JP2003111468A - ブラシレスモータの制御装置 - Google Patents

ブラシレスモータの制御装置

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JP2003111468A JP2001305879A JP2001305879A JP2003111468A JP 2003111468 A JP2003111468 A JP 2003111468A JP 2001305879 A JP2001305879 A JP 2001305879A JP 2001305879 A JP2001305879 A JP 2001305879A JP 2003111468 A JP2003111468 A JP 2003111468A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 負荷重量に拘わらず一定の周期でブラシレス
モータを正逆に切り換えることが出来るモータ制御装置
を提供する。 【解決手段】 本発明に係るモータ制御装置のPWM制
御回路1は、位置センサーからの位置信号に基づきモー
タの回転数ωを検出する回転数検出回路14と、回転数ω
に基づき電圧振幅指令Vaを作成する回転数制御回路11
と、位置信号に基づきモータの回転角度θを導出する位
置演算回路13と、電圧振幅指令Va及び回転角度θに基
づき電圧指令信号を生成する位相制御回路12aと、回転
数ωに基づき矩形波駆動モード或いは正弦波駆動モード
の何れであるかを判断するモード切換え制御回路15とを
具えている。モード切換え制御回路15は、モータの減速
時に前記モード判断を実行し、判断結果を位置演算回路
13に供給する。位置演算回路13は、矩形波駆動モードで
は矩形波状の回転角度を導出し、正弦波駆動モードでは
正弦波状の回転角度を導出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ブラシレスモータ
を正逆に回転駆動するインバータを、ホール素子等の位
置センサーからの位置信号に基づいてPWM制御する装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の洗濯機においては、パルスエータ
駆動用のモータとしてブラシレスモータが採用されてい
る。図6は、従来の洗濯機に搭載されているブラシレス
モータ制御装置の構成例を表わしている。商用電源(4)
からの交流電力が、整流回路(5)によって一旦、直流電
力に変換された後、インバータ(6)によって交流電力に
変換され、該交流電力がブラシレスモータ(2)に供給さ
れて、モータの駆動が行なわれる。ブラシレスモータ
(2)には、その回転軸を中心とする円周上に、ホール素
子からなる位置センサー(3)が120度の位相差で3箇
所に配備されており、これら3つの位置センサー(3)
(3)(3)から得られる3つの位置信号(Hu,Hv、H
w)がインバータ制御回路(7)に供給され、該インバー
タ制御回路(7)によってインバータ(6)が制御されてい
る。
【0003】ブラシレスモータの駆動方式としては、U
相巻線、V相巻線及びW相巻線の内、2相の巻線に順次
通電を行なう所謂120度通電方式と、正弦波状の電圧
指令信号を用いたPWM制御によりU相巻線、V相巻線
及びW相巻線の3相の巻線に同時に通電を行なう所謂正
弦波駆動方式が知られている。
【0004】上記インバータ制御回路(7)は、120度
通電方式によりモータを駆動する120度通電モードと
正弦波駆動方式によりモータを駆動する正弦波駆動モー
ドとの間で切換え設定が可能であって、図7は、該イン
バータ制御回路(7)の具体的な構成を表わしている。該
インバータ制御回路(7)は、120度通電用回転数制御
回路(71)と正弦波駆動用回転数制御回路(72)とを具えて
おり、これらの回路(71)(72)には、前記3つの位置セン
サーから得られる位置信号(Hu、Hv、Hw)に基づい
てモータの回転数を検出する回転数検出回路(79)が接続
されている。又、120度通電用回転数制御回路(71)及
び正弦波駆動用回転数制御回路(72)には、マイクロコン
ピュータから目標回転数信号が供給され、これらの回路
(71)(72)は、該目標回転数信号と前記回転数検出回路(7
9)から供給される回転数検出信号とに基づいて後述のス
イッチング信号の生成に必要な信号を作成する。
【0005】又、120度通電用回転数制御回路(71)及
び正弦波駆動用回転数制御回路(72)には夫々、120度
通電用スイッチング信号生成回路(73)及び正弦波駆動用
スイッチング信号生成回路(74)が直列に接続されてい
る。120度通電用スイッチング信号生成回路(73)に
は、前記3つの位置センサーから得られる位置信号(H
u、Hv、Hw)に基づいて所定の通電パターンを生成
する通電パターン生成回路(75)が接続されており、該ス
イッチング信号生成回路(73)は、前記120度通電用回
転数制御回路(71)から供給される信号と通電パターン生
成回路(75)から供給される通電パターン信号に基づい
て、インバータに対するスイッチング信号SWを生成す
る。
【0006】一方、正弦波駆動用スイッチング信号生成
回路(74)には、前記3つの位置センサーから得られる位
置信号(Hu,Hv、Hw)に基づいてブラシレスモータ
の回転子の回転位置を演算する位置演算回路(78)が接続
されており、該スイッチング信号生成回路(74)は、前記
正弦波駆動用回転数制御回路(72)から供給される信号と
前記位置演算回路(78)から供給される位置演算信号とに
基づいて、インバータに対するスイッチング信号SWを
