JP2003113141A - 円盤状化合物の製造方法 - Google Patents

円盤状化合物の製造方法

Info

Publication number
JP2003113141A
JP2003113141A JP2001309790A JP2001309790A JP2003113141A JP 2003113141 A JP2003113141 A JP 2003113141A JP 2001309790 A JP2001309790 A JP 2001309790A JP 2001309790 A JP2001309790 A JP 2001309790A JP 2003113141 A JP2003113141 A JP 2003113141A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
discotic compound
producing
adsorbent
discotic
precursor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001309790A
Other languages
English (en)
Inventor
Haruyoshi Gotou
春良 後藤
Naoyuki Nishikawa
尚之 西川
Hideyuki Nishikawa
秀幸 西川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP2001309790A priority Critical patent/JP2003113141A/ja
Publication of JP2003113141A publication Critical patent/JP2003113141A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Epoxy Compounds (AREA)
  • Treatment Of Liquids With Adsorbents In General (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 フェノール性ヒドロキシ基を有する中心部前
駆体と、カルボン酸を有する側鎖部前駆体からエステル
化により円盤状化合物を製造する方法において、高収
率、安価で、かつ生産性の高い大量製造に適した製造方
法を提供する。また、ディスコティック液晶化合物とし
ての性能に優れた円盤状化合物の上記の製造方法を提供
する。 【解決手段】 円盤状化合物の中心部となりうる、フェ
ノール性ヒドロキシ基を有する中心部前駆体と、側鎖部
となりうるカルボン酸を有する側鎖部前駆体からエステ
ル化により円盤状化合物を製造する方法において、側鎖
部前駆体のカルボン酸部を活性化した混合酸無水物誘導
体と、中心部前駆体との反応によりエステル化を行うこ
とで得られた反応液を吸着剤で処理する円盤状化合物の
製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は円盤状化合物の製造
方法に関するものであり、さらに詳細には、位相差膜等
の光学異方性材料などの機能性材料の原料となる円盤状
化合物(ディスコティック液晶用化合物)の製造方法と
精製円盤状化合物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、液晶表示素子はワードプロセッサ
ー、パーソナルコンピューター、テレビなどに広く用い
られるようになり、それに関連する素材、装置などの産
業活動が活発に行われている。液晶表示材料の根本をな
す素材である液晶化合物についても活発な開発研究が行
われ、数多くの化合物が開発されてきた。これらの化合
物は、表示素子に限らず種々の用途の開発に向け利用が
考えられている。従来からよく知られ、よく利用されて
いる棒状の液晶化合物に加え、最近では円盤状の液晶化
合物、いわゆるディスコティック液晶化合物が注目を浴
びるようになった。
【0003】ディスコティック液晶化合物として代表的
なものは、C.Destradeらの研究報告、Mo
l.Cryst.Liq.Cryst.,71巻、11
1頁(1981年)に記載されているように、例えばベ
ンゼン誘導体、トリフェニレン誘導体、トルキセン誘導
体、フタロシアニン誘導体、さらにB.Kohneらの
研究報告、Angew.Chem.,96巻、70頁
(1984年)に記載されたシクロヘキサン誘導体、
J.M.Lehnらの研究報告、J.Chem.So
c.Chem.Commun.,1794頁(1985
年)やJ.Zhang、J.S.Mooreらの研究報
告、J.Am.Chem.Soc.,116巻、265
5頁(1994年)に記載された種々のマクロサイクレ
ン誘導体、C.Destradeら著、J.Phsiq
ue,40巻、4号、C3−17(1979)および
C.Vauchierら著、Mol.Cryst.Li
q.Cryst.,66巻、103頁(1981年)、
特開平7−306317号に記載されている。
【0004】一方、フェノール性ヒドロキシ基を有する
中心部前駆体と、カルボン酸を有する側鎖部前駆体から
エステル化により、ディスコティック液晶化合物として
有用な円盤状化合物を製造する方法において、側鎖部前
駆体であるカルボン酸を酸クロライドで変換する方法
や、側鎖部前駆体である混合酸無水物誘導体とフェノー
ル性ヒドロキシ基を有する中心部前駆体との反応により
エステル化を行う方法が知られている。例えば、C.Vauc
hierらの研究報告〔Mol.Cryst.Liq.Cryst.,66巻、1
03頁(1981年)〕やT.W.Warmerdam らの研究報告
〔Liquid Crystals 3巻、1087頁(1988
年)〕、特開平9−95467号などに記載されてい
る。しかしながら、これらに開示されている方法では、
得られたディスコティック液晶化合物の光学異方性材料
としての性能は必ずしも十分なものでなく、さらに、化
合物の結晶化による再精製をしても性能的にほとんど変
化がなく、またカラムクロマトグラフィーによる精製法
は、大量製造および製造の生産性の観点から実際上採用
