路16へ出力する回路である。ここで、CCDカメラ2aにより撮影される画像は、白色および黒色の2値データで構成されるモノクロ画像である。このため、例えば、モノクロ画像に撮影された路面RSがアスファルト舗装の場合、路面RSは黒色にて映し出され、その路面RSに積雪する雪は白色にて映し出される。
【0043】
ここで、本実施例では、監視カメラ2により撮影された画像の解析明度レベルを0%〜100%の百分率で示している。具体的には、撮影範囲Aの撮影画像全体が黒色である場合に解析明度レベルが0%となり、撮影範囲Aの路面RSが積雪により白色に徐々に変化するにつれて解析明度レベルが増加して、撮影範囲Aの路面RSの全体が積雪により覆われて撮影画像全体が白色となった場合における解析明度レベルが100%となるように設定されている。
【0044】
画像解析回路14によれば、監視カメラ2のCCDカメラ2aにより撮影された画像は、監視カメラ2からアナログ信号として入力され、デジタル信号にA/D(アナログ/デジタル)変換される。結果、監視カメラ2により撮影されたアナログ画像は、白色および黒色の2値データで構成されるデジタル画像とされる。このデジタル画像は、画像解析回路14によって、その各画素が白色データ又は黒色データであるかが分析される。
【0045】
この分析によって、デジタル画像の全画素中に白色データが占める割合(分布量)から、撮影範囲Aを撮影した画像の解析明度レベルが0%〜100%の範囲のいずれの値であるかが解析される。この解析によって、撮影範囲Aの画像の解析明度レベルが導出されると、その解析明度レベルを示すデジタル信号は、画像解析回路14によって、アナログ信号である解析明度レベル信号にD/A(デジタル/アナログ)変換されて、レベル判定回路16へ出力される。
【0046】
予熱明度レベル設定回路15は、発熱ヒータ9を予熱するための明度レベル(以下、「予熱明度レベル」と称す。)を示す信号(以下、「予熱明度レベル信号」と称す。)を設定してレベル判定回路16へ出力する回路である。この予熱明度レベル設定回路15は、0%から100%の範囲内で予熱明度レベルを設定可能であり、本実施例では予熱明度レベル(基準明度)を50%となるように設定している。この設定された予熱明度レベルは、予熱明度レベル設定回路15によって、その予熱明度レベルに対応したアナログ信号である予熱明度レベル信号に変換されて、レベル判定回路16へ出力される。
【0047】
レベル判定回路16は、上記した画像解析回路14及び予熱明度レベル設定回路15と接続されており、画像解析回路14からの解析明度レベル信号と予熱明度レベル設定回路15からの予熱明度レベル信号とを比較して、その比較結果に応じた出力信号をレベル反転回路17へ出力する回路である。具体的に、レベル判定回路16は、解析明度レベル信号と予熱明度レベル信号との信号レベルを比較し、その信号レベルが大きい方の信号(以下、「指令明度レベル信号」と称す。)をレベル反転回路17へ出力する。
【0048】
例えば、レベル判定回路16は、予熱明度レベル設定回路15により予熱明度レベルが50%に設定された場合において、解析明度レベルが50%以下であれば明度レベルが50%である指令明度レベル信号を出力する一方、解析明度レベルが50%を超えれば解析明度レベルに対応した50%を超え且つ100%以下の指令明度レベル信号を出力するのである。
【0049】
レベル反転回路17は、上記したレベル判定回路16と接続されており、そのレベル判定回路16からの入力信号が示す指令明度レベルを反転し、その反転された明度レベル(以下、「反転明度レベル」と称す。)を示すアナログ信号(以下、反転明度レベル信号)を、演算回路19へ出力する回路である。
【0050】
このレベル反転回路17による反転明度レベルとは、レベル判定回路16により入力された指令明度レベルを、その指令明度レベルの最大値から減算したものである。例えば、レベル判定回路16から入力された実際の指令明度レベルが75%の場合、その指令明度レベルを最大値の100%から減算して(即ち、100%−75%=35%)、35%の反転明度レベルが得られるのである。
【0051】
