JP2003110096A - Soi基板およびその製造方法 - Google Patents
Soi基板およびその製造方法Info
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Abstract
してSOI基板を得ることができる技術を提供する。 【解決手段】 Si系基板110の上に、厚みが0.1
μm以下の薄い金属層120が形成された下部基板10
0を準備する。また、Si系絶縁層220の上に半導体
層210が形成された上部基板200を準備する。そし
て、下部基板100の上に上部基板200を重ね合わ
せ、600℃未満の比較的低温で熱処理することによっ
て、下部基板100と上部基板200とを接合する。
Description
nductor On Insulator)基板の技術に関する。
のための基板として注目されている。SIO基板の製造
方法としては、種々の方法が提案されており、この中
に、上部基板と下部基板とを貼り合わせる貼り合わせ法
がある(例えばELTRAN法)。
るSOI基板の製造方法では、上部基板と下部基板とを
重ね合わせた後に、1000℃以上の高温での熱処理が
必要であった。このため、従来から、より低温の熱処理
でSOI基板を得ることができる技術が望まれていた。
ためになされたものであり、従来に比べて低温の熱処理
で基板同士を接合してSOI基板を得ることができる技
術を提供することを目的とする。
記目的を達成するために、本発明では、まず、Si系基
板層と、前記Si系基板層の上に形成された厚みが0.
1μm以下の薄い金属層と、を有する下部基板を準備す
る。また、Si系絶縁層と、前記Si系絶縁層の上に形
成された半導体層と、を有する上部基板を準備する。そ
して、前記半導体層よりも前記Si系絶縁層の方が前記
下部基板により近接した状態になるように前記下部基板
の上に前記上部基板を重ね合わせることによって、重ね
合わせ基板を作成する。さらに、前記重ね合わせ基板を
熱処理することによって、前記下部基板と前記上部基板
とを接合する。
によって下部基板と上部基板とが強固に接合される。こ
の接合のメカニズムは、以下のように推定される。すな
わち、下部基板の表面に薄い金属層が形成されると、下
部基板のSi系基板層中のSi原子が、薄い金属層を通
ってその表面側に移動してゆく。そして、熱処理の際に
は、このSi原子が上部基板中のSi原子と結合するこ
とによって、下部基板と上部基板とが強固に接合され
る。この結果、本発明の方法では、従来に比べて低温の
熱処理で基板同士を接合してSOI基板を得ることが可
能である。
とが可能であり、例えば、SOI基板、その製造方法、
そのSOI基板を用いて作成された半導体デバイス、等
の形態で実現することができる。
実施例を以下の順序で説明する。 A.SOI基板の製造方法の実施形態: B.実施例および比較例:
1は、本発明の実施形態におけるSOI基板の製造工程
を示すフローチャートである。また、図2は、各工程に
おける基板の断面を示す説明図である。図1のフローチ
ャートにおいて、ステップS11〜S12は下部基板の
作成工程であり、ステップS21〜S23は上部基板の
作成工程である。また、ステップS31〜S32は下部
基板と上部基板の貼り合わせ工程である。
1において、Si系基板110を準備する(図2(a−
1))。このSi系基板110としては、例えば、単結
晶シリコンや、多結晶シリコン、アモルファスシリコ
ン、単結晶SiC、SiC焼結体、SiGeなどの種々
のSi系材料で形成された基板を利用することができ
る。ここで、SiGeとは、任意の組成のシリコン・ゲ
ルマニウム固溶体(「シリコン・ゲルマニウム混晶」あ
るいは単に「シリコン・ゲルマニウム」とも呼ぶ)を意
味している。なお、SiC焼結体は半導体ではなく、絶
縁体である。すなわち、Si系基板110としては、シ
リコンを含む材料で形成された種々の基板を利用するこ
とができる。後述する他の層は比較的薄いので、最終的
なSOI基板の厚みは、このSi系基板110の厚みと
ほぼ等しくなる。従って、Si系基板110の厚みは、
SOI基板の取り扱いに適した任意の厚みに設定され
る。例えば、0.5mm程度のウェハがSi系基板11
0として使用される。なお、図2における各層の厚みの
比率は、図示の便宜上、実際の寸法による比率とは大幅
に異なっている。
上に薄い金属層120を蒸着する(図2(a−2))。
金属層120の材料としてはAuが好ましいが、その他
に、Pt、Al、Ag、Cu、Pd、Ni、Tiなどの
他の金属も使用することができる。金属層120の厚み
は、0.1μm以下に設定される。金属層120の厚み
が0.1μmよりも大きいときには、後述する熱処理時
によって下部基板と上部基板とを接合することができな