は非常に困難であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、フェノール性ヒドロキシ基を有する中心部前駆体
と、カルボン酸を有する側鎖部前駆体からエステル化に
より円盤状化合物を製造する方法において、高収率、安
価で、かつ生産性の高い大量製造に適した製造方法を提
供することにある。特に、ディスコティック液晶化合物
としての性能に優れた円盤状化合物の上記の製造方法を
提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
を重ねた結果、下記の製造方法により本発明の目的が達
成できることを見出した。すなわち、本発明者らはフェ
ノール性ヒドロキシ基を有する中心部前駆体と、カルボ
ン酸を有する側鎖部前駆体からエステル化により円盤状
化合物を製造する方法を種々検討した結果、通常の検出
手段では見過ごされるような微量の不純物の混入がディ
スコティック液晶としての性能に大きく左右することを
見出し、以下の製造方法に至った。本発明は、円盤状化
合物の中心部となりうる、フェノール性ヒドロキシ基を
有する中心部前駆体と、側鎖部となりうるカルボン酸を
有する側鎖部前駆体からエステル化により円盤状化合物
を製造する方法において、前記エステル化により得られ
た目的の円盤状化合物を含有する反応液を吸着剤で処理
する円盤状化合物の製造方法と、この方法により得られ
る円盤状化合物である。より詳細には次の手段が提供さ
れる。 (1)ディスコティック液晶化合物の中心部となりう
る、フェノール性ヒドロキシ基を有する中心部前駆体
と、側鎖部となりうるカルボン酸を有する側鎖部前駆体
からエステル化により円盤状化合物を製造する方法にお
いて、側鎖部前駆体のカルボン酸部を活性化した混合酸
無水物誘導体と、中心部前駆体との反応によりエステル
化を行うことで得られた反応液を吸着剤で処理すること
を特徴とする円盤状化合物の製造方法。 (2)反応液に少なくとも一種の非極性溶媒を含むこと
を特徴とする(1)に記載の円盤状化合物の製造方法。 (3)反応液と水とを混合し、分液された有機層を吸着
剤で処理することを特徴とする(1)または(2)に記
載の円盤状化合物の製造方法。 (4)前記有機層を乾燥させた後に、吸着剤で処理する
ことを特徴とする(3)に記載の円盤状化合物の製造方
法。 (5)吸着剤を2回以上に分割して処理することを特徴
とする(1)〜(4)のいずれか1項に記載の円盤状化
合物の製造方法。 (6)吸着剤をボディーフィードまたは、スパークラー
濾過器にプレコートする方法で利用することを特徴とす
る(1)〜(5)のいずれか1項に記載の円盤状化合物
の製造方法。 (7)前記混合酸無水物誘導体が、少なくとも一種の非
極性溶媒を使用して合成または調製されたものであるこ
とを特徴とする(1)〜(6)のいずれか1項に記載の
円盤状化合物の製造方法。 (8)前記エステル化において、少なくとも一種の非極
性溶媒を使用することを特徴とする(1)〜(7)のい
ずれか1項に記載の円盤状化合物の製造方法。 (9)吸着剤で処理された溶液とアルコール系溶媒とを
混合させることにより、晶析することを特徴とする
(1)〜(8)のいずれか1項に記載の円盤状化合物の
製造方法。 (10)フェノール性ヒドロキシ基を有する中心部前駆
体が2,3,6,7,10,11−ヘキサヒドロキシト
リフェニレンであることを特徴とする(1)〜(9)の
いずれか1項に記載の円盤状化合物の製造方法。 (11)前記側鎖部前駆体のカルボン酸部に付加反応ま
たは加水分解を生じる官能基を有することを特徴とする
(1)〜(10)のいずれか1項に記載の円盤状化合物
の製造方法。 (12)前記円盤状化合物がディスコティック液晶化合
物であることを特徴とする(1)〜(11)のいずれか
1項に記載の化合物の製造方法。 (13)円盤状化合物の中心部となりうる、フェノール
性ヒドロキシ基を有する中心部前駆体と、側鎖部となり
うるカルボン酸を有する側鎖部前駆体からエステル化に
より円盤状化合物を製造するに当り、前記エステル化を
行うことで得られた目的の円盤状化合物を含有する反応
液を吸着剤で処理して得られることを特徴とする円盤状
化合物。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明における円盤状化合物は、
その中心部に円盤状の分子部分を有することを特徴とす
る。側鎖部を除いた中心部の円盤状の形態的特徴は、例
えば、その原形化合物である水素置換体について、以下
のように表現され得る。まず、分子の大きさを以下のよ
うにして求める。 1)該分子につき、できる限り平面に近い、好ましくは
平面分子構造を構築する。この場合、結合距離、結合角
としては、軌道の混成に応じた標準値を用いる事が好ま
しく、例えば日本化学会編、化学便覧改訂4版基礎編、
第II分冊15章(1993年刊 丸善)を参照すること
ができる。 2)前記1)で得られた構造を初期値として、分子軌道
法や分子力場法にて構造最適化する。方法としては例え
ば、Gaussian92、MOPAC93 、CHARMm/QUANTA、MM3 が挙
げられる。好ましくはGaussian92である。 3)構造最適化によって得られた構造の重心を原点に移
動させ、座標軸を慣性主軸(慣性テンソル楕円体の主
軸)にとる。 4)各原子にファンデルワールス半径で定義される球を
付与し、これによって分子の形状を記述する。 5)ファンデルワールス表面上で各座標軸方向の長さを
計測し、それらそれぞれをa、b、cとする。 以上の手順により求められたa、b、cを用いて円盤状
の形態を定義すると、好ましくはa≧b>cかつa≧b
≧a/2、より好ましくはa≧b>cかつa≧b≧0.
7aと表すことができる。またb/2>cであることが
好ましい。
【0008】これらの特徴は、ディスコティック液晶化
合物として必要とされるものである。本発明の円盤状化
合物は、ディスコティック液晶化合物として有用である
ことから、以下では、円盤状化合物のことをディスコテ
ィック液晶化合物またはディスコティック化合物とも称
して説明する。ここで、ディスコティック化合物の具体
的化合物として挙げると、例えば日本化学会編、季刊化
学総説No. 22「液晶の化学」第5章、第10章2節
(1994年刊 学会出版センター)、C.Destradeらの
研究報告、Mol.Cryst.Liq.Cryst.,71巻、111頁
