JP2003109542A - 蛍光ランプ、電球形蛍光ランプおよび照明器具 - Google Patents

蛍光ランプ、電球形蛍光ランプおよび照明器具

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JP2003109542A
JP2003109542A JP2001303068A JP2001303068A JP2003109542A JP 2003109542 A JP2003109542 A JP 2003109542A JP 2001303068 A JP2001303068 A JP 2001303068A JP 2001303068 A JP2001303068 A JP 2001303068A JP 2003109542 A JP2003109542 A JP 2003109542A
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bulb
fluorescent lamp
glass
mass
phosphor layer
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Shoji Naoki
庄司 直木
Taeko Fukamachi
妙子 深町
Yuichi Sakakibara
裕一 榊原
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Toshiba Lighting and Technology Corp
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Toshiba Lighting and Technology Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 希ガスの封入圧力を低くしても、水銀のガラ
スバルブ内への打ち込みやナトリウムとの反応によるア
マルガムの形成などによる不具合が抑制することが可能
であって、初期の光出力を増加させるとともに点灯中の
光出力の低下を防止した蛍光ランプおよび照明器具を提
供する。 【解決手段】 環形蛍光ランプ1は、0〜11質量%の
Na2O、1〜10質量%のK2O、0〜3質量%のLi
2O、0.1〜0.5質量%のSb23を含む組成を有
し、かつ実質的に鉛を含まないガラスから形成されたバ
ルブと;このバルブ内に封入された水銀と;このバルブ
内に封入圧力P(Pa)で封入された希ガスと;前記バ
ルブの内面に形成された蛍光体層と;前記バルブ内で放
電を生じさせる一対の放電電極と;を具備しており、希
ガスの封入圧力P(Pa)は、希ガスの平均分子量をM
としたときに、6400≦P×M≦10000なる条件
を満足していることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する利用分野】本発明は、光出力の低下を抑
制した蛍光ランプ、電球形蛍光ランプおよび照明器具に
関する。
【0002】
【従来の技術】蛍光ランプのバルブに用いられるガラス
としては、軟化温度が適度な値であり加工性に優れ、可
視光透過率が高く、水銀の共鳴線である253.7nmの紫
外線を透過しないソーダライムガラスを用いるのが主流
である。特に、このソーダライムガラスは、ガラスの軟
化点を下げる酸化鉛が含有されていないという利点もあ
る。すなわち、酸化鉛を含有させて軟化温度を低くし、
鉛ガラスは加工性に優れているため、従来曲成バルブ等
に多く使用されていたが、鉛は有害物質であるため、使
用済み蛍光ランプの廃棄による環境汚染などの問題か
ら、鉛成分を実質的に含有しないソーダライムガラスで
バルブを製造するのが主流となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ソーダライムガラスは、ガラスの主成分である珪酸(S
iO2)の網目構造中をナトリウムイオン(Na+)が移
動しやすいため、ランプ点灯中にバルブ内表面に到達し
たナトリウムと水銀とが反応してアマルガムを形成した
り、ナトリウムの抜けた網目構造の穴に放電空間で加速
された水銀イオン(Hg+)が打ち込まれたりして、点
灯時間の経過とともにバルブが着色して光出力の低下が
起こるという不具合があった。この現象は、希ガスの封
入圧力を低くすると顕著に現れることが確認されてお
り、希ガスの封入圧力が低くなることにより放電時の水
銀イオンの平均自由行程が増加し、水銀イオンの加速エ
ネルギーが大きくなるために生起すると考えられてい
る。
【0004】このように、バルブ内に封入され希ガスの
圧力を一所定値よりも低くした場合、初期の光出力こそ
増加はするものの、点灯中の光出力の低下が著しいた
め、希ガスの封入圧力は高めにする必要があった。
【0005】なお、水銀のガラスバルブ内への打ち込み
やナトリウムと反応してアマルガムを形成することによ
る不具合は、ガラスバルブ内面と蛍光体層の間にアルミ
ナ微粒子等の保護膜を形成することにより改善すること
が可能である。しかし、これら不具合は、保護膜の形成
によっても完全に解消できるものではなく、より一層不
具合を解消するためには保護膜の膜厚をさらに大きくす
る必要がある。
