JP2003111857A - 防火防煙区画形成システム - Google Patents

防火防煙区画形成システム

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JP2003111857A
JP2003111857A JP2001308170A JP2001308170A JP2003111857A JP 2003111857 A JP2003111857 A JP 2003111857A JP 2001308170 A JP2001308170 A JP 2001308170A JP 2001308170 A JP2001308170 A JP 2001308170A JP 2003111857 A JP2003111857 A JP 2003111857A
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JP2001308170A
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Naoto Kumagai
尚登 熊谷
Takashi Takasu
敬 高須
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Bunka Shutter Co Ltd
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Bunka Shutter Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 防火防煙区画形成後も避難者が迅速に避難可
能な避難通路を確保する。 【解決手段】 横引き方式のパネルを建物内に繰り出し
て建物内の空間を仕切ることによって建物内に複数の区
画を形成する。形成された区画と区画の間に少なくとも
人が一人通過可能な開口部を設け、この開口部に比較的
少量の水を供給、例えば水粒子を噴霧する。この比較的
少量の水の供給(水粒子の噴霧)によって火災側からの
煙の進入を防止し、防煙性を確保し、煙による被害を極
力防止する。さらに火災が発生している区画から他の区
画への延焼を極力防止し、遮熱性を確保する。開口部に
は比較的少量の水の供給(水粒子の噴霧)によってウォ
ーターミストカーテンが存在するだけなので、避難者は
通過時になんの障害もなくスムーズに避難を行なうこと
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ビル等の建物内部
で発生した火災の延焼や煙の拡散を防止するために建物
内部の通路などの空間をシート状やシャッター状の防火
カーテン、可動パネルなどの遮蔽部材で仕切って防火防
煙区画を形成する防火防煙区画形成システムに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、床面積の大きいビル等の建物内
部の通路などには、火災発生時の延焼や煙の拡散を防止
するために火災発生と同時に自動的に閉じるシート状又
はシャッター状の防火カーテンなどの遮蔽部材を用い
て、柱、壁、床などと共に3次元的に囲まれた空間、す
なわち防火防煙区画を形成するように動作する防火防煙
区画形成システムが備え付けられている。
【0003】図1及び図2は、この防火防煙区画形成シ
ステムの概略構成を示す図であり、図1は防火防煙区画
形成システムを側面側から見た図であり、図2はこれを
正面側から見た図である。図1の防火防煙区画形成シス
テムに用いられている遮蔽装置は、防火カーテン装置で
ある。防火カーテン装置は、基本的にブラケット11,
12、巻取シャフト13、スラットカーテン14から構
成される。なお、図2では、同じ構成の防火カーテン装
置が2台隣設されたものが示されているので、その一つ
について説明する。防火カーテン装置はこれ以外にも、
自動閉鎖装置などの構成部品を有することが従来から知
られているのでその詳細は省略する。ブラケット11,
12は、建物内の柱21と柱(図示せず)との間の上階
スラブ23側に形成されている梁24の側面(図2では
前面側)に取り付けられている。巻取シャフト13は、
ブラケット11,12間に回転可能に取り付けられてい
る。スラットカーテン14は、巻取シャフト13に取り
付けられており、図示していない自動閉鎖装置によって
スラットカーテン14が降下する。
【0004】スラットカーテン14,14aの出入口と
なる天井25に形成されたスリット状の開口部の両側に
はまぐさ26が設けられている。また、柱21の側面に
はスラットカーテン14の案内となる中柱であるガイド
レール15が設けられており、天井25とスラブ20と
の間には、スラットカーテン14とその隣に隣設された
のスラットカーテン14aの案内となるガイドレール1
6が設けられている。スラットカーテン14は、ガイド
レール15,16に沿ってまぐさ26を介して上昇下降
するようになっている。スラットカーテン14が巻取シ
ャフト13に巻き取られている状態が通常の状態であ
る。通常の状態の時にスラットカーテン14の最下部の
座板がまぐさ26と略同じ高さに位置しており、火災が
発生すると、防火カーテン装置は、煙感知器(又は熱感
知器)27,28からの信号に対応してスラットカーテ
ン14を自動的に下降させ、柱21、天井25、スラブ
20によって形成される開口部空間を閉鎖する。なお、
図1では、ガイドレール16の図示は省略してあり、図
2では、天井25は点線で示してある。また、図1はス
ラットカーテン14の全閉状態を示し、図2は半閉状態
を示している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来は、図1及び図2
に示すように防火カーテン装置を用いて防火防煙区画を
形成しているので、区画形成後は防火カーテン装置の近
傍に設けられた避難用の防火戸やスラットカーテン自体
に設けられた避難用の通過可能な扉などを避難者の避難
通路として確保していた。
【0006】ところが、避難者が多数存在する建物など
では、大スパンを一度に防火防煙区画で閉鎖してしまう
と、避難通路を介しての避難に時間がかかってしまうこ
とがあった。また、防火戸や扉などは、床面に対して段
差を有するので、車椅子などの通過に対しては障害とな
る場合があった。さらに、火災の発生に応じて防煙防火
区画を形成したにも関わらず、避難通路を介して火災側
の炎や煙が進入してしまい、防火防煙区画を形成した意
味が失われてしまうおそれがあった。
【0007】本発明の目的は、防火防煙区画形成後も避
難者が迅速に避難可能な避難通路を確保することのでき
る防火防煙区画形成システムを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る防火防煙
区画形成システムは、遮蔽部材を建物内に繰り出して前
記建物内の空間を仕切ることによって前記建物内に複数
の区画を形成する区画形成手段と、前記区画形成後の前
記遮蔽部材の一部に形成された開口部又は区画形成途中
で遮蔽部材によって仕切られることなく残った開口部で
あって、少なくとも人が一人通過可能な開口部に、比較
的少量の水を供給する供給手段とを備えたものである。
防火のための遮蔽部材が横引き方式で繰り出されたり、
上昇方式で繰り出されたり、防火カーテンのように、建
物上部に設けられ、まぐさなどを介して防火カーテンが
下降してくる場合もある。このように遮蔽部材が建物内
に繰り出されることによって、建物内部の空間が仕切ら
