JP2003111858A - 防火防煙区画形成システム - Google Patents

防火防煙区画形成システム

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JP2003111858A
JP2003111858A JP2001308195A JP2001308195A JP2003111858A JP 2003111858 A JP2003111858 A JP 2003111858A JP 2001308195 A JP2001308195 A JP 2001308195A JP 2001308195 A JP2001308195 A JP 2001308195A JP 2003111858 A JP2003111858 A JP 2003111858A
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smoke
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curtain
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Toru Uetake
徹 植竹
Kenji Yoshida
憲司 吉田
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Bunka Shutter Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 建物内への設置が容易であり、区画形成後も
避難者が迅速に避難可能な避難通路を確保できるように
する。 【解決手段】 建物内の空間に複数の区画を形成した
り、建物の内と外とを区画するために、エアカーテンと
ウォーターミストカーテンを用いるようにしたものであ
る。エアカーテンは、吹出し口から吹出される気体によ
って形成されるものであり、これによって火災側から非
火災側への煙の流動を抑制する。ウォーターミストカー
テンは、平均粒径が40〜400ミクロン(ザウター平
均粒径)の水粒子を噴霧ノズルから膜状に噴霧すること
によって形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ビル等の建物内部
で発生した火災の延焼や煙の拡散を防止するために建物
内部の通路などの空間を区画したり、隣接建物に対して
区画する防火防煙区画形成システムに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、床面積の大きいビル等の建物内
部の通路などには、火災発生時の延焼や煙の拡散を防止
するために火災発生と同時に自動的に閉じるシート状又
はシャッター状の防火カーテンなどの遮蔽部材を用い
て、柱、壁、床などと共に3次元的に囲まれた空間、す
なわち防火防煙区画を形成するように動作する防火防煙
区画形成システムが備え付けられている。
【0003】図1及び図2は、この防火防煙区画形成シ
ステムの概略構成を示す図であり、図1は防火防煙区画
形成システムを側面側から見た図であり、図2はこれを
正面側から見た図である。図1の防火防煙区画形成シス
テムに用いられている遮蔽装置は、防火カーテン装置で
ある。防火カーテン装置は、基本的にブラケット11,
12、巻取シャフト13、スラットカーテン14から構
成される。なお、図2では、同じ構成の防火カーテン装
置が2台隣設されたものが示されているので、その一つ
について説明する。防火カーテン装置はこれ以外にも、
自動閉鎖装置などの構成部品を有することが従来から知
られているのでその詳細は省略する。ブラケット11,
12は、建物内の柱21と柱(図示せず)との間の上階
スラブ23側に形成されている梁24の側面(図2では
前面側)に取り付けられている。巻取シャフト13は、
ブラケット11,12間に回転可能に取り付けられてい
る。スラットカーテン14は、巻取シャフト13に取り
付けられており、図示していない自動閉鎖装置によって
スラットカーテン14が降下する。
【0004】スラットカーテン14,14aの出入口と
なる天井25に形成されたスリット状の開口部の両側に
はまぐさ26が設けられている。また、柱21の側面に
はスラットカーテン14の案内となる中柱であるガイド
レール15が設けられており、天井25とスラブ20と
の間には、スラットカーテン14とその隣に隣設された
のスラットカーテン14aの案内となるガイドレール1
6が設けられている。スラットカーテン14は、ガイド
レール15,16に沿ってまぐさ26を介して上昇下降
するようになっている。スラットカーテン14が巻取シ
ャフト13に巻き取られている状態が通常の状態であ
る。通常の状態の時にスラットカーテン14の最下部の
座板がまぐさ26と略同じ高さに位置しており、火災が
発生すると、防火カーテン装置は、煙感知器(又は熱感
知器)27,28からの信号に対応してスラットカーテ
ン14を自動的に下降させ、柱21、天井25、スラブ
20によって形成される開口部空間を閉鎖する。なお、
図1では、ガイドレール16の図示は省略してあり、図
2では、天井25は点線で示してある。また、図1はス
ラットカーテン14の全閉状態を示し、図2は半閉状態
を示している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来は、図1及び図2
に示すように防火カーテン装置を用いて防火防煙区画を
形成していた。ところが、防火カーテン装置のシャッタ
ーの1連の開口幅には限界があるので、建物内の開口部
の幅が大きい場合にはそこに複数の防火カーテン装置が
設置され、それに伴って図2のガイドレール16のよう
な中柱も設置されるようになり、意匠上や物品(商品な
ど)配列あるいは通路を通過したり、物品を移動する上
で障害となるなどの観点から好ましくなかった。また、
防火カーテン装置は、通常は鋼鉄製であり、重量が大き
くスパンの大きな建物には構造的な負担が多かった。ま
た、防火カーテン装置を天井25の上部に収納する場
合、その納まり高さはスラットカーテン14を巻き回す
ことのできるだけの大きさが必要である。従って、天井
25上部の納まり高さが小さかったり、開口部の高さが
大きく巻き回しの直径が大きい場合には、防火カーテン
装置自体を天井25上部に収納することができなくなる
ため、シャッターボックス部分が下がったような天井と
なり、意匠上好ましくなかった。また、防火カーテン装
置は巻き回しの直径が大きいために、特に物販店舗にお
いては、天井懐部に設置する空調のためのダクトを防火
カーテン部分に貫通させることが物理的に困難で、防火
カーテン部分を避けてダクトを配置しなければならず、
配管長さが長くなるだけでなく、空調の負荷も大きくな
ってしまっていた。
【0006】また、従来は、図1及び図2に示すように
防火カーテン装置を用いて防火防煙区画を形成している
ので、区画形成後は防火カーテン装置の近傍に設けられ
た避難用の防火戸やスラットカーテン自体に設けられた
避難用の通過可能な扉やスリットなどを避難者の避難通
路として確保していた。ところが、避難者が多数存在す
る建物などでは、大スパンを一度に防火防煙区画で閉鎖
してしまうと、避難通路を介しての避難に時間がかかっ
てしまうことがあった。防火戸や扉、スリットなどは、
