JP2002358925A - 管球製品 - Google Patents

管球製品

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JP2002358925A
JP2002358925A JP2001163482A JP2001163482A JP2002358925A JP 2002358925 A JP2002358925 A JP 2002358925A JP 2001163482 A JP2001163482 A JP 2001163482A JP 2001163482 A JP2001163482 A JP 2001163482A JP 2002358925 A JP2002358925 A JP 2002358925A
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mass
glass
tube
sro
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Kiyoko Kawashima
淨子 川島
Osamu Shirai
修 白井
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Toshiba Lighting and Technology Corp
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Toshiba Lighting and Technology Corp
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C3/00Glass compositions
    • C03C3/04Glass compositions containing silica
    • C03C3/076Glass compositions containing silica with 40% to 90% silica, by weight
    • C03C3/083Glass compositions containing silica with 40% to 90% silica, by weight containing aluminium oxide or an iron compound
    • C03C3/085Glass compositions containing silica with 40% to 90% silica, by weight containing aluminium oxide or an iron compound containing an oxide of a divalent metal
    • C03C3/087Glass compositions containing silica with 40% to 90% silica, by weight containing aluminium oxide or an iron compound containing an oxide of a divalent metal containing calcium oxide, e.g. common sheet or container glass

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 管球製品の無鉛化による環境問題の解決と、
ガラス中のNaイオンと放電用ガス中のHgや蛍光体と
の反応による黒化を抑制して、光束維持率の改善を図
る。 【解決手段】 放電用ガスが封入された、例えば蛍光ラ
ンプのメインチューブ1と、このメインチューブ1の内
面に形成された蛍光体層2と、メインチューブ1の両端
に設けられ、電極3を有するステム部4とを具備する蛍
光ランプにおいて、少なくともメインチューブを構成す
るガラスは、一例として、SiO2 60〜75質量% 、A
2 3 1〜 5質量% 、Li2 O 1〜 5質量% 、N
2 O 0〜0.1 質量% 、K2 O 1〜15質量% 、(た
だしLi2 O+Na2 O+K2 O5〜15質量% )、Ca
O 0.5〜 5質量% 、MgO 0.5〜 5質量% 、SrO
0.5〜10質量% 、BaO 0.5〜 7質量% 、(ただしC
aO+MgO+SrO+BaO 2〜20質量% )の組成
