JP2003110194A - 半導体レーザ装置、半導体レーザモジュールおよびこれを用いたラマン増幅器 - Google Patents
半導体レーザ装置、半導体レーザモジュールおよびこれを用いたラマン増幅器Info
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Abstract
幅器用光源に適した半導体レーザ装置および半導体レー
ザモジュールを提供すること。 【解決手段】 レーザ光を発光するGRIN−SCH−
MQW活性層3の出力側に、回折格子13をもつ光導波
路4を設け、GRIN−SCH−MQW活性層3が形成
する利得領域と回折格子13の波長選択特性とを含む発
振パラメータの組み合わせ設定によって発振波長スペク
トルの半値幅内に2本以上の発振縦モードを含むレーザ
光を出力する。
Description
ファイバ増幅器(EDFA:Erbium Doped FiberAmplif
ier)やラマン増幅器などの励起用光源に適した半導体
レーザ装置、半導体レーザモジュールおよびこれを用い
たラマン増幅器に関するものである。
々なマルチメディアの普及に伴って、光通信に対する大
容量化の要求が大きくなっている。従来、光通信では、
光ファイバによる光の吸収が少ない波長である1310
nmもしくは1550nmの帯域において、それぞれ単
一の波長による伝送が一般的であった。この方式では、
多くの情報を伝達するためには伝送経路に敷設する光フ
ァイバの芯数を増やす必要があり、伝送容量の増加に伴
ってコストが増加するという問題点があった。
Dense-Wavelength Division Multiplexing)通信方式が
用いられるようになった。このDWDM通信方式は、主
にEDFAを用い、この動作帯域である1550nm帯
において、複数の波長を使用して伝送を行う方式であ
る。このDWDM通信方式あるいはWDM通信方式で
は、1本の光ファイバを用いて複数の異なる波長の光信
号を同時に伝送することから、新たな線路を敷設する必
要がなく、ネットワークの伝送容量の飛躍的な増加をも
たらすことを可能としている。
方式では、利得平坦化の容易な1550nm帯から実用
化され、最近では、利得係数が小さいために利用されて
いなかった1580nm帯にまで拡大している。しかし
ながら、EDFAで増幅可能な帯域に比して光ファイバ
の低損失帯域の方が広いことから、EDFAの帯域外で
動作する光増幅器、すなわちラマン増幅器への関心が高
まっている。
した光増幅器がイオンのエネルギー準位によって利得波
長帯が決まるのに対し、ラマン増幅器は、励起光の波長
によって利得波長帯が決まるという特徴を持ち、励起光
波長を選択することによって任意の波長帯を増幅するこ
とができる。
を入射すると、誘導ラマン散乱によって、励起光波長か
ら約100nm程度長波長側に利得が現れ、この励起さ
れた状態の光ファイバに、この利得を有する波長帯域の
信号光を入射すると、この信号光が増幅されるというも
のである。したがって、ラマン増幅器を用いたWDM通
信方式では、EDFAを用いた通信方式に比して、信号
光のチャネル数をさらに増加させることができる。
る従来のラマン増幅器の構成を示すブロック図である。
図31において、ファブリペロー型の半導体発光素子1
80a〜180dとファイバグレーティング181a〜
181dとがそれぞれ対となった半導体レーザモジュー
ル182a〜182dは、励起光のもとになるレーザ光
を偏波合成カプラ61a,61bに出力する。各半導体
レーザモジュール182a,182bが出力するレーザ
光の波長は同じであるが、偏波合成カプラ61aによっ
て異なる偏波面をもった光を合成している。同様にし
て、各半導体レーザモジュール182c,182dが出
力するレーザ光の波長は同じであるが、偏波合成カプラ
61bによって異なる偏波面をもった光を合成してい
る。偏波合成カプラ61a,61bは、それぞれ偏波合
成したレーザ光をWDMカプラ62に出力する。なお、
偏波合成カプラ61a,61bから出力されるレーザ光
の波長は異なる。
介して偏波合成カプラ61a,61bから出力されたレ
ーザ光を合波し、WDMカプラ65を介し、励起光とし
て増幅用ファイバ64に出力する。この励起光が入力さ
れた増幅用ファイバ64には、増幅対象の信号光が、信
号光入力ファイバ69からアイソレータ63を介して入
力され、励起光と合波してラマン増幅される。
された信号光(増幅信号光)は、WDMカプラ65およ
びアイソレータ66を介してモニタ光分配用カプラ67
に入力される。モニタ光分配用カプラ67は、増幅信号
光の一部を制御回路68に出力し、残りの増幅信号光を
出力レーザ光として信号光出力ファイバ70に出力す
る。
号光をもとに各半導体発光素子180a〜180dの発
光状態、たとえば光強度を制御し、ラマン増幅の利得帯
域が平坦な特性となるようにフィードバック制御する。
た半導体レーザモジュールの概要構成を示す図である。
図32において、この半導体レーザモジュール201
は、半導体発光素子202と光ファイバ203とを有す
る。半導体発光素子202は、活性層221を有する。
活性層221は、一端に光反射面222が設けられ、他
端に光出射面223が設けられる。活性層221内で生
じた光は、光反射面222で反射して、光出射面223
から出力される。
は、光ファイバ203が配置され、光出射面223と光
結合される。光ファイバ203内のコア232には、光
出射面223から所定位置にファイバグレーティング2
33が形成され、ファイバグレーティング233は、特
性波長の光を選択的に反射する。すなわち、ファイバグ
レーティング233は、外部共振器として機能し、ファ
イバグレーティング233と光反射面222との間で共
振器を形成し、ファイバグレーティング233によって
選択された特定波長のレーザ光が増幅されて出力レーザ
光241として出力される。
た半導体レーザモジュール201(182a〜182
d)は、ファイバグレーティング233と半導体発光素
子202との間隔が長いため、ファイバグレーティング
233と光反射面222との間の共振によって相対強度
雑音(RIN:Relative Intensity Noise)が大きくな
る。ラマン増幅では、増幅の生じる過程が早く起こるた
め、励起光強度が揺らいでいると、ラマン利得も揺らぐ
ことになり、このラマン利得の揺らぎがそのまま増幅さ
れた信号強度の揺らぎとして出力されてしまい、安定し
たラマン増幅を行わせることができないという問題点が
あった。
01は、ファイバグレーティング233を有した光ファ
イバ203と、半導体発光素子202とを光結合する必
要があり、組立時の光軸合わせに時間と労力とがかかる
とともに、共振器内における機械的な光結合であるため
に、レーザの発振特性が機械的振動などによって変化し
てしまうおそれがあり、安定した励起光を提供すること
ができない場合が生じるという問題点があった。
したラマン増幅器のように信号光に対して後方から励起
する後方励起方式のほかに、信号光に対して前方から励
起する前方励起方式および双方向から励起する双方向励
起方式がある。現在、ラマン増幅器として多用されてい
るのは、後方励起方式である。その理由は、弱い信号光
が強い励起光とともに同方向に進行する前方励起方式で
は、励起光強度が揺らぐという問題があるからである。
したがって、前方励起方式にも適用できる安定した励起
光源の出現が要望されている。すなわち、従来のファイ
バグレーティングを用いた半導体レーザモジュールを用
いると、適用できる励起方式が制限されるという問題点
があった。
は、信号光の偏波方向と励起光の偏波方向とが一致する
ことを条件としている。すなわち、ラマン増幅では、増
幅利得の偏波依存性があり、信号光の偏波方向と励起光
の偏波方向とのずれによる影響を小さくする必要があ
る。ここで、後方励起方式の場合、信号光は、伝搬中に
偏波がランダムとなるため、問題は生じないが、前方励
起方式の場合、偏波依存性が強く、励起光の直交偏波合
成、デボラライズなどによって偏波依存性を小さくする
必要がある。すなわち、偏光度(DOP:Degree Of Po