い場合がある。また、熱処理で下部基板と上部基板とを
接合させるためには、金属層120の厚みは3〜4原子
層以上が必要であり、金属層120が過度に薄いときに
は強固に接合できない場合がある。従って、金属層12
0の厚みとしては、約5nm〜約50nm(約0.00
5μm〜約0.05μm)の範囲が好ましく、約7nm
〜約10nmの範囲が特に好ましい。
Si系基板110の上に薄い金属層120が形成された
下部基板100が得られる。
1において、半導体層210を準備する(図2(b−
1))。半導体層210としては、例えば、SiGe
や、Si、Geなどの半導体材料で構成された薄板を用
いることができる。この半導体層210は、SOI基板
の活性層(半導体デバイスが形成される層)となるもの
である。なお、SiGeは電子の移動度がSiよりも高
いので、半導体層210をSiGeで形成すれば、高速
な半導体デバイスを得ることが可能である。半導体層2
10の厚みは、半導体層210の取り扱いが困難となら
ない程度の任意の厚みでよく、例えば、100μm程度
の薄板が半導体層210として使用される。
にSi系絶縁層220を形成する(図2(b−2))。
Si系絶縁層220の材料としては、例えばSi02 や
Si 3N4を用いることができる。Si3N4製の絶縁層2
20を形成する方法としては、例えばスパッタリングが
利用される。Si02 製の絶縁層220を形成する方法
としては、半導体層210がSiの場合には熱酸化が利
用され、半導体層210がSiGeの場合にはスパッタ
リングが利用される。このSi系絶縁層220は、SO
I基板の絶縁層となるものである。Si系絶縁層220
の厚みは、SOI基板の絶縁層として十分な厚みであれ
ばよく、例えば約100nm程度に設定される。
の上にSi層230を形成する(図2(b−3))。S
i層230を形成する方法としては、例えば蒸着やスパ
ッタリングが利用される。このSi層230は、下部基
板100の金属層120との接合のために設けられてい
る。Si層230の厚みとしては、約50nm程度が設
定される。
半導体層210と、Si系絶縁層220と、Si層23
0とがこの順番に積層された上部基板200が作成され
る。但し、ステップS23を省略して、Si層230を
形成しなくても良い。
に上部基板200が載置される。このとき、図2(c)
に示すように、上部基板200は図2(b−3)の状態
とは上下が逆になるように載置される。換言すれば、下
部基板100の金属層120と、上部基板200のSi
層230とが接する状態で2つの基板100,200が
重ね合わされる。
略された場合には、図2(d)に示すように、下部基板
100の金属層120と、上部基板200aのSi系絶
縁層220とが接する状態で2つの基板100,200
aが重ね合わされる。換言すれば、本実施形態では、図
2(c),(d)に示すように、半導体層210よりも
Si系絶縁層220の方が下部基板100により近接し
た状態になるように、下部基板100の上に上部基板2
00(または200a)を重ね合わせることによって、
重ね合わせ基板300(または300a)が作成され
る。また、図2(c),(d)のいずれの場合にも、S
i系絶縁層220は、金属層120の上方に設けられて
いる。なお、本明細書において、「AがBの上方に設け
られている」という文言は、AがBの表面上に設けられ
ている場合と、AがBの表面から離れてより上側に設け
られている場合と、の両方の意味を含んでいる。
300aは、ステップS32において熱処理され、これ
によって下部基板と上部基板とが互いに接合する。この
熱処理は、通常は600℃未満の温度で行われる。但
し、熱処理温度としては、約350℃〜約450℃の範
囲が好ましく、約400℃が最も好ましい。金属層12
0を金(Au)で形成した場合には、熱処理温度が60
0℃を越えたり、約350℃を下回ったりすると、接合
ができない可能性がある。但し、熱処理温度の上限値は
金属層120を構成する金属の種類に異存しており、金
以外の金属種を用いるときには、600℃以上の熱処理
温度を許容できる場合がある。熱処理の時間は、例えば
約1時間程度の長さに適宜設定される。従来の貼り合わ
せ法によるSOI基板の製造工程では、下部基板と上部
基板とを重ね合わせた後に1000℃以上の熱処理が必
要であったのに対して、ステップS32の熱処理は10
00℃未満であり、従来に比べて熱処理温度が大幅に低
い点に特徴がある。
は、以下のようなものであると推定される。下部基板1
00において、Si系基板110の表面上に特定の金属
で形成された薄い金属層120が形成されると、室温程
度の低い温度において、Si系基板110中のSi同士
の結合が切断される。こうして結合が切断されたSi原
子は、薄い金属層120中を移動して、金属層120の