を有し、実質的にPbOを含まない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、少なくともメイン
チューブを構成するガラスとして鉛成分を実質的に含ま
ず、しかもガラス中に配合されたNa2 Oとメインチュ
ーブ内に封入された蛍光体や放電ガスとの反応による悪
影響を解消したガラスを用いた管球製品に関する。
【0002】
【従来の技術】管球製品、例えば蛍光ランプは、一般照
明をはじめとして、最近ではOA機器用光源、巨大画面
用の画素光源などに広範囲に利用されている。このよう
な蛍光ランプは、内壁面に蛍光膜が設けられたメインチ
ューブ内に、水銀と希ガスを含む混合ガスを放電用ガス
として封入し、この混合ガス中で陽光柱放電を生じさせ
るように構成したものである。
【0003】上述したような蛍光ランプは、例えば以下
のようにして製造されている。
【0004】すなわち、まず直管形のメインチューブ
(ガラス管)の内面に蛍光体を被着させて蛍光膜を形成
した後、このメインチューブの両端に電極を有するステ
ム部を封着する。次いで、メインチューブを排気して内
部を十分に減圧した後に、メインチューブ内に希ガスと
共に適量の水銀を充填し、さらに排気管を封止すること
によって、所望の蛍光ランプが得られる。
【0005】メインチューブを構成するガラスには、P
bOを20〜30質量% 程度含む鉛系ガラスが使用されたこ
とがあったが、環境問題などを配慮して、有害なPbを
実質的に含まないソーダ石灰ガラスが主に使用されてい
る。ソーダ石灰ガラスは、通常15〜17質量% 程度のNa
2 Oを含む組成を有している。
【0006】また、管球製品のステム部やビード部には
電気特性を考慮して鉛ガラスが使用されているものもあ
る。
【0007】しかしながら、メインチューブに用いられ
るソーダ石灰ガラスは、Na2 Oを多量に含み、このN
aは、ガラスの中で修飾イオンとして存在し、かつその
イオン半径が小さいことから、陽イオン状態でガラス中
を容易に移動しやすく、メインチューブ内に侵入してき
た放電用ガス中の水銀蒸気やメインチューブの内面に被
着された蛍光体と反応して蛍光ランプを黒褐色に着色さ
せ、光束維持率の低下要因となるという問題がある。
【0008】一方、鉛ガラス中の鉛成分は、廃棄の際の
土壌汚染、製造工程における揮発による作業環境上の有
害性、ランプ製造工程の高温溶融時の揮発による作業環
境上の有害性、リサイクル時のガラス材料不統一、有害
物混入によるリサイクル性の低下等の問題がある。
【0009】特表平11−509514号公報には、N
2 Oの含有量を0.1質量% より少なくしてランプ光
束維持率を改善した蛍光ランプ用のガラス組成が示され
ている。しかしながら、ここでは、ランプ光束、立上が
り特性については考慮されていない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、ソー
ダ石灰ガラスからなるメインチューブを用いた蛍光ラン
プは、Naがガラスの修飾イオンとして存在し、かつそ
のイオン半径が小さいことから、陽イオン状態でガラス
中を容易に移動しやすいため、発光管内に封入してある
放電用ガス中の水銀や蛍光体と反応してランプ特性を劣
化させてしまうという問題があった。
【0011】また、管球製品における鉛ガラスからなる
ステム部やビード部は、廃棄の際の土壌汚染、鉛ガラス
製造工程における揮発による作業環境上の有害性、ラン
プ製造工程の高温溶融時の揮発による作業環境上の有害
性、リサイクル時のガラス材料不統一、有害物混入によ
るリサイクル性の低下等の原因になるという問題があっ
た。
【0012】このようなことから、有害なPbを実質的
に含まず、しかも放電用ガス、特に水銀と反応して全光
束の低下を起こさない管球製品用ガラスの開発が強く求
められていた。また、ステム部やビード部は光束の阻害
の直接の要因とはならないが、環境上、リサイクル性の
向上の見地から、実質的に無鉛でしかも電気特性に優れ
たガラスの開発が強く求められていた。
【0013】本発明者は、かかる従来の課題に対処し
て、管球用ガラスの電気特性、軟化温度、熱膨張特性、
透過率、強度、化学的安定性の改善について検討を行
い、これらの特性を満足する最適組成の中で、特に放電
用ガス中の水銀蒸気による光束維持率の低下のないガラ
ス組成についてさらに検討を行って本発明を完成するに
至った。
【0014】本発明は、かかる検討の結果なされたもの
で、環境に影響を与える鉛成分を実質的に含まず、電気
特性、軟化温度、熱膨張特性、透過率、強度、化学的安
定性に優れ、しかも放電用ガス中の水銀蒸気による光束
維持率の低下のないガラスを用いた管球製品を提供する
ことを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、少なくともメ
インチューブを構成するガラスとして、(a) 環境に影響
を与える鉛成分を実質的に含まず、電気特性、軟化温
度、熱膨張特性、透過率、強度、化学的安定性に優れ、
しかも放電用ガス中の水銀蒸気と反応するNa2Oの含
有量を0.1質量% より少なくしたガラスを用いた請求
項1記載の管球製品と、(b) 環境に影響を与える鉛成分
を実質的に含まず、電気特性、軟化温度、熱膨張特性、
透過率、強度、化学的安定性に優れ、しかもアルカリ土
類金属の中でもイオン半径が大きいSrOとBaOの割
合を多くして放電用ガス中の水銀蒸気と反応するNaイ
オンの移動度を抑制したガラスを用いた請求項5記載の
管球製品に関するものである。
【0016】すなわち、請求項1の管球製品は、放電用
ガスが封入されたメインチューブと;前記メインチュー
ブの一端又は両端に設けられた電極を有するステム部
と;を少なくとも具備した管球製品において、少なくと
も前記メインチューブが、SiO2 60〜75質量% 、A
2 3 1〜 5質量% 、Li2 O 1〜 5質量% 、N
2 O 0〜0.1 質量% 、K2 O 1〜15質量% 、(た
だしLi2 O+Na2 O+K2 O 5〜15質量% )、C
aO 0.5〜 5質量% 、MgO 0.5〜 5質量%、Sr
O 0.5〜10質量% 、BaO 0.5〜 7質量% 、(ただ
しCaO+MgO+SrO+BaO 2〜20質量% )の
組成を有し、実質的にPbOを含まないガラスからなる
ことを特徴とする。
【0017】上記ガラス組成は、実用的には、SiO2
65〜73質量% 、Al2 3 2〜4質量% 、Li2
2〜 4質量% 、Na2 O 0〜0.05質量% 、K2
3〜13質量% 、(ただしLi2 O+Na2 O+K2
5〜15質量% )、CaO 1〜 4質量% 、MgO 1〜
4質量% 、SrO 1〜 8質量% 、BaO 1〜 5質量
% 、(ただしCaO+MgO+SrO+BaO 2〜20
質量% )の組成を有するガラスからなることがより好ま
しい。
【0018】本発明に使用される上記組成を有するガラ
スにおいて、SiO2 はガラスの網目形成成分であり、
その含有量は60〜75質量% の範囲とする。SiO2 量が
60質量% 未満であるとガラスの化学的耐久性などが低下
し、一方、SiO2 量が75質量% を超えるとガラスの溶
融性や加工性が悪化する。SiO2 量は好ましくは65〜
73質量% の範囲である。
【0019】また、Al2 3 はガラスの均質化や化学
的耐久性の向上に寄与する成分であり、その含有量は 1
〜 5質量% の範囲とする。Al2 3 量が 1質量% 未満
であるとガラスに分相が生じて成形が困難となり、一方
5質量% を超えると脈理などが発生して均質なガラスが
得られ難くなったり失透性が強くなるおそれがある。A
2 3 量は好ましくは 2〜 4質量% である。
【0020】Li2 O、Na2 OおよびK2 Oは融剤と
して作用するものであり、ガラスの溶融性の改善、さら
には軟化温度の低下に寄与するものである。特に本発明
では、陽イオン状態でガラス中を容易に移動してガラス
中のHgや蛍光体と反応してランプの光束維持率を低下
させるNa2 O量を0.1 質量% 以下とほとんどゼロとし
て、その分K2 OとLi2 O、特にK2 Oの含有量を増
加させている。
【0021】アルカリ金属は、上記したような溶融性の
改善や軟化温度の低下の効果を得る融剤として作用する
成分であり、所定の量を含有させる必要がある。個々に
はLi2 O量とK2 O量はそれぞれ 1質量% 以上とし、
Na2 Oを含む合計量(Li 2 ONa2 O+K2 O)は
5質量% 以上とする。融剤の合計量が 5質量% 未満であ
ると、ガラスの粘度が高くなって溶融性が低下すると共
に軟化温度も上昇してしまう。
【0022】また、上記したLi2 O、Na2 Oおよび
2 Oは、ガラスの熱膨張係数を調整する効果も示し、
適正な熱膨張係数を得る上でそれらの合計量は15質量%
以下とする。Li2 O、Na2 OおよびK2 Oの合計量
が15質量% を超えると、熱膨張係数が高くなりすぎると
共に化学的耐久性が低下する。個々にはLi2 O量は5
質量% 以下、Na2 O量は0.1 質量% 以下、K2 O量は
15質量% 以下とする。Na2 O量が0.1 質量% を超える
と光束維持率が低下し、K2 O量およびLi2O量が上
記した上限値を超える場合には、熱膨張係数が高くなり
すぎる。
【0023】Na2 O、K2 OおよびLi2 O合計量は
5〜15質量% の範囲とすることがより好ましく、また各
成分の含有量は、Na2 O量はゼロ、Li2 O量は 2〜
4質量% 、K2 O量は 3〜13質量% の範囲とすることが
より好ましい。このような融剤組成を適用することによ
って、ガラスの軟化温度をより一層低下させることが可
能となる。
【0024】CaOおよびMgOはガラスの耐久性の向
上に寄与し、その含有量はそれぞれ0.5〜5 質量% の範
囲とする。これらの含有量が 0.5質量% 未満であると耐
久性向上の効果が得られず、一方 5質量% を超えるとガ
ラスの失透が生じやすくなる。CaOおよびMgOの量
はそれぞれ 1〜 4質量% の範囲とすることがより好まし
い。SrOは電気絶縁性の向上に寄与し、その含有量は
0.5〜10質量% の範囲とする。SrO量が 0.5質量% 未
満であると十分な電気絶縁性が得られず、一方10質量%
を超える失透傾向が強まると共に、原料コストが上昇す
る。SrO量は1〜 8質量% の範囲とすることがより好
ましい。BaOはSrOと同様にガラスに高い電気絶縁
性を付与する成分であり、その含有量は 0.5〜 7質量%
の範囲とする。BaO量が 0.5質量% 未満であると十分
な電気絶縁性が得られず、一方 7質量% を超えると溶融
炉材の侵食などが顕著になり、ブツ不良が増加する。
【0025】上述したCaO、MgO、SrOおよびB
aOは、これら全体としてガラスの電気絶縁性を高める
作用を有し、合計量(CaO+MgO+SrO+Ba
O)は4.5〜16質量% の範囲とする。これらの合計量が
4.5質量% 未満であるとメインチューブに求められる電
気絶縁性を得ることができず、一方16質量% を超えると
ガラスの結晶化傾向が増大する。
【0026】アルカリ土類金属はアルカリ金属よりイオ
ン半径が大きく、かつ電気陰性度が大きく酸素との結合
力も大きいので、アルカリ金属イオンの移動を抑制する
意味でCaO+MgO+SrO+BaOの合計量がLi
2 ONa2 O+K2 Oの合計量より多いことが望まし
い。
【0027】本発明に使用されるガラスには、Fe2
3 やB2 3 及びCeO2 及びTiO2 のような紫外線
吸収剤を添加することができる。これらの紫外線吸収剤
等の添加量は、Fe2 3 については 1質量%以下、B
2 3 については 3質量%以下、CeO2 については 1
質量%以下、TiO2 については 1質量%以下とする。
【0028】なお、請求項1において、実質的にPbO
を含まないとは、ガラス成分としてPbOを含まないこ
とを意味し、他の成分に付随して不可避的に混入するP
bOを含まないという意味ではない。不可避的不純物は
全体として 1質量% 以下とすることが望ましい。
【0029】請求項5の発明の管球製品は、放電用ガス
が封入されたメインチューブと;前記メインチューブの
一端又は両端に設けられた電極を有するステム部と;を
少なくとも具備した管球製品において、少なくとも前記
メインチューブが、SiO260〜75質量% 、Al2 3
1〜 5質量% 、Li2 O 1〜 5質量% 、Na2
0.1〜15質量% 、K2 O 2〜15質量% 、(ただしNa
2 O+K2 O+Li 2 O 3〜15質量% )、CaO
0.5〜 5質量% 、MgO 0.5〜 5質量% 、SrO 0.
5〜10質量% 、BaO 0.5〜 7質量% 、(ただしCa
O+MgO+SrO+BaO 2〜20質量% 、かつ(C
aO+MgO)/(SrO+BaO)=0.3以下)の組
成を有し、実質的にPbOを含まないガラスからなるこ
とを特徴とする。
【0030】上記ガラスは、実用上は、特にSiO 2
65〜73質量% 、Al2 3 2〜 4質量% 、Li2 O 2
〜 4質量% 、Na2 O 1.0〜10質量% 、K2 O 3〜
10質量% 、(ただしNa2 O+K2 O+Li2 O 6〜
20質量% )、CaO 1〜 4質量% 、MgO 1〜 4質
量% 、SrO 1〜 8質量% 、BaO 1〜 5質量%、
(ただしCaO+MgO+SrO+BaO 4〜20質量
% )の組成を有することが望ましい。
【0031】請求項5の発明におけるSiO2 、Al2
3 、CaO、MgO、SrOおよびBaOの作用およ
び組成の限定理由は、請求項1のガラスにおける各成分
の作用および組成の限定理由と同一である。
【0032】ただ、請求項5の発明においては、Na2
Oの組成を 0.1〜15質量% と広い範囲で可能とし、その
代わりに、CaO、MgO、SrOおよびBaOの組成
を、(CaO+MgO)/(SrO+BaO)= 0.3以
下)とし、アルカリ土類金属の中でもイオン半径の大き
いSrOとBaOの比率を大きくすることにより、アル
カリ金属イオンの移動度を抑制している。(CaO+M
gO)/(SrO+BaO)の値を 0.3以下としたの
は、 0.3を越えるとアルカリ金属イオンの移動度を抑制
する効果が不十分となり、本発明の効果が得られなくな
るためである。
【0033】請求項5の発明のガラスにおいても、紫外
線遮蔽剤やV2 5 、CeO2 、TiO2 等を配合する
ことができる。紫外線遮蔽剤としては、Fe2 3 が例
示される。これらの成分は、Fe2 3 やV2 5 等に
ついてはそれぞれ1.0 質量以下の範囲で配合される。各
成分とも、上記の範囲を越えると光束維持率が低下す
る。
【0034】なお、請求項5において、実質的にPbO
を含まないとは、ガラス成分としてPbOを含まないこ
とを意味し、他の成分に付随して不可避的に混入するP
bOを含まないという意味ではない。不可避的不純物は
全体として 1質量% 以下とすることが望ましい。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施するための形
態について説明する。
【0036】図1は本発明の蛍光ランプを環形蛍光ラン
プに適用した一実施形態の構造を一部破断面で示す図で
ある。同図において、1は環形のメインチューブであ
り、このメインチューブ1の内面には蛍光体層2が被着
形成されている。さらに、メインチューブ1内には所定
圧の放電用ガス、すなわちアルゴンガスのような希ガス
と共に水銀が封入されている。メインチューブ1の両端
部には、電極3を有するステム部4が封着されており、
これらによって環形蛍光ランプ5が構成されている。
【0037】蛍光体層2を構成する蛍光体は特に限定さ
れるものではなく、各種公知の蛍光体を使用することが
できるが、本発明は 430〜 460nm付近の青色領域、 540
〜 550nm付近の緑色領域および 610〜 620nm付近の赤色
領域に主要な発光ピークを有する三波長発光形蛍光体を
用いる場合に特に有効である。
【0038】三波長発光形蛍光体についても各種公知の
混合蛍光体を使用することができ、例えば 2価のユーロ
ピウム付活アルミン酸塩蛍光体、 2価のユーロピウムお
よびマンガン付活アルミン酸塩蛍光体、 2価のユーロピ
ウム付活ハロ燐酸塩蛍光体などの青色ないし青緑色発光
蛍光体、 3価のユーロピウム付活酸化イットリウム蛍光
体、 3価のユーロピウム付活酸硫化イットリウム蛍光体
などの赤色発光蛍光体、および希土類系の緑色発光蛍光
体を適宜に混合した三波長形白色発光蛍光体などが用い
られる。
【0039】蛍光体層2を有する環形メインチューブ1
は、まず直管形のメインチューブ(ガラス管)の内面
に、例えば三波長発光形蛍光体を結着剤などと共に有機
溶媒や水系溶媒に分散させた蛍光体塗布液を塗布し、こ
の塗布膜を例えば 500〜 650℃の温度でベーキングする
ことにより蛍光体層2を形成する。次いで、この蛍光体
層2を形成した直管形のガラス管を、それを構成してい
るガラスの軟化温度以上に加熱し、この軟化した状態の
ガラス管をドラムなどに巻きつけて、環状に加工するこ
とにより得られるものである。
【0040】上述したようなメインチューブ(ガラス
管)の内面に蛍光体層2を形成した後に曲成してなる環
形メインチューブ1は、請求項1又は請求項5に示した
ガラス組成を有している。
【0041】請求項1および請求項5に示したガラス
は、環形メインチューブ1の構成材料のみならず、ステ
ム部4を構成するガラスにも好適である。特に、環形メ
インチューブ1と同一組成のガラスでステム部4を構成
することによって、環形蛍光ランプ1をリサイクルする
にあたってガラスの分別などが不要となり、ガラス材料
の再利用がより容易になる。
【0042】ステム部4は、環形メインチューブ1とな
る直管形のガラス管の内面に蛍光体層2を形成した後、
その両端に熱封着される。ステム部4が両端に封着され
たガラス管は、その軟化温度以上に加熱され、内部の不
純ガスなどを十分に排気した後に、ドラムなどに巻きつ
けられて環状に加工される。この後、環形メインチュー
ブ1内にアルゴンガスのような希ガスと共に水銀が封入
され、最終的に排気管を封止することによって、目的と
する環形蛍光ランプ1が得られる。
【0043】上述した実施形態の環形蛍光ランプ1は、
環形メインチューブ1を構成するガラス中のNaイオン
が極めて少量であるか、又はその移動が抑制されている
ので、Na成分と水銀との反応に基づく蛍光ランプの着
色が抑制され、従って環形蛍光ランプ1の光束維持率を
高めることができる。すなわち、ランプ特性およびライ
フ特性を向上させた環形蛍光ランプ1を提供することが
可能となる。
【0044】なお、上述した実施形態では請求項1又は
請求項5のガラスを環型蛍光ランプのメインチューブや
ステム部に適用した場合について説明したが、本発明は
これに限られるものではなく、広く一般に管球製品のメ
インチューブ、ステム部、さらにはビード部にも適用す
ることが可能である。
【0045】このように、ガラス部分を無鉛化するとと
もに成分も共通にすることにより、環境汚染の問題が解
決されるばかりでなく、リサイクル性が格段に向上す
る。
【0046】
【実施例】次に、本発明の具体的な実施例およびその評
価結果について述べる。
【0047】実施例1 まず、SiO2 70.0質量% 、Al2 3 3.0質量%
、Li2 O 2.5質量% 、Na2 O 0.05質量% 、K
2 O 8.7質量% 、CaO 3.8質量% 、MgO2.2質
量% 、SrO 5.8質量% 、BaO 3.0質量% 、Fe
2 3 0.03質量% の組成を有するガラス組成物を、酸
化溶融法に基づいて溶融した後、常法に従ってガラス管
を作製した。なお、上記したガラス組成物の軟化温度は
676℃、熱膨張係数は94×10-7/ ℃である。
【0048】上記したガラス管(管外径29.5mm、肉厚1.
2mm 、管長590mm ) の内面に、青色蛍光体と緑色蛍光体
と赤色蛍光体を相関色温度が6700K となるように混合し
た三波長形蛍光体を含む蛍光体塗布液を塗布し、常法に
従って乾燥およびベーキングして蛍光体層を形成した。
次いで、ガラス管の両端に電極を有するステム部を熱封
着した。このステム部を構成するガラスには、上記した
メインチューブ用のガラスと同一組成のものを用いた。
【0049】次に、両端にステム部を熱封着したガラス
管を約 750℃に加熱し、内部を排気した後にドラムに巻
きつけて環状に加工して、環形メインチューブとした。
この後、環形メインチューブ内にアルゴンガスと共に水
銀を封入し、最終的に排気管を封止することによって、
目的とするFCL30/28タイプの環形蛍光ランプを得た。こ
のようにして得た実施例1の各環形蛍光ランプの2000時
間点灯後の光束維持率を測定したところ、99% であっ
た。
【0050】実施例2 SiO2 68.5質量% 、Al2 3 1.2質量% 、Li2
2.5質量% 、Na2 O0.05 質量% 、K2 O12.0質量%
、CaO 3.8質量% 、MgO 2.2質量% 、SrO
5.8質量% 、BaO 3.0質量% 、Fe2 3 0.03
質量% の組成を有するガラス組成物を、酸化溶融法に基
づいて溶融した後、常法に従ってガラス管を作製した。
なお、上記したガラス組成物の軟化温度は 675℃、熱膨
張係数は94×10-7/ ℃である。
【0051】上記したガラス管(管外径29.5mm、肉厚1.
2mm 、管長590mm ) を用いて、実施例1と同一の方法に
より、同一構造のFCL30/28タイプの環形蛍光ランプを得
た。
【0052】このようにして得た実施例2の環形蛍光ラ
ンプの2000時間点灯後の光束維持率を測定したところ98
% であった。
【0053】実施例3 SiO2 69.0質量% 、Al2 3 2.0質量% 、Li2
1.5質量% 、Na2 O3.0質量% 、K2 O 8.7質量% 、
CaO 3.8質量% 、MgO 2.2質量% 、SrO
5.8質量% 、BaO 3.0質量% 、Fe2 3 0.03質
量% の組成を有するガラス組成物を、酸化溶融法に基づ
いて溶融した後、常法に従ってガラス管を作製した。な
お、上記したガラス組成物の軟化温度は 676℃、熱膨張
係数は93×10-7/ ℃である。
【0054】上記したガラス管(管外径29.5mm、肉厚1.