生成する。
【0007】又、上記インバータ制御回路(7)は、後述
のブレーキモードの設定が可能であって、ブレーキ制御
回路(70)を具えている。前記両スイッチング信号生成回
路(73)(74)及びブレーキ制御回路(70)は、1つのスイッ
チ(77)を介して前記インバータに接続されている。スイ
ッチ(77)は、120度通電用スイッチング信号生成回路
(73)がインバータに接続された第1状態と、正弦波駆動
用スイッチング信号生成回路(74)がインバータに接続さ
れた第2状態と、ブレーキ制御回路(70)がインバータに
接続された第3状態との間で切換えが可能であって、該
スイッチ(77)には、前記3つの位置センサーから得られ
る位置信号(Hu、Hv、Hw)に基づいて該スイッチ(7
7)の切換えを制御する切換え制御回路(76)が接続されて
いる。
【0008】モータの低速回転時には、前記スイッチ(7
7)は120度通電用スイッチング信号生成回路(73)がイ
ンバータに接続された第1状態に切り換えられて、イン
バータ制御回路(7)が120度通電モードに設定され
る。これによって、120度通電用スイッチング信号生
成回路(73)にて生成されたU相、V相、W相のスイッチ
ング信号SWがインバータに供給されて、ブラシレスモ
ータが120度通電方式により駆動されることになる。
一方、モータの高速回転時には、前記スイッチ(77)は正
弦波駆動用SW信号生成回路(74)がインバータに接続さ
れた第2状態に切り換えられて、インバータ制御回路
(7)が正弦波駆動モードに設定される。これによって、
正弦波駆動用SW信号生成回路(74)にて生成されたU
相、V相、W相のスイッチング信号SWがインバータに
供給されて、ブラシレスモータが正弦波駆動方式により
駆動されることになる。上述の如く、モータの低速回転
時には120度通電方式によりモータを制御する理由
は、仮に低速回転時に正弦波駆動方式によりモータを制
御した場合、3つの位置センサーから得られる位置信号
(Hu、Hv、Hw)の切り替わりの周期が長く、かかる
位置信号(Hu、Hv、Hw)に基づいて作成された正弦
波状の電圧指令信号には大きな誤差が含まれることとな
って、制御精度が低下するためである。又、モータを減
速する際には、前記スイッチ(77)はブレーキ制御回路(7
0)がインバータに接続された第3状態に切り換えられ
て、インバータ制御回路(7)がブレーキモードに設定さ
れる。これによって、ブレーキ用スイッチング信号がイ
ンバータに供給され、ブラシレスモータの端子を短絡さ
せることによるブレーキと該端子を開放することによる
惰性回転とを組み合わせて、ブラシレスモータの回転に
所定の強さのブレーキがかけられる。
【0009】ところで、洗濯機の洗い動作時において
は、ブラシレスモータは正逆に繰り返し回転駆動され
る。図8は、洗い動作時におけるブラシレスモータの回
転速度の変化とインバータ制御回路(7)のモード変化を
表わしている。洗い動作時においては、先ず、インバー
タ制御回路(7)は120度通電モードに設定され、ブラ
シレスモータの正転駆動が開始されて、ブラシレスモー
タは加速される。この過程で該モータの回転速度が所定
の閾値に達すると、その時点でインバータ制御回路(7)
は正弦波駆動モードに切り換えられ、ブラシレスモータ
は更に加速された後、所定の回転速度で回転駆動され
る。所定速度での回転駆動が開始されてから一定時間が
経過すると、その時点でインバータ制御回路(7)はブレ
ーキモードに切り換えられ、ブラシレスモータは減速さ
れる。ブラシレスモータの回転が停止すると、インバー
タ制御回路(7)は120度通電モードに切り換えられ、
ブラシレスモータの逆転駆動が開始されて、ブラシレス
モータは加速される。ここで、ブラシレスモータの回転
が停止した後に逆転駆動を開始する理由は、ブレーキモ
ードから120度通電モードへの切換えをスムーズに行
なうためである。その後、ブラシレスモータの回転速度
が所定の閾値に達した時点で、インバータ制御回路(7)
は正弦波駆動モードに切り換えられ、ブラシレスモータ
は更に加速された後、所定の回転速度で回転駆動され
る。所定速度での回転駆動が開始されてから一定時間が
経過すると、その時点でインバータ制御回路(7)はブレ
ーキモードに切り換えられ、ブラシレスモータは減速さ
れる。
【0010】この様に、ブラシレスモータを加速する際
には、該モータの回転速度を制御してブラシレスモータ
を加速し、ブラシレスモータを加速する過程でインバー
タ制御回路(7)を120度通電モードから正弦波駆動モ
ードに切り換える。一方、ブラシレスモータを減速する
際には、インバータ制御回路(7)を正弦波駆動モードか
らブレーキモードに設定してブラシレスモータを減速す
る。ここで、ブラシレスモータの回転速度を制御して、
ブラシレスモータの回転速度が所定の閾値以下となった
時点でインバータ制御回路を正弦波駆動モードから12
0度通電モードに切り換える構成を採用することが考え
られるが、かかる構成が採用されていない理由は、正弦
波駆動モードと120度通電モードとで回路系統を切り
換える必要があるため、制御の切換えをスムーズに行な
うことが出来ないからである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
洗濯機においては、上述の如くブラシレスモータの端子
を短絡させることによるブレーキと該端子を開放するこ
とによる惰性回転とを組み合わせてブラシレスモータを
減速するため、ブラシレスモータの減速を開始してから
ブラシレスモータの回転速度がゼロになるまでの時間が
負荷重量によってばらつき、一定の周期でブラシレスモ