【0006】しかし、保護膜の膜厚を所定値以上に大き
くすると、バルブの曲げ加工を伴う環形、2重環形の蛍
光ランプにおいては、蛍光体層の剥離や亀裂が頻繁に発
生するため適当な方法ではない。さらに、保護膜の膜厚
が大きくなるにしたがい、保護膜の吸蔵ガスが増加する
ため、排気工程における脱ガスが困難になり、ランプ点
灯中の光出力の低下や放電の揺らめき現象(スネーキン
グ)や、バルブ端部の早期黒化現象等を生起しやすくな
る。
【0007】本発明は上記課題に鑑みてなされたもので
あり、希ガスの封入圧力を低くしても、水銀のガラスバ
ルブ内への打ち込みやナトリウムとの反応によるアマル
ガムの形成などによる不具合が抑制することが可能であ
って、初期の光出力を増加させるとともに点灯中の光出
力の低下を防止した蛍光ランプおよび照明器具を提供す
ることを目的とする。
【0008】
【課題を達成するための手段】請求項1の蛍光ランプ
は、0〜11質量%のNa2O、1〜10質量%のK
2O、0〜3質量%のLi2O(ただし、Na2O、K2
およびLi2Oの合計量として5〜20質量%の範
囲)、0.1〜0.5質量%のSb23を含む組成を有
し、かつ実質的に鉛を含まないガラスから形成されたバ
ルブと;このバルブ内に封入された水銀と;このバルブ
内に封入圧力P(Pa)で封入された希ガスと;前記バ
ルブの内面に形成された蛍光体層と;前記バルブ内で放
電を生じさせる一対の放電電極と;を具備しており、希
ガスの封入圧力P(Pa)は、希ガスの平均分子量をM
としたときに、6400≦P×M≦10000なる条件
を満足していることを特徴とする。
【0009】上記記載中、「実質的に鉛を含まないガラ
ス」とは、不純物程度の鉛は含有してもよいことを意味
する。
【0010】バルブは、例えばダブルU、トリプルU、
又は環状のような屈曲部を有する形状或いは直管のよう
な形状のバルブが使用可能であるが、これらに限定され
ない。
【0011】K2OおよびLi2OをNa2Oと共に融剤
として用いたガラスは、実質的に鉛を含まない組成で、
従来のソーダ石灰ガラスに比べて軟化温度を低下させる
ことができる。さらに、Na2O量を0〜11質量%と
すると、ガラス中のNa成分に起因する着色、ひいては
光束維持率の低下を抑制することが可能となる。なお、
Na2O量は0〜11質量%以下が好ましいが、製造上
の容易さ、ガラス材料のコストの観点を考慮すると、1
〜10質量%の範囲内が好適である。なお、Sb23
ガラス管を製造する際に酸化清澄(酸化溶融)法を適用
する上で必須の成分であり、これにより全光束をさらに
高めることができる。
【0012】蛍光体層は、バルブの内面に直接または保
護膜などを介して間接的に塗布・形成されている。
【0013】バルブ内面に保護膜を形成する場合には、
保護膜を形成する金属酸化物微粒子として、アルミナ
(Al23)、シリカ(SiO2)またはイットリア
(Y23)など周知のものを用いることが可能である。
【0014】放電を生起させる一対の放電電極は、バル
ブ内に封装されたもののほか、バルブ外面に設けられる
ものであってもよい。バルブ内に封装される一対の放電
電極としては、熱陰極形や冷陰極形のものが挙げられ
る。
【0015】バルブ内に封入される希ガスは、例えばア
ルゴンガスの単体やアルゴンにネオンやクリプトンを混
合させたいわゆる不活性ガスである。そして、この希ガ
スは、封入圧力を従来より低くしてバルブ内に封入され
る。
【0016】希ガスの封入圧力を所定値以下にすると、
蛍光ランプの光出力を高めることが可能である。これ
は、希ガスの封入圧力を所定値以下にすることで水銀イ
オンの平均自由行程が大きくなり、水銀イオンのエネル
ギーが増加するためと考えられる。
【0017】このように、希ガスの封入圧力を低くした
場合、前述のようにバルブ内面に衝突してガラス内部に
打ち込まれる水銀イオンの量は見かけ上増加する。しか
し、本発明の蛍光ランプに用いられるバルブのガラス組
成は、Na2Oが0〜11質量%であるので、ガラス中
のナトリウムが移動する割合が少なくなり、また水銀の
打ち込みやナトリウムアマルガムの形成量が少なくなる
ので、点灯中の光出力の低下が抑制される。
【0018】たとえば封入する希ガスとしてアルゴンガ
スを用いた場合、ガス圧は160〜250Paとすれば
光出力の高い蛍光ランプが得られる。アルゴンガスを用
いた場合に封入圧力を160Paよりも低くした場合、
フィラメント電極に塗布した電子放射物質の消耗が激し
く、ランプの寿命が短くなるとともに、電子放射物質の
スパッタによってバルブ端部の黒化が発生しやすくなる
ので不可である。また、アルゴンガスを用いた場合に封
入圧力を250Paよりも高くした場合、従来の蛍光ラ
ンプよりも光出力を向上させるという本発明の目的が達
成できない。
【0019】本発明で規定する希ガスの封入圧力は、希
ガスの分子量に比例して変化する。ここで、アルゴン
(Ar)ガスの分子量は40.0であるので、希ガスの
封入圧力をP(Pa)、アルゴンガスの分子量をMとす
ると、 6400≦P×M≦10000・・・関係式(1) なる関係式を満たしていれば良いことになる。
【0020】また、封入希ガスを混合ガスとする場合に
は、それぞれの分子量を分圧比で乗じ、これらを合算し
