JP2003105504A - 耐摩耗性及び耐食性に優れたステンレス鋼材及びその製造方法 - Google Patents

耐摩耗性及び耐食性に優れたステンレス鋼材及びその製造方法

Info

Publication number
JP2003105504A
JP2003105504A JP2001300898A JP2001300898A JP2003105504A JP 2003105504 A JP2003105504 A JP 2003105504A JP 2001300898 A JP2001300898 A JP 2001300898A JP 2001300898 A JP2001300898 A JP 2001300898A JP 2003105504 A JP2003105504 A JP 2003105504A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
stainless steel
less
steel material
corrosion resistance
wear resistance
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001300898A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4825381B2 (ja
Inventor
Osamu Suzuki
治 鈴木
Yuji Ikegami
雄二 池上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Yakin Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Nippon Yakin Kogyo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Yakin Kogyo Co Ltd filed Critical Nippon Yakin Kogyo Co Ltd
Priority to JP2001300898A priority Critical patent/JP4825381B2/ja
Publication of JP2003105504A publication Critical patent/JP2003105504A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4825381B2 publication Critical patent/JP4825381B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Looms (AREA)
  • Heat Treatment Of Sheet Steel (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐摩耗性及び耐食性が要求される材料を提供
する。 【解決手段】 成分組成(以下%は重量ベースである)
が、C:0.03〜0.30%、Si:3.0%以下、
Mn:3.0%以下、Ni:5.0〜20.0%、C
r:15.0超え〜30.0%、N:0.30%以下を
含有し、かつ残部がFe及び不可避的不純物からなるス
テンレス鋼材であって、前記ステンレス鋼材の金属組織
中に析出した炭化物および炭窒化物の占める面積率が3
〜30%の範囲である。前記ステンレス鋼材は、成分組
成として、さらにMoを4.0%以下含有する。また、
前記ステンレス鋼材は、成分組成として、さらにV:
1.0%以下、Ti:1.0%以下、Nb:1.0%以
下、Zr:1.0%以下のうちから選ばれる少なくとも
1種以上を含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐摩耗性及び耐食
性が要求されるステンレス鋼材に関する。詳細には、耐
摩耗性及び耐食性を要求される材料、例えば、筬羽、ヘ
ルド等のような機料品用途に適した高強度ステンレス鋼
材に関する。
【0002】
【従来の技術】図7の織機の模式図を用いて機織の基本
動作について説明する。図7中の筬羽、ヘルドは、それ
ぞれ経糸、緯糸をガイドするために用いられるものであ
る。緯糸は、ヘルドによって支えられて交互に上下運動
し、等間隔に配列された筬羽の間を通過する。一方、経
糸は、緯糸が交互に上下運動する毎に、例えばエアージ
ェットやウオータージェットの動力により駆動され、緯
糸の間を通過する。次に、経糸の通過後に筬羽が前後に
動いて、緯糸、経糸が織物へと織られる。
【0003】ところで、機織時には糸は高速で通過する
ので、上記のように緯糸、経糸と接触している筬羽、ヘ
ルドは一定期間使用すると摩耗してくる。筬羽、ヘルド
が摩耗すると、摩耗部が糸切れや毛羽立ちの原因となる
ため、その都度交換が必要となる。そのため、筬羽、ヘ
ルドの糸に対する耐摩耗性は、筬羽、ヘルドの寿命を決
定する最も重要な品質の一つと言える。
【0004】機織時の雰囲気については、ウオータージ
ェット方式の織機では常時湿潤環境にある。また、エア
ージェット方式の織機の場合でも、染料などにより腐食
環境にさらされる場合が多い。そのため、筬羽、ヘルド
に錆が発生した場合には、摩耗を受けた場合と同様、錆
発生箇所が糸切れや毛羽立ちの原因となる。従って、筬
羽、ヘルドについては、耐食性も要求される。
【0005】このような、耐摩耗性及び耐食性が要求さ
れる機料品(筬羽、ヘルド)には、従来より、SUS3
01ハード材に代表される高強度オーステナイト系ステ