ータの回転を正逆に切り換えることが出来ない問題があ
った。そこで、本発明の目的は、負荷重量に拘わらず一
定の周期でブラシレスモータを正逆に切り換えることが
出来るモータ制御装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決する為の手段】本発明に係るブラシレスモ
ータの制御装置は、ブラシレスモータに交流の電力を供
給して該ブラシレスモータを正逆に回転駆動するインバ
ータと、該ブラシレスモータの回転角度と一定の位相関
係を有する矩形波からなる位置信号を出力する位置セン
サーと、該位置センサーから得られる位置信号に基づい
て前記インバータを制御するPWM制御回路とを具えて
いる。ここで、前記PWM制御回路は、前記位置信号に
基づいてブラシレスモータの回転速度を検出する速度検
出手段と、前記検出された回転速度に基づいて、ブラシ
レスモータの回転速度を制御する速度制御手段と、前記
位置信号に基づいて電圧指令信号を生成する演算処理手
段と、前記生成された電圧指令信号に基づいてPWM信
号を作成し、該PWM信号をインバータに供給するPW
M信号作成手段とを具えている。前記演算処理手段は、
正弦波状に変化する電圧指令信号を生成する正弦波駆動
モードと矩形波状に変化する電圧指令信号を生成する矩
形波駆動モードとの間で切換え設定が可能な電圧指令生
成手段と、前記速度制御手段の動作によりブラシレスモ
ータの回転速度が低下する過程で、前記電圧指令生成手
段を正弦波駆動モードから矩形波駆動モードに切り換え
るモード切換え制御手段とを具えている。
【0013】上記本発明のブラシレスモータの制御装置
においては、速度制御手段によりブラシレスモータの回
転速度が制御されることによって、ブラシレスモータが
正逆に回転駆動される。そして本発明の制御装置におい
ては、ブラシレスモータの回転速度が低下する過程で、
モード切換え制御手段によって電圧指令生成手段が正弦
波駆動モードから矩形波駆動モードに切り換えられる。
この様にして、ブラシレスモータの回転速度が高いとき
には、電圧指令生成手段は、正弦波駆動モードに設定さ
れて、位置信号に基づき正弦波状の電圧指令信号を作成
する。これに対し、ブラシレスモータの回転速度が低い
ときには、電圧指令生成手段は、矩形波駆動モードに設
定されて、位置信号に基づき矩形波状の電圧指令信号を
作成する。従って、正弦波駆動モードと矩形波駆動モー
ドの間の切り替わり過程において、電圧指令生成手段の
動作に変化はない。又、この様にして作成された電圧指
令信号には、電圧指令生成手段が正弦波駆動モードに設
定されているか矩形波駆動モードに設定されているかに
拘わらず、PWM信号作成手段による共通の信号処理が
施されて、PWM信号が作成され、インバータに供給さ
れる。従って、電圧指令生成手段が正弦波駆動モードと
矩形波駆動モードとの間で切り替わる過程において、信
号処理手段の動作に変化はない。この結果、正弦波駆動
モードと矩形波駆動モードとの間で制御の切換えがスム
ーズに行なわれる。
【0014】本発明に係るモータ制御装置においては、
速度制御手段の動作によりブラシレスモータの回転速度
を低下させるので、負荷重量に拘わらず常に、ブラシレ
スモータの減速を開始してからブラシレスモータの回転
速度がゼロになるまでの時間を一定に設定することが可
能であり、これによって、負荷重量に拘わらず一定の周
期でブラシレスモータを正逆に切り換えることが出来
る。
【0015】尚、ブラシレスモータの回転速度が低いと
きには、位置信号の切り替わりの周期が長いため、仮に
回転速度が低いときに電圧指令生成手段を正弦波駆動モ
ードに設定して正弦波状の電圧指令信号を作成した場
合、該電圧指令信号の変化には大きな誤差を伴うことと
なって、制御精度は低いものとなる。これに対し、本発
明においては、ブラシレスモータの回転速度が低いとき
には、電圧指令生成手段を矩形波駆動モードに設定し
て、位置信号に基づいて矩形波状の電圧指令信号を作成
するので、上述の電圧指令信号の変化の誤差に伴う制御
精度の低下はない。一方、ブラシレスモータの回転速度
が高いときには、位置信号の切り替わりの周期が短いた
め、電圧指令生成手段を正弦波駆動モードに設定して作
成した正弦波状の電圧指令信号には高い精度が得られ、
ひいては高い制御精度が実現される。
【0016】具体的には、前記演算処理手段のモード切
換え制御手段は、前記速度制御手段の動作によりブラシ
レスモータの回転速度が上昇する過程で、前記電圧指令
生成手段を矩形波駆動モードから正弦波駆動モードに切
り換える。
【0017】上記具体的構成においては、ブラシレスモ
ータの回転速度が上昇する過程で、モード切換え制御手
段によって電圧指令生成手段が矩形波駆動モードから正
弦波駆動モードに切り換えられる。従って、電圧指令生
成手段が矩形波駆動モードに設定された状態で、ブラシ
レスモータは正転から逆転に切り換えられる。この様
に、ブラシレスモータが正転から逆転に切り換えられる
際、電圧指令生成手段のモードに変化がないので、その
切換えはスムーズに行なわれることになる。
【0018】又、具体的には、前記演算処理手段のモー
ド切換え制御手段は、前記検出された回転速度が所定の
閾値以下であるときに、前記電圧指令生成手段を矩形波
駆動モードに設定する一方、前記検出された回転速度が
前記所定の閾値よりも大きいときに、前記電圧指令生成
手段を正弦波駆動モードに設定する。
【0019】上記具体的構成においては、ブラシレスモ
ータの回転駆動時にブラシレスモータの回転速度が監視
され、ブラシレスモータの回転速度が低下する過程で
は、該回転速度が所定の閾値以下となった時点で電圧指
