JP2003105097A - ゴム組成物およびそれを用いた電解コンデンサ用封口体並びにその製造方法 - Google Patents

ゴム組成物およびそれを用いた電解コンデンサ用封口体並びにその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 過酸化物架橋したブチルゴムより更に耐熱性
が良好で高温でも長寿命とすることができるゴム組成物
および電解コンデンサ用封口体並びに製造方法を提供す
る。 【解決手段】 水素化シランで架橋可能なゴムポリマー
を水素化シランで架橋し、ジビニルベンゼンを過酸化物
で再架橋させる。さらに、水素化シランで架橋可能なゴ
ムポリマーを水素化シランで架橋する工程と、その架橋
物をさらにジビニルベンゼンを添加した後に過酸化物で
再架橋する工程からなる製造方法によってできるゴム組
成物およびそれから構成される電解コンデンサ用封口体
は、従来よりも物性が向上し、寿命特性も向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、新規なゴム組成物お
よびそれを使用した電解コンデンサ用封口体に係り、特
にジビニルベンゼンを過酸化物で再架橋することによ
り、耐熱性および物性の良好な新規のゴム組成物および
それを使用する電解コンデンサ用封口体およびその製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に電解コンデンサは、アルミニウム
等のバルブ金属箔の表面に誘電体酸化皮膜を設けたもの
を陽極箔とし、それに対極する陰極箔とをセパレーター
を介して巻き回してコンデンサ素子を作製し、そのコン
デンサ素子に駆動用電解液を含浸させてケース内に収納
し、このケースの開口部にコンデンサ素子から引き出さ
れるリード線を貫通させる封口体を封着して内部の駆動
用電解液が蒸発乾固しないように構成されており、この
誘電皮膜の薄さ、表面積の拡大、誘電率の高さ、駆動用
電解液が電極面に密着し、陰極体として働く等、小形で
大容量のものが得られる。さらに、内部に電解液を有す
るため高温で蒸発し易く、低温で固化し易いため、電解
コンデンサの性能は、電解液により影響されやすい。そ
のため、内部の電解液の蒸発を防止するために重要なの
は、駆動用電解液の構成材料との反応性、溶解性を左右
する封口体の性能であり、さらに寿命をも左右する。
【0003】このため、駆動用電解液の蒸発乾固を防ぐ
よう封口体の材料が検討されてきた。従来の封口体のゴ
ム組成物として、ブチルゴムが使用されてきた。ブチル
ゴムは、不飽和度が低く生理的に不活性で疎水性、耐熱
性、耐アルカリ性、耐候性に優れ、気体透過性が小さい
など数々の優れた特性を有するゴムで、接着剤、粘着
剤、シール材、医療用ゴム栓等に用いられている。ま
た、ガスバリヤー性に優れている点から、封口体として
使用した場合、ペーストとして反応せず、またペースト
の溶媒に制限を受けず、さらにペーストが蒸発しにくい
ため、電解コンデンサ用封口体の材料に使用されてき
た。
【0004】また、封止性、耐熱性が要求されるゴム組
成物として、イソブチレン・イソプレン・ジビニルベン
ゼンの3元共重合体であり、ハロゲンを含まずに過酸化
物架橋が可能なブチルポリマー(独バイエル社、商品名
XL−10000)を過酸化物架橋したブチルゴムが知
られている。これらの用途は、通常のパッキング剤、さ
らには電子部品の封止材などに使用されてきた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記ブ
チルゴムは、加硫成形が必要であり、イオウ加硫、キノ
イド加硫とフェノール樹脂などの樹脂加硫に限られてい
た。このイオウ加硫は、加硫時間が短く作業性が良い
が、熱ストレスに対して圧縮永久歪率が劣ったり、物理
的ストレスに弱い、さらに未反応の遊離イオウが駆動用
電解液に漏れるための腐食などの問題がある。また、キ
ノイド加硫は、イオウよりも結合力が強く架橋密度も上
がり、耐熱性に優れるが、反応不十分なキノイド基が残
りやすかったり、架橋しているキノイド環が大きく、溶
媒透過性が大きくなるなどの問題がある。樹脂加硫の場
合は、加硫に時間がかかることと、加硫剤中にハロゲン
を含む等の問題がある。さらに、過酸化物架橋が可能な
ブチルポリマーとして塩化ブチルや臭素化ブチルが市販
されているが、ハロゲンを含むため、電解コンデンサの
腐食を増長させる等致命的な欠陥を有しているため電解
コンデンサには使用できない。
【0006】また、ハロゲンを含まずに過酸化物架橋が
