JP6902246B2 - 除雪車の自動制御システム - Google Patents
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Description
本発明の実施例1について、図1〜図10に基いて説明する。なお同図において、符号Pで指示するものは、スノープラウであり、符号Bで指示するものは、ブレードである。また符号1で指示するものは、プラウ昇降機構であり、符号2で指示するものは、ブレード昇降機構である。また符号3で指示するものは、ブレードの切削角調節機構であり、符号4で指示するものは、遮光ハウジングである。また符号5で指示するものは、撮像装置であり、符号6で指示するものは、発光装置である。また符号7で指示するものは、制御装置であり、符号8で指示するものは、ハウジング昇降機構である。また符号Mで指示するものは、通知装置であり、符号Vで指示するものは、振動センサである。
[1]自動制御システムの基本構成について
本実施例の自動制御システムの基本構成について簡単に説明する。まず本実施例では、図1に示すように、車体前方にスノープラウP、車体中央下部にグレーダのブレードBを備えた除雪車Cを使用している。また除雪車Cの車体前方には、スノープラウPの昇降を行うプラウ昇降機構1を設けると共に、車体中央には、図2(a)に示すブレードBの昇降および接地圧の変動を行うブレード昇降機構2、及び図2(b)に示すブレードBの路面に対する切削角を調節する切削角調節機構3をそれぞれ設けている。
〔2-1〕通知開始(除雪開始)の自動制御プログラム
次に上記制御装置7の自動制御プログラムについて作業手順に沿って説明する。まず上記制御装置7には、スノープラウP及びブレードBを上昇させた状態で、撮像装置5から入力された画像データ(図6の画像データ参照)の白色の画素数が閾値を超えた場合に、通知装置Mに除雪の開始タイミングを知らせる制御信号を出力するプログラムを組み込んでいる。これによりオペレータが路面の積雪を正確に目視確認できない状況でも適切なタイミングで除雪作業を開始することができる。
また上記制御装置7には、図7のS1に示すように、スノープラウPが下降位置、ブレードBが上昇位置にある状態(スノープラウPで除雪中の状態)で、撮像装置5から入力された画像データの白色の画素数が閾値を超えた場合に、通知装置Mに圧雪整正の開始タイミングを知らせる制御信号を出力するプログラムを組み込んでいる。これによりオペレータが路面の残雪状況を正確に目視確認できない場合でも適切なタイミングで圧雪の除去作業を開始することができる。
また上記制御装置7には、図7のS2に示すように、運転席の操作部Kからの圧雪整正開始の入力(ブレード下降スイッチオン)に応じて、ブレード昇降機構2にブレード下降開始の制御信号を出力すると共に、プラウ昇降機構1にプラウ上昇開始の制御信号を出力するプログラムを組み込んでいる。これによりブレードBを路面に接地させると同時に、スノープラウPを若干上昇させて圧雪整正を開始することができる。
また上記制御装置7には、図7のS 3 に示すように、ブレードBが下降位置にある状態(圧雪整正中の状態)で、撮像装置5から入力された画像データの白色の画素数が閾値を超えた場合に、ブレード昇降機構2に接地圧の増加開始の制御信号を出力するプログラムを組み込んでいる。これによりブレードBの接地圧(押付け力)が小さすぎて路面に圧雪が残っている場合に、ブレードBの接地圧(押付け力)を自動的に大きくして圧雪を効果的に除去できる。
また上記制御装置7には、図7のS 3 に示すように、ブレードBが下降位置にある状態(圧雪整正中の状態)で、撮像装置5から入力された画像データの白色の画素数が閾値を下回っている場合に、ブレード昇降機構2に接地圧の減少開始の制御信号を出力するプログラムを組み込んでいる。これにより路面に圧雪がない状態でブレードBを過度に押し付ける事態を防止することができる。
また上記制御装置7には、ブレードBの接地圧を最大値まで増加させても、撮像装置5から入力された画像データの白色の画素数に閾値をまたぐ変化がない場合(白色の画素数が閾値を超えたままの場合)に、切削角調節機構3に切削角の変動開始の制御信号を出力するプログラムを組み込んでいる。これにより圧雪に対するブレードBのエッジ部の食い込みを改善して圧雪を効果的に除去することができる。なおブレードBの切削角の変更は、図9に示す順序で行われる。
また上記制御装置7には、図7のS4に示すように、ブレードBの接地圧をゼロまで減少させても、撮像装置5から入力された画像データの白色の画素数に閾値をまたぐ変化がない場合(白色の画素数が閾値を下回ったままの場合)に、通知装置Mに圧雪整正の終了タイミングを知らせる制御信号を出力するプログラムを組み込んでいる。これによりオペレータが残雪の有無を正確に目視確認できない状況でも適切なタイミングで圧雪整正を終了することができる。
〔3-1〕閾値とする画像データの色
本実施例では、路面の画像データの白色の画素数を利用して自動制御を行っているが、図6に示すモノクロの二値画像データを使用する場合には、黒色の画素数を利用して自動制御を行うこともできる。但しその場合には、閾値や閾値をまたぐ方向を変更する必要がある(例えば、ブレードBの接地圧増加の自動制御は、黒色の画素数が閾値を下回った場合に行う必要がある)。またカラーやグレースケール等の多値画像データを使用する場合には、複数の色の画素数を制御に利用することもできる。