larization)を小さくする必要がある。
比較的低いため、高出力のラマン増幅用励起光源の出現
が望まれていた。
安定し、高利得を得ることができるラマン増幅器用光源
に適した半導体レーザ装置、半導体レーザモジュールお
よびこれを用いたラマン増幅器を提供することを目的と
する。
め、請求項1にかかる半導体レーザ装置は、レーザ光を
発光する活性層の出力側または反射側あるいは出力側お
よび反射側の双方に回折格子を設け、前記活性層が形成
する利得領域と前記回折格子の波長選択特性とを含む発
振パラメータの組み合わせ設定によって発振波長スペク
トルの半値幅内に2本以上の発振縦モードを含むレーザ
光を出力することを特徴とする。
発光する活性層の出力側または反射側あるいは出力側お
よび反射側の双方に回折格子を設け、前記活性層が形成
する利得領域と前記回折格子の波長選択特性とを含む発
振パラメータの組み合わせ設定によって発振波長スペク
トルの半値幅内に2本以上の発振縦モードを含むレーザ
光を出力するようにしている。
子の波長選択特性とを含む発振パラメータの組み合わせ
設定によって、波長が安定化され、かつ発振波長スペク
トルの半値幅内に2本以上、好ましくは3本以上の発振
縦モードを含むレーザ光を出力するようにしている。
は、上記の発明において、前記出力側あるいは反射側に
設けられた回折格子の上部に設けられ、かつ前記活性層
の上部に設けられた電極と空間的に分離された波長制御
電極を備えたことを特徴とする。
部に設けられた電極とは独立して、波長制御電極から該
波長制御電極の下部に設けられた回折格子に可変の電流
注入を行うことができる。
は、上記の発明において、前記波長制御電極は、該波長
制御電極に流入する電流を空間的に制限する櫛歯構造を
有することを特徴とする。
極の内部に櫛歯構造をもたせ、波長制御電極に注入され
た電流を空間的に不均一な電流として回折格子に流入
し、回折格子の波長選択性にチャープをかけることがで
きるようにしている。
は、上記の発明において、前記回折格子と前記活性層と
の間に前記レーザ光の位相調整を行う位相調整部と、前
記位相調整部の上部に設けられ、前記電極および前記波
長調整部と空間的に分離された位相調整電極と、を備え
たことを特徴とする。
が設けられることによって、活性層から出力されるレー
ザ光の出力低下の抑制や、縦モードホッピングによる電
流−光出力特性に現れるキンクの抑制や、精度良く所望
の発振波長を実現するなど発振安定動作の向上を図るこ
とができる。
は、上記の発明において、前記発振波長の中心波長のシ
フト量に対応させて、前記出力側の回折格子の反射波長
モード間隔と前記反射側の回折格子の反射波長モード間
隔との差が設定されることを特徴とする。
ーニア効果を利用し、回折格子の領域に電流を注入する
ことによって、各反射波長モードがシフトし、各反射波
長モードが一致した波長をもつマルチモード発振を行う
ようにしている。
は、上記の発明において、発振波長が1100〜155
0nmであることを特徴とする。
1100〜1550nmとし、光ファイバの伝送帯域に
適した波長帯域の信号光のラマン増幅を行うようにして
いる。
は、上記の発明において、前記発振波長スペクトルの半
値幅は、3nm以下であることを特徴とする。
長スペクトルの半値幅を、3nm以下とし、ラマン増幅
時の波長合成を効率的に行うようにしている。
は、上記の発明において、前記活性層が形成する共振器
長は、800μm以上であることを特徴とする。
が形成する共振器長を、800μm以上とし、発振縦モ
ードのモード間隔を短くすることによって、前記発振波
長スペクトルの半値幅内に含まれる発振縦モード数を増
大するとともに、高出力動作を可能にしている。
は、上記の発明において、前記活性層が形成する共振器
長は、3200μm以下であることを特徴とする。
が形成する共振器長を、3200μm以下とし、発振縦
モードのモード間隔を0.1nm以上とし、ラマン増幅
時における誘導ブリルアン散乱の影響を低減するように
している。
置は、上記の発明において、前記回折格子は、グレーテ
ィング周期に所定の周期揺らぎを持たせたことを特徴と
する。
格子に、グレーティング周期に所定の周期揺らぎを持た
せたるようにし、これによって、発振波長スペクトルの
半値幅を広げるようにしている。
置は、上記の発明において、前記回折格子は、前記グレ
ーティング周期をランダムあるいは所定周期で変化させ
たグレーティングであることを特徴とする。
格子を、前記グレーティング周期をランダムあるいは所
定周期で変化させたグレーティングとし、これによっ
て、回折格子に周期的揺らぎを発生させ、発振波長スペ
クトルの半値幅を広げるようにしている。
置は、上記の発明において、レーザ光の出射端面に設け
た第1反射膜と、前記レーザ光の反射端面に設けた第2
反射膜とをさらに備えたことを特徴とする。
膜を、レーザ光の出射端面に設けて、ファブリペローモ
ードの反射を抑制し、第2反射膜を、前記レーザ光の反
射端面に設けることによって、回折格子と第2反射膜に
より、確実な反射を行わせ、レーザ光の出力効率を高め
ている。
置は、上記の発明において、前記発振パラメータは、前
記回折格子の結合係数を含むことを特徴とする。
パラメータに、前記回折格子の結合係数を含めるように
し、該回折格子の結合係数を変化させることによって、
発振波長スペクトルの半値幅を変化させ、該半値幅内に
含まれる発振縦モードの複数化を行うようにするととも
に、第1反射膜側の回折格子の結合係数と回折格子長と
の積を大きな値とすることによってレーザ光の効率的な
反射をも行うことができる。
ジュールは、請求項1〜13に記載の半導体レーザ装置
と、前記半導体レーザ装置から出射されたレーザ光を外
部に導波する光ファイバと、前記半導体レーザ装置と前
記光ファイバと光結合を行う光結合レンズ系とを備えた
ことを特徴とする。
グレーティングを用いない半導体レーザ装置を用いて該
半導体レーザ装置の共振器が物理的に分離されていない
ため、光軸合わせなどを行う必要がなく、機械的振動な
どによってレーザの発振特性が変化しにくくなり、安定
したレーザ光を信頼性高く、かつ安定して出力すること
ができる。
ジュールは、上記の発明において、前記半導体レーザ装
置の温度を制御する温度制御装置と、前記光結合レンズ
系内に配置され、光ファイバ側からの反射戻り光の入射
を抑制するアイソレータとをさらに備えたことを特徴と
する。
グレーティングを用いない半導体レーザ装置を用いてい
るため、インライン式のファイバ型と異なり、偏波依存
型のアイソレータを使用することができ、挿入損失の小
さい半導体レーザモジュールを実現することができる。
は、請求項1〜13に記載の半導体レーザ装置、あるい
は請求項14または15に記載の半導体レーザモジュー
ルを広帯域ラマン増幅用の励起光源として用いたことを
特徴とする。
〜13に記載の半導体レーザ装置、あるいは請求項14
または15に記載の半導体レーザモジュールを広帯域ラ
マン増幅用の励起光源として用い、上述した各半導体レ
ーザ装置あるいは各半導体レーザモジュールの作用効果
を奏するようにしている。
発明にかかる半導体レーザ装置、半導体レーザモジュー
ルおよびラマン増幅器の好適な実施の形態について説明
する。
態1について説明する。図1は、この発明の実施の形態
1である半導体レーザ装置の長手方向の縦断面図であ
る。また、図2は、図1に示した半導体レーザ装置のA
−A線断面図である。さらに、図3は、図1に示した半
導体レーザ装置のB−B線断面図である。図1〜図3に
おいて、この半導体レーザ装置20は、反射膜14側に
おいて、n−InP基板1の(100)面上に、順次、
n−InPによるバッファ層と下部クラッド層とを兼ね
たn−InPクラッド層2、圧縮歪みをもつGRIN−
SCH−MQW(Graded Index-Separate Confinement
Heterostructure Multi Quantum Well)活性層3、およ
びp−InPクラッド層6、p−InGaAsPコンタ
クト層7が積層された構造を有する。
射膜15側において、n−InP基板1の(100)面