れ、複数の区画が形成される。これらの区画は、遮蔽部
材と建物自体の構造体等によって仕切られる場合が多
く、通常は人手で開閉可能な防火戸などが設けられてい
るが、この発明では、この防火戸などに代えて少なくと
も人が一人通過可能な開口部を区画と区画の間に設け、
この開口部に比較的少量の水を供給、例えばスプリンク
ラーなどの水よりも小さな粒径の水粒子を噴霧すること
によって、火災側からの煙の進入を防止し、防煙性を確
保し、煙による被害を極力防止し、さらに火災が発生し
ている区画から他の区画への延焼を極力防止し、遮熱性
を確保するものである。例えば、開口部には水粒子の噴
霧によってウォーターミストカーテンだけが存在するこ
ととなる場合には、避難者はその部分を通過するだけな
ので通過時にスムーズに避難を行なうことが可能とな
る。また、この開口部には遮蔽部材が存在しないので、
その部分に段差が存在しない状態であれば車椅子などで
もスムーズに通過することができる。なお、この開口部
には、遮蔽部材によって遮蔽されない開口部と、遮蔽部
材の繰り出し動作中に一時的に停止することによって形
成される開口部の両方を含むものである。また、開口部
の大きさは、少なくとも人が一人通過可能なものであれ
ばよく、これ以上の大きさのものであってもなんら差し
支えないことは言うまでもない。ただし、比較的少量の
水の供給による防煙性能と防煙防火性能を十分に確保す
ることができる程度の大きさの開口部であることが望ま
しい。なお、開口部には耐火スクリーンなどが縫合等な
されておらず単にオーバーラップしている個所(ファス
ナー等で簡易に接合されていたり、難燃糸等で簡易に縫
合されている場合を含む)に生じる若干の隙間部分も該
当する。なお本願明細書中で、防火防煙区画形成システ
ムと言うときは、防火を目的とする場合、防煙を目的と
する場合、防火防煙の両方を目的とする場合を含むもの
とする。
【0009】請求項2に係る防火防煙区画形成システム
は、請求項1において、前記区画形成手段は、1又は複
数のパネル部材を前記建物内に繰り出すことによって前
記建物内に所定の区画を形成するものであって、区画形
成途中で繰り出し動作を制御することによって前記仕切
られることなく残った開口部を形成し、前記供給手段は
前記開口部に比較的少量の水を供給するものである。こ
れは、区画形成手段を例えば、横引き方式等で繰り出さ
れるパネル部材で構成し、このパネル部材の繰り出し動
作途中にその移動を一時的に停止したり、その移動速度
を遅くしたり、制御することによって開口部を形成する
ようにしたものである。なお、複数枚のパネルを一枚一
枚タイムラグをおいて仕切って行く場合にもそのタイム
ラグの間に形成される開口部に対しても同様に適用可能
である。
【0010】請求項3に係る防火防煙区画形成システム
は、請求項2において、前記区画形成手段は、前記繰り
出し動作制御中のパネル部材を所定時間経過後に再び繰
り出して前記開口部を完全に閉鎖し、前記供給手段は閉
鎖後に前記比較的少量の水の供給の状態を制御するもの
である。これは、パネル部材の移動速度を制御すること
によって形成された開口部を、避難者が全て避難完了で
きると思われる時間等をタイマーなどで計時しておき、
その時間が経過した時点でパネル部材を再び移動させ
て、開口部を閉鎖し、閉鎖後は比較的少量の水の供給、
例えば水粒子の噴霧を制御するようにしたものである。
すなわち、火災発生の初期の段階では、比較的少量の水
の供給(水粒子の噴霧)によって防煙防火遮熱の各性能
を確保することができたとしても、火災の程度によって
はそれだけでは不十分な場合があり得るので、このよう
な場合を想定して、避難者が完全に避難することのでき
る時間等を計時し、その時間が経過した後に、完全にパ
ネル部材を閉鎖し、防煙防火遮熱の各性能を維持するよ
うにした。なお、パネル部材が完全に閉鎖された後は、
比較的少量の水の供給(水粒子の噴霧)を弱めたり、強
めたり、噴霧個所を変更したり、火災や煙の状況に応じ
て供給の状態を種々変化させることによって、防煙防火
遮熱の各性能を発揮させるようにしてもよい。
【0011】請求項4に係る防火防煙区画形成システム
は、請求項1において、前記区画形成手段は、1又は複
数のパネル部材を前記建物内に繰り出すことによって前
記建物内に所定の区画を形成するものであって、区画形
成途中で繰り出し動作を停止することによって前記仕切
られることなく残った開口部を形成し、前記供給手段は
火災が鎮火するまで前記開口部に比較的少量の水を供給
するものである。これは、区画形成手段を例えば横引き
方式等で繰り出されるパネル部材で構成し、このパネル
部材の繰り出し動作途中にその移動を停止することによ
って開口部を形成し、この開口部に火災が鎮火するまで
継続的に比較的少量の水を供給、例えば水粒子を噴霧す
るようにしたものである。火災発生から鎮火するまでの
間、常に避難通路としての開口部が確保されているの
で、避難者の避難はもとより、消防活動のために、消防
士が開口部を通過することも容易となる。
【0012】請求項5に係る防火防煙区画形成システム
は、請求項1において、前記開口部にエアカーテンを形
成するエアカーテン形成手段を備えたものである。エア
カーテン形成手段は、開口部を通過しようとする気体の
流れを遮断することができるので、火災によって発生し
た煙の通過をも遮断することができる。従って、このよ
うなエアカーテン形成手段を比較的少量の水の供給手段
と共に設けることによって、比較的少量の水によるウォ
ーターミストカーテンとエアカーテンとの二重のカーテ
ン作用によってより効率的に防煙性能を向上させること
ができる。なお、エアカーテン形成用のガスに冷却用ガ
スを用いることで、火災側の熱が非火災側に伝達するの
を防止する防煙遮熱性能も向上させることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に従って本発明に
係る防火防煙区画形成システムの好ましい実施の形態に
ついて説明する。図3及び図4は、この防火防煙区画形
成システムの概略構成及び動作例を示す図である。図3
は火災発生前及び発生直後における状態を示す図であ
り、図4は火災発生後であって防火防煙区画形成後の状
態を示す図である。
【0014】この実施の形態に係る防火防煙区画形成シ
ステムは、図に示すように遮蔽部材が戸袋等の収納部に
収納された複数のパネルで構成されており、火災発生後
にこれらのパネルが移動して、開口部を閉鎖するように
動作するものである。このパネルは、例えば厚さ30〜
70[mm]程度のものであり、中空構造や中実構造を
している。通常は、建築物内の防火防煙区画の形成に
は、防火シャッター装置が用いられるが、次の点からこ
の実施の形態では、パネルを防火防煙区画の形成に用い
ることにした。鉄製の防火シャッター装置の場合は、遮
熱性能が若干劣るので、火災発生時にシャッターカーテ
ン部分等が加熱された場合に、その部分から非火災側に
熱が伝達して、延焼拡大するおそれがある。また、防火
シャッター装置の1連の開口幅には制限があるので、建
物内の開口部の幅が大きい場合にはそこに複数の防火シ
ャッター装置が設置され、それに伴って中柱であるガイ
ドレールも設置されるようになり、非火災時等の通常時
においては、意匠上や物品(商品など)配列などの観点
から好ましくない。さらに、複数の防火シャッター装置
を用いて面積区画を行なった場合、その区画外に煙が進
入し、避難者が煙にまかれてしまうおそれがある。そこ
で、この実施の形態では、遮熱性能が高くて、中柱など
