JP4298186B2 - 極細長繊維不織布の製造方法 - Google Patents

極細長繊維不織布の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリアミド系重合体とポリエステル系重合体とからなる剥離分割型複合繊維を剥離分割処理し、極細繊維不織布を製造する方法に関するものである。さらに詳しくは、該剥離分割型複合繊維の開繊性と分割性を改善することにより、優れた品位の極細繊維不織布を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
長繊維からなる不織布は、短繊維からなる不織布に比べて強力が高く、その製造方法も原綿供給部、開繊装置、カード機、クロスレイ機などの一連の大型設備を必要としないという利点がある為、土木用や農業用をはじめとして生活関連資材、衣料用など多岐にわたって使用されている。
【0003】
近年、長繊維不織布の製造方法としては、複数種の高分子重合体から構成される剥離分割型複合繊維を紡糸直後捕集しシート状となし、機械的外力を与え極細繊維に分割して不織布を製造するスパンボンド法が主流となっている。
【0004】
紡糸直結型のスパンボンド法においては、紡糸された剥離分割型複合繊維をできるだけ均一に開繊させ、繊維同士の局所的な絡みを少なくして、シート状に補集することが、均一な不織布を製造する上で必須である。しかし、高分子重合体からなる剥離分割型複合繊維は製糸中に静電気の発生が多く、均一に開繊することが極めて難しい。従来、コロナ放電装置や接触帯電装置等特殊な装置を設けて走行繊維を処理する方法が採用されているが、均一な開繊を達成するには到っていない。
【0005】
また従来、剥離分割型複合繊維の剥離分割処理に関して様々な試みが提案されている。
例えば、特開平4−300351号公報、特開平10−53948号公報等には、剥離分割型複合繊維からなる長繊維不織布を、高圧水流機で処理して該剥離分割型複合繊維を極細繊維に剥離分割して極細繊維不織布を得る方法が提案されている。しかし、これらの方法では繊維の分割斑が生じやすく、目付けの均一な不織布は得られない。
【0006】
また、特公昭61−19756号公報には、剥離分割型複合繊維の一方の成分にポリアルキレングリコールを配合し、該剥離分割型複合繊維からなる不織布を高圧水流機により処理して該ポリアルキレングリコールを含有する成分を破砕除去し、他方成分を極細繊維化する方法が提案されている。しかし、このような方法では、破砕された成分は最終製品から除去されるため原料コストが高くなる。さらに、破砕されたポリマーが製品から完全には除去されないために不織布の品位を低下させるといった問題もある。
【0007】
また、特開平5−331758号公報には、ポリエステル成分からなる剥離分割型複合繊維の一成分にポリアルキレングリコール類を含有させ、該複合繊維からなる不織布に水存在下で機械的応力を負荷させ、剥離分割を行い極細繊維とする方法が提示されている。しかし、この方法では、剥離分割を十分に発現させるためには大量のポリアルキレングリコール類を含有させる必要があるため、繊維物性が低下するという問題がある。
【0008】
また、剥離分割型複合繊維からなる長繊維不織布を、有機溶剤で処理して極細繊維化する方法も提案されているが、溶剤処理時に繊維交絡の緩みが進行し、得られる不織布の強度は低下する。さらに、有機溶剤の使用は環境汚染の面でも好ましくない。
【0009】
