JP2003105296A - 感圧接着性樹脂組成物及びこれを用いた感圧接着シート - Google Patents

感圧接着性樹脂組成物及びこれを用いた感圧接着シート

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JP2003105296A
JP2003105296A JP2001301185A JP2001301185A JP2003105296A JP 2003105296 A JP2003105296 A JP 2003105296A JP 2001301185 A JP2001301185 A JP 2001301185A JP 2001301185 A JP2001301185 A JP 2001301185A JP 2003105296 A JP2003105296 A JP 2003105296A
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meth
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JP2001301185A
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Hajime Miyanaga
肇 宮永
Shinya Miyata
進也 宮田
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Chuo Rika Kogyo Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インクジェット用インクの定着性を向上さ
せ、インク塗工良好な感圧接着性樹脂組成物を提供する
ことを目的とする。 【解決手段】 炭素数1〜12のアルキル基を有する
(メタ)アクリル酸アルキルエステル80〜98重量
%、及び炭素数1〜8のヒドロキシアルキル基を有する
(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル2〜2
0重量%を含有する重合性単量体混合物を反応性乳化剤
の存在下で乳化重合して得られた、ガラス転移温度が0
〜−70℃のアクリル系重合体、並びにこのアクリル系
重合体100重量部に対してモルホリノ基を有する化合
物を0.5〜8重量部含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、インクジェット
用インクによる印刷が可能な感圧接着シート、及びこれ
に使用される感圧接着性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、圧着用紙を用いた2つ折りはがき
や3つ折りはがきの用途が拡大している。これらの圧着
用紙は、支持体に通常状態では粘着性、接着性のいずれ
も示さず、加圧時に接着性を示す感圧接着塗液を塗布し
て感圧接着層を形成させ、用紙を折り畳んで感圧接着層
同士を対面させ、圧力をかけて接着させるものである。
【0003】この加圧しての接着は、加圧の程度によ
り、接着後に剥離を可能とすることができ、また、剥離
不能とすることもできる。この圧着用紙は、圧着させる
前の感圧接着層に印字して圧着させることによって密封
し、また、開封することによってその内容を確認でき
る。
【0004】このような圧着用紙は、上記の通り、感圧
接着層の上に印字して別の感圧接着層と加圧により貼合
せ、かつ再度それぞれを剥離して内容を確認するため、
印字した内容が対面の感圧接着層に転写するという、い
わゆる裏写り、インク写りの問題があった。このような
裏写りの現象を避けるために、印字した後にインク(ま
たはトナー)を熱で定着する印字方式(電子写真、レー
ザープリンターなど)がとられていた。
【0005】しかしながら、このような熱定着の方式は
印字面(感圧接着面)および紙自体に過度の熱を与え、
その水分を奪うため、感圧接着面が乾燥し圧着性が低下
したり、過度の加熱により感圧接着面を構成する接着成
分の一部が熱分解し、異臭を発生して作業環境を悪化さ
せるという問題を有していた。
【0006】ところで、印字方式としては、最近、イン
クジェット印字方式が、漢字を含め各種図形およびカラ
ー画像などの記録装置として種々の用途において急速に
普及している。このインクジェット印字方式は、種々の
作動原理によりインクの微小液滴を飛翔させて紙などの
記録シートに付着させ、画像・文字などの印刷を行なう
ものであり、高速、低騒音、多色化が容易、記録パター
ンの融通性が大きい、現像−定着が不要である等の特徴
を有する。さらに、多色インクジェット方式により形成
される画像は、製版方式による多色印刷に比較して遜色
のない印刷を得ることが可能である。また、作成部数が
少なくて済む用途においては、安価であることからフル
カラー画像記録分野にまで広く応用されつつある。
【0007】このインクジェット印字方式で使用される
シートとしては、通常の印刷や筆記に使われる上質紙や
コーテッド紙を使うべく、装置やインク組成の面から努
力がなされてきた。しかし、装置の高速化・高精細化あ
るいはフルカラー化などインクジェット印刷装置の性能
の向上や用途の拡大に伴い、シートに対してもより高度
な特性が要求されるようになった。即ち、このシートと