床面に対して段差を有するので、車椅子などの通過に対
しては障害となる場合もあった。また、火災の発生に応
じて防火防煙区画を形成したにも関わらず、避難通路を
介して火災側の煙が進入してしまい、防火防煙区画を形
成した意味が失われてしまうことがあった。
【0007】本発明の目的は、建物内への設置が容易で
あり、区画形成後も避難者が迅速に避難可能な避難通路
を確保することのできる防火防煙区画形成システムを提
供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る防火防煙
区画形成システムは、建物の一部に設けられた吹出し口
から気体を吹出してエアカーテンを形成し、前記エアカ
ーテンによって、前記建物内の空間を複数の区画に仕切
る、又は前記建物の内外を仕切る第1の区画形成手段
と、前記第1の区画形成手段に隣接するように前記建物
の一部に設けられた噴霧ノズルから水粒子を噴霧するこ
とによって前記エアカーテンに並行にウォーターミスト
カーテンを形成する第2の区画形成手段とを備えたもの
である。防火防煙区画形成システムは、建物内の火災に
対して、火災による損害を防止するために設けられた
り、隣接する建物に対して延焼しないようにするために
設けられるものである。この発明では、建物内の空間に
複数の区画を形成したり、建物の内と外とを区画するた
めに、エアカーテンとウォーターミストカーテンを用い
るようにしたものである。エアカーテンは、吹出し口か
ら吹出される気体によって形成されるものであり、これ
によって火災側から非火災側への煙の流動を抑制する。
ウォーターミストカーテンは、平均粒径が40〜400
ミクロン(ザウター平均粒径)の水粒子を噴霧ノズルか
ら膜状に噴霧することによって形成されるものなので、
空中の水微粒子が気化しやすくなり、その気化によって
火災による輻射熱を有効に遮熱することができる。ま
た、水微粒子の気化によって防火防煙区画内の酸素濃度
が低下するので、可燃物への着火を抑制する働きがあ
る。さらに、水粒子に接触した煙粒子は、水粒子に吸着
され、消煙される。エアカーテンは気体の吹出し口を建
物の一部に設けるだけでよく、ウォーターミストカーテ
ンは噴霧ノズルを建物の一部に設けるだけでよいので、
建物内への設置が容易である。また、区画の境界にはエ
アカーテンとウォーターミストカーテンが存在するだけ
なので、避難者は通過時になんの障害もなくスムーズに
避難を行なうことができる。また、段差もなく車椅子な
どでもスムーズに通過することができる。なお、エアカ
ーテン形成用の気体に冷却用ガスを用いることで、火災
側の熱が非火災側に伝達するのを防止する防炎性(遮炎
性/遮熱性)、防煙性(遮煙性)の各性能も向上させる
ことができる。なお、本願明細書中で、防火防煙区画形
成システムと言うときは、防火を目的とする場合、防煙
を目的とする場合、防火防煙の両方を目的とする場合を
含むものとする。
【0009】請求項2に係る防火防煙区画形成システム
は、請求項1において、前記第1の区画形成手段が、前
記吹出し口を前記建物の天井部に有し、天井部から床面
に向かって気体を吹出すものである。これは、気体を天
井部に設けられた吹出し口から下方向の床面に向かって
吹出してエアカーテンを形成するようにしたものであ
る。なお、開口幅が小さい場合は、柱や側壁なのに吹出
し口を設け、それから気体を吹出してエアカーテンを形
成するようにしてもよい。
【0010】請求項3に係る防火防煙区画形成システム
は、請求項2において、前記第1の区画形成手段が、前
記吹出し口から吹出された前記気体を前記建物の床面に
設けられた排出口から排出するものである。これは、床
面にエアカーテン用気体の排出口を設け、煙の遮断性能
を向上させるようにしたものである。従って、比較的高
い煙遮断性能を求めない場合には排出口を設けることな
く、請求項2のように気体の吹出し口だけを設ければよ
い。
【0011】請求項4に係る防火防煙区画形成システム
は、請求項2において、前記第2の区画形成手段が、前
記噴霧ノズルを前記吹出し口に沿って並列に、前記吹出
し口を挟むように前記建物の天井部に複数備えたもので
ある。これは、ウォーターミストカーテンを形成するた
めの噴霧ノズルの配置に関するものであり、複数の噴霧
ノズルを吹出し口の前後に並べて配列したものである。
なお、2重のエアカーテンが形成された場合には、この
2重のエアカーテンを一つのエアカーテンと見なしてそ
の前後に噴霧ノズルを配置することになる。
【0012】請求項5に係る防火防煙区画形成システム
は、請求項2、3又は4において、前記吹出し口が、前
記建物の天井部に並行に設けられた2重の開口部から構
成されるものである。これは2重の開口部から気体を吹
出して、エアカーテンを2重とし、エアカーテンの層を
厚くして煙の遮断性能を高めたものである。
【0013】請求項6に係る防火防煙区画形成システム
は、請求項5において、前記2重の開口部の間にだけ前
記第2の区画形成手段を設けたものである。これは、エ
アカーテンを2重にした場合の噴出ノズルの配置に関す
るものであり、2重のエアカーテンの中間部だけにウォ
ーターミストカーテンを形成するようにしたものであ
る。
【0014】請求項7に係る防火防煙区画形成システム
は、請求項4において、前記第2の区画形成手段が、少
なくとも火災側に位置する噴霧ノズルから水粒子を噴霧
するものである。これは、なるべく火災側の噴霧ノズル
から水粒子を噴霧するようにしたものであり、これによ
って火災が瞬時に室内に拡大するフラッシュオーバー現
象を遅延させることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に従って本発明に
係る防火防煙区画形成システムの好ましい実施の形態に
ついて説明する。図3及び図4は、この発明の実施の形
態に係る防火防煙区画形成システムの構成を示す図であ
り、図3は、この防火防煙区画形成システムの開口部を
正面から見た図であり、図4は噴霧ノズルとガス放出口
との関係を側面から見た一部断面図である。図に示すよ
うに開口部の前後であって建物上方の天井25に噴霧ノ
ズル130〜139を有すると共に天井25及びスラブ
20のそれぞれ上下に対向する位置にガス放出口141
及びガス排出口142を有するものである。この防火防
煙区画形成システムの近傍には煙感知器(又は熱感知
器)27,28が設けられている。
【0016】天井25の下面であって、噴霧ノズル13
0〜134と噴霧ノズル135〜139との間にはガス
放出口141が設けられている。ガス放出口141に
は、排出されるガスを整流するための整流子が設けられ
ている。天井25と上階スラブ23との間の空間には、
ガス放出口141に冷却用ガスを導入するためのガス導
入ダクト143が配設されている。床スラブ20の上面
であって、ガス放出口141の下側にはガス排出口14
2が設けられている。ガス排出口142には、グレーチ
ング床板のような隙間がスリット状に開いたものが設け
られている。床スラブ20の下側空間には、ガス排出口
142に導入されるガスを排出するためのガス排出ダス
ト144が配設されている。なお、ガス放出口141と
ガス排出口142は、上下方向でそれぞれ対向して配置
されており、左側の火災側から右側の非火災側への空気
の流れを遮断するエアカーテン146として機能する。