表面側に達する。このSi原子は、結合手が余っており
反応性が高い。このため、1000℃未満の比較的低い
温度で熱処理を行うと、このSi原子が上部基板200
(または200a)中のSi原子と強固な結合を作ると
考えられる。このSi原子の結合によって、下部基板1
00と上部基板200とが強固に接合される。
子の結合が切断されて薄い金属層中を移動する現象は、
低温固相反応として知られている。低温固相反応は、例
えば、「半導体/金属・接合界面の構造と形成過程−主
として金属薄膜/Si単結晶の系について−」、平木昭
夫、日本金属物理学会会報、第24巻第2号(1985
年)、144〜150頁に説明されている。この会報で
は、Si単結晶の上に約100nmのAu膜を形成した
ときに、約200℃(470K)程度の低い温度で熱処
理すると、その表面にSi02 が容易に形成されること
が報告されている。Au膜の無い状態で熱酸化によって
Si02 を形成する場合には、約1000℃以上の熱処
理が必要である。従って、Au膜は、Si02 を形成す
るのに必要な熱処理温度を大幅に低減していることが理
解できる。上述したステップS32の熱処理による基板
の接合では、必ずしも金属層120の上にSi02 が形
成されるとは限らないが、Si原子の移動に関しては、
上記の会報で説明されたメカニズムと類似のメカニズム
が働いているものと推定される。
Ptや、Al、Ag、Cu、Pd、Ni、Tiなどの他
の金属の薄膜によっても低温固相反応が起こることが記
載されている。従って、これらの金属によって薄い金属
層120を形成すれば、1000℃未満の比較的低い温
度の熱処理によって、上部基板100と下部基板200
を強固に接合することが可能である。
としては、金属とシリコンの共晶を利用した共晶接合が
考えられる。この共晶接合は、金属とシリコンの共晶を
作成することによって基板同士を接合するものであり、
共晶反応は上述した低温固相反応とはまったく異なる反
応である。共晶接合を行う場合には、金属層の厚みは数
μmに設定される。これに対して、本実施形態の接合方
法では、金属層120の厚みは0.1μm以下に設定さ
れる。この点でも、共晶接合と本実施形態の接合とが区
別される。
i系基板110の上に薄い金属層120を形成した下部
基板100の上に上部基板200(または200a)を
載置し、熱処理を行うことによって基板同士を接合する
ので、1000℃未満の低い熱処理温度で強固な接合を
行ってSOI基板を得ることが可能である。
以下のようないくつかの利点を有している。第1の利点
は、SiGeを半導体層210の材料として使用できる
点である。純粋なGeは、700℃程度で分解してしま
うことが知られている。また、SiGeが分解する温度
はGe成分が減少するほど高くなるが、1000℃では
かなりのSiGeが分解してしまう。従来の貼り合わせ
法では、貼り合わせの際に約1000℃以上の高温の熱
処理を行う必要があるので、SiGeを半導体層210
として採用することが困難であった。これに対して、上
記実施形態では、貼り合わせ時の熱処理が1000℃未
満なので、SiGeを半導体層210として採用するこ
とができ、このSOI基板を用いてSiGe層を含む半
導体デバイスを作成することが可能である。第2の利点
は、熱処理装置の構成が簡単になり、また、熱処理に要
するエネルギや時間が少なくて済む点である。この結
果、SOI基板のコストをかなり低減することが可能で
ある。この利点は、半導体層210としてSiGeを利
用しない場合に特に重要である。
に、Auは、デバイス中に拡散してデバイス性能を低下
させることが多いという問題を有している。しかし、図
2(c),(d)に示すSOI基板300,300aで
は、デバイスの活性層となる半導体層210と、Au製
の金属層120との間に、少なくともSi系絶縁層22
0が設けられているので、Au原子の拡散によるデバイ
ス性能の低下の心配が無いという利点がある。
5mmの単結晶シリコンウェハを用い、その上にAu製
の金属層120を10nmの厚みで蒸着させることによ
って、下部基板100を作成した。また、半導体層21
0として厚みが500μmの単結晶シリコンを用い、そ
の上にSiO2 製のSi系絶縁層220を熱酸化によっ
て100nmの厚みに形成して、上部基板200aを作
成した。なお、SiO2 層の上にはSi層230は設け
なかった。その後、下部基板100の上に上部基板20
0aを重ね合わせ、350℃で1時間の熱処理を行って
SOI基板300aを得た。
面に接着剤を用いて治具を接着し、これらの治具を使っ
て両面を引き離す剥離試験を行った。この剥離試験の結
果、上部基板200aと下部基板100との界面では剥
離せずに、下部基板100のSi系基板110が破壊さ