上に、順次、n−InPによるバッファ層と下部クラッ
ド層とを兼ねたn−InPクラッド層2、InGaAs
Pの光導波路層4,5、およびp−InPクラッド層6
が積層された構造を有する。
側反射膜15から250μm延び、膜厚20nmを有し
たp−InGaAsPの回折格子13が、ピッチ約22
0nmで周期的に形成され、GRIN−SCH−MQW
活性層3の利得領域から、中心波長1.48μmのレー
ザ光を選択するようにしている。この回折格子13は、
出射側反射膜15に接する配置にすることが望ましい
が、必ずしも接する配置にしなくても、回折格子13の
機能を発揮する範囲内、たとえば20μm〜100μm
程度の範囲内で出射側反射膜15から離隔する配置とし
てもよい。ここで、回折格子長は、250μmとした
が、実際にはこの限りではなく、回折格子長Lgと回折
格子の結合係数κとの積κLgを0.5よりも小さく、
より好ましくは0.1程度になるように回折格子長およ
び回折格子の材料が決定される。このことにより、縦多
モード安定動作が可能になるとともに、レーザ光の出射
効率が高まり、結果的に高効率のレーザ出力を実現する
ことができる。
導波路層5、およびGRIN−SCH−MQW活性層3
は、順次長手方向(レーザ光出射方向)に隣接配置され
る。光導波路層4,5、GRIN−SCH−MQW活性
層3、およびn−InPクラッド層2の上部は、メサス
トライプ状に加工され、メサストライプの両側は、電流
ブロッキング層として形成されたp−InPブロッキン
グ層8とn−InPブロッキング層9によって埋め込ま
れている。また、p−InGaAsPコンタクト層7の
上面には、p側電極10が形成され、n−InP基板1
の裏面には、n側電極11が形成される。
である光反射端面には、反射率80%以上、好ましくは
98%以上の高光反射率をもつ反射膜14が形成され、
他端面である光出射端面には、反射率が2%以下、好ま
しくは0.1%以下の低光反射率をもつ出射側反射膜1
5が形成される。反射膜14と出射側反射膜15を含ん
だ回折格子13とによって形成された光共振器のGRI
N−SCH−MQW活性層3内に発生した光は、反射膜
14によって反射し、光導波路層5,4および出射側反
射膜15を介し、レーザ光として出射されるが、この
際、光導波路層4内に設けられた回折格子13によって
波長選択されて出射される。なお、光導波路層5は設け
なくてもよい。
置20は、ラマン増幅器の励起用光源として用いられる
ことを前提とし、その発振波長λ0は、1100nm〜
1550nmであり、共振器長Lは、800μm以上3
200μm以下としている。ところで、一般に、半導体
レーザ装置の共振器によって発生する縦モードのモード
間隔Δλは、等価屈折率を「n」とすると、次式で表す
ことができる。すなわち、 Δλ=λ0 2/(2・n・L) である。ここで、発振波長λ0を1480μmとし、実
効屈折率を3.5とすると、共振器長Lが800μmの
とき、縦モードのモード間隔Δλは、約0.39nmと
なり、共振器長が3200μmのとき、縦モードのモー
ド間隔Δλは、約0.1nmとなる。すなわち、共振器
長Lを長くすればするほど、縦モードのモード間隔Δλ
は狭くなり、単一縦モードのレーザ光を発振するための
選択条件が厳しくなる。
によって縦モードを選択する。この回折格子13による
選択波長特性は、図4に示す発振波長スペクトル30と
して表される。
は、回折格子13を有した半導体レーザ装置20による
発振波長スペクトル30の半値幅Δλhで示される波長
選択特性内に、発振縦モードを複数存在させるようにし
ている。従来のDBR(Distributed Bragg Reflrecto
r)半導体レーザ装置あるいはDFB(Distributed Fee
dback)半導体レーザ装置では、共振器長Lを800μ
m以上とすると、単一縦モード発振が困難であったた
め、かかる共振器長Lを有した半導体レーザ装置は用い
られなかった。しかしながら、この実施の形態1の半導
体レーザ装置20では、共振器長Lを積極的に800μ
m以上とすることによって、発振波長スペクトルの半値
幅Δλh内に複数の発振縦モードを含ませてレーザ出力
するようにしている。図4では、発振波長スペクトルの
半値幅Δλh内に3つの発振縦モード31〜33を有し
ている。
いると、単一縦モードのレーザ光を用いた場合に比し
て、レーザ出力のピーク値を抑えて、高いレーザ出力値
を得ることができる。たとえば、この実施の形態1に示
した半導体レーザ装置では、図5(b)に示すプロファ
イルを有し、低いピーク値で高レーザ出力を得ることが
できる。これに対し、図5(a)は、同じレーザ出力を
得る場合の単一縦モード発振の半導体レーザ装置のプロ
ファイルであり、高いピーク値を有している。
の励起用光源として用いる場合、ラマン利得を大きくす
るために励起光出力パワーを増大することが好ましい
が、そのピーク値が高いと、誘導ブリルアン散乱が発生
し、雑音が増加するという不具合が発生する。誘導ブリ
ルアン散乱の発生は、誘導ブリルアン散乱が発生する閾
値Pthを有し、同じレーザ出力パワーを得る場合、図5
(b)に示すように、複数の発振縦モードを持たせ、そ
のピーク値を抑えることによって、誘導ブリルアン散乱
の閾値Pth内で、高い励起光出力パワーを得ることがで
き、その結果、高いラマン利得を得ることが可能とな
る。
(モード間隔)Δλは、0.1nm以上としている。こ
れは、半導体レーザ装置20をラマン増幅器の励起用光
源として用いる場合、モード間隔Δλが0.1nm以下
であると、誘導ブリルアン散乱が発生する可能性が高く
なるからである。この結果、上述したモード間隔Δλの
式によって、上述した共振器長Lが3200μm以下で
あることが好ましいことになる。
30の半値幅Δλh内に含まれる発振縦モードの本数
は、複数であることが望ましい。ところで、ラマン増幅
では、増幅利得に偏波依存性があるため、信号光の偏波
方向と励起光の偏波方向とのずれによる影響を小さくす
る必要がある。このための方法として、励起光を無偏光
化(デポラライズ)する方法があり、具体的には、2台
の半導体レーザ装置20からの出力光を方法のほか、デ
ポラライザとして所定長の偏波面保持ファイバを用い
て、1台の半導体レーザ装置20から出射されたレーザ
光を、この偏波面保持ファイバに伝搬させる方法があ
る。無偏光化の方法として、後者の方法を使用する場合
には、発振縦モードの本数が増大するに従ってレーザ光
のコヒーレンシーが低くなるので、無偏光化に必要な偏
波面保持ファイバの長さを短くすることができる。特
に、発振縦モードが4,5本となると、急激に、必要な
偏波面保持ファイバの長さが短くなる。従って、ラマン
増幅器に使用するために半導体レーザ装置20から出射
されるレーザ光を無偏光化する場合に、2台の半導体レ
ーザ装置の出射光を偏波合成して利用しなくても、1台
の半導体レーザ装置20の出射レーザ光を無偏光化して
利用することが容易となるので、ラマン増幅器に使用さ
れる部品数の削減、小型化を促進することができる。
と、波長合成カプラによる合波ロスが大きくなるととも
に、発振波長スペクトル幅内における波長の動きによっ
て、雑音や利得変動を発生させることになる。このた
め、発振波長スペクトル30の半値幅Δλhは、3nm
以下、好ましくは2nm以下とする必要がある。
32に示したように、ファイバグレーティングを用いた
半導体レーザモジュールとしていたため、ファイバグレ
ーティング233と光反射面222との間の共振によっ
て相対強度雑音(RIN)が大きくなり、安定したラマ
ン増幅を行うことができないが、この実施の形態1に示
した半導体レーザ装置20では、ファイバグレーティン
グ233を用いず、出射側反射膜15から出射したレー
ザ光をそのまま、ラマン増幅器の励起用光源として用い
ているため、相対強度雑音が小さくなり、その結果、ラ
マン利得の揺らぎが小さくなり、安定したラマン増幅を
行わせることができる。
ールでは、ファイバグレーティング233を有する光フ
ァイバ203と半導体発光素子202とを光結合させる
必要があり、半導体レーザ装置の組立時における光軸合
