JP2003105748A - 埋め込み杭用掘削装置および埋め込み杭の施工方法 - Google Patents
埋め込み杭用掘削装置および埋め込み杭の施工方法Info
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- JP2003105748A JP2003105748A JP2001301227A JP2001301227A JP2003105748A JP 2003105748 A JP2003105748 A JP 2003105748A JP 2001301227 A JP2001301227 A JP 2001301227A JP 2001301227 A JP2001301227 A JP 2001301227A JP 2003105748 A JP2003105748 A JP 2003105748A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 シヤーピンなどの消耗品が不要で、係止力の
設定、変更などの調整が容易であり、施工中の掘削径の
変更が可能な埋め込み杭用掘削装置および埋め込み杭の
施工方法を提供する。 【解決手段】 中空管1内に挿通される掘削ロッド2に
対し、掘削翼3をピン接合し、流体圧シリンダ5で掘削
翼3を所定の角度で支持する。所定の深さまで掘削を行
った後、中空管1の下端で掘削翼3を押し下げる際の力
で、流体圧シリンダ5に設けたリリーフ弁を開放し、上
向きに所定の仰角で支持していた掘削翼3を水平状態ま
で押し下げ掘削径を拡大する。そのまま掘削翼3への力
を解除することで拡径状態で掘削翼3を支持する。拡径
状態での掘削完了後、再び中空管1の下端で掘削翼3を
押し下げ、流体圧シリンダ5のリリーフ弁を開放して掘
削翼3を下向きに折り曲げた状態まで縮径し、掘削ロッ
ド2を中空管1内より引き抜く。
設定、変更などの調整が容易であり、施工中の掘削径の
変更が可能な埋め込み杭用掘削装置および埋め込み杭の
施工方法を提供する。 【解決手段】 中空管1内に挿通される掘削ロッド2に
対し、掘削翼3をピン接合し、流体圧シリンダ5で掘削
翼3を所定の角度で支持する。所定の深さまで掘削を行
った後、中空管1の下端で掘削翼3を押し下げる際の力
で、流体圧シリンダ5に設けたリリーフ弁を開放し、上
向きに所定の仰角で支持していた掘削翼3を水平状態ま
で押し下げ掘削径を拡大する。そのまま掘削翼3への力
を解除することで拡径状態で掘削翼3を支持する。拡径
状態での掘削完了後、再び中空管1の下端で掘削翼3を
押し下げ、流体圧シリンダ5のリリーフ弁を開放して掘
削翼3を下向きに折り曲げた状態まで縮径し、掘削ロッ
ド2を中空管1内より引き抜く。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、建造物の基礎等
に適用される埋め込み杭用の掘削装置および埋め込み杭
の施工方法に関するものである。
に適用される埋め込み杭用の掘削装置および埋め込み杭
の施工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ソイルセメント合成杭、中掘杭などの施
工では、オーガーに接続した掘削ロッドを、埋設される
鋼管などの中空管に挿通し、掘削ロッドの先端部に取り
付けた掘削翼により、地盤の掘削およびセメントミルク
などの硬化性注入材の注入、掘削土砂との攪拌混合を行
い、中空管を所定位置まで埋設した後、掘削ロッドを中
空管内から引き上げて回収する。このため、掘削翼を拡
縮する幾つかの装置が実用化されている。
工では、オーガーに接続した掘削ロッドを、埋設される
鋼管などの中空管に挿通し、掘削ロッドの先端部に取り
付けた掘削翼により、地盤の掘削およびセメントミルク
などの硬化性注入材の注入、掘削土砂との攪拌混合を行
い、中空管を所定位置まで埋設した後、掘削ロッドを中
空管内から引き上げて回収する。このため、掘削翼を拡
縮する幾つかの装置が実用化されている。
【0003】そのような装置として、特許第26886
22号公報には、シヤーピンを利用し、掘削翼を中空管
の外径の外側まで伸ばした状態を、掘削翼基部と掘削ロ
ッドをつなぐ位置に設けたシヤーピンによって固定し、
掘削攪拌終了後、掘削ロッドを引き上げる際には掘削翼
が中空管の下端にぶつかることでシヤーピンを切断し、
それによって掘削翼が折り畳まれ、縮径した状態で引き
上げられるようにした装置および施工方法が記載されて
いる。
22号公報には、シヤーピンを利用し、掘削翼を中空管
の外径の外側まで伸ばした状態を、掘削翼基部と掘削ロ
ッドをつなぐ位置に設けたシヤーピンによって固定し、
掘削攪拌終了後、掘削ロッドを引き上げる際には掘削翼
が中空管の下端にぶつかることでシヤーピンを切断し、
それによって掘削翼が折り畳まれ、縮径した状態で引き
上げられるようにした装置および施工方法が記載されて
いる。
【0004】また、特開平2001−98543号公報
には、シヤーピンを用いずに作業性を向上させた装置と
して、シヤーピンの替わりにバネで付勢された係止部材
で掘削翼基部を挟み込み、掘削攪拌終了後、掘削ロッド
を引き上げる際には掘削翼が中空管の下端にぶつかるこ
とでバネの付勢力に抗して、係止部材による係止が解除
され、掘削翼を縮径した状態で引き上げられるようにし
た装置が記載されている。
には、シヤーピンを用いずに作業性を向上させた装置と
して、シヤーピンの替わりにバネで付勢された係止部材
で掘削翼基部を挟み込み、掘削攪拌終了後、掘削ロッド
を引き上げる際には掘削翼が中空管の下端にぶつかるこ
とでバネの付勢力に抗して、係止部材による係止が解除
され、掘削翼を縮径した状態で引き上げられるようにし
た装置が記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述した特許第268
8622号公報記載の装置および施工方法の場合、シヤ
ーピンが消耗品となり、施工費がアップする。
8622号公報記載の装置および施工方法の場合、シヤ
ーピンが消耗品となり、施工費がアップする。