の設置が不要であり、複数の遮蔽部材を用いた場合でも
区画外への煙の進入をより有効に防止することのできる
パネルを用いて防火防煙区画を形成することにした。
【0015】図3において、複数のパネル31〜36
は、戸袋37,38内に収納保管されている。図3
(A)では、パネル31〜36が開口部30の両側の壁
に並べられて、閉鎖開始直前の状態が示されている。開
口部30の両側面及び上面には、複数のミスト噴霧ノズ
ル41〜44が設置されている。これらの噴霧ノズル4
1〜44から噴霧される水粒子は粒径が約40〜400
ミクロンのウォーターミストである。本願において粒径
とはザウター平均粒径を指す。このザウター平均粒径に
ついて説明する。サンプリングした噴霧粒群を計測し
て、直径xi(x1−Δx〜x1+Δx)の粒子の個数
がΔniであったとすれば、噴霧の総体積はΣxi3 Δ
niに比例し、総表面積はΣxi2 Δniに比例する。
表面積基準の平均粒径は噴霧の総体積を総表面積で除し
た値(Σxi3 Δni/Σxi2 Δni)で表される。
【0016】噴霧ノズル41は、開口部30の左側側面
に沿って設けられ、パネル33と建物壁面との間に形成
される隙間に向かって水粒子を噴霧する。噴霧ノズル4
2は、開口部の右側側面に沿って設けられ、パネル36
と建物壁面との間に形成される隙間に向かって水粒子を
噴霧する。噴霧ノズル43は、開口部30の上面側面に
沿って設けられ、各パネル31〜36と建物壁面の上部
側との間に形成される隙間に向かって水粒子を噴霧す
る。噴霧ノズル44は、同じく開口部30の上面側面に
沿って設けられているが、噴霧ノズル43のように隙間
に向かって水粒子を噴霧するものではなく、開口部30
を閉鎖するパネル31〜36に対して水粒子を噴霧し、
かつ開口部30に防火防煙用のウォーターミストカーテ
ンを形成するように水粒子を噴霧するものである。図で
は、開口部30の前面側に存在する噴霧ノズル41〜4
4のみが示してあるが、開口部30の裏面側にも同様の
ものが存在する。パネル31〜36のうち、隣接するパ
ネル同士は、その接触端部に凹凸が存在し、密閉され、
隙間が発生しない構造となっているので、煙などはパネ
ル31〜36の間を通過することが少なくなっている。
従って、噴霧ノズル41〜43は、図示のように複数の
開口部30の周囲すなわち閉鎖後のパネル群31〜36
を全体的に囲むような位置に設けられ、パネル同士の間
には設けられてない。なお、図では、パネル31〜36
の下面側には設けてないが、設けてもよい。ただし、煙
は下側よりも上側の隙間を介して進入しようとするの
で、図のようなものでも十分に遮煙の効果はある。
【0017】図3(B)では、建物内の大きな開口部3
0はこれらの6枚のパネル31〜36によって閉鎖され
るようになっている。火災発生後、煙感知器又は熱感知
器が火災を感知すると、図3(B)に示すように、これ
らのパネル31〜36が戸袋37,38から開口部30
の周辺に設置された上部レール及び/又は下部レール等
(図示せず)に沿って閉鎖動作を行い、開口部30を閉
鎖する。これらのパネル31〜36の動力は、カウンタ
ウェイト、モーター等の動力、若しくは移動レールの傾
斜によるパネル自重によって動作開始するようになって
いる。なお、パネルの枚数は開口部30の幅に併せて、
増減可能であり、大きい開口部にも自由に対応させるこ
とが可能である。また、パネルは分割、連結等を自在に
組み合わせることが可能な構成となっている。
【0018】図4(A)では、火災発生後、パネル31
〜36が開口部30を閉鎖して所定の区画を形成した後
は、噴霧ノズル41〜43がパネル31〜36と壁面と
の間の各隙間部分に水粒子を噴霧し、その噴霧圧力によ
って火災側からの煙が非火災側に進入するのを防止する
と共にミスト粒子によって煙を吸着消煙し、煙の拡散を
防止する。
【0019】図4(B)では、タイマーの作動に応じ
て、防災センターからの指示信号に応じて、又は熱感知
器等からの感知信号に応じて噴霧ノズル41〜43とは
別に、噴霧ノズル44がパネル31〜36の全面に渡っ
て水粒子を噴霧する。これによって、少量の水でパネル
31〜36の加熱を防止し、火災終了時まで火災側から
非火災側への延焼の可能性を小さくすることができる。
【0020】図4(C)では、パネル32,35に非常
避難口となる潜り戸が設けられており、その他の区画に
避難することができるようになっている。この場合、潜
り戸が開放された場合に、噴霧ノズル44から噴霧され
ている水粒子のウォーターミストカーテンの働きによっ
て、潜り戸から煙が進入する可能性を極めて低くするこ
とができる。
【0021】なお、図4では、一旦噴霧ノズル44から
水粒子が噴霧されたらその状態が連続して行なわれるよ
うになっているが、図5に示すようにパネル31〜36
の火災側又は非火災側の温度を監視し、その温度変化に
応じて水粒子の噴霧状態を制御するようにしてもよい。
図5は、遮蔽部材の温度変化と噴霧ノズルの噴霧状態の
関係を示す図である。図から明らかなようにパネル31
〜36の火災側表面温度51は、瞬時に温度計の限界温
度に到達し、鎮火するまでその限界温度を維持すること
になる。一方、パネル31〜36の非火災側表面温度5
2は、火災側表面温度51に対してある程度の遅れ時間
を持って温度が上昇する。非火災側表面温度52が予め
設定された噴霧開始温度に達すると、その時点で噴霧ノ
ズル44から水粒子の噴霧が開始する。これによって、
非火災側表面温度52は徐々に温度が低下する。非火災
側表面温度52が低下し、予め設定された噴霧停止温度
に達すると、その時点で噴霧ノズル44からの水粒子の
噴霧が停止する。噴霧ノズル44の噴霧が停止すると、
再び非火災側表面温度52が徐々に上昇し始めて、再び
噴霧開始温度に達し、噴霧ノズル44は噴霧を始める。
以下、噴霧−停止の動作を火災が鎮火するまで繰り返し
実行する。
【0022】図6は、図3及び図4の防火防煙区画形成
システムの動作の一例を示すフロー図である。まず、火
災が発生すると、煙感知器が作動する(ステップS6
0)。そして、防災センターに煙感知器からの煙感知信
号が送信される(ステップS61)。煙が感知された時
点で噴霧ノズル44から水粒子を噴霧して遮煙用のウォ
ーターミストカーテンを形成するようにしてもよい(ス
テップS62)。このステップはオプション的なもので
あり、省略してもよい。防災センターからの指示に従っ
て電磁レリーズ等のストッパーを解除する(ステップS
63)。電磁レリーズの解除によって遮蔽部材であるパ
ネル31〜36を移動させるために動力源作動が開始す
る(ステップS64)。動力の作動によって遮蔽部材で
あるパネル31〜36が閉鎖動作を開始する(ステップ
S65)。遮蔽部材であるパネル31〜36の閉鎖動作
が完了する(ステップS66)。遮蔽部材の閉鎖動作が
終了した時点で完了信号が出力されるか、又は遮蔽部材
の閉鎖動作が開始してから所定時間を計時していたタイ
マーから所定時間経過信号が出力される(ステップS6
7)。完了信号又は所定時間経過信号を入力することに
よって、遮煙用ミスト、すなわち隙間遮煙区画用の噴霧
ノズル41〜43が水粒子の噴霧を開始する(ステップ
S68)。熱感知器から熱感知部信号が検出され(ステ
ップS69)、熱感知部信号が防災センター他に送信さ
れる(ステップS6A)。防災センターからの指示に従
って遮熱用の噴霧ノズル44が水粒子の噴霧を開始する
(ステップS6B)。この状態を火災が鎮火するまで維