このように、均一に開繊し、機械的衝撃処理により容易に剥離分割されて、極細繊維となる剥離分割型複合繊維を使った長繊維不織布の製造方法は、従来提案されていなかった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来技術を背景になされたもので、その目的は、剥離分割型複合繊維の開繊性と剥離分割性を改善することにより、優れた品位の極細繊維不織布を容易に安定して製造する方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、ポリアミド系重合体とポリエステル系重合体とからなる剥離分割型複合繊維を剥離分割処理して極細繊維となし長繊維不織布を製造するに際して、該複合繊維断面円周におけるポリエステル系重合体が占める円弧長に対するポリアミド系重合体が占める円弧長の比率を0.1〜2.0の範囲とすると共に、少なくとも一方の重合体中にポリアルキレングリコール類を0.3〜2.8重量%含有させて紡糸口金より吐出し、高速牽引流体により牽引・細化し、次いで開繊しながら捕集しウェブとして、その後に交絡処理および剥離分割処理し、該剥離分割処理がシート状物打撃式柔軟加工機による方法に到達した。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施形態について詳細に説明する。
本発明で用いられる剥離分割型複合繊維は、ポリエステル系重合体とポリアミド系重合体とから構成され、機械的処理などで夫々の成分からなる極細繊維に剥離分割できるものであれば特に限定されない。好ましく用いられるポリアミド系重合体としては、例えばナイロン−6、ナイロン−66、ナイロン−610、ナイロン−11、ナイロン−12等があげられる。一方、ポリエステル系重合体としては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリトリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート及びこれらを主成分とする共重合ポリエステル等があげられる。中でもナイロン−6/ポリエチレンテレフタレートの組合わせが生産安定性、コスト等の面から好ましい。
【0013】
剥離分割型複合繊維の複合形態としては、ポリエステル系重合体とポリアミド系重合体の接合界面の少なくとも一部分が繊維断面円周に到達しており、機械的処理等により各成分に剥離分割できる形態となっていることが必要である。また、お互いに一方成分が他方成分によって所定数に分割されている形態であることが、剥離分割性の点で望ましい。なかでも、1成分が他成分間に放射状に配置されている断面形状が好ましい。このような複合形態は、例えば特開昭54−38914号公報記載の複合紡糸口金を用いて、ポリエステル系重合体とポリアミド系重合体とを複合紡糸することによって得られる。
【0014】
本発明では、繊維断面円周に占めるポリエステル系重合体の円弧長(B)に対するポリアミド系重合体の円弧長(A)の比率(以下、重合体成分円弧長比(A/B)と称する)を0.1〜2.0の範囲、さらに好ましくは0.2〜1.5の範囲となるよう2成分を配置することが必要である。
【0015】
重合体成分円弧長比(A/B)が2.0を超えると、開繊性が大幅に低下し、不織布の目付け斑および強度低下が発生する。ポリアミド系重合体は比較的ガラス転移点が低く、固化が遅く、また水分を吸着しやすいことなどによって繊維同士が密着し易くなり、開繊不良が起こるものと推測される。一方、重合体成分円弧長比(A/B)が0.1未満であると、剥離分割処理時、外部応力が2成分の接合界面へ充分に負荷されなくなり剥離分割が困難となる。
【0016】
なお、各重合体成分の円弧長は、複合紡糸口金内での各重合体成分の合流方法、重量比、あるいは口金内合流部での粘度比を変更することで任意に設定できる。特に、溶融押出しされた重合体がスピンブロックに流入する直前の溶融体温度(以下導管ポリマー温度と称する)を各々設定することによって、各々の重合体の溶融粘度を変更し、重合体成分円弧長比(A/B)を設定する方法が簡易であり好ましい。
【0017】
このように成分配置された剥離分割複合繊維の分割数は,2成分を溶融後紡糸口金内で合流させる方法により任意に設定できる。安定して紡糸できる複合繊維の単糸繊度を考慮すると、分割数を4〜48個、より好ましくは8〜24個に設定するのが望ましい。
【0018】