【0006】特開平2001−98543号公報記載の
装置の場合、掘削翼の拡径状態を側方からバネで拘束す
るためにはバネ定数がかなり大きいものが必要となり、
バネのへたりなどにより係止力の調整も複雑となる。
装置の場合、掘削翼の拡径状態を側方からバネで拘束す
るためにはバネ定数がかなり大きいものが必要となり、
バネのへたりなどにより係止力の調整も複雑となる。
【0007】また、上記何れの装置も施工中の掘削翼の
係止位置変更が不可能であるため、掘削径が一定とな
り、拡大根固め球根の造成が困難である。
係止位置変更が不可能であるため、掘削径が一定とな
り、拡大根固め球根の造成が困難である。
【0008】本願発明は、従来技術における上述のよう
な課題の解決を図ったものであり、シヤーピンなどの消
耗品が不要で、係止力の設定、変更などの調整が容易で
あり、施工中の掘削径の変更が可能な埋め込み杭用掘削
装置および埋め込み杭の施工方法を提供することを目的
としている。
な課題の解決を図ったものであり、シヤーピンなどの消
耗品が不要で、係止力の設定、変更などの調整が容易で
あり、施工中の掘削径の変更が可能な埋め込み杭用掘削
装置および埋め込み杭の施工方法を提供することを目的
としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本願の請求項1に係る埋
め込み杭用掘削装置は、中空管内に挿通される掘削ロッ
ドと、前記掘削ロッドに対し回動自在にピン接合された
拡縮可能な掘削翼と、前記掘削ロッドの外周部に設けら
れ該掘削ロッドと前記掘削翼とを所定の角度に支持する
支持手段とを有し、前記支持手段として内部に封入され
た非圧縮性流体の流体圧によりシリンダとピストンの相
対移動を拘束する流体圧シリンダを用い、前記流体圧シ
リンダには所定以上の流体圧により開いて前記非圧縮性
流体の移動を可能とするリリーフ弁が設けられているこ
とを特徴とするものである。
め込み杭用掘削装置は、中空管内に挿通される掘削ロッ
ドと、前記掘削ロッドに対し回動自在にピン接合された
拡縮可能な掘削翼と、前記掘削ロッドの外周部に設けら
れ該掘削ロッドと前記掘削翼とを所定の角度に支持する
支持手段とを有し、前記支持手段として内部に封入され
た非圧縮性流体の流体圧によりシリンダとピストンの相
対移動を拘束する流体圧シリンダを用い、前記流体圧シ
リンダには所定以上の流体圧により開いて前記非圧縮性
流体の移動を可能とするリリーフ弁が設けられているこ
とを特徴とするものである。
【0010】中空管はソイルセメント合成杭における鋼
管などの場合が多いが、先掘り工法におけるケーシング
や、中掘り工法における鋼管などの場合もある。
管などの場合が多いが、先掘り工法におけるケーシング
や、中掘り工法における鋼管などの場合もある。
【0011】掘削ロッドは、通常、オーガーに接続され
て回転することで先端部に取り付けられた1または複数
段の掘削翼や掘削刃によって土砂を掘削するものであ
り、ソイルセメント合成杭の施工の場合には、通常、掘
削ロッドの先端や掘削翼位置などからセメントミルクな
どの硬化性注入材を注入し、掘削翼などで掘削土砂と攪
拌混合し、合成杭におけるソイルセメント部分を形成さ
せる。
て回転することで先端部に取り付けられた1または複数
段の掘削翼や掘削刃によって土砂を掘削するものであ
り、ソイルセメント合成杭の施工の場合には、通常、掘
削ロッドの先端や掘削翼位置などからセメントミルクな
どの硬化性注入材を注入し、掘削翼などで掘削土砂と攪
拌混合し、合成杭におけるソイルセメント部分を形成さ
せる。
【0012】本願発明で用いる流体圧シリンダは、例え
ばオイルあるいは水などの非圧縮性流体を封入したシリ
ンダ内をピストンが移動するものであり、常時は非圧縮
性流体がピストンの移動を拘束し、流体圧シリンダのシ
リンダまたはピストンに所定以上の外力が作用するとリ
リーフ弁が開いてシリンダ内をピストンが移動するよう
になっている。
ばオイルあるいは水などの非圧縮性流体を封入したシリ
ンダ内をピストンが移動するものであり、常時は非圧縮
性流体がピストンの移動を拘束し、流体圧シリンダのシ
リンダまたはピストンに所定以上の外力が作用するとリ
リーフ弁が開いてシリンダ内をピストンが移動するよう
になっている。
【0013】リリーフ弁はピストンの両側の非圧縮性流
体を連通させる流路に設けられるものであり、ピストン
を貫通するように流路を設ければコンパクトな構造とな
る。該流体圧シリンダが支持している前記掘削翼に所定
以上の力が作用すると前記リリーフ弁が開いて前記掘削
翼を前記掘削ロッドに対し任意の角度に回動し、作用し
た力が所定以下となる角度で再度支持される。また、こ
の流路には逆流を防止するためのチェック弁を設けるこ
とが望ましい。
体を連通させる流路に設けられるものであり、ピストン
を貫通するように流路を設ければコンパクトな構造とな
る。該流体圧シリンダが支持している前記掘削翼に所定
以上の力が作用すると前記リリーフ弁が開いて前記掘削
翼を前記掘削ロッドに対し任意の角度に回動し、作用し
た力が所定以下となる角度で再度支持される。また、こ
の流路には逆流を防止するためのチェック弁を設けるこ
とが望ましい。
【0014】掘削翼による掘削径の拡縮を行う場合に
は、従来の技術の項で述べたシヤーピンやバネで付勢さ
れた係止部材を用いる技術と同様に、掘削ロッドを引き
上げるあるいは中空管を押し下げることにより、掘削翼
が中空管の下端にぶつかり、流体圧シリンダのリリーフ
弁が開くことで掘削翼の支持角度を任意に変更すること
ができる。
は、従来の技術の項で述べたシヤーピンやバネで付勢さ
れた係止部材を用いる技術と同様に、掘削ロッドを引き
上げるあるいは中空管を押し下げることにより、掘削翼
が中空管の下端にぶつかり、流体圧シリンダのリリーフ
弁が開くことで掘削翼の支持角度を任意に変更すること
ができる。
【0015】この場合において、異なる点は、本願発明
の装置では掘削翼と中空管下端の当接を適度に調整した
後、当接を解除することでリリーフ弁がもとの閉止状態
に戻り、掘削翼を任意の角度で固定できることである。
