JP2003113571A - 極細繊維不織布及びそれからなるワイピングクロス - Google Patents

極細繊維不織布及びそれからなるワイピングクロス

Info

Publication number
JP2003113571A
JP2003113571A JP2001304983A JP2001304983A JP2003113571A JP 2003113571 A JP2003113571 A JP 2003113571A JP 2001304983 A JP2001304983 A JP 2001304983A JP 2001304983 A JP2001304983 A JP 2001304983A JP 2003113571 A JP2003113571 A JP 2003113571A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fiber
nonwoven fabric
polyester
hollow
fibers
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001304983A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuhiro Morishima
一博 森島
Koichi Iohara
耕一 庵原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Teijin Ltd filed Critical Teijin Ltd
Priority to JP2001304983A priority Critical patent/JP2003113571A/ja
Publication of JP2003113571A publication Critical patent/JP2003113571A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 煩雑な工程を必要とせず容易に得られ、特に
ワイピングクロスとして好適な性能を有する極細繊維不
織布を提供すること。 【解決手段】 乳酸系ポリエステルを0.3〜10重量
%溶融混合した、スルホン酸塩基含有共重合成分を1〜
6モル%有するポリエチレンテレフタレート系ポリエス
テルからなり、単繊維繊度が0.5〜9.0dtex、
中空率が5%以上である中空ポリエステル繊維より構成
される不織布に、機械的応力を作用させて30%以上の
中空繊維の中空壁を4個以上に分割する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、機械的応力を作用
させることにより中空ポリエステル繊維を分割極細化さ
せた極細繊維不織布に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、極細繊維不織布は生活関連資材、
衣料用など多岐の分野にわたって使用され、数多くの種
類が提案なされている。
【0003】繊維不織布の用途の一つであるワイピング
クロスにおいても、それを構成する繊維の表面積を拡大
して、より高度な拭き取り性、すなわち、より高度な拭
き取り効率と拭き取り可能な汚れや塵の微細化とが図ら
れた不織布が提案されている。この表面積拡大の手段と
しては、繊維を細くすればするほど、単糸繊度の2分の
1乗に反比例して単糸繊度当たりの比表面積は拡大する
ため、あらかじめ細い繊度のものを得る方法や、極細繊
維発生可能な繊維を後工程で分割・溶剤処理して極細繊
維を発生させる方法などが提案されている。
【0004】しかしながら、あらかじめ細い繊度のもの
を得るには例えば、孔径の小さな紡糸口金を用いて、直
接吐出されたポリマーを高速紡糸する方法があるが、こ
のような方法では単糸繊度は0.3dtex程度が限界
であり、これより細い極細繊維を製造することは技術的
に困難である上、例え可能であっても生産性が著しく低
下するためにコストが増大するという問題がある。
【0005】別の方法としては、2成分以上からなる海
島型や剥離分割型などの極細繊維を発生可能な複合繊維
を用いて不織布を形成し、その後に該複合繊維を分割割
繊や一方成分の抽出除去処理を施して極細繊維不織布と
する方法が提案されている(特開平3−213555号
公報、特開平5−331758号公報、特開昭49−1
4774号公報、特開平10−53948号公報、特許
第2916590号公報等)。しかし、このような方法
では、複数のポリマーを複合紡糸する必要があるため、