わせを行う際、共振器内に機械的な結合を必要とするた
め、振動などによってレーザの発振特性が変化する場合
が発生するが、この実施の形態1の半導体レーザ装置で
は、機械的な振動などによるレーザの発振特性の変化が
なく、安定した光出力を得ることができる。
装置20が回折格子13によって波長選択を行い、発振
波長を1100nm〜1550nm帯とし、共振器長L
を800μm〜3200μm帯とすることによって、発
振波長スペクトル30の半値幅Δλh内に複数の発振縦
モード、好ましくは4本以上の発振縦モードをもつレー
ザ光を出力するようにしているので、ラマン増幅器の励
起用光源として用いた場合に、誘導ブリルアン散乱を発
生せずに、安定し、かつ高いラマン利得を得ることがで
きる。
導体レーザモジュールのように、ファイバグレーティン
グをもつ光ファイバと半導体発光素子との光結合を共振
器内において行わないので、機械的振動などによる不安
定出力を回避することができる。
の形態2について説明する。上述した実施の形態1で
は、GRIN−SCH−MQW活性層3の出射側に回折
格子13を設け、共振器長Lを長くすることによって、
発振波長スペクトル30の半値幅Δλh内の縦モード数
が複数となるようにしていたが、この実施の形態2で
は、GRIN−SCH−MQW活性層3の反射側にも回
折格子を設けるようにしている。
導体レーザ装置の縦断面図である。この半導体レーザ装
置は、図1〜図3に示した半導体レーザ装置20の回折
格子13に対応する回折格子13aを有するとともに、
GRIN−SCH−MQW活性層3の反射膜14側に
も、光導波路4bを設け、この光導波路4b内に回折格
子13bを設けている。その他の構成は、半導体レーザ
装置20と同じであり、同一構成部分には、同一符号を
付している。
bの結合係数κと回折格子長Lga,Lgbとの積を変
化させることによって、所望の発振波長スペクトル30
の半値幅Δλhを得ることができ、この半値幅Δλh内
に複数の発振縦モードをもったレーザ光を発振させるこ
とができる。また、回折格子13bの結合係数κと回折
格子長Lgbとの積を、回折格子13aの結合係数κと
回折格子長Lgaとの積に比して大きくすることによっ
て、例えば積κ・Lgb=3程度とし、反射率を99%
とすることによって、回折格子13a自体によってレー
ザ光のほとんどを反射することができ、高効率の半導体
レーザ装置を実現することができる。さらに、回折格子
13aの結合係数κと回折格子長Lgaとの積を小さな
値、たとえば積κ・Lga=0.1程度にすることによ
って、レーザ光の出射効率が高まり、結果的に高効率の
レーザ出力を実現することができる。ここでは、結合係
数と回折格子長との積κLgを反射側でκLgb=3程
度、出射側でκLga=0.1程度としたが、反射側
は、κLgb>2、出射側はκLga<0.5であって
もよい。
よる波長選択特性を満足させつつ、出射側反射膜15を
1%以下、より好ましくは0.1%以下にすることで、
ファブリペロー型共振器の発振モードの影響を小さくす
ることができ、しかも高効率のレーザ出力を実現するこ
とができる。
14側および出射側反射膜15側の双方に回折格子13
a,13bを設けた構成としたが、これに限らず、反射
膜14側のみに回折格子13aを設けた構成としても、
この実施の形態2とほぼ同等な作用効果を奏することが
できる。
の形態3について説明する。上述した実施の形態1,2
では、回折格子13あるいは回折格子13a,13bが
中心波長に対して揺らぎを持つ波長選択性によって、複
数本の発振縦モードを出力するようにしていたが、この
実施の形態3では、回折格子13あるいは回折格子13
a,13bに対して積極的に揺らぎをもたせ、発振縦モ
ードの数を増やすことができる半導体レーザ装置を得る
ようにしている。
導体レーザ装置の構成を示す縦断面図である。図7にお
いて、この半導体レーザ装置では、実施の形態1に示し
た回折格子13に代わって、回折格子47を設けてい
る。この回折格子47は、GRIN−SCH−MQW活
性層3の出射側反射膜15側に設けられ、そのグレーテ
ィング周期を周期的に変化させたチャープドグレーティ
ングであり、この回折格子47の波長選択性に揺らぎを
発生させ、発振波長スペクトルの半値幅Δλhを広げ、
半値幅Δλh内の発振縦モードの本数を増大するように
している。その他の構成は、実施の形態1と同じであ
り、同一構成部分には同一符号を付している。
期の周期的変化を示す図である。図8に示すように、回
折格子47は、平均周期が220nmであり、±0.0
2nmの周期揺らぎ(偏差)を周期Cで繰り返す構造を
有している。この±0.02nmの周期揺らぎによっ
て、発振波長スペクトルの半値幅Δλh内に3〜6本程
度の発振縦モードをもたせることができる。
回折格子を有する半導体レーザ装置の発振波長スペクト
ルを示す図である。図9において、周期Λ1の回折格子
は、波長λ1の発振波長スペクトルを形成し、この発振
波長スペクトル内に3本の発振縦モードを選択する。一
方、周期Λ2の回折格子は、波長λ2の発振波長スペク
トルを形成し、この発振波長スペクトル内に3本の発振
縦モードを選択する。したがって、周期Λ1,Λ2の回折
格子による複合発振波長スペクトル40は、この複合発
振波長スペクトル40内に4〜5本の発振縦モードが含
まれることになる。この結果、単一の発振波長スペクト
ルを形成するときに比べ、一層多くの発振縦モードを容
易に選択出力することができ、光出力の増大をもたらす
ことができる。
の周期Cでグレーティング周期を変化させるチャープド
グレーティングに限らず、グレーティング周期を、周期
Λ1(220nm+0.02nm)と周期Λ2(220n
m−0.02nm)との間でランダムに変化させるよう
にしてもよい。
Λ3と周期Λ4とを一回ずつ交互に繰り返す回折格子とし
て、周期揺らぎを持たせるようにしてもよい。また、図
10(b)に示すように、周期Λ5と周期Λ6とをそれぞ
れ複数回、交互に繰り返す回折格子として、周期揺らぎ
を持たせるようにしてもよい。さらに、図10(c)に
示すように、連続する複数回の周期Λ7と連続する複数
回の周期Λ8とをもつ回折格子として、周期揺らぎを持
たせるようにしてもよい。また、周期Λ1,Λ3,Λ5,
Λ7と周期Λ2,Λ4,Λ6,Λ8のとの各間の離散的な異
なる値をもつ周期を補完して配置するようにしてもよ
い。
に設けられる回折格子をチャープドグレーティングなど
によって、平均周期に対して±0.01〜0.2nm程
度の周期ゆらぎをもたせ、これによって、反射帯域の半
値幅を所望の値に設定し、最終的に発振波長スペクトル
の半値幅Δλhを決定し、半値幅Δλh内に複数の発振
縦モードが含まれるレーザ光を出力するようにし、実施
の形態1あるいは実施の形態2と同様な作用効果をもっ
た半導体レーザ装置を実現することができる。
説明する。上述した実施の形態1〜3では、回折格子1
3の上部にp−InGaAsPコンタクト層7およびp
側電極10を設けなかったが、この実施の形態4では、
回折格子13の上部にp−InGaAsPコンタクト層
7およびp側電極10にそれぞれ対応し、独立したp−
InGaAsPコンタクト層7aおよびp側電極10a
を設け、回折格子13に対して積極的に電流注入制御を
行うようにしている。
半導体レーザ装置の長手方向の縦断面図である。また、
図12は、図11に示した半導体レーザ装置のA−A線
断面図である。さらに、図13は、図11に示した半導
体レーザ装置のB−B線断面図である。この実施の形態
4である半導体レーザ装置200は、回折格子13の上
部にp−InGaAsPコンタクト層7aおよびp側電
極10aを設けており、その他の構成は実施の形態1と
同じであり、同一構成部分には同一符号を付している。
なお、光導波路層5は設けておらず、光導波路層5が設
けられた部分にはGRIN−SCH−MQW活性層3が
延設されている。
は、この半導体レーザ装置200の波長選択特性を変化
させることができる。これは、半導体の屈折率が注入キ
ャリア密度に関連して変化するというプラズマ効果のた
めである。さらに、電流注入の増減は、回折格子13の