持する場合はこのまま終了する。なお、図5のような噴
霧−停止の制御を行なう場合には、次のステップS6C
以下に進む。噴霧ノズル44からの水粒子の噴霧によっ
て、図5に示したように遮蔽部材であるパネル31〜3
6の非火災側表面温度52が降下する(ステップS6
C)。パネル31〜36の非火災側表面温度52が噴霧
停止温度に達したので、噴霧ノズル44の噴霧動作を停
止する(ステップS6D)。噴霧動作の停止によって、
今度は図5に示したように非火災側表面温度52が徐々
に上昇するので、その非火災側表面温度52を監視する
(ステップS6E)。パネル31〜36の非火災側表面
温度が上昇し、噴霧開始温度に達したか否かの判定を行
い、達した(yes)場合はステップS6Bにリターン
し、噴霧を開始し、達しない(no)場合は火災が鎮火
したと見なして、終了する。
【0023】図7及び図8は、図3及び図4に示した防
火防煙区画形成システムが建築空間上でどのように配置
されるのかその配置例のいくつかを平面的に示す図であ
る。図7(A)では、外壁に囲まれた長方形状の建築空
間の中間部分に図3及び図4に示した防火防煙区画形成
システムを配置し、それによって建築空間に左右に分割
された2つの大きな防火防煙区画71,72を形成した
場合が示してある。図7(B)では、外壁に囲まれた正
方形状の建築空間の中央部にエスカレータなどの竪穴区
画が存在し、この竪穴区画を中央部分として上下左右
に、図3及び図4に示した防火防煙区画形成システムを
配置し、それによって建築空間に上下左右4つに分割さ
れた防火防煙区画73〜76を形成した場合が示してあ
る。すなわち、建物内に設けられた遮蔽部材であるパネ
ルの両面に図3及び図4のような噴霧ノズル41〜44
を配置し、煙感知器若しくは熱感知器により非火災側の
噴霧ノズルから水粒子を噴霧し、防火、防煙、遮熱性能
を確保している。なお、階段を含む区画はそれぞれ別の
防火防煙区画を形成している。
【0024】図8(A)は、図7(B)に示した防火防
煙区画73〜76の全面に水粒子を噴霧する噴霧ノズル
を配置し、火災発生時に、その火災発生区画以外(非火
災区画)の全ての噴霧ノズルから水粒子を噴霧し、その
水粒子の噴霧圧力によって非火災区画内の全体的な気圧
を高め、火災発生区画から非火災区画に対して煙が進入
するのを防止し、煙が進入した場合でも水粒子によって
吸着消煙しようとするものである。例えば、防火防煙区
画73で火災が発生した場合、これ以外の防火防煙区画
74〜76に配置してある噴霧ノズルから水粒子を噴霧
する。
【0025】図8(B)は、図8(A)の中央部のエス
カレータなどの竪穴区画を拡大して示したものであり、
ここでは、遮蔽部材であるパネルをこの竪穴区画を囲む
ように配置し、その内側に噴霧ノズルを設けた場合を示
してある。このように竪穴区画の内側に噴霧ノズルを配
置することによって、竪穴区画内への煙の進入を防止
し、水粒子によって吸着消煙することが可能となる。な
お、図では、内側だけに噴霧ノズルを設けた場合を示し
てあるが、外側にも噴霧ノズルを設け、竪穴区画を上昇
して来た煙の進入を防止するようにしてもよいことは言
うまでもない。
【0026】以上のように、第1の実施の形態によれ
ば、防火防煙壁となる遮蔽部材(パネル)を可動にし、
通常は戸袋などに収納しておくことによって、建物利用
時の空間面積を大きくとることができる。また、水粒子
を遮蔽部材に噴霧することによって、遮熱性を確保し、
火災が発生している区画から他の区画への延焼を極力防
止することが可能となる。また、水粒子を遮蔽部材と建
物との間の隙間に噴霧することによって、遮煙性を確保
し、煙による被害を極力防止することが可能となる。、
防煙シャッター装置などが用いられている場所に上述の
実施の形態を適用することによって、5m以上の大きな
開口部にも対応することができるようになる。粒子径の
小さな水粒子を用いることによって、使用水量を低減
し、水による商品などに対する損害を最小限に抑えるこ
とが可能となる。また、水粒子の噴霧を遮蔽部材の温度
に応じて制御することによって、使用水量、さらには水
による損害を低減することもできる。また、水粒子が噴
霧されることによって、その部分が冷却されるので、遮
蔽部材であるパネルの遮熱性能を補助することができる
とともに、パネル単体の軽量化を図ることができ、コス
ト的にも有利となる。また、上述の実施の形態では、噴
霧ノズル43を遮煙隙間用とし、噴霧ノズル44を遮蔽
部材冷却用として、それぞれ異なる用途のものとして説
明したが、1種類のノズルで隙間噴霧と遮蔽部材冷却用
の噴霧を行なわせるようにしてもよい。例えば、噴霧ノ
ズルの水粒子の噴霧角度を大きくし、その一部が遮煙隙
間用となり、残りが遮蔽部材冷却用となるようにすれば
よい。
【0027】図9は、第2の実施の形態に係る防火防煙
区画形成システムの概略構成及び動作例を示す図であ
る。図9において、図3及び図4と同じ構成のものには
同一の符号が付してある。図3及び図4の実施の形態で
は、開口部30の全領域に渡って噴霧ノズル41〜44
を設け、煙が感知された時点で噴霧ノズル44から水粒
子を噴霧して遮煙用のウォーターミストカーテンを形成
し、パネル31〜36によって開口部30が遮蔽された
時点で噴霧ノズル41〜43から水粒子を隙間部分に噴
霧し、さらにパネルの非火災側表面温度が上昇した場合
に噴霧ノズル44からパネル冷却用の水粒子を噴霧する
場合について説明した。ところが、避難者が多数存在す
るような建物内を区画する場合、大スパンの開口部をパ
ネル等を用いて同時期に一気に遮蔽すると、避難者が逃
げ遅れる可能性があり得る。また、全パネルを同時に一
気に閉じてしまうと、パネル接合部における安全性の確
保が困難な状況が生まれる場合がある。そこで、この第
2の実施の形態では、区画を完全に閉鎖する前に遮蔽部
材の移動を一時的に停止し、停止によって出来た小さな
開口部に水粒子を噴霧して防火防煙を行いながら、安全
な避難通路を確保し、一定時間経過後に開口部を完全に
閉鎖し、防火防煙性能及び遮熱性能を有効に維持するよ
うにしたものである。
【0028】図9において、複数のパネル31〜36
は、戸袋37,38内に収納保管されている。図9
(A)では、パネル31〜36が開口部30の両側の壁
に並べられて、閉鎖開始直前の状態が示されている。図
3及び図4に示された複数のミスト噴霧ノズル41〜4
4とは異なった噴霧ノズル91が設置されている。この
噴霧ノズル91は、2枚のパネル相当の開口部に渡って
ウォーターミストカーテンを形成することのできるもの
であり、図3及び図4の噴霧ノズル44と比べてその総
数が大幅に少なくなっている。噴霧ノズル91から噴霧
される水粒子は粒径が約40〜400ミクロンのウォー
ターミストである。なお、噴霧ノズル91は、パネル3
1,34に対しても水粒子を噴霧し、パネル31,34
を冷却してもよい。また、図3及び図4に示すような噴
霧ノズル41〜43が設けてあってもよい。図では、開
口部30の前面側に存在する噴霧ノズル91のみが示し
てあるが、開口部30の裏面側にも同様のものが存在す
る。
【0029】建物内の大きな開口部30は、最終的には
これらの6枚のパネル31〜36によって閉鎖されるよ
うになっているが、ここでは、火災発生後、煙感知器又
は熱感知器が火災を感知した場合に、図9(B)に示す
ように、これらのパネル31〜36が戸袋37,38か
ら開口部30の周辺に設置された上部レール及び/又は
下部レール等に沿って閉鎖動作を行い、徐々に開口部3