空気の流れが遮断されるということは、煙の進入も遮断
される。また、ガス放出口141から吹き出されるガス
は冷却用ガスなので、火災側の熱が非火災側の可燃物に
伝達するのを遮断する遮熱機能もある。
【0017】火災が発生し、可燃物145が燃焼してい
ると仮定すると、防火防煙区画形成システムは、煙感知
器(又は熱感知器)27からの信号に対応してガス導入
ダクト143を介して冷却用ガスをガス放出口141か
ら吹き出し、エアカーテン146を形成する。気温の上
昇したガスはガス排出口142及びガス排出ダクト14
4を介して外部に排出される。これと同時に、火災側の
噴霧ノズル130〜134からは水粒子が噴霧され、ウ
ォーターミストカーテン147が形成される。これによ
って、可燃物145の燃焼煙が開口部を介して反対側の
非火災側区画に進入することは極力少なくなり、また、
可燃物145の燃焼熱による影響も非火災側の可燃物に
は伝わり難くなる。なお、このときにガス放出口141
から吹き出す冷却用のガスとして一般的には空気が用い
られるが、建物の室用途に応じて例えば、二酸化炭素の
ような不活性ガスやハロゲンガスなどを吹き出すように
してもよい。なお、不活性ガスやハロゲンガスなどは、
別の設備室のボンベに収納されたものがガス導入ダクト
143を介して供給されるような構造になっていてもよ
いし、天井25の上部、上階スラブ23の下部又はスラ
ブ20の下部に設置されたボンベから供給されるように
なっていてもよい。また、ガスの放出は、ガス温度を検
知する感知器を天井や柱、壁面などに設け、排出される
ガスの温度が所定の以下となるようにガスの放出量を調
整するような制御システムを設けてもよい。
【0018】この噴霧ノズル130〜139には、水供
給管148,149を介して所定圧力の水が供給される
ようになっている。水供給管148,149は、市水給
水本管などから供給される所定圧力の水を噴霧ノズル1
30〜139に供給しても良いし、ポンプにより加圧し
てもよく、この途中に電磁バルブ(図示せず)などが設
けられている。電磁バルブは、制御信号に応じて、噴霧
ノズル130〜139に対して水の供給をオン・オフ制
御するものであり、オン時間の長さによってウォーター
ミストの噴霧量を適宜調節することができる。また、水
は別の設備室の貯水槽に貯水されたものを加圧ポンプで
所定圧力にして水供給管148,149に供給するよう
にしてもよいし、天井25の上部、上階スラブ23の下
部又はスラブ20の下部に貯水槽を設置し、そこから供
給するようにしてもよい。このように、噴霧ノズル13
0〜139から継続的に水粒子が噴霧してエアカーテン
146の前面にウォーターミストカーテン147の層が
形成される。このとき、発生した水は床面のガス放出口
142及びガス導入ダクト144をドレーンとして外部
に流出されるので、この防火防煙区画から他の区画や階
下に水が漏れないようになっている。また、噴霧ノズル
130〜139から噴霧される水粒子が粒径40〜40
0ミクロンのウォーターミストなので、空中の水微粒子
が気化しやすくなり、その気化によって火災による輻射
熱を有効に遮熱することができるようになる。本願にお
いて粒径とはザウター平均粒径を指す。このザウター平
均粒径について説明する。サンプリングした噴霧粒群を
計測して、直径xi(x1−Δx〜x1+Δx)の粒子
の個数がΔniであったとすれば、噴霧の総体積はΣx
3 Δniに比例し、総表面積はΣxi2 Δniに比例
する。表面積基準の平均粒径は噴霧の総体積を総表面積
で除した値(Σxi3 Δni/Σxi2 Δni)で表さ
れる。また、水微粒子の気化によって防火防煙区画内の
酸素濃度が低下するので、可燃物への着火を抑制する働
きがある。このような不活性ガス、ハロゲンガス、ウォ
ーターミストによる水微粒子などの放出又は噴霧につい
ては、建物内に配置される可燃物の種類等に応じた適当
なものを適宜選択的に設置すればよい。これによって防
火区間を跨がる延焼を有効に防止できると共に人が避難
する上でも障害物やドアの開閉などを行なう必要がない
ので非常に有効である。
【0019】次に、この実施の形態に係る防火防煙区画
形成システムの変形例について図5〜図9を用いて説明
する。図5〜図9は、噴霧ノズルとガス放出口との関係
を側面から見た一部断面図である。図5は、ガス放出口
すなわちエアカーテンを二重に設けた防火防煙区画形成
システムの概略構成を示す図である。図から明かなよう
に、梁24を挟むようにガス放出口151,152が設
けられ、床スラブ20側にはガス放出口151,152
に対向するように一つのガス排出口153が設けられて
いる。すなわち、天井25の下面であって、噴霧ノズル
130〜134と噴霧ノズル135〜139との間にガ
ス放出口151,152が設けられている。ガス放出口
151,152には、それぞれ排出されるガスを整流す
るための整流子が設けられている。天井25と上階スラ
ブ23との間の空間には、ガス放出口151に冷却用ガ
スを導入するためのガス導入ダクト154が配設されて
おり、同じくガス放出口152に冷却用ガスを導入する
ためのガス導入ダクト155が配設されている。床スラ
ブ20の上面であって、ガス放出口151,152の下
側にはガス排出口153が設けられている。ガス排出口
153には、グレーチングのような隙間がスリット状に
開いたものが設けられている。床スラブ20の下側空間
には、ガス排出口153に導入されるガスを排出するた
めのガス排出ダスト156が配設されている。なお、ガ
ス放出口151,152とガス排出口153とは、上下
方向でそれぞれ対向して配置されており、ガス排出口1
53は、二つのガス放出口151,152に相当する面
積の開口を有することになる。なお、ガス放出口15
1,152にそれぞれ対応したガス排出口を二つ設けて
もよい。これによって、左側の火災側から右側の非火災
側への空気の流れを遮断するために二重のエアカーテン
157,158が形成されることになり、煙の進入を有
効に遮断することができる。また、ガス放出口151,
152から吹き出されるガスは冷却用ガスなので、火災
側の熱が非火災側の可燃物に伝達するのを遮断する遮熱
効果も倍増する。このように冷却用ガスによってできる
エアカーテンを二重としたことによって、可燃物145
からの輻射熱を2枚のエアカーテン157,158によ
って有効に遮蔽することができる。また、エアカーテン
自体に、避難等のための扉などを設ける必要がないの
で、避難者の避難がスムーズに行なえる。なお、図4〜
図9の実施の形態では、火災側の噴霧ノズル130〜1
34から水粒子を噴霧する場合について説明したが、火
災側及び非火災側の両方の噴霧ノズル130〜139か
ら水粒子を噴霧するようにしてもよい。
【0020】図6は、図4の変形例を示す図である。図
6において、図4と同じ構成のものには同一の符号が付
してあるので、その説明は省略する。図6のものが図4
のものと異なる点は、図4のガス排出口142とガス排
出ダスト144を省略し、ガス放出口141から吹き出
すガスを床スラブ20の上面に吹き当てるようにした点
である。すなわち、エアカーテンを形成するのに、ガス
放出口141からガスを吹き出すだけの吹き出し専用方
式を採用したものである。
【0021】図7は、図5の変形例を示す図である。図
7において、図5と同じ構成のものには同一の符号が付