コストが増大し、工程も煩雑化するという問題がある。
【0006】これに対して、特開2000−17519
号公報には、スルホン酸塩基共重合エチレンテレフタレ
ート系ポリエステルからなる中空ポリエステル繊維で、
繊度が0.5〜8.0デニール(0.56〜8.9dt
ex)、中空率が25%以上、結晶化度が20%以上、
(010)面の結晶サイズが4nm以上であり、繊維軸
方向に配列した複数の不連続孔を有する分割性中空ポリ
エステル繊維が提案されている。このポリエステル繊維
は、複雑な口金を用いることなく製糸でき、機械的応力
を作用させることで容易に分割できるため溶出処理など
も不要であり、従来に比べて極細繊維からなる不織布を
容易にしかも効率よく製造することができる。
【0007】しかしながら、上記のように繊維の微細構
造をコントロールしようとすれば、製造工程が煩雑にな
り、実際の生産においては繊維物性の管理が大変になる
という問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術を背景になされたもので、その目的は、煩雑な工程を
必要とせず、しかも機械的応力を作用させることにより
容易に得られる、特にワイピングクロスとして好適な極
細繊維不織布を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らの研究によれ
ば、上記目的は、「スルホン酸塩基を有する共重合成分
が全酸成分に対して1〜6モル%共重合されたエチレン
テレフタレート系ポリエステルに、乳酸系ポリエステル
をポリエステル組成物重量を基準として0.3〜10重
量%溶融混合したポリエステル組成物からなる、単繊維
繊度が0.5〜9.0dtex、中空率が5%以上であ
る中空ポリエステル繊維より構成された不織布に、機械
的応力を作用させてその30%以上の繊維の中空壁を分
割してなる極細繊維不織布。」により達成され、また別
の目的は、「上記記載の極細繊維不織布よりなるワイピ
ングクロス。」により達成できることがことが見出ださ
れた。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。本発明の不織布を構成する中空ポリ
エステル繊維は、エチレンテレフタレートを主たる繰返
し単位とし、スルホン酸塩基を有する共重合成分が全酸
成分を基準として1〜6モル%、好ましくは2〜5モル
%共重合されたエチレンテレフタレート系ポリエステル
を主たる繊維形成性ポリマーとすることが大切である。
スルホン酸塩基を有する共重合成分の量が1モル%未満
の場合には機械的応力を作用させても中空壁の分割が起
こりがたく、極細繊維化することができなくなる。一
方、該共重合成分の量が6モル%を越える場合には、繊
維軸方向に配列した分割孔を中空壁に形成することは可
能であるものの、製糸時の工程安定性が低下するので好
ましくない。
【0011】好ましく用いられるスルホン酸塩基を有す
る共重合成分としては、5−ナトリウムスルホイソフタ
ル酸、5−カリウムスルホイソフタル酸、5−リチウム
スルホイソフタル酸、4−ナトリウムスルホイソフタル
酸、4−ナトリウムスルホ−2,6−ナフタレンジカル
ボン酸、及びこれらのエステル形成性誘導体をあげるこ
とができ、これらは単独でも2種以上を併用してもよ
い。
【0012】上記ポリエステルには、本発明の目的を損
なわない範囲内で上記以外の共重合成分を共重合しても
よく、通常その割合は全酸成分を基準として10モル%
以下である。共重合し得る成分としては、例えば酸成分
としてイソフタル酸、ジフェニルジカルボン酸、ナフタ
レンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、コハク酸、
アジピン酸、セバチン酸等の脂肪族ジカルボン酸、パラ
ヒドロキシ安息香酸、4−(β−ヒドロキシエトキシ)
安息香酸等のオキシカルボン酸があげられ、またジオー
ル成分としては、1,3−プロパンジオール、1,6−
へキサンジオール、ネオペンチルグリコール等の脂肪族
ジオール、1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベ
ンゼン等の芳香族ジオール、ポリエチレチングリコー
ル、ポリブチレングリコール等のポリアルキレングリコ
ール等があげられる。なおこれらの成分は、単独で共重
合させても2種以上を同時に共重合させてもよい。
【0013】また、上記ポリエステルの重合度(固有粘
度)は、大きくなりすぎると紡糸時の工程安定性が低下