0を閉鎖する。開口部30がパネル31〜36の移動に
よって開口部90の大きさに達した時点で、パネル31
〜36の移動が一時的に停止される。パネル31〜36
の停止動作は、上部レール及び/又は下部レールに設け
られたストッパー等によって行なわれる。パネル31〜
36の動力は、カウンタウェイト、モーター等の動力、
若しくは移動レールの傾斜によるパネル自重によって動
作開始するようになっている。なお、パネルの枚数は開
口部30の幅に併せて、増減可能であり、大きい開口部
にも自由に対応させることが可能である。また、パネル
は分割、連結等を自在に組み合わせることが可能な構成
となっている。
【0030】図9(C)では、火災発生後、パネル31
〜36が移動して、パネル31,34間に開口部90が
形成された後は、噴霧ノズル91が水粒子を噴霧し、噴
霧されている水粒子のカーテン作用によって、遮熱と共
に開口部90を介して非火災側に進入しようとする煙を
有効に防止し、ミスト粒子によって煙を吸着消煙し、煙
の拡散を防止する。また、図示のように、開口部90に
はパネル等の遮蔽部材が存在しないので、避難者は自由
に開口部を通過して避難することができる。また、この
開口部90は、図4(C)に示すような潜り戸ではない
ので、ドア等の開閉作業が必要なく、床面にも段差がな
く、バリアフリーとなっているため、車椅子などのよう
なものでも容易に水平避難を行なうことができる。な
お、図4(C)に示すような潜り戸であっても、床面に
接する部分がバリアフリーとなっている潜り戸を用いる
ことによって同様の水平避難を可能とすることができ
る。
【0031】図9(D)では、全ての避難者が避難完了
するであろう時間を予めタイマー等にて設定しておき、
その避難完了時間が経過した時点で出力されるタイマー
信号に基づいて、パネル31〜36の移動を停止してい
るストッパーを解放し、動力源を始動させ、パネル31
〜36を再び移動させて、開口部90を完全に閉鎖す
る。なお、防災センターからの指示信号に応じて、又は
熱感知器等からの感知信号に応じて閉鎖動作を再開する
ようにしてもよい。なお、完全に開口部90が閉鎖され
るまで、噴霧ノズル91からは水粒子が噴霧される。そ
して、開口部90が完全に閉鎖した時点で噴霧ノズル9
1からの噴霧動作は停止する。また、図4(C)の示す
ような潜り戸を設け、閉鎖後も避難通路を確保できるよ
うにしてもよい。さらに、火災終了時(鎮火する)まで
開口部90を残し、この開口部90に図9(C)に示す
ように噴霧ノズル91から水粒子を噴霧し続けるように
してもよい。このように開口部を保持しながら防炎性
(遮炎性)及び防煙性(遮煙性)を担保することも可能
である。
【0032】図10は、パネル31〜36の一時停止位
置によって形成される開口部の位置を任意に設定するこ
とのできる変形例を示す図である。図10(A)では、
開口部100が図9のものに比べて若干左側に寄って存
在する場合を示す。図10(B)では、パネルが片引き
であり、開口部102が左端に存在する場合を示してい
る。このように開口部100,102の位置は、パネル
が両引きであったり、片引きであったり、建物内部の商
品などの備品の配置などの種々の要因に応じて任意に変
更できる。また、開口部の場所を変更する場合には、そ
れに対応して噴霧ノズル101,103の配置も変更さ
れるか、もしくは開口部がどの場所にきてもよいように
予め全ての場所に配置しておくとよい。
【0033】図11は、図9の防火防煙区画形成システ
ムの動作の一例を示すフロー図である。まず、火災が発
生すると、煙感知器が作動し、火災を感知する(ステッ
プS110)。そして、防災センターに煙感知器からの
煙感知信号が送信される(ステップS111)。防災セ
ンターからの指示に従って電磁レリーズ等のストッパー
を解除する(ステップS112)。電磁レリーズの解除
によって遮蔽部材であるパネル31〜36を移動させる
ために動力源作動が開始する(ステップS113)。動
力の作動によって遮蔽部材であるパネル31〜36の閉
鎖動作が開始する(ステップS114)。遮蔽部材であ
るパネル31〜36が一時ストッパーによって停止し、
開口部90が形成される(ステップS115)。遮蔽部
材が一時停止した時点で停止信号が出力されるか、もし
くは遮蔽部材の閉鎖動作が開始してから一時停止するま
での所定時間を計時していたタイマーから所定時間経過
信号(タイマー信号)が出力される(ステップS11
6)。停止信号又は所定時間経過信号を入力することに
よって、天井部に設けられた噴霧ノズル91が水粒子す
なわち遮煙用ミストの噴霧を開始する(ステップS11
7)。避難者がすべて避難完了する時間をあらかじめタ
イマー等で設定しておき、その避難完了時間経過後にタ
イマーから一定時間経過後信号が発信される(ステップ
S118)。この一定時間経過後信号を受信することに
よって、パネル31〜36の移動を停止しているストッ
パーを解除する(ステップS119)。ストッパーの解
除と共にパネル31〜36の動力源を始動させることに
より、再びパネル31〜36の閉鎖動作を開始する(ス
テップS11A)。遮蔽部材であるパネル31〜36の
閉鎖動作が完了する(ステップS11B)。遮蔽部材の
閉鎖動作が完了した時点で完了信号が出力されるか、又
は遮蔽部材の閉鎖動作が開始してから所定時間を計時し
ていたタイマーから所定時間経過信号が出力されるの
で、それに応じて噴霧ノズル91からの水粒子の噴霧を
停止する(ステップS11C)。この状態を火災が鎮火
するまで保持する(ステップS11D)。なお、火災終
了時(鎮火する)まで開口部90を残し、この開口部9
0に噴霧ノズル91から水粒子を噴霧し続けるようにす
る場合は、ステップS118〜ステップS11Dを省略
すればよい。また、図6のステップS62のように、煙
が感知された時点で、すなわちステップS111とステ
ップS112の間で、噴霧ノズル91から水粒子を噴霧
して遮煙用のウォーターミストカーテンを形成するよう
にしてもよい。この場合、噴霧ノズル91を用いて開口
部30の全体にウォーターミストカーテンを形成するた
めには、噴霧ノズル91を開口部30の全体に渡って設
けるのが望ましい。なお、噴霧の開始時期は上述の実施
の形態に限定されるものではなく、任意に設定可能であ
ることは言うまでもない。
【0034】図12は、図9に示した防火防煙区画形成
システムが建築空間上でどのように配置されるのかその
配置例のいくつかを示す図である。図12(A)では、
外壁に囲まれた長方形状の建築空間の中間部分に図9に
示した防火防煙区画形成システムを配置し、それによっ
て建築空間に左右に分割された2つの大きな防火防煙区
画121,122を形成した場合が示してある。このよ
うに図9の防火防煙区画形成システムを大空間の面積区
画に用いることによって、端部避難階段方向以外にパネ
ル間に形成された開口部を自由に通過して非火災空間へ
避難することができる。
【0035】図12(B)では、緊急時に健常者と同等
の歩行速度を確保できない避難者が多数存在するような
病院や老人ホームなどの建物空間に、図9に示した防火
防煙区画形成システムを配置し、それによって建物空間
に左右2つに分割された防火防煙区画123,124を
形成した場合が示してある。図12(B)に示したもの
は、複数の病室を図面上において上下端部に備え、病室
に挟まれるようにナースセンターなどのコア部を有して
いる。建物内に設けられた遮蔽部材であるパネルの両面
に図9に示すような噴霧ノズル91を配置し、煙感知器