て求められる平均分子量で規定すればよい。すなわち、
封入希ガスとして、アルゴン(Ar)30%、クリプト
ン(Kr)70%(いずれも分圧比)の混合ガスを用い
た場合、混合ガスの平均分子量は40.0×0.3+8
3.8×0.7=70.7であるから、関係式(1)を
当てはめると封入圧力は90.5〜141Paの範囲内
とすればよい。
【0021】請求項1によれば、希ガスの封入圧力を従
来よりも低い所定範囲内としたので、バルブ内面に衝突
してガラス内部に打ち込まれる水銀イオンの量は見かけ
上増加するが、バルブのガラス組成中Na2Oが0〜1
1質量%であるので、水銀の打ち込みやナトリウムアマ
ルガムの形成量が少なくなり、点灯中の光出力の低下が
抑制される。
【0022】請求項2は、請求項1記載の蛍光ランプに
おいて、バルブは、ガラス組成中のFe23の含有量が
第二酸化鉄換算で0.05質量%以下であって波長30
0nm以下の紫外線透過率が10%以上であり、蛍光体
層の膜厚は25μm以上であることを特徴とする。
【0023】ここでいう、「紫外線透過率」とは、バル
ブに蛍光体を塗布しない素管の状態のものを意味し、バ
ルブと同じ肉厚のガラス片によって測定することが可能
である。
【0024】請求項1のバルブのガラス組成のうち、特
にFe23の含有量が第二酸化鉄換算で0.05質量%
以下となると、バルブ内の放電によって発生した紫外線
がバルブで吸収されずにバルブを透過しやすい。特に波
長300nm以下の紫外線が比較的多く透過する。
【0025】バルブの紫外線透過率が波長300nm以
下で10%以上と規定したのは、波長300nm以下の
紫外線透過率が10%未満であると紫外線の影響は少な
いためである。
【0026】例えば、バルブの紫外線透過率が10%以
上の場合には紫外線透過量が多くなり、蛍光ランプに近
傍に配設されている被照射物、例えば合成樹脂から形成
された照明器具部品や退色性を有する材料から形成され
た建材などの部材が劣化してしまうという問題があるた
めである。
【0027】また、好ましくは波長300nm以下の紫
外線透過率は20%〜50%である。この好ましい範囲
を規定した理由は、バルブの紫外線透過率を低減させる
と、可視光の透過率も低減してしまう傾向があるが、バ
ルブの紫外線透過率が上記範囲内であれば、前記バルブ
の紫外線放射を有効に抑制することができるとともに紫
外線透過率の低減による可視光の透過率の低減が少ない
ので十分な明るさを維持することができるからである。
【0028】ところで、蛍光体層は、そもそも紫外線を
吸収して可視光に変換して発光するものであるので、こ
の膜厚を従来よりも大きくすることで紫外線の吸収能力
を高め、その膜厚を25μm以上とすると、無鉛ガラス
を使用したバルブであっても波長300nm以下の紫外
線出力が著しく減少することが分かった。なお、蛍光体
層の膜厚は、蛍光体層をスラリー状にして塗布するため
バルブ内面において一様ではない場合が多い。この場合
の蛍光体層の膜厚は、最も膜厚が小さい部位の膜厚で定
義される。
【0029】蛍光体層に使用される蛍光体の種類に特に
制約はないが、三波長発光形蛍光体のように希土類蛍光
体を使用するのが好ましい。三波長発光形の希土類蛍光
体としては、450nm付近に発光ピーク波長を有する
青系蛍光体としてBaMg2Al1627:Eu2+、54
0nm付近に発光ピーク波長を有する緑系蛍光体として
(La,Ce,Tb)PO4、610nm付近に発光ピ
ーク波長を有する赤系蛍光体としてY23:Eu3+など
が適用可能であるが、これらに限定されない。
【0030】なお、青色系に発光するBaMg2Al16
27:Eu2+や緑色系に発光する(La,Ce,Tb)
PO4は紫外線吸収能力が高いため、これらの蛍光体の
使用量が多い発光色の蛍光ランプは、10μm付近の小
さい膜厚でも紫外線出力の抑制効果があった。
【0031】なお、上記蛍光ランプにおいて、前記ガラ
スバルブの単位断面積当たりのランプ電流が200mA
/cm2以上であると、効果がより顕著に現れることに
なる。ガラスバルブの断面積とはバルブ長手方向に直交
する方向のバルブ内側空間の断面積を意味する。また、
ランプ電流とは、蛍光ランプへ入力される電流であっ
て、点灯回路によって消費される電力は含まない。
【0032】蛍光ランプの点灯状態が可変であるものに
おいては、高出力点灯状態など点灯制御可能な範囲にお
ける最大のランプ電流をもって定義する。したがって、
寿命末期時や異常点灯状態のランプ電流値は含まれな
い。
【0033】ガラスバルブの単位断面積当たりのランプ
電流(以下、「ランプ電流密度」という。)が200m
A/cm2以上であると、紫外線の放射量が増加するの
で、蛍光体層による紫外線吸収作用がより効果的に発揮
されるためである。
【0034】請求項2によれば、蛍光体層の膜厚を25
μm以上にすることによって、蛍光体層による紫外線の
吸収を確実にして、バルブ外部に放射される紫外線量を
低減することができる。
【0035】請求項3は、請求項2記載の蛍光ランプに
おいて、蛍光体層がバルブ内面に直接形成されているこ
とを特徴とする。
【0036】バルブ内面と蛍光体層との間に形成される
保護膜は、バルブを構成するガラス組成のアルカリ成分