しては、印字ドットの濃度が高く色調が明るく鮮やかで
あること、インクの吸収が早く印字ドットが重なった場
合においてもインクが流れ出したり滲んだりしないこ
と、印字ドットの横方向への拡散が必要以上に大きくな
く、且つ周辺が滑らかでぼやけないこと等の高い画像再
現性が要求される。また、インクが水溶性であるために
印字後に水に濡れると印字がにじんで読めなくなるとい
う問題があった。
【0008】これに対し、特開平9−39378号公報
に開示されているように、4級アンモニウムカチオンや
3級アミノ基を有する化合物を添加した感圧接着層を積
層した感圧シートを用いることにより、インクジェット
印字方式において、インクの定着性及び耐水性を向上さ
せた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、インクジェッ
ト用インク中の染顔料としてはアニオン性のものが多
く、感圧接着層中にはこのインクの定着性を向上させる
ため、カチオン系定着剤を使用する場合が多い。このカ
チオン系定着剤と感圧接着層中の感圧接着剤との相溶性
が不十分な場合、インクジェット用インクの定着性が不
十分でインクの塗工が不良となる場合があった。
【0010】そこで、この発明は、インクジェット用イ
ンクの定着性を向上させ、インク塗工性が良好な感圧接
着性樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明は、炭素数1〜
12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキル
エステル80〜98重量%、及び炭素数1〜8のヒドロ
キシアルキル基を有する(メタ)アクリル酸ヒドロキシ
アルキルエステル2〜20重量%を含有する重合性単量
体混合物を反応性乳化剤の存在下で乳化重合して得られ
た、ガラス転移温度が0〜−70℃のアクリル系重合
体、並びにこのアクリル系重合体100重量部に対して
モルホリノ基を有する化合物を0.5〜8重量部含有し
た感圧接着性樹脂組成物を提供することにより上記の課
題を解決したのである。
【0012】炭素数1〜8のヒドロキシアルキル基を有
する(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルを
含有する重合性単量体混合物を乳化重合して得られた所
定のアクリル系樹脂、及びモルホリノ基を有する化合物
を含有する組成物を使用するので、接着成分の親水性を
向上させることができ、同時に添加されるカチオン系化
合物との相溶性を向上させることができる。このため、
インクジェット用インクの定着性が向上し、インク塗工
性が良好な感圧接着性樹脂組成物が得られる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態を説明
する。この発明にかかる感圧接着性樹脂組成物は、炭素
数1〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸ア
ルキルエステル、及び炭素数1〜8のヒドロキシアルキ
ル基を有する(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエ
ステルを含有する重合性単量体混合物を反応性乳化剤の
存在下で乳化重合して得られたアクリル系重合体、並び
にモルホリノ基を有する化合物を含有した組成物であ
る。
【0014】上記の炭素数1〜12のアルキル基を有す
る(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、上記感圧接
着性樹脂組成物に含まれる接着成分の構成モノマーの一
種であり、例としては、(メタ)アクリル酸メチル、
(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチ
ル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)
アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸イソオク
チル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリ
ル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メ
タ)アクリル酸ステアリル等があげられる。
【0015】上記の炭素数1〜8のヒドロキシアルキル
基を有する(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエス
テルは、上記感圧接着性樹脂組成物に含まれる接着成分
の構成モノマーの一種であり、例としては、(メタ)ア
クリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2
−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキ
シプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル
等があげられる。なお、上記の「(メタ)アクリル酸エ
ステル」は、「アクリル酸エステル又はメタクリル酸エ
ステル」を意味する。
