JP2003105480A - 高密度および高透磁性を有する複合軟磁性焼結材およびその製造方法 - Google Patents
高密度および高透磁性を有する複合軟磁性焼結材およびその製造方法Info
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Abstract
透磁率の高い複合軟磁性焼結材を提供する。 【解決手段】鉄粉末、Fe−Si系鉄基軟磁性合金粉
末、Fe−Al系鉄基軟磁性合金粉末、Fe−Si−A
l系鉄基軟磁性合金粉末、Fe−Cr系鉄基軟磁性合金
粉末またはニッケル基軟磁性合金粉末(以下、これらを
金属軟磁性粉末という)の表面にスピネル構造を有する
フェライト層が被覆されている複合軟磁性粉末に、平均
粒径:100nm以下の二酸化ケイ素粉末を0.05〜
1.0質量%添加し混合し圧粉成形し焼結する方法また
は金属軟磁性粉末の表面に成分組成の異なったスピネル
構造を有するフェライト層が被覆されている2種以上の
複合軟磁性粉末を圧粉成形し焼結する方法で作製した複
合軟磁性焼結材。
Description
性を有する複合軟磁性焼結材およびその製造方法に関す
るものである。
る低ロスヨーク、トランス、チョークコイルなどの磁心
には軟磁性焼結材料が用いられることは知られており、
この軟磁性焼結材料は、純鉄粉末などの鉄粉末、 Si:0.1〜10%を含有し、残部がFeおよび不可
避不純物からなるFe−Si系鉄基軟磁性合金粉末(例
えばFe−3%Si粉末)、 Si:0.1〜10質量%、Al:0.1〜20を含有
し、残部がFeおよび不可避不純物からなるFe−Si
−Al系鉄基軟磁性合金粉末(例えば、Fe−9%Si
−5%Alからなる組成を有するセンダスト粉末)、 Al:0.1〜20を含有し、残部がFeおよび不可避
不純物からなるFe−Al系鉄基軟磁性合金粉末(例え
ば、Fe−15%Alからなる組成を有するアルパーム
粉末)、 Cr:1〜20%を含有し、必要に応じてAl:5%以
下、Si:5%以下の内の1種または2種を含有し、残
部がFeおよび不可避不純物からなるFe−Cr系鉄基
軟磁性合金粉末、または、 Ni:35〜85%を含有し、必要に応じてMo:5%
以下、Cu:5%以下、 Cr:2%以下、Mn:0.5%以下の内の1種または
2種以上を含有し、残部がFeおよび不可避不純物から
なるニッケル基軟磁性合金粉末(例えば、Fe−79%
Ni粉末)(以上、%は質量%を示す。)などの金属軟
磁性粉末を焼結して得られることが知られており、さら
にスピネル構造を有するフェライトなど金属酸化物粉末
を焼結して得られることが知られている。前記スピネル
構造を有するフェライトは、一般に(MeFe)3O
4(但し、MeはMn,Zn,Ni,Mg,Cu,Fe
もしくはCoまたはこれらの混合物)で表されることが
知られている。
磁束密度が高いが、高周波特性が悪く、一方、スピネル構
造を有するフェライトなど金属酸化物粉末を焼結して得
られた酸化物軟磁性焼結材料は、高周波特性に優れ、初透
磁率が比較的高いが、飽和磁束密度が低い欠点があり、こ
れらを改善するために、金属軟磁性粉末の表面にスピネ
ル構造を有するフェライト層を被覆してなる複合軟磁性
粉末を焼結して得られた複合軟磁性焼結材が提案されて
いる(特開昭56−38402号公報参照)。
性粉末の表面にスピネル構造を有するフェライト層を被
覆してなる複合軟磁性粉末を焼結して得られた複合軟磁
性焼結材は、スピネル構造を有するフェライト層が酸化
物であるために焼結性が悪く、したがって、十分な密度
を有する複合軟磁性焼結材が得られないという欠点があ
り、さらに磁気特性を一層向上させた複合軟磁性焼結材
が求められている。
かかる課題を解決すべく研究を行った。その結果、 (イ)鉄粉末、Fe−Si系鉄基軟磁性合金粉末、Fe
−Al系鉄基軟磁性合金粉末、Fe−Si−Al系鉄基
軟磁性合金粉末、Fe−Cr系鉄基軟磁性合金粉末また
はニッケル基合金軟磁性粉末の表面にスピネル構造を有
するフェライト層が被覆されている複合軟磁性粉末を用
意し、この複合軟磁性粉末に平均粒径:100nm以下
の二酸化ケイ素粉末を0.05〜1.0質量%添加し混
合して得られた混合粉末は燒結性が向上し、この二酸化
ケイ素粉末を混合して得られた混合粉末を圧粉成形、高
圧成形、温間成形もしくは冷間静水圧成形したのち焼結
するかまたは熱間静水圧成形もしくはホットプレスする
ことにより得られた複合軟磁性焼結材は密度が向上する
ところから機械的強度が向上し、さらに磁気特性、特に
高周波における比透磁率が向上する、 (ロ)鉄粉末、Fe−Si系鉄基軟磁性合金粉末、Fe
−Al系鉄基軟磁性合金粉末、Fe−Si−Al系鉄基
軟磁性合金粉末、Fe−Cr系鉄基軟磁性合金粉末また
はニッケル基合金軟磁性粉末の表面に成分組成の異なっ
たスピネル構造を有するフェライト層が被覆されている
2種以上の複合軟磁性粉末を混合した混合粉末を圧粉成
形、高圧成形、温間成形もしくは冷間静水圧成形したの
ち焼結するかまたは熱間静水圧成形もしくはホットプレ
スすると、同じ種類のフェライト層が被覆されている複
合軟磁性粉末を圧粉成形、高圧成形、温間成形もしくは
冷間静水圧成形したのち焼結するかまたは熱間静水圧成
形もしくはホットプレスするよりも焼結性が向上し、そ
の結果、得られた複合軟磁性焼結材は密度が向上するの
で機械的強度が向上し、さらに磁気特性、特に高周波にお
ける比透磁率が向上する、 (ハ)鉄粉末、Fe−Si系鉄基軟磁性合金粉末、Fe
−Al系鉄基軟磁性合金粉末、Fe−Si−Al系鉄基
軟磁性合金粉末、Fe−Cr系鉄基軟磁性合金粉末また
はニッケル基合金軟磁性粉末の表面に成分組成の異なっ
たスピネル構造を有するフェライト層が被覆されている
2種以上の複合軟磁性粉末を混合した混合粉末に、さら
に平均粒径:100nm以下の二酸化ケイ素粉末を0.
05〜1.0質量%添加し混合して得られた混合粉末
は、燒結性が一層向上し、この二酸化ケイ素粉末を混合
して得られた混合粉末を圧粉成形、高圧成形、温間成形
もしくは冷間静水圧成形したのち焼結するかまたは熱間
静水圧成形もしくはホットプレスすることにより得られ
た複合軟磁性焼結材は密度が一層向上するので機械的強
度が一層向上し、さらに磁気特性、特に高周波における
比透磁率が一層向上する、 (ニ)前記(イ)で得られた複合軟磁性焼結材は、鉄粒
子、Fe−Si系鉄基軟磁性合金粒子、Fe−Al系鉄
基軟磁性合金粒子、Fe−Si−Al系鉄基軟磁性合金
粒子、Fe−Cr系鉄基軟磁性合金粒子またはニッケル
基軟磁性合金粒子がスピネル構造を有するフェライト相
により被覆されて分散しており、添加した平均粒径:1
00nm以下の二酸化ケイ素粉末は焼結してもフェライ
ト相とは固溶しないのでフェライト相に挟まれた状態で
分散しているところから、フェライト相中に平均粒径:
100nm以下の二酸化ケイ素粒子が分散している組織
を有し、フェライト相中に分散する二酸化ケイ素粒子は
二酸化ケイ素粉末の添加量と同じ量の0.05〜1.0
質量%含まれている、 (ホ)前記(ロ)で得られた複合軟磁性焼結材は、鉄粒
子、Fe−Si系鉄基軟磁性合金粒子、Fe−Al系鉄
基軟磁性合金粒子、Fe−Si−Al系鉄基軟磁性合金
粒子、Fe−Cr系鉄基軟磁性合金粒子またはニッケル
基軟磁性合金粒子が成分組成の異なるスピネル構造を有
するフェライト相により被覆されて分散している組織を
有する、 (ヘ)前記(ハ)で得られた複合軟磁性焼結材は、鉄粒
子、Fe−Si系鉄基軟磁性合金粒子、Fe−Al系鉄
基軟磁性合金粒子、Fe−Si−Al系鉄基軟磁性合金
粒子、Fe−Cr系鉄基軟磁性合金粒子またはニッケル
基軟磁性合金粒子が成分組成の異なるスピネル構造を有
するフェライト相により被覆されて分散しており、添加
した平均粒径:100nm以下の二酸化ケイ素粉末は焼
結してもフェライト相とは固溶しないので成分組成の異
なるスピネル構造を有するフェライト相に挟まれた状態
で分散しているところから、成分組成の異なるスピネル
構造を有するフェライト相中に平均粒径:100nm以
下の二酸化ケイ素粒子が分散している組織を有し、成分
組成の異なるスピネル構造を有するフェライト相中に分
散する二酸化ケイ素粒子は二酸化ケイ素粉末の添加量と
同じ量の0.05〜1.0質量%含まれている、 (ト)鉄粉末、Fe−Si系鉄基軟磁性合金粉末、Fe
−Al系鉄基軟磁性合金粉末、Fe−Si−Al系鉄基
軟磁性合金粉末、Fe−Cr系鉄基軟磁性合金粉末また
はニッケル基合金軟磁性粉末の表面に被覆されているス
ピネル構造を有するフェライト層は、化学メッキ法、高
速で衝撃撹拌を行なって機械的に被覆する高速衝撃撹拌
被覆法または樹脂接着によって被覆するバインダー被覆
法により形成することができる、などの研究結果が得ら
れたのである。
されたものであって、 (1)鉄粒子、Fe−Si系鉄基軟磁性合金粒子、Fe
−Al系鉄基軟磁性合金粒子、Fe−Si−Al系鉄基
軟磁性合金粒子、Fe−Cr系鉄基軟磁性合金粒子また
はニッケル基軟磁性合金粒子がスピネル構造を有するフ
ェライト相により被覆されて分散しており、該フェライ
ト相中には平均粒径:100nm以下の二酸化ケイ素粒
子が分散している組織を有する複合軟磁性焼結材であっ
て、該二酸化ケイ素粒子は0.05〜1.0質量%含ま
れている高密度および高透磁性を有する複合軟磁性焼結
材、(2)鉄粒子、Fe−Si系鉄基軟磁性合金粒子、
Fe−Al系鉄基軟磁性合金粒子、Fe−Si−Al系
鉄基軟磁性合金粒子、Fe−Cr系鉄基軟磁性合金粒子
またはニッケル基軟磁性合金粒子が成分組成の異なるス
ピネル構造を有するフェライト相で被覆されて分散して
いる組織を有する高密度および高透磁性を有する複合軟
磁性焼結材、(3)鉄粒子、Fe−Si系鉄基軟磁性合
金粒子、Fe−Al系鉄基軟磁性合金粒子、Fe−Si
−Al系鉄基軟磁性合金粒子、Fe−Cr系鉄基軟磁性
合金粒子またはニッケル基軟磁性合金粒子が成分組成の
異なるスピネル構造を有するフェライト相により被覆さ
れて分散しており、該フェライト相中には平均粒径:1
00nm以下の二酸化ケイ素粒子が分散している組織を
有する複合軟磁性焼結材であって、該二酸化ケイ素粒子
は0.05〜1.0質量%含まれている高密度および高
透磁性を有する複合軟磁性焼結材、(4)鉄粉末、Fe
−Si系鉄基軟磁性合金粉末、Fe−Al系鉄基軟磁性
合金粉末、Fe−Si−Al系鉄基軟磁性合金粉末、F
e−Cr系鉄基軟磁性合金粉末またはニッケル基軟磁性
合金粉末の表面にスピネル構造を有するフェライト層が
被覆されている複合軟磁性粉末に、平均粒径:1〜10
0nmの二酸化ケイ素粉末を0.05〜1.0質量%添
加し混合して混合粉末を作製し、得られた混合粉末を圧
粉成形、高圧成形、温間成形または冷間静水圧成形した
のち焼結する前記(1)記載の高密度および高透磁性を
有する複合軟磁性焼結材の製造方法、(5)鉄粉末、F
e−Si系鉄基軟磁性合金粉末、Fe−Al系鉄基軟磁
性合金粉末、Fe−Si−Al系鉄基軟磁性合金粉末、
Fe−Cr系鉄基軟磁性合金粉末またはニッケル基軟磁
性合金粉末の表面にスピネル構造を有するフェライト層
が被覆されている複合軟磁性粉末に、平均粒径:1〜1
00nmの二酸化ケイ素粉末を0.05〜1.0質量%
添加し混合して混合粉末を作製し、得られた混合粉末を
熱間静水圧成形またはホットプレスする前記(1)記載
の高密度および高透磁性を有する複合軟磁性焼結材の製
造方法、(6)鉄粉末、Fe−Si系鉄基軟磁性合金粉
末、Fe−Al系鉄基軟磁性合金粉末、Fe−Si−A
l系鉄基軟磁性合金粉末、Fe−Cr系鉄基軟磁性合金
粉末またはニッケル基軟磁性合金粉末の表面に成分組成
の異なったスピネル構造を有するフェライト層が被覆さ
れている2種以上の複合軟磁性粉末を用意し、この2種
以上の複合軟磁性粉末を混合し圧粉成形、高圧成形、温
間成形または冷間静水圧成形したのち焼結する前記
(2)記載の高密度および高透磁性を有する複合軟磁性
焼結材の製造方法、(7)鉄粉末、Fe−Si系鉄基軟
磁性合金粉末、Fe−Al系鉄基軟磁性合金粉末、Fe
−Si−Al系鉄基軟磁性合金粉末、Fe−Cr系鉄基
軟磁性合金粉末またはニッケル基軟磁性合金粉末の表面
に成分組成の異なったスピネル構造を有するフェライト
層が被覆されている2種以上の複合軟磁性粉末を用意
し、この2種以上の複合軟磁性粉末を混合し熱間静水圧
成形またはホットプレスする前記(2)記載の高密度お
よび高透磁性を有する複合軟磁性焼結材の製造方法、
(8)鉄粉末、Fe−Si系鉄基軟磁性合金粉末、Fe
−Al系鉄基軟磁性合金粉末、Fe−Si−Al系鉄基
軟磁性合金粉末、Fe−Cr系鉄基軟磁性合金粉末また
はニッケル基軟磁性合金粉末の表面に成分組成の異なっ
たスピネル構造を有するフェライト層が被覆されている
2種以上の複合軟磁性粉末を用意し、この2種以上の複
合軟磁性粉末の混合粉末にさらに平均粒径:1〜100
nmの二酸化ケイ素粉末を0.05〜1.0質量%添加
し混合して混合粉末を作製し、得られた混合粉末を圧粉
成形、高圧成形、温間成形または冷間静水圧成形したの
ち焼結する前記(3)記載の高密度および高透磁性を有
する複合軟磁性焼結材の製造方法、(9)鉄粉末、Fe
−Si系鉄基軟磁性合金粉末、Fe−Al系鉄基軟磁性
合金粉末、Fe−Si−Al系鉄基軟磁性合金粉末、F
e−Cr系鉄基軟磁性合金粉末またはニッケル基軟磁性
合金粉末の表面に成分組成の異なったスピネル構造を有
するフェライト層が被覆されている2種以上の複合軟磁
性粉末を用意し、この2種以上の複合軟磁性粉末の混合
粉末にさらに平均粒径:1〜100nmの二酸化ケイ素
粉末を0.05〜1.0質量%添加し混合して混合粉末
を作製し、得られた混合粉末を熱間静水圧成形またはホ
ットプレスする前記(3)記載の高密度および高透磁性
を有する複合軟磁性焼結材の製造方法、(10)前記鉄
粉末、Fe−Si系鉄基軟磁性合金粉末、Fe−Al系
鉄基軟磁性合金粉末、Fe−Si−Al系鉄基軟磁性合
金粉末、Fe−Cr系鉄基軟磁性合金粉末またはニッケ
ル基軟磁性合金粉末の表面にスピネル構造を有するフェ
ライト層が被覆されている複合軟磁性粉末は、フェライ
ト層を化学メッキ法、高速衝撃撹拌被覆法またはバイン
ダー被覆法により前記鉄粉末、Fe−Si系鉄基軟磁性
合金粉末、Fe−Al系鉄基軟磁性合金粉末、Fe−S
i−Al系鉄基軟磁性合金粉末、Fe−Cr系鉄基軟磁
性合金粉末またはニッケル基軟磁性合金粉末の表面に形
成した複合軟磁性粉末である前記(4)、(5)、
(6)、(7)、(8)または(9)記載の高密度およ
び高透磁性を有する複合軟磁性焼結材の製造方法、に特
徴を有するものである。
複合軟磁性焼結材の製造方法において使用する前記鉄粉
末、Fe−Si系鉄基軟磁性合金粉末、Fe−Al系鉄
基軟磁性合金粉末、Fe−Si−Al系鉄基軟磁性合金
粉末、Fe−Cr系鉄基軟磁性合金粉末またはニッケル
基軟磁性合金粉末は、従来から一般に知られている軟磁
性合金粉末であり、先に従来の技術として述べた鉄粉
末、Si:0.1〜10%を含有し、残部がFeおよび
不可避不純物からなるFe−Si系鉄基軟磁性合金粉
末、Si:0.1〜10質量%、Al:0.1〜20を
含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなるFe−
Si−Al系鉄基軟磁性合金粉末、Al:0.1〜20
を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなるFe
−Al系鉄基軟磁性合金粉末、Cr:1〜20%を含有
し、必要に応じてAl:5%以下、Si:5%以下の内
の1種または2種を含有し、残部がFeおよび不可避不
純物からなるFe−Cr系鉄基軟磁性合金粉末、また
は、Ni:35〜85%を含有し、必要に応じてMo:
5%以下、Cu:5%以下、Cr:2%以下、Mn:
0.5%以下農地の1種または2種以上を含有し、残部
がFeおよび不可避不純物からなるニッケル基軟磁性合
金粉末などの金属軟磁性粉末を使用することができる。
したがって、この発明の高密度および高透磁性を有する
複合軟磁性焼結材の組織における鉄粒子、Fe−Si系
鉄基軟磁性合金粒子、Fe−Al系鉄基軟磁性合金粒
子、Fe−Si−Al系鉄基軟磁性合金粒子、Fe−C
r系鉄基軟磁性合金粒子またはニッケル基軟磁性合金粒
子は、前記金属軟磁性粉末と同じ成分組成の金属軟磁性
粒子で構成され、この金属軟磁性粒子を被覆しこれら粒
子を隔離するスピネル構造を有するフェライト相は、一
般式(MeFe)3O4(但し、MeはMn,Zn,N
i,Mg,Cu,Feまたはこれらの混合物)で表され
るフェライト相である。そして、この発明の高密度およ
び高透磁性を有する複合軟磁性焼結材を製造するための
原料粉末である前記鉄粉末、Fe−Si系鉄基軟磁性合
金粉末、Fe−Al系鉄基軟磁性合金粉末、Fe−Si
−Al系鉄基軟磁性合金粉末、Fe−Cr系鉄基軟磁性
合金粉末またはニッケル基軟磁性合金粉末の表面にスピ
ネル構造を有するフェライト層が被覆されている複合軟
磁性粉末は、フェライト層を化学メッキ法、高速衝撃撹
拌被覆法またはバインダー被覆法により作製することが
できる。このようにして作製した複合軟磁性粉末を用い
て前記(4)〜(9)記載の方法によりの発明の高密度
および高透磁性を有する複合軟磁性焼結材を製造するこ
とができる。なお、前記(4)、(6)および(8)記
載の方法において行なわれる圧粉成形と高圧成形とは成
形圧力が異なる点でのみ相違し、高圧成形は通常の圧粉
成形よりも高い圧力で圧粉成形する方法であって、高圧
成形して得られた圧粉体は焼結温度を幾分低くすること
ができるメリットがある。また、この発明の高密度およ
び高透磁性を有する複合軟磁性焼結材の製造方法におい
て「焼結」とは固相焼結だけでなく液相焼結をも含むも
のである。したがって、前記(4)、(6)および
(8)記載の方法において行なわれる焼結は固相焼結だ
けでなく液相焼結をも含むものである。
複合軟磁性焼結材に含まれる二酸化ケイ素粉末の平均粒
径を100nm以下に限定した理由は、二酸化ケイ素粉
末の平均粒径が100nmを越えると焼結性向上効果が
低下すると共に比透磁率が低下するからである。この二
酸化ケイ素粉末の平均粒径の下限は製造コストの面から
平均粒径:1nm以上であることが好ましい。また、平
均粒径:100nm以下の二酸化ケイ素粉末の添加量を
0.05質量%以上にした理由は、平均粒径:100n
m以下の二酸化ケイ素が0.05質量%未満含まれてい
ても焼結性に大きく影響を及ぼすことはなく、また比透
磁率が低下するからであり、一方、1.0質量%を越え
て含有すると非磁性相の割合が多くなり、比透磁率の低
下をもたらすので好ましくないことによるものである。
二酸化ケイ素粉末の添加量の一層好ましい範囲は0.1
〜0.5質量%である。
水アトマイズしてアトマイズ粉末を作製し、そのアトマ
イズ粉末を分級処理してアトマイズ原料粉末を作製し
た。このアトマイズ原料粉末をさらに風力分級機により
分級し、表1〜2に示される成分組成および平均粒径を
有する純鉄粉末、Fe−Si系鉄基軟磁性合金粉末、F
e−Si−Al系鉄基軟磁性合金粉末、Fe−Al系鉄
基軟磁性合金粉末、Fe−Cr系鉄基軟磁性合金粉末、
およびニッケル基軟磁性合金粉末などの軟磁性粉末(以
下、これら軟磁性粉末を金属軟磁性粉末という)を作製
し、これら金属軟磁性粉末をイオン交換水に浸漬してよ
く撹拌したのち、窒素により十分に脱酸素を行なった。
ったイオン交換水に、金属塩化物(MCl2,ただしM=
Fe、Ni、Zn、Cu、Mn、Mg)を溶かし表1〜2に
示す酸化物膜組成が得られるよう調製された金属塩化物
水溶液を静かに注ぎ、その後NaOH水溶液によりpH
を7.0に調整した。この混合液を70℃一定に保ち、
0.5〜3時間に渡り空気を吹き込みながら緩やかに撹
拌し、金属軟磁性粉末の表面にフェライト被覆層を成膜
した。その後、フェライト被覆層を有する金属軟磁性粉
末を濾過、水洗、乾燥することにより複合軟磁性粉末を
得た。
す平均粒径のSiO2粉末を表1〜2に示す割合となる
ように混ぜ、6ton/cm2の成形圧をかけることに
より外径:35mm、内径:25mm、高さ:5mmの
リング状圧粉体を成形し、得られたリング状圧粉体を酸
素分圧を制御した不活性ガス雰囲気中、600〜120
0℃の温度で焼結することによりリング状焼結体からな
る本発明複合軟磁性焼結材1〜16、比較複合軟磁性焼
結材1〜3および従来複合軟磁性焼結材を作製した。こ
のようにして得られたリング状焼結体の組織をSEMで
観察した結果、本発明複合軟磁性焼結材1〜16および
比較複合軟磁性焼結材1〜3にはいずれもSiO2粉末
がフェライト相中に分散している組織を有していた。さ
らにこれから本発明複合軟磁性焼結材1〜16、比較複
合軟磁性焼結材1〜3および従来複合軟磁性焼結材につ
いて相対密度を測定し、その結果を表3〜4に示した。
さらに、本発明複合軟磁性焼結材1〜16、比較複合軟
磁性焼結材1〜3および従来複合軟磁性焼結材について
表3〜4に示される周波数の高周波における比透磁率を
インピーダンスアナライザで測定し、その結果を表3〜
4に示した。
粉末の表面にスピネル構造を有するフェライト層が被覆
されている複合軟磁性粉末にSiO2粉末を0.05〜
1.0質量%添加し混合し圧粉成形し焼結して得られた
本発明複合軟磁性焼結材1〜16は、従来複合軟磁性焼
結材に比べて高密度を有すると共に高周波における比透
磁率が優れていることが分かる。しかし、比較複合軟磁
性焼結材1〜3は密度または比透磁率の内の少なくとも
いずれかが劣るので好ましくないことが分かる。
アトマイズ粉末を分級処理してアトマイズ原料粉末を作
製した。このアトマイズ原料粉末をさらに風力分級機に
より分級し、表5に示される成分組成および平均粒径を
有する金属軟磁性粉末を作製し、これら金属軟磁性粉末
をイオン交換水に浸漬してよく撹拌したのち、窒素によ
り十分に脱酸素を行なった。
ったイオン交換水に、金属塩化物(MCl2,ただしM=
Fe、Zn、Cu、Mn、Mg)を溶かし表5に示す酸化
物膜組成が得られるよう調製された金属塩化物水溶液を
静かに注ぎ、その後NaOH水溶液によりpHを7.0に
調整した。この混合液を70℃一定に保ち、0.5〜3
時間に渡り空気を吹き込みながら緩やかに撹拌し、金属
軟磁性粉末表面にフェライト被覆層を成膜した。その
後、フェライト被覆層を有する金属軟磁性粉末を濾過、
水洗、乾燥することにより表5に示されるフェライト被
覆層を形成した複合軟磁性粉末A〜Gを得た。
に示す割合となるように混合し、6ton/cm2の成
形圧をかけることにより外径:35mm、内径:25m
m、高さ:5mmのリング状圧粉体を成形し、得られた
リング状圧粉体を酸素分圧を制御した不活性ガス雰囲気
中、600〜1200℃の温度で焼結することによりリ
ング状焼結体からなる本発明複合軟磁性焼結材17〜3
0および従来複合軟磁性燒結材1〜7を作製した。この
ようにして得られた本発明複合軟磁性焼結材17〜30
および従来複合軟磁性燒結材1〜7について相対密度を
測定し、その結果を表6〜7に示した。さらに、本発明複
合軟磁性焼結材17〜30および従来複合軟磁性燒結材
1〜7について表6〜7に示される周波数の高周波にお
ける比透磁率をインピーダンスアナライザで測定し、そ
の結果を表6〜7に示した。
粉末の表面にスピネル構造を有し異なる成分組成のフェ
ライト被覆層が形成されている複合軟磁性粉末を混合し
燒結して得られた本発明複合軟磁性焼結材17〜30
は、従来複合軟磁性燒結材1〜7に比べて高密度を有す
ると共に高周波における比透磁率が優れていることが分
かる。
O2粉末を表8に示される割合で配合し混合し、6to
n/cm2の成形圧をかけることにより外径:35m
m、内径:25mm、高さ:5mmのリング状圧粉体を
成形し、得られたリング状圧粉体を酸素分圧を制御した
不活性ガス雰囲気中、600〜1200℃の温度で焼結
することによりリング状焼結体からなる本発明複合軟磁
性焼結材31〜36を作製した。このようにして得られ
た本発明複合軟磁性焼結材31〜36について相対密度
を測定し、その結果を表8に示した。さらに、本発明複合
軟磁性焼結材31〜36について表8に示される周波数
の高周波における比透磁率をインピーダンスアナライザ
で測定し、その結果を表8に示した。
し異なる成分組成のフェライト被覆層が形成されている
複合軟磁性粉末にSiO2粉末を表8に示される割合で
配合し混合し燒結して得られた表8に示される本発明複
合軟磁性焼結材31〜36は、実施例2で作製した表7
で示される従来複合軟磁性燒結材1〜7に比べて高密度
を有すると共に高周波における比透磁率が優れているこ
とが分かる。
軟磁性粉末:フェライト粉末=98:2の割合で配合
し、得られた配合粉末を6000rpmの回転速度で羽
が回転している高速衝撃混合機に投入し、2分間処理す
ることにより表9に示されるフェライト被覆層が形成さ
れた複合軟磁性粉末AS,BS,CS,DS,ES、F
SおよびGSを作製した。得られた複合軟磁性粉末A
S,BS,CS,DS,ES、FSおよびGSに、平均
粒径:50nmを有するSiO2粉末を表10に示す割
合となるように混ぜ、800℃、2ton/cm2の条
件のホットプレスを行なうことにより外径:35mm、
内径:25mm、高さ:5mmのリング状焼結体からな
る本発明複合軟磁性焼結材37〜43を作製した。この
ようにして得られたリング状焼結体の組織をオージェ電
子分光装置(AES)で観察した結果、本発明複合軟磁
性焼結材37〜43にはいずれもSiO2粉末がフェラ
イト相中に分散している組織を有していた。さらにこれ
ら本発明複合軟磁性焼結材37〜43について相対密度
を測定し、その結果を表10に示した。さらに、本発明複
合軟磁性焼結材37〜43について表10に示される周
波数の高周波における比透磁率をインピーダンスアナラ
イザで測定し、その結果を表10に示した。
撹拌被覆法により金属軟磁性粉末の表面にスピネル構造
を有するフェライト層が被覆されている複合軟磁性粉末
AS,BS,CS,DS,ES、FSおよびGSに、S
iO2粉末:0.05〜1.0質量%を添加し混合しホ
ットプレスすることにより得られた本発明複合軟磁性焼
結材37〜43は、表7の従来複合軟磁性焼結材に1〜
7比べて高密度を有すると共に高周波における比透磁率
が優れていることが分かる。
S,BS,CS,DS,ES、FSおよびGSを表11
に示す割合となるように混合し、得られた混合粉末を8
00℃、2ton/cm2の条件でホットプレスするこ
とにより外径:35mm、内径:25mm、高さ:5m
mのリング状焼結体からなる本発明複合軟磁性焼結材4
4〜53を作製した。このようにして得られた本発明複
合軟磁性焼結材44〜53について相対密度を測定し、
その結果を表11に示した。さらに、本発明複合軟磁性
焼結材44〜53について表11に示される周波数の高
周波における比透磁率をインピーダンスアナライザで測
定し、その結果を表11に示した。
末の表面にスピネル構造を有し異なる成分組成のフェラ
イト層が被覆されている複合軟磁性粉末を混合し燒結し
て得られた本発明複合軟磁性焼結材44〜53は、表7
の従来複合軟磁性焼結材に1〜7比べて比べて高密度を
有すると共に高周波における比透磁率が優れていること
が分かる。
〜GSを2種以上混合し、さらに平均粒径:50nmを
有するSiO2粉末を表12に示される割合で配合し混
合し、得られた混合粉末を800℃、2ton/cm2
の条件でホットプレスすることにより外径:35mm、
内径:25mm、高さ:5mmのリング状焼結体からな
る本発明複合軟磁性焼結材54〜59を作製した。この
ようにして得られた本発明複合軟磁性焼結材54〜59
について相対密度を測定し、その結果を表12に示し
た。さらに、本発明複合軟磁性焼結材54〜59につい
て表12に示される周波数の高周波における比透磁率を
インピーダンスアナライザで測定し、その結果を表12
に示した。
し異なる成分組成のフェライト層が被覆されている複合
軟磁性粉末にSiO2粉末を表12に示される割合で配
合し混合し燒結して得られた表12に示される本発明複
合軟磁性焼結材54〜59は、実施例2で作製した表7
で示される従来複合軟磁性燒結材1〜7に比べて高密度
を有すると共に高周波における比透磁率が優れているこ
とが分かる。
拌転動造粒装置に投入し、回転数:1000rpmで撹
拌しながら3%濃度のポリビニルアルコール溶液を20
0ml、さらに金属軟磁性粉末に対してフェライト粉末
を2質量%加えながら、30分間混合するバインダー被
覆法により表13に示される複合軟磁性粉末AB,B
B,CB,DB,EB、FBおよびGBを作製した。得
られた複合軟磁性粉末AB,BB,CB,DB,EB、
FBおよびGBに、平均粒径:50nmを有するSiO
2粉末を表14に示す割合となるように配合し混合して
混合粉末を作製し、この混合粉末を10ton/cm2
の高圧成形を行なうことにより外径:35mm、内径:
25mm、高さ:5mmのリング状圧粉体を成形し、得
られたリング状圧粉体を窒素ガス雰囲気中、500〜1
200℃の温度で焼結することによりリング状焼結体か
らなる本発明複合軟磁性焼結材60〜66を作製した。
このようにして得られたリング状焼結体の組織をオージ
ェ電子分光装置(AES)で観察した結果、本発明複合
軟磁性焼結材60〜66にはいずれもSiO2粉末がフ
ェライト相中に分散している組織を有していた。この発
明の高密度および高透磁性を有する複合軟磁性焼結材
は、SiO2がフェライト相中に分散している組織を有
することを一層具体的に示すために、本発明複合軟磁性
焼結材61の粒界部をオージェ電子分光装置(AES)
により撮影した二次電子像組織写真を図1に示し、さら
にその粒界部をオージェ電子分光装置(AES)を用い
て撮影したSiのオージェ電子像写真を図2に示す。図
2の粒界部のオージェ電子像写真において白点がSiO
2粒子であり、SiO2粒子が粒界部のフェライト相中に
分散していることが分かる。さらにこれから本発明複合
軟磁性焼結材60〜66について相対密度を測定し、そ
の結果を表14に示した。さらに、本発明複合軟磁性焼
結材60〜66について表14に示される周波数の高周
波における比透磁率をインピーダンスアナライザで測定
し、その結果を表14に示した。
ダー被覆法により金属軟磁性粉末の表面にスピネル構造
を有するフェライト層が被覆されている複合軟磁性粉末
AB,BB,CB,DB,EB、FBおよびGBにSi
O2粉末を0.05〜1.0質量%添加し混合しホット
プレスして得られた本発明複合軟磁性焼結材60〜66
は、表7の従来複合軟磁性焼結材に1〜7比べて高密度
を有すると共に高周波における比透磁率が優れているこ
とが分かる。
B,BB,CB,DB,EB、FBおよびGBを表15
に示す割合となるように混合し、得られた混合粉末を1
0ton/cm2の高圧成形を行なうことにより外径:
35mm、内径:25mm、高さ:5mmのリング状焼
結体からなる本発明複合軟磁性焼結材67〜76を作製
した。このようにして得られた本発明複合軟磁性焼結材
67〜76について相対密度を測定し、その結果を表1
5に示した。さらに、本発明複合軟磁性焼結材67〜7
6について表15に示される周波数の高周波における比
透磁率をインピーダンスアナライザで測定し、その結果
を表15に示した。
末の表面にスピネル構造を有し異なる成分組成のフェラ
イト層が被覆されている複合軟磁性粉末を混合し燒結し
て得られた本発明複合軟磁性焼結材67〜76は、表7
の従来複合軟磁性焼結材1〜7に比べて高密度を有する
と共に高周波における比透磁率が優れていることが分か
る。
B〜GBを2種以上混合し、さらに平均粒径:50nm
を有するSiO2粉末を表16に示される割合で配合し
混合し、得られた混合粉末を800℃、2ton/cm
2の条件でホットプレスすることにより外径:35m
m、内径:25mm、高さ:5mmのリング状焼結体か
らなる本発明複合軟磁性焼結材77〜82を作製した。
このようにして得られた本発明複合軟磁性焼結材77〜
82について相対密度を測定し、その結果を表16に示
した。さらに、本発明複合軟磁性焼結材77〜82につ
いて表16に示される周波数の高周波における比透磁率
をインピーダンスアナライザで測定し、その結果を表1
6に示した。
し異なる成分組成のフェライト層が被覆されている複合
軟磁性粉末にSiO2粉末を表16に示される割合で配
合し混合し燒結して得られた表16に示される本発明複
合軟磁性焼結材77〜82は、実施例2で作製した表7
で示される従来複合軟磁性燒結材1〜7に比べて高密度
を有すると共に高周波における比透磁率が優れているこ
とが分かる。
れ、さらに高周波の比透磁率の高い複合軟磁性焼結材を
提供することができ、電気および電子産業において優れ
た効果をもたらすものである。
ェ電子分光装置(AES)により撮影した二次電子像組
織写真である。
ェ電子分光装置(AES)により撮影したSiのオージ
ェ電子像写真である。
Claims (10)
- 【請求項1】鉄粒子、Fe−Si系鉄基軟磁性合金粒
子、Fe−Al系鉄基軟磁性合金粒子、Fe−Si−A
l系鉄基軟磁性合金粒子、Fe−Cr系鉄基軟磁性合金
粒子またはニッケル基軟磁性合金粒子がスピネル構造を
有するフェライト相により被覆されて分散しており、該
フェライト相中には平均粒径:100nm以下の二酸化
ケイ素粒子が分散している組織を有する複合軟磁性焼結
材であって、該二酸化ケイ素粒子は0.05〜1.0質
量%含まれていることを特徴とする高密度および高透磁
性を有する複合軟磁性焼結材。 - 【請求項2】鉄粒子、Fe−Si系鉄基軟磁性合金粒
子、Fe−Al系鉄基軟磁性合金粒子、Fe−Si−A
l系鉄基軟磁性合金粒子、Fe−Cr系鉄基軟磁性合金
粒子またはニッケル基軟磁性合金粒子が成分組成の異な
るスピネル構造を有するフェライト相で被覆されて分散
している組織を有することを特徴とする高密度および高
透磁性を有する複合軟磁性焼結材。 - 【請求項3】鉄粒子、Fe−Si系鉄基軟磁性合金粒
子、Fe−Al系鉄基軟磁性合金粒子、Fe−Si−A
l系鉄基軟磁性合金粒子、Fe−Cr系鉄基軟磁性合金
粒子またはニッケル基軟磁性合金粒子が成分組成の異な
るスピネル構造を有するフェライト相により被覆されて
分散しており、該フェライト相中には平均粒径:100
nm以下の二酸化ケイ素粒子が分散している組織を有す
る複合軟磁性焼結材であって、該二酸化ケイ素粒子は
0.05〜1.0質量%含まれていることを特徴とする
高密度および高透磁性を有する複合軟磁性焼結材。 - 【請求項4】鉄粉末、Fe−Si系鉄基軟磁性合金粉
末、Fe−Al系鉄基軟磁性合金粉末、Fe−Si−A