令生成手段が正弦波駆動モードから矩形波駆動モードに
切り替わる。これに対し、ブラシレスモータの回転速度
が上昇する過程では、該回転速度が前記所定の閾値を超
えた時点で電圧指令生成手段が矩形波駆動モードから正
弦波駆動モードに切り替わる。
【0020】又、具体的には、ブラシレスモータの回転
速度が低下する過程では、前記所定の閾値は、ブラシレ
スモータの回転速度が上昇する過程で設定される値より
も大きな値に設定される。
【0021】例えば、複数の位置信号の相互のエッジの
時間間隔に基づいてブラシレスモータの回転速度を検出
する場合、特にブラシレスモータの回転速度が低いとき
には、前記エッジの時間間隔が長くなって2つのエッジ
が出揃うまでに長い時間がかかるため、回転速度の検出
に長い時間がかかり、検出された回転速度とその時点で
の実際の回転速度との間に大きな差が生じることにな
る。ブラシレスモータの回転速度が低下する過程で検出
された回転速度は、実際の回転速度よりも大きな値とな
る。従って、閾値を大幅に下回る回転速度で電圧指令生
成手段が正弦波駆動モードから矩形波駆動モードに切り
換えられることになる。仮にブラシレスモータの回転速
度が低いときに電圧指令生成手段を正弦波駆動モードに
設定して正弦波状の電圧指令信号を作成した場合、上述
の如く制御精度は低いものとなる。そこで、閾値とし
て、電圧指令生成手段が正弦波駆動モードから矩形波駆
動モードに切り替わるべき最適な回転速度よりも大きな
値が設定される。
【0022】これに対し、ブラシレスモータの回転速度
が上昇する過程で検出された回転速度は、その時点での
実際の回転速度よりも小さな値となる。従って、閾値よ
りも大幅に上回る回転速度で電圧指令生成手段が矩形波
駆動モードから正弦波駆動モードに切り換えられること
になる。仮にブラシレスモータの回転速度が高いときに
電圧指令生成手段を矩形波駆動モードに設定して矩形波
状の電圧指令信号を作成したとしても、電圧指令信号の
変化の誤差に伴う制御精度の低下はない。そこで、閾値
として、前記最適な回転速度と同一の値或いは小さな値
が設定される。この様に、上記具体的構成においては、
ブラシレスモータの回転速度が低下する過程では、ブラ
シレスモータの回転速度が上昇する過程で設定される値
よりも大きな値を閾値として、正弦波駆動モードと矩形
波駆動モードとの間でモードの切換えが行なわれる。
【0023】又、具体的には、前記演算処理手段の電圧
指令生成手段は、矩形波駆動モードでは、前記位置信号
の位相に基づいて、矩形波状に変化する回転角度を導出
する一方、正弦波駆動モードでは、前記位置信号の位相
に基づいて回転角度を導出すると共に、導出された回転
角度に対して正弦波に基づく補間を施して、正弦波状に
変化する回転角度を導出する回転角度導出手段と、ブラ
シレスモータの回転角度を変数として電圧指令信号の変
化を表わす正弦波関数、若しくはブラシレスモータの回
転角度と電圧指令信号の関係を表わすテーブルに基づ
き、前記導出された回転角度から電圧指令信号を生成す
る信号演算手段とを具えている。
【0024】上記具体的構成においては、矩形波駆動モ
ードと正弦波駆動モードとで、モータの回転角度を導出
する際の基礎となるデータが切り換えられる。即ち、矩
形波駆動モードでは、前記位置信号の位相が1対1の対
応関係で回転角度に変換されて、正弦波駆動モードより
も粗い刻み幅でレベルが変化する矩形波状の回転角度が
導出される。これに対し、正弦波駆動モードでは、前記
位置信号の位相が1対1の対応関係で回転角度に変換さ
れると共に、これによって得られる回転角度に対して正
弦波に基づく補間が施されて、矩形波駆動モードよりも
細かい刻み幅でレベルが変化する正弦波状の回転角度が
導出される。この様にして導出された回転角度には、矩
形波駆動モードであるか正弦波駆動モードであるかに拘
わらず、信号演算手段によって共通の正弦波関数若しく
はテーブルを用いた演算が施されて、電圧指令信号が作
成される。
【0025】尚、ブラシレスモータの回転速度が低いと
きには、位置信号の切り替わりの周期が長く、該信号に
基づいて導出される回転角度は、粗い刻み幅でレベルが
変化するため、仮に回転速度が低いときに、補間によっ
て正弦波状に変化する回転角度を導出した場合、該回転
角度の変化には、大きな誤差を伴うことになる。従っ
て、この様な大きな誤差を伴う回転角度に基づいて電圧
指令信号を生成し、PWM制御を行なった場合、制御精
度はかえって低いものとなる。これに対し、上記具体的
構成においては、回転速度が低いときに導出される矩形
波状の回転角度に補間を施すことなく、信号演算手段に
よって、矩形波状に変化する回転角度から電圧指令信号
を生成するので、上述の回転角度の誤差に伴う制御精度
の低下はない。一方、回転速度が高いときには、位置信
号の切り替わりの周期が短く、該信号に基づいて導出さ
れる回転角度は、細かい刻み幅でレベルが変化するの
で、補間によって正弦波状に変化する回転角度を導出し
た場合、回転角度には高い精度が得られ、ひいては高い
制御精度が実現される。
【0026】又、具体的には、前記電圧指令生成手段の
信号演算手段には、ブラシレスモータの回転角度及び電
圧振幅指令値を変数とする正弦波関数が規定されてお
り、前記速度制御手段は、前記検出された回転速度と目
標回転速度との偏差に基づいて電圧振幅指令値を導出す
る。
【0027】上記具体的構成においては、ブラシレスモ
ータの回転角度を目標回転速度に追従させるための電圧
振幅指令値が導出されて、ブラシレスモータの回転速度
が制御される。その後、信号演算手段に規定されている
正弦波関数に基づいて、回転角度導出手段により導出さ
