JP2005171430A - 長繊維不織布の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】針折れ等の異物混入が少なく面平滑性に優れた長繊維不織布の製造方法を提供すること。
【解決手段】剥離分割型の複合繊維からなる長繊維集積体をニードル針によりニードルパンチする不織布の製造方法であって、最初に用いるニードル針が、バーブの数が3〜9バーブ/針でありバーブの深さが繊維径に対し3〜10倍の深さであり、次に用いるニードル針が、バーブの数が1バーブ/針でありバーブの深さが繊維径に対し1〜6倍の深さであり、かつ各交絡密度が50〜1000回/cm2であることを特徴とする。さらには、後のニードル針による交絡密度が、先のニードル針による交絡密度の50〜90%であること、ニードルパンチ前の長繊維集積体がカレンダーにより熱接着を行ったスパンボンドフリースであることが好ましい。
【選択図】なし
【解決手段】剥離分割型の複合繊維からなる長繊維集積体をニードル針によりニードルパンチする不織布の製造方法であって、最初に用いるニードル針が、バーブの数が3〜9バーブ/針でありバーブの深さが繊維径に対し3〜10倍の深さであり、次に用いるニードル針が、バーブの数が1バーブ/針でありバーブの深さが繊維径に対し1〜6倍の深さであり、かつ各交絡密度が50〜1000回/cm2であることを特徴とする。さらには、後のニードル針による交絡密度が、先のニードル針による交絡密度の50〜90%であること、ニードルパンチ前の長繊維集積体がカレンダーにより熱接着を行ったスパンボンドフリースであることが好ましい。
【選択図】なし
Description
本発明は長繊維不織布の製造方法に関し、さらに詳しくは長繊維集積体をニードルパンチする平滑性の高い長繊維不織布の製造方法に関する。
近年、長繊維不織布は、短繊維不織布製造法のような原綿供給部、開繊装置、カード機などの一連の大型設備を必要とせず、また強度的にも利点があることから、あらゆる分野で需要が拡大している。
しかし従来一般に用いられている衛生品用途やメディカル用途では、比較的低目付で強度の弱い不織布であるため、シート状物としての形態を保持するための接着は容易であるが、人工皮革用途などでは強度が必要であり、かつ高目付不織布が多く使われるため、交絡手段が重要となっている。このような交絡手段としては、ニードルパンチ処理が最も一般的に用いられているが、長繊維不織布を交絡させるためには、短繊維不織布のニードルパンチ処理とは異なり、条件選択が適切でないと繊維を必要以上に切断したり、あるいは繊維がつながっているために交絡の戻りを起こしてしまい目標とする強度が得られないという問題があった。また、短繊維に比較して自由な繊維端が少ないために、交絡時にニードル針が折れたり欠けたりしやすく、製造時に異物が混入しやすいという問題があった。
そこで特許文献1では、長繊維集積体に繊維/繊維間摩擦係数が0.35〜0.45であり、繊維/金属間摩擦係数が0.20〜0.30である油剤が提案されている。しかし、この方法では内部の空間間隙こそ小さく均一になるものの、最表面の平滑性等に関してはまだ満足のいくものではなかった。
特開2002−69821号公報
本発明は、上記従来技術を背景になされたもので、その目的は針折れ等の異物混入が少なく面平滑性に優れた長繊維不織布の製造方法を提供することにある。
本発明の長繊維不織布の製造方法は、剥離分割型の複合繊維からなる長繊維集積体をニードル針によりニードルパンチする不織布の製造方法であって、該ニードル針が、バーブの数が3〜9バーブ/針でありバーブの深さが繊維径に対し3〜10倍の深さであるニードル針(1)と、バーブの数が1バーブ/針でありバーブの深さが繊維径に対し1〜6倍の深さであるニードル針(2)とからなり、ニードルパンチ条件がニードル針(1)によって交絡させた後にニードル針(2)によって交絡させ、かつその際のそれぞれの交絡密度が50〜1000回/cm2であることを特徴とする。