ンレス鋼が用いられてきた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、SUS
301オーステナイト系ステンレス鋼は、耐摩耗性及び
耐食性が要求される機料品(筬羽、ヘルド)用には耐摩
耗性が不十分である。そのため、マトリックスの硬質
化、摩耗を受ける表層部の硬質化等により耐摩耗性を向
上する対応策がとられてきた。
【0007】マトリックスの硬質化の場合には、鋼材等
を冷間圧延して加工硬化する方法、例えば高圧延率で冷
間圧延を行う等の方法が用いられてきた。工業的には、
圧延率を70〜85%程度として冷間圧延法が実施され
ている。ところが、この方法では、これ以上に硬質化す
るには限界があり、圧延率を高めると一般に延性が低下
するため、圧延破断の危険が高まるといった問題があっ
た。
【0008】一方、摩耗を受ける表層部を硬質化する方
法には、セラミックコーティング方法等がある。ところ
が、このような表面処理方法は、製造コストが高くなる
といった問題点があった。
【0009】例えば、特開平11−286852号公報
では、耐摩耗性に優れたマルテンサイトとフェライトの
2相ステンレス鋼を提案しているが、本合金系は炭化物
が析出していないため、十分な耐摩耗性を有していると
は言えなかった。
【0010】また、SUS420J2に代表される、炭
化物を含有するマルテンサイト系ステンレス鋼が使用さ
れる場合もある。ところが、このステンレス鋼はSUS
301オーステナイト系ステンレス鋼に比べ耐摩耗性が
良好であるが、強度を確保するため焼き入れ、焼戻し処
理を行うので製造コストが高くなるということがある。
また、耐食性に劣るため使用中に錆が発生するので、摩
耗していなくても交換せざるを得ない場合もあった。
【0011】従って、本発明の目的は、耐摩耗性及び耐
食性が要求される材料、例えば、筬羽、ヘルド等のよう
な機料品用途に適し、耐摩耗性及び耐食性に優れた材料
を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明の第1の態様は、下記の成分組成(以下%は
重量ベースである)を備えたことを特徴とする耐摩耗性
及び耐食性に優れたステンレス鋼材である。 (a) C:0.03〜0.30%、Si:3.0%以
下、Mn:3.0%以下、Ni:5.0〜20.0%、
Cr:15.0超え〜30.0%、N:0.30%以下
を含有し、かつ残部がFe及び不可避的不純物からなる
ステンレス鋼材であって、(b) 前記ステンレス鋼材
の金属組織中に析出した炭化物および炭窒化物の占める
面積率が3〜30%の範囲である。
【0013】本発明の第2の態様は、前記ステンレス鋼
材は、成分組成として、さらにMoを4.0%以下含有
することを特徴とする耐摩耗性及び耐食性に優れたステ
ンレス鋼である。
【0014】本発明の第3の態様は、前記ステンレス鋼
材は、成分組成として、さらにV:1.0%以下、T
i:1.0%以下、Nb:1.0%以下、Zr:1.0
%以下のうちから選ばれる少なくとも1種以上を含有す
ることを特徴とする耐摩耗性及び耐食性に優れたステン
レス鋼材である。
【0015】本発明の第4の態様は、前記炭化物および
炭窒化物は、Crを主体とする析出物であることを特徴
とする耐摩耗性及び耐食性に優れたステンレス鋼材であ
る。
【0016】本発明の第5の態様は、前記析出した炭化
物および炭窒化物の直径の最大値が直径10μm以下で
あることを特徴とする耐摩耗性及び耐食性に優れたステ
ンレス鋼材である。
【0017】本発明の第6の態様は、前記ステンレス鋼
材が、耐摩耗部材用であることを特徴とする耐摩耗性及
び耐食性に優れたステンレス鋼材である。
【0018】本発明の第7の態様は、前記ステンレス鋼
材が、筬羽又はヘルド用であることを特徴とする耐摩耗
性及び耐食性に優れたステンレス鋼材である。
【0019】本発明の第8の態様は、下記の工程を備え
たことを特徴とする耐摩耗性及び耐食性に優れたステン
レス鋼材の製造方法である。 (a) C:0.03〜0.30%、Si:3.0wt
%以下、Mn:3.0%以下、Ni:5.0〜20.0
%、Cr:15.0超え〜30.0%、N:0.30%
以下を含有し、かつ残部がFe及び不可避的不純物から
なるステンレス鋼材のスラブを用意し、(b) 前記ス
ラブに熱間圧延加工を行ってから、温度が700〜95
0℃、時間が30分〜36時間の範囲で炭化物析出熱処
理を施し、(c) その後冷間圧延する。
【0020】本発明の第9の態様は、前記冷間圧延に引
き続いて700〜950℃で軟化焼鈍を行ってから、そ
の後さらに冷間圧延することを特徴とする請求項8に記
載の耐摩耗性及び耐食性に優れたステンレス鋼材の製造
方法である。
【0021】本発明の第10の態様は、下記の工程を備
えたことを特徴とする耐摩耗性及び耐食性に優れたステ
ンレス鋼材の製造方法である。 (a) C:0.03〜0.30%、Si:3.0wt
%以下、Mn:3.0%以下、Ni:5.0〜20.0
%、Cr:15.0超え〜30.0%、N:0.30%
以下を含有し、かつ残部がFe及び不可避的不純物から
なるステンレス鋼材のスラブを用意し、(b) 前記ス
ラブに熱間圧延加工を行ってから、固溶化熱処理、次い
で冷間圧延を行い、(c) 引き続いて、温度が700
〜950℃、時間が30分〜36時間の範囲で炭化物析
出熱処理を施し、(d) その後冷間圧延する。
【0022】本発明の第11の態様は、前記ステンレス
鋼材は、成分組成として、さらにMoを4.0%以下含
有することを特徴とする耐摩耗性及び耐食性に優れたス