本実施例では、ブレードBの切削角の変更を自動制御によって行っているが、切削角の変更を手動操作(スイッチ)で行う場合には、運転席にそのタイミングを通知することもできる。具体的には、上記制御装置7に対し、ブレードBの接地圧を最大値まで増加させても、撮像装置5から入力された画像データの白色の画素数に閾値をまたぐ変化がない場合に、通知装置Mに切削角変動の開始タイミングを知らせる制御信号を出力するプログラムを組み込むこともできる。
本実施例では、除雪開始時のスノープラウPの下降および除雪終了時のスノープラウPの上昇を手動操作(スイッチ)により行っているが、画像データを利用した自動制御により行うこともできる。具体的には、上記制御装置7に、撮像装置5から入力された画像データの所定色の画素数が閾値を下回った場合に、或いは超えた場合に、プラウ昇降機構1に昇降開始の制御信号を出力する制御プログラムを組み込むこともできる。
本実施例では、圧雪整正開始時のブレードBの下降および圧雪整正終了時のブレードBの上昇を手動操作(スイッチ)により行っているが、画像データを利用した自動制御により行うこともできる。具体的には、上記制御装置7に、撮像装置5から入力された画像データの所定色の画素数が閾値を下回った場合に、或いは超えた場合に、ブレード昇降機構2に昇降開始の制御信号を出力する制御プログラムを組み込むこともできる。
〔4-1〕プラウ昇降機構
次に上記自動制御システムを構成する各構成要素について説明する。まず図1に示すプラウ昇降機構1に関しては、制御信号の入力を受けた油圧シリンダ等のアクチュエータによって、スノープラウPの昇降動作を行うものを採用することができる。具体的には、スノープラウPが固定されたアームをアクチュエータで動かして、スノープラウPの昇降させるものを採用できる。
また図2(a)に示すブレード昇降機構2に関しても、制御信号の入力を受けた油圧シリンダ等のアクチュエータAによってブレードBの昇降動作と接地圧の変動を行うものを採用することができる。具体的には、ブレードBが固定されたリンク機構をアクチュエータAで変形させて、ブレードBの昇降や接地圧の変動を行うものを採用できる(具体的な構造については、本件出願人が以前に出願した特許第2571535号の段落番号[0014]参照)。
また図2(b)に示すブレードBの切削角調節機構3に関しても、制御信号の入力を受けたアクチュエータAによってブレードBの切削角を変更するものを採用することができる。具体的には、ブレードBが固定されたリンク機構をアクチュエータAで変形させて、ブレードBの切削角を変動させるものを採用できる(具体的な構造については、本件出願人が以前に出願した特許第2571535号の段落番号[0019]参照)。
また図3及び図4に示す遮光ハウジング4に関しては、本実施例では、上面側が連結部材を介して車体に取り付けられ、下面側に撮像装置5と発光装置6が固定される天板部42を金属材料から形成し、胴部43をエラストマー材料から形成しているが、これらを同一の不透明材料から形成することもできる。また材料としては、遮光性を有するものであれば、金属材料やエラストマー材料の他、プラスチック材料などを使用することもできる。
また図4に示す撮像装置5に関しては、本実施例では、路面の画像を高解像度(800×600画素)の二値(モノクロ)画像データとして出力する撮像装置5(コグネックス社製 In-Sight EZ-700)を使用しているが、路面の画像を電気信号に変換して画像データとして出力するものであれば、多値画像データとして出力する撮像装置5を使用することもできる。また本実施例では、画像データを102枚/秒の非常に短い周期で断続的に出力する撮像装置5を使用しているが、画像データの出力周期については、求められる自動制御の精度に応じて任意に変更できる。
また図4に示す発光装置6に関しては、本実施例では、撮像装置5と一体に併設しているが(撮像装置5と発光装置6が一体となったカメラを使用)、発光装置6を撮像装置5と別体の状態で遮光ハウジング4内に併設することもできる。また発光装置6は、撮像装置5と一緒に使用するため、撮像装置5に連動させるのが好ましい。
また本実施例では、図10に示すように、上記遮光ハウジング4を不使用時に路面から離れた位置に配置できるように、ハウジング昇降機構8を介して遮光ハウジング4を車体に取り付けることもできる。またハウジング昇降機構8としては、図10に示すようなアクチュエータによって遮光ハウジング4を昇降ガイド上で昇降させるものだけでなく、アクチュエータによりリンク機構を変形させて遮光ハウジング4の昇降動作を行うものも採用できる。
また図5に示す制御装置7に関しては、プラウ昇降機構1、ブレード昇降機構2、切削角調節機構3、撮像装置5、通知装置M、操作部Kおよび振動センサVに対して、有線または無線で接続できるものを採用できる。また制御装置7については、制御プログラムに応じて複数に分割して構成することもできる。