温度変化を来たし、回折格子13の屈折率を変化させ
る。この結果、回折格子13への電流注入変化によって
半導体レーザ装置200の出力波長を変化させることが
できる。
の領域をGRIN−SCH−MQW活性層3の領域から
分離する構造とすることによって、一層安定かつ効率的
なレーザ出力を達成することができる。特に、光導波路
層4内に回折格子13を設けることによって、GRIN
−SCH−MQW活性層3への電流注入増減によって生
じる、望まない波長シフトを抑制することができる。さ
らに、p側電極10,10aが分離されているため、G
RIN−SCH−MQW活性層3に対する電流制御と回
折格子13に対する電流制御とを各別に行うことができ
る。すなわち、それぞれ、GRIN−SCH−MQW活
性層3に対する電流注入変化によって光出力制御を行
い、回折格子13に対する電流注入変化によって波長選
択制御を行うという波長可変レーザを実現できる。この
ため、光導波路層4と回折格子13の材料は、電流注入
変化による材料の屈折率変化に従って選択される。
ザとしての半導体レーザ装置200の反射特性を示して
いる。図14に示すように、反射膜14は、80%以上
の反射率を有し、ほぼこの反射率は変化しない。これ
は、たとえば、高反射率を有する誘電体多層膜を反射側
劈開面にコーティングすることによって実現できる。と
ころが、図14に示すように、出射側反射膜15の反射
特性は、回折格子13による波長選択特性を有する。こ
の回折格子13の物理特性は、回折格子13が、図4に
示すような多重モード発振を許容するに十分な帯域幅の
光を反射するような選択がなされる。すなわち、図14
に示した反射曲線30´は、図4に示した発振波長スペ
クトル30に対応する。さらに、図14において、反射
曲線30´は、p側電極10aを介して回折格子13に
注入される電流値に対応して波長がシフトする。図15
は、注入電流の変化によって達成される波長変化の具体
例を示している。図15に示すように、回折格子13へ
の注入電流によって2nm以上波長可変することができ
る。
の形態5について説明する。図16は、この発明の実施
の形態5である半導体レーザ装置の長手方向の縦断面図
である。図16において、この半導体レーザ装置210
は、図11に示した半導体レーザ装置200の全ての構
成を有し、同一構成部分には同一符号を付しているが、
p側電極10a内に櫛歯構造の回折格子13´を有する
点が、半導体レーザ装置200と異なる。回折格子13
´は、p側電極10から電気的に絶縁されてもよいし、
破線で示すようにp側電極10に電気的に接続されてい
てもよい。
折格子13´の櫛歯構造の間隙から流入するため、光導
波路層4内の回折格子13の領域において、櫛歯構造に
依存した不均一な電流分布となる。この結果、p側電極
10aに対する注入電流を変化させると、回折格子13
の光学的間隔は、効果的にチャープされる。換言すれ
ば、注入電流の変化によって、回折格子13の周期を変
化させることができる。すなわち、p側電極10aに対
する注入電流を変化させることによって、可変波長レー
ザを実現することができる。
の形態6について説明する。図17は、この発明の実施
の形態6である半導体レーザ装置の長手方向の縦断面図
である。図17において、この半導体レーザ装置は、G
RIN−SCH−MQW活性層3と、波長選択機能を有
する回折格子13が含まれる光導波路層4との間に、独
立した位相制御層として機能する光導波路層5を設けて
いる。
5を含む位相制御領域は、n−InP基板1上に、n−
InPクラッド層2、光導波路層5、p−InPクラッ
ド層6、p−InGaAsPコンタクト層7b、p側電
極10bが順次積層された構造によって実現される。
たGRIN−SCH−MQW活性層3に対する制御と、
p側電極10aを介した回折格子13に対する制御と
は、独立してp側電極10bを介して電流注入がなさ
れ、位相制御がなされる。位相制御の調整が悪い場合に
は出力低下、縦モードホップに起因するI−L曲線に発
現するキンクや発振波長の設計波長からのシフトなどの
発振状態の不安定動作を来すが、光導波路層5に注入さ
れる電流を変化させることによって、光導波路層5の屈
折率が変化し、これによって、GRIN−SCH−MQ
W活性層3と光導波路層4との間における位相不整合を
解消することができる。
の形態7について説明する。図18は、この発明の実施
の形態7である半導体レーザ装置の長手方向の縦断面図
である。図18において、この半導体レーザ装置は、実
施の形態6に示した半導体レーザ装置の構成に、さらに
実施の形態6の光導波路層4に対応した光導波路層4b
を反射膜14側に設けている。この光導波路層4bには
回折格子13bが含まれる。光導波路層4bの上部に形
成されたp−InGaAsPコンタクト層7cおよびp
側電極10cは、GRIN−SCH−MQW活性層3の
上部に設けられたp−InGaAsPコンタクト層7お
よびp側電極10と物理的に分離され、電気的に絶縁さ
れている。なお、出射側反射膜15側に設けられた実施
の形態6の光導波路層4に対応する構成は、光導波路層
4aであり、回折格子13aが含まれる。回折格子13
aの長さはLgaであり、回折格子13bの長さはLg
bである。
に分離された領域に形成され、かつp側電極10a,1
0cによってそれぞれ独立して電流注入を行うことがで
き、回折格子13a,13bの波長選択性を個別に制御
することができる。これによって、さらに波長選択性を
詳細かつ柔軟に設定することができる。さらに、破線で
示すように、光導波路層4bに隣接した光導波路層5a
を形成することが可能であり、この場合、光導波路層5
aの上部には、独立したp−InGaAsPコンタクト
層7dおよびp側電極10dが設けられる。
射膜15側と反射膜14側との双方に回折格子4a,4
bを設けると、各回折格子4a,4bの離散的な反射モ
ードのバーニア効果によって広い可変波長域を実現する
ことができる。
って選択される波長がλ1〜λnとし、回折格子13a
によって選択される波長がλ1´〜λn´とすると、λ
1´〜λn´の各波長間隔は、λ1〜λnの各波長間隔
に比してほんの少し異なるように設定される。この選択
状態において、それぞれ電流注入の変化ΔIを与える
と、各波長λ1〜λnおよび各波長λ1´〜λn´は、
シフトする。バーニア効果は、この状態において、波長
λ1〜λnと波長λ1´〜λn´とが一致する波長のみ
が発振波長して選択出力される。図19では、波長λ1
と波長λ1´とが一致し、波長λ1(=λ1´)が発振
波長として選択される。例えば数十nm程度の波長シフ
トレンジを実現できる。なお、回折格子13aあるいは
回折格子13bの一方の選択波長のみを電流注入量変化
によってシフトさせてもよいし、回折格子13a,13
bの双方の選択波長を、それぞれ独立して電流注入量変
化によってシフトさせるようにしてもよい。
体例を示している。図20は、この発明の実施の形態7
の具体例である半導体レーザ装置の一部破断図である。
図20において、この半導体レーザ装置は、長さ120
0μmの活性領域(3)と長さ200μmの前部回折格
子領域(4a/13a)と長さ750μmの後部回折格
子領域(4b/13b)とを形成している。
ある。図21に示すよに、回折格子は、1400nmに
一致する周期Λ1から1500nmに一致する周期Λn
までリニアにチャープされている。このリニアなチャー
プ周期Δsは各回折格子内の反射モード間隔を決定す
る。ここで、図20に示した回折格子領域(4a/13
a)の反射モード間隔は9.7nmであり、回折格子領
域(4b/13b)の反射モード間隔は8.7nmであ
る。このような回折格子構造は、上述したバーニア効果
に要求されるモード間隔の違いを与える。
置における前部回折格子領域と後部回折格子領域の反射
モードの波長間隔を示している。図22において波長λ
1〜λnは、反射率2%以下の前部回折格子領域におけ
る選択波長を示し、波長λ1´〜λn´は、反射率95
%以上の後部回折格子領域における選択波長を示してい
る。図22において、波長λ1と波長λ1´のみが一致