【0016】上記反応性乳化剤とは、重合反応で重合体
に取り込まれる乳化剤であり、得られる感圧接着性樹脂
組成物にカチオン性化合物を混合するので、このカチオ
ン性化合物との混和安定性を阻害しないものが好まし
い。このような反応性乳化剤としては、カチオン性反応
性乳化剤やノニオン性反応性乳化剤等があげられる。こ
の中でも、乳化重合時の重合安定性の面から、ノニオン
性反応性乳化剤が好ましい。このノニオン性反応性乳化
剤の具体例としては、第一工業製薬(株)製:アクアロ
ンRN−20、旭電化工業(株)製:アデカリアソープ
NE−20等があげられる。
【0017】上記の炭素数1〜12のアルキル基を有す
る(メタ)アクリル酸アルキルエステルと炭素数1〜8
のヒドロキシアルキル基を有する(メタ)アクリル酸ヒ
ドロキシアルキルエステルとの混合比は、炭素数1〜1
2のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエ
ステルが80〜98重量%、炭素数1〜8のヒドロキシ
アルキル基を有する(メタ)アクリル酸ヒドロキシアル
キルエステルが2〜20重量%がよい。炭素数1〜8の
ヒドロキシアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アル
キルエステルの混合量が上記範囲より少ないと、インク
受理性に劣る場合があり、一方、上記範囲より多いと、
印字耐水性に劣る場合がある。
【0018】上記重合性単量体混合物には、上記の炭素
数1〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸ア
ルキルエステル及び炭素数1〜8のヒドロキシアルキル
基を有する(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエス
テル以外に、得られるアクリル系重合体の特性に影響を
与えない範囲で、他の単量体を混合することができる。
【0019】乳化重合方法は、特に限定されるものでは
なく、通常の方法で行えばよい。すなわち、上記反応性
乳化剤の存在下において、所定温度下、水媒体中、撹拌
下で上記重合性単量体混合物及び重合開始剤を一括で供
給するか、又は連続的に供給することにより行うことが
できる。上記重合性単量体混合物は、そのままで供給す
るか、又は水と上記反応性乳化剤によってモノマーエマ
ルジョンの状態にして供給することができる。上記重合
性単量体混合物の濃度は、仕込みの全量に対し、30〜
70重量%がよく、35〜60重量%が好ましい。
【0020】上記重合開始剤としては、過酸化物系開始
剤、過硫酸塩系開始剤、アゾ系開始剤等があげられる。
このなかでも、過酸化物系開始剤及びアゾ系開始剤が好
ましく、特にアゾ系開始剤が好ましい。アゾ系開始剤の
例としては、アゾビスイソチロニトリル、アゾビスシア
ノバレリアン酸、アゾビスシアノペンタン酸、アゾビス
−2−アミジノプロパン塩酸塩等があげられる。
【0021】上記重合開始剤の使用量は、上記重合性単
量体混合物全量に対し、0.05〜5重量%がよく、
0.2〜3重量%が好ましい。0.05重量%より少な
いと、重合反応性が不十分となり、一方、5重量%より
多いと、低分子量成分が生成しやすくなり好ましい。
【0022】上記乳化重合における反応温度は、40〜
90℃がよく、50〜75℃が好ましい。重合温度が高
すぎると、低分子量成分が生成しやすくなり、一方、重
合温度が低すぎると、重合時間が長くなりすぎる場合が
ある。また、上記乳化重合における反応時間は、1〜1
6時間がよく、2〜8時間が好ましい。
【0023】得られるアクリル系重合体のガラス転移温
度は、0〜−70℃であることが必要で、−10〜−6
0℃が好ましい。0℃より高いと、接着力が不十分とな
りやすく、−70℃より低いと、耐ブロッキング性が劣
る傾向となる。
【0024】なお、上記のアクリル系重合体のガラス転
移温度は、各モノマー成分により形成されるホモポリマ
ーのガラス転移温度から次式により求めることができ
る。1/Tg=W1/Tg1+W2/Tg2+……+W
n/Tgn但し、Tg:重合体のガラス転移温度(絶対
温度)、W1〜Wn:モノマー成分1〜nの重量分率、
Tg1〜Tgn:モノマー成分1〜nのホモポリマーの
ガラス転移温度(絶対温度)
【0025】計算に用いたホモポリマーのガラス転移温
度の例を挙げると、以下の通りである。アクリル酸メチ
ル:+8℃、アクリル酸エチル:−19℃、アクリル酸
ブチル:−52℃、アクリル酸2−エチルヘキシル:−
74℃、アクリル酸2−メトキシエチル:−45℃、ア
クリル酸2−エトキシエチル:−50℃、メタクリル酸
メチル:120℃、スチレン:105℃、酢酸ビニル:
29℃、アクリロニトリル:104℃、アクリル酸:1
06℃、メタクリル酸:185℃
【0026】上記モルホリノ基を有する化合物は、得ら
れる感圧接着性樹脂組成物の親水性を高め、上記カチオ
ン性化合物との相溶性を高めるために用いられる。この
モルホリノ基を有する化合物の例としては、モルホリ
ン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン等が
あげられる。
【0027】上記モルホリノ基を有する化合物の添加量
は、上記アクリル系重合体100重量部に対して、0.