照度判定回路18は、道路R周辺の照度を検出する照度センサ5と接続されており、かかる照度センサ5により検出された照度と所定の設定照度とを比較して、その比較結果に応じた出力信号を演算回路19へ出力する回路である。具体的に、照度判定回路18は、実際の照度が設定照度より低い場合に、制御電流信号を臨時的に大きくする信号を演算回路19へ出力する。また、照度判定回路18には、上記した設定照度を設定変更するための照度設定回路18aが設けられており、この照度設定回路18aにより設定される設定照度は、例えば、降雪強度が極めて強い場合における昼間の照度である略300ルクスに設定されている。
【0052】
ここで、照度センサ5による検出照度が設定照度を超える場合、降雪強度は低くて積雪量が急増する恐れが少ない。よって、かかる場合には、発熱ヒータ9の発熱量を臨時的に増加させる必要がないので、ヒータ駆動ユニット8へ出力される制御電流信号を臨時的に大きくする必要がない。従って、かかる場合には制御電流信号を通常値で出力させるため、照度判定回路18は、レベル判定回路16により出力される指令明度レベル信号に対して、その指令明度レベル信号の最大値(即ち、100%)と等しい信号(以下、「通常時明度レベル信号」と称す。)を、演算回路19へ出力するのである。
【0053】
一方、照度センサ5による検出照度が設定照度を下回る場合、降雪強度は極めて強く積雪量が急増する恐れがある。よって、かかる場合には、発熱ヒータ9の発熱量を臨時的に増加させて、路面RSにおける積雪量の急増を防ぐ必要があるので、ヒータ駆動ユニット8へ出力される制御電流信号を臨時的に大きくする必要がある。従って、かかる場合には制御電流信号を臨時的に大きくするため、照度判定回路18は、レベル判定回路16により出力される指令明度レベル信号に対して、その指令明度レベル信号の最大値を超える値(例えば、120%)の信号(以下、「非常時明度レベル信号」と称す。)を、演算回路19へ出力するのである。
【0054】
演算回路19は、指令判定回路13より入力される出力開始信号を契機として、制御電圧信号の出力値を演算して、遅延回路20及び積雪報知器10へ制御電圧信号を出力する回路である。具体的に、この演算回路19は、指令判定回路13から出力開始信号が入力されると、照度判定回路13より入力される信号が示す明度レベルから、レベル反転回路17より入力される信号が示す明度レベルを減算して、その減算値に比例したアナログ電圧信号である制御電圧信号を生成し、遅延回路20へ出力する。
【0055】
遅延回路20は、指令判定回路13からの出力開始信号の入力を契機として、演算回路19からの制御電圧信号に比例する制御電流信号を生成してヒータ駆動ユニット8へ出力する回路である。また、遅延回路20は、指令判定回路13からの出力停止信号の入力を契機として、その入力時点から所定の遅延時間が経過した後に制御電流信号の出力を停止する回路でもある。
【0056】
更に、遅延回路20は、上記した遅延時間を設定変更する遅延時間設定回路20aと、その遅延時間設定回路20aにより設定された遅延時間を計時する遅延計時回路20bとを備えている。遅延時間設定回路20aは、0秒から1秒刻みに24時間までの遅延時間を設定することができる回路であり、具体的に遅延時間は、略3時間以下の範囲に設定されており、好適には略30分に設定される。
【0057】
上記した遅延回路20によれば、指令判定回路13から出力停止信号が入力された場合、即ち、降雪が無い場合や、外気温度が融雪設定温度を超えた場合であっても、遅延計時回路20bにより遅延時間が計時される以前は、演算回路19からの制御電圧信号に比例した制御電流信号を出力し続けることができる。従って、遅延時間が経過するまでの間、遅延回路20は、出力開始信号が入力されている場合と同様に、ヒータ駆動ユニット8へ制御電流信号を出力して、発熱ヒータ9の稼動状態の停止時期を遅延させることができる。結果、雪が降り止んだり、或いは、積雪しにくい雪が降雪している状況において、観測地点に積雪した雪を残存させずに融雪できるのである。
【0058】
なお、この遅延回路20による制御電流信号の出力停止に伴って監視カメラ2の電源がオフされる。ただし、この監視カメラ2は、次回の出力開始信号が演算回路19又は遅延回路20へ入力された場合に再び作動され、路面RSの積雪状況を撮影する。
【0059】