若しくは熱感知器により非火災側の噴霧ノズルから水粒
子を噴霧し、防火、防煙、遮熱性能を確保している。こ
れによって、車椅子などの避難者が避難するのに何ら障
害なく水平避難を行なうことができる。
【0036】以上のように、第2の実施の形態によれ
ば、大空間を区画し、かつ避難経路を確保することがで
きる。ミストの噴霧時間を短縮し、かつ噴霧範囲を少な
くすることができるので、ミストを常時噴霧する場合よ
りも水の使用量を減少させることができる。大型の遮蔽
部材を一度に閉めずに、一時停止させいてるので、遮蔽
部材の閉鎖動作を避難者に知らしめることができ、閉鎖
時の安全性を保つことができる。水平避難経路を確保で
き、遮蔽部材の遮熱性により避難者の安全性を確保する
ことができる。一時停止した開口部分は床面部分に仕切
り等の段差部分を有さないために、車椅子などによる避
難をスムーズに安全に行なうことができる。一時停止時
の開口幅を任意に調節できるので、避難時の人数が多く
ても対応でき、建物用途や人数に左右されることなく防
火防煙区画形成システムの設置が可能である。
【0037】図13及び図14は、図9及び図10に示
すように火災終了時(鎮火する)まで開口部を残し、こ
の開口部に噴霧ノズルから水粒子を噴霧し続ける防火防
煙区画形成システムの変形例を示す図である。図13
は、この防火防煙区画形成システムを開口部102を正
面から見た図であり、図14は噴霧ノズルとガス放出口
との関係を側面から見た一部断面図である。この実施の
形態に係る防火防煙区画形成システムは、図10(B)
に示すようなパネルが片引きであり、開口部が左端に存
在する場合に対応している。図に示すように開口部の前
後であって建物上方の天井25に噴霧ノズル130〜1
39を有すると共に天井25及び下方のスラブ20のそ
れぞれ上下に対向する位置にガス放出口141及びガス
排出口142を有するものである。この防火防煙区画形
成システムの近傍には煙感知器(又は熱感知器)27,
28が設けられている。
【0038】天井25の下面であって、噴霧ノズル13
0〜134と噴霧ノズル135〜139との間にはガス
放出口141が設けられている。ガス放出口141に
は、排出されるガスを整流するための整流子が設けられ
ている。天井25と上階スラブ23との間の空間には、
ガス放出口141に冷却用ガスを導入するためのガス導
入ダクト143が配設されている。床スラブ20の上面
であって、ガス放出口141の下側にはガス排出口14
2が設けられている。ガス排出口142には、グレーチ
ングのような隙間がスリット状に開いたものが設けられ
ている。床スラブ20の下側空間には、ガス排出口14
2に導入されるガスを排出するためのガス排出ダスト1
44が配設されている。なお、ガス放出口141とガス
排出口142は、上下方向でそれぞれ対向して配置され
ており、左側の火災側から右側の非火災側への空気等の
気体の流れを遮断するエアカーテン146として機能す
る。空気の流れが遮断されるということは、煙の進入も
遮断される。また、ガス放出口141から吹き出される
ガスは冷却用ガスなので、火災側の熱が非火災側の可燃
物に伝達するのを遮断する遮熱機能もある。
【0039】火災が発生し可燃物145が燃焼している
と仮定すると、防火防煙区画形成システムは、煙感知器
(又は熱感知器)27からの信号に対応して遮蔽部材で
あるパネルを自動的に移動させ、図10(B)に示すよ
うに大きな開口部を小さな開口部にする。そして、ガス
導入ダクト143を介して冷却用ガスがガス放出口14
1から吹き出され、エアカーテン146が形成される。
そして、火災により温度の上昇したガスがガス排出口1
42及びガス排出ダクト144を介して外部に排出され
る。これと同時に、火災側の噴霧ノズル130〜134
からは水粒子が噴霧され、ウォーターミストカーテン1
47が形成される。これによって、可燃物145の燃焼
煙が開口部を介して反対側の非火災側区画に進入するこ
とは極力少なくなり、また、可燃物145の燃焼熱によ
る影響も非火災側の可燃物には伝わり難くなる。なお、
このときにガス放出口141から吹き出す冷却用のガス
として一般的には空気が用いられるが、建物の室用途に
応じて例えば、二酸化炭素のような不活性ガスやハロゲ
ンガスなどを吹き出すようにしてもよい。なお、不活性
ガスやハロゲンガスなどは、別の設備室のボンベに収納
されたものがガス導入ダクト143を介して供給される
ような構造になっていてもよいし、天井25の上部、上
階スラブ23の下部又はスラブ20の下部に設置された
ボンベから供給されるようになっていてもよい。また、
ガスの放出は、ガス温度を検知する感知器を天井や柱、
壁面などに設け、排出されるガスの温度が所定の以下と
なるようにガスの放出量を調整するような制御システム
を設けてもよい。
【0040】この噴霧ノズル130〜139には、水供
給管148,149を介して所定圧力の水が供給される
ようになっている。水供給管148,149は、市水給
水本管などから供給される所定圧力の水を噴霧ノズル1
30〜139に供給しても良いし、ポンプにより加圧し
てもよく、この途中に電磁バルブ(図示せず)などが設
けられている。電磁バルブは、制御信号に応じて、噴霧
ノズル130〜139に対して水の供給をオン・オフ制
御するものであり、オン時間の長さによってウォーター
ミストの噴霧量を適宜調節することができる。また、水
は別の設備室の貯水槽に貯水されたものを加圧ポンプで
所定圧力にして水供給管148,149に供給するよう
にしてもよいし、天井25の上部、上階スラブ23の下
部又はスラブ20の下部に貯水槽を設置し、そこから供
給するようにしてもよい。このように、噴霧ノズル13
0〜139から継続的に水粒子が噴霧してエアカーテン
146の前面にウォーターミストカーテン147の層が
形成される。このとき、発生した水は床面のガス放出口
142及びガス導入ダクト144をドレーンとして外部
に流出されるので、この防火防煙区画から他の区画や階
下に水が漏れないようになっている。また、噴霧ノズル
130〜139から噴霧される水粒子が粒径40〜40
0ミクロンのウォーターミストなので、空中の水微粒子
が気化しやすくなり、その気化によって火災による輻射
熱を有効に遮熱することができるようになる。また、水
微粒子の気化によって防火防煙区画内の酸素濃度が低下
するので、可燃物への着火を抑制する働きがある。この
ような不活性ガス、ハロゲンガス、ウォーターミストに
よる水微粒子などの放出又は噴霧については、建物内に
配置される可燃物の種類等に応じた適当なものを適宜選
択的に設置すればよい。これによって防火区間を跨がる
延焼を有効に防止できると共に人が避難する上でも障害
物やドアの開閉などを行なう必要がないので非常に有効
である。
【0041】次に、図13及び図14に示した防火防煙
区画形成システムの変形例について図15〜図19を用
いて説明する。図15〜図19は、噴霧ノズルとガス放
出口との関係を側面から見た一部断面図である。図15
は、ガス放出口すなわちエアカーテンを二重に設けた防
火防煙区画形成システムの概略構成を示す図である。図
から明かなように、梁24を挟むようにガス放出口15
1,152が設けられ、床スラブ20側にはガス放出口
151,152に対向するように一つのガス排出口15
3が設けられている。すなわち、天井25の下面であっ
て、噴霧ノズル130〜134と噴霧ノズル135〜1
39との間にガス放出口151,152が設けられてい
る。ガス放出口151,152には、それぞれ排出され