2mm 、管長590mm ) を用いて、実施例1と同一の方法に
より、同一構造のFCL30/28タイプの環形蛍光ランプを得
た。このようにして得た実施例3の環形蛍光ランプの20
00時間点灯後の光束維持率を測定したところ97% であっ
た。
【0055】比較例1 SiO2 70.0質量% 、Al2 3 1.9質量% 、Li2
1.4質量% 、Na2 O6.4質量% 、K2 O 8.1質量% 、
CaO 1.9質量% 、MgO 1.0質量% 、SrO
5.4質量% 、BaO 1.5質量% 、Fe2 3 0.04質
量% の組成を有するガラス組成物を、酸化溶融法に基づ
いて溶融した後、常法に従ってガラス管を作製した。な
お、上記したガラス組成物の軟化温度は 675℃、熱膨張
係数は93×10-7/ ℃である。
【0056】上記したガラス管(管外径29.5mm、肉厚1.
2mm 、管長590mm ) を用いて、実施例1と同一の方法に
より、同一構造のFCL30/28タイプの環形蛍光ランプを得
た。このようにして得た実施例3の環形蛍光ランプの20
00時間点灯後の光束維持率を測定したところ96% であっ
た。
【0057】比較例2 SiO2 69.0質量% 、Al2 3 2.0質量% 、Li2
1.5質量% 、Na2 O7.8質量% 、K2 O 4.7質量% 、
CaO 3.8質量% 、MgO 2.2質量% 、SrO
5.8質量% 、BaO 3.0質量% 、Fe2 3 0.03質
量% の組成を有するガラス組成物を、酸化溶融法に基づ
いて溶融した後、常法に従ってガラス管を作製した。な
お、上記したガラス組成物の軟化温度は 669℃、熱膨張
係数は92×10-7/ ℃である。
【0058】上記したガラス管(管外径29.5mm、肉厚1.
2mm 、管長590mm ) を用いて、実施例1と同一の方法に
より、同一構造のFCL30/28タイプの環形蛍光ランプを得
た。このようにして得た実施例3の環形蛍光ランプの20
00時間点灯後の光束維持率を測定したところ96% であっ
た。
【0059】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の管球製品
は、(a) 環境に影響を与える鉛成分を実質的に含まず、
電気特性、軟化温度、熱膨張特性、透過率、強度、化学
的安定性に優れ、しかも放電用ガス中の水銀蒸気と反応
するNa2 Oの含有量を 0.1質量% より少なくしたガラ
ス、又は(b) 環境に影響を与える鉛成分を実質的に含ま
ず、電気特性、軟化温度、熱膨張特性、透過率、強度、
化学的安定性に優れ、しかもアルカリ土類金属の中でも
イオン半径が大きいSrOとBaOの割合を多くして放
電用ガス中の水銀蒸気と反応するNaイオンの移動度を
抑制したガラスを用いたから、環境問題を解決するとと
もに、黒化を抑制して、光束維持率を高めることが可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の蛍光ランプを環形蛍光ランプに適用
した一実施形態の構成を一部破断して示す図である。
【符号の説明】
1……環形ガラスバルブ 2……蛍光体層 3……電極 4……ステム部 5……環形蛍光ランプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G062 AA03 BB03 DA06 DA07 DB03 DC01 DC02 DC03 DD01 DE01 DF01 DF02 EA03 EB01 EB02 EB03 EB04 EC03 EC04 ED03 ED04 EE02 EE03 EF02 EF03 EG02 EG03 FA01 FA10 FB01 FB02 FC01 FD01 FE01 FF01 FF02 FG01 FH01 FJ01 FK01 FL01 FL02 GA01 GA10 GB01 GC01 GD01 GE01 HH01 HH03 HH05 HH07 HH09 HH11 HH12 HH13 HH15 HH17 HH20 JJ01 JJ03 JJ05 JJ07 JJ10 MM24 NN34 5C043 AA03 AA06 CC09 DD01 EB15 EC06

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 放電用ガスが封入されたメインチューブ
    と;前記メインチューブの一端又は両端に設けられた電