テンレス鋼材の製造方法である。
【0023】本発明の第12の態様は、前記ステンレス
鋼材は、成分組成として、さらにV:1.0%以下、T
i:1.0%以下、Nb:1.0%以下、Zr:1.0
%以下のうちから選ばれる少なくとも1種以上を含有す
ることを特徴とする耐摩耗性及び耐食性に優れたステン
レス鋼材の製造方法である。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について以下
に説明する。本発明では、マトリックスを硬質化した
り、表面処理により表層を硬質化させるのではなく、オ
ーステナイトに硬質な炭化物及や炭窒化物を析出、分散
させることで耐摩耗性を向上させ、かつ耐食性も確保す
ることができる。
【0025】炭化物や炭窒化物の析出は、SUS430
等のフェライトステンレス鋼、SUS420J2等のマ
ルテンサイトステンレス鋼の一部で認められるが、フェ
ライト系ステンレス鋼ではマトリックスの硬度を上げる
には限界がある、すなわち、硬度を上げようとすると靭
性が劣化して、工業規模で製造できなくなるためHV4
00程度が限界である。つまり、耐摩耗性には炭化物の
みの効果しかないため、耐摩耗性の向上にはおのずと限
界がある。
【0026】一方、マルテンサイト系ステンレス鋼は、
マトリックスの硬度を確保することも可能であるが、マ
ルテンサイト組織を得るには耐食性に有効なCr量を増
加することができないので、耐食性に問題がある。実際
に、SUS420J2を機料品として使用した場合に
は、しばしば錆の問題を起こすことがある。また、マル
テンサイト系ステンレス鋼では、製造コストが高くなる
ほか、成分バランス上耐食性に有効なCr量を増やすこ
とができないので、耐食性を上げるには限界がある。
【0027】そのため、オーステナイト系ステンレス鋼
を用いた高磨耗性、高耐食性鋼について検討を進めた。
しかしながら、オーステナイト系ステンレス鋼では、耐
摩耗性を向上させるためにCrを主体とした炭化物を積
極的に利用しようとした例はなく、一般に炭化物は完全
に固溶した状態にあるか、またその析出量は僅かであっ
た。このように、炭化物が利用されなかった理由は、炭
化物が析出するとステンレス鋼の特徴である耐食性を劣
化させることにある。
【0028】しかしながら、成分バランス及び炭化物析
出量を規定することで、耐摩耗性及び耐食性は両立可能
であり、オーステナイト系ステンレス鋼をベースに炭化
物を析出、分散を図ることで耐摩耗性及び耐食性を向上
することができる。
【0029】本発明において、高強度ステンレス鋼は以
下で説明するような成分組成を有している。成分組成を
限定した理由について以下に述べる。
【0030】Cは強力なオーステナイト形成元素である
ばかりか、炭化物、炭窒化物を構成する元素であるた
め、耐摩耗性向上には多いほど好ましく、0.03wt
%以上は必要である。しかしながら、0.30wt%を
超えて含有すると、粗大な未固溶炭化物が生成し冷間圧
延破断の危険が高まるばかりか、耐食性も劣化させるた
め、0.03〜0.30wt%、好ましくは0.05〜
0.25wt%、より好ましくは0.10〜0.25w
t%とする。
【0031】Siは、脱酸に必要な元素であるとともに
高強度化に有効な元素であるが、3.0wt%を超えて
含有すると冷間圧延破断の危険が高まるため3.0wt
%以下とする。
【0032】MnもSi同様に脱酸に必要な元素であ
り、かつオーステナイト形成元素であるため、オーステ
ナイト組織を得るのに必要であるが、3.0wt%を超
えて含有すると焼鈍酸洗時に異常酸化の原因を招き、歩
留まり低下につながるため3.0wt%以下とする。
【0033】Niは、強力なオーステナイト形成元素で
あり、5wt%以上必要である。しかしながら高価な元
素であり、上限を20wt%とし、5.0〜20.0w
t%、好ましくは5.0〜15.0wt%とする。
【0034】Crは、炭化物を形成する元素であり、か
つ耐食性向上にも有効なことから、15.0wt%を超
えて含有することが必要である。しかしながら30.0
wt%を超えて含有すると、σ相が析出し、逆に耐食性
を害するほか、製造性も劣化させるので上限を30.0
wt%とし、15.0超え〜30.0wt%、好ましく
は15.0超え〜25.0wt%とする。
【0035】Nは、0.30wt%を超えて含有すると
冷間圧延破断の危険が高まるため0.30wt%以下と
する。ただし、高強度化や耐食性向上に有効であるた
め、これらの効果を必要とする場合には、好ましくは
0.02〜0.25wt%、より好ましくは0.05〜
0.20wt%とする。
【0036】Pは、スクラップ中に含有する元素であ
り、かつ精錬での除去が困難な元素であるが、0.04
5%を超えて含有すると耐食性を劣化させるため、0.
045wt%以下が望ましい。
【0037】Sは、スクラップ中に含有する元素であ
り、精錬での除去にはコストがかかるが、0.01wt
%を超えて含有すると耐食性を劣化させるほか、熱間加
工性も劣化させるため、0.01wt%以下が望まし
い。
【0038】さらに、Moは、耐食性向上に有効な元素
であるが、非常に高価な元素であるため、4.0wt%
以下で含有しても構わないとする。
【0039】また、さらに、本発明の実施の形態では、
V,Ti,Nb、Zrのいずれか1種以上を1.0wt
%以下添加することができる。V,Ti,Nb、Zrは
CまたはNと結合し、安定な炭化物、または窒化物を形
成してオーステナイト組織を微細化する。従って、本発
明の炭化物析出熱処理を行った場合には、Cr炭化物の
生成サイトとなって、Cr炭化物形成に有利に作用する