が析出して蛍光体層や水銀と反応することでバルブが着
色して可視光透過率が低下することを抑制することが可
能である。また、保護膜を設けることで、ガラス組成か
ら析出したアルカリ成分を蛍光体層側に移動することを
抑制し、アルカリ成分が蛍光体と反応して蛍光体の発光
特性の劣化を抑制したり、アルカリ成分と水銀とが反応
して水銀化合物を形成して水銀が消耗されることでバル
ブ内の水銀蒸気が不足し、所望の光出力で点灯しないと
いう不具合を防止することもできる。
【0037】しかし、保護膜を形成するとバルブ内に蛍
光体層以外の被膜を塗布形成、乾燥させる工程が追加さ
れることとなり、蛍光ランプの製造が煩雑になる。
【0038】そこで、蛍光ランプに使用されるバルブの
ガラス中に含まれる酸化ナトリウムを0〜11質量%と
しつつ、蛍光体層の膜厚を25μm以上とすることで、
保護膜を設けることなく光束維持率の低下を抑制するな
ど保護膜を形成した場合と同等の効果を得ることが可能
となる。したがって、保護膜の形成が不要となり、蛍光
ランプの製造が容易になる。また、保護膜を形成するこ
とによって可視光透過率が低下するという不具合が生じ
ることも無い。
【0039】請求項3の蛍光ランプによれば、膜厚を2
5μm以上の蛍光体層をバルブ内面に直接形成したの
で、保護膜を設けなくても保護膜を形成した蛍光ランプ
と同等の効果が得られ、かつ蛍光ランプの製造が容易に
なる。
【0040】請求項4は、請求項1ないし3いずれか一
記載の蛍光ランプにおいて、前記バルブのガラスは、軟
化温度が685℃以下であるガラスからなることを特徴
とする。
【0041】上記のようにK2OおよびLi2OをNa2
Oと共に融剤として用いたガラスは、実質的に鉛を含ま
ない組成で、従来のソーダ石灰ガラスに比べて軟化温度
を685℃以下と低下させることが可能である。このよ
うな低軟化点のガラスをガラスバルブに適用することに
よって、曲成時の加熱温度を低下させることができる。
ここで、軟化温度とは、ガラスの粘度η=107.65dP
a・sとなる温度である。
【0042】請求項4によれば、バルブ加工時の加熱温
度の低下に基づいて蛍光体層の熱劣化、ひいては全光束
の低下を抑制することが可能となる。
【0043】請求項5の電球形蛍光ランプは、請求項1
ないし4いずれか一記載の蛍光ランプと;この蛍光ラン
プを支持するカバーと;このカバーに被着された口金
と;この口金に電気的に接続され、前記蛍光ランプを点
灯させる点灯回路部品を備え、前記カバー内に収容され
た点灯回路と;を具備していることを特徴とする。
【0044】請求項6の照明器具は、請求項1ないし4
いずれか一記載の蛍光ランプと;この蛍光ランプが取付
けられる器具本体と;この器具本体に装着され、前記蛍
光ランプを点灯させる点灯回路部品を備え、前記カバー
内に収容された点灯回路と;を具備していることを特徴
とする。
【0045】請求項5または請求項6によれば、請求項
1ないし4いずれか一記載の蛍光ランプの作用を備えた
電球形蛍光ランプまたは照明器具を提供することができ
る。
【0046】
【発明の実施の形態】以下、本発明の蛍光ランプの一実
施の形態を図面を参照して説明する。
【0047】図1は第1の実施形態である環形蛍光ラン
プの構造を一部断面で示す正面図である。同図におい
て、1は管径が約29mmの環形蛍光ランプであるFC
L32W形に相当する細径形の環形蛍光ランプである。
【0048】ガラスバルブ5は、環外径が285〜31
0mmの範囲の例えば299mm、環外径が299mm
のときの環内径が266mm、管外径が15〜18mm
の範囲の例えば16.5mmである。また、ガラスバル
ブ5の肉厚は、0.8〜1.2mmの範囲の例えば1.
0mmとなるように形成される。ガラスバルブ5は、後
述する組成比のガラスが使用されており、特にNa2
の含有率は0〜11質量%の範囲内である。
【0049】そして、環形蛍光ランプ1は、20〜40
Wの範囲内のランプ電力であって、10kHz以上の高
周波で点灯するものであり、特に、定格ランプ電力が2
7W、高出力点灯が38Wで点灯する。この環形蛍光ラ
ンプ1の形名はFHC27である。
【0050】このガラスバルブ5の内面には蛍光体層P
が保護膜を介すことなく直接被着形成されている。さら
に、ガラスバルブ5の両端部には、電極を有するステム
部(図示しない)が封着されている。ガラスバルブ5内
には排気工程を経て所定圧の放電用希ガス、すなわちア
ルゴンガスと共に水銀がステム部の排気管(図示しな
い)を介して封入され、その後この排気管が封止され
る。
【0051】本実施形態では、アルゴンガスは200P
a封入される。ガス圧は、160〜250Paとすれば
光出力の高い蛍光ランプが得られることが実験によって
確認された。希ガスの封入圧力は、次の関係式(1)で求
められる。 6400≦P×M≦10000・・・関係式(1)
【0052】アルゴンガス100%の場合には、平均分
子量Mは40.0であるから、上記関係式(1)を満足
する。
【0053】この封止工程まで完了した後、電極と電気
的に接続された口金ピンを備えた中空円筒状の口金2が
ガラスバルブ5の両端部に跨るように取付けられ、これ
によって環形蛍光ランプ1が構成されている。
【0054】蛍光体層Pを構成する蛍光体は特に限定さ