(1981年)、B.Kohne らの研究報告、Angew.Chem.,
96巻、70頁(1984年)、J.M.Lehnらの研究報
告、J.Chem.Soc.Chem.Commun.,1794頁(1985
年)、J.Zhang 、J.S.Moore らの研究報告、J.Am.Chem.
Soc., 116巻、2655頁(1994年)に記載の母
核化合物の誘導体が挙げられる。
【0009】例えば、ベンゼン誘導体、トリフェニレン
誘導体、トルキセン誘導体、フタロシアニン誘導体、ポ
ルフィリン誘導体、アントラセン誘導体、ヘキサエチニ
ルベンゼン誘導体、ジベンゾピレン誘導体、コロネン誘
導体およびフェニルアセチレンマクロサイクル誘導体が
挙げられる。さらに、日本化学会編、“化学総説No.1
5 新しい芳香族の化学”(1977年 東京大学出版
会刊)に記載の環状化合物およびそれらの複素原子置換
等電子構造体を挙げることができる。
【0010】それゆえに、ディスコティック化合物の中
心部となりうるフェノール性ヒドロキシ基を有する中心
部前駆体としては、例えばベンゼン環、トリフェニレン
環、トルキセン環、フタロシアニン環、ポルフィリン
酸、アントラセン環、ヘキサエチニルベンゼン環、ジベ
ンゾピレン環、コロネン環、フェニルアセチレンマクロ
サイクル環に放射状にヒドロキシ基が置換した化合物が
挙げられる。本発明に用いられる中心部前駆体として好
ましくは、トリフェニレン環にヒドロキシ基が置換し
た、2,3,6,7,10,11−ヘキサヒドロキシト
リフェニレンである。これらを分子の中心部とし、例え
ばアルカノイルオキシ基や、置換ベンゾイルオキシ基が
その側鎖部として放射状に置換された構造によりディス
コティック化合物が形成される。
【0011】側鎖部となりうるカルボン酸を有する側鎖
部前駆体としては、例えば、飽和脂肪酸(例えば、ブタ
ン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン
酸、ノナン酸、デカン酸、ドデカン酸)、4−アルキル
安息香酸(例えばアルキル基として、ブチル、ペンチ
ル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、
ドデシル)、4−アルコキシ安息香酸(例えばアルコキ
シ基として、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキ
シ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、ノニルオキシ、
デシルオキシ、ドデシルオキシ)が挙げられ、分子中に
アリール基、複素環基を含んでいても良い。
【0012】また、C.Hansch, A.Leo, R.W.Taft 著、ケ
ミカルレビュー誌(Chem.Rev.,) 1991年、91巻、
165〜195頁(アメリカ化学会)に記載されている
置換基で置換されていてもよく、代表例としてアルコキ
シ基、アルキル基、アルコキシカルボニル基、ハロゲン
原子が挙げられる。更に分子中に、例えばエーテル基、
エステル基、カルボニル基、チオエーテル基、スルホキ
シド基、スルホニル基、アミド基のような官能基を有し
ていても良い。特に分子中に、酸に弱い官能基、例えば
加水分解または付加反応を生じる官能基、具体的には
α,β−不飽和カルボニル基{例えば、アクリロイル
〔具体的には、例えば、4−アクリロイルオキシブタン
酸、6−アクリロイルオキシヘキサン酸、8−アクリロ
イルオキシオクタン酸、10−アクリロイルオキシデカ
ン酸、4−(アクリロイルオキシブチルオキシ)安息香
酸、4−(6−アクリロイルオキシヘキシルオキシ)安
息香酸、4−(8−アクリロイルオキシオクチルオキ
シ)安息香酸、4−(10−アクリロイルオキシデシル
オキシ)安息香酸〕、メタクリロイル〔具体的には、例
えば、4−メタクリロイルオキシブタン酸、6−メタク
リロイルオキシヘキサン酸、8−メタクリロイルオキシ
オクタン酸、10−メタクリロイルオキシデカン酸、4
−(4−メタクリロイルオキシブチルオキシ)安息香
酸、4−(6−メタクリロイルオキシヘキシルオキシ)
安息香酸、4−(8−メタクリロイルオキシオクチルオ
キシ)安息香酸、4−(10−メタクリロイルオキシデ
シルオキシ)安息香酸〕、クロトノイル}、エノールエ
ーテル基{例えばビニルエーテル〔具体的に例えば、4
−ビニルオキシブタン酸、6−ビニルオキシヘキサン
酸、8−ビニルオキシオクタン酸、10−ビニルオキシ
デカン酸、4−(4−ビニルオキシブチルオキシ)安息
香酸、4−(6−ビニルオキシヘキシルオキシ)安息香
酸、4−(8−ビニルオキシオクチルオキシ)安息香
酸、4−(10−ビニルオキシデシルオキシ)安息香
酸〕}、エポキシ基、アセタール基、シリルエーテル基
を有している場合に好ましい。また、側鎖部前駆体の主
鎖の原子数は、カルボン酸もしくは安息香酸部を除い
て、2〜30個が好ましく、更に好ましくは4〜20個
である。
【0013】混合酸無水物調製時に用いられるカルボン
酸と対をなす酸としては、例えば、炭酸エステル(例え
ば、炭酸モノエチルエステル)、カルボン酸(例えば、
ピバリン酸、トリフルオロ酢酸)、スルホン酸(例え
ば、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸)、無機酸
(例えば、リン酸)が挙げられる。この中で好ましく
は、スルホン酸であり、更に好ましくはメタンスルホン
酸である。また、これらの酸は、酸クロライドの型でカ
ルボン酸と反応させるが、この時用いられる酸クロライ
ドの使用量は、カルボン酸に対して0.9〜1.05当
量、好ましくは1.0当量である。
【0014】混合酸無水物調製時に用いられる溶媒とし
ては、例えば1,2−ジメトキシエタン、1,4−ジオ
キサン、トルエン、テトラヒドロフラン(THF)、酢
酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン(MEK)、
メチルイソブチルケトン(MIBK)、ジメチルホルム
アミド(DMF)、が挙げられるが、この中でも特にテ
トラヒドロフラン(THF)、トルエン、酢酸エチル、
酢酸ブチルが好ましい。すなわち、本発明においては、
非極性溶媒が好ましく、少なくとも一種の非極性溶媒を