さらには、ニードル針(2)による交絡密度が、ニードル針(1)による交絡密度の50〜90%であること、ニードルパンチ前の長繊維集積体がカレンダーロールにより熱接着を行ったスパンボンドフリースであることが好ましい。
本発明の製造方法によれば、針折れ等の異物混入が少なく面平滑性に優れた特に人工皮革用に適した長繊維不織布が提供される。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の製造方法は、剥離分割型の複合繊維からなる長繊維集積体をニードル針によりニードルパンチする長繊維不織布の製造方法である。
本発明の製造方法は、剥離分割型の複合繊維からなる長繊維集積体をニードル針によりニードルパンチする長繊維不織布の製造方法である。
本発明で用いられる剥離分割型の複合繊維としては、機械的処理などでそれぞれの成分からなる極細繊維に剥離分割できるものであれば特に限定されないが、繊維を製造する際の工程管理および生産性からポリエステル系重合体とポリアミド系重合体とから構成されることが好ましい。好ましく用いられるポリアミド系重合体としては、例えばナイロン−6、ナイロン−66、ナイロン−610、ナイロン−11、ナイロン−12等があげられる。一方、ポリエステル系重合体としては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリトリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート及びこれらを主成分とする共重合ポリエステル等があげられる。中でもナイロン−6/ポリエチレンテレフタレートの組み合わせが生産安定性、コスト等の面から好ましい。
剥離分割型複合繊維の複合形態としては、例えばポリエステル系重合体とポリアミド系重合体の接合界面の少なくとも一部分が繊維断面円周に到達しており、機械的処理等により各成分に剥離分割できる形態となっていることが好ましい。また、お互いに一方成分が他方成分によって所定数に分割されている形態であることが、剥離分割性の点で望ましい。なかでも、1成分が他成分間に放射状に配置されている断面形状が好ましい。さらには、繊維断面円周に占める一成分の重合体の円弧長(B)に対する他成分の重合体の円弧長(A)の比率(以下、重合体成分円弧長比(A/B)と称する)を0.1〜2.0の範囲、さらに好ましくは0.2〜1.5の範囲となるよう2成分を配置することが好ましい。重合体成分円弧長比(A/B)が大きいと、開繊性が低下し、不織布の目付け斑および強度低下が発生する傾向にある。一方、重合体成分円弧長比(A/B)が小さいと、剥離分割処理時、外部応力が2成分の接合界面へ充分に負荷されなくなり剥離分割が困難となる傾向にある。
本発明で用いる剥離分割型の複合繊維の分割数は4〜48個、より好ましくは8〜24個であることが好ましい。分割数が多すぎると不織布にした際に未分割の繊維が増加し、風合いが悪くなる傾向にある。剥離分割型複合繊維の一方成分の全体に対する複合割合は、30〜70重量%の範囲、特に40〜60重量%の範囲であることが好ましい。
このような剥離型複合繊維全体の断面形状は、丸断面形状、多葉断面形状、多角形形状等任意であり、また中空部を有する形態であってもよい。中空部を有する断面形状のものでは2成分の接合界面長さが短くなるので、剥離分割性がより向上する。