し、その他の波長、たとえば、波長λ2と波長λ2´、
波長λ3と波長λ3´、などは一致していない。この場
合、前部回折格子領域あるいは後部回折格子領域のいづ
れか一方あるいは双方に対する電流注入量を変化させて
反射モードをシフトさせることによって、他の波長、た
とえば波長λ2と波長λ2´のみを一致させることがで
きる。このようにして、広範囲の波長シフトを実現でき
る可変波長レーザとしての半導体レーザ装置が得られ
る。
置のマルチモード可変波長範囲を示す図である。図23
では、電流変化量±80mAで、103nmという広範
囲の波長シフトを実現している。
て説明する。この変形例では図20に対応した半導体レ
ーザ装置であるが、後部回折格子領域が電流注入変化さ
れずに、固定されたやや平坦な反射特性を有する回折格
子が含まれ波長選択特性はシフトしない。これに対し、
前部回折格子領域には電流注入変化が与えられ、、離散
的な反射モードλ1〜λnが広範囲に出現している。図
24は、この変形例に対応した後部回折格子領域と前部
回折格子領域の選択波長特性を示す図である。上述した
ように、後部回折格子領域の選択波長特性は固定であ
り、平坦な特性を有するため、この後部回折格子領域の
選択波長領域に含まれる前部回折格子領域の反射モード
の複数の波長が選択されることなる。したがって、マル
チモードスペクトルの出力が複数選択されるが、この選
択されたマルチモードスペクトルのうちの不要なマルチ
モードスペクトルは、選択的な減衰機構を用い、あるい
は半導体レーザ装置の外部に波長減衰器を接続すること
によって排除すればよい。
た回折格子13に、実施の形態3で示した異なる周期Λ
1,Λ2を有する回折格子47を設け、チャーピングに
よって選択波長スペクトルを広げるようにしてもよい
(図25参照)。また、図26に示すように、回折格子
13の構造を回折格子13´のような構造としてもよ
い。回折格子13は、光導波路層4内に設けられ、p−
InPクラッド層6と分離された構造であったが、回折
格子13´は、光導波路層4とp−InPクラッド層6
との境界面にそれぞれの櫛歯構造によって形成してい
る。これによって、回折格子の形成が容易になる。
の形態8について説明する。この実施の形態4では、上
述した実施の形態1〜3で示した半導体レーザ装置をモ
ジュール化したものである。
半導体レーザモジュールの構成を示す縦断面図である。
図27において、この半導体レーザモジュール50は、
上述した実施の形態1〜3で示した半導体レーザ装置に
対応する半導体レーザ装置51を有する。半導体レーザ
モジュール50の筐体として、セラミックなどによって
形成されたパッケージ59の内部底面上に、温度制御装
置としてのペルチェ素子58が配置される。ペルチェ素
子58上にはベース57が配置され、このベース57上
にはヒートシンク57aが配置される。ペルチェ素子5
8には、図示しない電流が与えられ、その極性によって
冷却および加熱を行うが、半導体レーザ装置51の温度
上昇による発振波長ずれを防止するため、主として冷却
器として機能する。すなわち、ペルチェ素子58は、レ
ーザ光が所望の波長に比して長い波長である場合には、
冷却して低い温度に制御し、レーザ光が所望の波長に比
して短い波長である場合には、加熱して高い温度に制御
する。この温度制御は、具体的に、ヒートシンク57a
上であって、半導体レーザ装置51の近傍に配置された
サーミスタ58aの検出値をもとに制御され、図示しな
い制御装置は、通常、ヒートシンク57aの温度が一定
に保たれるようにペルチェ素子58を制御する。また、
図示しない制御装置は、半導体レーザ装置51の駆動電
流を上昇させるに従って、ヒートシンク57aの温度が
下がるようにペルチェ素子58を制御する。このような
温度制御を行うことによって、半導体レーザ装置51の
波長安定性を向上させることができ、歩留まりの向上に
も有効となる。なお、ヒートシンク57aは、たとえば
ダイヤモンドなどの高熱伝導率をもつ材質によって形成
することが望ましい。これは、ヒートシンク57aがダ
イヤモンドで形成されると、高電流注入時の発熱が抑制
されるからである。
およびサーミスタ58aを配置したヒートシンク57
a、第1レンズ52、および電流モニタ56が配置され
る。半導体レーザ装置51から出射されたレーザ光は、
第1レンズ52、アイソレータ53、および第2レンズ
54を介し、光ファイバ55上に導波される。第2レン
ズ54は、レーザ光の光軸上であって、パッケージ59
上に設けられ、外部接続される光ファイバ55に光結合
される。なお、電流モニタ56は、半導体レーザ装置5
1の反射膜側から漏れた光をモニタ検出する。
では、他の光学部品などによる反射戻り光が共振器内に
戻らないように、半導体レーザ装置52と光ファイバ5
5との間にアイソレータ53を介在させている。このア
イソレータ53には、ファイバグレーティングを用いた
従来の半導体レーザモジュールと異なり、インライン式
のファイバ型でなく、半導体レーザモジュール50内に
内蔵できる偏波依存型のアイソレータを用いることがで
きるため、アイソレータによる挿入損失を小さく、さら
に低い相対強度雑音(RIN)を達成することができ、
部品点数も減らすことができる。
で示した半導体レーザ装置をモジュール化しているた
め、偏波依存型のアイソレータを用いることができ、挿
入損失を小さくすることができ、低雑音化および部品点
数の減少を促進することができる。
の形態9について説明する。この実施の形態9では、上
述した実施の形態8に示した半導体レーザモジュールを
ラマン増幅器に適用したものである。
ラマン増幅器の構成を示すブロック図である。このラマ
ン増幅器は、WDM通信システムに用いられる。図28
において、このラマン増幅器は、上述した実施の形態8
に示した半導体レーザモジュールと同一構成の半導体レ
ーザモジュール60a〜60dを用い、図31に示した
半導体レーザモジュール182a〜182dを、上述し
た半導体レーザモジュール60a〜60dに置き換えた
構成となっている。
は、偏波面保持ファイバ71を介して、複数の発振縦モ
ードを有するレーザ光を偏波合成カプラ61aに出力
し、各半導体レーザモジュール60c,60dは、偏波
面保持ファイバ71を介して、複数の発振縦モードを有
するレーザ光を偏波合成カプラ61bに出力する。ここ
で、半導体レーザモジュール60a,60bが発振する
レーザ光は、同一波長である、また、半導体レーザモジ
ュール60c,60dが発振するレーザ光は、同一波長
であるが半導体レーザモジュール60a,60bが発振
するレーザ光の波長とは異なる。これは、ラマン増幅が
偏波依存性を有するためであり、偏波合成カプラ61
a,61bによって偏波依存性が解消されたレーザ光と
して出力するようにしている。
された異なる波長をもったレーザ光は、WDMカプラ6
2によって合成され、合成されたレーザ光は、WDMカ
プラ65を介してラマン増幅用の励起光として増幅用フ
ァイバ64に出力される。この励起光が入力された増幅
用ファイバ64には、増幅対象の信号光が入力され、ラ
マン増幅される。
された信号光(増幅信号光)は、WDMカプラ65およ
びアイソレータ66を介してモニタ光分配用カプラ67
に入力される。モニタ光分配用カプラ67は、増幅信号
光の一部を制御回路68に出力し、残りの増幅信号光を
出力レーザ光として信号光出力ファイバ70に出力す
る。
号光をもとに各半導体レーザモジュール60a〜60d
のレーザ出力状態、たとえば光強度を制御し、ラマン増
幅の利得帯域が平坦な特性となるようにフィードバック
制御する。
は、たとえば図32に示した半導体発光素子180aと
ファイバグレーティング181aとが偏波面保持ファイ
バ71aで結合された半導体レーザモジュール182a
を用いず、実施の形態1〜7で示した半導体レーザ装置
が内蔵された半導体レーザモジュール60aを用いるよ
うにしているので、偏波面保持ファイバ71aの使用を
削減することができる。なお、上述したように、各半導
体レーザモジュール60a〜60dは、複数の発振縦モ
ードを有しているため、偏波面保持ファイバ長を短くす