5〜8重量部がよく、1〜3重量部が好ましい。0.5
重量部より少ないと、印字耐水性が劣る傾向となる。一
方、8重量部より多いと、組成物の粘度が高くなって作
業性が悪化する場合がある。
【0028】上記モルホリノ基を有する化合物の添加方
法は、常温で上記アクリル系重合体に添加混合すればよ
いが、特に、上記重合性単量体混合物を上記反応性乳化
剤の存在下で乳化重合させ、その重合反応率が95重量
%に達した後に、上記モルホリノ基を有する化合物を添
加し、その後熟成反応する方法を採用すると、優れたイ
ンクジェット印字適正及び接着性を有する感圧接着性樹
脂組成物を得ることができる。これは、エマルジョン粒
子の表層にモルホリノ基を有する化合物からなる吸着層
ができて偏在化し、この層がインクジェット印字適性、
接着物性に寄与しているためと考えられる。
【0029】この発明にかかる感圧接着性樹脂組成物に
は、上記のアクリル系重合体及びモルホリノ基を有する
化合物以外の添加剤として、分散剤、増粘剤、流動性改
良剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、着色
染料、着色顔料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止
剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤、湿潤紙力増強剤、乾
燥紙力増強剤、帯電防止剤、老化防止剤、などを適宜配
合することもできる。
【0030】上記の感圧接着性樹脂組成物は、通常状態
では粘着性も接着性も示さないが、強い圧力により接着
可能となるものであり、ラベルや粘着テープに用いてい
る通常粘着性のある感圧接着剤とは異なる。したがっ
て、この感圧接着性樹脂組成物には、通常状態では粘着
性も接着性も示さないが、強い圧力により接着可能とな
るものである。この感圧接着性樹脂組成物は、これから
なる層同士を重ね合わせて圧力を加えることで接着する
ことが可能で、感圧接着層の接着性の制御、あるいは加
える圧力の加減により、接着後に剥離可能に接着させる
ことも、接着後に剥離不能なまでに強接着させることも
可能である。
【0031】この発明にかかる感圧接着性樹脂組成物
に、カチオン性化合物及び必要に応じて他の添加物を混
合することによりコールドシール用接着剤組成物が作製
される。このコールドシール用接着剤組成物を紙等に積
層すると、感圧接着層であるインクジェット受容層が形
成され、感圧接着シートが得られる。
【0032】上記のカチオン性化合物としては、第4級
アンモニウム基を有するカチオン性化合物があげられ
る。この具体例としては、ジアリルジメチルアンモニウ
ムクロライド共重合物及びその誘導体等があげられる。
【0033】上記の感圧接着性樹脂組成物にカチオン性
化合物を加えることにより、上記インクジェット受容層
の表面にインクジェット用インクによる印刷をした後、
この記録面が水に濡れた場合、この印刷が水に流れず、
印字がにじまない、すなわち耐水性が生じる。また、上
記感圧接着性樹脂からなる層へのインクジェット用イン
クによる印刷後のインクの定着性が向上するため、圧着
後に剥離してもインクの対面への転写、いわゆる裏写り
が抑制され、圧着面全面にわたって読みやすい印刷とな
る。
【0034】上記カチオン性化合物の添加量は、上記感
圧接着性樹脂組成物の固形分100重量部に対して、2
〜80重量部がよく、10〜50重量部が好ましい。2
重量部より少ないと、インク受理性に劣る場合があり、
一方、80重量部より多いと、印字耐水性に劣る場合が
ある。
【0035】上記のインクジェット用インクとは、特に
インクジェット印字方式に用いられるインクで、下記の
着色剤、液媒体、その他の添加剤からなる印字用液体で
ある。上記着色剤としては、直接染料、酸性染料、塩基
性染料、反応性染料あるいは食品用色素などの水溶性染
料があげられる。
【0036】インクの溶媒としては、水および水溶性の
各種有機溶剤、例えば、メチルアルコール、エチルアル
コール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコ
ール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコー
ル、tert−ブチルアルコール、イソブチルアルコー