してあるので、その説明は省略する。図7のものが図5
のものと異なる点は、図5のガス排出口153とガス排
出ダスト156を省略し、ガス放出口151,152か
ら吹き出すガスを床スラブ20の上面に吹き当てるよう
にした点である。すなわち、図6と同様にエアカーテン
を形成するのに、ガス放出口151,152からガスを
吹き出すだけの吹き出し専用方式を採用したものであ
る。
【0022】図8は、図5の変形例を示す図である。図
8において、図5と同じ構成のものには同一の符号が付
してあるので、その説明は省略する。図8のものが図5
のものと異なる点は、ガス放出口151とガス放出口1
52との間のほぼ中間位置に、噴霧ノズル180〜18
4を設けた点である。このように、二重のエアカーテン
の中央に水粒子を噴霧することによって、二重のエアカ
ーテン157,158の間にウォーターミストカーテン
185を形成することができるので、遮熱効果が格段に
向上する。なお、噴霧ノズル130〜134、噴霧ノズ
ル180〜184及び噴霧ノズル135〜139を千鳥
状に配列することによって、ウォーターミストカーテン
147,185のミストの密度を均一にすることができ
ると共にノズル近傍における天井25との間にできる空
隙部分を極力小さくすることが可能となり、ウォーター
ミストカーテンとしての効果を向上させることができ
る。なお、図8では、火災側の噴霧ノズル130〜13
4と中央部の噴霧ノズル180〜184から水粒子を噴
霧しているが、全ての噴霧ノズル130〜139,18
0〜184から水粒子を噴霧するようにしてもよい。
【0023】図9は、図8の変形例を示す図である。図
9において、図8と同じ構成のものには同一の符号が付
してあるので、その説明は省略する。図9のものが図8
のものと異なる点は、ガス放出口151とガス放出口1
52との間のほぼ中間位置に、噴霧ノズル180〜18
4を設け、両側の噴霧ノズル130〜139を省略した
点である。このように、二重のエアカーテンの中央に水
粒子を噴霧することによって、二重のエアカーテン15
7,158の間にウォーターミストカーテン185を形
成することができるので、水粒子が区画内に散乱しない
ので、水害による被害が少なくなる。なお、図9の場合
も図6及び図7に示すようにガス排出口とガス排出ダス
トを省略し、ガス放出口151,152から吹き出すガ
スを床スラブ20の上面に吹き当てるようにしてもよ
い。
【0024】上述の実施の形態のように、図3〜図9の
防火防煙区画形成システムだけを用いて区画を形成する
場合には、煙感知器に連動して、エアカーテンが形成さ
れ、煙感知器又は熱感知器に連動してウォーターミスト
カーテンが形成されるようにするとよい。なお、この場
合、ウォーターミストカーテンを形成する噴霧ノズルは
火災の発生するおそれのある部屋の側に設ける。また、
防火区画の両側が火災の発生するおそれがある場合に
は、両側に設ける。そして、ウォーターミストカーテン
の形成は、火災側だけとしたり、火災側と非火災側の両
方としてもよい。
【0025】また、上述の実施の形態では、噴霧ノズル
は、水粒子の膜を形成するために、ノズルを一定間隔で
設置し、噴霧ノズルから噴霧される水粒子の膜同士が重
なるようにしているが、天井部付近では隣接噴霧ノズル
から噴霧された水粒子の膜同士が重ならない個所が若干
存在することがある。このような場合には、1個所に噴
霧ノズルを複数設け、それぞれの噴霧ノズルの噴霧角度
を異ならせる。すなわち、1個所に噴霧ノズルを2個設
け、一方の噴霧ノズルは垂直に対して左45度の角度で
噴霧し、他方の噴霧ノズルは垂直に対して右45度の角
度で噴霧するように設置する。これによって、前述の膜
同士の重ならない個所をなくすことが可能となる。
【0026】さらに、上述の実施の形態では、天井から
床面すなわち上方から下方に向かってガスと水粒子など
を放出及び噴霧する場合について説明したが、これとは
逆に床面から天井すなわち下方から上方に向かってガス
と水粒子などを放出及び噴霧するようにしてもよい。ま
た、天井及び床面の両方からガスと水粒子などを放出及
び噴霧する、いわゆる吹き出し口を二方向吹き出し型と
してもよい。これは、開口部の間口が大きい場合、両方
向から吹き出すことによって吹き出しガスのばらつきを
少なくすることができる。また、上述の実施の形態で
は、ガス放出口及び噴霧ノズルを天井側に設ける場合に
ついて説明したが、開口部の両側に柱が存在する場合に
は、その柱の側面に設けても良いし、天井と柱の側面、
天井と床面と柱の側面の3方向に設けても良い。このよ
うにガス放出口及び噴霧ノズルが天井以外に設けられる
場合には、ガスや水粒子の放出及び噴霧方向は、下から
上方に向かったり、上から下方に向かったり様々であ
る。また、ガス放出口及び/又はノズルを柱側面及び/
又は床面に設けても良い。なお、ガス排出口は床面側に
設けるのが望ましいが、床面近傍であれば柱の側面に設
けてもよい。
【0027】上述の実施の形態では、開口部全体にエア
カーテンとウォーターミストカーテンを設ける場合につ
いて説明したが、開口部の一部にエアカーテン及びウォ
ーターミストカーテンを用いた防火防煙区画形成システ
ムを用いるようにしてもよい。すなわち、エアカーテン
及びウォーターミストカーテンを用いた防火防煙区画形
成システムを避難口などとして用い、それ以外は通常の
防火カーテン装置などの遮蔽部材を用いて区画を形成す
るようにする。以下、火災発生時に建物内部から横引き
方式で移動してくるパネルを用いて防火防煙区画形成シ
ステムを用いる場合について説明する。
【0028】図10及び図11は、この防火防煙区画形
成システムの応用例を示す図である。図10は火災発生
前及び発生直後における状態を示す図であり、図11は
火災発生後であって防火防煙区画形成後の状態や変形例
を示す図である。この実施の形態に係る防火防煙区画形
成システムは、図に示すように遮蔽部材が戸袋に収納さ
れた複数のパネルで構成されており、火災発生後にこれ
らのパネルが移動して、開口部を閉鎖するように動作す
るものである。パネルは、遮熱性能が高くて、中柱など
の設置が不要であり、複数の遮蔽部材を用いた場合でも
区画外への煙の進入を有効に防止することができる。
【0029】図10において、複数のパネル31〜36
は、戸袋37,38内に収納保管されている。図10
(A)では、パネル31〜36が開口部30の両側の壁
に並べられて、閉鎖開始直前の状態が示されている。開
口部30の両側面及び上面には、複数のミスト噴霧ノズ
ル41〜44が設置されている。これらの噴霧ノズル4
1〜44から噴霧される水粒子は粒径が約40〜400
ミクロンのウォーターミストである。なお、図示してい
ないが、開口部30の上面及び下面には、ガス放出口や
ガス排出口を有し、エアカーテンが形成されるようにな
っている。この場合のガス放出口やガス排出口の構成
は、遮蔽部材となるパネルを挟んで両側にガス放出口す
なわちエアカーテンを二重に設けた図5、図7のような
防火防煙区画形成システムである。
【0030】噴霧ノズル41は、開口部30の左側側面
に沿って設けられ、パネル31〜36によって開口部が
閉鎖された後にパネル33と建物壁面との間に形成され
る隙間に向かって水粒子を噴霧する。噴霧ノズル42
は、開口部の右側側面に沿って設けられ、パネル閉鎖後