して細繊度のものが得難くなる傾向にあり、一方小さく
なりすぎると高中空のものが得難くなる傾向にあるの
で、オルソクロロフェノール中35℃で測定した固有粘
度(IV)で0.35〜0.70、好ましくは0.40
〜0.55の範囲が適当である。
【0014】本発明においては、上記ポリエステルに乳
酸系ポリエステルが溶融混合されていることが肝要であ
り、これにより高い分割性を得ることができる。また、
かかる乳酸系ポリエステルが溶融混合されていることに
よって中空ポリエステル繊維の中空率を容易に高するこ
ともできる。
【0015】本発明における上記乳酸系ポリエステルと
は、乳酸を主たる繰り返し単位とするポリエステルをい
い、かかるポリエステルとしては、ポリL−乳酸ホモポ
リエステル、ポリD−乳酸ホモポリエステル、L−乳酸
/D−乳酸共重合ポリエステルなどの乳酸単独からなる
ポリエステル、および、これらの乳酸に1種類以上の共
重合成分が50%重量以下共重合されたポリエステルを
あげることができる。好ましく用いられる共重合成分と
しては、例えばエチレングルコール、ブタンジオール、
ヘキサンジオール、オクタンジオール、デカンジオール
などのジオール、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸な
どのジカルボン酸、ヒドロキシアルキルカルボン酸、ピ
バロラクトン、カプロラクトンなどの脂肪族ラクトン、
ポリエチレングリコール等があげられる。なお、上記成
分を共重合する際には、ジオール成分と酸成分とがほぼ
同当量であることが必要である。
【0016】スルホン酸塩基を有する共重合成分が共重
合されたエチレンテレフタレート系ポリエステルに溶融
混合させるポリ乳酸系ポリエステルの混合率は、得られ
る組成物の重量を基準として0.3〜10重量%の範囲
である必要がある。ポリ乳酸系ポリエステルの混合率が
0.3重量%未満であると、本発明の目的とする易分割
性を得ることができず、一方10重量%を超えると曳糸
性が不良となり、繊維を得ることができない。より好ま
しい混合率は、1.0〜5.0重量%である。
【0017】上記エチレンテレフタレート系ポリエステ
ルと乳酸系ポリエステルとを溶融混合する方法は、どち
らか一方のポリエステル重合時の末期に他方のポリエス
テルを添加する方法、繊維を溶融紡糸する際に夫々のポ
リエステルを混合した後に溶融混練する方法、別々に溶
融した夫々のポリエステルを溶融紡糸する前に混練する
方法等任意の方法を採用することができる。
【0018】なお、上記ポリエステル組成物中には、目
的に応じて、離型剤、流動性改善剤、撥水剤、親水剤、
安定剤、酸化防止剤、顔料、着色剤、各種無機粒子、そ
の他の改良剤を添加することができる。
【0019】上記ポリエステル組成物からなる中空ポリ
エステル繊維は、その単糸繊度が0.5〜9.0dte
x、好ましくは1.0〜5.0dtex、特に好ましく
は1.5〜4.0dtexの範囲にあることが必要であ
る。単糸繊度が0.5dtex未満の場合には、安定に
生産することができなくなり、また得られる繊維の中空
率も小さくなりやすいため好ましくない。一方9.0d
texを越える場合には、製糸時の工程安定性は良好で
あるが、繊維横断面における中空壁面の厚さが大きくな
るため、繊維軸方向に配列した分割孔が形成されても、
機械的応力の作用により極細繊維に分割できなくなるの
で好ましくない。
【0020】また、中空ポリエステル繊維の繊維横断面
における中空率は5%以上、好ましくは10〜60%の
範囲にあることが必要である。中空率が5%未満では、
機械的応力を作用させても極細繊維に分割できなくなる
ので好ましくない。一方、中空率が大きくなると中空壁
面の厚さが薄くなるため、中空破断が発生して製造時の
工程安定性が低下したり、得られる繊維の機械的特性が
低下するので、85%以下が望ましい。なお、ここでい
う中空率とは、繊維横断面において該横断面の外周部で
囲まれた面積に対する、中空部の面積の割合(%)をい
う。
【0021】本発明にかかる上記中空ポリエステル繊維
は、その詳細な理由は不明ではあるが、繊維軸方向の機
械的特性は良好であるが、繊維軸に垂直な方向の特性は
劣っているためと推定され、後述するように機械的応力
を作用させることにより、容易に分割極細繊維化するこ
とができるが、下記方法で測定した機械的応力分割率が
30%以上、好ましくは50%以上、特に70%以上で
ある場合、容易に極細繊維不織布が得られるので好まし
い。なかでも中空壁が5〜20個に分割されるのが好ま