ため、1.0wt%以下の範囲であれば添加してもかま
わない。しかし、いずれの元素も高価であることや、
1.0wt%を超えて添加すると、粗大な炭化物を形成
して製造性を害するため、1.0wt%以下、好ましく
は0.5wt%以下の範囲であれば添加してもかまわな
い。
【0040】次に、上記成分組成の鋼材を用い、熱間圧
延加工を行ってから、温度が700〜950℃、時間が
30分〜36時間の範囲で炭化物析出熱処理を施し、そ
の後冷間圧延する。
【0041】別の方法では、上記炭化物析出熱処理後に
冷間圧延を行い、続いて700〜950℃で軟化焼鈍を
行ってから、その冷間圧延する。
【0042】さらに、別の方法では、熱間圧延加工を行
ってから、固溶化熱処理、次いで冷間圧延を行い、引き
続いて、温度が700〜950℃、時間が30分〜36
時間の範囲で炭化物析出熱処理を施し、その後冷間圧延
する。
【0043】上記方法により得られたステンレス鋼材の
組織は、オーステナイト、冷間圧延により形成された加
工誘起マルテンサイト、それにバッチ焼鈍によって析出
した炭化物および炭窒化物からなる。
【0044】本発明では、炭化物および炭窒化物とを合
わせたものの面積率が3〜30%である。炭化物および
炭窒化物の析出により耐摩耗性を大幅に向上できるが、
3%未満では効果が少ない。そこで下限を3%とする。
炭化物および炭窒化物の析出量は多いほど耐摩耗性は向
上するが、30%を超えて含有させると耐食性が劣化す
るばかりか加工性が劣化し、冷間圧延で割れが発生す
る。そこで3〜30%とし、好ましくは5〜25%、よ
り好ましくは10〜25%とする。
【0045】さらに、本発明では、炭化物および炭窒化
物の直径が10μm以下である。耐摩耗性が良好である
ためには、炭化物および炭窒化物が微細に分散している
ことが望ましい。また、炭化物および炭窒化物の直径が
10μmを超えると、炭化物および炭窒化物が冷間圧延
破断の起点になった製造性を害するので、最大の炭化物
および炭窒化物の直径は10μm以下、好ましくは5μm以
下、より好ましくは3μm以下とする。ここで、炭化物お
よび炭窒化物の面積率や直径は、電子顕微鏡により撮影
した写真を用いて求めることができる。
【0046】上記の炭化物および炭窒化物は、Crを主
体とする析出物である。上記のように炭化物および炭窒
化物を形成するために、炭化物析出熱処理を行う。炭化
物をおよび炭窒化物を析出させるために、熱処理方法は
バッチ法により、長時間行うことが望ましいが、連続法
としても支障はない。また、温度は低い方が望ましい。
【0047】ところが、炭化物析出熱処理温度を低くし
すぎると、必要十分な析出量を得るために、熱処理時間
を長くする必要があるだけでなく、熱処理後に延性に乏
しくなって、その後の圧延工程で破断の危険が高まる。
従って、工業的には700℃以上で実施する必要があ
る。一方、熱処理温度を高温にした場合、炭化物の析出
時間は短くなるが、析出量は減少する。そこで上限は9
50℃とした。なお好ましくは、800〜900℃とす
る。
【0048】さらに、上記のように炭化物を形成するた
めに、本発明では熱処理時間を30分〜36時間とす
る。熱処理時間は、長くするほうが炭化物の析出には有
利であり、少なくとも30分は必要である。しかしなが
ら、36時間を超えて熱処理を行っても析出量は飽和す
る傾向にあることや、多量のスケールが形成されるの
で、その後の酸洗工程に支障をきたしコストアップの原
因となる。従って上限を36時間とする。なお、好まし
くは4〜24時間である。
【0049】さらに、上記のように炭化物を形成するた
めに、本発明では熱処理雰囲気は、焼鈍後にデスケーリ
ング工程を容易にするためにも、H2ガス雰囲気が好ま
しいがN2ガス雰囲気、または大気でも構わない。
【0050】さて、所定の板厚の冷延板を製造するため
に、本発明では軟化焼鈍を行う。軟化焼鈍は短時間であ
り、例えば5分以内で熱処理すれば良い。短時間焼鈍す
るために、焼鈍方法は連続法とする方が望ましい。軟化
焼鈍はその後の冷間圧延に耐え得る延性を付与すること
が目的であり、700℃以上の温度が必要である。しか
しながら、950℃以上の高温とすると、炭化物が再固
溶して耐摩耗性が劣化するため、上限を950℃とす
る。なお、好ましくは750〜900℃とする。
【0051】
【実施例】本発明の実施例について、まず図1としての
表1、および図2としての表2を用いて説明する。表
1、表2のA〜Fは本発明例である。A〜Fについて
は、表に示した成分組成で板厚が3.5mmの熱延板に
ついて、1100℃で1分間の固溶化熱処理を施した
後、冷間圧延を行って板厚を1.0mmまで加工した。
得られた冷延板に、800℃で12時間の炭化物析出熱
処理を施して炭化物を析出させた。その後、冷間圧延を
行って板厚を0.3mmとした。表1のG〜Jは、比較
例および先行技術例であり、G、Hは成分組成が本発明
と異なり、IはSUS301材、JはSUS420J2
材である。
【0052】図3としての表3のa〜hは本発明例であ
る。a〜eについては、表に示した成分組成で板厚が
3.5mmの熱延板について、1100℃で1分間の固
溶化熱処理を施した後、冷間圧延を行って板厚を1.0
mmまで加工した。得られた冷延板に、各種温度と時間
で炭化物析出熱処理を施して炭化物を析出させた。その
後、冷間圧延を行って板厚を0.3mmとしたものであ
る。
【0053】表3、4のf〜hは、表に示した成分組成
で板厚が3.5mmの熱延板について、各種温度、時間
で炭化物析出熱処理をした後、冷間圧延を行って板厚を