るガスを整流するための整流子が設けられている。天井
25と上階スラブ23との間の空間には、ガス放出口1
51に冷却用ガスを導入するためのガス導入ダクト15
4が配設されており、同じくガス放出口152に冷却用
ガスを導入するためのガス導入ダクト155が配設され
ている。床スラブ20の上面であって、ガス放出口15
1,152の下側にはガス排出口153が設けられてい
る。ガス排出口153には、グレーチングのような隙間
がスリット状に開いたものが設けられている。床スラブ
20の下側空間には、ガス排出口153に導入されるガ
スを排出するためのガス排出ダスト156が配設されて
いる。なお、ガス放出口151,152とガス排出口1
53とは、上下方向でそれぞれ対向して配置されてお
り、ガス排出口153は、二つのガス放出口151,1
52に相当する面積の開口を有することになる。なお、
ガス放出口151,152にそれぞれ対応したガス排出
口を二つ設けてもよい。これによって、左側の火災側か
ら右側の非火災側への空気の流れを遮断するために二重
のエアカーテン157,158が形成されることにな
り、煙の進入を有効に遮断することができる。また、ガ
ス放出口151,152から吹き出されるガスは冷却用
ガスなので、火災側の熱が非火災側の可燃物に伝達する
のを遮断する遮熱効果も倍増する。このように冷却用ガ
スによってできるエアカーテンを二重としたことによっ
て、可燃物145からの輻射熱を2枚のエアカーテン1
57,158によって有効に遮蔽することができる。ま
た、エアカーテン自体に、避難等のための扉などを設け
る必要がないので、避難者の避難がスムーズに行なえ
る。なお、図14〜図19の実施の形態では、火災側の
噴霧ノズル130〜134から水粒子を噴霧する場合に
ついて説明したが、火災側及び非火災側の両方の噴霧ノ
ズル130〜139から水粒子を噴霧するようにしても
よい。
【0042】図16は、図14の変形例を示す図であ
る。図16において、図14と同じ構成のものには同一
の符号が付してあるので、その説明は省略する。図16
のものが図14のものと異なる点は、図14のガス排出
口142とガス排出ダスト144を省略し、ガス放出口
141から吹き出すガスを床スラブ20の上面に吹き当
てるようにした点である。すなわち、エアカーテンを形
成するのに、ガス放出口141からガスを吹き出すだけ
の吹き出し専用方式を採用したものである。
【0043】図17は、図15の変形例を示す図であ
る。図17において、図15と同じ構成のものには同一
の符号が付してあるので、その説明は省略する。図17
のものが図15のものと異なる点は、図15のガス排出
口153とガス排出ダスト156を省略し、ガス放出口
151,152から吹き出すガスを床スラブ20の上面
に吹き当てるようにした点である。すなわち、図16と
同様にエアカーテンを形成するのに、ガス放出口15
1,152からガスを吹き出すだけの吹き出し専用方式
を採用したものである。
【0044】図18は、図15の変形例を示す図であ
る。図18において、図15と同じ構成のものには同一
の符号が付してあるので、その説明は省略する。図18
のものが図15のものと異なる点は、ガス放出口151
とガス放出口152との間のほぼ中間位置に、噴霧ノズ
ル180〜184を設けた点である。このように、二重
のエアカーテンの中央に水粒子を噴霧することによっ
て、二重のエアカーテン157,158の間にウォータ
ーミストカーテン185を形成することができるので、
遮熱効果が格段に向上する。なお、噴霧ノズル130〜
134、噴霧ノズル180〜184及び噴霧ノズル13
5〜139を千鳥状に配列することによって、ウォータ
ーミストカーテン147,185のミストの密度を均一
にすることができると共にノズル近傍における天井25
との間にできる空隙部分を極力小さくすることが可能と
なり、ウォーターミストカーテンとしての効果を向上さ
せることができる。なお、図18では、火災側の噴霧ノ
ズル130〜134と中央部の噴霧ノズル180〜18
4から水粒子を噴霧しているが、全ての噴霧ノズル13
0〜139,180〜184から水粒子を噴霧するよう
にしてもよい。
【0045】図19は、図18の変形例を示す図であ
る。図19において、図18と同じ構成のものには同一
の符号が付してあるので、その説明は省略する。図19
のものが図18のものと異なる点は、ガス放出口151
とガス放出口152との間のほぼ中間位置に、噴霧ノズ
ル180〜184を設け、両側の噴霧ノズル130〜1
39を省略した点である。このように、二重のエアカー
テンの中央に水粒子を噴霧することによって、二重のエ
アカーテン157,158の間にウォーターミストカー
テン185を形成することができるので、水粒子が区画
内に散乱しないので、水害による被害が少なくなる。な
お、図19の場合も図16及び図17に示すようにガス
排出口とガス排出ダストを省略し、ガス放出口151,
152から吹き出すガスを床スラブ20の上面に吹き当
てるようにしてもよい。
【0046】なお、上述の実施の形態では、天井から床
面すなわち上方から下方に向かってガスと水粒子などを
放出及び噴霧する場合について説明したが、これとは逆
に床面から天井すなわち下方から上方に向かってガスと
水粒子などを放出及び噴霧するようにしてもよい。ま
た、天井及び床面の両方からガスと水粒子などを放出及
び噴霧する、いわゆる吹き出し口を二方向吹き出し型と
してもよい。これは、開口部の間口が大きい場合、両方
向から吹き出すことによって吹き出しガスのばらつきを
少なくすることができる。また、上述の実施の形態で
は、ガス放出口及び噴霧ノズルを天井側に設ける場合に
ついて説明したが、開口部の両側に柱が存在する場合に
は、その柱の側面に設けても良いし、天井と柱の側面、
天井と床面と柱の側面の3方向に設けても良い。このよ
うにガス放出口及び噴霧ノズルが天井以外に設けられる
場合には、ガスや水粒子の放出及び噴霧方向は、下から
上方に向かったり、上から下方に向かったり等様々であ
る。また、ガス放出口及び/又はノズルを柱側面及び/
又は床面に設けても良い。なお、ガス排出口は床面側に
設けるのが望ましいが、床面近傍であれば柱の側面に設
けてもよい。
【0047】上述の実施の形態では、火災発生時に建物
内部から横引き方式で移動してくるパネルを例に説明し
たが、これ以外にも防火のための遮蔽部材が上方から下
降方式で繰り出されたり、上昇方式で繰り出されたりす
るものであっても同様に適用することができる。例え
ば、遮蔽部材であるシャッターカーテンが下降しながら
繰り出されて遮蔽する防火シャッター装置を用いたもの
にも同様に適用することができる。この場合、開口部の
一部に防火シャッター装置を設けずに、そこにエアカー
テン及びウォーターミストカーテンを用いたものを設置
するようにすればよい。さらに、防火シャッター装置以
外にもシャッター状の遮蔽部材が横引き方式で繰り出さ
れたり、上昇方式で繰り出されたり、あるいは水平方式
で繰り出されたりするものであっても同様に適用するこ
とができる。また、防火目的以外にその設置場所やその
周辺の環境、状態、諸事情により、防煙、防犯、日除
け、雨除け等の目的にも応用できるものである。開閉装
置としては、例えば、シャッター装置、ブラインド装
置、ロールスクリーン装置、垂れ幕装置などがある。開
閉装置をシャッター装置とした場合、遮蔽手段である遮
蔽部材は、シャッターカーテンであり、その構成は、多
数の短冊状のスラット材からなるスラットカーテン、多