ル等の炭素数1〜4のアルキルアルコール類、ジメチル
ホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類、ア
セトン、ジアセトンアルコール等のケトン又はケトンア
ルコール類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエー
テル類、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリ
コール等のポリアルキレングリコール類、エチレングリ
コール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、
トリエチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオ
ール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエ
チレングリコール等のアルキレン基が2〜6個のアルキ
レングリコール類、グリセリン、エチレングリコールメ
チルエーテル、ジエチレングリコールメチル(又はエチ
ル)エーテル、トリエチレングリコールモノメチルエー
テル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類等が
あげられる。これらの多くの水溶性有機溶剤の中でも、
ジエチレングリコールなどの多価アルコール、トリエチ
レングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリ
コールモノエチルエーテルなどの多価アルコールの低級
アルキルエーテルが好ましい。その他の添加剤として
は、例えば、pH調節剤、金属封鎖剤、防カビ剤、粘度
調整剤、表面張力調整剤、湿潤剤、界面活性剤、および
防錆剤などが挙げられる。
【0037】上記の感圧接着シートは、上記インクジェ
ット受容層上にインクジェット用インクで印刷され、こ
の感圧接着シートを折り曲げるか、又は他の感圧接着シ
ートのインクジェット受容層と重ね合わせて、面加圧で
は80〜100kg/cm2程度の圧力、線圧の場合は
80〜100kg/cm程度の圧力を加えて接着、すな
わち、圧着して、印刷内容を隠す。そして、その印刷内
容を確認するときは、接着させた感圧接着シート同士を
剥がすことにより、確認できる。
【0038】
【実施例】以下、本発明を実施例を用いてより詳細に説
明する。 (実施例1)撹拌装置、還流冷却管、温度計及び滴下ロ
ートを備えた反応容器に、水160g、反応性乳化剤
(第一工業製薬(株)製;アクアロンRN−20)0.
5gを仕込み、60℃に昇温した。一方、メタクリル酸
メチル(MMA)25g、メタクリル酸2−ヒドロキシ
エチル(HEMA)45g、アクリル酸2−エチルヘキ
シル(2EHA)425g、アクリルアミド(AAM)
5g、上記反応性乳化剤10.5g及び水215gから
なる重合性単量体混合物を別途調製し、この重合性単量
体混合物18g(2.5%)を反応容器に仕込み、撹拌
しながら、アゾビス−2−アミジノプロパン塩酸塩(和
光純薬(株)製;V−50)の30重量%水溶液6.5
gを加えて初期反応を開始し、約15分後に残りの重合
性単量体混合物を滴下ロートにて上記反応容器内に4時
間かけて連続滴下した。このあいだ、重合温度は60℃
に保ち、滴下終了後、60℃で熟成反応を1時間行った
後、75℃に昇温した。液温が75℃になった時点で、
モルホリン(和光純薬(株)製;試薬特級)の50%水
溶液20gを加えた後に、更に75℃で熟成反応を3時
間行った。反応後、反応液を30℃に放冷し、水327
gを添加希釈して、不揮発分42重量%、粘度1490
0mPa・s、pH9.1の水性エマルジョンであるア
クリル系重合体(以下、「重合体1」と称する。)を得
た。得られた重合体1中のガラス転移温度(Tg)は、
−55℃であった。
【0039】(実施例2〜6)実施例1において、重合
性単量体の組成とモルホリン量を表1に記載の量とした
以外は、実施例1と同様にして水性エマルジョンである
アクリル系重合体(重合体2〜重合体6)を得た。なお
表1において、EAはアクリル酸エチルを示す。
【0040】(実施例7)実施例1において、熟成反応
時にはモルホリンを添加せず、熟成反応終了後、反応液