の装置では掘削翼と中空管下端の当接を適度に調整した
後、当接を解除することでリリーフ弁がもとの閉止状態
に戻り、掘削翼を任意の角度で固定できることである。
【0016】従って、例えば拡大根固め球根の造成を行
う場合でも、一般部と一般部より径の大きい拡大根固め
球根部とで掘削径を容易に変更させることができる。
う場合でも、一般部と一般部より径の大きい拡大根固め
球根部とで掘削径を容易に変更させることができる。
【0017】また、シヤーピンのような消耗品がないの
で経済的である。請求項2に係る発明は、請求項1に係
る埋め込み杭用掘削装置において、前記掘削翼がピン接
合位置を中心に前記掘削ロッドの軸方向に対し任意の角
度に回動自在となっており、該掘削翼のピン接合位置側
に設けられた係止部が前記流体圧シリンダのシリンダ側
またはピストン側に設けられた係止部と係合して前記掘
削ロッドの軸方向に対し所定の角度で支持されるように
してあることを特徴とするものである。
で経済的である。請求項2に係る発明は、請求項1に係
る埋め込み杭用掘削装置において、前記掘削翼がピン接
合位置を中心に前記掘削ロッドの軸方向に対し任意の角
度に回動自在となっており、該掘削翼のピン接合位置側
に設けられた係止部が前記流体圧シリンダのシリンダ側
またはピストン側に設けられた係止部と係合して前記掘
削ロッドの軸方向に対し所定の角度で支持されるように
してあることを特徴とするものである。
【0018】この場合、流体圧シリンダを掘削ロッドの
外周面に沿わせるように設置すれば、掘削時における抵
抗の少ないコンパクトな構造となる。
外周面に沿わせるように設置すれば、掘削時における抵
抗の少ないコンパクトな構造となる。
【0019】掘削翼側の係止部と係合する流体圧シリン
ダ側の係止部については、ピストンを掘削ロッドに固定
しシリンダ側に係止部を設ける場合と、シリンダを掘削
ロッドに固定しピストン側に係止部を設ける場合が考え
られるが、構造的には後者の方がコンパクトになる。
ダ側の係止部については、ピストンを掘削ロッドに固定
しシリンダ側に係止部を設ける場合と、シリンダを掘削
ロッドに固定しピストン側に係止部を設ける場合が考え
られるが、構造的には後者の方がコンパクトになる。
【0020】また、掘削翼側の係止部と流体圧シリンダ
側の係止部の形態としては、一方が係止突部、他方がそ
の係止突部を受け入れる係止凹部といった形態が一般的
であると考えられるが、特に限定されない。
側の係止部の形態としては、一方が係止突部、他方がそ
の係止突部を受け入れる係止凹部といった形態が一般的
であると考えられるが、特に限定されない。
【0021】請求項3に係る発明は、請求項2に係る埋
め込み杭用掘削装置において、前記流体圧シリンダのシ
リンダとピストンの所定以上の相対移動により、前記掘
削翼のピン接合位置側に設けられた係止部と、前記流体
圧シリンダのシリンダ側またはピストン側に設けられた
係止部との係合が外れ、前記掘削翼が縮径するようにな
っていることを特徴とするものである。
め込み杭用掘削装置において、前記流体圧シリンダのシ
リンダとピストンの所定以上の相対移動により、前記掘
削翼のピン接合位置側に設けられた係止部と、前記流体
圧シリンダのシリンダ側またはピストン側に設けられた
係止部との係合が外れ、前記掘削翼が縮径するようにな
っていることを特徴とするものである。
【0022】請求項2に係る埋め込み杭用掘削装置で
は、掘削翼側の係止部がピン接合位置を中心に回動する
のに対し、流体圧シリンダ側の係止部は上下動する構成
となるため、シリンダとピストンの所定以上の移動によ
り係合が外れるようにすることかできる。
は、掘削翼側の係止部がピン接合位置を中心に回動する
のに対し、流体圧シリンダ側の係止部は上下動する構成
となるため、シリンダとピストンの所定以上の移動によ
り係合が外れるようにすることかできる。
【0023】掘削ロッドを引き上げる際には、掘削翼の
角度が流体圧シリンダによって拘束されるより、係合が
外れ掘削翼にできるだけ負荷がない状態が望ましく、従
って請求項3はそのような構成を限定したものである。
角度が流体圧シリンダによって拘束されるより、係合が
外れ掘削翼にできるだけ負荷がない状態が望ましく、従
って請求項3はそのような構成を限定したものである。
【0024】なお、掘削翼側の係止部と流体圧シリンダ
側の係止部の形態を、一方が係止突部、他方がその係止
突部を受け入れる係止凹部といった形態にする場合、係
止凹部の凹部を多段の凹部とすれば、凹部ごとの複数の
位置での係止が可能となり、流体圧シリンダによる拘束
とともにより安定した支持状態が得られる。
側の係止部の形態を、一方が係止突部、他方がその係止
突部を受け入れる係止凹部といった形態にする場合、係
止凹部の凹部を多段の凹部とすれば、凹部ごとの複数の
位置での係止が可能となり、流体圧シリンダによる拘束
とともにより安定した支持状態が得られる。
【0025】請求項4に係る発明は、請求項1、2また
は3に係る埋め込み杭用掘削装置において、前記掘削翼
の先端が該掘削翼の長手方向に対し斜めの形状となって
いることを特徴とするものである。
は3に係る埋め込み杭用掘削装置において、前記掘削翼
の先端が該掘削翼の長手方向に対し斜めの形状となって
いることを特徴とするものである。
【0026】掘削翼による掘削径が最大となるのは掘削
翼が掘削ロッドに対して垂直に延びている場合であり、
拡大根固め球根部の造成などを行う場合にその最大径を
拡大根固め球根部の径とする施工が可能となる。
翼が掘削ロッドに対して垂直に延びている場合であり、
拡大根固め球根部の造成などを行う場合にその最大径を
拡大根固め球根部の径とする施工が可能となる。
【0027】しかし、ある幅を有する掘削翼について先
端が掘削翼の長手方向に対し直角になっている場合、わ
ずかな角度変化では掘削径の変化もわずかである。これ
に対し、掘削翼の先端を該掘削翼の長手方向に対し斜め
の形状とすれば、掘削径の変化をより大きくすることが
できる。
端が掘削翼の長手方向に対し直角になっている場合、わ
ずかな角度変化では掘削径の変化もわずかである。これ