なお、剥離分割型複合繊維の一方成分の全体に対する複合割合を、30〜70重量%の範囲、特に40〜60重量%の範囲とすれば、紡糸工程がより安定となり、安定した断面の剥離分割型複合繊維の適当である。この範囲を外れる場合には、両重合体の粘度バランスの調整が困難となり、紡糸時セクション不良が発生しやすくなり、また、剥離分割効率が低下しやすくなる。
【0019】
このような剥離型複合繊維全体の断面形状は、丸断面形状、多葉断面形状、多角形形状等任意であり、また中空部を有する形態であってもよい。中空部を有する断面形状のものでは2成分の接合界面長さが短くなるので、剥離分割性がより向上する。
【0020】
さらに、本発明においては、上記2成分の重合体の少なくとも一成分に、開繊前に、0.3〜3.0重量%、好ましくは0.5〜2.0重量%のポリアルキレングリコール類を含有させなければならない。
【0021】
ポリアルキレングリコール類を少なくとも1成分の重合体へ配合することにより、紡糸工程での細化時および繊維補集時に発生する多大な静電気を大幅に抑制し、均一な開繊状態で繊維をウェブ状に捕集することができる。さらに、添加されたポリアルキレングリコール類は重合体成分の接合面にブリードアウトし2成分間の剥離を大幅に促進する。
【0022】
しかし、添加量が0.3重量%未満では、静電気抑制効果は得られない為、繊維間交絡が充分発現せず不織布の物性劣化などの問題が発生する。また成分剥離効果が減失し、2成分の剥離分割が困難となる。添加量が3.0重量%を超える場合は被添加重合体の粘度低下を来たし、紡糸が困難となったり、重合体のフィブリル化による不織布の物性劣化などの問題が発生する。
【0023】
本発明で使用するポリアルキレングリコール類としては、ポリエチレングリコール、ポリトリメチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイドブロックまたはランダム共重合体などを挙げる事ができる。これらはアルキル基、アリール基、アシル基などで末端が封鎖されていても良く、また各種グリコール成分もしくはアミン成分並びに酸成分を反応させたブロックポリエーテルエステルまたはブロックポリエーテルアミドであっても良い。なかでも末端をアルキル基で封鎖したものは、耐光性が良好となるのでより好ましい。
【0024】
ポリアルキレングリコール類の平均分子量としては2000〜600000のものが使用可能である。4000〜100000、なかでも5000〜50000の平均分子量のものが容易に入手でき、紡糸安定性も良いので好ましい。
【0025】
ポリアルキレングリーコール類の各繊維形成重合体への添加は、成分形成重合体の重合工程で添加する方法、複合繊維を溶融紡糸する際に該繊維形成重合体とポリアルキレングリコール類とを混合し、溶融混練する方法、別々に溶融した該繊維形成重合体とポリアルキレングリコール類とを溶融紡糸する前に混練する方法等、任意の方法を採用することができる。なかでも、ポリアルキレングリコール類の耐熱性および溶融紡糸性良好であること等の点から、該繊維形成重合体チップとポリアルキレングリコール類とを混合後溶融紡糸する方法が望ましい。
【0026】
次に、紡糸口金より吐出された剥離分割型複合繊維は、エジェクターやエアサッカーなど高速牽引流体により2000〜8000m/分、より好ましくは3000〜6000m/分の速度で索引・細化され、開繊しながら多孔補集面上に補集され、ウェブ状のシートとして巻き取られる。その際、コロナ放電や接触帯電等の処理を行うと、開繊性はより向上する。
【0027】
このようにして得られた複合繊維のウエブは、必要に応じて複数枚を積層、又は単独で、必要に応じて熱接着され、一旦巻き取られた後に、又は、連続してニードルパンチ処理等の交絡処理を施し、剥離分割処理に供される。
【0028】
剥離分割方法は、シート状物打撃式柔軟加工機による方法が最も効果的であり好ましい。なお、ここでいうシート状物打撃式柔軟加工機とは、シートの厚み方向に剪断力を効率よく加えることができるものである。本方式は剥離分割型複合繊維の剥離分割を効率よく行なうことができる。