ヒータ駆動ユニット8は、主に、遅延回路20から入力される制御電流信号に基づいて接続又は切断される無接点継電器21と、その無接点継電器21を介して発熱ヒータ9へ電力を供給するヒータ駆動電源回路22とを備えている。無接点継電器21は、上記した遅延回路20と接続されており、発熱ヒータ9とヒータ駆動電源回路22との間に介設されている。
【0060】
この無接点継電器21は、無接点リレー回路の一種であるソリッドステートリレー(略して「SSR」)で構成されており、遅延回路20から制御電流信号が入力されると、その制御電流信号の大きさ(電流値)に比例した電力を、ヒータ駆動電源回路22から発熱ヒータ9へ供給させることができる。また、ヒータ駆動電源回路22は、発熱ヒータ9へ供給される電力を生成する回路であり、例えば、460Vで電力を出力する定電圧電源回路で構成されている。
【0061】
このように構成されたヒータ駆動ユニット8は、路面RSに設置される発熱ヒータ9にそれぞれ1つずつ接続されており、各ヒータ駆動ユニット8の無接点継電器21が電気的に直列に接続されている。ここで、上記した遅延回路20は、かかる無接点継電器21へ制御信号として電流信号を出力するので、遅延回路20に直に接続される無接点継電器21と他の無接点継電器21とを電気的に直列に接続することにより、多数のヒータ駆動ユニット8を制御することができる。よって、多数のヒータ駆動ユニット8を1台の積雪監視コントローラ7により統括して制御することができるので、かかるコントローラ7を各ヒータ駆動ユニット8毎に1台ずつ設置する必要がなく、その分、システム1全体としての設備コストを低減することができるのである。
【0062】
また一方で、演算回路19には、遅延回路20と共に積雪報知器10の表示パネル駆動ユニット10bが接続されている。表示パネル駆動ユニット10bは、主に、演算回路19から入力される制御電圧信号に基づいて接続又は切断される有接点継電器10cと、その有接点継電器10cを介して表示パネル10aの表示動作を制御するための信号を出力する表示パネル制御回路10dとを備えている。
【0063】
有接点継電器10cは、例えば、電磁力などにより可動接点を動かして、その可動接点に連動される電気接点により回路を開閉または切換えする有接点リレー回路の一種である。この有接点継電器10cは、演算回路19から入力される制御電圧信号が所定の電圧値以下の場合に、表示パネル10aと表示パネル制御回路10dと切断する一方で、制御電圧信号が所定の電圧値を超えた場合に、表示パネル10aと表示パネル制御回路10dとを接続して表示パネル10aを作動させる。
【0064】
例えば、演算回路19で減算処理された明度レベルが50%の場合に出力される制御電圧信号で有接点継電器10cが作動するように設定したとする。かかる場合、演算回路19で減算処理された明度レベルが50%を超えると、有接点継電器10cによって表示パネル10aと表示パネル制御回路10dとが接続され、表示パネル制御回路10cによって表示パネル10aに「積雪あり、走行注意」などの文字情報が表示されるのである。
【0065】
以上、実施例に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
【0066】
例えば、本実施例では、融氷雪システム1の各機器2〜10を図1に示すように設置したが、かかる融氷雪システム1の各機器2〜10の位置関係は、必ずしも図1に示すものに限られるものではなく、各機器2〜10の位置関係は適宜変更することができるものである。また、本実施例では、融氷雪システム1を実施するために監視カメラ2を設置したが、かかる監視カメラは必ずしも融氷雪システム1を設置する際に新設する必要はなく、走行車輌を監視するために道路に既設されている路線監視カメラを用いて融氷雪システムを実施しても良い。
【0067】
本実施例では、温度センサ4を構成する温度素子として、検出信号の線形特性が良好な白金温度センサを用いたが、温度センサを構成する温度素子は必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、その他の線形特性が良好なガラスサーミスタ、NTCサーミスタ、トランジスタなどの温度素子を用いても良い。また、本実施例では、発熱ヒータ9を路面RSに略蛇行状に埋設したが、かかる発熱ヒータの埋設形態は必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、発熱ヒータを略渦巻き状や格子状の形態で路面RSに埋設しても良い。即ち、発熱ヒータにより路面RSへ効率よく伝熱できる埋設形態であれば良い。