のパネル36と建物壁面との間に形成される隙間に向か
って水粒子を噴霧する。噴霧ノズル43は、開口部30
の上面側面に沿って設けられ、パネル閉鎖後の各パネル
31〜36と建物壁面の上部側との間に形成される隙間
に向かって水粒子を噴霧する。
【0031】噴霧ノズル44は、図5の噴霧ノズル13
0〜134と同様のものであり、開口部30の上面側面
に沿って設けられ、かつ開口部30に防火防煙用のウォ
ーターミストカーテンを形成するように水粒子を噴霧す
るものである。なお、開口部30を閉鎖後にパネル31
〜36に対して水粒子を噴霧し、パネル全面を冷却する
ことも可能である。図では、開口部30の前面側に存在
する噴霧ノズル41〜44のみが示してあるが、開口部
30の裏面側にも同様のものが存在する。パネル31〜
36のうち、隣接するパネル同士は、その接触端部に凹
凸が存在し、密閉され、隙間が発生しない構造となって
いるので、煙などはパネル31〜36の間を通過するこ
とが少なくなっている。従って、噴霧ノズル41〜43
は、図示のように複数の開口部30の周囲すなわち閉鎖
後のパネル群31〜36を全体的に囲むような位置に設
けられ、パネル同士の間には設けられてない。なお、図
では、パネル31〜6の下面側には設けてないが、設け
てもよい。ただし、煙は下側よりも上側の隙間を介して
進入しようとするので、図のようなものでも十分に遮煙
の効果はある。
【0032】図10(B)では、火災発生後、煙感知器
又は熱感知器が火災を感知すると、噴霧ノズル44から
水粒子が噴霧され、ウォーターミストカーテンが形成さ
れると共に図示していないガス放出口から気体が放出さ
れエアカーテンが開口部30の前後に形成される。
【0033】図11(A)では、全ての避難者が避難完
了するであろう時間を予めタイマー等に設定しておき、
その避難完了時間が経過した時点で出力されるタイマー
信号に基づいて、パネル31〜36を移動させて、開口
部30を完全に閉鎖する。パネル31〜36は戸袋3
7,38から開口部30の周辺に設置された上部レール
及び/又は下部レール等(図示せず)に沿って閉鎖動作
を行い、開口部30を閉鎖する。これらのパネル31〜
36の動力は、カウンタウェイト、モーター等の動力、
若しくは移動レールの傾斜によるパネル自重によって動
作開始するようになっている。なお、パネルの枚数は開
口部30の幅に併せて、増減可能であり、大きい開口部
にも自由に対応させることが可能である。また、パネル
は分割、連結等を自在に組み合わせることが可能な構成
となっている。なお、防災センターからの指示信号に応
じて、又は熱感知器等からの感知信号に応じてこの閉鎖
動作を開始するようにしてもよい。なお、完全に開口部
30が閉鎖されるまで、噴霧ノズル44からは水粒子が
噴霧され、ガス放出口からは気体が放出される。そし
て、開口部30が完全に閉鎖した時点で、噴霧ノズル4
4からの水粒子の噴霧及びガス放出口からの気体の放出
を停止、噴霧ノズル41〜43がパネル31〜36と壁
面との間の各隙間部分に水粒子を噴霧し、その噴霧圧力
によって火災側からの煙が非火災側に進入するのを防止
すると共にミスト粒子によって煙を吸着消煙し、煙の拡
散を防止する。
【0034】図11(B)では、タイマーの作動に応じ
て、防災センターからの指示信号に応じて、又は熱感知
器等からの感知信号に応じて噴霧ノズル41〜43とは
別に、噴霧ノズル44がパネル31〜36の全面に渡っ
て水粒子を噴霧する。これによって、少量の水でパネル
31〜36の加熱を防止し、火災終了時まで火災側から
非火災側への延焼の可能性を小さくすることができる。
なお、ガス放出口から冷却用のガスを放出するようにし
てもよい。
【0035】図11(C)では、パネル32,35に非
常避難口となる潜り戸が設けられており、その他の区画
に避難することができるようになっている。この場合、
潜り戸が開放された場合に、噴霧ノズル44から噴霧さ
れている水粒子のウォーターミストカーテン及び/又は
ガス放出口から放出されている気体のエアカーテンの働
きによって、潜り戸から煙が進入する可能性を極めて低
くすることができる。
【0036】なお、図11では、噴霧ノズル44から水
粒子を噴霧して、パネル31〜36を冷却する場合、図
12に示すようにパネル31〜36の火災側又は非火災
側の温度を監視し、その温度変化に応じて水粒子の噴霧
状態を制御するようにしてもよい。図12は、遮蔽部材
の温度変化と噴霧ノズルの噴霧状態の関係を示す図であ
る。図から明らかなようにパネル31〜36の火災側表
面温度51は、瞬時に温度計の限界温度に到達し、鎮火
するまでその限界温度を維持することになる。一方、パ
ネル31〜36の非火災側表面温度52は、火災側表面
温度51に対してある程度の遅れ時間を持って温度が上
昇する。非火災側表面温度52が予め設定された噴霧開
始温度に達すると、その時点で噴霧ノズル44から水粒
子の噴霧が開始する。これによって、非火災側表面温度
52は徐々に温度が低下する。非火災側表面温度52が
低下し、予め設定された噴霧停止温度に達すると、その
時点で噴霧ノズル44からの水粒子の噴霧が停止する。
噴霧ノズル44の噴霧が停止すると、再び非火災側表面
温度52が徐々に上昇し始めて、再び噴霧開始温度に達
し、噴霧ノズル44は噴霧を始める。以下、噴霧−停止
の動作を火災が鎮火するまで繰り返し実行する。この場
合も、ガス放出口から冷却用の気体を放出するようにし
てもよい。
【0037】図13は、図10及び図11の防火防煙区
画形成システムの動作の一例を示すフロー図である。ま
ず、火災が発生すると、煙感知器が作動する(ステップ
S60)。そして、防災センターに煙感知器からの煙感
知信号が送信される(ステップS61)。煙が感知され
た時点で噴霧ノズル44から水粒子を噴霧して遮煙用の
ウォーターミストカーテンを形成すると共にガス放出口
から気体を放出して遮煙用のエアカーテンを形成する
(ステップS62)。全ての避難者が避難完了するであ
ろう時間を予めタイマー等に設定しておき、その避難完
了時間が経過した時点で出力されるタイマー信号に基づ
いて、又は防災センターからの指示に基づいて電磁レリ
ーズ等のストッパーを解除する(ステップS63)。電
磁レリーズの解除によって遮蔽部材であるパネル31〜
36を移動させるために動力源作動が開始する(ステッ
プS64)。動力の作動によって遮蔽部材であるパネル
31〜36が閉鎖動作を開始する(ステップS65)。
遮蔽部材であるパネル31〜36の閉鎖動作が完了する
(ステップS66)。遮蔽部材の閉鎖動作が終了した時
点で完了信号が出力されるか、又は遮蔽部材の閉鎖動作
が開始してから所定時間を計時していたタイマーから所
定時間経過信号が出力される(ステップS67)。完了
信号又は所定時間経過信号を入力することによって、遮
煙用ミスト、すなわち隙間遮煙区画用の噴霧ノズル41
〜43が水粒子の噴霧を開始する(ステップS68)。
熱感知器から熱感知部信号が検出され(ステップS6
9)、熱感知部信号が防災センター他に送信される(ス
テップS6A)。防災センターからの指示に従って遮熱
用の噴霧ノズル44が水粒子の噴霧を開始する(ステッ
プS6B)。この状態を火災が鎮火するまで維持する場
合はこのまま終了する。なお、図12のような噴霧−停
止の制御を行なう場合には、次のステップS6C以下に