れるものではなく、各種公知の蛍光体を使用することが
できるが、本実施形態は430〜460nm付近の青色
領域、540〜550nm付近の緑色領域および610
〜620nm付近の赤色領域に主要な発光ピークを有す
る三波長発光形蛍光体を用いる場合に特に有効である。
【0055】三波長発光形蛍光体についても各種公知の
混合蛍光体を使用することができ、例えば、2価のユー
ロピウムおよびマンガン付活アルミン酸塩蛍光体、2価
のユーロピウム付活ハロ燐酸塩蛍光体などの青色ないし
青緑色発光蛍光体、3価のユーロピウム付活酸化イット
リウム蛍光体、3価のユーロピウム付活酸硫化イットリ
ウム蛍光体などの赤色発光蛍光体、および希土類系の緑
色発光蛍光体を適宜に混合した三波長形白色発光蛍光体
などが用いられる。
【0056】次に、本実施形態の作用について説明す
る。ガラスバルブ5に使用されているガラスは、Na2
Oの含有率が0〜11質量%であり、アルゴンガスの封
入圧力が従来よりも低い200Paであって上記関係式
(1)を満足するので、バルブ5の内面に衝突してガラ
ス内部に打ち込まれる水銀イオンの量は見かけ上増加す
るが、水銀のガラスバルブ5への打ち込みやナトリウム
アマルガムの形成量が少なくなる。これにより、環形蛍
光ランプ1の点灯中の光出力の低下が効果的に抑制され
る。
【0057】なお、希ガスの封入圧力が従来よりも低い
ために、フィラメント電極に塗布された電子放射物質が
スパッタされやすいので、フィラメント電極にトリプル
コイルを用いたり、予熱条件を適正にすることなど、電
子放射物質がスパッタしにくい手段を付加するのが望ま
しい。
【0058】次に環形のガラスバルブ5に使用されるガ
ラスの組成について説明する。このガラスは、いわゆる
無鉛ガラスであって、1〜11質量%のNa2O、1〜
10質量%のK2O、0〜3質量%のLi2O(ただし、
Na2O、K2OおよびLi2Oの合計量として5〜20
質量%の範囲)、0.1〜0.5質量%のSb23を含
む組成を有し、かつ実質的に鉛を含まないと共に、軟化
温度が685℃以下であるガラス(以下では低軟化点ア
ルカリガラスと記す)により構成されている。なお、N
2Oの含有率は製造上および材料コストの観点から0
〜11質量%の範囲内としたが、これら制約がなけばN
2Oの含有率は1〜10質量%であってもよい。
【0059】K2OおよびLi2OをNa2Oと共に融剤
として用いた低軟化点アルカリガラスは、実質的に鉛を
含まない組成で、従来のソーダ石灰ガラスに比べて軟化
温度を685℃以下と低下させることができる。このよ
うな低軟化点のガラスからなるガラスバルブを用いるこ
とによって、曲成時の加熱温度を低下させることがで
き、この加熱温度の低下に基づいて蛍光体層の熱劣化、
ひいては全光束の低下を抑制することが可能となる。さ
らに、Na2O量を0〜11質量%とすることが可能と
なるために、ガラス中のNa成分に起因する着色、ひい
ては光束維持率の低下を抑制することができる。
【0060】ガラスバルブ5を構成するガラスとして
は、より具体的にはSiO2が60〜75質量%、Al2
3が1〜5質量%、Na2Oが1〜10質量%、K2
が1〜10質量%、Li2Oが0〜3質量%、Na2O+
2O+Li2Oが5〜20質量%、CaOが0〜3質量
%、MgOが0〜2質量%、BaOが1〜10質量%、
SrOが0.5〜10質量%、CaO+MgO+BaO
+SrOが4.5〜16質量%、B23が0〜3質量
%、ZnOが0〜3質量%、Sb23が0.1〜0.5
質量%の組成を有し、軟化点が650〜685℃のガラ
ス組成物を用いることが好ましい。
【0061】上記したガラス組成を有する低軟化点アル
カリガラスにおいて、SiO2はガラスの網目形成成分
であり、その含有量は60〜75質量%の範囲とする。
SiO2量が60質量%未満であるとガラスの化学的耐
久性などが低下し、一方75質量%を超えるとガラスの
溶融性や加工性が悪化する。
【0062】また、Al23はガラスの均質化や化学的
耐久性の向上に寄与し、その含有量は1〜5質量%の範
囲とする。Al23量が1質量%未満であると、ガラス
に分相が生じて成形が困難となり、一方5質量%を超え
ると脈理などが発生して均質なガラスが得られ難くなっ
たり、また失透性が強くなるおそれがある。
【0063】Na2O、K2OおよびLi2Oは融剤とし
て作用するものであり、ガラスの溶融性の改善、さらに
は軟化温度の低下に寄与するものである。特に本発明で
は、軟化温度が高くなるNa2O量を11質量%以下と
減らし、その分K2OおよびLi2Oの含有量を増加させ
ている。これによって、環形ガラスバルブ5に用いるガ
ラスの軟化温度を685℃以下と低下させることが可能
となる。
【0064】ガラスバルブ5を構成するガラスの軟化点
が低いと、曲成加工時の蛍光体層Pの熱劣化の抑制する
ことができ、これにより従来のソーダ石灰ガラスを用い
た環形蛍光ランプに比べて全光束を向上させることがで
きる。さらに、環形ガラスバルブ1中のNa成分量を低
減していることから、Na成分と水銀との反応に基づく
蛍光ランプの着色が抑制され、従って環形蛍光ランプ1
の光束維持率を高めることができる。すなわち、ランプ
特性およびライフ特性を向上させた環形蛍光ランプ1を
提供することが可能となる。
【0065】K2OおよびLi2Oは、上記したような効
果を得るうえで、それらの合計量として4質量%以上含
有させることが好ましい。また、個々にはK2Oの量は
1質量%以上とし、Li2Oの量はK2Oの量との兼ね合
いで含有量を設定するものとする。さらに、Na2Oを
含む合計量(Na2O+K2O+Li2O)は5質量%以
上とする。融剤の合計量が5質量%未満であると、粘度
が高くなって溶融性が低下すると共に、軟化温度も上昇
してしまう。なお、Na2Oは融剤としての機能などを
得るうえで1質量%以上含有させるものとする。
【0066】また、上記したNa2O、K2OおよびLi
2Oは、ガラスの熱膨張係数を調整する効果も示し、適
正な熱膨張係数を得る上でそれらの合計量は20質量%
以下とする。Na2O、K2OおよびLi2Oの合計量が
20質量%を超えると、熱膨張係数が高くなりすぎると
共に、化学的耐久性が低下する。個々にはNa2Oの量
は11質量%以下、K2Oの量は10質量%以下、Li2
Oの量は3質量%以下とする。Na2Oの量が11質量
%を超えると軟化点が上昇すると共に、熱膨張係数が高
くなりすぎる。K2OおよびLi2Oの量が上記した上限
値を超える場合にも、同様に熱膨張係数が高くなりすぎ
る。
【0067】Na2O、K2OおよびLi2Oの合計量は
12〜19質量%の範囲とすることがより好ましい。ま
た、各成分の含有量については、Na2Oの量は6〜1
0質量%の範囲、K2Oの量は5〜9質量%の範囲、L
2Oの量は1〜2質量%の範囲とすることがそれぞれ
より好ましい。このような融剤組成を適用することによ
って、ガラスの軟化温度をより一層低下させることが可
能となる。
【0068】BaOはガラスに高い電気絶縁性を付与す
る成分であり、その含有量は1〜10質量%の範囲とす
る。BaOの量が1質量%未満であると十分な電気絶縁
性が得られず、一方10質量%を超えると溶融炉材の侵
食などが顕著になり、ブツ不良が増加する。SrOはB
aOと同様に電気絶縁性の向上に寄与し、その含有量は
0.5〜10質量%の範囲とする。SrO量が0.5質
量%未満であると十分な電気絶縁性が得られず、一方1
0質量%を超える失透傾向が強まると共に、原料コスト
が上昇する。SrO量は8質量%以下とすることがより
好ましい。
【0069】CaOおよびMgOはガラスの耐久性の向
上に寄与するが、これらの含有量がそれぞれ3質量%
(CaO)、2質量%(MgO)を超えるとガラスの失
透が生じやすくなる。従って、これらの含有量はそれぞ
れ上記した上限値以下とする。
【0070】上述したBaO、SrO、CaOおよびM
gOは、これら全体としてガラスの電気絶縁性を高める
作用を有し、合計量(BaO+SrO+CaO+Mg
O)は4.5〜16質量%の範囲とする。これらの合計
量が4.5質量%未満であるとガラスバルブ1に求めら
れる電気絶縁性を得ることができず、一方16質量%を
超えるとガラスの結晶化傾向が増大する。
【0071】B23は少量で溶融性を向上させる効果を
有するが、その含有量が3質量%を超えるとガラスの化
学的耐久性が低下し、長時間使用時に表面にウェザリン
グを生じるおそれがある。ZnOはB23やアルカリ成
分の溶融時に揮発を抑える効果を有するが、その含有量
が3質量%を超えると失透が強くなる。
【0072】Sb23は、環形ガラスバルブ1に使用す
るガラス管を製造する際に、酸化溶融法を適用する上で
必須の成分であり、その含有量は0.1〜0.5質量%
の範囲とする。Sb23量が0.1質量%未満であると
清澄作用が不十分となり、一方0.5質量%を超えると
光束維持率が低下する。
【0073】なお、上記ガラス組成にFe23を含有さ
せることも可能である。この場合、Fe23 は、ガラス
原料に当初からわずかに含有されている成分であるが、
ガラスの透過率を調整する目的で混入することもある成
分であり、その含有量は第二酸化鉄換算で0.01〜
0.05質量%の範囲とする。Fe23量が0.01質
量%未満とすると純度の高いガラス材料が必要となって
コストが上昇することとなり、一方0.05質量%を超
えるとガラスの可視光透過率が低下する。
【0074】次に、本実施形態の環形蛍光ランプ1の製
造方法を説明する。まず、直管形のガラスバルブ(ガラ
ス管)の内面に、必要に応じてアルミナ微粒子からなる
保護膜を形成し、その後例えば三波長発光形蛍光体を結
着剤などと共に有機溶媒や水系溶媒に分散させた蛍光体
塗布液を塗布し、この塗布膜を例えば500〜650℃
の温度でベーキングすることにより蛍光体層Pを形成す
る。次いで、この蛍光体層Pを形成した直管形のガラス
管を、それを構成しているガラスの軟化温度以上の70
0〜750℃に加熱して軟化させ、この軟化した状態の
ガラス管をドラムなどに巻きつけて、単環状に加工する
ことによりガラスバルブ5が得られる。
【0075】ガラスバルブ5を曲成した後、この曲成加
工時の余熱を利用して(約300〜500℃の状態で)
ガラスバルブ5内が排気される。このように、排気のた
めにガラスバルブ5を再度加熱する必要が無いので、ガ
ラスバルブ5から析出するNa成分の量を抑えることが
できる。
【0076】この排気工程を経て、水銀および所望の希