可能なブチルポリマーとして使用されているイソブチレ
ン・イソプレン・ジビニルベンゼンの3元共重合体は、
未架橋のまま溶かして使用するシーラント用途を前提に
開発されており、固形ゴムとしての加工性は極めて悪
く、このポリマーを用いた過酸化物架橋ブチルを生産し
ている場所も限られている。
【0007】一方で、これら電子部品等の分野におい
て、高温使用が進み、また硬度、強度等の物性の向上も
求められてきた。
【0008】本発明は、このような技術的背景に鑑みて
なされたものであり、本発明の目的の1つは前記の過酸
化物架橋したブチルゴムよりも更に耐熱性が良好で高温
でも長寿命とすることができるゴム組成物および電解コ
ンデンサ用封口体並びにその製造方法を提供することに
ある。
【0009】本発明の他の目的は、硬度および強度の優
れたゴム組成物および電解コンデンサ用封口体並びにそ
の製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに本発明においては、水素化シランで架橋可能なゴム
ポリマーに水素化シランで架橋し、このゴムポリマーに
ジビニルベンゼンを過酸化物で再架橋させてなるゴム組
成物を提供する。
【0011】また、前記水素化シランで架橋可能なゴム
ポリマーがアリル変性ポリイソブチレンであるゴム組成
物を提供する。
【0012】さらに、前記ジビニルベンゼンを1−80
重量%、好ましくは、10−40重量%添加するゴム組
成物を提供する。
【0013】また、前記過酸化物を0.1−10重量
%、好ましくは2−5重量%添加するゴム組成物を提供
する。
【0014】さらに、前記ゴム組成物からなる電解コン
デンサ用封口体を提供する。
【0015】また、水素化シランで架橋可能なゴムポリ
マーを水素化シランで架橋する工程と、その架橋物をさ
らにジビニルベンゼンを添加した後に過酸化物で再架橋
する工程とから構成されるゴム組成物の製造方法を提供
する。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を詳
細に説明する。
【0017】本発明のゴム組成物として、水素化シラン
で架橋可能なゴムポリマーは、水素化シランで架橋がで
きるものであれば、特に制限はないが、末端をビニル基
で変性したポリイソブチレン(アリル変性ポリイソブチ
レン)(エピオン、カネカ製)が好適である。主鎖構造
は飽和炭化水素であるイソブチレンモノマーのみにより
構成され、このポリマーの両末端には、ほぼ定量的にア
リル基またはシリル基が導入されたものである。この化
学構造により、硬化反応後、優れた耐候性・耐熱性、か
つ、低透湿性・高制振性等の特徴を有するゴム弾性体と
して建築用シーリング材、粘着剤、接着剤、ポッティン
グ材、コーティング材および成形体として広範な用途が
できるものとして知られている。
【0018】また、上記アリル変性ポリイソブチレンの
架橋剤としては、水素化シラン(SiH)系が好まし
く、分子内に少なくとも2個のヒドロシリル(SiH)
基を含有するものであればよい。好ましくは、Si原子
上に炭化水素基あるいは水素原子を有するポリシロキサ
ンであるオルガノハイドロジェンポリシロキサンが好ま
しい。具体的には、環状ポリシロキサン類、線状ポリシ
ロキサン類、四面体シロキサン類の構造をもつ化合物が
代表的である。アリル変性ポリイソブチレンに対して、
1〜10重量%、好ましくは2〜5重量%である。
【0019】また、上記ゴム組成物に室温安定剤を添加
してもよい。ヒドロシリル基含有の硬化剤の室温安定剤
として知られている通常の安定剤で、SiH系架橋剤の
安定剤としての目的を達すればよく、限定されない。具
体的には脂肪族不飽和結合を含有する化合物、有機リン
化合物、有機硫黄化合物、窒素含有化合物、スズ系化合
物、有機過酸化物等を好適に用いることができる。さら
に、具体的には、2−ベンゾチアゾリルサルファイド、
ベンゾチアゾール、チアゾール、ジメチルアセチレンダ
イカルボキシレート、ジエチルアセチレンダイカルボキ
シレート、BHT,ブチルヒドロキシアニソール、ビタ
ミンE、2−(4―モルフォジニルジチオ)ベンゾチア
ゾール、3−メチル−1−ブテン−3−オール、アセチ
レン性不飽和基含有オルガノシロキサン、アセチレンア
ルコール、3−メチル1−ブチル−3−オール、ジアリ
ルフマレート、ジアリルマレート、ジエチルマレート、
ジメチルマレート、2−ペンテンニトリル、2,3−ジ
クロロプロペン等が挙げられ、特にジメチルマレートが
好ましい。この室温安定剤の使用量は、アリル変性ポリ