【0029】
剥離分割処理後の単糸繊度は、0.01〜0.60dtexの範囲が適当である。0.01dtex未満のものは、剥離分割が困難となったり、剥離分割後の繊維があまりにも細いため繊維間で膠着が生じたりする傾向が出てくる。また0.60dtexを超えると繊維が太すぎるため、均一で微細な不織布が得られ難くなる。
【0030】
このような剥離分割後の細い繊度は、剥離分割型複合繊維の単糸繊度と成分分割数とから決定される。剥離分割型複合繊維の単糸繊度は1〜10dtexとするのが好ましい。剥離分割型複合繊維の単糸繊度が1dtex未満であると紡糸時に糸切れが発生し易くなる。剥離分割型複合繊維の単糸繊度が10dtexより大きくなると、剥離分割後の繊度をより細くするのが難しくなる。
【0031】
得られた不織布は人工皮革の基布用途や衣料用途、内装材、インテリア材などの産業資材用途、工業用ワイパーやワイピングクロスなどのワイパー用途、バグフィルターや濾過布などのフィルター等の用途、医療衛生材料などの用途に好ましく用いることができる。
【0032】
【実施例】
以下、実施例により、本発明を更に具体的に説明する。
なお、実施例における各項目は次の方法で測定した。
【0033】
(1)重合体成分円弧長比(A/B)
口金より紡出され、空気流により高速牽引され、分散板に衝突直後の複合繊維をサンプリングし、その横断面を光学顕微鏡にて撮影し、ポリアミド系重合体、ポリエステル系重合体が各々円周に占める弧の長さの合計をそれぞれポリアミド系重合体が占める円弧長(A)、ポリエステル系重合体が占める円弧長(B)とし、その比A/Bを50本について算出し、平均値を重合体成分円弧長比(A/B)とした。
【0034】
(2)引張強力
JISL−1096法に準じ、幅5cm、長さ15cmの試料片をつかみ間隔10cmで把持し、定速伸長型引張試験機を用いて引張速度30cm/分で伸長し、切断時の荷重値引張強力(N/cm)とした。この際、不織布の機械方向の引張強力をMD引張強力、不織布の幅方向の引張強力をCD引張強力とした。
【0035】
(3)不織布目付斑(CV%)
不織布を幅2cm、長さ20cmの小片に、幅が不織布の幅方向となるように切り取って重量を測定し、その標準偏差を重量の平均値で除したものを%で表し不織布目付斑とした。
【0036】
(4)剥離分割率
不織布の断面を電子顕微鏡にて200倍で撮影し、100本の繊維の断面積を測定し、全体の面積と未分割(完全に剥離分割していない、例えば、2個や3個程度に剥離分割したものも含む)の繊維の断面積の差を全体の面積で除して求めた。
【0037】
(5)開繊性
剥離分割前のウェブをサンプリングし開繊状態を目視判定した。
レベル1: 繊維が均一に開繊しており紐状のからみは殆ど見られない。目付けの高低もほとんど認められない。
レベル2: 数本の繊維が互いに繊維長手方向に絡まった紐状状繊維が少し見られるものの、開繊性は比較的良く、局所的な目付の高低も少ない。
レベル3: 数本の繊維が互いに繊維長手方向に絡まった紐状繊維、あるいは紐状繊維が更に絡まったものが多数見られる。局所的な目付の高低も見られる。
【0038】
(6)剥離分割後の単糸繊度
口金より紡出され、空気流により高速牽引され、分散板に衝突直後の複合繊維をサンプリングし、長さ50cmずつの100本の束として重量を測定し、複合繊維繊度を求め、下記式により算出する。
剥離分割後の単糸繊度=複合繊維の平均単糸繊度/分割数/(剥離分割率/100)
【0039】
[実施例1]
120℃で乾燥したナイロン−6(m−クレゾール中の極限粘度1.1)に対して、分子量20000のポリエチレングリコールを1.5重量%ブレンドした混合体を、エクストルーダーに供給し溶融した。別途160℃で乾燥したポリエチレンテレフタレート(o−クロロフェノール中の極限粘度0.64)を、前述とは別個のエクストルーダーにて溶融した。