1.0mmまで加工したものである。得られた冷延板
に、各種温度と時間で軟化焼鈍を施した。その後、冷間
圧延を行って板厚を0.3mmとしたものである。
【0054】表3,4のi〜nは比較例である。i〜l
は板厚が3.5mmの熱延板について、1100℃で1
分間の固溶化熱処理を施した後、冷間圧延を行って板厚
を1.0mmまで加工した。得られた冷延板に、各種温
度と時間で炭化物析出熱処理を施した。その後、冷間圧
延を行って板厚を0.3mmとした。表3、4のm〜n
の比較例は、板厚が3.5mmの熱延板について、各種
温度、時間で炭化物析出熱処理を行った後、冷間圧延を
行って板厚を1.0mmまで加工した。得られた冷延板
に、各種温度と時間で軟化焼鈍を施した。その後、冷間
圧延を行って板厚を0.3mmとしたものである。
【0055】表2、4には評価結果をまとめた。まず、
金属組織について説明する。得られた板材の組織は、オ
ーステナイト、冷間圧延により形成された加工誘起マル
テンサイト、それにバッチ焼鈍によって析出した炭化物
からなる。代表的な組織を図5としての写真に示した。
図5の写真は本発明品例のE鋼について示したものであ
る。写真中で白い点状に見えるものが炭化物、炭窒化物
を示している。板材の組織観察は電子顕微鏡を用いて行
った。なお、前処理は、製造した板厚0.3mmの板材
を、圧延方向に直角に切断して表面研磨し、次に塩酸と
ピクリン酸アルコールの混液を用いてエッチングして行
った。
【0056】次に、炭化物の面積率について説明する。
炭化物の面積率は、電子顕微鏡により撮影した3000
倍の写真を用い点算法で求める。具体的には、写真視野
上に縦、横が5mm間隔の桝目を設け、例えば縦に10
個、横に10個、計100個の桝目の格子点に触れる、
又は格子点上にある炭化物の数を求める。この作業を1
0視野繰り返し、その平均値を面積率とする。
【0057】すなわち、面積率は以下の式で示されるも
のである。 n÷(p×f)×100=炭化物面積率(%)であり、
n、p、fは以下を示す。 p:視野内の総格子点数 f:視野数 n:f個の視野における炭化物によって占められる格子
点中心の数
【0058】炭化物の大きさについては、電子顕微鏡に
より撮影した3000倍の写真を用い、写真視野内の粒
子が大きいもの数個を選択して円相当直径を求め、この
作業を10視野行いその平均値を求め、炭化物および炭
窒化物の最大値とする。硬さは、JISG0555に準
じて求めたビッカース硬度を示した。
【0059】耐摩耗性は、糸を一定張力(35g)で一
定時間(5時間)供試材の表面を通過させて加速度的に
摩耗を形成させ、形成した摩耗痕の最大深さを表面荒さ
計(メーカー:(株)東京精密、型番:1400A−3
DF)で求めた。その結果は表2、4に合わせて示し
た。図6に、摩耗痕の最大深さ(μm)と炭化物面積率
(%)との関係を示した。これから、炭化物面積率が高
いほど、すなわち炭化物析出量が多いほど良好な耐摩耗
性を示すことがわかる。特に炭化物の面積率が3%以上
でその効果が大きい。本発明例では、摩耗痕深さは15
μm以下であり、SUS301の23μmに比べて、耐
摩耗性が優れており、もちろんSUS420J2の15
μmと比べても遜色ない値である。
【0060】耐食性については、孔食電位測定(JIS
G0577に準じた方法)を求めて評価した。孔食電位
が高いほど耐食性が優れることを意味する。本発明品
は、いずれもSUS420J2に較べ優れた耐食性を示
し、SUS301に較べても遜色がない。
【0061】本発明品について製造工程上の問題点の有
無について評価した。その結果を表2,4に示したが、
特に製造上の問題はなかった。本発明鋼は、良好な耐摩
耗性、耐食性を示し、かつ製造上の問題もない。
【0062】
【発明の効果】本発明によれば、オーステナイトをベー
スに炭化物および炭窒化物を析出、分散させることで良
好な耐摩耗性、耐食性および製造性を有するステンレス
鋼が得られる。従って、本発明品を用いることで、耐摩
耗性及び耐食性が要求される分野、例えば、筬羽、ヘル
ドなどの機料品、プレスプレート、スイッチコネクタ
ー、刃物等に使用した場合、寿命を延ばすことができる
等の効果があり、本発明鋼の存在は極めて有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1として示した表1であり、成分組成一覧表
である。
【図2】図2として示した表2であり、表1成分組成品
の熱処理条件および評価結果一覧表である。
【図3】図3として示した表3であり、成分組成一覧表
である。
【図4】図4として示した表4であり、表3成分組成品
熱処理条件および評価結果一覧表である。
【図5】本発明ステンレス鋼組織の代表写真である。
【図6】摩耗痕の最大深さと炭化物面積率との関係を示
した図である。
【図7】織機の模式図である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成14年8月23日(2002.8.2
3)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D03C 9/04 D03C 9/04 B D03D 49/62 D03D 49/62 Z Fターム(参考) 4K037 EA05 EA06 EA12 EA15 EA16 EA17 EA18 EA19 EA21 EA27 EA28 EA31 EA32 EA35 FB00 FF02 FF03 FG00 FH00 FL03 FM01 HA00 4L050 AA14 CA17 CC17 CD01 CD09