イソブチレン100gに対して、1〜100μl、好ま
しくは20〜60μlである。
【0020】また、架橋反応触媒は、ハイドロシリル化
反応を促進する触媒全体を指す。具体的には、塩化白金
酸、白金の単体、アルミナ、シリカ、カーボンブラック
等の担体に固体白金を担持させたもの、白金−ビニルシ
ロキサン錯体、白金−ホスフィン錯体、白金−ホスファ
イト錯体等が挙げられる。触媒活性の点から、塩化白金
酸、箔金―オレフィン錯体、白金−ビニルシロキサン錯
体等が好ましい。配合比は、アリル変性ポリイソブチレ
ン(エピオン)100gに対して、1〜200μl、好
ましくは30〜120μlである。
【0021】また、第三成分として添加するジビニルベ
ンゼンの配合比は、上記アリル変性ポリイソブチレンに
対して、1〜80重量%配合することが好ましい。より
好ましくは、10〜40重量%である。
【0022】このジビニルベンゼンを添加とともに、も
しくは添加した後に過酸化物で再架橋を行なうが、その
過酸化物は、通常架橋剤として用いられている過酸化物
の多くが利用できる。具体例として、2,5−ジメチル
2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5
ジメチル2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン
−3、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピ
ル)ベンゼン、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)
3,5,5トリメチルシクロへキサン、2,5ジメチル
2,5ジ(パーオキシベンゾイル)ヘキシン3、及びジ
クミクルパーオキシド等がある。本発明における架橋剤
(3M−40、日本油脂製)の配合は、好ましくは、上
記アリル変性ポリイソブチレンに対して0.1〜10重
量%であり、より好ましくは、2〜5重量%である。
【0023】さらに、上記した成分の他に、本発明の過
酸化物架橋ブチルのゴム組成物として、更なる配合を検
討したところ、必要に応じてカーボンおよび無機充填
剤、滑剤、老化防止剤を添加することができる。
【0024】カーボンはアリル変性ポリイソブチレンに
対して、30〜100重量%配合することが好ましい。
【0025】また無機充填剤は、増量剤として製品コス
トの低下をはかることの利益があるばかりでなく、品質
改良として耐熱性、難燃性付与等に効果を与える利点が
ある。
【0026】この無機充填剤として焼成クレー、標準タ
ルク、微粉タルクおよびそれらに滑剤を添加したもの、
またシラン処理クレー、シラン処理タルク、膨潤合成マ
イカ等がある。この無機充填剤を本願のゴム組成物の配
合剤として使用検討したところ、焼成クレーに滑剤を添
加したものが適していた。さらに、膨潤合成マイカも使
用可能であった。
【0027】さらに、本発明のゴム組成物を製造する方
法としては、2種類の方法がある。第1の方法は、具体
的には、アリル変性ポリイソブチレンと、水素化シラン
とPt触媒を混合したものに100℃、20時間硬化を
行なった後にジビニルベンゼンおよび過酸化物をロール
添加し、150℃、15分間架橋成形を行なう方法であ
る。
【0028】第2の方法は、具体的には、アリル変性ポ
リイソブチレンと、水素化シランとPt触媒を混合した
ものに100℃、20時間硬化を行なった後に、ジビニ
ルベンゼンを添加し、110℃、1時間加熱を行なった
後に、過酸化物を添加し150℃、15分間架橋成形を
行なう方法である。
【0029】従来は、架橋を1回のみしか行わなかった
が、上記2種類の方法のように、架橋形態の異なる架
橋、すなわち水素化シラン架橋および過酸化物架橋を2
回行なうことによって、1回のみよりも架橋点が増大し
て、ゴム物性と老化特性の向上が得られる。
【0030】なお、上記の架橋の順序を逆にすると、ア
リル変性ポリイソブチレンは、ジベニルベンゼンを用い
た過酸化物架橋は行なわないため、第1段階で架橋せ
ず、これを水素化シランで架橋させてもゴム組成物を得
ることができない。すなわち、本発明の製造方法は、過
酸化物架橋しないゴムポリマーを架橋させる方法として
も適用できる。
【0031】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明
するが、本発明は、これら実施例に限定されるものでは
ない。以下の実施例および比較例において配合した各成
分は以下の通りである。