進む。噴霧ノズル44からの水粒子の噴霧によって、図
12に示したように遮蔽部材であるパネル31〜36の
非火災側表面温度52が降下する(ステップS6C)。
パネル31〜36の非火災側表面温度52が噴霧停止温
度に達したので、噴霧ノズル44の噴霧動作を停止する
(ステップS6D)。噴霧動作の停止によって、今度は
図12に示したように非火災側表面温度52が徐々に上
昇するので、その非火災側表面温度52を監視する(ス
テップS6E)。パネル31〜36の非火災側表面温度
が上昇し、噴霧開始温度に達したか否かの判定を行い、
達した(yes)場合はステップS6Bにリターンし、
噴霧を開始し、達しない(no)場合は火災が鎮火した
と見なして、終了する。なお、この場合にも、ガス放出
口から冷却用の気体を放出するようにしてもよい。
【0038】図14及び図15は、図10及び図11に
示した防火防煙区画形成システムが建築空間上でどのよ
うに配置されるのかその配置例のいくつかを示す図であ
る。図14(A)では、外壁に囲まれた長方形状の建築
空間の中間部分に図10及び図11に示した防火防煙区
画形成システムを配置し、それによって建築空間に左右
に分割された2つの大きな防火防煙区画71,72を形
成した場合が示してある。図14(B)では、外壁に囲
まれた正方形状の建築空間の中央部にエスカレータなど
の竪穴区画が存在し、この竪穴区画を中央部分として上
下左右に、図10及び図11に示した防火防煙区画形成
システムを配置し、それによって建築空間に上下左右4
つに分割された防火防煙区画73〜76を形成した場合
が示してある。すなわち、建物内に設けられた遮蔽部材
であるパネルの両面に図10及び図11のような噴霧ノ
ズル41〜44を配置し、煙感知器若しくは熱感知器に
より非火災側の噴霧ノズルから水粒子を噴霧し、防火、
防煙、遮熱性能を確保している。なお、階段を含む区画
はそれぞれ別の防火防煙区画を形成している。
【0039】図15(A)は、図14(B)に示した防
火防煙区画73〜76の全面に水粒子を噴霧する噴霧ノ
ズルを配置し、火災発生時に、その火災発生区画以外
(非火災区画)の全ての噴霧ノズルから水粒子を噴霧
し、その水粒子の噴霧圧力によって非火災区画内の全体
的な気圧を高め、火災発生区画から非火災区画に対して
煙が進入するのを防止し、煙が進入した場合でも水粒子
によって吸着消煙しようとするものである。例えば、防
火防煙区画73で火災が発生した場合、これ以外の防火
防煙区画74〜76に配置してある噴霧ノズルから水粒
子を噴霧する。
【0040】図15(B)は、図15(A)の中央部の
エスカレータなどの竪穴区画を拡大して示したものであ
り、ここでは、遮蔽部材であるパネルをこの竪穴区画を
囲むように配置し、その内側に噴霧ノズルを設けた場合
を示してある。このように竪穴区画の内側に噴霧ノズル
を配置することによって、竪穴区画内への煙の進入を防
止し、水粒子によって吸着消煙することが可能となる。
なお、図では、内側だけに噴霧ノズルを設けた場合を示
してあるが、外側にも噴霧ノズルを設け、竪穴区画を上
昇して来た煙の進入を防止するようにしてもよいことは
言うまでもない。また、噴霧ノズルだけでなくガス放出
口を設け、エアカーテンを形成するようにしてもよい。
【0041】以上の実施の形態によれば、防火防煙壁と
なる遮蔽部材(パネル)を可動にし、通常は戸袋などに
収納しておくことによって、建物利用時の空間面積を大
きくとることができる。また、水粒子を遮蔽部材に噴霧
することによって、遮熱性を確保し、火災が発生してい
る区画から他の区画への延焼を極力防止することが可能
となる。また、水粒子を遮蔽部材と建物との間の隙間に
噴霧することによって、遮煙性を確保し、煙による被害
を極力防止することが可能となる。、防煙シャッターな
どが用いられている場所に上述の実施の形態を適用する
ことによって、5m以上の大きな開口部にも対応するこ
とができるようになる。粒子径の小さな水粒子を用いる
ことによって、使用水量を低減し、水による商品などに
対する損害を最小限に抑えることが可能となる。また、
水粒子の噴霧を遮蔽部材の温度に応じて制御することに
よって、使用水量、さらには水による損害を低減するこ
ともできる。また、水粒子が噴霧されることによって、
その部分が冷却されるので、遮蔽部材であるパネルの遮
熱性能を補助することができるとともに、パネル単体の
軽量化を図ることができ、コスト的にも有利となる。ま
た、上述の実施の形態では、噴霧ノズル43を遮煙隙間
用とし、噴霧ノズル44を遮蔽部材冷却用として、それ
ぞれ異なる用途のものとして説明したが、1種類のノズ
ルで隙間噴霧と遮蔽部材冷却用の噴霧を行なわせるよう
にしてもよい。例えば、噴霧ノズルの水粒子の噴霧角度
を大きくし、その一部が遮煙隙間用となり、残りが遮蔽
部材冷却用となるようにすればよい。
【0042】図16は、この実施の形態に係る防火防煙
区画形成システムの変形例の概略構成及び動作例を示す
図である。図16において、図10及び図11と同じ構
成のものには同一の符号が付してある。図10及び図1
1の実施の形態では、開口部30の全領域に渡って噴霧
ノズル41〜44を設け、煙が感知された時点で噴霧ノ
ズル44から水粒子を噴霧して遮煙用のウォーターミス
トカーテンを形成すると共にガス放出口から気体を放出
して遮煙用のエアカーテンを形成し、パネル31〜36
によって開口部30が遮蔽された時点で噴霧ノズル41
〜43から水粒子を隙間部分に噴霧し、さらにパネルの
非火災側表面温度が上昇した場合に噴霧ノズル44から
パネル冷却用の水粒子を噴霧する場合について説明し
た。ところが、避難者が多数存在するような建物内を区
画する場合、大スパンの開口部をパネル等を用いて同時
期に一気に遮蔽すると、避難者が逃げ遅れる可能性があ
り得る。また、全パネルを同時に一気に閉じてしまう
と、パネル同士の接合部に人や物などを挟み込むおそれ
があり、安全性の確保が困難な状況が生まれる場合があ
る。そこで、この第2の実施の形態では、区画を完全に
閉鎖する前に遮蔽部材の移動を一時的に停止し、停止に
よって出来た小さな開口部に水粒子を噴霧すると共に気
体を放出して防火防煙を行いながら、安全な避難通路を
確保し、一定時間経過後に開口部を完全に閉鎖し、防火
防煙性能及び遮熱性能を有効に維持するようにしたもの
である。
【0043】図16において、複数のパネル31〜36
は、戸袋37,38内に収納保管されている。図16
(A)では、パネル31〜36が開口部30の両側の壁
に並べられて、閉鎖開始直前の状態が示されている。図
10及び図11に示された複数のミスト噴霧ノズル41
〜44とは異なった噴霧ノズル91が設置されている。
この噴霧ノズル91は、2枚のパネル相当の開口部に渡
ってウォーターミストカーテンを形成することのできる
ものであり、図示していないがガス放出口も同じく2枚
のパネル相当の開口部に分かって設けられている。従っ
て、噴霧ノズル91は図10及び図11の噴霧ノズル4
4と比べてその総数が大幅に少なくなっている。噴霧ノ
ズル91から噴霧される水粒子は粒径が約40〜400
ミクロンのウォーターミストである。なお、噴霧ノズル
91は、パネル31,34に対しても水粒子を噴霧し、
パネル31,34を冷却してもよい。また、図10及び
図11に示すような噴霧ノズル41〜43が設けてあっ