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の成分組成(以下%は重量ベースで
    ある)を備えたことを特徴とする耐摩耗性及び耐食性に
    優れたステンレス鋼材。 (a) C:0.03〜0.30%、Si:3.0%以
    下、Mn:3.0%以下、Ni:5.0〜20.0%、
    Cr:15.0超え〜30.0%、N:0.30%以下
    を含有し、かつ残部がFe及び不可避的不純物からなる
    ステンレス鋼材であって、(b) 前記ステンレス鋼材
    の金属組織中に析出した炭化物および炭窒化物の占める
    面積率が3〜30%の範囲である。
  2. 【請求項2】 前記ステンレス鋼材は、成分組成とし
    て、さらにMoを4.0%以下含有することを特徴とす
    る請求項1に記載の耐摩耗性及び耐食性に優れたステン
    レス鋼。
  3. 【請求項3】 前記ステンレス鋼材は、成分組成とし
    て、さらにV:1.0%以下、Ti:1.0%以下、N
    b:1.0%以下、Zr:1.0%以下のうちから選ば
    れる少なくとも1種以上を含有することを特徴とする請
    求項1又は2に記載の耐摩耗性及び耐食性に優れたステ
    ンレス鋼材。
  4. 【請求項4】 前記炭化物および炭窒化物は、Crを主
    体とする析出物であることを特徴とする請求項1〜3の
    いずれか1項に記載の耐摩耗性及び耐食性に優れたステ
    ンレス鋼材。
  5. 【請求項5】 前記析出した炭化物および炭窒化物の直
    径の最大値が10μm以下であることを特徴とする請求
    項1〜4のいずれか1項に記載の耐摩耗性及び耐食性に
    優れたステンレス鋼材。
  6. 【請求項6】 前記ステンレス鋼材が、耐摩耗部材用で
    あることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記
    載の耐摩耗性及び耐食性に優れたステンレス鋼材。
  7. 【請求項7】 前記ステンレス鋼材が、筬羽又はヘルド
    用であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記
    載の耐摩耗性及び耐食性に優れたステンレス鋼材。
  8. 【請求項8】 下記の工程を備えたことを特徴とする耐
    摩耗性及び耐食性に優れたステンレス鋼材の製造方法。 (a) C:0.03〜0.30%、Si:3.0wt
    %以下、Mn:3.0%以下、Ni:5.0〜20.0
    %、Cr:15.0超え〜30.0%、N:0.30%
    以下を含有し、かつ残部がFe及び不可避的不純物から
    なるステンレス鋼材のスラブを用意し、(b) 前記ス
    ラブに熱間圧延加工を行ってから、温度が700〜95
    0℃、時間が30分〜36時間の範囲で炭化物析出熱処
    理を施し、(c) その後冷間圧延する。
  9. 【請求項9】 前記冷間圧延に引き続いて700〜95
    0℃で軟化焼鈍を行ってから、その後さらに冷間圧延す
    ることを特徴とする請求項8に記載の耐摩耗性及び耐食
    性に優れたステンレス鋼材の製造方法。
  10. 【請求項10】 下記の工程を備えたことを特徴とする
    耐摩耗性及び耐食性に優れたステンレス鋼材の製造方
    法。 (a) C:0.03〜0.30%、Si:3.0wt
    %以下、Mn:3.0%以下、Ni:5.0〜20.0
    %、Cr:15.0超え〜30.0%、N:0.30%
    以下を含有し、かつ残部がFe及び不可避的不純物から
    なるステンレス鋼材のスラブを用意し、(b) 前記ス
    ラブに熱間圧延加工を行ってから、固溶化熱処理、次い
    で冷間圧延を行い、(c) 引き続いて、温度が700
    〜950℃、時間が30分〜36時間の範囲で炭化物析
    出熱処理を施し、(d) その後冷間圧延する。
  11. 【請求項11】 前記ステンレス鋼材は、成分組成とし
    て、さらにMoを4.0%以下含有することを特徴とす
    る請求項8〜10のいずれか1項に記載の耐摩耗性及び
    耐食性に優れたステンレス鋼材の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記ステンレス鋼材は、成分組成とし
    て、さらにV:1.0%以下、Ti:1.0%以下、N
    b:1.0%以下、Zr:1.0%以下のうちから選ば
    れる少なくとも1種以上を含有することを特徴とする請
    求項8〜11に記載の耐摩耗性及び耐食性に優れたステ
    ンレス鋼材の製造方法。
JP2001300898A 2001-09-28 2001-09-28 耐摩耗性及び耐食性に優れたステンレス鋼材及びその製造方法 Expired - Fee Related JP4825381B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001300898A JP4825381B2 (ja) 2001-09-28 2001-09-28 耐摩耗性及び耐食性に優れたステンレス鋼材及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001300898A JP4825381B2 (ja) 2001-09-28 2001-09-28 耐摩耗性及び耐食性に優れたステンレス鋼材及びその製造方法