を30℃に冷却し、水327gを添加希釈した後に実施
例1に記載のモルホリンの50重量%水溶液20gを加
えて均一撹拌混合し、水性エマルジョンであるアクリル
系重合体(重合体7)を得た。
【0041】(比較例1)実施例1において、反応性乳
化剤の代わりに、汎用の乳化剤であるノニオン性のポリ
オキシエチレンラウリルエーテル(花王(株)製;エマ
ルゲン147)を用いて乳化重合を行った以外は、実施
例1と同様にして水性エマルジョン(以下、「比較重合
体1」と称する。)を得た。
【0042】(比較例2)実施例1において、熟成反応
時にモルホリンを添加せず、熟成反応を行った以外は、
実施例1と同様にして水性エマルジョン(比較重合体
2)を得た。
【0043】(比較例3、4)実施例1において、重合
性単量体混合物の組成を表1に記載の組成とした以外
は、実施例1と同様にして水性エマルジョン(比較重合
体3、比較重合体4)を得た。なお、表1においてMA
は、アクリル酸メチルを示す。
【0044】[性能評価試験]重合体1〜7、及び比較
重合体1〜3のそれぞれに、不揮発分100重量部に対
して小麦粉デンプン(平均粒径30μm)25重量部と
シリカ粉末(平均粒径1.5μm)25重量部及びカチ
オン性化合物(住友化学(株)製;スミレーズ100
1)5重量部を配合して、コールドシール用接着剤組成
物を得た。このコールドシール用接着剤組成物を上質紙
に8g/cm2となるようにバーコーダーを用いて塗布
し、熱風循環乾燥機を用いて105℃で2分間乾燥し、
感圧接着シートを得た。得られた感圧接着シートを用い
て、下記の試験を行った。その結果を表2に示す。
【0045】<耐ブロッキング性>コールドシール用接
着剤組成物の塗工面と非塗工面とを重ね合わせ、50℃
の恒温乾燥機中で100g/m2の加圧下で16時間放
置した。その後、解圧、冷却後、手で剥離した。このと
き、剥離時に抵抗が少なく、容易に剥離できたものを
◎、抵抗が大きく剥離が困難なもの又は破壊するものを
×、それらの中間程度のものを○とした。
【0046】<インク受理性>市販のカラーインクジェ
ットプリンター(MJ−700V2C、エプソン製)を
用いて、コールドシール用接着剤組成物の塗工面に印刷
を行った。印字の鮮明さを目視で判断した。鮮明な画
像、印字が得られるものを◎、やや鮮明さに欠けるが画
像や印字の解読に支障のないものを○、画像がぼやけて
不鮮明なものを×とした。
【0047】<接着性>コールドシール用接着剤組成物
の塗工面同士を100kg/cmの線圧で圧着し、幅2
5mmの測定試料を得た。これらの試料について、T字
剥離で剥離し、剥離の状態および剥離した面の状態を評
価した。綺麗に剥離したものを◎、接着力がやや弱い
が、実用上問題のないレベルを○、紙質破壊が起こる又
は接着力が低く剥がれ実用上問題となるレベルのものを
×とした。
【0048】<印字裏写り>上記の市販のカラーインク
ジェットプリンターを用いて、コールドシール用接着剤
組成物の塗工面に印刷を行った。その後、感圧接着層を
内側にして2つ折りにし、圧着ローラーにより100k
g/cmの線圧にて圧着を行った。そして、これを剥が
して、印刷部分の接する対面へのインクの移行程度(裏
写り)を目視で判定した。裏写りが全く無く、対面がき
れいなままのものを◎、裏写りするが対面の記録の判読
にさしつかえないものを○、インクの半分程度が移行
し、対面の記録の判読が全くできないレベルを×とし
た。
【0049】<印字耐水性>上記の市販のカラーインク
ジェットプリンターを用いて、コールドシール用接着剤
組成物の塗工面に印刷を行った。その後、印刷部分に水
をたらして5分後の状態を観察した。画像、印字に全く
ニジミがなく鮮明なままであるものを◎、ややニジミが
生じるが記録内容の解読に支障のないものを○、記録内
容がにじんでほとんど判読できないものを×とした。
【0050】<塗工液粘度>コールドシール用接着剤組
成物の粘度が低く、作業性が良好のものを◎、粘度が高
く、作業性に支障をきたすものを×、上記の中間程度の
ものを○とした。
【0051】
【表1】
【0052】
【表2】
【0053】[結果]実施例1〜7から明らかなよう
に、反応性乳化剤の存在下、2〜20重量%のHEMA
を用いて乳化重合し、ガラス転移点0〜−70℃のアク
リル重合体を得、このアクリル重合体100重量部に対
してモルホリン0.5〜8重量部を添加して得られた感