に対し、掘削翼の先端を該掘削翼の長手方向に対し斜め
の形状とすれば、掘削径の変化をより大きくすることが
できる。
【0028】請求項5に係る発明は、請求項1、2、3
または4記載の埋め込み杭用掘削装置を用いた埋め込み
杭の施工方法であって、前記掘削ロッドを中空管内に挿
通し、地盤の掘削を行いながら、地盤内への硬化性注入
材の注入および掘削土砂と前記硬化性注入材の攪拌混合
を行い、前記中空管を所定深さまで埋設した後、前記掘
削翼を前記中空管の下端部に所定以上の力が加わるよう
に当接させ、前記流体圧シリンダのリリーフ弁の作動に
より前記掘削翼を縮径させて、前記中空管内を通して前
記掘削ロッドを引き抜き、掘削土砂と混合した前記硬化
性注入材を硬化させることを特徴とするものである。
または4記載の埋め込み杭用掘削装置を用いた埋め込み
杭の施工方法であって、前記掘削ロッドを中空管内に挿
通し、地盤の掘削を行いながら、地盤内への硬化性注入
材の注入および掘削土砂と前記硬化性注入材の攪拌混合
を行い、前記中空管を所定深さまで埋設した後、前記掘
削翼を前記中空管の下端部に所定以上の力が加わるよう
に当接させ、前記流体圧シリンダのリリーフ弁の作動に
より前記掘削翼を縮径させて、前記中空管内を通して前
記掘削ロッドを引き抜き、掘削土砂と混合した前記硬化
性注入材を硬化させることを特徴とするものである。
【0029】この請求項5に係る発明は、本願発明の埋
め込み杭用掘削装置の具体的な使用方法に関するもので
あり、掘削翼と中空管の下端の当接と流体圧シリンダの
リリーフ弁の機能を利用して、掘削ロッド引抜き時の掘
削翼の縮径を行うものである。
め込み杭用掘削装置の具体的な使用方法に関するもので
あり、掘削翼と中空管の下端の当接と流体圧シリンダの
リリーフ弁の機能を利用して、掘削ロッド引抜き時の掘
削翼の縮径を行うものである。
【0030】請求項6に係る発明は、請求項1、2、3
または4記載の埋め込み杭用掘削装置を用いた埋め込み
杭の施工方法であって、前記掘削ロッドを中空管内に挿
通し、前記掘削翼を前記掘削ロッドに対し所定の第1の
角度で支持し、杭一般部の地盤の掘削を行いながら、地
盤内への硬化性注入材の注入および掘削土砂と前記硬化
性注入材の攪拌混合を行い、前記中空管が所定深さに達
した時点で、前記掘削翼を前記中空管の下端部に所定以
上の力が加わるように当接させ、前記流体圧シリンダの
リリーフ弁の作動により前記掘削翼を回動自在とし、拡
径状態を与える所定の第2の角度まで回動させた後、前
記中空管の下端との当接を解除して掘削翼を拡径させた
状態で支持し、その状態で拡大根固め球根部の掘削およ
び掘削土砂と硬化性注入材の攪拌混合を行い、前記拡大
根固め球根部を造成した後、再度、前記掘削翼を前記中
空管の下端部に所定以上の力が加わるように当接させ、
前記流体圧シリンダのリリーフ弁の作動により前記掘削
翼を縮径させて、前記中空管内を通して前記掘削ロッド
を引き抜き、掘削土砂と混合した前記硬化性注入材を硬
化させることを特徴とするものである。
または4記載の埋め込み杭用掘削装置を用いた埋め込み
杭の施工方法であって、前記掘削ロッドを中空管内に挿
通し、前記掘削翼を前記掘削ロッドに対し所定の第1の
角度で支持し、杭一般部の地盤の掘削を行いながら、地
盤内への硬化性注入材の注入および掘削土砂と前記硬化
性注入材の攪拌混合を行い、前記中空管が所定深さに達
した時点で、前記掘削翼を前記中空管の下端部に所定以
上の力が加わるように当接させ、前記流体圧シリンダの
リリーフ弁の作動により前記掘削翼を回動自在とし、拡
径状態を与える所定の第2の角度まで回動させた後、前
記中空管の下端との当接を解除して掘削翼を拡径させた
状態で支持し、その状態で拡大根固め球根部の掘削およ
び掘削土砂と硬化性注入材の攪拌混合を行い、前記拡大
根固め球根部を造成した後、再度、前記掘削翼を前記中
空管の下端部に所定以上の力が加わるように当接させ、
前記流体圧シリンダのリリーフ弁の作動により前記掘削
翼を縮径させて、前記中空管内を通して前記掘削ロッド
を引き抜き、掘削土砂と混合した前記硬化性注入材を硬
化させることを特徴とするものである。
【0031】本願発明の埋め込み杭用掘削装置は、流体
圧シリンダのリリーフ弁を作動させることで、掘削翼を
任意の角度で支持できるため、任意の複数の角度および
その状態での掘削径によって掘削や掘削土砂と硬化性注
入材の攪拌混合を行うことができる。
圧シリンダのリリーフ弁を作動させることで、掘削翼を
任意の角度で支持できるため、任意の複数の角度および
その状態での掘削径によって掘削や掘削土砂と硬化性注
入材の攪拌混合を行うことができる。
【0032】請求項6は、そのような装置の特性を利用
し、掘削翼と中空管の下端の当接と流体圧シリンダのリ
リーフ弁の機能による掘削翼の拡縮を2回行い、杭一般
部の掘削と拡大根固め球根部の造成とで掘削径を変化さ
せて、拡大根固め球根部を有する埋め込み杭の施工を行
うようにしたものである。
し、掘削翼と中空管の下端の当接と流体圧シリンダのリ
リーフ弁の機能による掘削翼の拡縮を2回行い、杭一般
部の掘削と拡大根固め球根部の造成とで掘削径を変化さ
せて、拡大根固め球根部を有する埋め込み杭の施工を行
うようにしたものである。
【0033】なお、上述のように、本願発明の埋め込み
杭用掘削装置は、掘削翼を任意の角度で支持できるた
め、掘削翼の拡縮を2回に限らず、3回以上行うことも
可能である。
杭用掘削装置は、掘削翼を任意の角度で支持できるた
め、掘削翼の拡縮を2回に限らず、3回以上行うことも
可能である。
【0034】
【発明の実施の形態】図1(a) 〜(c) は、本願の請求項
1〜4に係る埋め込み杭用掘削装置の一実施形態を、拡
大根固め球根部を有する埋め込み杭の施工に適用する場
合の中空管1の外径との関係で示したもので、図2(a)
〜(d) は図1(a) 〜(c) に対応する掘削翼支持部の構造
の詳細を示したものである。
1〜4に係る埋め込み杭用掘削装置の一実施形態を、拡
大根固め球根部を有する埋め込み杭の施工に適用する場
合の中空管1の外径との関係で示したもので、図2(a)