【0068】
更に、有接点継電器10cが短絡される制御電圧信号の電圧値は、必ずしも解析明度レベルが50%を超える場合に限られるものではなく、当然のことながら、必要に応じて、制御電圧信号の電圧値の変動範囲内で設定変更することができる。また、表示パネル駆動ユニット10bに搭載される継電器は、必ずしも有接点継電器10cに限られるものではなく、例えば、上記した無接点継電器21と同種の継電器を用いても良い。また、表示パネル10aに表示される文字情報の内容を、演算回路19により演算された明度レベルに基づいて変化させるように構成しても良い。
【0069】
また、本実施例では、本発明の積雪監視装置により監視される観測地点として道路Rを例に説明したが、かかる観測地点は、融氷雪システムによる融雪や融氷の実施が必要な場所であれば良く、必ずしも道路に限られるものではない。
【0070】
なお、以下に本発明の変形例を示す。請求項6記載の融氷雪システムにおいて、前記出力手段に接続されると共に、観測地点に設置されて積雪状態を報知する報知器と、その報知器を稼動するための電力を供給する給電手段と、その給電手段による電力を、前記変更手段により変更される制御信号が所定値以上となった場合に前記報知器へ供給する継電器とを備えていることを特徴とする融氷雪システム。ここで、この融氷雪システムによれば、出力手段としては演算回路19が、報知器としては表示パネル10aが、給電手段としては表示パネル制御回路10dが、継電器としては有接点継電器10cが、それぞれ該当する。
【0071】
【発明の効果】
請求項1記載の積雪監視装置によれば、発熱ヒータシステムへ出力される制御信号は、変更手段により観測地点の画像の明度に応じて変更されるので、観測地点の積雪状況に応じた適切な制御信号を発熱ヒータシステムへ出力して制御できるという効果がある。よって、従来のように発熱ヒータシステムへの電力供給を、降水検知器やタイマー回路によりオンオフ制御する方式に比べて、発熱ヒータシステムの消費電力を大幅に軽減できるという効果がある。
【0072】
しかも、温度検出器により観測地点の降雪が検知され、且つ、降水検知器により観測地点の温度が融雪設定温度より低いと検出された場合、即ち、観測地点に降雪する雪が積雪しやすい状況下にある場合に、解析手段は画像撮影手段により撮影された観測地点の画像の明度を解析すると共に、その解析結果に応じて、変更手段は制御信号を変更する。
【0073】
つまり、解析手段および変更手段は、観測地点の降雪が検知されて観測地点の温度が融雪設定温度より高い場合、即ち、観測地点に雪が積雪しにくい状況下では作動されない。よって、観測地点に積雪しにくい状況であって、発熱ヒータシステムを作動させる必要がないような場合、制御信号を出力して発熱ヒータシステムを作動させずに済むので、その分、更に発熱ヒータシステムの消費電力を軽減して、発熱ヒータシステムの稼動効率を向上できるという効果がある。
【0074】
ところで、観測地点の降雪強度が増すと、雪により周囲の光が遮られ、観測地点における照度が低下して暗くなる。このようにして観測地点の照度が低下した場合、観測地点の画像明度に対応した通常の制御信号を、発熱ヒータシステムへ出力したのでは、発熱ヒータシステムの発熱量が不足して、観測地点の融雪を充分に行えない恐れがある。
【0075】
このため、この請求項1記載の積雪監視装置によれば、観測地点の照度を検出する照度検出器が第2接続手段に接続されて、その照度検出器により観測地点の照度を検出できる。しかも、照度検出器により検出された照度が所定値以下となった場合、変更手段により変更される制御信号は、高レベル化手段によって、通常の制御信号より大きくされる。よって、観測地点の降雪強度が増して観測地点の照度が低下した場合には、通常より大きな制御信号を発熱ヒータシステムへ出力して、その発熱ヒータシステムの発熱量を増加させることができるので、かかる発熱ヒータシステムの発熱による融雪能力を向上でき、観測地点の積雪量増加を抑制できるという効果がある。