ることができる。この結果、ラマン増幅器の小型軽量化
とコスト低減を実現することができる。
偏波合成カプラ61a,61bを用いているが、図29
に示すように半導体レーザモジュール60a,60cか
ら、それぞれ偏波面保持ファイバ71を介して直接WD
Mカプラ62に光出力するようにしてもよい。この場
合、半導体レーザモジュール60a,60cの偏波面
は、偏波面保持ファイバ71に対して45度となるよう
に入射する。これによって、偏波面保持ファイバ71か
ら出力される光出力の偏波依存性がなくすことができ、
一層、小型かつ部品点数の少ないラマン増幅器を実現す
ることができる。
0d内に内蔵される半導体レーザ装置として実施の形態
3に示した半導体レーザ装置を用いると、発振縦モード
数が多いため、必要な偏波面保持ファイバ71の長さを
短くすることができる。特に、発振縦モードが4,5本
になると、急激に、必要な偏波面保持ファイバ71の長
さが短くなるため、ラマン増幅器の簡素化と小型化を促
進することができる。さらに、発振縦モードの本数が増
大すると、コヒーレント長が短くなり、デポラライズに
よって偏光度(DOP:Degree Of Polarization)が小
さくなり、偏波依存性をなくすことが可能となり、これ
によっても、ラマン増幅器の簡素化と小型化とを一層促
進することができる。
作用効果をラマン増幅器に与えることができる。たとえ
ば、ファイバグレーティングを用いた半導体レーザモジ
ュールに比して相対強度雑音(RIN)を低減すること
ができるので、ラマン利得の揺らぎを抑えることがで
き、安定したラマン増幅を行うことができる。
グレーティングを用いた半導体レーザモジュールに比し
て光軸合わせが容易であり、共振器内に機械的な光結合
がないため、この点からも、ラマン増幅の安定性、信頼
性を高めることができる。
体レーザ装置では、複数の発振モードを有しているた
め、誘導ブリルアン散乱を発生させずに、高出力の励起
光を発生することができるので、安定し、かつ高いラマ
ン利得を得ることができる。
増幅器は、後方励起方式であるが、上述したように、半
導体レーザモジュール60a〜60dが安定した励起光
を出力するため、前方励起方式であっても、双方向励起
方式であっても、安定したラマン増幅を行うことができ
る。
増幅器は、上述したようにWDM通信システムに適用す
ることができる。図30は、図28あるいは図29に示
したラマン増幅器を適用したWDM通信システムの概要
構成を示すブロック図である。
xnから送出された波長λ1〜λnの光信号は、光合波器
80によって合波され、1つの光ファイバ85に集約さ
れる。この光ファイバ85の伝送路上には、図28ある
いは図29に示したラマン増幅器に対応した複数のラマ
ン増幅器81,83が距離に応じて配置され、減衰した
光信号を増幅する。この光ファイバ85上を伝送した信
号は、光分波器84によって、複数の波長λ1〜λnの
光信号に分波され、複数の受信機Rx1〜Rxnに受信
される。なお、光ファイバ85上には、任意の波長の光
信号を付加し、取り出したりするADM(Add/Drop Mul
tiplexer)が挿入される場合もある。
形態1〜7に示した半導体レーザ装置あるいは実施の形
態8に示した半導体レーザモジュールを、ラマン増幅用
の励起光源に用いる場合を示したが、これに限らず、た
とえば、980nm,1480nmなどのEDFA励起
用光源として用いることができるのは明らかである。
よれば、レーザ光を発光する活性層の出力側または反射
側あるいは出力側および反射側の双方に回折格子を設
け、前記活性層が形成する利得領域と前記回折格子の波
長選択特性とを含む発振パラメータの組み合わせ設定に
よって波長が安定化され、かつ発振波長スペクトルの半
値幅内に2本以上、好ましくは3本以上の発振縦モード
を含むレーザ光を出力するようにしているので、ファイ
バグレーティングを用いた半導体レーザ装置に比して、
共振器内に雑音が入り込む余地がないため、相対強度雑
音が低減され、ラマン増幅器に用いた場合に安定したラ
マン増幅を行うことができるという効果を奏する。
ため、光軸合わせなどを行う必要がなく、組立が容易に
なるとともに、機械的振動などによってレーザの発振特
性が変化しにくくなり、安定したレーザ光を信頼性高く
出力することができ、ラマン増幅器に用いた場合に安定
かつ信頼性の高いラマン増幅を行うことができるという
効果を奏する。
て光出力ピーク値を抑えて、光出力パワーを増大させる
ことができ、ラマン増幅器に用いた場合に、誘導ブリル
アン散乱を抑えつつ、高いラマン増幅を行うことができ
るという効果を奏する。
て、偏光度が小さくなり、偏波面保存ファイバ長を短く
することができ、小型軽量化を促進できるとともに、コ
ストを低減することができるという効果を奏する。
子によって波長ロックを行うようにしているので、出力
されたレーザ光を導く光ファイバからの反射戻り光の入
射を防ぐためのアイソレータの組み込みが容易になると
いう効果を奏する。
導体レーザ装置に生じる注入電流−光出力特性上のキン
クの発生を抑えることができ、安定したレーザ光を出力
することができるという効果を奏する。
層の上部に設けられた電極とは独立して、波長制御電極
から該波長制御電極の下部に設けられた回折格子に可変
の電流注入を行うことができるので、活性層におけるレ
ーザ光の出力に影響を与えずに発振波長の中心波長を可
変にシフトすることができるという効果を奏する。
電極の内部に櫛歯構造をもたせ、波長制御電極に注入さ
れた電流を空間的に不均一な電流として回折格子に流入
し、回折格子の波長選択性にチャープをかけることがで
きるようにしているので、所望の帯域を有した複数の発
振縦モードを出力することができるという効果を奏す
る。
部が設けられることによって、活性層から出力されるレ
ーザ光の出力低下の抑制や、縦モードホッピングによる
電流−光出力特性に現れるキンクの抑制や、精度良く所
望の発振波長を実現するなど発振安定動作の向上を図る
ことができるという効果を奏する。
バーニア効果を利用し、回折格子の領域に電流を注入す
ることによって、各反射波長モードがシフトし、各反射
波長モードが一致した波長をもつマルチモード発振を行
うようにしているので、発振波長を広帯域にシフトする
制御を行うことができるという効果を奏する。
を1100〜1550nmとしているので、光ファイバ
の伝送帯域に適した波長帯域の信号光のラマン増幅を行
うことができるという効果を奏する。
波長スペクトルの半値幅を、3nm以下、好ましくは2
nm以下としているので、ラマン増幅時の波長合成を効
率的に行うことができるという効果を奏する。
層が形成する共振器長を、800μm以上とし、発振縦
モードのモード間隔を短くすることによって、前記発振
波長スペクトルの半値幅内に含まれる発振縦モード数を
増大するようにしているので、発振波長スペクトルの半
値幅内に含まれる発振縦モードの複数化を容易に行うこ
とができるとともに高出力動作を可能にするという効果
を奏する。
層が形成する共振器長を、3200μm以下とし、発振
縦モードのモード間隔を0.1nm以上とし、ラマン増
幅時における誘導ブリルアン散乱の影響を低減するよう
にしているので、安定したラマン利得を得ることができ
るという効果を奏する。
折格子のグレーティング周期に所定の周期揺らぎを持た
せ、これによって発振波長スペクトルの半値幅を広げる
ようにしているので、発振波長スペクトルの半値幅内に
含まれる発振縦モード数の複数化を容易に行うことがで
きるという効果を奏する。
折格子を、前記グレーティング周期をランダムまたは所
定周期で変化させたグレーティングとし、これによって
回折格子に周期揺らぎを発生させ、発振波長スペクトル
の半値幅を広げるようにしているので、発振波長スペク
トルの半値幅内に含まれる発振縦モード数の複数化を容
易に行うことができるという効果を奏する。
射膜を、レーザ光の出射端面に設けて、ファブリペロー
モードの反射を抑制し、第2反射膜を、前記レーザ光の
反射端面に設けることによって、回折格子と第2反射膜
により、確実な反射を行わせ、レーザ光の出力効率を高
めているので、レーザ光を高効率に出力することができ
