JP2003113544A - 糸条巻取機 - Google Patents
糸条巻取機Info
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Abstract
糸条パッケージの巻径に関係なく正確な張力値を得るこ
と。 【解決手段】糸条Sを巻取るボビンBを装着したボビン
ホルダーH、糸条パッケージPと接触して回転するコン
タクトローラC、その上流部に設置されて送出されてく
る糸条Sを綾振るトラバース装置T、その上流部で綾振
りされる糸条Sの綾振り支点となる綾振り支点ガイド
1、および、トラバース装置Tと綾振り支点ガイド1と
の間に位置して、綾振りの振幅の両端に位置する糸条S
を接触子4に触れさせて張力を検出する張力検出器3を
備え、巻取工程中における綾振り支点ガイド1と張力検
出器3とトラバース装置Tとの間の各距離を、糸条パッ
ケージPの巻径に関係なく一定としたこと。
Description
フィラメント糸を連続して巻き取る糸条巻取機であっ
て、巻取中の糸条張力を制御するための張力検出器を備
えたものに関する。
繊維のフィラメント糸を、トラバース装置で綾振りしな
がらボビンに巻き取る糸条巻取機における巻取制御方式
には、主として糸速度に着目した糸速度制御と、糸張力
に着目する糸張力制御との2種類が知られている。
ース速度を変化させると糸張力も変化し、この張力変化
を制御するのが困難であるという問題があった
ジやサドルの無い良好な糸条パッケージを形成するた
め、巻取中にトラバース速度を変化させる巻取工程を実
施する上で、きわめて有効な技術と考えられる。
接触してその張力を検出する張力検出器を設ける必要が
あるが、高速で走行する糸条に対し張力検出器を接触さ
せることは、原則として、糸品質を低下させる原因とな
る。そこで、糸条に対する悪影響を極力なくすため、綾
振り支点ガイドのすぐ下流において、トラバース装置で
振り子状に綾振りされる糸条の振幅の両端で張力検出器
のセンサー部材が少し触れるだけの構成とした張力検出
器を設け、糸張力を検出する方式が従来提案されている
(例えば、特公昭51−44668号公報、特公昭60
−47985号公報参照)。
巻取機において、固定したフレームに綾振り支点ガイド
及び張力検出器を取付けると共に、昇降ユニットにトラ
バース装置及びコンタクトローラを備えて構成し、綾振
り支点ガイド及び張力検出器を通過してトラバース装置
で綾振りされる糸条を、コンタクトローラに接触させつ
つ糸条パッケージに巻き上げる際に、糸条パッケージの
糸層厚みが肥厚するのに伴い、コンタクトローラを上昇
させて糸条パッケージに対する接圧を適切に保つように
することが考えられる。しかし、上昇する昇降ユニット
でトラバース装置を、固定した綾振り支点ガイドに接近
させるのに伴い、振り子状に綾振りする糸条の長さが短
くなって、振幅の両端で張力検出器のセンサー部材を強
く押すことになり、正確な張力値を得られなくなる問題
が生じることになる。
力検出方式を採用する糸条巻取機において、正確な張力
値を得る手段の提供を目的とする。本発明がかかる目的
のため採用した請求項1に記載の糸条巻取機の特徴とす
るところは、糸条を巻取るボビンを装着したボビンホル
ダー、糸条パッケージと接触して回転するコンタクトロ
ーラ、その上流部に設置されて送出されてくる糸条を綾
振るトラバース装置、その上流部で綾振りされる糸条の
綾振り支点となる綾振り支点ガイド、および、トラバー
ス装置と綾振り支点ガイドとの間に位置して、綾振りの
振幅の両端に位置する糸条を接触子に触れさせて張力を
検出する張力検出器を備えた糸条巻取機において、巻取