ガスが封入された後、ガラスバルブ5の端部に設けられ
た排気管(図示しない)が封止される。なお、ガラスバ
ルブ1内に封入されている水銀は、液状で封入してもよ
いが、余剰水銀を削減するために、水銀放出構体として
の粒状ペレットによって封入されるのが好ましい。この
粒状ペレットは、直径約0.5〜3mmの亜鉛−水銀合
金で構成することが可能であり、この粒状ペレットを封
入することで、バルブ1内への水銀封入量を約6mgと
微量化することができる。
【0077】しかしながら、粒状ペレットを用いた場合
には粒状ペレットがバルブ5内を移動する際に蛍光体層
Pを傷つけ、外観不良を招くことがある。蛍光体層Pに
傷が生じるのを防止するために、結着剤としてアルカリ
土類ホウ酸塩を多く用い、蛍光体層の強度を高めること
が可能である。
【0078】このアルカリ土類ホウ酸塩を結着剤として
使用した場合、ランプ製造時の加熱工程においてアルカ
リ土類ホウ酸塩が溶融し、バルブ5のガラス表面と馴染
みやすい。バルブ5中のにナトリウム成分が多量に含ま
れている場合には、この溶融したアルカリ土類ホウ酸塩
を介してナトリウム成分が蛍光体に移動することがあ
り、蛍光ランプの光出力を低下させる要因と考えられて
いた。
【0079】しかしながら、本実施形態においては、バ
ルブに使用されるガラス組成中Na 2Oは0〜11質量
%と比較的少量であるので、アルカリ土類ホウ酸塩を結
着剤として使用してもナトリウム成分が蛍光体に多量に
移動することによる不具合を考慮する必要がなく、水銀
封入に粒状ペレットを用いたとしても、蛍光体層Pが傷
付けられてしまうおそれもない。なお、アルカリ土類ホ
ウ酸塩はバルブ5への蛍光体塗布時において蛍光体層に
対し約1.5質量%程度添加すればよい十分な膜強度が
得られる。
【0080】なお、ガラスバルブ5を上記組成の無鉛ガ
ラス製であって、特にFe23の含有量が第二酸化鉄換
算で0.05質量%以下とすると、ガラスバルブ5内の
放電によって発生した紫外線がバルブで吸収されずにバ
ルブを透過しやすい。特に波長300nm以下の紫外線
が比較的多く透過する。そこで、ガラスバルブ5に含ま
れる酸化ナトリウムを11質量%以下としつつ、膜厚2
5μm以上の蛍光体層をガラスバルブ5の内面に直接形
成することで、ガラスバルブ5外に放射される紫外線量
を低減でき、保護膜を設けることなく光束維持率の低下
を抑制することなど保護膜を形成した場合と同等の効果
を得ることが可能となる。
【0081】また、上述した組成を有する無鉛ガラス
は、ガラスバルブ5の構成材料のみならず、ステム部を
構成するガラスにも好適である。特に、ガラスバルブ1
と同一組成のガラスでステム部を構成することにより、
ステム部とガラスバルブ1とが同一の熱膨張率を有する
ことになるために封着作業が容易になり、また環形蛍光
ランプ1をリサイクルするにあたってガラスの分別など
が不要となり、ガラス材料の再利用がより容易になる。
【0082】なお、上述した実施形態では細径形の環形
蛍光ランプに適用する場合について説明したが、本発明
はこれに限られるものではなく、管外径29.5mm、
肉厚1.2mmのガラスバルブを用いた従来形の環形蛍
光ランプに適用でき、また二重環形バルブを使用した細
径形の蛍光ランプや直管形のガラスバルブを用いた一般
形の蛍光ランプであってもよい。
【0083】図2は第2の実施形態としての電球形蛍光
ランプを示す一部を切り欠いた正面図である。
【0084】図2に示すように、1は定格入力電力が1
0〜15Wの電球形蛍光ランプで、この電球形蛍光ラン
プ10は口金20を有するカバー30を備え、このカバー30に
は点灯回路35が収納されている。
【0085】また、カバー30には、バルブとしての発光
管50が取り付けられており、この発光管50の内面には膜
厚5〜30μmの三波長発光形の希土類金属蛍光体から
なる蛍光体層が塗布されている。発光管50に使用されて
いるガラスは、第1実施形態のバルブに使用されている
無鉛ガラスと同一の組成であり、Na2Oの含有率は0
〜11質量%である。また、発光管50には、アルゴンガ
スが約200Paの圧力で封入されているとともに水銀
がアマルガムの形態で封入されている。なお、発光管50
の両端には一対の電極(図示しない)がピンチシールに
よって封装されている。
【0086】このように、アルゴンガスの封入圧力が従
来よりも低い約200Paであって上記関係式(1)を
満足するので、発光管50の内面に衝突してガラス内部に
打ち込まれる水銀イオンの量は見かけ上増加するが、水
銀の打ち込みやナトリウムアマルガムの形成量が少なく
なる。これにより、電球形蛍光ランプ10の点灯中の光出
力の低下が効果的に抑制される。
【0087】図3は、第1の実施形態の環形蛍光ランプ
を備えた照明器具の断面図である。
【0088】照明器具40は、照明器具本体41、環外
径の異なる環形蛍光ランプ1,1'、透光性のセード4
4および点灯装置45などから構成されている。環形蛍
光ランプ1,1'は、図1に示す構造と同様であり、互
いに同心円状にして照明器具本体41のランプソケット
46,47に配設されている。環形蛍光ランプ1は、管
外径16.5mm、環外径373mm、ランプ電力34
Wである。環形蛍光ランプ1'は、管外径16.5m