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002242963A Division JP4221452B2 (ja) 2002-08-23 2002-08-23 耐摩耗性及び耐食性に優れた筬羽又はヘルド用ステンレス鋼材

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003105504A true JP2003105504A (ja) 2003-04-09
JP4825381B2 JP4825381B2 (ja) 2011-11-30

Family

ID=19121394

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001300898A Expired - Fee Related JP4825381B2 (ja) 2001-09-28 2001-09-28 耐摩耗性及び耐食性に優れたステンレス鋼材及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4825381B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102730877A (zh) * 2011-04-15 2012-10-17 宝山钢铁股份有限公司 不锈钢碳钢冷轧酸洗混合废水处理工艺及装置
CN103451568A (zh) * 2013-08-02 2013-12-18 安徽三联泵业股份有限公司 高碳不锈钢叶轮轴不锈钢材料及其制造方法
KR101919835B1 (ko) 2018-06-08 2018-11-19 김판권 용융 아연-알루미늄에 대한 내부식성 및 내마모성이 개선된 철계 합금 및 이의 제조방법
WO2019038925A1 (ja) 2017-08-25 2019-02-28 日新製鋼株式会社 糸道摩耗試験機および糸道摩耗試験方法
CN112292357A (zh) * 2018-06-11 2021-01-29 贝卡尔特公司 耐热隔离织物