しい。
【0022】ここで機械的応力分割率とは、繊維不織布
を1対のフラット金属ローラー(室温)で線圧686N
(70kg)/cmでニップして5回通過させた際、中
空壁が4か所以上で分割される繊維の割合である。
【0023】以上に述べた中空ポリエステル繊維を繊維
不織布とする方法は任意であり、例えば、スパンボンド
法、紡糸した糸条を延伸して一旦巻き取った後に高速の
牽引流体により開繊しながら多孔補集面上にウエブとし
て補集する方法、一旦短繊維となした後にカードにかけ
る方法など、公知の方法によりウエブ化される。なかで
も、口金より紡出された糸条を高速牽引し、補集ネット
上に噴射・補集するスパンボンド法が生産性の点、及び
得られる不織布の強度の観点から特に好ましい。ここ
で、高速牽引の速度としては、2000〜8000m/
分程度、好ましくは3000〜6000m/分であれば
よく、紡糸口金から吐出した該長繊維をエジェクターや
エアサッカーなどにより上述の速度にて高速牽引すれば
よい。長繊維を高速牽引して得た細化物は、開繊されな
がら補集ネット上に補集される。その際、コロナ放電に
よる帯電や接触帯電などの従来公知の方法で繊維を帯電
させることが好ましい。
【0024】ネット上に補集する際、他の短繊維を混
綿、又は他の長繊維を積層、混合することも可能であ
る。混綿又は積層される繊維素材としては、特に限定は
されないが、例えば、レーヨン等の再生繊維、アセテー
ト等の半合成繊維、ウール等の天然繊維、ナイロン−
6、ナイロン−66等のポリアミド繊維、ポリエチレン
テレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリ
エステル繊維、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリ
オレフィン繊維等から任意に1種あるいは2種以上選択
して使用することができる。もちろん繊維形状等も限定
されず、上記の熱可塑性樹脂を組み合わせた芯鞘型複合
繊維、剥離分割型複合繊維、異形断面を有する繊維等を
任意に用いることができる。
【0025】このようにして得られた不織布は、複数枚
を集積して又は単独で、必要に応じて予備的に熱接着
し、一旦巻き取った後に又はそのまま連続して機械的応
力が負荷されて極細繊維へと分割処理される。その際、
ニードルパンチ処理又は高圧水流噴射処理を施して交絡
不織布としたり、熱的に繊維間を接着処理することは、
得られる不織布をワイピングクロスとして使用する場合
その強度が向上するので好ましい。
【0026】なお、処理交絡又は熱的な接着処理は、機
械的応力による分割処理の後に行うと繊維が損傷して切
断しやすくなり、ワイピングクロスとして使用する場合
には発塵の原因となる場合があるので、分割処理と同時
又は分割処理の前に行うことがより好ましい。
【0027】このようにして得られる本発明の極細繊維
不織布は、その前駆体不織布を構成する中空ポリエステ
ル繊維が、該機械的応力により30%以上、好ましくは
50%以上、特に好ましくは70%以上の中空壁が分割
されている必要がある(なお、ここでいう分割されてい
るとは、中空壁が4個以上に分割されていることをい
う)。例えば、該前駆体中空ポリエステル繊維不織布を
一対の金属ローラでニップして機械的応力を負荷するこ
とにより、30%以上の繊維の中空壁が4個以上、好ま
しくは5〜20個に分割されている必要がある。この
際、該中空ポリエステル繊維の中空壁には、繊維軸方向
に配列した複数の不連続分割孔が存在していてもよく、
その分割孔がなくてもその分割性能には変わりがない。
なおここでいう不連続分割孔とは、繊維軸方向には長さ
が有限で、繊維表面から中空部まで貫通又は未貫通の孔
(スリット状、クラック状等)である。
【0028】本発明における機械的応力による分割方法
としては、上記熱接着や交絡処理が施される前、該処理
と同時、又は後の繊維不織布を、機械的に分割極細化で
きる方法であれば任意であり、特に限定する必要はな
い。また、複数の方法を組合わせて処理しても構わな
い。例えば、ローラー間で加圧する方法、超音波処理を
行なう方法、衝撃を与える方法、揉み処理をする方法、
高圧柱状水流処理による方法などを例示することができ
る。なお、高圧柱状水流処理による方法は、事前に交絡
処理を施していなくても、分割と交絡を同時に行うこと
ができるので好ましい。しかし、不織布の目付が大きく
なりすぎると分割極細化が困難になるため、その場合に
は交絡後加圧する方法や揉み処理をする方法が好まし
い。