れた回転角度と前記導出された電圧振幅指令値とから電
圧指令信号が作成される。
【0028】更に又、具体的には、前記演算処理手段の
モード切換え制御手段は、電圧振幅指令値が所定の閾値
以下であるときに、前記電圧指令生成手段を矩形波駆動
モードに設定する一方、電圧振幅指令値が前記所定の閾
値よりも大きいときに、前記電圧指令生成手段を正弦波
駆動モードに設定する。
【0029】ブラシレスモータの加速時には電圧振幅指
令値は増大し、ブラシレスモータの減速時には電圧振幅
指令値は減小する。従って、電圧振幅指令値が所定の閾
値以下であるときに電圧指令生成手段を矩形波駆動モー
ドに設定する一方、電圧振幅指令値が前記所定の閾値よ
りも大きいときに電圧指令生成手段を正弦波駆動モード
に設定すれば、電圧指令生成手段は、ブラシレスモータ
の回転速度が低いときに矩形波駆動モードに設定され、
ブラシレスモータの回転速度が高いときに正弦波駆動モ
ードに設定されることになる。上記具体的構成において
は、ブラシレスモータの回転速度が低下する過程では、
電圧振幅指令値が所定の閾値以下となった時点で電圧指
令生成手段が正弦波駆動モードから矩形波駆動モードに
切り替わるのに対し、ブラシレスモータの回転速度が上
昇する過程では、電圧振幅指令値が前記所定の閾値を超
えた時点で電圧指令生成手段が矩形波駆動モードから正
弦波駆動モードに切り替わる。
【0030】
【発明の効果】本発明に係るブラシレスモータの制御装
置によれば、ブラシレスモータの回転速度を制御するこ
とによりブラシレスモータを減速するので、負荷重量に
拘わらず一定の周期でブラシレスモータを正逆に切り換
えることが出来る。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明を洗濯機のブラシレ
スモータの制御装置に実施した形態につき、図面に沿っ
て具体的に説明する。図1は、本発明に係るブラシレス
モータの制御装置の全体構成を表わしており、商用電源
(4)から得られる交流電力が、整流回路(5)によって一
旦、直流電力に変換された後、インバータ(6)によって
交流電力に変換され、該交流電力がブラシレスモータ
(2)に供給されて、モータの駆動が行なわれる。ブラシ
レスモータ(2)には、その回転軸を中心とする円周上
に、ホール素子からなる位置センサー(3)が120度の
位相差で3箇所に配備されており、これら3つの位置セ
ンサー(3)(3)(3)から得られる3つの位置信号(H
u、Hv、Hw)がPWM制御回路(1)に供給され、該
PWM制御回路(1)によってインバータ(6)が制御され
ている。
【0032】図3(a)は、ブラシレスモータの3相巻線
に誘起される電圧(Eu、Ev、Ew)の波形を表わして
おり、各電圧波形は、360度を1周期として正弦波状
に変化し、3つの電圧波形は互いに120度の位相差を
有している。又、同図(b)は、3つの位置センサーから
得られる3つの位置信号(Hu、Hv、Hw)の波形を表
わしている。各位置信号は、360度を1周期として、
ハイとローに切り替わる矩形波であって、3つの位置信
号は互いに120度の位相差を有している。
【0033】図2は、PWM制御回路(1)の具体的な構
成を表わしている。前記位置センサー(3)(3)(3)から
得られる3つの位置信号(Hu、Hv、Hw)は、位置演
算回路(13)へ供給されると共に、回転数検出回路(14)へ
供給され、回転数検出回路(14)では、3つの位置信号
(Hu、Hv、Hw)に基づいて、後述の如くモータの回
転数が検出される。即ち、3つの位置信号(Hu、H
v、Hw)は、図3(b)に示す如く互いに120度の位
相差を有しており、60度間隔で3つの位置信号のエッ
ジが現れる。そこで、2つのエッジが現れるまでの時間
を計測して60度をその時間で除算することにより回転
数が算出される。この様にして算出された回転数ωは、
正弦波/矩形波駆動制御回路(12)を構成する位相制御回
路(12a)、位置演算回路(13)、及びモード切換え制御回
路(15)に供給される。
【0034】本実施例のPWM制御回路(1)は、後述の
如く矩形波状の電圧指令信号を作成する矩形波駆動モー
ドと正弦波状の電圧指令信号を作成する正弦波駆動モー
ドとの間で切換え設定が可能であって、モード切換え制
御回路(15)では、回転数検出回路(14)から供給される回
転数ωが所定の閾値以下の矩形波駆動モードであるか、
回転数ωが所定の閾値を越える正弦波駆動モードである
かを判断し、その判断結果を位置演算回路(13)へ供給す
る。
【0035】位置演算回路(13)では、矩形波駆動モード
においては、3つの位置信号(Hu、Hv、Hw)の位相
からモータの回転角度θを算出する。例えば、下記表1
は、モータの回転に伴って得られる3つの位置信号(H
u、Hv、Hw)のハイ(“1”)及びロー(“0”)の組
合せと回転角度θとの関係を表わしており、この表に基
づいて、3つの位置信号(Hu、Hv、Hw)の位相に対
応するモータの回転角度θを導出することが出来る。こ
れによって、60°を刻み幅として矩形波状に変化する
回転角度θが得られることになる。
【0036】
【表1】
【0037】正弦波駆動モードにおいては、矩形波駆動
モードと同様に3つの位置信号(Hu、Hv、Hw)の位
相からモータの回転角度を導出すると共に、これらの回
転角度θを正弦波に基づいて補間することにより、60
°よりも十分に小さな刻み幅(例えば1°)で正弦波状に
変化する回転角度θを算出する。尚、図2に示す回転数
検出回路(14)から得られる回転角度ωは、前記補間処理
に利用される。矩形波駆動モード或いは正弦波駆動モー