てもよい。図では、開口部30の前面側に存在する噴霧
ノズル91のみが示してあるが、開口部30の裏面側に
も同様のものが存在する。
【0044】建物内の大きな開口部30は、最終的には
これらの6枚のパネル31〜36によって閉鎖されるよ
うになっているが、ここでは、火災発生後、煙感知器又
は熱感知器が火災を感知した場合に、図16(B)に示
すように、これらのパネル31〜36が戸袋37,38
から開口部30の周辺に設置された上部レール及び/又
は下部レール等に沿って閉鎖動作を行い、徐々に開口部
30を閉鎖する。開口部30がパネル31〜36の移動
によって開口部90の大きさに達した時点で、パネル3
1〜36の移動が一時的に停止される。パネル31〜3
6の停止動作は、上部レール及び/又は下部レールに設
けられたストッパー等によって行なわれる。パネル31
〜36の動力は、カウンタウェイト、モーター等の動
力、若しくは移動レールの傾斜によるパネル自重によっ
て動作開始するようになっている。なお、パネルの枚数
は開口部30の幅に併せて、増減可能であり、大きい開
口部にも自由に対応させることが可能である。また、パ
ネルは分割、連結等を自在に組み合わせることが可能な
構成となっている。
【0045】図16(C)では、火災発生後、パネル3
1〜36が移動して、パネル31,34間に開口部90
が形成された後は、噴霧ノズル91が水粒子を噴霧し、
噴霧されている水粒子のカーテン作用によって、遮熱と
共に開口部90を介して非火災側に進入しようとする煙
を有効に防止し、ミスト粒子によって煙を吸着消煙し、
煙の拡散を防止する。また、同時にガス放出口から気体
が放出されエアカーテンが形成されるので、それによっ
ても煙の拡散が防止される。また、図示のように、開口
部90にはパネル等の遮蔽部材が存在しないので、避難
者は自由に開口部を通過して避難することができる。ま
た、この開口部90は、図11(C)に示すような潜り
戸ではないので、ドア等の開閉作業が必要なく、床面に
も段差がなく、バリアフリーとなっているため、車椅子
などのようなものでも容易に水平避難を行なうことがで
きる。なお、図4(C)に示すような潜り戸であって
も、床面に接する部分がバリアフリーとなっている潜り
戸を用いることによって同様の水平避難を可能とするこ
とができる。
【0046】図16(D)では、全ての避難者が避難完
了するであろう時間を予めタイマー等に設定しておき、
その避難完了時間が経過した時点で出力されるタイマー
信号に基づいて、パネル31〜36の移動を停止してい
るストッパーを解放し、動力源を始動させ、パネル31
〜36を再び移動させて、開口部90を完全に閉鎖す
る。なお、防災センターからの指示信号に応じて、又は
熱感知器等からの感知信号に応じて閉鎖動作を再開する
ようにしてもよい。なお、完全に開口部90が閉鎖され
るまで、噴霧ノズル91からは水粒子が噴霧され、ガス
放出口からは気体が放出される。そして、開口部90が
完全に閉鎖した時点で噴霧ノズル91からの噴霧動作及
びガス放出口からの気体放出は停止する。また、図11
(C)の示すような潜り戸を設け、閉鎖後も避難通路を
確保できるようにしてもよい。さらに、火災終了時(鎮
火する)まで開口部90を残し、この開口部90に図1
6(C)に示すように噴霧ノズル91から水粒子を噴霧
し続け、ガス放出口から気体を放出し続けるようにして
もよい。このように開口部を保持しながら防炎性(遮炎
性)及び防煙性(遮煙性)を担保することも可能であ
る。
【0047】図17は、パネル31〜36の一時停止位
置によって形成される開口部の位置を任意に設定するこ
とのできる変形例を示す図である。図17(A)では、
開口部100が図16のものに比べて若干左側に寄って
存在する場合を示す。図17(B)では、パネルが片引
きであり、開口部102が左端に存在する場合を示して
いる。このように開口部100,102の位置は、パネ
ルが両引きであったり、片引きであったり、建物内部の
商品などの備品の配置などの種々の要因に応じて任意に
変更できる。また、開口部の場所を変更する場合には、
それに対応して噴霧ノズル101,103及びガス放出
口の配置も変更される。
【0048】図18は、図16の防火防煙区画形成シス
テムの動作の一例を示すフロー図である。まず、火災が
発生すると、煙感知器が作動し、火災を感知する(ステ
ップS110)。そして、防災センターに煙感知器から
の煙感知信号が送信される(ステップS111)。防災
センターからの指示に従って電磁レリーズ等のストッパ
ーを解除する(ステップS112)。電磁レリーズの解
除によって遮蔽部材であるパネル31〜36を移動させ
るために動力源作動が開始する(ステップS113)。
動力の作動によって遮蔽部材であるパネル31〜36の
閉鎖動作が開始する(ステップS114)。遮蔽部材で
あるパネル31〜36が一時ストッパーによって停止
し、開口部90が形成される(ステップS115)。遮
蔽部材が一時停止した時点で停止信号が出力されるか、
もしくは遮蔽部材の閉鎖動作が開始してから一時停止す
るまでの所定時間を計時していたタイマーから所定時間
経過信号(タイマー信号)が出力される(ステップS1
16)。停止信号又は所定時間経過信号を入力すること
によって、天井部に設けられた噴霧ノズル91が水粒子
すなわち遮煙用ミストが噴霧され、ウォーターミストカ
ーテンが形成されると共にガス放出口から気体が放出さ
れたエアカーテンが形成される。(ステップS11
7)。避難者がすべて避難完了する時間をあらかじめタ
イマー等で設定しておき、その避難完了時間経過後にタ
イマーから一定時間経過後信号が発信される(ステップ
S118)。この一定時間経過後信号を受信することに
よって、パネル31〜36の移動を停止しているストッ
パーを解除する(ステップS119)。ストッパーの解
除と共にパネル31〜36の動力源を始動させることに
より、再びパネル31〜36の閉鎖動作を開始する(ス
テップS11A)。遮蔽部材であるパネル31〜36の
閉鎖動作が完了する(ステップS11B)。遮蔽部材の
閉鎖動作が完了した時点で完了信号が出力されるか、又
は遮蔽部材の閉鎖動作が開始してから所定時間を計時し
ていたタイマーから所定時間経過信号が出力されるの
で、それに応じて噴霧ノズル91からの水粒子の噴霧を
停止する(ステップS11C)。この状態を火災が鎮火
するまで保持する(ステップS11D)。なお、火災終
了時(鎮火する)まで開口部90を残し、この開口部9
0に噴霧ノズル91から水粒子を噴霧し続けると共にガ
ス放出口から気体を放出し続けるようにする場合は、ス
テップS118〜ステップS11Dを省略すればよい。
【0049】図19は、図16に示した防火防煙区画形
成システムが建築空間上でどのように配置されるのかそ
の配置例のいくつかを示す図である。図19(A)で
は、外壁に囲まれた長方形状の建築空間の中間部分に図
16に示した防火防煙区画形成システムを配置し、それ
によって建築空間に左右に分割された2つの大きな防火
防煙区画121,122を形成した場合が示してある。
このように図16の防火防煙区画形成システムを大空間
の面積区画に用いることによって、端部避難階段方向以
外にパネル間に形成された開口部を自由に通過して非火
災空間へ避難することができる。
【0050】図19(B)では、緊急時に健常者と同等