反応溶媒として用いることが好ましい。ここで、非極性
溶媒としては、20℃での誘電率が10.0以下のもの
が好ましく、さらに具体的にはエーテル類、芳香族炭化
水素、エステル類、脂肪族炭化水素であって、極性基を
有さない溶媒が好ましく、例えば上記のテトラヒドロフ
ラン(THF)、トルエン、酢酸エチル、酢酸ブチルが
挙げられる。混合酸無水物調製時に用いられる溶媒の少
なくとも一種は上記の溶媒において、水に難溶性の溶媒
が好ましく、水を加えた時に2層に分離する溶媒を使用
するのが好ましい。具体的にはトルエン、酢酸エチル、
酢酸ブチルが挙げられる。
【0015】混合酸無水物調製時に用いられる塩基とし
ては、例えば三級アミン(例えば、トリエチルアミン、
ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリ
ン)、ピリジン類(例えば、ピリジン、ピコリン、ルチ
ジン)が挙げられるが、この中でも特にトリエチルアミ
ン、ジイソプロピルエチルアミンが好ましい。また使用
量は、カルボン酸に対して好ましくは1.0〜2.0当
量、より好ましくは1.0〜1.1当量である。混合酸
無水物調製時の温度は好ましくは−30℃〜15℃、よ
り好ましくは−20℃〜5℃である。混合酸無水物の調
製法としては、例えば、(カルボン酸+アミン+溶媒)
の系に酸クロライドを滴下、(カルボン酸+酸クロライ
ド+溶媒)の系にアミンを滴下、(酸クロライド+溶
媒)の系に、(カルボン酸+アミン+溶媒)を滴下、が
挙げられるが、特に(酸クロライド+溶媒)の系に、
(カルボン酸+アミン+溶媒)を滴下することが好まし
い。混合酸無水物誘導体とヒドロキシ基の反応に用いら
れる塩基としては、例えば三級アミン類(例えば、トリ
エチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチ
ルモルホリン)、ピリジン類(例えば、ピリジン、ピコ
リン、ルチジン)が挙げられるが、好ましくはトリエチ
ルアミン、ジイソプロピルエチルアミンである。
【0016】フェノール性ヒドロキシ基を有する中心部
前駆体は、粉体、懸濁液、溶液の状態で、混合酸無水物
反応液に添加してもよいし、混合酸無水物反応液を添加
してもよい。用いられる溶媒としては、例えば、ジメチ
ルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド
(DMF)、THF、1,2−ジメトキシエタン、1,
4−ジオキサン、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジクロロメ
タン、クロロホルム、アセトンが挙げられるが、好まし
くはDMF、DMSO、THFである。また、エステル
化の反応を促進するために、触媒〔例えば、4−ジメチ
ルアミノピリジン(DMAP)〕を加える方が好まし
い。なお、本発明においては、エステル化の反応溶媒と
しては、前述のような非極性溶媒を少なくとも一種含有
する溶媒が好ましく、テトラヒドロフラン(THF)、
トルエン、酢酸エチル、酢酸ブチルが挙げられる。ま
た、本発明においては、混合酸無水物の調製時の反応液
をそのまま使用するのが好ましい。従って、混合酸無水
物の調製時の反応溶媒が、エステル化の反応溶媒もしく
は反応溶媒の一部となる。
【0017】本発明においては、上述の混合酸無水物誘
導体と中心部前駆体との反応により、エステル化を行う
ことで得られた反応液を吸着剤で処理するものである。
本発明で使用される吸着剤としては、シリカゲル(主成
分SiO)、合成吸着剤(主成分MgO、Al
、SiO)、活性炭、活性白土、アルミナ、イ
オン交換樹脂、吸着樹脂が挙げられるが、好ましくはシ
リカゲル、合成吸着剤である。吸着剤の使用量は、目的
とする円盤状化合物の理論収量1gに対し、0.1g〜
2.0g使用するのが好ましく、0.2g〜1.5gが
より好ましく、0.3g〜1.2gが更に好ましい。本
発明においては、吸着剤は一度に処理するよりも2回以
上に分けて処理(具体的には2回以上の分割添加)する
と特に効果的であり、好ましくは2〜10回、より好ま
しくは2〜5回である。また分割添加時間間隔は等間隔
が好ましい。これらの吸着剤は反応後の反応液に加える
等により、直接反応液を吸着剤で処理しても、また、反
応液と水を混合し、分液された有機層を吸着剤で処理し
ても構わない。ここで、本発明においては、反応液を吸
着剤で処理するとは、これらの両方を含むものである。
本発明においては、反応液と水を混合し、分液された有
機層を吸着剤で処理するのが好ましい。反応液または分
液された有機層を吸着剤で処理する際は、撹拌を行うの
が好ましい。また、吸着剤で処理する時間は30分〜9
0分が好ましく、40分〜80分が更に好ましい。吸着
剤で処理する際は、加熱してもよいが、室温で行うのが
好ましい。ここで、本発明においては、前述の分液され
た有機層は乾燥させた後に吸着剤で処理すると特に効果
的である。乾燥は乾燥剤を使用するのが好ましい。これ
らの乾燥剤としては、無水硫酸マグネシウム、芒硝、モ
レキュラーシーブ、シリカゲルが挙げられるが、無水硫
酸マグネシウム、芒硝が好ましく、特に無水硫酸マグネ
シウムが好ましい。これらの乾燥剤の使用量は、反応液
または分液された有機層1リットルに対し、30g〜8
5gの割合で使用するのが好ましく、また乾燥剤を加え
た後、撹拌するのが好ましい。反応液または分液された
有機層に加えられた乾燥剤は好ましくは20分〜120
分後、より好ましくは30分〜90分後に濾別するのが
好ましい。なお、本発明においては、上記のようにして
吸着剤で処理した後、この処理後の溶液に円盤状化合物
が溶解し難い溶媒を加え、そのまま晶析して取り出すこ
とが好ましく、このような溶媒としてはアルコール系溶
媒が好ましい。アルコール系溶媒としては、好ましくは
メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノ
ール、ブタノール、より好ましくはメタノール、エタノ
ール、特に好ましくはメタノールである。アルコール系
溶媒を加える量は、化合物にもよるが、吸着剤で処理し
た溶液1リットルに対し、0.5リットル〜10リット
ル、より好ましくは1リットル〜8リットルの割合であ
る。晶析する際の温度は10℃〜−15℃が好ましく、