ドにて、前述の如く算出された回転角度θは、位相制御
回路(12a)へ供給される。
【0038】回転数検出回路(14)から得られる回転数ω
は、回転数制御回路(11)へ供給され、該回転数制御回路
(11)にて、モータ回転数の目標値ω*との偏差に基づ
き、電圧振幅指令Vaが作成される。電圧振幅指令Va
は位相制御回路(12a)へ供給され、位相制御回路(12a)に
おいては、回転数制御回路(11)から得られる電圧振幅指
令Vaと、位置演算回路(13)から供給される回転角度θ
とに基づき、下記数1から、ブラシレスモータのU相に
ついての電圧指令信号Vu*が算出される。
【0039】
【数1】Vu*=Va・cos(θ+ψ) 尚、ψは、位相進め角であって、回転数検出回路(14)か
ら得られる回転数ωに応じてゼロ以上の適切な値に設定
される。
【0040】これによって、矩形波駆動モードにおいて
は、図3(c)に示す如く60°の粗い刻み幅で矩形波状
に変化する電圧指令信号Vu*が得られる。一方、正弦
波駆動モードにおいては、図4(c)に示す如く細かい刻
み幅で正弦波状に変化する電圧指令信号Vu*が得られ
る。そして、このU相の電圧指令信号Vu*に対して1
20°の位相差を与えることによって、V相の電圧指令
信号Vu*が作成され、更にこのV相の電圧指令信号V
v*に対して120°の位相差を与えることによって、
W相の電圧指令信号Vw*が作成される。
【0041】この様にして算出された3相の電圧指令信
号(Vu*、Vv*、Vw*)は、図2に示す正弦波/矩
形波駆動制御回路(12)を構成するPWM信号生成回路(1
2b)へ供給されて、U相、V相、W相についてのPWM
信号が生成される。即ち、矩形波駆動モードにおいて
は、図3(c)に示す如く、U相の電圧指令信号Vu*と
所定の搬送波(三角波)とが比較され、該比較結果に基づ
いて、同図(d)に示すU相の駆動信号(PWM信号)が作
成される。同様にして、V相の電圧指令信号Vv*と所
定の搬送波とが比較されて、V相の駆動信号が作成さ
れ、W相の電圧指令信号Vw*と所定の搬送波とが比較
されて、W相の駆動信号が作成される。正弦波駆動モー
ドにおいても同様に、図4(c)に示す如く、U相の電圧
指令信号Vu*と所定の搬送波(三角波)とが比較され、
該比較結果に基づいて、同図(d)に示すU相の駆動信号
(PWM信号)が作成される。同様にして、V相の電圧指
令信号Vv*と所定の搬送波とが比較されて、V相の駆
動信号が作成され、W相の電圧指令信号Vw*と所定の
搬送波とが比較されて、W相の駆動信号が作成される。
【0042】この様にして作成されたU相、V相、W相
のPWM信号は、図1に示す如くインバータ(6)へ供給
されて、インバータ(6)がPWM制御される。この結
果、ブラシレスモータ(2)は、矩形波駆動モードにおい
ては3つの位置センサーの出力から作成された矩形波状
の電圧指令信号に基づいて駆動される一方、正弦波駆動
モードにおいては3つの位置センサーの出力から作成さ
れた正弦波状の電圧指令信号に基づいて駆動されること
になる。
【0043】図5は、洗濯機の洗い動作時におけるブラ
シレスモータの回転速度の変化と上記PWM制御回路
(1)のモード変化を表わしている。先ず、PWM制御回
路(1)は矩形波駆動モードに設定され、ブラシレスモー
タの正転駆動が開始されて、ブラシレスモータは加速さ
れる。この過程で、検出された回転数ωが第1の閾値に
達すると、その時点でPWM制御回路(1)は正弦波駆動
モードに切り換えられ、ブラシレスモータは更に加速さ
れた後、所定の回転数で回転駆動される。所定の回転数
での回転駆動が開始されてから一定時間が経過すると、
その時点からブラシレスモータは減速され、この過程
で、検出された回転数ωが前記第1の閾値よりも大きな
第2の閾値に達すると、その時点でPWM制御回路(1)
は矩形波駆動モードに切り換えられて、ブラシレスモー
タは更に減速される。その後、ブラシレスモータの逆転
駆動が開始されて、ブラシレスモータは加速される。こ
の過程で、検出された回転数ωが前記第1の閾値に達す
ると、その時点でPWM制御回路(1)は正弦波駆動モー
ドに切り換えられ、ブラシレスモータは更に加速された
後、所定の回転数で回転駆動される。所定の回転数での
回転駆動が開始されてから一定時間が経過すると、その
時点からブラシレスモータは減速され、この過程で、検
出された回転数ωが前記第2の閾値に達した時点で、P
WM制御回路(1)は矩形波駆動モードに切り換えられ
て、ブラシレスモータは更に減速される。
【0044】ブラシレスモータの減速時には、後述の理
由により、加速時における第1の閾値よりも大きな第2
の閾値でPWM制御回路(1)が正弦波駆動モードから矩
形波駆動モードに切り換えられる。ブラシレスモータの
回転速度が低いときには、3つの位置信号(Hu、H
v、Hw)の相互のエッジの時間間隔が長くなって2つ
のエッジが出揃うまでに長い時間がかかるため、回転数
の検出に長い時間がかかり、回転数検出回路(14)により
検出された回転数とその時点での実際の回転数との間に
大きな差が生じることになる。ブラシレスモータの減速
時に検出された回転数ωは、その時点での実際の回転数
よりも大きな値となる。従って、PWM制御回路(1)
は、閾値を大幅に下回る回転数で正弦波駆動モードから
矩形波駆動モードに切り替わることになる。ブラシレス
モータの回転速度が低いときには、位置信号の切り替わ
りの周期が長く、該信号に基づいて導出される回転角度
は、粗い刻み幅でレベルが変化するため、仮に回転速度
が低いときに、補間によって正弦波状に変化する回転角
度を導出した場合、該回転角度の変化には、大きな誤差