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01205064A (ja) * 1988-02-10 1989-08-17 Daido Steel Co Ltd 耐摩耗ステンレス鋼部品
JPH08209307A (ja) * 1995-02-03 1996-08-13 Hitachi Ltd 析出強化型オーステナイト鋼単結晶及びその用途
JP2001181799A (ja) * 1999-12-24 2001-07-03 Nisshin Steel Co Ltd 加工用耐摩耗鋼

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01205064A (ja) * 1988-02-10 1989-08-17 Daido Steel Co Ltd 耐摩耗ステンレス鋼部品
JPH08209307A (ja) * 1995-02-03 1996-08-13 Hitachi Ltd 析出強化型オーステナイト鋼単結晶及びその用途
JP2001181799A (ja) * 1999-12-24 2001-07-03 Nisshin Steel Co Ltd 加工用耐摩耗鋼

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102730877A (zh) * 2011-04-15 2012-10-17 宝山钢铁股份有限公司 不锈钢碳钢冷轧酸洗混合废水处理工艺及装置
CN103451568A (zh) * 2013-08-02 2013-12-18 安徽三联泵业股份有限公司 高碳不锈钢叶轮轴不锈钢材料及其制造方法
WO2019038925A1 (ja) 2017-08-25 2019-02-28 日新製鋼株式会社 糸道摩耗試験機および糸道摩耗試験方法
KR20200042901A (ko) 2017-08-25 2020-04-24 닛테츠 닛신 세이코 가부시키가이샤 사도 마모 시험기 및 사도 마모 시험 방법
KR101919835B1 (ko) 2018-06-08 2018-11-19 김판권 용융 아연-알루미늄에 대한 내부식성 및 내마모성이 개선된 철계 합금 및 이의 제조방법
CN112292357A (zh) * 2018-06-11 2021-01-29 贝卡尔特公司 耐热隔离织物
CN112292357B (zh) * 2018-06-11 2023-03-28 贝卡尔特公司 耐热隔离织物

Also Published As

Publication number Publication date
JP4825381B2 (ja) 2011-11-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN104583440B (zh) 不锈钢板及其制造方法
KR101100360B1 (ko) 내식성과 가공성이 우수한 고순도 페라이트계 스테인리스 강 및 그 제조 방법
WO2011062152A1 (ja) オーステナイト系ステンレス鋼板およびその製造方法
EP2410068B1 (en) Duplex stainless steel plate having excellent press moldability
KR20060127107A (ko) 오스테나이트·페라이트계 스테인레스 강
WO2011067979A1 (ja) 耐応力腐食割れ性と加工性に優れた微細粒オーステナイト系ステンレス鋼板
KR20060049716A (ko) 내식성, 냉간 가공성 및 인성이 우수한 자성을 가지는스텐레스강 선재 또는 강선
KR20060127079A (ko) 페라이트계 Cr함유 강재
JP5235452B2 (ja) 耐食性と耐磨耗性に優れる織機部材用マルテンサイト系ステンレス鋼とその鋼帯の製造方法
KR101401625B1 (ko) 내피로성이 우수한 석출 경화형 준안정 오스테나이트계 스테인리스 강선 및 그 제조 방법
US4586957A (en) Iron-base alloy materials having excellent workability
CN111727269A (zh) 马氏体系不锈钢板及其制造方法以及弹簧构件
CN105200341A (zh) 一种抗拉强度大于1000MPa的经济型双相不锈钢及其制造方法
JP4645307B2 (ja) 低温靭性に優れた耐摩耗鋼およびその製造方法
JP4825381B2 (ja) 耐摩耗性及び耐食性に優れたステンレス鋼材及びその製造方法
US20060225820A1 (en) Ferritic stainless steel sheet excellent in formability and method for production thereof
JP4383210B2 (ja) 高耐磨耗高耐食性ステンレス鋼材の製造方法
JP4221452B2 (ja) 耐摩耗性及び耐食性に優れた筬羽又はヘルド用ステンレス鋼材
JP7422218B2 (ja) フェライト系ステンレス冷延鋼板およびフェライト系ステンレス冷延鋼板の製造方法
WO2022153790A1 (ja) マルテンサイト系ステンレス鋼材及びその製造方法
JP4645306B2 (ja) 低温靭性に優れた耐摩耗鋼およびその製造方法
JP5364908B2 (ja) 織機部品の製造方法
JP2010229474A (ja) 耐食性に優れた焼入れ強化型マルテンサイト系ステンレス鋼
JP3201081B2 (ja) 油井用ステンレス鋼およびその製造方法
KR101279051B1 (ko) 페라이트계 스테인레스강 및 그 제조방법

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080811

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20080811

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20080811

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20100820

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100913

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20101228

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110316

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20110317

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110506

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20110817

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110906

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110912

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4825381

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140916

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees