JP2003105849A - 減勢工 - Google Patents

減勢工

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JP2003105849A
JP2003105849A JP2001372824A JP2001372824A JP2003105849A JP 2003105849 A JP2003105849 A JP 2003105849A JP 2001372824 A JP2001372824 A JP 2001372824A JP 2001372824 A JP2001372824 A JP 2001372824A JP 2003105849 A JP2003105849 A JP 2003105849A
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裕英 中川
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学 大久保
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哲生 長江
Yasuyuki Mitsui
保幸 三井
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    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
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    • Y02A30/60Planning or developing urban green infrastructure

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Abstract

(57)【要約】 【課題】規模が小さくて減勢槽への空気連行量が少ない
減勢工を提供する。 【解決手段】流入口3から下方に傾斜する傾斜流入路5
を形成するとともに、傾斜流入路5の先端の流入開口部
6と流出部4との間に堰8を設け、流入開口部6から流
出する水流を、堰8にて強制的にせり上がらせることに
より、減勢工1の高さ方向において水流の運動エネルギ
を減勢するように構成することで、減勢工1の流入口3
から堰8までの距離を短くする。また、傾斜流入路5の
上方部分を、取り外し可能な流入ブロック21で構成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、傾斜地に配管され
た下水管(傾斜配管)などの管渠から放流される高速水
流を減勢するのに用いられる減勢工に関する。
【0002】
【従来の技術】傾斜地に配管された下水管などから放流
される汚水は高速であるため、そのまま放流すると、公
共管やポンプ塔などの施設を損傷するおそれがある。こ
のため高速水流のエネルギを減勢する設備を設ける必要
がある。
【0003】高速水流の放流水脈を減勢する設備として
は減勢工が知られている。減勢工としては、例えば図1
6に示すように、減勢槽(減勢池)201の下流部に堰
202を設け、傾斜下水管などの管渠203から流出す
る水流の運動エネルギを跳水現象により減勢させる跳水
型減勢工がある。なお、このような跳水式減勢工では、
堰202の上流側の跳水渦領域に、バッフルピアやシル
など、水流を衝突分散させる補助構造物を設けて減勢効
果を高めるという方法も採られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図16に示
す構造の減勢工において、十分な減勢効果を得るには、
跳水長L(跳水を起こさせるために必要な長さ)を大き
くとる必要があるため、減勢工全体の規模が大きくなっ
てしまうという問題がある。
【0005】また、図16に示す構造の減勢工では、管
渠203から流出する水流が減勢槽201内に噴射状に
開放されるので、管渠203から減勢槽201内に連行
される空気量が多い。特に、管渠203に流入する汚水
等が多量で、管内の水流が射流(ジェット流)状態とな
る場合、減勢槽201内への空気連行量が非常に多くな
るため、減勢槽201に通気孔などの排気設備が必要と
なる。しかも、下水管等からの連行空気は臭いため、外
部への排気を行うと減勢工の周辺に悪臭が漂うという問
題もある。
【0006】本発明はそのような問題点を解決すべくな
されたもので、規模が小さくて空気連行量が少ない構造
の減勢工の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の減勢工は、傾斜
地に配管された下水管などの管渠から放流される高速水
流を減勢するのに用いられる減勢工であって、流入口か
ら下方に傾斜する傾斜流入路及びその傾斜流入路の先端
の流入開口部から流出部に通じる流路が形成された本体
と、流入開口部と流出部との間の流路上に配置された堰
を備えていることによって特徴づけられる。
【0008】本発明の減勢工において、流入管を流れる
汚水等は、流入口を通じて傾斜流入路に流入し、その傾
斜流入路の流入開口部から流出した水流は、流入開口部
と流出部との間に設けられた堰によって上昇渦流とな
り、堰に沿って上方にせり上がってゆき、堰を越流して
流出管に流入する。
【0009】このように本発明の減勢工では、流入口か
ら流入した水流を、堰によって強制的にせり上がらせる
ことにより、減勢工の高さ方向において水流の運動エネ
ルギを発散(減勢)させているので、流入口と堰との間
の距離が短くても、十分な減勢効果を得ることができ
る。
【0010】しかも、本発明の減勢工においては、流入
口から下方に傾斜する傾斜流入路を減勢工側に設けてい
るので、次のような作用効果を達成できる。
【0011】まず、減勢工側の傾斜流入路を設けていな
い場合、流入口に接続する流入管の勾配が緩いときに、
堰による跳水部(滞留部)が流入管の上流方向に上がっ
てしまい、汚水内の汚物やトイレットペーパーなどが、
流入管の管頂部に付着・堆積した場合には、その清掃が
困難となる。これに対し、本発明のように、減勢工側に
傾斜流入路(滞留部)を設けておくと、流入管の勾配が
緩い場合であっても、跳水部が流入管の高い部位まで上
昇することがなく、管頂部への汚物等の付着の問題を解
消できる。
【0012】さらに、減勢工側に傾斜流入路を設けてお
くと、減勢工を設置するマンホールの外部に配管を取り
付ける必要がなくなるので、部材を削減できてコストの
低減化をはかることができる。また、工場出荷の場合に
は全体形状をコンパクトにすることができる。
【0013】傾斜流入路の角度(水平面に対する傾斜
角)は、30度〜70度の範囲が好ましく、より好まし
くは45度〜60度の範囲がよい。
【0014】本発明の減勢工において、傾斜流入路の流
入開口部を、堰の上端よりも低い位置に配置することが
好ましい。このようにすると、減勢工への流入水が堰を
越流している状態では、管渠(流入管)からの噴流水は
傾斜流入路内に溜まっている滞留水の水中に流入するこ
とになる。これにより、射流により多量の空気が管渠か
ら連行されても、その連行空気は傾斜流入路内の滞留水
の存在によって減勢工内への浸入が阻止され、その殆ど
が管渠に戻される。なお、連行空気の一部は減勢工内の
溜水中に浸入し水面から破泡するが、その量はごく僅か
であるので、特に排気設備などを設ける必要はない。
【0015】ここで、減勢工において堰の高さが高すぎ
ると、堰を越流する汚水の越流後の流速が位置エネルギ
によって速くなってしまい、減勢効果が薄れてしまうと
いう問題が発生するが、傾斜流入路の流入開口部の開口
高さを堰の高さ以下とし、さらに流入開口部を堰の上端
よりも低い位置に配置することにより、減勢効果を確保
しながら堰の高さを低くすることが可能になる。
【0016】本発明の減勢工において、メンテナンス性
をよくするために、傾斜流入路の上方部分を、本体から
取り外し可能な流入ブロックとしておいてもよい。
【0017】この場合、減勢工本体に、流入ブロックの
縁部を載置するための段部を設け、その段部の載置面と
流入ブロックの縁部との間にパッキンを設けておくこと
が好ましい。このようにパッキンを設けておけば、傾斜
流入路にて浸入が阻止された連行空気が、流入ブロック
の上方に逃げることを阻止することができる。これによ
り、減勢工の周辺に悪臭が洩れることを防ぐことがで
き、また、減勢工を設置したマンホール等の内圧が連行
空気によって上昇して鉄蓋が飛散するというような危険
も回避することができる。
【0018】本発明の減勢工において、傾斜流入路の流
入開口部の開口高さ寸法を、流入口に接続される流入管
の管径(内径)よりも小さい寸法とし、さらに、流入開
口部の流路断面積を流入管の断面積以上に保つようにし
ておけば、流入口から傾斜流入路に流入した水流が横方
向に分散するので、減勢効果を更に高めることができ
る。
【0019】この場合、流入開口部の開口高さを、流入
管の管径(内径)の1/2以下にすることが好ましい。
また、流入口(流入管)が円形である場合、流入開口部
を横方向に細長の長方形とすることが好ましい。
【0020】本発明の減勢工において、傾斜流入路内に
流入した水の流れを、横方向と上方向に向ける面(傾斜
面)を有する分散ブロックを設けておくことが好まし
い。このような分散ブロックを設けておくと、堰に向か
う水の勢いを横方向と上方向に分散して減勢することが
できるので、減勢効果をより一層高めることができる。
【0021】分散ブロックの高さ寸法は、流入開口部の
開口高さ寸法以下、好ましくは流入開口部の開口高さ寸
法の1/2以下とする。また、分散ブロックの傾斜面の
角度水平面に対する傾斜角)は、30度〜70度の範囲
が好ましく、より好ましくは45度〜60度の範囲がよ
い。
【0022】本発明の減勢工において、堰上部の越流部
分の形状を、堰の幅方向の中央部が他の部分よりも低い
形状としておくことが好ましい。このようにすると、汚
水や汚物が堰の中央部に集まりやすくなるので、堰の端
の部分に汚物が付着したり、汚水が溜まることを防止す
ることができる。
【0023】本発明の減勢工において、堰を、流出部に
接続される流出管の管端面に対する距離が流出管の管径
(内径)の1/2以上となる位置に配置しておくことが
好ましい。このように、堰と流出管との間に距離をあけ
ておくと、堰の下流側において空気が流れやすくなり、
汚水で流出管が塞がれることを防ぐことができる。
【0024】本発明の減勢工において、堰の幅寸法を、
堰の上流側流路の幅寸法よりも小さくしておくことが好
ましい。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。
【0026】図1は本発明の減勢工の実施形態の中央縦
断面図(A)及び平面図(B)である。図2及び図3は
それぞれ図1のC矢視図及びD矢視図である。図4及び
図5はそれぞれ図1のE−E断面図及びF−F断面図で
ある。図6は図1の実施形態の全体構造を模式的に示す
斜視図である。
【0027】この例の減勢工1は、傾斜地に配管された
下水管(傾斜配管)の下流側に敷設のマンホールに減勢
機能を持たせるための装置であって、減勢工本体2とそ
の内部に配置された堰8及び分散ブロック9を備えてい
る。
【0028】減勢工本体2は、FRP製で表面(流水表
面)にPEシート2aが貼着されている。減勢工本体2
は、断面楕円形のマンホール10(図8参照)に合わせ
た形状に加工されている。なお、減勢工本体2の形状は
楕円形のほか、円形や矩形であってもよい。
【0029】減勢工本体2には、流入口3及び流出部4
と、流入口3から下方に傾斜する傾斜流入路5と、傾斜
流入路5の先端の流入開口部6から流出部4に通じる流
路7が形成されている。
【0030】流入開口部6は横方向に長細の長方形に加
工されており、その開口高さ寸法H(図4)は、流入口
3に接続される流入管11の管径(内径)の1/2とな
っている。ただし、流入開口部6の流路断面積は、流入
管11の断面積と同じか、もしくはそれ以上に保たれて
いる。
【0031】流入開口部6と流入口3とを繋ぐ傾斜流入
路5は、流入口3から流入開口部6に向かう従って、流
路高さが狭くかつ流路幅が広くるなような形状に形成さ
れている。従って、流入口3から流入した汚水は、横方
向(左右方向)に分散されながら流入開口部6に達す
る。
【0032】傾斜流入路5の上方部分は、減勢工本体2
からの取り外しが可能な流入ブロック21で構成されて
おり、図6に示すように、流入ブロック21を上方へと
引き上げて、減勢工本体2から取り外すことにより、傾
斜流入路5内の清掃等のメンテナンスを行うことができ
る。
【0033】傾斜流入路5内には分散ブロック9が配置
されている。分散ブロック9は、図7に示すように、傾
斜流入路5に流入した汚水の流れを横方向(左右方向)
に向ける傾斜面9a,9aと、汚水の流れを上方向に向
ける傾斜面9bが形成されている。分散ブロック9の高
さは、流入開口部6の開口高さの1/2以下である(こ
の例では、流入開口部6の開口高さの30%程度として
いる)。分散ブロック9の傾斜面9a,9aは、汚水の
流れ方向に対して45度、水平面に対して45度傾斜し
ている。傾斜面9bは水平面に対して45度傾斜してい
る。
【0034】分散ブロック9の配置位置は傾斜流入路5
の幅方向の中央位置である。また、分散ブロック9の先
端(流入口3側の先端)は、傾斜流入路5の傾斜底面5
aの終端に位置している。
【0035】堰8は、傾斜流入路5の流入開口部6と流
出部4との間の流路7上に設けられている。堰8は、図
8に示すように、流出部4に接続される流出管12の管
端面に対する距離Mが、流出管12の管径(内径)と等
しい距離となる位置に配置されている。
【0036】堰8の底部には傾斜面8aが形成されてい
る。この傾斜面8aは、流入口3から傾斜流入路5内に
流入し、流入開口部6から流出した水流の向きを上方
(鉛直方向)に効率良く誘導することを目的として形成
される。
【0037】堰8の底部には貫通穴8bが設けられてお
り、この貫通穴8bを介して堰8の上流側流路(汚水滞
留部)71と下流側流路(インバート)72とが連通し
ている。貫通穴8bの大きさは、汚水等に含まれる汚物
などが通過できる程度の大きさ、例えばφ50mm〜φ
100mm程度とする。なお、貫通穴の形状は、円形の
ほか楕円や四角形等であってもよい。
【0038】堰8の幅寸法は、流入開口部6から連続す
る上流側流路71の幅寸法よりも小さい(この例では、
堰8の幅:上流側流路71の幅=1:2としている)。
また上流側流路(汚水貯留部)71の幅寸法は、流入管
11の管径(内径)よりも大きい(この例では、上流側
流路71の幅寸法を流入管11の管径の2倍としてい
る)。
【0039】なお、上流側流路71の後端部分の側壁7
aは、上流側流路71の幅寸法が堰8に向かうに従って
徐々に小さくなるような傾斜面となっており、上流側流
路71から堰8に向かう汚水がスムーズに流れるように
なっている。
【0040】堰8の上面(越流部分)は、幅方向の中央
部が最も低くなるようなV字形状に加工されている。な
お、堰8の上面の形状は、堰の幅方向の中央部が他の部
分よりも低い形状であれば特に限定されず、例えばU字
形状であってもよい。
【0041】以上の減勢工1は、図8に示すように、マ
ンホール10内の底部に設置され、減勢工本体2の流入
口3に流入管(下水上流管)11が接続され、流出部4
に流出管(下水下流管)12が接続される。流出管12
の管底は下流側流路72(インバート)の底面と略一致
する高さに配置される。
【0042】図8の設置状態において、流入口3から傾
斜流入路5に流入した水流は、傾斜流入路5先端の流入
開口部6と流出部4との間に設置された堰8によって上
昇渦流となり、堰8に沿って上方にせり上がってゆき、
堰8を越流して流出部4から流出管12に流出する。
【0043】このように本実施形態の減勢工1では、減
勢工本体2内に流入した水流を、堰8によって強制的に
せり上がらせることにより、減勢工本体2の高さ方向に
おいて水流の運動エネルギを発散(減勢)させているの
で、減勢工本体2の流入口3と堰8との間の距離が短く
ても、十分な減勢効果を得ることができる。
【0044】また、減勢工本体2内に流入する排水の水
量が少量(堰8を越えない水量)である場合、減勢工本
体2内に流入した排水は、堰8の貫通穴8bを通過して
流出部4から流出するので、減勢工本体2内に排水が滞
留することはない。
【0045】さらに、傾斜流入路5の中央部に分散ブロ
ック9を設けているので、堰8に向かう汚水の勢いを横
方向と上方向に分散することができる。しかも、上方向
に分散した流れは傾斜流入路5内の上部(流入ブロック
21)にて勢いが更に減勢されるので、減勢効果をより
一層高めることができる。また、分散ブロック9を設け
ておくことにより、傾斜流入路5に流入した汚水が、堰
8の貫通穴8bに直接向かうことがなくなるので、勢い
のある汚水が堰8の貫通穴8bを通過して流出部4に達
することがなくなる。
【0046】さらに、本発明の実施形態においては、減
勢工本体2の表面(流水表面)に、耐摩耗性に優れたP
Eシート2aを貼着しているので、耐久性にも優れた減
勢工を提供することができる。
【0047】なお、以上の実施形態では、分散ブロック
9として、フラットな傾斜面9a,9bが形成されたも
のを用いているが、これに替えて、例えば図9(A)及
び(B)に示すように、前方及び上方に凸の湾曲面19
aが形成された分散ブロック19、あるいは、図10
(A)及び(B)に示すように、凹面29aを組み合わ
せた構造の分散ブロック29を用いてもよい。
【0048】以上の実施形態では、堰8に貫通穴8bを
形成しているが、これに替えて、堰の上端から減勢工本
体2の上流側流路71(下流側流路72)の底部まで切
れ込むスリットを設けておいてもよい。
【0049】次に、本発明の他の実施形態を図11〜図
15を参照しながら説明する。
【0050】図11及び図12は本発明の他の実施形態
の全体構造を示す斜視図である。図13は本発明の他の
実施形態を流入ブロックを取り外した状態で示す平面図
である。図14は本発明の他の実施形態の要部縦断面図
である。
【0051】この実施形態の減勢工101は、前記した
実施形態と同様な構造で、減勢工本体102と、その内
部に配置された流入ブロック120及び堰108を備え
ている。なお、分散ブロックの図示は省略している。
【0052】減勢工本体102には、流入口103及び
流出部104と、流入ブロック120の傾斜面121に
よって形成される傾斜流入路105と、傾斜流入路10
5の先端の流入開口部106から流出部104に通じる
流路107とが形成されている。
【0053】流入ブロック120は、図11に示す設置
状態で傾斜面121が流入口103に対し、下方に向け
て傾斜した姿勢で対向するようになっており、流入口1
03に流入した汚水の流れを下方と横方向(左右方向)
に向けて分散する。
【0054】流入ブロック120は、図11及び図12
に示すように、減勢工本体102への取り付け/取り外
しが可能である。従って、流入ブロック120を上方へ
と引き上げて、減勢工本体102から取り外すことによ
り、傾斜流入路105の清掃等のメンテナンスを行うこ
とができる。
【0055】なお、流入ブロック120の上端部には、
固定プレート122が設けられており、この固定プレー
ト122を減勢工本体102の上面縁部にボルト止めす
ることにより、減勢工本体102に対して流入ブロック
120の全体を固定することができる。また、固定プレ
ート122には把手123が設けられている。
【0056】そして、この実施形態では、図12及び図
13に示すように、減勢工本体102の内部に、流入ブ
ロック120の縁部を載置するための段部111が設け
られており、その段部111の載置面112と流入ブロ
ック120の縁部との間にゴム製のパッキン109が挟
み込まれているところに特徴がある。
【0057】このように減勢工本体102と流入ブロッ
ク120との間にパッキン109を設けておけば、傾斜
流入路105にて浸入が阻止された連行空気が、流入ブ
ロック120の上方に逃げることを阻止することがで
き、減勢工1の周辺に悪臭が洩れることを防ぐことがで
きる。なお、パッキン109は、減勢工本体102側に
取り付けておいてもよいし、流入ブロック120側に取
り付けておいてもよい。
【0058】パッキンとしては、図15(A)に示すよ
うな断面Z字形のものが好ましいが、他の形状のパッキ
ンであってもよい。例えば図15(B)及び(C)に示
すような断面U字形のパッキン191や、断面Y字形の
パッキン192を用いてもよい。
【0059】ここで、本発明の減勢工は、下水用のマン
ホールに限られることなく、高速水流を放流する各種配
管・管渠に設置のマンホール、あるいは高速水流を放流
する他の施設にも適用可能である。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の減勢工に
よれば、流入口から下方に傾斜する傾斜流入路を形成す
るとともに、傾斜流入路の先端の流入開口部と流出部と
の間に堰を設け、流入開口部から流出する水流を、堰に
て強制的にせり上がらせることにより、減勢工の高さ方
向において水流の運動エネルギを減勢するように構成し
ているので、流入口から堰までの距離を短くすることが
でき、減勢工全体の規模を小さくすることができる。
【0061】本発明の減勢工において、傾斜流入路の流
入開口部を堰の上端よりも低い位置に配置し、減勢工へ
の流入水が堰を越流している状態のときに、下水管等の
流入管からの噴流水が、傾斜流入路内に溜まっている滞
留水の水中に流入するように構成すれば、管渠を流れる
射流により多量の空気が管渠から連行されても、その連
行空気が減勢工内に入り込む量は少なくて済み、排気設
備・悪臭等の問題を解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の中央縦断面図(A)及び平
面図(B)である。
【図2】図1のC矢視図である。
【図3】図1のD矢視図である。
【図4】図1のE−E断面図である。
【図5】図1のF−F断面図である。
【図6】本発明の実施形態の全体構造を模式的に示す斜
視図である。
【図7】本発明の実施形態に用いる分散ブロックのみを
抽出して示す側面図(A)及び平面図(B)である。
【図8】図1の実施形態を使用状態で示す縦断面図であ
る。
【図9】分散ブロックの変形例を示す側面図(A)及び
平面図(B)である。
【図10】分散ブロックの変形例を示す側面図(A)及
び平面図(B)である。
【図11】本発明の他の実施形態の全体構造を示す斜視
図である。
【図12】本発明の他の実施形態の全体構造を示す分解
斜視図である。
【図13】本発明の他の実施形態を流入ブロックを取り
外した状態で示す平面図である。
【図14】本発明の他の実施形態の要部構造を示す縦断
面図である。
【図15】本発明の他の実施形態に用いるパッキンの形
状例を示す図である。
【図16】跳水型減勢工の一例を模式的に示す図であ
る。
【符号の説明】
1 減勢工 2 減勢工本体 21 流入ブロック 3 流入口 4 流出部 5 傾斜流入路 6 流入開口部 7 流路 71 上流側流路 72 下流側流路 8 堰 8b 貫通穴 9 分散ブロック 9a,9b 傾斜面 10 マンホール 11 流入管 12 流出管 101 減勢工 102 減勢工本体 111 段部 112 載置面 103 流入口 104 流出部 105 傾斜流入路 106 流入開口部 107 流路 120 流入ブロック 121 傾斜面 108 堰 109 パッキン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中川 裕英 京都市南区上鳥羽上調子町2−2 積水化 学工業株式会社内 (72)発明者 大久保 学 京都市南区上鳥羽上調子町2−2 積水化 学工業株式会社内 (72)発明者 長江 哲生 大阪府茨木市下穂積1−2−29 株式会社 浪速技研コンサルタント内 (72)発明者 三井 保幸 大阪府茨木市下穂積1−2−29 株式会社 浪速技研コンサルタント内 Fターム(参考) 2D063 CA25

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 傾斜地に配管された下水管などの管渠か
    ら放流される高速水流を減勢するのに用いられる減勢工
    であって、 流入口から下方に傾斜する傾斜流入路及びその傾斜流入
    路の先端の流入開口部から流出部に通じる流路が形成さ
    れた本体と、流入開口部と流出部との間の流路上に配置
    された堰を備えていることを特徴とする減勢工。
  2. 【請求項2】 傾斜流入路の流入開口部が、堰の上端よ
    りも低い位置に設けられていることを特徴とする請求項
    1に記載の減勢工。
  3. 【請求項3】 傾斜流入路の上方部分が、取り外し可能
    な流入ブロックで構成されていることを特徴とする請求
    項1または2記載の減勢工。
  4. 【請求項4】 前記減勢工本体には、流入ブロックの縁
    部を載置するための段部が設けられており、その段部の
    載置面と流入ブロックの縁部との間にパッキンが挟み込
    まれていることを特徴とする請求項3記載の減勢工。
  5. 【請求項5】 傾斜流入路の流入開口部の開口高さ寸法
    が、流入口に接続される流入管の管径よりも小さいこと
    を特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の減勢工。
  6. 【請求項6】 傾斜流入路内に流入した水の流れを、横
    方向と上方向に向ける面を有する分散ブロックが設けら
    れていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記
    載の減勢工。
  7. 【請求項7】 堰上部の越流部分の形状が、堰の幅方向
    の中央部が他の部分よりも低い形状となっていることを
    特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の減勢工。
  8. 【請求項8】 堰は、流出部に接続される流出管の管端
    面に対する距離が流出管の管径の1/2以上となる位置
    に配置されていることを特徴とする請求項1〜7のいず
    れかに記載の減勢工。
  9. 【請求項9】 堰の幅寸法が、堰の上流側流路の幅寸法
    よりも小さいことを特徴とする請求項1〜8のいずれか
    に記載の減勢工。
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