を伴うことになる。従って、この様な大きな誤差を伴う
回転角度に基づいて電圧指令信号を生成し、PWM制御
を行なった場合、制御精度は低いものとなる。そこで、
ブラシレスモータの減速時においては、閾値として、P
WM制御回路(1)が正弦波駆動モードから矩形波駆動モ
ードに切り替わるべき最適な回転数よりも大きな値が設
定される。
【0045】これに対し、ブラシレスモータの加速時に
検出された回転数ωは、その時点での実際の回転数より
も小さな値となる。従って、PWM制御回路(1)は、閾
値を大幅に上回る回転数で矩形波駆動モードから正弦波
駆動モードに切り替わることになる。仮にブラシレスモ
ータの回転速度が高いときに矩形波状に変化する回転角
度を導出したとしても、回転角度の変化の誤差に伴う制
御精度の低下はない。そこで、ブラシレスモータの加速
時においては、閾値として、前記最適な回転数と同一或
いは前記最適な回転数よりも小さな値が設定される。上
述の理由により、ブラシレスモータの減速時には、加速
時における第1の閾値よりも大きな第2の閾値でPWM
制御回路(1)が正弦波駆動モードから矩形波駆動モード
に切り換えられるのである。
【0046】上記ブラシレスモータの制御装置において
は、常にブラシレスモータの回転数ωを制御することに
よってブラシレスモータを回転駆動する。従って、負荷
重量に拘わらず、ブラシレスモータの減速を開始してか
らブラシレスモータの回転速度がゼロになるまでの時間
を常に一定に設定することが可能であり、これによっ
て、負荷重量に拘わらず一定の周期でブラシレスモータ
を正逆に切り換えることが出来る。又、PWM制御回路
(1)が矩形波駆動モードに設定されている状態で、ブラ
シレスモータは正転から逆転に切り換えられる。この様
に、ブラシレスモータが正転から逆転に切り換えられる
際、PWM制御回路(1)のモードに変化がないので、そ
の切換えはスムーズに行なわれることになる。
【0047】又、上記ブラシレスモータの制御装置にお
いては、矩形波駆動モードの制御、即ち、3つの位置信
号(Hu、Hv、Hw)の位相差に基づいて、粗い刻み幅
(60°)でレベルが変化する矩形波状の回転角度ωを導
出し、該回転角度ωに基づいて電圧指令信号を作成する
制御と、正弦波駆動モードの制御、即ち、3つの位置信
号(Hu、Hv、Hw)の位相差に基づいて回転角度を導
出すると共に、これらの回転角度を補間して、細かい刻
み幅(例えば1°)でレベルが変化する正弦波状の回転角
度を導出し、該回転角度ωに基づいて電圧指令信号を作
成する制御とが、永久磁石モータ(2)の回転数に応じて
切り換えられるが、何れのモードにおいても、正弦波/
矩形波駆動制御回路(12)の位相制御回路(12a)は、前記
数1に示す共通の正弦波関数を用いた演算を実行して、
電圧指令信号を作成する動作を行なうので、矩形波駆動
モードと正弦波駆動モードの間の切り替わりに伴う動作
の変化はない。又、正弦波/矩形波駆動制御回路(12)の
PWM信号生成回路(12b)は、何れのモードにおいて
も、電圧指令信号からPWM信号を作成してインバータ
に供給する動作を行なうので、矩形波駆動モードと正弦
波駆動モードの間の切り替わりに伴う動作の変化はな
い。従って、図7に示す従来のインバータ制御回路(7)
の如く2つのスイッチング信号生成回路(73)(74)や2つ
の回転数制御回路(71)(72)を設けて120度通電モード
と正弦波駆動モード回路系統を切り換える方式に比べ
て、矩形波駆動モードと正弦波駆動モードの間の制御の
切換えがスムーズに行なわれる。又、構成が簡易とな
る。
【0048】更に、図2に示す正弦波/矩形波駆動制御
回路(12)の位相制御回路(12a)においては、前記数1の
正弦波関数に規定されている位相進め角ψを回転数ωに
応じた適切な値に設定することによって、ブラシレスモ
ータ(2)の巻線に流れる電流と該巻線に発生する誘起電
圧との位相差をゼロに設定することが可能であり、これ
によってモータのトルクを最大化することが出来る。
【0049】尚、本発明の各部構成は上記実施の形態に
限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の
変形が可能である。例えば、上記実施の形態において
は、図2に示すモード切換え制御回路(15)は、回転数検
出回路(14)によって検出された回転数ωに基づいて矩形
波駆動モード或いは正弦波駆動モードの何れのモードで
あるかを判断しているが、これに代えて、回転数制御回
路(11)から得られる電圧振幅指令Vaに基づいてモード
判断を行なう構成を採用することも可能である。又、上
記実施の形態においては、ブラシレスモータ(2)に3つ
の位置センサー(3)(3)(3)を設けているが、これに拘
わらず、任意の個数の位置センサーを設けることが可能
である。ブラシレスモータ(2)に2つの位置センサーを
設けた場合には、90°を刻み幅として矩形波状に変化
する回転角度θが得られることになる。更に、上記実施
の形態においては、上記数1で表わされる正弦波関数に
基づいて電圧指令信号を算出する構成を採用している
が、これに限らず、下記数2に示す如く、基本波成分か
ら振幅値が基本波の1/6の3次高調波成分を減算する
正弦波関数に基づいて電圧指令信号を算出する構成を採
用することも可能である。
【0050】
【数2】Vu*=Va・{cos(θ+ψ)−(1/6)・
cos3θ}
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るブラシレスモータの制御装置の全
体構成を表わすブロック図である。
【図2】該制御装置を構成するPWM制御回路の構成を
表わすブロック図である。
【図3】該PWM制御回路において矩形波駆動モードに
て作成される各種信号の波形図である。
【図4】該PWM制御回路において正弦波駆動モードに
て作成される各種信号の波形図である。
【図5】本発明の洗濯機の洗い動作時におけるブラシレ
スモータの回転速度の変化とPWM制御回路のモード変
化を表わすグラフである。
【図6】従来のブラシレスモータの制御装置の全体構成
を表わすブロック図である。
【図7】従来のインバータ制御回路を表わすブロック図
である。
【図8】従来の洗濯機の洗い動作時におけるブラシレス
モータの回転速度の変化とインバータ制御回路のモード
変化を表わすグラフである。
【符号の説明】
(1) PWM制御回路 (2) ブラシレスモータ (3) 位置センサー (4) 商用電源 (5) 整流回路 (6) インバータ (11) 回転数制御回路 (12) 正弦波/矩形波駆動制御回路 (12a) 位相制御回路 (12b) PWM信号生成回路 (13) 位置演算回路 (14) 回転数検出回路 (15) モード切換え制御回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5H560 BB04 BB12 DA02 DA19 DB20 EB01 EC01 EC02 GG04 HC02 SS07 TT15 XA04 XA12

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブラシレスモータに交流の電力を供給し
    て該ブラシレスモータを正逆に回転駆動するインバータ
    と、該ブラシレスモータの回転角度と一定の位相関係を
    有する矩形波からなる位置信号を出力する位置センサー
    と、該位置センサーから得られる位置信号に基づいて前
    記インバータを制御するPWM制御回路とを具えたブラ
    シレスモータの制御装置において、前記PWM制御回路
    は、 前記位置信号に基づいてブラシレスモータの回転速度を
    検出する速度検出手段と、 前記検出された回転速度に基づいて、ブラシレスモータ
    の回転速度を制御する速度制御手段と、 前記位置信号に基づいて電圧指令信号を生成する演算処
    理手段と、 前記生成された電圧指令信号に基づいてPWM信号を作
    成し、該PWM信号をインバータに供給するPWM信号
    作成手段とを具え、前記演算処理手段は、 正弦波状に変化する電圧指令信号を生成する正弦波駆動
    モードと矩形波状に変化する電圧指令信号を生成する矩
    形波駆動モードとの間で切換え設定が可能な電圧指令生
    成手段と、 前記速度制御手段の動作によりブラシレスモータの回転
    速度が低下する過程で、前記電圧指令生成手段を正弦波
    駆動モードから矩形波駆動モードに切り換えるモード切
    換え制御手段とを具えていることを特徴とするブラシレ
    スモータの制御装置。
  2. 【請求項2】 前記演算処理手段のモード切換え制御手
    段は、前記速度制御手段の動作によりブラシレスモータ
    の回転速度が上昇する過程で、前記電圧指令生成手段を
    矩形波駆動モードから正弦波駆動モードに切り換える請
    求項1に記載の制御装置。
  3. 【請求項3】 前記演算処理手段のモード切換え制御手
    段は、前記検出された回転速度が所定の閾値以下である
    ときに、前記電圧指令生成手段を矩形波駆動モードに設
    定する一方、前記検出された回転速度が前記所定の閾値
    よりも大きいときに、前記電圧指令生成手段を正弦波駆
    動モードに設定する請求項2に記載の制御装置。
  4. 【請求項4】 ブラシレスモータの回転速度が低下する
    過程では、前記所定の閾値は、ブラシレスモータの回転
    速度が上昇する過程で設定される値よりも大きな値に設
    定される請求項3に記載の制御装置。
  5. 【請求項5】 前記演算処理手段の電圧指令生成手段
    は、 矩形波駆動モードでは、前記位置信号の位相に基づい
    て、矩形波状に変化する回転角度を導出する一方、正弦
    波駆動モードでは、前記位置信号の位相に基づいて回転
    角度を導出すると共に、導出された回転角度に対して正
    弦波に基づく補間を施して、正弦波状に変化する回転角
    度を導出する回転角度導出手段と、 ブラシレスモータの回転角度を変数として電圧指令信号
    の変化を表わす正弦波関数、若しくはブラシレスモータ
    の回転角度と電圧指令信号の関係を表わすテーブルに基
    づき、前記導出された回転角度から電圧指令信号を生成
    する信号演算手段とを具えている請求項2乃至請求項4
    の何れかに記載の制御装置。
  6. 【請求項6】 前記電圧指令生成手段の信号演算手段に
    は、ブラシレスモータの回転角度及び電圧振幅指令値を
    変数とする正弦波関数が規定されており、前記速度制御
    手段は、前記検出された回転速度と目標回転速度との偏
    差に基づいて電圧振幅指令値を導出する請求項5に記載
    の制御装置。
  7. 【請求項7】 前記演算処理手段のモード切換え制御手
    段は、電圧振幅指令値が所定の閾値以下であるときに、
    前記電圧指令生成手段を矩形波駆動モードに設定する一
    方、電圧振幅指令値が前記所定の閾値よりも大きいとき
    に、前記電圧指令生成手段を正弦波駆動モードに設定す
    る請求項6に記載の制御装置。
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