5℃〜−10℃がより好ましい。
【0018】本発明においては、吸着剤をボディーフィ
ードまたは、スパークラー濾過器にプレコートする方法
で利用することが好ましい。
【0019】本発明において、特に好ましく適用される
円盤状化合物としては、以下の一般式(I)で示される
化合物である。一般式(I)
【0020】
【化1】
【0021】ここでRはアシル基を表し、該アシル基と
しては、脂肪族または芳香族アシル基であり、置換基を
有してもよい。これらのアシル基は側鎖部前駆体で説明
したカルボン酸によるアシル基であり、先に述べた説明
中の好ましい範囲および具体的に例示されたものがその
まま当てはめられる。以下に、一般式(I)で表される
化合物の具体例を示す。但し、本発明の範囲はこれらの
みに限定されるものではない。
【0022】
【化2】
【0023】
【化3】
【0024】
【化4】
【0025】
【化5】
【0026】
【化6】
【0027】
【化7】
【0028】
【化8】
【0029】
【化9】
【0030】次に本発明を実施例に基づきさらに詳細に
説明する。
【0031】
【実施例】以下に、本発明に用いられる円盤状化合物の
合成例及び物性測定、さらに該化合物の液晶化合物とし
ての性能及びそれを含む組成物を用いた光学異方性材料
の作成例及びその性能の評価例を記載する。 実施例1.(ディスコティック液晶化合物の合成) 実施例1−1.化合物例No. TP−53の合成 500mlの三ツ口フラスコにメタンスルホニルクロライ
ド17.36g(151.5mmol)、ニトロベンゼン0.2m
l、酢酸ブチル110mlを入れ5℃に冷却し、4−(4
−アクリロイルオキシブチルオキシ)安息香酸40.0
g(151.5mmol)、ジイソプロピルエチルアミン21.
52g(166.5mmol)、ニトロベンゼン0.1mlのTH
F140ml溶液を滴下した。5〜10℃で60分間攪拌
後、ジイソプロピルエチルアミン17.6g(136.2mmo
l)、4−ジメチルアミノピリジン1.86gを添加
し、次いで、2,3,6,7,10,11−ヘキサヒド
ロキシトリフェニレン6.3g(19.4mmol)のTHF9
0ml懸濁液を添加した。室温で18時間攪拌後、反応液
に水を加え抽出した。抽出有機層液を4.6gの無水M
gSO4 で乾燥(60分撹拌)後、濾過した。濾液にシ
リカゲル(和光純薬工業株式会社のワコーゲルC-200)2
0gを3回に分け添加し60分撹拌後、濾過した。濾液
を−5℃に冷却しメタノール468mlを加え結晶化を行
い化合物TP―53 30g(86%)を得た。 化合物TP−53の同定データ1 H-NMR(CDCl3) δ:8.4(s.6H) 、7.9(d.12H)、6.7(d.12
H)、6.4(d.6H) 、6.1(dd.6H)、5.8(d.6H) 、4.2(brs.12
H)、3.9(brs.12H)、1.9(brs.24H) 示差熱分析計(DSC)及び偏光顕微鏡観察による相転
位温度測定 結晶相−175℃−ND 液晶相−210℃−等方性液体
【0032】実施例1−2.実施例1−1.と同様に反
応を行い、反応液に水を加え抽出し、抽出有機層液を
4.6gの無水MgSO4 で乾燥(60分撹拌)後、濾
過した。濾液にアルミナ−シリカ(1:9)混合の合成
吸着剤(協和化学工業株式会社のキョーワード700S
N)14gを2回に分け添加し60分撹拌後、濾過し
た。濾液にメタノール468mlを加え結晶化を行い、実
施例1−1.と同等の化合物を得た。
【0033】実施例1−3.実施例1−1.と同様に反
応を行い、反応液に水を加え抽出し、抽出有機層液を
4.6gの無水MgSO4 で乾燥後(60分撹拌)、濾
過した。濾液にアルミナ(昭和電工株式会社のDN−1
A)25gを3回に分け添加し60分撹拌後、濾過し
た。濾液にメタノール468mlを加え結晶化を行い、実
施例1−1.と同等の化合物を得た。
【0034】実施例1−4.実施例1−1.と同様に反
応を行い、反応液に水を加え抽出し、抽出有機層液を
4.6gの無水MgSO4 で乾燥後(60分撹拌)、濾
過した。濾液に活性炭(武田薬品工業株式会社の白鷺
A)25gを3回に分け添加し60分撹拌後、濾過し
た。濾液にメタノール468mlを加え結晶化を行い、実
施例1−1.と同等の化合物を得た。
【0035】実施例1−5. TP-85 500mlの三ツ口フラスコにメタンスルホニルクロライ
ド17.36g(151.5mmol)、トルエン110mlを入
れ5℃に冷却し、4−(7,8−エポキシオクチルオキ
シ)安息香酸40.0g(151.5mmol)、ジイソプロピ
ルエチルアミン21.52g(166.5mmol)のトルエン
140ml溶液を滴下した。5〜10℃で60分間攪拌
後、ジイソプロピルエチルアミン17.6g(136.2mmo
l)、4−ジメチルアミノピリジン1.86gを添加
し、次いで、2,3,6,7,10,11−ヘキサヒド
ロキシトリフェニレン6.3g(19.4mmol)を添加し
た。室温で18時間攪拌後、反応液に水を加え抽出し
た。抽出有機層液を4.6gの無水MgSO4 で乾燥後
(60分撹拌)、濾過した。濾液にシリカゲル(和光純
薬工業株式会社のワコーゲルC-200)20gを3回に分け
添加し60分撹拌後、濾過した。濾液にメタノール10
00mlを加え結晶化を行い化合物TP―85 28.7g
(82%)を得た。
【0036】TP−85の同定データ IR(cm−1):3050,2940,2850,1740,1605,1580,15
10,1470,1420,13201250,1170,1120,1070,1010,900,840,
760,695 DSC及び偏光顕微鏡観察による相転移温度測定 結晶相 − 114℃ − Nd液晶相 − 220℃ − 等
方性液体
【0037】比較例1.500mlの三ツ口フラスコにメ
タンスルホニルクロライド17.36g(151.5mmo
l)、ニトロベンゼン0.2ml、酢酸ブチル110mlを
入れ5℃に冷却し、4−(4−アクリロイルオキシブチ
ルオキシ)安息香酸40.0g(151.5mmol)、ジイソ
プロピルエチルアミン21.52g(166.5mmol)、ニ
トロベンゼン0.1mlのTHF140ml溶液を滴下し
た。5〜10℃で60分間攪拌後、ジイソプロピルエチ