圧接着性樹脂組成物は、適切な配合を行うことで、作業
性良好でかつ低粘度なコールドシール用接着剤組成物が
得られ、また、優れたインクジェット印刷適性、印字耐
水性、良好な裏写り性、及びコールドシール接着性と耐
ブロッキング性とのバランスを有した感圧接着シートが
得られる。
【0054】
【発明の効果】この発明にかかる感圧接着性樹脂組成物
として、炭素数1〜8のヒドロキシアルキル基を有する
(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルを含有
する重合性単量体混合物を乳化重合して得られた所定の
アクリル系樹脂、及びモルホリノ基を含有する組成物を
使用するので、接着成分の親水性を向上させることがで
き、添加されるカチオン系化合物との相溶性を向上させ
ることができる。このため、インクジェット用インクの
定着性が向上し、インク塗工良好な感圧接着性樹脂組成
物が得られる。
【0055】また、この感圧接着性樹脂組成物からなる
感圧接着層の表面にインクジェット用インクで印刷する
と、インクの濡れ定着性が向上するため、印字濃度が顕
著に向上し、さらに、印刷面が水に濡れても印刷が滲ま
ない耐水性が生じる。
【0056】さらにまた、感圧接着層同士を加圧して接
着、すなわち圧着した後、剥離しても、インクの対面へ
の転写、いわゆる裏写りが抑制される。
【0057】また、感圧接着層のタックが低下し、ブロ
ッキングが生じにくくなり、圧着後の接着力も適度の剥
離強度が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C056 EA13 FC06 2H086 BA15 BA34 BA37 4J004 AA10 AA17 AB01 4J040 DF021 GA05 HC22 JA09 JB09

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素数1〜12のアルキル基を有する
    (メタ)アクリル酸アルキルエステル80〜98重量
    %、及び炭素数1〜8のヒドロキシアルキル基を有する
    (メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル2〜2
    0重量%を含有する重合性単量体混合物を反応性乳化剤
    の存在下で乳化重合して得られた、ガラス転移温度が0
    〜−70℃のアクリル系重合体、並びにこのアクリル系
    重合体100重量部に対してモルホリノ基を有する化合
    物を0.5〜8重量部含有した感圧接着性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 上記重合性単量体混合物を乳化重合さ
    せ、その重合反応率が95重量%に達した後に、上記モ
    ルホリノ基を有する化合物を添加する請求項1に記載の
    感圧接着性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の感圧接着性樹脂
    組成物及びカチオン性化合物を含有するインクジェット
    受容層を有する感圧接着シート。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012214045A (ja) * 2011-03-31 2012-11-08 Nippon Paper Industries Co Ltd インクジェット用圧着紙
JP2014065208A (ja) * 2012-09-26 2014-04-17 Nippon Paper Industries Co Ltd インクジェット用圧着紙

Cited By (3)

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JP2012214045A (ja) * 2011-03-31 2012-11-08 Nippon Paper Industries Co Ltd インクジェット用圧着紙
JP2012214044A (ja) * 2011-03-31 2012-11-08 Nippon Paper Industries Co Ltd インクジェット用圧着紙
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