れ、上部基板200aと下部基板100とが強固に接合
されていることが確認された。
順で下部基板100と上部基板200aをそれぞれ作成
し、両者を重ね合わせ、400℃で1時間の熱処理を行
ってSOI基板300aを得た。第1実施例と同一の剥
離試験を行った結果、上部基板200aと下部基板10
0とが強固に接合されていることが確認された。
順で下部基板100と上部基板200aをそれぞれ作成
し、両者を重ね合わせ、450℃で1時間の熱処理を行
ってSOI基板300aを得た。第1実施例と同一の剥
離試験を行った結果、上部基板200aと下部基板10
0とが強固に接合されていることが確認された。
下部基板100と上部基板200aをそれぞれ作成し、
両者を重ね合わせ、600℃で1時間の熱処理を行って
SOI基板300aを得た。第1実施例と同一の剥離試
験を行った結果、上部基板200aと下部基板100と
の界面で剥離した。
程を示すフローチャート。
Claims (14)
- 【請求項1】 SOI基板の製造方法であって、(a)
Si系基板層と、前記Si系基板層の上に形成された厚
みが0.1μm以下の薄い金属層と、を有する下部基板
を準備する工程と、(b)Si系絶縁層と、前記Si系
絶縁層の上に形成された半導体層と、を有する上部基板
を準備する工程と、(c)前記半導体層よりも前記Si
系絶縁層の方が前記下部基板により近接した状態になる
ように、前記下部基板の上に前記上部基板を重ね合わせ
ることによって、重ね合わせ基板を作成する工程と、
(d)前記重ね合わせ基板を熱処理することによって、
前記下部基板と前記上部基板とを接合する工程と、を備
えることを特徴とするSOI基板の製造方法。 - 【請求項2】 請求項1記載の方法であって、 前記熱処理の温度は600℃未満である、方法。
- 【請求項3】 請求項1または2記載の方法であって、 前記Si系基板層は、Siと、SiCと、SiGeとで
構成されたグループの中から選択された材料で形成され
ている、方法。 - 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかに記載の方
法であって、 前記Si系絶縁層は、SiO2 またはSi3N4で形成さ
れている、方法。 - 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかに記載の方
法であって、 前記半導体層は、Si、Ge、または、SiGeで形成
されている、方法。 - 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれかに記載の方
法であって、 前記金属層は、Auと、Ptと、Alと、Agと、Cu
と、Pdと、Niと、Tiとで構成されたグループの中
から選択された金属で形成されている、方法。 - 【請求項7】 請求項1ないし6のいずれかに記載の方
法であって、 前記工程(c)は、前記金属層と前記Si系絶縁層とが
接触するように前記下部基板と前記上部基板とを重ね合
わせる工程を含む、方法。方法。 - 【請求項8】 請求項1ないし6のいずれかに記載の方
法であって、 前記工程(b)は、前記Si系絶縁層の下側に、Si層
を形成する工程を含み、 前記工程(c)は、前記金属層と前記Si層とが接触す
るように前記下部基板と前記上部基板とを重ね合わせる
工程を含む、方法。 - 【請求項9】 SOI基板であって、 Si系基板層と、 前記Si系基板層の上に設けられた0.1μm以下の薄
い金属層と、 前記金属層の上方に設けられたSi系絶縁層と、 前記Si系絶縁層の上に設けられた半導体層と、を備え
ることを特徴とするSOI基板。 - 【請求項10】 請求項9記載のSOI基板であって、 前記Si系基板層は、Siと、SiCと、SiGeとで
構成されたグループの中から選択された材料で形成され
ている、SOI基板。 - 【請求項11】 請求項ないしのいずれかに記載のSO
I基板であって、 前記Si系絶縁層は、SiO2 またはSi3N4で形成さ
れている、SOI基板。 - 【請求項12】 請求項9ないし11のいずれかに記載
のSOI基板であって、 前記半導体層は、Si、Ge、または、SiGeで形成
されている、SOI基板。 - 【請求項13】 請求項9ないし12のいずれかに記載
のSOI基板であって、 前記金属層は、Auと、Ptと、Alと、Agと、Cu
と、Pdと、Niと、Tiとで構成されたグループの中
から選択された金属で形成されている、SOI基板。 - 【請求項14】 請求項9ないし13のいずれかに記載
のSOI基板であって、さらに、 前記金属層と前記Si系絶縁層との間に形成されたSi
層を備える、SOI基板。
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