    極を有するステム部と;を少なくとも具備した管球製品
    において、 少なくとも前記メインチューブが、SiO2 60〜75質
    量% 、Al2 3 1〜 5質量% 、Li2 O 1〜 5質
    量% 、Na2 O 0〜0.1 質量% 、K2 O 1〜15質量
    % 、(ただしLi2 O+Na2 O+K2 O 5〜15質量
    % )、CaO0.5〜 5質量% 、MgO 0.5〜 5質量%
    、SrO 0.5〜10質量% 、BaO0.5〜 7質量% 、
    (ただしCaO+MgO+SrO+BaO 2〜20質量
    % )の組成を有し、実質的にPbOを含まないガラスか
    らなることを特徴とする管球製品。
  2. 【請求項2】 少なくとも前記メインチューブが、Si
    2 65〜73質量%、Al2 3 2〜 4質量% 、Li
    2 O 2〜 4質量% 、Na2 O 0〜0.05質量% 、K2
    O 3〜13質量% 、(ただしLi2 O+Na2 O+K2
    O 5〜15質量% )、CaO 1〜 4質量% 、MgO
    1〜 4質量% 、SrO 1〜 8質量%、BaO 1〜 5
    質量% 、(ただしCaO+MgO+SrO+BaO 2
    〜20質量% )の組成を有するガラスからなることを特徴
    とする請求項1記載の管球製品。
  3. 【請求項3】 CaO+MgO+SrO+BaOの合計
    量がLi2 O+Na 2 O+K2 Oの合計量より多いこと
    を特徴とする請求項1又は2記載の管球製品。
  4. 【請求項4】 Fe2 3 、B2 3 、CeO2 及びT
    iO2 から選ばれた少なくとも1 種の成分を、Fe2
    3 については 1質量%以下、B2 3 については 3質量
    %以下、CeO2 については 1質量%以下、TiO2
    ついては 1質量%以下含有することを特徴とする請求項
    1乃至3のいずれか一記載の管球製品。
  5. 【請求項5】 放電用ガスが封入されたメインチューブ
    と;前記メインチューブの一端又は両端に設けられた電
    極を有するステム部と;を少なくとも具備した管球製品
    において、 少なくとも前記メインチューブが、SiO2 60〜75質
    量% 、Al2 3 1〜 5質量% 、Li2 O 1〜 5質
    量% 、Na2 O 0.1〜15質量% 、K2 O 2〜15質量
    % 、(ただしNa2 O+K2 O+Li2 O 3〜15質量
    % )、CaO0.5〜 5質量% 、MgO 0.5〜 5質量%
    、SrO 0.5〜10質量% 、BaO0.5〜 7質量% 、
    (ただしCaO+MgO+SrO+BaO 2〜20質量
    % 、かつ(CaO+MgO)/(SrO+BaO)=
    0.3以下)の組成を有し、実質的にPbOを含まないガ
    ラスからなることを特徴とする管球製品。
  6. 【請求項6】 少なくとも前記メインチューブが、Si
    2 65〜73質量%、Al2 3 2〜 4質量% 、Li
    2 O 2〜 4質量% 、Na2 O 1.0〜10質量% 、K2
    O 3〜10質量% 、(ただしNa2 O+K2 O+Li2
    O 6〜20質量% )、CaO 1〜 4質量% 、MgO
    1〜 4質量% 、SrO 1〜 8質量%、BaO 1〜 5
    質量% 、(ただしCaO+MgO+SrO+BaO 4
    〜20質量% 、かつ(CaO+MgO)/(SrO+Ba
    O)= 0.3以下)の組成を有するガラスからなることを
    特徴とする請求項5記載の管球製品。
  7. 【請求項7】 Fe2 3 、B2 3 及びV2 5 から
    選ばれた少なくとも1種の成分を、Fe2 3 について
    は1.0 質量% 以下、B2 3 については3.0質量% 以
    下、V2 5 については1.0 質量% 以下含有することを
    特徴とする請求項5又は6記載の管球製品。
  8. 【請求項8】 前記メインチューブの内面に蛍光膜が形
    成された蛍光ランプである請求項1乃至7のいずれか一
    記載の管球製品。
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