【0076】
請求項2記載の積雪監視装置によれば、請求項1記載の積雪監視装置の奏する効果に加え、解析手段は、画像撮影手段により撮影された白色および黒色の2値データで構成される画像の白色データの割合から画像の明度を解析するものである。白色および黒色の2値データで構成される画像は、カラーデータで構成される画像に比べて高感度で撮影されるので、かかる2値データで構成される画像の明度を解析することにより画像の明度を高精度で解析できるという効果がある。
【0077】
しかも、カラーデータの画像から明度を解析する場合のように、画像を白色および黒色の2値データに変換する手段が不要となるので、その分、装置全体として構成を簡素化して製造コストを低減することができるという効果がある。
【0078】
請求項3記載の積雪監視装置によれば、請求項1又は2に記載の積雪監視装置の奏する効果に加え、変更手段は、解析手段により解析された観測地点の画像の明度が所定の基準明度より小さい場合、その観測地点の実際の画像明度に対応する制御信号ではなく、その実際の画像明度より大きな基準明度に対応する制御信号を出力手段へ出力することができる。
【0079】
このように予め基準明度に対応する制御信号を出力しておけば、観測地点の積雪量が急激に増加した場合(即ち、観測地点の実際の画像明度が急激に増加した場合)において、制御信号の増加幅を小さくして、発熱ヒータシステムにかかる負荷を軽減できるという効果がある。例えば、観測地点の積雪量が少ない場合に、予め大きめの制御信号により発熱ヒータシステムの発熱量を大きくしておけば、観測地点を予熱しておくことができ、積雪量の急増に遅延することなく融雪することができるのである。
【0080】
請求項4記載の積雪監視装置によれば、請求項1から3のいずれかに記載の積雪監視装置の奏する効果に加え、降水検知器により雪が検知され、且つ、温度検出器により検出される検出温度が融雪設定温度より低い場合、即ち、観測地点に積雪しやすい状況が所定の時間継続するまで、解析手段および変更手段の作動開始は、待機手段によって待機される。よって、第1計時手段による所定時間の計時以前は、解析手段および変更手段が作動されず、発熱ヒータシステムへは制御信号が出力されない。従って、直に雪が降り止むような場合に、発熱ヒータシステムへ無駄な制御信号を出力することを防止して、発熱ヒータシステムの無駄な電力消費を更に抑制することができるという効果がある。
【0081】
請求項5記載の積雪監視装置によれば、請求項1から4のいずれかに記載の積雪監視装置の奏する効果に加え、解析手段および変更手段の作動後、降水検知器により降雪が検知されなくなった状態、又は、温度検出器による検出温度が融雪設定温度より高くなった状態が所定時間を超えた場合、遅延手段によって、出力手段を介した制御信号の出力が停止される。この停止により、発熱ヒータシステムへの制御信号の出力が停止され、結果、発熱ヒータシステムの稼動が停止される。
【0082】
よって、第2計時手段により所定時間が計時される以前は、遅延手段によって、出力手段を介した制御信号の出力が停止されず、発熱ヒータシステムへ制御信号が出力されるので、結果として、発熱ヒータシステムの稼動状態の停止時期を遅延させることができる。このように発熱ヒータシステムの稼動状態の停止時期を遅延させることによって、雪が降り止んだり、或いは、積雪しにくい雪が降雪している状況において、観測地点に積雪した雪を残存させずに融雪できるという効果がある。
【0083】
請求項6記載の融氷雪システムによれば、その積雪監視装置が請求項1から5のいずれかに記載の積雪監視装置の奏する効果に加え、無接点継電器によって、積雪監視装置の変更手段により逐次変更される制御信号に応じた電力が、発熱ヒータへ無段階かつ略線形的に供給されるので、観測地点の積雪状況に見合った電力を発熱ヒータへ供給して、かかる発熱ヒータを効率的に稼動させることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の一実施例である融氷雪システム及び積雪監視コントローラの使用状態の一例を示した外観図である。
【図2】 図2は、融氷雪システムの電気的構成を示すブロック線図である。