〜(d) は図1(a) 〜(c) に対応する掘削翼支持部の構造
の詳細を示したものである。
【0035】図1(a) は、セメントミルク合成杭として
の埋め込み杭の施工を行う際の杭一般部での掘削、掘削
土砂と硬化性注入材との攪拌混合を行う場合の掘削翼3
の状態を示しており、掘削ロッド2に対し掘削翼3が所
定の仰角(図2(a) のθ1 )で上向きに傾斜し、掘削径
D0 の掘削および攪拌混合を行うことができる。
の埋め込み杭の施工を行う際の杭一般部での掘削、掘削
土砂と硬化性注入材との攪拌混合を行う場合の掘削翼3
の状態を示しており、掘削ロッド2に対し掘削翼3が所
定の仰角(図2(a) のθ1 )で上向きに傾斜し、掘削径
D0 の掘削および攪拌混合を行うことができる。
【0036】なお、本実施形態では、掘削翼3の先端3
bを斜めに形成してあり、この斜めの角度を掘削翼3の
仰角と一致させることで、後述する図1(b) の最大の掘
削径Dmax との差を大きくとることができるようにして
いる。
bを斜めに形成してあり、この斜めの角度を掘削翼3の
仰角と一致させることで、後述する図1(b) の最大の掘
削径Dmax との差を大きくとることができるようにして
いる。
【0037】図1(b) は、根固め球根部(図3参照)の
造成時の掘削翼3の状態を示しており、掘削翼3を水平
な状態とし、最大の掘削径となる掘削径Dmax で掘削お
よび攪拌混合を行うことができる。
造成時の掘削翼3の状態を示しており、掘削翼3を水平
な状態とし、最大の掘削径となる掘削径Dmax で掘削お
よび攪拌混合を行うことができる。
【0038】図1(c) は、掘削ロッド2を引き抜く時の
掘削翼3の縮径の様子を示しており、図においては中空
管1の外径との関係を示すため中空管1と離して描いて
いるが、実際には中空管1の下端に当接させ力を加える
ことで掘削翼3が縮径し、そのまま掘削ロッド2を中空
管1内を通して引き抜くことになる。
掘削翼3の縮径の様子を示しており、図においては中空
管1の外径との関係を示すため中空管1と離して描いて
いるが、実際には中空管1の下端に当接させ力を加える
ことで掘削翼3が縮径し、そのまま掘削ロッド2を中空
管1内を通して引き抜くことになる。
【0039】次に、上記の図1(a) 〜(c) の動作を、流
体圧シリンダ5を用いた掘削翼3の支持機構を示す図2
(a) 〜(d) との関係で説明する。
体圧シリンダ5を用いた掘削翼3の支持機構を示す図2
(a) 〜(d) との関係で説明する。
【0040】図2(a) は、図1(a) の状態に対応するも
ので、本実施形態では掘削ロッド2に対しピン4を介し
て上下方向に回動可能にピン接合された掘削翼3のピン
4側端部に設けられた係止突部3aを、流体圧シリンダ
5のピストン7の外周に取り付けられた支持ブロック8
中央部の係止凹部8aに嵌合した状態で、掘削翼3を所
定の角度に支持している。
ので、本実施形態では掘削ロッド2に対しピン4を介し
て上下方向に回動可能にピン接合された掘削翼3のピン
4側端部に設けられた係止突部3aを、流体圧シリンダ
5のピストン7の外周に取り付けられた支持ブロック8
中央部の係止凹部8aに嵌合した状態で、掘削翼3を所
定の角度に支持している。
【0041】流体圧シリンダ5は、シリンダ6内のピス
トン7の移動がシリンダ6内に封入されたオイルなどの
非圧縮性流体9の流体圧によって拘束される構造となっ
ており、シリンダ6またはピストン7に外力が加わって
流体圧が上昇すると、所定以上の圧力でピストン7を貫
通する流路10に設けられたリリーフ弁11が開き、シ
リンダ6内をピストン7が移動可能となる。
トン7の移動がシリンダ6内に封入されたオイルなどの
非圧縮性流体9の流体圧によって拘束される構造となっ
ており、シリンダ6またはピストン7に外力が加わって
流体圧が上昇すると、所定以上の圧力でピストン7を貫
通する流路10に設けられたリリーフ弁11が開き、シ
リンダ6内をピストン7が移動可能となる。
【0042】本実施形態の場合は、掘削翼3に掘削翼3
を下方向に押し下げる力が作用すると、ピストン7が上
方へ移動しようとして上部の非圧縮性流体9の流体圧が
高まり、それによってリリーフ弁11が開放され、ピス
トン7が上方へ移動する。
を下方向に押し下げる力が作用すると、ピストン7が上
方へ移動しようとして上部の非圧縮性流体9の流体圧が
高まり、それによってリリーフ弁11が開放され、ピス
トン7が上方へ移動する。
【0043】図2(b) は、ピストン7の移動により掘削
翼3が水平になった状態であり、図1(b) に対応する。
この状態で掘削翼3を押し下げる力を解除すれば、再び
ピストン7の移動が拘束され、掘削翼3は水平のまま支
持されることになり、この時の掘削径が図1(b) に示さ
れる最大の掘削径Dmax となる。
翼3が水平になった状態であり、図1(b) に対応する。
この状態で掘削翼3を押し下げる力を解除すれば、再び
ピストン7の移動が拘束され、掘削翼3は水平のまま支
持されることになり、この時の掘削径が図1(b) に示さ
れる最大の掘削径Dmax となる。
【0044】また、さらに掘削翼3を下方向に押し下げ
る力が作用すると、図2(c) に示すようにピストン7が
上方へ押し上げられ、本実施形態では掘削翼3側の係止
突部3aが支持ブロック8の係止凹部8aから外れ、掘
削翼3が図2(d) に示すように下方へ折れ曲がり縮径す
る。この図2(c) 、(d) が図1(c) に対応する。
る力が作用すると、図2(c) に示すようにピストン7が
上方へ押し上げられ、本実施形態では掘削翼3側の係止
突部3aが支持ブロック8の係止凹部8aから外れ、掘
削翼3が図2(d) に示すように下方へ折れ曲がり縮径す
る。この図2(c) 、(d) が図1(c) に対応する。
【0045】本実施形態では、図2(c) における係止突
部3aと係止凹部8aの嵌合が解除される水平からの角
度θ2 を±約35度に設定しているが、図2(a) におけ
る掘削翼3の仰角θ1 を約25度に設定し、図示しない
ストッパにより、掘削翼3がそれ以上上方に起き上がら