【0040】
引き続き、ポリエチレングリコール・ナイロン−6混合体溶融流は導管ポリマー温度250℃で、ポリエチレンテレフタレート溶融流は300℃で、275℃に保温されたスピンブロックへ導入し、特開昭54−38914号公報記載の合流部を有し、幅100cm×20cmの範囲に2800個の中空形成吐出孔を格子状配列で有する矩形の紡糸口金を用いて両重合体溶融流を合流させ複合し2g/分・孔の量で吐出し、空気圧力0.35MPa(吐出量と複合繊維繊度から換算した紡速で約4860m/分)にて高速牽引した。
【0041】
なお、該紡糸口金の小孔部(特開昭54−38914号公報記載(28)相当)の直径は0.3mmで、各吐出孔に対して8個ずつ小孔を有しており、分配板(特開昭54−38914号公報記載(21)相当)と突起(特開昭54−38914号公報記載(27)相当)の隙間は0.3mmとした。
【0042】
また、第1の紡糸液流路(特開昭54−38914号公報記載相当)へはポリエチレングリコール・ナイロン−6混合体溶融流を、第2の紡糸液流路(特開昭54−38914号公報記載相当)へはポリエチレンテレフタレート溶融流を通した。このとき、ナイロン−6溶融体流量/ポリエチレンテレフタレート溶融体流量比が48/52となるように合流させた。
【0043】
牽引された複合繊維は、−30kVで高電圧印加処理し、空気流とともに分散板に衝突させ、開繊し、図1に示すような16分割の多層貼合せ型断面をもつ剥離分割型複合繊維からなるウェブとしてネットコンベアー上に幅1mで補集した。引き続き、得られたウェブを100℃に加熱された上下一対のエンボスカレンダーロールに通し熱接着を行った。
【0044】
該複合繊維の単糸繊度は4.1dtex、中空率は4%、ナイロン−6成分とポリエチレンテレフタレート成分との重量比率は53/47であり、両成分は互いに相手成分によって16剥離分割されていた。また、重合体成分円弧長比(A/B)は0.70であった。
【0045】
得られたウェブをニードルパンチにて交絡処理を施した後、水に浸漬し、軽くマングルで絞った後シート状物打撃式柔軟加工機にて剥離分割処理を行い目付150g/m2の極細繊維不織布を得た。
本例の実施条件と得られた結果の集約を表1に示す。
【0046】
[実施例2]
120℃で乾燥したナイロン−6(m−クレゾール中の極限粘度1.1)に対して、分子量25000のポリトリメチレングリコールを0.3重量%ブレンドした混合体を、エクストルーダーに供給し溶融した。別途160℃で乾燥したポリエチレンテレフタレート(o−クロロフェノール中の極限粘度0.64)を、前述とは別個のエクストルーダーにて溶融した。
【0047】
引き続き、ポリトリメチレングリコール・ナイロン−6混合体溶融流は導管ポリマー温度250℃で、ポリエチレンテレフタレート溶融流は295℃で、275℃に保温されたスピンブロックへ導入し、実施例1と同一仕様の紡糸口金を用い、第1の紡糸液流路(特開昭54−38914号公報記載相当)へはポリエチレンテレフタレート溶融流を、第2の紡糸液流路(特開昭54−38914号公報記載相当)へはポリトリメチレングリコール・ナイロン−6混合体溶融流を通した。このとき、ナイロン−6溶融体流量/ポリエチレンテレフタレート溶融体流量比が48/52となるように合流させた。
【0048】
以下、実施例1と同様な条件、方法で吐出、高速牽引、高電圧印加処理、開繊、ウェブ捕集、熱接着、交絡処理および剥離分割処理を行い目付150g/m2の極細繊維不織布を得た。
該複合繊維の単糸繊度は4.2dtex、中空率は4%、両成分は互いに相手成分によって16剥離分割されていた。また、重合体成分円弧長比(A/B)は2.0であった。
本例の実施条件と得られた結果の集約を表1に示す。
【0049】
[実施例3]
120℃で乾燥したナイロン−6(m−クレゾール中の極限粘度1.1)に対して、分子量5000のポリテトラメチレングリコールを2.8重量%ブレンドした混合体を、エクストルーダーに供給し溶融した。別途160℃で乾燥したポリエチレンテレフタレート(o−クロロフェノール中の極限粘度0.64)を、前述とは別個のエクストルーダーにて溶融した。