【0029】
【実施例】以下、実施例をあげて本発明をさらに具体的
に説明する。なお、実施例及び比較例における部及び%
は、特に断らない限り重量基準であり、また、各物性は
それぞれ以下の方法で測定したものである。
【0030】(1)固有粘度 オルトクロロフェノールを溶媒として、35℃で測定し
た。 (2)分割前単繊維繊度 JIS−L1015 7−5−1A法により測定した。 (3)中空率 画像解析システム、ピアスー2(ピアス(株)製)を用
いて単繊維のセクション断面画像を500倍に拡大し、
単繊維の断面積(中空部を含む)と中空部面積を測定し
てその面積比より求めた。
【0031】(4)機械的応力分割率 不織布を1対のフラット金属ローラー(室温)で線圧6
86N(70kg)/cmでニップして5回通過させた
後、不織布の断面を電子顕微鏡で200倍で撮影し、5
0本の繊維の断面を測定して中空壁が4か所以上で分割
している割合を求めた。 (5)平均中空分割数 繊維の分割率が30%以上の不織布について、上記の断
面写真から単糸を10本ランダムに選択し、分割してい
る個数を測定し、平均値を求めた。 (6)平均分割後繊度 分割前の繊維の繊度を上記の平均中空分割数で割った計
算値で示した。
【0032】(7)拭き取り性 着色液(Suminol Fast Blue 4G
L:0.2%、水:20.0%、エチレングリコール
(重合度300):79.8%)を、30cm×20c
mの大きさアクリル板上に、スクリーンプリント用ステ
ージで均一に塗布した後、該アクリル板上に、200g
の荷重がのった8cm×6cmの試料を500mm/分
で滑らせ、アクリル板上に残った着色液の割合を、写真
に撮影した後測定し、その結果を以下のように示した。 ○:アクリル板上の残液が、塗布量の20%未満 ×:アクリル板上の残液が、塗布量の20%以上
【0033】[実施例1]酸化チタン含有量が0.5重
量%で、固有粘度が0.45、5−ナトリウムスルホイ
ソフタル酸成分(SIP)の共重合量が4.5モル%で
あるエチレンテレフタレート系ポリエステル(帝人
(株)製:融点254℃)とポリ乳酸(島津製作所
(株)製 ラクティ:融点175℃、重量平均分子量2
00,000)を重量比97:3で2軸混練機を用いて
溶融し、ポリマー温度280℃、単孔当たりの吐出量を
2g/分にて8個のスリット孔を有する中空型紡糸口金
より吐出し、空気圧力0.343MPa(3.5kg/
cm2)にて高速牽引した後、−30kVで高電圧印加
処理し、空気流と共に分散板に衝突させ、フィラメント
を開繊し、補集ネットコンベアー上に幅1mのウェブと
して補集した。さらに得られたウェブを連続で上下15
0℃のエンボスカレンダーにて熱接着を行い、次いで速
度10m/分で移動しているメッシュ状のスクリーンの
上に供給し、水を付与した後に高圧(7.5MPa)の
水流によって、分割処理を行った。その際、高圧水流の
噴出口の孔径は0.1mm、孔数は601個、孔ピッチ
は1mm、噴射孔群列は6列とし、該ウェッブの表裏に
一回ずつ処理を施した。この後、マングロロールにて水
分を絞り、98℃の雰囲気に保たれた乾燥・熱処理装置
で処理して、目付80g/m2の不織布を得た。なお、
分割処理前の不織布を構成する中空ポリエステル繊維の
単糸繊度は3.9dtexで中空率は12%であった。
得られた極細繊維不織布の評価結果を表1に示す。
【0034】[実施例2、比較例1〜2]実施例1にお
いて、ポリ乳酸の混合率を表1のとおり変更した以外は
実施例1と同様にして極細繊維不織布を得た。これらの
評価結果を表1にあわせて示す。
【0035】[実施例3、比較例3〜4]実施例1にお
いて、SIPの共重合率を表1のとおり変更した以外は
実施例1と同様にして極細繊維不織布を得た。これらの
評価結果を表1に合わせて示す。
【0036】
【表1】
【0037】
【発明の効果】以上に説明した本発明の極細繊維不織布
は、機械的応力により繊維軸方向にクラックを発生させ
て分割極細繊維化させたものであり、従来の極細繊維不
織布に比較して容易に製造することができる。また、分
割した極細繊維からなる不織布は風合及び拭き取り性に
優れ、ワイピングクロスの他、フィルター、衣料品、高
品質印刷紙、人工皮革などの用途に好適に使用すること
ができ、その工業的意義は極めて大である。
フロントページの続き Fターム(参考) 4L035 DD03 DD13 FF07 4L047 AA21 AA27 AB03 AB08 AB09 BA04 BA08 CB10 CC02 CC12 CC16

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スルホン酸塩基を有する共重合成分が全
    酸成分に対して1〜6モル%共重合されたエチレンテレ
    フタレート系ポリエステルに、乳酸系ポリエステルをポ
    リエステル組成物重量を基準として0.3〜10重量%
    溶融混合したポリエステル組成物からなる、単繊維繊度
    が0.5〜9.0dtex、中空率が5%以上である中
    空ポリエステル繊維より構成された不織布に、機械的応
    力を作用させてその30%以上の繊維の中空壁を分割し
    てなる極細繊維不織布。
  2. 【請求項2】 交絡処理又は接着処理が施されている請
    求項1記載の極細繊維不織布。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の極細繊維不織布よ
    りなるワイピングクロス。
JP2001304983A 2001-10-01 2001-10-01 極細繊維不織布及びそれからなるワイピングクロス Pending JP2003113571A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001304983A JP2003113571A (ja) 2001-10-01 2001-10-01 極細繊維不織布及びそれからなるワイピングクロス

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001304983A JP2003113571A (ja) 2001-10-01 2001-10-01 極細繊維不織布及びそれからなるワイピングクロス

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003113571A true JP2003113571A (ja) 2003-04-18

Family

ID=19124838

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001304983A Pending JP2003113571A (ja) 2001-10-01 2001-10-01 極細繊維不織布及びそれからなるワイピングクロス

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003113571A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006010063A1 (en) * 2004-07-09 2006-01-26 E.I. Dupont De Nemours And Company Sulfonated aromatic copolyesters containing hydroxyalkanoic acid groups and shaped articles produced therefrom
JPWO2005044421A1 (ja) * 2003-11-11 2007-05-17 東洋紡績株式会社 摩擦帯電濾材
CN103572509A (zh) * 2013-05-14 2014-02-12 安吉登冠竹木开发有限公司 一种多功能竹纤维絮片

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2005044421A1 (ja) * 2003-11-11 2007-05-17 東洋紡績株式会社 摩擦帯電濾材
JP4760376B2 (ja) * 2003-11-11 2011-08-31 東洋紡績株式会社 摩擦帯電濾材
WO2006010063A1 (en) * 2004-07-09 2006-01-26 E.I. Dupont De Nemours And Company Sulfonated aromatic copolyesters containing hydroxyalkanoic acid groups and shaped articles produced therefrom
AU2005265434B2 (en) * 2004-07-09 2010-10-14 E.I. Dupont De Nemours And Company Sulfonated aromatic copolyesters containing hydroxyalkanoic acid groups and shaped articles produced therefrom
CN103572509A (zh) * 2013-05-14 2014-02-12 安吉登冠竹木开发有限公司 一种多功能竹纤维絮片

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20070077427A1 (en) Soluble Microfilament-Generating Multicomponent Fibers
EP2809412B1 (en) Processes to produce short cut microfibers
US20040161994A1 (en) Extensible fibers and nonwovens made from large denier splittable fibers
JPWO2008035637A1 (ja) フィルター材及びその製造方法
WO1997043472A1 (fr) Fibres degradables spontanement et articles constitues de celles-ci
JP2007100249A (ja) 人工皮革およびその製造方法
JP2003113571A (ja) 極細繊維不織布及びそれからなるワイピングクロス
JP2007084946A (ja) 分割型複合繊維
JP2002275748A (ja) 極細繊維不織布の製造方法
JP2003113570A (ja) 極細化可能な長繊維不織布
JP4495874B2 (ja) 分割性中空ポリエステル繊維
JP2003193361A (ja) 極細繊維化可能な長繊維不織布およびそれを用いてなるワイピングクロス
JP2011058124A (ja) ポリ乳酸極細繊維
JP4213054B2 (ja) 極細長繊維不織布の製造方法
JP4795278B2 (ja) バインダー繊維及びこれを用いてなる不織布
JP2000282333A (ja) 接合型複合ステープル繊維及びその製造方法
JPH0434058A (ja) 極細短繊維不織布の製造方法
JP2003119626A (ja) 分割型ポリエステル複合繊維
JP4574911B2 (ja) ポリエステル系中空捲縮繊維およびその製造方法
JP7325088B2 (ja) 分割型複合繊維
JPH09268460A (ja) 不織布及びこの製造方法
JP4117915B2 (ja) 生分解性不織布およびその製造方法
JP5689626B2 (ja) 湿式短繊維不織布
JP2005171430A (ja) 長繊維不織布の製造方法
JP2004008501A (ja) ワイピングクロス用極細繊維不織布