m、環外径299mm、ランプ電力27Wである。照明
器具本体41内には、高周波インバータからなる点灯装
置45が収容されて環形蛍光ランプ1,1'に接続され
ている。点灯装置45は、環形蛍光ランプ1,1'を高
周波で付勢する。照明器具本体41は、天井48に電気
接続器具などを介して係止固定され、前面はセード44
によって覆われている。
【0089】
【発明の効果】請求項1によれば、希ガスの封入圧力を
従来よりも低い所定範囲内としたので、バルブ内面に衝
突してガラス内部に打ち込まれる水銀イオンの量は見か
け上増加するが、バルブのガラス組成中Na2Oが0〜
11質量%であるので、水銀の打ち込みやナトリウムア
マルガムの形成量が少なくなり、点灯中の光出力の低下
が抑制される。
【0090】請求項2によれば、蛍光体層の膜厚を25
μm以上にすることによって、蛍光体層による紫外線の
吸収を確実にして、バルブ外部に放射される紫外線量を
低減することができる。
【0091】請求項3の蛍光ランプによれば、膜厚を2
5μm以上の蛍光体層をバルブ内面に直接形成したの
で、るとともにことが可能となり、保護膜を設けなくて
も保護膜を形成した蛍光ランプと同等の効果が得られ、
かつ蛍光ランプの製造が容易になる。
【0092】請求項4によれば、バルブ加工時の加熱温
度の低下に基づいて蛍光体層の熱劣化、ひいては全光束
の低下を抑制することが可能となる。
【0093】請求項5または請求項6によれば、請求項
1ないし4いずれか一記載の蛍光ランプの効果を備えた
電球形蛍光ランプまたは照明器具を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態である環形蛍光ランプ
の構造を一部断面で示す正面図。
【図2】本発明の第2の実施形態である電球形蛍光ラン
プを示す一部を切り欠いた正面図。
【図3】第1の実施形態の環形蛍光ランプ5を備えた照
明器具の断面図。
【符号の説明】
1…環形蛍光ランプ、2,20…口金、3…カバー、4
…点灯回路、5,50…バルブまたは発光管、10…電球形
蛍光ランプ、40…照明器具。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01J 61/30 F21Y 103:025 61/42 F21S 5/00 B // F21Y 103:02 L 103:025 (72)発明者 榊原 裕一 東京都品川区東品川四丁目3番1号東芝ラ イテック株式会社内 Fターム(参考) 3K014 AA03 EA04 5C039 HH02 5C043 AA03 AA06 AA07 CC09 CD10 DD01 DD28 EB15 EC11 EC20

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 0〜11質量%のNa2O、1〜10質
    量%のK2O、0〜3質量%のLi2O(ただし、Na2
    O、K2OおよびLi2Oの合計量として5〜20質量%
    の範囲)、0.1〜0.5質量%のSb23を含む組成
    を有し、かつ実質的に鉛を含まないガラスから形成され
    たバルブと;このバルブ内に封入された水銀と;このバ
    ルブ内に封入圧力P(Pa)で封入された希ガスと;前
    記バルブの内面に形成された蛍光体層と;前記バルブ内
    で放電を生じさせる一対の放電電極と;を具備してお
    り、希ガスの封入圧力P(Pa)は、希ガスの平均分子
    量をMとしたときに、 6400≦P×M≦10000 なる条件を満足していることを特徴とする蛍光ランプ。
  2. 【請求項2】 バルブは、ガラス組成中のFe23の含
    有量が第二酸化鉄換算で0.05質量%以下であって波
    長300nm以下の紫外線透過率が10%以上であり、
    蛍光体層の膜厚は25μm以上であることを特徴とする
    請求項1記載の蛍光ランプ。
  3. 【請求項3】 蛍光体層がバルブ内面に直接形成されて
    いることを特徴とする請求項2記載の蛍光ランプ。
  4. 【請求項4】 前記バルブのガラスは、軟化温度が68
    5℃以下であるガラスからなることを特徴とする請求項
    1ないし3いずれか一記載の蛍光ランプ。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4いずれか一記載の蛍光
    ランプと;この蛍光ランプを支持するカバーと;このカ
    バーに被着された口金と;この口金に電気的に接続さ
    れ、前記蛍光ランプを点灯させる点灯回路部品を備え、
    前記カバー内に収容された点灯回路と;を具備している
    ことを特徴とする電球形蛍光ランプ。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし4いずれか一記載の蛍光
    ランプと;この蛍光ランプが取付けられる器具本体と;
    この器具本体に装着され、前記蛍光ランプを点灯させる
    点灯回路部品を備え、前記カバー内に収容された点灯回
    路と;を具備していることを特徴とする照明器具。
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