ないようにし、流体圧シリンダ5への負荷を軽減してい
る。
部3aと係止凹部8aの嵌合が解除される水平からの角
度θ2 を±約35度に設定しているが、図2(a) におけ
る掘削翼3の仰角θ1 を約25度に設定し、図示しない
ストッパにより、掘削翼3がそれ以上上方に起き上がら
ないようにし、流体圧シリンダ5への負荷を軽減してい
る。
【0046】このような構成において、掘削翼3を仰角
約25度で係止した状態での掘削径Dが杭体とする中空
管1の外径と同等以上となるようにすれば、杭根固め部
の施工において掘削翼3を水平状態として掘削径Dmax
での拡大根固め球根部の造成が可能となる。
約25度で係止した状態での掘削径Dが杭体とする中空
管1の外径と同等以上となるようにすれば、杭根固め部
の施工において掘削翼3を水平状態として掘削径Dmax
での拡大根固め球根部の造成が可能となる。
【0047】拡大根固め球根部の施工後は、掘削翼3を
伏角約35度以上に押し下げれば、係止突部3aと係止
凹部8aの嵌合が解除され、掘削翼3は縮径状態とな
り、中空管1を挿通している掘削ロッド2を回収するこ
とができる。
伏角約35度以上に押し下げれば、係止突部3aと係止
凹部8aの嵌合が解除され、掘削翼3は縮径状態とな
り、中空管1を挿通している掘削ロッド2を回収するこ
とができる。
【0048】図3は、本願の請求項5、6に係る埋め込
み杭の施工方法の一実施形態として、上述した掘削装置
と特開平2000−154540号に示される埋め込み
杭の施工方法、施工装置を組み合わせた場合の施工例を
示したもので、以下の手順で施工を行うことができる。
み杭の施工方法の一実施形態として、上述した掘削装置
と特開平2000−154540号に示される埋め込み
杭の施工方法、施工装置を組み合わせた場合の施工例を
示したもので、以下の手順で施工を行うことができる。
【0049】掘削翼3を所定の仰角約25度で係止した
状態で、掘削径が杭体とする中空管1の外径と同等以上
になるようにし、掘削翼3の先端部から硬化性注入材と
してのセメントミルク14を中空管1の外周部に噴射し
ながら掘削することで中空管外周部にソイルセメント1
5を造成する(図3(a) 参照)。
状態で、掘削径が杭体とする中空管1の外径と同等以上
になるようにし、掘削翼3の先端部から硬化性注入材と
してのセメントミルク14を中空管1の外周部に噴射し
ながら掘削することで中空管外周部にソイルセメント1
5を造成する(図3(a) 参照)。
【0050】所定の深度まで到達後、中空管1で掘削翼
3を押し下げ(図3(b) 参照)、掘削翼3を水平状態に
し掘削径を拡径するとともに、掘削ロッド2の先端部や
掘削翼3の先端部よりセメントミルク14を吐出し、拡
大根固め球根部16の施工を行う(図3(c) 参照)。
3を押し下げ(図3(b) 参照)、掘削翼3を水平状態に
し掘削径を拡径するとともに、掘削ロッド2の先端部や
掘削翼3の先端部よりセメントミルク14を吐出し、拡
大根固め球根部16の施工を行う(図3(c) 参照)。
【0051】拡大根固め球根部16の施工終了後、再
度、中空管1で掘削翼3を伏角約35度以上に押し下
げ、掘削翼3の係合を解除して縮径状態とし、中空管1
を挿通している掘削ロッド2を回収する(図3(d) 参
照)。
度、中空管1で掘削翼3を伏角約35度以上に押し下
げ、掘削翼3の係合を解除して縮径状態とし、中空管1
を挿通している掘削ロッド2を回収する(図3(d) 参
照)。
【0052】なお、特開平2000−154540号に
示される埋め込み杭の施工方法、施工装置と組み合わせ
た場合、根固め球根部の施工において掘削翼3を水平と
して掘削翼3の径方向先端に設けられたノズルから吐出
するセメントミルク14の吐出圧を高圧(10N/mm
2 以上)とすれば、高圧噴射攪拌により掘削翼3の拡径
寸法よりも大きい根固め球根を造成することが可能であ
る。
示される埋め込み杭の施工方法、施工装置と組み合わせ
た場合、根固め球根部の施工において掘削翼3を水平と
して掘削翼3の径方向先端に設けられたノズルから吐出
するセメントミルク14の吐出圧を高圧(10N/mm
2 以上)とすれば、高圧噴射攪拌により掘削翼3の拡径
寸法よりも大きい根固め球根を造成することが可能であ
る。
【0053】図4は、本願発明で用いる流体圧シリンダ
5の具体例を示したもので、本実施形態では、シリンダ
6からシール材を介してピストン7の中央部が露出し、
ピストン7の中央部に設けた支持ブロック8の係止凹部
8aに掘削翼3の係止突部3aを係合させている。
5の具体例を示したもので、本実施形態では、シリンダ
6からシール材を介してピストン7の中央部が露出し、
ピストン7の中央部に設けた支持ブロック8の係止凹部
8aに掘削翼3の係止突部3aを係合させている。
【0054】ピストン7にはシリンダ6の上下を連通さ
せる(ピストン7の断面外を経由してもよい)少なくと
も1本以上の流路10aが形成され、各流路10aには
シリンダ6内の非圧縮性流体9の流体圧が設定圧になる
と開口するリリーフ弁11が設けられている。
せる(ピストン7の断面外を経由してもよい)少なくと
も1本以上の流路10aが形成され、各流路10aには
シリンダ6内の非圧縮性流体9の流体圧が設定圧になる
と開口するリリーフ弁11が設けられている。
【0055】なお、図4(b) はこのような構成の流体圧
シリンダ5の回路図であり、両方向にリリーフ弁11,
11aとチェック弁12,12aを設けているが、図4
(a)では破線内の部分を省略している。
シリンダ5の回路図であり、両方向にリリーフ弁11,
11aとチェック弁12,12aを設けているが、図4
(a)では破線内の部分を省略している。
【0056】リリーフ弁11の設定値を掘削翼3の必要
係止力を得るに等しいシリンダ6内流体圧に設定するこ
とにより、必要係止力以上の荷重が掘削翼3に加われば
リリーフ弁11が開口する。
係止力を得るに等しいシリンダ6内流体圧に設定するこ
とにより、必要係止力以上の荷重が掘削翼3に加われば
リリーフ弁11が開口する。
【0057】さらに、必要係止力以上の荷重で押し下げ