l系鉄基軟磁性合金粉末、Fe−Cr系鉄基軟磁性合金
粉末またはニッケル基軟磁性合金粉末の表面にスピネル
構造を有するフェライト層が被覆されている複合軟磁性
粉末に、平均粒径:1〜100nmの二酸化ケイ素粉末
を0.05〜1.0質量%添加し混合して混合粉末を作
製し、得られた混合粉末を圧粉成形、高圧成形、温間成
形または冷間静水圧成形したのち焼結することを特徴と
する請求項1記載の高密度および高透磁性を有する複合
軟磁性焼結材の製造方法。 - 【請求項5】鉄粉末、Fe−Si系鉄基軟磁性合金粉
末、Fe−Al系鉄基軟磁性合金粉末、Fe−Si−A
l系鉄基軟磁性合金粉末、Fe−Cr系鉄基軟磁性合金
粉末またはニッケル基軟磁性合金粉末の表面にスピネル
構造を有するフェライト層が被覆されている複合軟磁性
粉末に、平均粒径:1〜100nmの二酸化ケイ素粉末
を0.05〜1.0質量%添加し混合して混合粉末を作
製し、得られた混合粉末を熱間静水圧成形またはホット
プレスすることを特徴とする請求項1記載の高密度およ
び高透磁性を有する複合軟磁性焼結材の製造方法。 - 【請求項6】鉄粉末、Fe−Si系鉄基軟磁性合金粉
末、Fe−Al系鉄基軟磁性合金粉末、Fe−Si−A
l系鉄基軟磁性合金粉末、Fe−Cr系鉄基軟磁性合金
粉末またはニッケル基軟磁性合金粉末の表面に成分組成
の異なったスピネル構造を有するフェライト層が被覆さ
れている2種以上の複合軟磁性粉末を用意し、この2種
以上の複合軟磁性粉末を混合し圧粉成形、高圧成形、温
間成形または冷間静水圧成形したのち焼結することを特
徴とする請求項2記載の高密度および高透磁性を有する
複合軟磁性焼結材の製造方法。 - 【請求項7】鉄粉末、Fe−Si系鉄基軟磁性合金粉
末、Fe−Al系鉄基軟磁性合金粉末、Fe−Si−A
l系鉄基軟磁性合金粉末、Fe−Cr系鉄基軟磁性合金
粉末またはニッケル基軟磁性合金粉末の表面に成分組成
の異なったスピネル構造を有するフェライト層が被覆さ
れている2種以上の複合軟磁性粉末を用意し、この2種
以上の複合軟磁性粉末を混合し熱間静水圧成形またはホ
ットプレスすることを特徴とする請求項2記載の高密度
および高透磁性を有する複合軟磁性焼結材の製造方法。 - 【請求項8】鉄粉末、Fe−Si系鉄基軟磁性合金粉
末、Fe−Al系鉄基軟磁性合金粉末、Fe−Si−A
l系鉄基軟磁性合金粉末、Fe−Cr系鉄基軟磁性合金
粉末またはニッケル基軟磁性合金粉末の表面に成分組成
の異なったスピネル構造を有するフェライト層が被覆さ
れている2種以上の複合軟磁性粉末を用意し、この2種
以上の複合軟磁性粉末の混合粉末にさらに平均粒径:1
〜100nmの二酸化ケイ素粉末を0.05〜1.0質
量%添加し混合して混合粉末を作製し、得られた混合粉
末を圧粉成形、高圧成形、温間成形または冷間静水圧成
形したのち焼結することを特徴とする請求項3記載の高
密度および高透磁性を有する複合軟磁性焼結材の製造方
法。 - 【請求項9】鉄粉末、Fe−Si系鉄基軟磁性合金粉
末、Fe−Al系鉄基軟磁性合金粉末、Fe−Si−A
l系鉄基軟磁性合金粉末、Fe−Cr系鉄基軟磁性合金
粉末またはニッケル基軟磁性合金粉末の表面に成分組成
の異なったスピネル構造を有するフェライト層が被覆さ
れている2種以上の複合軟磁性粉末を用意し、この2種
以上の複合軟磁性粉末の混合粉末にさらに平均粒径:1
〜100nmの二酸化ケイ素粉末を0.05〜1.0質
量%添加し混合して混合粉末を作製し、得られた混合粉
末を熱間静水圧成形またはホットプレスすることを特徴
とする請求項3記載の高密度および高透磁性を有する複
合軟磁性焼結材の製造方法。 - 【請求項10】前記鉄粉末、Fe−Si系鉄基軟磁性合
金粉末、Fe−Al系鉄基軟磁性合金粉末、Fe−Si
−Al系鉄基軟磁性合金粉末、Fe−Cr系鉄基軟磁性
合金粉末またはニッケル基軟磁性合金粉末の表面にスピ
ネル構造を有するフェライト層が被覆されている複合軟
磁性粉末は、フェライト層を化学メッキ法、高速衝撃撹
拌被覆法またはバインダー被覆法により前記鉄粉末、F
e−Si系鉄基軟磁性合金粉末、Fe−Al系鉄基軟磁
性合金粉末、Fe−Si−Al系鉄基軟磁性合金粉末、
Fe−Cr系鉄基軟磁性合金粉末またはニッケル基軟磁
性合金粉末の表面に形成した複合軟磁性粉末であること
を特徴とする請求項4、5、6、7、8または9記載の
高密度および高透磁性を有する複合軟磁性焼結材の製造
方法。
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- 2002-04-02 JP JP2002099678A patent/JP3946073B2/ja not_active Expired - Fee Related
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