また剥離分割型複合繊維の単糸繊度は1〜10dtexとするのが好ましい。剥離分割型複合繊維の単糸繊度が1dtex未満であると紡糸時に糸切れが発生し易くなる。剥離分割型複合繊維の単糸繊度が10dtexより大きくなると、剥離分割後の繊度をより細くするのが難しくなる。そしてこの複合繊維の剥離分割処理後の単糸繊度は、0.01〜0.60dtexの範囲が好ましい。0.01dtex未満のものは、剥離分割が困難となったり、剥離分割後の繊維があまりにも細いため繊維間で膠着が生じたりする傾向が出てくる。また0.60dtexを超えると繊維が太すぎるため、均一で微細な不織布が得られ難くなる。
さらに、本発明においては、上記2成分の重合体の少なくとも一成分に、開繊前に、0.3〜3.0重量%のポリアルキレングリコール類を含有させることが好ましい。紡糸工程での細化時および繊維補集時に発生する多大な静電気を大幅に抑制し、均一な開繊状態で繊維をウェブ状に捕集することができ、さらに2成分間の剥離を促進する効果がある。ポリアルキレングリコール類としては、ポリエチレングリコール、ポリトリメチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイドブロックまたはランダム共重合体などを挙げる事ができる。ポリアルキレングリコール類の平均分子量としては5000〜50000の平均分子量のものが容易に入手でき、紡糸安定性も良いので好ましい。
ポリアルキレングリコール類の各繊維形成重合体への添加は、任意の方法を採用することができるが、ポリアルキレングリコール類の耐熱性および溶融紡糸性等の点から、該繊維形成重合体チップとポリアルキレングリコール類とを混合後溶融紡糸する方法が望ましい。
本発明で用いられる長繊維集積体は、紡糸口金より吐出された上記のような剥離分割型複合繊維からなるものである。例えば剥離分割型複合繊維を、エジェクターやエアサッカーなど高速牽引流体により2000〜8000m/分、より好ましくは3000〜6000m/分の速度で索引・細化し、開繊しながら多孔補集面上に補集することによって得ることが出来るスパンボンドフリースであることが好ましい。その際、コロナ放電や接触帯電等の処理を行うと、開繊性はより向上する。この際のスパンボンドフリースの目付けは20〜60g/m2であることが好ましい。少なすぎると形状をシート状に保ちにくい傾向にある。多すぎると十分な開繊が行われず、不織布の風合いが悪くなる傾向にある。
このようにして得られたスパンボンドフリースは、この段階で一度カレンダーロールにより熱接着を行ったシート状のスパンボンドフリースであることが好ましい。このカレンダー熱処理により未延伸糸であるスパンボンドフリースの収縮率を調整し、最終製品の風合いや密度をコントロールすることができる。また通常、目付けが少ないほど開繊状態は良いが、シート状の形状が保たれないという相反する傾向にあるが、熱接着によってこの問題を解決することができる。さらにはこのカレンダーロールには柄があることが好ましく、接着の強い部分と弱い部分を作ることで風合いを保ちながら高密度とすることが容易となる。柄入りロールとしては200〜400メッシュのエンボス用のロール等を用いることができる。繊維を構成する成分、工程通過時のスパンボンドフリースの温度にもよるが、カレンダーロールの温度は60〜150℃であることが、さらには80〜120℃であることが好ましい。
最終的に長繊維不織布として必要な目付けとするためには、このようにして得られたシート状のスパンボンドフリースを複数枚積層する。このとき、目付けが20〜60g/m2のスパンボンドフリースを2〜20枚積層させた長繊維集積体とし、その長繊維集積体をニードルパンチすることが好ましい。
本発明の製造方法は、上記のようにして得られた長繊維集積体をニードル針によりニードルパンチを行い交絡させ交絡不織布とする方法であり、2段階以上の交絡工程を経ることが必要である。ニードルパンチを行う前に付与する油剤としては、繊維/繊維間摩擦係数F/Fμsが0.35〜0.45であることが好ましく、繊維/金属間摩擦係数F/Mμdが、0.20〜0.30であることが好ましい。また繊維への好ましい付与量は、繊維重量に対して有効成分量として0.3〜5重量%であることが好ましい。
本発明の製造方法で用いるニードル針は2種類存在する。ニードル針(1)は、バーブの数が3〜9バーブ/針でありバーブの深さが繊維径に対し3〜10倍の深さであるニードル針である。バーブ数やバーブ深さが大きすぎると長繊維集積体との抵抗が大きくなり繊維の切断が起こりやすくなるばかりか、ニードル針の折れや脱落が発生し、不織布中に異物が混入するという問題がある。もう一方のニードル針(2)はバーブの数が1または2バーブ/針でありバーブの深さが繊維径に対し1〜6倍の深さであるニードル針である。さらにはバーブの数は1バーブ/針であることが好ましく、バーブの深さはニードル針(1)より浅いことが好ましい。バーブの数、深さが少ないことにより、表面平滑性を向上させることができる。
ニードル針による交絡条件としては、ニードル針(1)によって交絡させた後にニードル針(2)によって交絡させることが必要である。またその各交絡密度は50〜2000回/cm2であることが必要であり、さらには400〜1000回/cm2であることが好ましい。またニードル針(2)による交絡密度が、ニードル針(1)による交絡密度の50〜90%であることが好ましい。ここで交絡密度とは、ニードル針によるニードルパンチ打ち込み密度をいう。
次に、この交絡不織布を繊維分割処理する場合、その方法について好ましい態様を説明する。基本的には、分割が確実に遂行できれば特に制限されず、機械的な分割処理としては、ローラー間で加圧する方法、超音波処理を行う方法、衝撃を与える方法、揉み処理をする方法などの公知の方法を用いることができる。化学的な分割処理としては、該剥離分割型複合繊維を構成する少なくても1成分を膨潤させるような薬液に浸漬処理するなどの従来公知の方法を用いることができる。ただし、本発明において好ましい態様である熱による収縮処理を、分割処理に引き続き施す場合には、繊維の分割が遂行する前に熱がかかるような分割処理方法は採用しないことが好ましい。
本発明の長繊維不織布の製造において、さらに熱による収縮処理を行うことが、該長繊維不織布内部の粗大空隙を排除し、均一で緻密な構造を生起させるために有効である。特に先に述べた繊維分割後に引き続き施す場合にその効果は大きい。該不織布を収縮性能の異なる長繊維から構成するのであれば、一方の成分が熱収縮性を有している複合繊維とすることが緻密な構造とするためにも好ましく、該熱収縮性を有する成分と他方の成分との95℃の温水中での熱収縮率の差は5〜50%であることが好ましく、特に10〜30%であることが好ましい。
なお、ここでいう熱収縮率は長繊維を0.056g/texの荷重下で30分間95℃の温水中で収縮処理したときの収縮率から求められ、ここで収縮率は((収縮処理前の長さ−収縮処理後の長さ)/(収縮処理前の長さ))×100(%)で求められる。
該長繊維不織布を70〜100℃の温水中および/または80〜140℃の乾熱中で、緩やかに20秒〜10分間程度収縮処理を施し、該不織布を面積収縮率で10〜50%となるように収縮させることが好ましい。面積収縮率が小さい場合には、十分な緻密性が得にくく、また面積収縮率が大きすぎる場合には、緻密になりすぎ逆に硬くなり風合いが低下する傾向にある。この面積収縮率は、〔(収縮前の長繊維不織布面積−収縮後の長繊維不織布面積)/(収縮前の長繊維不織布面積)〕×100(%)で求められる。
以下、実施例により、本発明を更に具体的に説明する。
なお、実施例における項目は次の方法で測定した。
(1)重合体成分円弧長比(A/B)
口金より紡出され、空気流により高速牽引され、分散板に衝突直後の複合繊維をサンプリングし、その横断面を光学顕微鏡にて撮影し、ポリアミド系重合体、ポリエステル系重合体が各々円周に占める弧の長さの合計をそれぞれポリアミド系重合体が占める円弧長(A)、ポリエステル系重合体が占める円弧長(B)とし、その比A/Bを50本について算出し、平均値を重合体成分円弧長比(A/B)とした。
なお、実施例における項目は次の方法で測定した。
(1)重合体成分円弧長比(A/B)
口金より紡出され、空気流により高速牽引され、分散板に衝突直後の複合繊維をサンプリングし、その横断面を光学顕微鏡にて撮影し、ポリアミド系重合体、ポリエステル系重合体が各々円周に占める弧の長さの合計をそれぞれポリアミド系重合体が占める円弧長(A)、ポリエステル系重合体が占める円弧長(B)とし、その比A/Bを50本について算出し、平均値を重合体成分円弧長比(A/B)とした。
[実施例1]
(長繊維集積体の作成)
120℃で乾燥したナイロン−6(m−クレゾール中の極限粘度1.1)に対して、分子量20000のポリエチレングリコールを1.5重量%ブレンドした混合体を、エクストルーダーに供給し溶融した。別途160℃で乾燥したポリエチレンテレフタレート(o−クロロフェノール中の極限粘度0.64)を、前述とは別個のエクストルーダーにて溶融した。
(長繊維集積体の作成)
120℃で乾燥したナイロン−6(m−クレゾール中の極限粘度1.1)に対して、分子量20000のポリエチレングリコールを1.5重量%ブレンドした混合体を、エクストルーダーに供給し溶融した。別途160℃で乾燥したポリエチレンテレフタレート(o−クロロフェノール中の極限粘度0.64)を、前述とは別個のエクストルーダーにて溶融した。
引き続き、ポリエチレングリコール・ナイロン−6混合体溶融流は導管ポリマー温度250℃で、ポリエチレンテレフタレート溶融流は300℃で、275℃に保温されたスピンブロックへ導入し、幅100cm×20cmの範囲に2800個の中空形成吐出孔を有する紡糸口金を用いて両重合体溶融流を合流させ複合し2g/分・孔の量で吐出し、空気圧力0.35MPa(吐出量と複合繊維繊度から換算した紡速で約4860m/分)にて高速牽引した。また、ナイロン−6溶融体流量/ポリエチレンテレフタレート溶融体流量比が48/52となるように合流させた。
牽引された複合繊維は、−30kVで高電圧印加処理し、空気流とともに分散板に衝突させ、開繊し、16分割の多層貼合せ型断面をもつ剥離分割型複合繊維からなる長繊維集積体であるスパンボンドフリースとしてネットコンベアー上に幅1m、目付け40g/m2で補集した。引き続き、得られたスパンボンドフリースを100℃に加熱された一定間隙の上下一対のカレンダーロールに通し熱接着を行い、スパンボンドフリースとした。
該複合繊維の単糸繊度は4.1dtex、ナイロン−6成分とポリエチレンテレフタレート成分との重量比率は53/47であり、両成分は互いに相手成分によって16剥離分割されていた。また、重合体成分円弧長比(A/B)は0.70であった。
(ニードル用油剤の作成)
イソトリデシルステアレート47重量部、ポリオキシエチレン10モルラウリン酸エステル29重量部、ポリオキシエチレン5モルオレイルエーテル13重量部、ポリオキシエチレン30モルヒマシ油エーテル6重量部および水5重量部を均一に混合してニードル用油剤を調整した。この油剤を用いた長繊維のF/Fμsは0.39であり、F/Mμdは0.26であった。
イソトリデシルステアレート47重量部、ポリオキシエチレン10モルラウリン酸エステル29重量部、ポリオキシエチレン5モルオレイルエーテル13重量部、ポリオキシエチレン30モルヒマシ油エーテル6重量部および水5重量部を均一に混合してニードル用油剤を調整した。この油剤を用いた長繊維のF/Fμsは0.39であり、F/Mμdは0.26であった。
(長繊維不織布1の作成)
上記の目付け40g/m2のスパンボンドフリースに上記のニードル用油剤を0.3wt%固着させた後、フリースを6枚積層させて、バーブの深さ90μm、数9バーブ/針のニードル針で900回/cm2交絡させた後、バーブの深さ60μm、数1バーブ/針のニードル針で800回/cm2交絡させることにより、密度0.18g/cm3の不織布を得た。次いで不織布を分割、収縮させ密度0.34g/cm3の長繊維不織布(1)を得た。得られた不織布は面平滑性が良く、柔かい風合いの不織布であった。
上記の目付け40g/m2のスパンボンドフリースに上記のニードル用油剤を0.3wt%固着させた後、フリースを6枚積層させて、バーブの深さ90μm、数9バーブ/針のニードル針で900回/cm2交絡させた後、バーブの深さ60μm、数1バーブ/針のニードル針で800回/cm2交絡させることにより、密度0.18g/cm3の不織布を得た。次いで不織布を分割、収縮させ密度0.34g/cm3の長繊維不織布(1)を得た。得られた不織布は面平滑性が良く、柔かい風合いの不織布であった。
さらに得られた不織布にポリウレタン樹脂を含浸したところ、面平滑性が良く風合いに優れた人工皮革用に適した含浸基材が得られ、またさらにポリウレタン樹脂をコートしたところ平滑性が高く折れしわ感に優れた銀付人工皮革が得られた。
[実施例2]
実施例1のスパンボンドフリースを6枚積層させる代わりに10枚積層させ、交絡密度をバーブの深さ90μm、数9バーブ/針のニードル針で700回/cm2交絡させた後、バーブの深さ60μm、数1バーブ/針のニードル針で600回/cm2交絡させること以外は実施例1と同様にして長繊維不織布を作成した。
実施例1のスパンボンドフリースを6枚積層させる代わりに10枚積層させ、交絡密度をバーブの深さ90μm、数9バーブ/針のニードル針で700回/cm2交絡させた後、バーブの深さ60μm、数1バーブ/針のニードル針で600回/cm2交絡させること以外は実施例1と同様にして長繊維不織布を作成した。
ニードルパンチ後、収縮工程前の不織布の密度は0.17g/cm3であり、次いで不織布を分割、収縮させて得た長繊維不織布(2)の密度は0.33g/cm3であった。得られた不織布は面平滑性が良く、柔かい風合いの不織布であった。
[実施例3]
実施例1のスパンボンドフリースを6枚積層させる代わりに16枚積層させ、交絡密度をバーブの深さ90μm、数9バーブ/針のニードル針で500回/cm2交絡させた後、バーブの深さ60μm、数1バーブ/針のニードル針で500回/cm2交絡させること以外は実施例1と同様にして長繊維不織布を作成した。
実施例1のスパンボンドフリースを6枚積層させる代わりに16枚積層させ、交絡密度をバーブの深さ90μm、数9バーブ/針のニードル針で500回/cm2交絡させた後、バーブの深さ60μm、数1バーブ/針のニードル針で500回/cm2交絡させること以外は実施例1と同様にして長繊維不織布を作成した。
ニードルパンチ後、収縮工程前の不織布の密度は0.16g/cm3であり、次いで不織布を分割、収縮させて得た長繊維不織布(3)の密度は0.31g/cm3であった。得られた不織布は面平滑性が良く、柔かい風合いの不織布であった。
[比較例1]
実施例1のニードルの交絡密度を、バーブの深さ60μm、数1バーブ/針のニードル針で900回/cm2交絡させた後、バーブの深さ90μm、数9バーブ/針のニードル針で800回/cm2交絡させること以外は実施例1と同様にして長繊維不織布を作成した。
実施例1のニードルの交絡密度を、バーブの深さ60μm、数1バーブ/針のニードル針で900回/cm2交絡させた後、バーブの深さ90μm、数9バーブ/針のニードル針で800回/cm2交絡させること以外は実施例1と同様にして長繊維不織布を作成した。
ニードルパンチ後、収縮工程前の不織布の密度は0.17g/cm3であり、次いで不織布を分割、収縮させて得た長繊維不織布(4)の密度は0.32g/cm3であった。得られた不織布は面平滑性が悪く、風合いの硬い不織布であった。
[比較例2]
実施例2のニードルの交絡密度を、バーブの深さ60μm、数1バーブ/針のニードル針で700回/cm2交絡させた後、バーブの深さ90μm、数9バーブ/針のニードル針で600回/cm2交絡させること以外は実施例2と同様にして長繊維不織布を作成した。
実施例2のニードルの交絡密度を、バーブの深さ60μm、数1バーブ/針のニードル針で700回/cm2交絡させた後、バーブの深さ90μm、数9バーブ/針のニードル針で600回/cm2交絡させること以外は実施例2と同様にして長繊維不織布を作成した。
ニードルパンチ後、収縮工程前の不織布の密度は0.16g/cm3であり、次いで不織布を分割、収縮させて得た長繊維不織布(5)の密度は0.32g/cm3であった。得られた不織布は面平滑性が悪く、風合いの硬い不織布であった。
[比較例3]
実施例3のニードルの交絡密度を、バーブの深さ60μm、数1バーブ/針のニードル針で500回/cm2交絡させた後、バーブの深さ90μm、数9バーブ/針のニードル針で500回/cm2交絡させること以外は実施例3と同様にして長繊維不織布を作成した。
実施例3のニードルの交絡密度を、バーブの深さ60μm、数1バーブ/針のニードル針で500回/cm2交絡させた後、バーブの深さ90μm、数9バーブ/針のニードル針で500回/cm2交絡させること以外は実施例3と同様にして長繊維不織布を作成した。
ニードルパンチ後、収縮工程前の不織布の密度は0.15g/cm3であり、次いで不織布を分割、収縮させて得た長繊維不織布(6)の密度は0.30g/cm3であった。得られた不織布は面平滑性が悪く、風合いの硬い不織布であった。
本発明の製造方法で得られた長繊維不織布は、ニードル針などに由来する異物が少なく、さらに面平滑性に優れ柔らかい風合いであり、人工皮革の基布用途に好適に用いることができる。例えば高分子弾性体を付与し人工皮革の基体として、あるいはその表面に高分子弾性体の被覆層を設けることによって銀付調の人工皮革などとすることができる。さらには得られた長繊維不織布は、衣料用途、内装材、インテリア材などの産業資材用途、工業用ワイパーやワイピングクロスなどのワイパー用途、バグフィルターや濾過布などのフィルター等の用途、医療衛生材料などの用途にも好ましく用いることができる。
Claims (6)
- 剥離分割型の複合繊維からなる長繊維集積体をニードル針によりニードルパンチする不織布の製造方法であって、該ニードル針が、バーブの数が3〜9バーブ/針でありバーブの深さが繊維径に対し3〜10倍の深さであるニードル針(1)と、バーブの数が1バーブ/針でありバーブの深さが繊維径に対し1〜6倍の深さであるニードル針(2)とからなり、ニードルパンチ条件がニードル針(1)によって交絡させた後にニードル針(2)によって交絡させ、かつその際のそれぞれの交絡密度が50〜1000回/cm2であることを特徴とする長繊維不織布の製造方法。
- ニードル針(2)による交絡密度が、ニードル針(1)による交絡密度の50〜90%である請求項1記載の長繊維不織布の製造方法。
- ニードルパンチ前の長繊維集積体がカレンダーロールにより熱接着を行ったスパンボンドフリースからなるものである請求項1または2記載の長繊維不織布の製造方法。
- 長繊維集積体が、目付けが20〜60g/m2のスパンボンドフリースを2〜20枚積層させたものである請求項1〜3のいずれか1項記載の長繊維不織布の製造方法。
- 長繊維不織布の密度が0.15〜0.4g/cm3である請求項1〜4のいずれか1項記載の長繊維不織布の製造方法。
- 長繊維不織布がニードルパンチ後に収縮処理を行うものである請求項1〜5のいずれか1項記載の長繊維不織布の製造方法。
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