ルアミン17.6g(136.2mmol)、4−ジメチルアミ
ノピリジン1.86gを添加し、次いで、2,3,6,
7,10,11−ヘキサヒドロキシトリフェニレン6.
3g(19.4mmol)のTHF90ml懸濁液を添加した。室
温で18時間攪拌後、反応液に水を加え抽出した。抽出
有機層液を−5℃に冷却しメタノール468mlを加えて
結晶化を行い化合物TP―53 31.1g(89%)を
得た。
【0038】実施例2.(ディスコティック液晶化合物
の物性測定) HPLC、GPC、NMRでは、実施例1.と比較例1.のディス
コティック液晶化合物の物性差を検出することは困難で
あったが、本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、TL
C測定により物性差を見いだすことが出来た。MERC
H製(5715)シリカゲルプレートに化合物10%濃
度の酢酸エチル溶液をMICROCAPSで4μlスポットし、酢
酸エチルで展開する。このTLCプレートの原点部(ス
ポット部)を下記、クロマトスキャナー測定条件で定量
した結果を下記表1に示す。下記表1の結果から、本発
明の実施例1−1.〜1−4.で得られた化合物はいず
れも、比較例1.で得られた化合物よりも原点部分の積
分値が著しく小さいことがわかる。このことは実施例1
−1.〜1−4.が得られた化合物中の極性の高い不純
物の混入が著しく少ないことを意味している。なお、後
述の実施例4.で示すように、この不純物は位相差膜の
性能を悪化させる。 <クロマトスキャナー測定条件> 機種名:島津製作所 DUAL WAVELENGTH CHROMATO SC
ANNER CS-930 測定波長:λ254nm スキャンモード:ジグザグモ
ード スキャン巾:7mm
【0039】
【表1】
【0040】実施例3.(ディスコティック液晶化合物
を含む組成物とそれを用いた光学異方性材料の作成) [WV−SAの実施例(手塗布作成)] (鹸化処理、及び配向膜の形成)セルロースアセテート
(CA−1)上に1.5規定KOH−イソプロピルアル
コール溶液を25ml/m塗布し、25℃で5秒間乾
燥させた。流水で10秒洗浄し、25℃の空気を吹き付
けることでフィルム表面を乾燥させた。その後、下記の
組成の配向膜塗布液を#16のワイヤーバーコーターで
28ml/m塗布した。60℃の温風で60秒、さら
に90℃の温風で150秒乾燥した。
【0041】 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 配向膜塗布液 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 変性ポリビニルアルコール 20質量部 水 360質量部 メタノール 120質量部 グルタルアルデヒド 0.5質量部 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――
【0042】(光学的異方性層の形成)下記の組成のデ
ィスコティック液晶塗布液を#4のワイヤーバーコータ
ーで塗布し、125℃の高温槽中で3分間加熱し、ディ
スコティック液晶を配向させた後、高圧水銀灯を用いて
UVを500mJ/cm照射し、室温まで放冷して、
光学補償シートKS−1を作成した。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― ディスコティック液晶塗布液 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― ディスコティック液晶化合物 9.1質量部 エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパンアクリレート 0.9質量部 (V#360、大阪有機化学(株)) セルロースアセテートブチレート 0.2質量部 (CAB551−0.2 イーストマンケミカル) セルロースアセテートブチレート 0.05質量部 (CAB531−1 イーストマンケミカル) イルガキュアー907 3.0質量部 カヤキュアーDETX(日本化薬(株)製) 0.1質量部 メチルエチルケトン 25.9質量部 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 光学的異方性層の厚さは、1.8μmであった。
【0043】実施例4.(位相差膜の性能評価) 位相差膜等の光学異方性材料などのディスコティック液
晶化合物性能項目として、液晶相の配向性が重要であ
る。その評価方法として下記に記す「消光値」の測定を
行い、ディスコティック液晶化合物の評価を行った。
【0044】[消光値]クロスニコルに配置した2枚の
偏光板間に、透過率が最小になるように光学補償シート
を配置した時の透過率を測定し、ディスコティック液晶
の配向性の評価を行った。消光値が低いほど配向性が高
いことを表わす。表2の結果から、本発明の実施例1−
1.〜1−4.で得られた化合物はいずれも高い配向性
を示すことがわかる。
【0045】測定波長;550nm パラニコル配置の偏光板の透過率を100%とする。
【0046】
【表2】
【0047】
【発明の効果】本発明の円盤状化合物を製造する方法に
よって、シリカゲル、アルミナ活性炭などの吸着剤で処
理することで、位相差膜等の光学異方性材料などの機能
性材料に有効な性能を著しく向上させることができる。
また、高収率、安価、かつ大量製造に適した生産性のあ
る円盤状化合物の製造方法を提供することができる。本
発明の吸着剤処理円盤化合物はディスコティック液晶用
としての性能が優れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07D 301/00 C07D 301/00 303/27 303/27 (72)発明者 西川 秀幸 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写真 フイルム株式会社内 Fターム(参考) 4C048 AA01 BB08 CC03 4D017 AA03 BA03 CA03 CA05 CA13 CA17 DA07 EA10 EB05 4H006 AA02 AB64 AC48 AD15 AD17 BB14 BB43 BD10 BD60 BD80 BJ50 BP30 KA06

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円盤状化合物の中心部となりうる、フェ
    ノール性ヒドロキシ基を有する中心部前駆体と、側鎖部
    となりうるカルボン酸を有する側鎖部前駆体からエステ
    ル化により円盤状化合物を製造する方法において、側鎖
    部前駆体のカルボン酸部を活性化した混合酸無水物誘導
    体と、中心部前駆体との反応によりエステル化を行うこ
    とで得られた反応液を吸着剤で処理することを特徴とす
    る円盤状化合物の製造方法。
  2. 【請求項2】 反応液に少なくとも一種の非極性溶媒を
    含むことを特徴とする請求項1に記載の円盤状化合物の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 反応液と水とを混合し、分液された有機
    層を吸着剤で処理することを特徴とする請求項1または
    2に記載の円盤状化合物の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記有機層を乾燥させた後に、吸着剤で
    処理することを特徴とする請求項3に記載の円盤状化合
    物の製造方法。
  5. 【請求項5】 吸着剤を2回以上に分割して処理するこ
    とを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の円
    盤状化合物の製造方法。
  6. 【請求項6】 吸着剤をボディーフィードまたは、スパ
    ークラー濾過器にプレコートする方法で利用することを
    特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の円盤状
    化合物の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記混合酸無水物誘導体が、少なくとも
    一種の非極性溶媒を使用して合成または調整されたもの
    であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に
    記載の円盤状化合物の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記エステル化において、少なくとも一
    種の非極性溶媒を使用することを特徴とする請求項1〜
    7のいずれか1項に記載の円盤状化合物の製造方法。
  9. 【請求項9】 吸着剤で処理された溶液とアルコール系
    溶媒とを混合させることにより、晶析することを特徴と
    する請求項1〜8のいずれか1項に記載の円盤状化合物
    の製造方法。
  10. 【請求項10】 円盤状化合物の中心部となりうる、フ
    ェノール性ヒドロキシ基を有する中心部前駆体と、側鎖
    部となりうるカルボン酸を有する側鎖部前駆体からエス
    テル化により円盤状化合物を製造するに当り、前記エス
    テル化を行うことで得られた目的の円盤状化合物を含有
    する反応液を吸着剤で処理して得られることを特徴とす
    る円盤状化合物。
JP2001309790A 2001-10-05 2001-10-05 円盤状化合物の製造方法 Pending JP2003113141A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001309790A JP2003113141A (ja) 2001-10-05 2001-10-05 円盤状化合物の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001309790A JP2003113141A (ja) 2001-10-05 2001-10-05 円盤状化合物の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003113141A true JP2003113141A (ja) 2003-04-18