【0050】
引き続き、ポリテトラメチレングリコール・ナイロン−6混合体溶融流は導管ポリマー温度250℃で、ポリエチレンテレフタレート溶融流は295℃で、275℃に保温されたスピンブロックへ導入し、実施例1と同一仕様の紡糸口金を用い、このとき、ナイロン−6溶融体流量/ポリエチレンテレフタレート溶融体流量比が35/65となるように合流させた。
【0051】
以下、実施例1と同様な条件、方法で吐出、高速牽引、高電圧印加処理、開繊、ウェブ捕集、熱接着、交絡処理および剥離分割処理を行い目付150g/m2の極細繊維不織布を得た。
該複合繊維の単糸繊度は4.2dtex、中空率は4%、両成分は互いに相手成分によって16剥離分割されていた。また、重合体成分円弧長比(A/B)は0.1であった。
本例の実施条件と得られた結果の集約を表1に示す。
【0052】
[比較例1]
紡糸口金内部での重合体溶融流を合流するに際し、第1の紡糸液流路(特開昭54−38914号公報記載相当)へはポリエチレンテレフタレート溶融流を、第2の紡糸液流路(特開昭54−38914号公報記載相当)へはポリエチレングリコール・ナイロン−6混合体溶融流を通した以外は、実施例1と同様な条件、方法で吐出、高速牽引、高電圧印加処理、開繊、ウェブ捕集、熱接着、交絡処理および剥離分割処理を行い目付150g/m2の極細繊維不織布を得た。
該複合繊維の単糸繊度は4.2dtex、中空率は4%、両成分は互いに相手成分によって16剥離分割されていた。また、重合体成分円弧長比(A/B)は2.3であった。
本例の実施条件と得られた結果の集約を表1に示す。
【0053】
[比較例2]
分子量25000のポリトリメチレングリコールを、ナイロン−6に対して3.5重量%添加すること以外は、実施例1と同様な条件、方法で吐出、高速牽引、高電圧印加処理、開繊、ウェブ捕集、熱接着、交絡処理および剥離分割処理を行い目付150g/m2の極細繊維不織布を得た。
該複合繊維の単糸繊度は4.2dtex、中空率は4%、両成分は互いに相手成分によって16剥離分割されていた。また、重合体成分円弧長比(A/B)は0.6であった。
本例の実施条件と得られた結果の集約を表1に示す。
なお、本比較例の条件では、溶融紡糸の際、断糸が頻発し安定な生産ができなかった。
【0054】
【表1】
Figure 0004298186
【0055】
【発明の効果】
本発明によれば、極細繊維不織布の製造工程において、ポリアミド系重合体とポリエステル系重合体とからなる剥離分割型複合繊維の開繊性と剥離分割性が向上し、優れた品位の極細繊維不織布を安定して製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の剥離分割型複合繊維の繊維断面を示した一模式図。
【符号の説明】
1 :ポリアミド系重合体成分円弧部
2 :ポリエステル重合体成分円弧部

Claims (2)

  1. ポリアミド系重合体とポリエステル系重合体とからなる剥離分割型複合繊維を剥離分割処理して極細繊維となし長繊維不織布を製造するに際して、該複合繊維断面円周におけるポリエステル系重合体が占める円弧長に対するポリアミド系重合体が占める円弧長の比率を0.1〜2.0の範囲とすると共に、少なくとも一方の重合体中にポリアルキレングリコール類を0.3〜2.8重量%含有させて紡糸口金より吐出し、高速牽引流体により牽引・細化し、次いで開繊しながら捕集しウェブとして、その後に交絡処理および剥離分割処理し、該剥離分割処理がシート状物打撃式柔軟加工機による方法であることを特徴とする極細長繊維不織布の製造方法。
  2. 開繊の際、高電圧印加処理を行う請求項1記載の極細長繊維不織布の製造方法。
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