【符号の説明】
1 融氷雪システム
2 監視カメラ(画像撮影手段)
3 降水検知センサ(降水検知器)
4 温度センサ(温度検出器)
5 照度センサ(照度検出器)
7 積雪監視コントローラ(積雪監視装置)
8 ヒータ駆動ユニット(発熱ヒータシステムの一部)
9 発熱ヒータ(発熱ヒータ、発熱ヒータシステムの一部)
11 降水検知コントローラ(接続手段の一部)
12 温度コントローラ(接続手段の一部
13 指令判定手段(解析手段の一部、待機手段)
13b 待機計時回路(第1計時手段)
14 画像解析回路(接続手段の一部、解析手段の一部)
15 予熱明度レベル設定回路(変更手段の一部)
16 レベル判定回路(変更手段の一部)
17 レベル反転回路(変更手段の一部)
18 照度判定回路(第2接続手段、高レベル化手段)
19 演算回路(変更手段の一部)
20 遅延回路(出力手段、遅延手段)
20b 遅延計時回路(第2計時手段)
22 ヒータ駆動電源回路(給電手段)
21 無接点継電器
R 道路(観測地点)
Claims (6)
- 観測地点に設置される発熱ヒータシステムを制御するための制御信号を、その発熱ヒータシステムへ出力する出力手段を備え、その出力手段を介して出力される制御信号を観測地点の積雪状況に応じて変更する積雪監視装置において、
観測地点の気温を検出する温度検出器と、その観測地点に降る雪を検知する降水検知器と、その観測地点の画像を撮影する画像撮影手段とにそれぞれ接続可能な接続手段と、
その接続手段に接続される温度検出器および降水検知器によって、観測地点の降雪が検知され、且つ、観測地点の気温が融雪設定温度より低いと検出された場合に、前記接続手段に接続される画像撮影手段によって撮影された観測地点の画像の明度を解析する解析手段と、
その解析手段により解析された観測地点の画像の明度に応じて、前記出力手段を介して出力される制御信号を変更する変更手段と、
観測地点の照度を検出する照度検出器が接続可能な第2接続手段と、
その第2接続手段に接続される照度検出器によって検出された照度が所定値以下となった場合に、前記出力手段へ出力される制御信号を、通常の制御信号より大きくして出力させる高レベル化手段とを備えていることを特徴とする積雪監視装置。 - 前記解析手段は、画像撮影手段により撮影された白色および黒色の2値データで構成される画像の白色データの割合から明度を解析することを特徴とする請求項1記載の積雪監視装置。
- 前記変更手段は、前記解析手段により解析された観測地点の画像の明度が所定の基準明度より小さい場合、その基準明度に対応した制御信号を、前記出力手段を介して発熱ヒータシステムへ出力することを特徴とする請求項1又は2に記載の積雪監視装置。
- 降水検知器により雪が検知され、且つ、温度検出器により検出される気温が融雪設定温度より低い状態が継続する時間を計時する第1計時手段と、
その第1計時手段による計時が所定時間を超えるまで、前記解析手段および変更手段の作動開始を待機させる待機手段とを備えていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の積雪監視装置。 - 前記解析手段および変更手段の作動後に、降水検知器により降雪が検知されなくなった場合、又は、温度検出器により検出される気温が融雪設定温度より高くなった場合に計時を開始する第2計時手段と、
その第2計時手段による計時が所定時間を超えた場合に、前記出力手段を介した制御信号の出力を停止させる遅延手段とを備えていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の積雪監視装置。 - 請求項1から5のいずれかに記載の積雪監視装置と、前記出力手段に接続されて観測地点に設置される発熱ヒータシステムとを備えた融氷雪システムにおいて、
前記発熱ヒータシステムは、観測地点に設置されると共に電力供給を受けて発熱する発熱ヒータと、その発熱ヒータへ電力を供給する給電手段と、その給電手段により前記発熱ヒータへ供給される電力を、前記変更手段により変更される制御信号の変化に応じて変更する無接点継電器とを備えていることを特徴とする融氷雪システム。
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