ることのより、非圧縮性流体9がシリンダ6の上部から
下部に移動し、ピストン7が上昇するとともに掘削翼3
が拡縮する。
ることのより、非圧縮性流体9がシリンダ6の上部から
下部に移動し、ピストン7が上昇するとともに掘削翼3
が拡縮する。
【0058】荷重を必要係止力以下にすればリリーフ弁
11は閉止され、任意の位置で掘削翼3を再係止するこ
とができる。掘削翼3を拡縮するための動作荷重は、掘
削翼3を押し下げる方向には中空管1による押圧力、反
対に押し上げる方向には周辺地盤からの鉛直反力を利用
する。
11は閉止され、任意の位置で掘削翼3を再係止するこ
とができる。掘削翼3を拡縮するための動作荷重は、掘
削翼3を押し下げる方向には中空管1による押圧力、反
対に押し上げる方向には周辺地盤からの鉛直反力を利用
する。
【0059】掘削施工においては、掘削ロッド2の回転
により地盤を切削し、鉛直反力は地盤種により異なるが
5〜30kN程度であるため、必要係止力は約30kN
以上となる。リリーフ弁11の設定値は、シリンダ6の
内径がφ65mm程度で、掘削翼3の支点から荷重作用
位置までの距離を係止突部3aまでの距離の3倍とすれ
ば約30N/mm2 程度となる。
により地盤を切削し、鉛直反力は地盤種により異なるが
5〜30kN程度であるため、必要係止力は約30kN
以上となる。リリーフ弁11の設定値は、シリンダ6の
内径がφ65mm程度で、掘削翼3の支点から荷重作用
位置までの距離を係止突部3aまでの距離の3倍とすれ
ば約30N/mm2 程度となる。
【0060】なお、シリンダ6が上下のどちらか一方の
構造も可能であり、1セットの流体圧シリンダ5に複数
の掘削翼3の係止機能を期待する構造も可能である。
構造も可能であり、1セットの流体圧シリンダ5に複数
の掘削翼3の係止機能を期待する構造も可能である。
【0061】掘削ロッド2を引き抜いた後、地上にて掘
削翼3を掘削状態にセットするには、まずピストン7の
断面内に組み込まれており(断面外を経由してもよ
い)、施工中は閉じられている流路10bのバルブ13
を開け、シリンダ6の上下間で非圧縮性流体9の疎通を
可能にする。
削翼3を掘削状態にセットするには、まずピストン7の
断面内に組み込まれており(断面外を経由してもよ
い)、施工中は閉じられている流路10bのバルブ13
を開け、シリンダ6の上下間で非圧縮性流体9の疎通を
可能にする。
【0062】その状態で、掘削翼3の係止突部3aをピ
ストン7に設けた支持ブロック8の係止凹部8aに嵌合
し、掘削翼3を上部に押し上げることでピストン7を押
し下げ、下部にある非圧縮性流体9を流路10bを通し
てシリンダ6上部に移動させる。掘削翼3を仰角約25
度の状態まで押し上げ、バルブ13を閉じることで掘削
開始状態となる。
ストン7に設けた支持ブロック8の係止凹部8aに嵌合
し、掘削翼3を上部に押し上げることでピストン7を押
し下げ、下部にある非圧縮性流体9を流路10bを通し
てシリンダ6上部に移動させる。掘削翼3を仰角約25
度の状態まで押し上げ、バルブ13を閉じることで掘削
開始状態となる。
【0063】
【発明の効果】本願発明の掘削装置では、掘削翼の拡縮
にリリーフ弁を有する流体圧シリンダを用い、掘削翼が
受ける力でリリーフ弁が開閉するよう構成したため、掘
削翼を任意の角度に支持することができ、設定や操作も
容易である。
にリリーフ弁を有する流体圧シリンダを用い、掘削翼が
受ける力でリリーフ弁が開閉するよう構成したため、掘
削翼を任意の角度に支持することができ、設定や操作も
容易である。
【0064】また、掘削翼を任意の角度に支持すること
ができるため、拡大根固め球根部を造成する場合など、
径の異なる多段階の掘削を必要とする場合にも、単一の
掘削装置で容易に施工を行うことができる。
ができるため、拡大根固め球根部を造成する場合など、
径の異なる多段階の掘削を必要とする場合にも、単一の
掘削装置で容易に施工を行うことができる。
【0065】シヤーピンなどの消耗品を必要せず、その
まま繰り返し使用できるため経済的である。
まま繰り返し使用できるため経済的である。
【0066】流体圧シリンダを利用する装置であるため
掘削翼の支持力などの調整も容易であり、信頼性が高
い。
掘削翼の支持力などの調整も容易であり、信頼性が高
い。
【0067】流体圧シリンダによる掘削翼の拡縮は、掘
削翼に続いて埋め込まれる中空管で掘削翼に荷重を与え
ることなどにより実施されるため、特別な動力や制御装
置を必要としない。
削翼に続いて埋め込まれる中空管で掘削翼に荷重を与え
ることなどにより実施されるため、特別な動力や制御装
置を必要としない。
【図1】 本願の請求項1〜4に係る埋め込み杭用掘削
装置の一実施形態を示したもので、(a) は拡大根固め球
根部を有する埋め込み杭の施工における杭一般部での掘
削翼の状態、(b) は根固め球根部の造成時の掘削翼の状
態、(c) は掘削ロッドを引き抜く時の掘削翼の縮径の様
子を、それぞれ中空管の外径との関係で立面図として示
している。
装置の一実施形態を示したもので、(a) は拡大根固め球
根部を有する埋め込み杭の施工における杭一般部での掘
削翼の状態、(b) は根固め球根部の造成時の掘削翼の状
態、(c) は掘削ロッドを引き抜く時の掘削翼の縮径の様
子を、それぞれ中空管の外径との関係で立面図として示
している。
【図2】 図1に対応する掘削翼支持部の構造の詳細を
立面図として示したもので、(a) が図1(a) に対応し、
(b) が図1(b) に対応し、(c) が図1(c) の実線で示さ
れた掘削翼の状態に対応し、(d) が図1(c) の2点鎖線
で示された掘削翼の状態に対応する。
立面図として示したもので、(a) が図1(a) に対応し、
(b) が図1(b) に対応し、(c) が図1(c) の実線で示さ
れた掘削翼の状態に対応し、(d) が図1(c) の2点鎖線
で示された掘削翼の状態に対応する。
【図3】 本願の請求項5、6に係る埋め込み杭の施工
方法の一実施形態における施工手順を示した鉛直断面図
である。
方法の一実施形態における施工手順を示した鉛直断面図
である。
【図4】 本願発明で用いる流体圧シリンダの具体例を
示したもので、(a)は鉛直断面図、(b) は回路図であ
る。
示したもので、(a)は鉛直断面図、(b) は回路図であ
る。
1…中空管、2…掘削ロッド、3…掘削翼、3a…係止
突部、4…ピン、5…流体圧シリンダ、6…シリンダ、
7…ピストン、8…支持ブロック、8a…係止凹部、9
…非圧縮性流体、10…流路、11…リリーフ弁、12
…チェック弁、13…再セット用バルブ、14…セメン
トミルク、15…ソイルセメント、16…拡大根固め球
根部
突部、4…ピン、5…流体圧シリンダ、6…シリンダ、
7…ピストン、8…支持ブロック、8a…係止凹部、9
…非圧縮性流体、10…流路、11…リリーフ弁、12
…チェック弁、13…再セット用バルブ、14…セメン
トミルク、15…ソイルセメント、16…拡大根固め球
根部
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 松原 央
大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号
住友金属工業株式会社内
Fターム(参考) 2D040 AA01 AB05 BA08 BB01 BD05
EA07 EA19
2D050 AA06 CA02 CA05 CB09
Claims (6)
- 【請求項1】 中空管内に挿通される掘削ロッドと、前
記掘削ロッドに対し回動自在にピン接合された拡縮可能
な掘削翼と、前記掘削ロッドの外周部に設けられ該掘削
ロッドと前記掘削翼とを所定の角度に支持する支持手段
とを有し、前記支持手段として内部に封入された非圧縮
性流体の流体圧によりシリンダとピストンの相対移動を
拘束する流体圧シリンダを用い、前記流体圧シリンダに
は所定以上の流体圧により開いて前記非圧縮性流体の移
動を可能とするリリーフ弁が設けられていることを特徴
とする埋め込み杭用掘削装置。 - 【請求項2】 前記掘削翼はピン接合位置を中心に前記
掘削ロッドの軸方向に対し任意の角度に回動自在となっ
ており、該掘削翼のピン接合位置側と、前記流体圧シリ
ンダとに係止部が設けられていることを特徴とする請求
項1記載の埋め込み杭用掘削装置。 - 【請求項3】 前記流体圧シリンダのシリンダとピスト
ンの所定以上の相対移動により、前記掘削翼のピン接合
位置側に設けられた係止部と、前記流体圧シリンダのシ
リンダ側またはピストン側に設けられた係止部との係合
が外れ、前記掘削翼が縮径するようになっている請求項
2記載の埋め込み杭用掘削装置。 - 【請求項4】 前記掘削翼の先端が該掘削翼の長手方向
に対し斜めの形状となっている請求項1、2または3記
載の埋め込み杭用掘削装置。 - 【請求項5】 請求項1、2、3または4記載の埋め込
み杭用掘削装置を用いた埋め込み杭の施工方法であっ
て、前記掘削ロッドを中空管内に挿通し、地盤の掘削を
行いながら、地盤内への硬化性注入材の注入および掘削
土砂と前記硬化性注入材の攪拌混合を行い、前記中空管
を所定深さまで埋設した後、前記掘削翼を前記中空管の
下端に所定以上の力が加わるように当接させ、前記流体
圧シリンダのリリーフ弁の作動により前記掘削翼を縮径
させて、前記中空管内を通して前記掘削ロッドを引き抜
き、掘削土砂と混合した前記硬化性注入材を硬化させる
ことを特徴とする埋め込み杭の施工方法。 - 【請求項6】 請求項1、2、3または4記載の埋め込
み杭用掘削装置を用いた埋め込み杭の施工方法であっ
て、前記掘削ロッドを中空管内に挿通し、前記掘削翼を
前記掘削ロッドに対し所定の第1の角度で支持し、杭一
般部の地盤の掘削を行いながら、地盤内への硬化性注入
材の注入および掘削土砂と前記硬化性注入材の攪拌混合
を行い、前記中空管が所定深さに達した時点で、前記掘
削翼を前記中空管の下端部に所定以上の力が加わるよう
に当接させ、前記流体圧シリンダのリリーフ弁の作動に
より前記掘削翼を回動自在とし、拡径状態を与える所定
の第2の角度まで回動させた後、前記中空管の下端との
当接を解除して掘削翼を拡径させた状態で支持し、その
状態で拡大根固め球根部の掘削および掘削土砂と硬化性
注入材の攪拌混合を行い、前記拡大根固め球根部を造成
した後、再度、前記掘削翼を前記中空管の下端部に所定
以上の力が加わるように当接させ、前記流体圧シリンダ
のリリーフ弁の作動により前記掘削翼を縮径させて、前
記中空管内を通して前記掘削ロッドを引き抜き、掘削土
砂と混合した前記硬化性注入材を硬化させることを特徴
とする埋め込み杭の施工方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001301227A JP2003105748A (ja) | 2001-09-28 | 2001-09-28 | 埋め込み杭用掘削装置および埋め込み杭の施工方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001301227A JP2003105748A (ja) | 2001-09-28 | 2001-09-28 | 埋め込み杭用掘削装置および埋め込み杭の施工方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003105748A true JP2003105748A (ja) | 2003-04-09 |
Family
ID=19121672
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001301227A Withdrawn JP2003105748A (ja) | 2001-09-28 | 2001-09-28 | 埋め込み杭用掘削装置および埋め込み杭の施工方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003105748A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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