また図5に示す通知装置Mに関しては、本実施例では、運転席のオペレータに対し画面表示で通知を行えるモニタと音声で通知を行える音声装置を使用しているが(図7参照)、光や音、振動などによって通知を行うことができれば、ランプやブザー、バイブレータ等を通知装置Mとして使用することもできる。
また図5に示す振動センサVに関しては、本実施例では、加速度を振動の大きさの尺度とし、ブレードBの振動から検出された加速度を電気信号に変換して出力するものを使用しているが(具体的には、本件出願人が以前に出願した特許第2571535号の段落番号[0011]参照)、振動の大きさの尺度として変位や速度を利用する他の方式の振動センサを使用することもできる。
2 ブレード昇降機構
3 切削角調節機構
4 遮光ハウジング
41 開口部
42 天板部
43 胴部
5 撮像装置
6 発光装置
7 制御装置
8 ハウジング昇降機構
C 除雪車
P スノープラウ
B ブレード
M 通知装置
V 振動センサ
A アクチュエータ
Claims (8)
- 路面の残雪状況に応じてグレーダのブレード(B)の接地圧を自動制御するための除雪車の自動制御システムであって、
制御信号の入力を受けたアクチュエータによってブレード(B)の昇降および接地圧の変動を行うブレード昇降機構(2)と;路面の画像を電気信号に変換して画像データとして出力する撮像装置(5)と;この撮像装置(5)に併設された発光装置(6)と;一端が開口し、他端が塞がった筒状を成し、かつ、その内側に、前記撮像装置(5)と発光装置(6)が固定され、更に使用時に開口部(41)が路面近傍に下向きに配置されるように車体のブレード(B)後方に取り付けられた遮光ハウジング(4)とを含んで構成される一方、
前記ブレード昇降機構(2)と撮像装置(5)には、撮像装置(5)から入力された画像データの所定色の画素数が閾値を超えた場合に、或いは下回った場合に、ブレード昇降機構(2)に対し接地圧の増減開始の制御信号を出力する制御装置(7)が接続されていることを特徴とする除雪車の自動制御システム。 - ブレード(B)の振動の大きさを電気信号として出力する振動センサ(S)が制御装置(7)に接続されると共に、前記制御装置(7)には、撮像装置(5)から入力された画像データに基づく制御で、ブレード昇降機構(2)に接地圧の減少開始の制御信号が出力されなくても、振動センサから入力された振動の大きさが閾値を超えた場合に、ブレード昇降機構(2)に接地圧の減少開始の制御信号を出力するプログラムが組み込まれていることを特徴とする請求項1記載の除雪車の自動制御システム。
- 制御信号の入力を受けて圧雪整正の終了タイミングの通知を行う通知装置(M)が制御装置(7)に接続されると共に、前記制御装置(7)には、ブレード(B)の接地圧をゼロまで減少させても、撮像装置(5)から入力された画像データの所定色の画素数に閾値をまたぐ変化がない場合に、通知装置(M)に通知開始の制御信号を出力するプログラムが組み込まれていることを特徴とする請求項1または2に記載の除雪車の自動制御システム。
- 制御信号の入力を受けたアクチュエータによってブレード(B)の切削角を変動させる切削角調節機構(3)が制御装置(7)に接続されると共に、前記制御装置(7)には、ブレード(B)の接地圧を最大値まで増加させても、撮像装置(5)から入力された画像データの所定色の画素数に閾値をまたぐ変化がない場合に、切削角調節機構(3)に切削角の変動開始の制御信号を出力するプログラムが組み込まれていることを特徴とする請求項1〜3の何れか一つに記載の除雪車の自動制御システム。
- 路面の残雪状況に応じて運転席に除雪や圧雪整正の開始または終了タイミングを知らせるための除雪車の自動制御システムであって、
制御信号の入力を受けて除雪や圧雪整正の開始または終了タイミングの通知を行う通知装置(M)と;路面の画像を電気信号に変換して画像データとして出力する撮像装置(5)と;この撮像装置(5)に併設された発光装置(6)と;一端が開口し、他端が塞がった筒状を成し、かつ、その内側に、前記撮像装置(5)と発光装置(6)が固定され、更に使用時に開口部(41)が路面近傍に下向きに配置されるように車体に取り付けられた遮光ハウジング(4)とを含んで構成される一方、
前記通知装置(M)と撮像装置(5)には、撮像装置(5)から入力された画像データの所定色の画素数が閾値を超えた場合に、或いは下回った場合に、通知装置(M)に対し通知開始の制御信号を出力する制御装置(7)が接続されていることを特徴とする除雪車の自動制御システム。 - 路面の画像をモノクロの二値画像データとして出力する撮像装置(5)が使用されていることを特徴とする請求項1〜5の何れか一つに記載の除雪車の自動制御システム。
- 遮光ハウジング(4)がハウジング昇降機構(8)を介して車体に取り付けられていることを特徴とする請求項1〜6の何れか一つに記載の除雪車の自動制御システム。
- 撮像装置(5)及び発光装置(6)が内側に固定された遮光ハウジング(4)が、車体の左右方向に所定の間隔を空けて複数配置されていることを特徴とする請求項1〜7の何れか一つに記載の除雪車の自動制御システム。
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