数のパイプ材をリンク材などで連結させてなるパイプグ
リルカーテン、一枚状あるいは多数連結されたパネル材
からなるパネルカーテン、ネット材からなるネットカー
テン、合成樹脂あるいは布繊維製のシート材からなるシ
ートカーテン、あるいはこれらの複合部材などからなる
複合カーテンなどによるものである。また、遮蔽手段で
ある遮蔽部材の材質は、使用目的に応じたものであれ
ば、どのようなものでもよい。具体的には、金属製、木
製、プラスチック製、布製、これらの複合されたものな
どで構成することができる。なお、防火目的で設置され
る開閉装置の場合、少なくとも遮蔽手段である遮蔽部材
の材質は、耐火性を有しているものが好ましい。
【0048】図6及び図11のフローでは、火災が鎮火
するまで水粒子の噴霧を維持する場合について説明した
が、煙感知器や熱感知器からの感知信号に応じて水粒子
の噴霧状態を適宜制御するようにしてもよい。例えば、
熱感知信号や煙感知信号に応じて噴霧のオン/オフ制御
を行なってもよい。この場合、図6に示すように熱感知
器によって検出された温度に応じて水粒子の噴霧状態を
種々制御したのと同様に煙感知器によって検出された煙
の濃度や量に応じて水粒子の噴霧状態を種々制御するよ
うにしてもよい。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように本発明の防火防煙区
画形成システムによれば、防火防煙区画形成後も避難者
が迅速に避難可能な避難通路を確保することができると
いう効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来の防火防煙区画形成システムの概略構成
を示す側面図
【図2】 図1の従来の防火防煙区画形成システムの概
略構成を示す正面図
【図3】 本発明に係る防火防煙区画形成システムの概
略構成及び動作例を示す図であり、火災発生前及び発生
直後における状態を示す図
【図4】 本発明に係る防火防煙区画形成システムの概
略構成及び動作例を示す図であり、火災発生後であって
防火防煙区画形成後の状態を示す図
【図5】 遮蔽部材の温度変化と噴霧ノズルの噴霧状態
の関係を示す図
【図6】 図3及び図4の防火防煙区画形成システムの
動作の一例を示すフロー図
【図7】 図3及び図4に示した防火防煙区画形成シス
テムが建築空間上でどのように配置されるのかその配置
例のいくつかを示す図
【図8】 図3及び図4に示した防火防煙区画形成シス
テムが建築空間上でどのように配置されるのかその配置
例のいくつかを示す別の図
【図9】 本発明の第2の実施の形態に係る防火防煙区
画形成システムの概略構成及び動作例を示す図
【図10】 パネル31〜36の一時停止位置によって
形成される開口部の位置を任意に設定することのできる
変形例を示す図
【図11】 図9の防火防煙区画形成システムの動作の
一例を示すフロー図
【図12】 図9に示した防火防煙区画形成システムが
建築空間上でどのように配置されるのかその配置例のい
くつかを示す図
【図13】 火災終了時(鎮火する)まで開口部を残
し、この開口部に噴霧ノズルから水粒子を噴霧し続ける
防火防煙区画形成システムの構成を示す図であり、この
防火防煙区画形成システムを開口部の正面から見た図
【図14】 火災終了時(鎮火する)まで開口部を残
し、この開口部に噴霧ノズルから水粒子を噴霧し続ける
防火防煙区画形成システムの構成を示す図であり、噴霧
ノズルとガス放出口との関係を側面から見た一部断面図
【図15】 ガス放出口すなわちエアカーテンを二重に
設けた防火防煙区画形成システムの概略構成を示す図
【図16】 図14の変形例を示す図
【図17】 図15の変形例を示す図
【図18】 図15の変形例を示す図
【図19】 図18の変形例を示す図
【符号の説明】
11,12,11a…ブラケット、13,13a…巻取
シャフト、14,14a…スラットカーテン、15,1
6…ガイドレール、20…スラブ、21…柱、23…上
階スラブ、24…梁、25…天井、26…まぐさ、2
7,28…煙感知器(又は熱感知器)、30,90,1
00,102…開口部、31〜36…パネル、37,3
8…戸袋、41〜44,91,101,103,130
〜139,180〜184…噴霧ノズル、71〜76,
121〜124…防火防煙区画、141,151,15
2…ガス放出口、142,153…ガス排出口、14
3,154,155…ガス導入ダクト、144,156
…ガス排出ダクト、145…可燃物(商品)、146,
157,158…エアカーテン、147,185…ウォ
ーターミストカーテン、148,149…水供給管
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) E06B 9/13 E06B 9/17 A 9/17 B 9/12 B

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 遮蔽部材を建物内に繰り出して前記建物
    内の空間を仕切ることによって前記建物内に複数の区画
    を形成する区画形成手段と、 前記区画形成後の前記遮蔽部材の一部に形成された開口
    部又は区画形成途中で遮蔽部材によって仕切られること
    なく残った開口部であって、少なくとも人が一人通過可
    能な開口部に、比較的少量の水を供給する供給手段とを
    備えたことを特徴とする防火防煙区画形成システム。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記区画形成手段
    は、1又は複数のパネル部材を前記建物内に繰り出すこ
    とによって前記建物内に所定の区画を形成するものであ
    って、区画形成途中で繰り出し動作を制御することによ
    って前記仕切られることなく残った開口部を形成し、前
    記供給手段は前記開口部に比較的少量の水を供給するこ
    とを特徴とする防火防煙区画形成システム。
  3. 【請求項3】 請求項2において、前記区画形成手段
    は、前記繰り出し動作制御中のパネル部材を所定時間経
    過後に再び繰り出して前記開口部を完全に閉鎖し、前記
    供給手段は閉鎖後に前記比較的少量の水の供給の状態を
    制御することを特徴とする防火防煙区画形成システム。
  4. 【請求項4】 請求項1において、前記区画形成手段
    は、1又は複数のパネル部材を前記建物内に繰り出すこ
    とによって前記建物内に所定の区画を形成するものであ
    って、区画形成途中で繰り出し動作を停止することによ
    って前記仕切られることなく残った開口部を形成し、前
    記供給手段は火災が鎮火するまで前記開口部に比較的少
    量の水を供給することを特徴とする防火防煙区画形成シ
    ステム。
  5. 【請求項5】 請求項1において、前記開口部にエアカ
    ーテンを形成するエアカーテン形成手段を備えたことを
    特徴とする防火防煙区画形成システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115138009A (zh) * 2022-06-09 2022-10-04 中国矿业大学 涂有催化涂料的封堵装置、使用方法及涂料的制备方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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