Family

ID=19128874

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001309790A Pending JP2003113141A (ja) 2001-10-05 2001-10-05 円盤状化合物の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003113141A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005301206A (ja) * 2004-03-19 2005-10-27 Fuji Photo Film Co Ltd 光学異方性材料、液晶表示装置及びトリフェニレン化合物
JP2010030974A (ja) * 2008-07-31 2010-02-12 Nippon Zeon Co Ltd 液晶化合物の製造方法
JP2011057635A (ja) * 2009-09-11 2011-03-24 Nippon Zeon Co Ltd 液晶化合物の製造方法
WO2013189171A1 (zh) * 2012-06-21 2013-12-27 江苏和成显示科技股份有限公司 苯并菲衍生物及其应用
WO2018110529A1 (ja) * 2016-12-16 2018-06-21 Dic株式会社 表示素子用封止材料組成物、及び、それを用いた表示素子

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005301206A (ja) * 2004-03-19 2005-10-27 Fuji Photo Film Co Ltd 光学異方性材料、液晶表示装置及びトリフェニレン化合物
US7968155B2 (en) 2004-03-19 2011-06-28 Fujifilm Corporation Optically anisotropic material, liquid crystal display device and triphenylene compound
JP2010030974A (ja) * 2008-07-31 2010-02-12 Nippon Zeon Co Ltd 液晶化合物の製造方法
JP2011057635A (ja) * 2009-09-11 2011-03-24 Nippon Zeon Co Ltd 液晶化合物の製造方法
WO2013189171A1 (zh) * 2012-06-21 2013-12-27 江苏和成显示科技股份有限公司 苯并菲衍生物及其应用
US9273246B2 (en) 2012-06-21 2016-03-01 Jiangsu Hecheng Display Technology Co., Ltd. Triphenylene derivative and use thereof
WO2018110529A1 (ja) * 2016-12-16 2018-06-21 Dic株式会社 表示素子用封止材料組成物、及び、それを用いた表示素子
JPWO2018110529A1 (ja) * 2016-12-16 2019-08-08 Dic株式会社 表示素子用封止材料組成物、及び、それを用いた表示素子

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6744962B2 (ja) 化合物、光学フィルム及び光学フィルムの製造方法
TWI465552B (zh) A polymerizable liquid crystal compound, a polymerizable liquid crystal composition, a liquid crystalline polymer, and an optical anisotropy
JP4484877B2 (ja) アセナフト[1,2−b]キノキサリンのスルホ誘導体、それに基づくリオトロピック液晶および異方性フィルム
US5780629A (en) Polymerizable, chiral compounds and their use
CN103582626B (zh) 聚合性化合物、聚合性组合物、高分子以及光学各向异性体
CN104995219A (zh) 聚合性化合物、聚合性组合物、高分子、以及光学各向异性体
US20110186777A1 (en) Polymerizable chiral compound, polymerizable liquid crystal composition, liquid crystal polymer and optically anisotropic body
JPH09316127A (ja) エステル置換ポリビニルアルコールの製造方法およびそれを用いた薄膜
JP2003113141A (ja) 円盤状化合物の製造方法
CN102791749B (zh) 聚合性手性化合物、聚合性液晶组合物、液晶性高分子及光学各向导性体
JPH07258170A (ja) 新規なトリフエニレン誘導体
JPH07309807A (ja) 新規なトリフエニレン誘導体
CN100400532C (zh) 手性3,4-二氢-2h-吡喃化合物
CN109096188B (zh) 一类含有4‐(对联苯乙炔基)‐1,8‐萘酐的化合物,其制备方法及应用
JPH0995467A (ja) 円盤状化合物の製造方法
JP6086512B2 (ja) 新規ポリ(ジフェニルアセチレン)化合物及びその製造方法、並びにその光学異性体分離剤としての用途
CN106478658A (zh) 苯并恶唑并恶嗪酮类化合物wa1-089的晶型d及其制备方法
JP2009234973A (ja) ディスコティック液晶化合物の精製方法
JP5277776B2 (ja) 液晶化合物の製造方法
CN109529794B (zh) 光学纯扁桃酸衍生物-纤维素手性固定相、制备方法及应用
CN109516973A (zh) 取代嘧啶类化合物、其制备方法及用途
JP2005255578A (ja) 化合物、液晶組成物および光学材料
Mathew et al. Synthesis and characterisation of novel 2, 4-diphenyloxazole derivatives and evaluation of their in vitro antioxidant and anticancer activity
JP7306103B2 (ja) ジカルボン酸モノエステルの製造方法
JPS6328418B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040305

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20061205

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080327

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080408

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20080606

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20080611

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080707

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080805