る半導体レーザ装置を実現することができるという効果
を奏する。
振パラメータに、前記回折格子の結合係数を含めるよう
にし、該回折格子の結合係数を変化させることによっ
て、発振波長スペクトルの半値幅を変化させ、該半値幅
内に含まれる発振縦モードの複数化を行うようにすると
ともに、第1反射膜側の回折格子の結合係数と回折格子
長との積を大きな値とすることによってレーザ光の効率
的な反射をも行うことができるので、発振波長スペクト
ルの半値幅内に含まれる発振縦モード数の複数化を容易
に行うことができるとともに、高効率のレーザ出力を可
能にするという効果を奏する。
バグレーティングを用いない半導体レーザ装置を用いて
該半導体レーザ装置の共振器が物理的に分離されていな
いため、光軸合わせなどを行う必要がなく、機械的振動
などによってレーザの発振特性が変化しにくくなり、安
定したレーザ光を信頼性高く、かつ安定して出力するこ
とができる半導体レーザモジュールを実現することがで
きるという効果を奏する。
バグレーティングを用いない半導体レーザ装置を用いて
いるため、インライン式のファイバ型と異なり、偏波依
存型のアイソレータを使用することができ、挿入損失の
小さい半導体レーザモジュールを実現することができる
という効果を奏する。
1〜13に記載の半導体レーザ装置、あるいは請求項1
4または15に記載の半導体レーザモジュールを広帯域
ラマン増幅用の励起光源として用い、上述した各半導体
レーザ装置あるいは各半導体レーザモジュールの作用効
果を奏するようにしているので、安定かつ信頼性の高い
ラマン増幅を行うことができるという効果を奏する
置の構成を示す縦断面図である。
図である。
図である。
クトルと発振縦モードとの関係を示す図である。
ザ光出力パワーの関係および誘導ブリルアン散乱の閾値
を示す図である。
置の構成を示す縦断面図である。
置の構成を示す縦断面図である。
を示す図である。
した場合の発振波長スペクトルを示す図である。
示す図である。
装置の構成を示す縦断面図である。
断面図である。
断面図である。
ードスペクトルを示す図である。
長の注入電流依存性を示す図である。
装置の構成を示す縦断面図である。
装置の構成を示す縦断面図である。
装置の構成を示す縦断面図である。
る反射モードスペクトルを示す図である。
装置の具体例を示す破断図である。
電流依存性を示す図である。
図である。
す縦断面図である。
る。
モジュールの構成を示す縦断面図である。
の構成を示すブロック図である。
ある。
を用いたWDM通信システムの概要構成を示すブロック
図である。
ク図である。
レーザモジュールの構成を示す図である。
タクト層 8 p−InPブロッキング層 9 n−InPブロッキング層 10,10a,10b,10c,10d p側電極 11 n側電極 13,13´13a,13b,47 回折格子 14 反射膜 15 出射側反射膜 20,51,200,210半導体レーザ装置 30,30´ 発振波長スペクトル 31〜33 発振縦モード 40 複合発振波長スペクトル 50,60a〜60d 半導体レーザモジュール 52 第1レンズ 53,63,66 アイソレータ 54 第2レンズ 55 光ファイバ 56 電流モニタ 57 ベース 57a ヒートシンク 58 ペルチェ素子 58a サーミスタ 59 パッケージ 61a,61b 偏波合成カプラ 62,65 WDMカプラ 64 増幅用ファイバ 67 モニタ用光分配カプラ 68 制御回路 69 信号光入力ファイバ 70 信号光出力ファイバ 71 偏波面保存ファイバ 81,83 ラマン増幅器 L 共振器長 Lg,Lga,Lgb 回折格子長 Pth 閾値
Claims (16)
- 【請求項1】 レーザ光を発光する活性層の出力側また
は反射側あるいは出力側および反射側の双方に回折格子
を設け、 前記活性層が形成する利得領域と前記回折格子の波長選
択特性とを含む発振パラメータの組み合わせ設定によっ
て発振波長スペクトルの半値幅内に2本以上の発振縦モ
ードを含むレーザ光を出力することを特徴とする半導体
レーザ装置。 - 【請求項2】 前記出力側あるいは反射側に設けられた
回折格子の上部に設けられ、かつ前記活性層の上部に設
けられた電極と空間的に分離された波長制御電極を備え
たことを特徴とする請求項1に記載の半導体レーザ装
置。 - 【請求項3】 前記波長制御電極は、該波長制御電極に
流入する電流を空間的に制限する櫛歯構造を有すること
を特徴とする請求項2に記載の半導体レーザ装置。 - 【請求項4】 前記回折格子と前記活性層との間に前記
レーザ光の位相調整を行う位相調整部と、 前記位相調整部の上部に設けられ、前記電極および前記
波長調整部と空間的に分離された位相調整電極と、 を備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つ
に記載の半導体レーザ装置。 - 【請求項5】 前記発振波長の中心波長のシフト量に対
応させて、前記出力側の回折格子の反射波長モード間隔
と前記反射側の回折格子の反射波長モード間隔との差が
設定されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一
つに記載の半導体レーザ装置。 - 【請求項6】 発振波長が1100〜1550nmであ
ることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載
の半導体レーザ装置。 - 【請求項7】 前記発振波長スペクトルの半値幅は、3
nm以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれ
か一つに記載の半導体レーザ装置。 - 【請求項8】 前記活性層が形成する共振器長は、80
0μm以上であることを特徴とする請求項1〜7のいず
れか一つに記載の半導体レーザ装置。 - 【請求項9】 前記活性層が形成する共振器長は、32
00μm以下であることを特徴とする請求項1〜8のい
ずれか一つに記載の半導体レーザ装置。 - 【請求項10】 前記回折格子は、グレーティング周期
に所定の周期揺らぎを持たせたことを特徴とする請求項
1〜9のいずれか一つに記載の半導体レーザ装置。 - 【請求項11】 前記回折格子は、前記グレーティング
周期をランダムまたは所定周期で変化させたグレーティ
ングであることを特徴とする請求項10に記載の半導体
レーザ装置。 - 【請求項12】 レーザ光の出射端面に設けた第1反射
膜と、 前記レーザ光の反射端面に設けた第2反射膜と、 をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜11のいず
れか一つに記載の半導体レーザ装置。 - 【請求項13】 前記発振パラメータは、前記回折格子
の結合係数を含むことを特徴とする請求項1〜12のい
ずれか一つに記載の半導体レーザ装置。 - 【請求項14】 請求項1〜13に記載の半導体レーザ
装置と、 前記半導体レーザ装置から出射されたレーザ光を外部に
導波する光ファイバと、 前記半導体レーザ装置と前記光ファイバと光結合を行う
光結合レンズ系と、 を備えたことを特徴とする半導体レーザモジュール。 - 【請求項15】 前記半導体レーザ装置の温度を制御す
る温度制御装置と、 前記光結合レンズ系内に配置され、光ファイバ側からの
反射戻り光の入射を抑制するアイソレータと、 をさらに備えたことを特徴とする請求項14に記載の半
導体レーザモジュール。 - 【請求項16】 請求項1〜13に記載の半導体レーザ
装置、あるいは請求項14または15に記載の半導体レ
ーザモジュールを広帯域ラマン増幅用の励起光源として
用いたことを特徴とするラマン増幅器。
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2002
- 2002-07-26 JP JP2002218881A patent/JP4297321B2/ja not_active Expired - Lifetime
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