の歩行速度を確保できない避難者が多数存在するような
病院や老人ホームなどの建物空間に、図16に示した防
火防煙区画形成システムを配置し、それによって建物空
間に左右2つに分割された防火防煙区画123,124
を形成した場合が示してある。図19(B)に示したも
のは、複数の病室を上下端部に備え、病室に挟まれるよ
うにナースセンターなどのコア部を有している。建物内
に設けられた遮蔽部材であるパネルの両面に図16に示
すような噴霧ノズル91並びにガス放出口を配置し、煙
感知器若しくは熱感知器により非火災側の噴霧ノズルか
ら水粒子を噴霧すると共にガス放出口から気体を放出
し、防火、防煙、遮熱性能を確保している。これによっ
て、車椅子などの避難者が避難するのに何ら障害なく水
平避難を行なうことができる。
【0051】以上の実施の形態によれば、大空間を区画
し、かつ避難経路を確保することができる。ミストの噴
霧時間を短縮し、かつ噴霧範囲を少なくすることができ
るので、ミストを常時噴霧する場合よりも水の使用量を
減少させることができる。大型の遮蔽部材を一度に閉め
ずに、一時停止させいてるので、遮蔽部材の閉鎖動作を
避難者に知らしめることができ、閉鎖時の安全性を保つ
ことができる。水平避難経路を確保でき、遮蔽部材の遮
熱性により避難者の安全性を確保することができる。一
時停止した開口部分は床面部分に仕切り等の段差部分を
有さないために、車椅子などによる避難をスムーズに安
全に行なうことができる。一時停止時の開口幅を任意に
調節できるので、避難時の人数が多くても対応でき、建
物用途や人数に左右されることなく防火防煙区画形成シ
ステムの設置が可能である。上述の実施の形態では、火
災発生時に建物内部から横引き方式で移動してくるパネ
ルを例に説明したが、これ以外にも防火のための遮蔽部
材が上方から下降方式で繰り出されたり、上昇方式で繰
り出されたりするものであっても同様に適用することが
できる。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように本発明の防火防煙区
画形成システムによれば、建物内への設置が容易であ
り、区画形成後も避難者が迅速に避難可能な避難通路を
確保することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来の防火防煙区画形成システムの概略構成
を示す側面図
【図2】 図1の従来の防火防煙区画形成システムの概
略構成を示す正面図
【図3】 本発明に係る防火防煙区画形成システムの構
成を示す図であり、その開口部を正面から見た図
【図4】 図3の防火防煙区画形成システムの構成を示
す図であり、噴霧ノズルとガス放出口との関係を側面か
ら見た一部断面図
【図5】 ガス放出口すなわちエアカーテンを二重に設
けた防火防煙区画形成システムの概略構成を示す図
【図6】 図4の変形例を示す図
【図7】 図5の変形例を示す図
【図8】 図5の変形例を示す図
【図9】 図8の変形例を示す図
【図10】 本発明に係る防火防煙区画形成システムの
応用例を示す図であり、火災発生前及び発生直後におけ
る状態を示す図
【図11】 本発明に係る防火防煙区画形成システムの
応用例を示す図であり、火災発生後であって防火防煙区
画形成後の状態や変形例を示す図
【図12】 遮蔽部材の温度変化と噴霧ノズルの噴霧状
態の関係を示す図
【図13】 図10及び図11の防火防煙区画形成シス
テムの動作の一例を示すフロー図
【図14】 図10及び図11に示した防火防煙区画形
成システムが建築空間上でどのように配置されるのかそ
の配置例のいくつかを示す図
【図15】 図10及び図11に示した防火防煙区画形
成システムが建築空間上でどのように配置されるのかそ
の配置例のいくつかを示す別の図
【図16】 本発明の第2の実施の形態に係る防火防煙
区画形成システムの概略構成及び動作例を示す図
【図17】 パネル31〜36の一時停止位置によって
形成される開口部の位置を任意に設定することのできる
変形例を示す図
【図18】 図16の防火防煙区画形成システムの動作
の一例を示すフロー図
【図19】 図16に示した防火防煙区画形成システム
が建築空間上でどのように配置されるのかその配置例の
いくつかを示す図
【符号の説明】
11,12,11a…ブラケット、13,13a…巻取
シャフト、14,14a…スラットカーテン、15,1
6…ガイドレール、20…スラブ、21…柱、23…上
階スラブ、24…梁、25…天井、26…まぐさ、2
7,28…煙感知器(又は熱感知器)、30,90,1
00,102…開口部、31〜36…パネル、37,3
8…戸袋、41〜44,91,101,103,130
〜139,180〜184…噴霧ノズル、71〜76,
121〜124…防火防煙区画、141,151,15
2…ガス放出口、142,153…ガス排出口、14
3,154,155…ガス導入ダクト、144,156
…ガス排出ダクト、145…可燃物(商品)、146,
157,158…エアカーテン、147,185…ウォ
ーターミストカーテン、148,149…水供給管

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建物の一部に設けられた吹出し口から気
    体を吹出してエアカーテンを形成し、前記エアカーテン
    によって、前記建物内の空間を複数の区画に仕切る、又
    は前記建物の内外を仕切る第1の区画形成手段と、 前記第1の区画形成手段に隣接するように前記建物の一
    部に設けられた噴霧ノズルから水粒子を噴霧することに
    よって前記エアカーテンに並行にウォーターミストカー
    テンを形成する第2の区画形成手段とを備えたことを特
    徴とする防火防煙区画形成システム。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記第1の区画形成
    手段は、前記吹出し口を前記建物の天井部に有し、天井
    部から床面に向かって気体を吹出すことを特徴とする防
    火防煙区画形成システム。
  3. 【請求項3】 請求項2において、前記第1の区画形成
    手段は、前記吹出し口から吹出された前記気体を前記建
    物の床面に設けられた排出口から排出することを特徴と
    する防火防煙区画形成システム。
  4. 【請求項4】 請求項2において、前記第2の区画形成
    手段が、前記噴霧ノズルを前記吹出し口に沿って並列
    に、前記吹出し口を挟むように前記建物の天井部に複数
    備えたことを特徴とする防火防煙区画形成システム。
  5. 【請求項5】 請求項2、3又は4において、前記吹出
    し口は、前記建物の天井部に並行に設けられた2重の開
    口部から構成されることを特徴とする防火防煙区画形成
    システム。
  6. 【請求項6】 請求項5において、前記2重の開口部の
    間にだけ前記第2の区画形成手段を設けたことを特徴と
    する防火防煙区画形成システム。
  7. 【請求項7】 請求項4において、前記第2の区画形成
    手段は、少なくとも火災側に位置する噴霧ノズルから水
    粒子を噴霧することを特徴とする防火防煙区画形成シス
    テム。
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