工程中における綾振り支点ガイドと張力検出器とトラバ
ース装置との間の各距離を、糸条パッケージの巻径に関
係なく一定としたことにある。本発明にあっては、巻取
工程中は、綾振り支点ガイドから張力検出器までの距
離、綾振り支点ガイドからトラバース装置までの距離及
び張力検出器からトラバース装置までの距離が各々一定
であるため、振り子状に綾振りしながら走行する糸条
を、その振幅の両端で張力検出器に触れさせて測定する
ときの条件を一定に維持して、正確な張力値を得ること
ができる。
に、糸条巻取機が、トラバース装置を備えて糸条パッケ
ージの巻径の増大に伴って上昇する昇降ユニットに、綾
振り支点ガイド及び張力検出器を取付ける場合に適用す
ることが望ましい。
に、ボビンホルダが糸パッケージの巻径の増大に伴って
降下して、コンタクトローラに対する糸条パッケージの
接圧を適切に維持させる糸条巻取機に適用することもあ
る。
融紡出される合成繊維のフィラメント糸を、トラバース
装置で綾振りしながら巻き取って糸条パッケージを形成
する糸条巻取機に適用した実施形態について述べる。図
1は、本発明に係る糸条巻取機Mの概略構成を示す側面
図であり、一つのボビンホルダHに複数のボビンBを装
着して同時に複数の糸条パッケージPを同時に巻き上げ
ることができるよう構成されたものである。図面にはボ
ビン数が4個のものを例示したが、ボビン数が6個、8
個、12個等のものも採用される。同糸条巻取機Mは、
機台Kに、複数のボビンBを保持するボビンホルダH
と、トラバース装置T及びコンタクトローラCを備える
昇降ユニットUとが設けられ、該昇降ユニットUは機台
Kに対し昇降可能であり、ボビンBに巻き取られて形成
されるパッケージPの糸層厚みが肥厚するのに伴い、コ
ンタクトローラCが上昇して接圧を適切に保つよう設定
されている。
ルダHと平行に配置され、昇降ユニットUのケーシング
に回転可能に支持されている。ボビンホルダHは、棒状
で、機台Kに片持ち支持され、図示しないモータによっ
て回転駆動されるようになっている。一般的に、糸条巻
取機Mでは、機台Kに回転可能に取り付けたターレット
盤に、2本のボビンホルダHが180°間隔で設けら
れ、一方のボビンホルダHが巻取位置に、他方のボビン
ホルダHが待機位置に配される。図1の糸条巻取機Mで
は、上記ターレット盤と待機位置のボビンホルダHとを
省略してある。
ラバース装置TとコンタクトローラCが備えられる。ト
ラバース装置Tは、例えば羽根トラバース装置やカムト
ラバース装置等が用いられ、糸条Sをトラバース方向に
案内するためのトラバースガイド12が備えられる。
から下流側に向かって、綾振り支点ガイド1と張力検出
器3とがこの順に配設されている。これら綾振り支点ガ
イド1及び張力検出器3は、昇降ユニットUのケーシン
グに接合した支持具9に取付けられて、ボビンBに糸条
Sを巻き取る巻取工程中におけるこれらの間の距離が、
糸条パッケージPの巻径に関係なく一定となるようにし
てある。すなわち、綾振り支点ガイド1,張力検出器3
及びトラバース装置Tは、昇降ユニットUに接合されて
一体となることにより、糸条パッケージPが小径の場合
を示す図5(A)及び糸条パッケージPが大径の場合を
示す同図(B)に示す如く、糸条パッケージPの巻径に
関係なく、巻取工程中の綾振り支点ガイド1から張力検
出器3までの距離L1、張力検出器3からトラバース装
置Tまでの距離L2及び綾振り支点ガイド1からトラバ
ース装置Tまでの距離L3の各々が不変であるようにし
てある。
流側に設けられる綾振り支点ガイド1は、糸条Sをトラ
バース装置Tで左右に綾振りする際の基準位置を定める
ためのものであり、巻取工程時の基本位置が、トラバー
ス装置Tのトラバース幅のほぼ二等分線N上に設定され
ている。また、綾振り支点ガイド1は、支持具9に取着
した案内具14に案内され、図1に示す上記基本位置か
らボビンホルダHの先端(自由端)へ向かって、ボビン
ホルダHの軸方向に沿って図4に示す初期糸掛け作業位
置まで移動可能になっている。綾振り支点ガイド1の構
造は、例えば図3に拡大して示すように、糸条Sを挿通
させるリング状のガイド部1aと、このガイド部1aを
支持する基部1cとから成り、ガイド部1aの適所に、
糸条Sをリング部1a内へ挿入し易くするため切欠1b
を形成してある。
ラバース装置Tとの間に設けられ、綾振り支点ガイド1
を通りトラバース装置Tで綾振りされる糸条Sの張力を
検出する張力検出器3は、張力検出信号を適宜設けたコ
ントローラーへ電送するためのケーブルを接続するた
め、支持具9に固定されると共に、それぞれに対応する
トラバース装置Tにおけるトラバース幅のほぼ二等分線
N上で、巻取工程時における綾振り支点ガイド1の基本
位置の直下に配置される。張力検出器3の構造は、図3
に示すように、糸条Sを張力検出位置に保持する接触子
4,接触子4に連結した軸部5,軸部5における基部7
近くの左右両側面に装着した感圧センサー6、軸部5を
支持する基部7から成っている。接触子4は、軸方向中
央部の先端から適当長さを切り欠いて糸条Sの収納部4
aを形成し、該収納部4aを挟む左右先端縁に傾斜辺か
らなる導入案内部4bを設けてある。上記収納部4a
が、糸条Sを張力検出位置に保持する部分である。また
導入案内部4bは、初期糸掛けの際に糸条Sの綾振り動
作により当該糸条Sを張力検出位置である収納部4a内
へ案内するためのものである。
工程中の糸条Sの張力を測定する。図3に示す如く、綾
振り支点ガイド1を通した糸条Sを接触子4の収納部4
aに挿通させて巻取を実施すると、トラバース装置Tで
糸条Sが同図中二点鎖線で示すように左右に綾振りされ
ることにより、当該糸条Sが収納部4aの左右内縁に圧
接するため、接触子4を通じて軸部5が綾振り方向へ振
動するように変形する。軸部5に装着した感圧センサー
6は、糸条Sが接触子4と接触する際に軸部5に及ぼす
力の大きさを検出し、それに基づいて糸条Sの張力を算
出する。このように本例で採用する張力検出方式は、張
力検出器3と糸条Sとの接触時間が短く、張力検出器3
との接触時における糸条Sの屈曲が小さいから、糸条S
に及ぼす悪影響をきわめて少なくできる。
は、張力の鋭敏な検出のため、なるべく軽量に製作する
ことが望ましい。この意味で、接触子4の左右先端部
を、傾斜辺からなる導入案内部4bにより先細りに形成
することが望ましい。すなわち導入案内部4bは、接触
子4を先細り形状として軽量化することにも貢献してい
る。
ダHに装着した複数のボビンBそれぞれに同時に糸条S
を巻き取るため、各ボビンBごとに、綾振り支点ガイド
1,張力検出器3及びトラバース装置Tを配設してあ
る。
ージPの糸層厚みが肥厚するのに伴い、糸条パッケージ
Pに対するコンタクトローラCの接圧を適切に保つよう
に昇降ユニットUが上昇するが、上昇する昇降ユニット
Uと一体となってトラバース装置T、綾振り支点ガイド
1及び張力検出器3も上昇するため、図5に示す如く、
綾振り支点ガイド1から張力検出器3までの距離L1、
張力検出器3からトラバース装置Tまでの距離L2及び
綾振り支点ガイド1からトラバース装置Tまでの距離L
3の各々も一定値を維持することになる。これにより、
走行しながら振り子状に綾振りされる糸条Sの振幅の両
端で張力検出器3のセンサー部材である接触子4を押圧
して糸条Sの張力を測定するとき、綾振り支点ガイド1
と張力検出器3との間におけるトラバース装置Tのトラ
バース幅の二等分線Nと糸条Sとの交差する角度θ1
と、張力検出器3とトラバース装置Tとの間における二
等分線Nと糸条Sとが交差する角度θ2とが一定値を維
持することになり、正確な張力値を得ることができる。
Tと綾振り支点ガイド1と張力検出器3との間の各距離
を一定とする本発明は、糸条パッケージの巻径の増大に
伴いコンタクトローラCと共に昇降ユニットUを上昇さ
せる前記糸条巻取機Mに適応する以外に、図6に示すよ
うに、糸条パッケージPの巻径の増大に伴いボビンホル
ダHを矢符D方向へ降下させつつ、コンタクトローラC
に対する糸条パッケージPの接圧を適切に維持させる糸
条巻取機に適応することも勿論可能である。
振り子状に綾振りされる糸条の振幅の両端で張力検出器
に触れさせて張力測定する条件を一定に維持して、糸条
パッケージの巻径に関係なく正確な張力値が得られるこ
とから、目標値に張力制御された品質の良好な糸条パッ
ケージを得ることができる。
糸条パッケージの糸層厚みが肥厚するのに伴い、昇降ユ
ニットを上昇させて糸条パッケージに対するコンタクト
ローラの接圧を適切に保つようにする場合に適用するの
が好ましく、これにより、巻取工程中の糸条の正確な張
力値が得られる。
条の巻取の進行に伴いボビンホルダを降下させてコンタ
クトローラに対する糸条パッケージの接圧を適切に維持
させる場合にも、糸条パッケージの巻径に関係なく糸条
の正確な張力値が得られることから、目標値に張力制御
された品質の良好な糸条パッケージを得ることができ
る。
ものであって、概略構成を示す側面図である。
ものであって、主要構成部材を取り出して示す正面図で
ある。
ものであって、綾振り支点ガイド、張力検出器を取り出
して示す斜視図である。
掛け作業を開始した状態の糸条巻取機を示す側面図であ
る。
規の糸条巻取工程中の糸条巻取機のボビン一個分を取り
出して示す側面図であり、(A)は糸条パッケージが小
径の場合を示し、(B)は糸条パッケージが大径の場合
を示す。
るものであって、主要構成部材を取り出して示す正面図
である。
H…ボビンホルダ P…糸条パッケージ S…糸条 T
…トラバース装置 U…昇降ユニット 1…綾振り支点
ガイド 3…張力検出器 4…接触子
Claims (3)
- 【請求項1】糸条を巻取るボビンを装着したボビンホル
ダー、糸条パッケージと接触して回転するコンタクトロ
ーラ、その上流部に設置されて送出されてくる糸条を綾
振るトラバース装置、その上流部で綾振りされる糸条の
綾振り支点となる綾振り支点ガイド、および、トラバー
ス装置と綾振り支点ガイドとの間に位置して、綾振りの
振幅の両端に位置する糸条を接触子に触れさせて張力を
検出する張力検出器を備えた糸条巻取機において、巻取
工程中における綾振り支点ガイドと張力検出器とトラバ
ース装置との間の各距離を、糸条パッケージの巻径に関
係なく一定としたことを特徴とする糸条巻取機。 - 【請求項2】トラバース装置を備え、糸条パッケージの
巻径の増大に伴って上昇する昇降ユニットに、綾振り支
点ガイド及び張力検出器を取付けた請求項1に記載の糸
条巻取機。 - 【請求項3】ボビンホルダは糸パッケージの巻径の増大
に伴って降下して、コンタクトローラに対する糸条パッ
ケージの接圧を適切に維持させるものである請求項1に
記載の糸条巻取機。
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