【0032】 [実施例1] 〈成分a〉 EP600A(カネカ製) 100g CR100(SiH架橋剤)(カネカ製) 4.5g ジメチルマレート(室温安定剤) 22μl HS−KA(Pt触媒) 33μl 〈成分b〉 ジビニルベンゼン 20重量% 〈成分c〉 パーヘキサ3M−40(過酸化物架橋剤)(日本油脂製) 2重量%
【0033】上記成分aを常温にて、SUSバットおよ
び攪拌棒を使用して混合、攪拌し、100℃、20時間
空気中で恒温槽を使用してプレ硬化処理を行ない、Si
による架橋を行なった。さらに、ロールを使用してシー
ティングを行なった後に、成分bを添加し、さらに成分
cを添加した後に、真空プレスを使用して150℃、1
5分間過酸化物による架橋成形を行なった。
【0034】 [比較例1] 〈成分d〉 XL−10000(独バイエル社製) 100重量% 〈成分e〉 3M−40(過酸化物架橋剤)(日本油脂製) 4重量%
【0035】上記成分dを素練した後に、成分eをロー
ルを使用して添加し、150℃、15分間過酸化物によ
る架橋成形を行なった。150℃、15分の成形条件で
架橋すると同時に成形した。
【0036】硬度の測定 実施例1、比較例1の硬度(測定はJIS K6253
に準じた)HM値を測定した結果を図1および表1に示
す。
【0037】
【表1】
【0038】図1のグラフおよび表1より、実施例1の
本願のゴムの方が、比較例1の従来のゴムよりも硬度が
高いことがわかる。
【0039】引っ張り強度の測定 実施例1と比較例1の引っ張り強度の測定(測定はJI
S K6251に準じた)の結果を図2および表2に示
す。図2のX軸は伸び率(%)を示し、Y軸は、TB
(kg/cm2)を示す。
【0040】
【表2】
【0041】図2のグラフおよび表2より、実施例1の
本願のゴムの方が、比較例1の従来のゴムよりも引張り
強度が高いことがわかる。
【0042】熱老化性の測定 更に熱老化性による物性の変化を測定した。
【0043】[実施例2]実施例1のゴム成分に、カーボ
ン、無機充填剤、滑剤及び老化防止剤を適量添加した成
分を用いて実施例1と同様な方法で得られた架橋成形物
の含まれるサンプルを試験片とする。これをJIS K
6257に準じて空気加熱老化試験(ノーマルオーブン
法)により試験片をオーブンで150℃、720時間ま
で加熱した。
【0044】[比較例2]比較例1の従来のゴム成分であ
るXL−10000に、カーボン、無機充填剤、滑剤、
老化防止剤および過酸化物架橋剤を適量添加し架橋した
テスト板を試験片とする。これをJIS K6257に
準じて空気加熱老化試験(ノーマルオーブン法)により
試験片をオーブンで150℃、720時間まで加熱し
た。
【0045】上記実施例2および比較例2の150℃熱
老化による硬度HM値の変化を図3に示す。図3のX軸
は加熱時間0時間から720時間を示し、Y軸は、HM
値(度)を示す。
【0046】これにより150℃、720時間後のゴム
硬度変化率ΔHm値は、本発明のゴムは、+20であ
り、従来のゴムは、−43であり、クラックが発生して
いた。
【0047】 上記封口ゴムを使用した電解コンデンサの物性測定 [実施例3] EP600A(アリル末端ポリイソブチレン)(カネカ製) 100g CR100(SiH架橋剤)(SiH架橋剤)(カネカ製) 4.5g ジメチルマレート(室温安定剤) 22μl HS−KA(Pt触媒) 33μl ジビニルベンゼン(三共化成製) 20重量% 及び上記にカーボン、無機充填剤、滑剤、老化防止剤、
過酸化物架橋剤を適量添加したゴム組成物を用いて実施
例1と同様な方法により電解コンデンサ用封口体を作成
した。この封口体に対して、電解コンデンサ用電解液と
して、スルホラン50wt%、γ−ブチロラクトン25
wt%、フタル酸1−エチル、2,3−ジメチルイミダ
ゾリニウム25wt%を用い、電解コンデンサを作成し
た。
【0048】 [比較例3] XL−10000(独バイエル社製) 100重量% 3M−40(過酸化物架橋剤)(日本油脂製) 4重量% に、カーボン、無機充填剤、滑剤、老化防止剤を適量添
加した上記組成物を用いて比較例1と同様な方法により
電解コンデンサ用封口体を作成した。この封口体に対し
て、電解コンデンサ用電解液として、スルホラン50w
t%、γ−ブチロラクトン25wt%、フタル酸1−エ
チル、2,3−ジメチルイミダゾリニウム25wt%を
用い、電解コンデンサを作成した。
【0049】電解コンデンサの物性測定 上記実施例3および比較例3の電解コンデンサの高温寿
命特性試験として、電解コンデンサの定格が、35V-
330μF、150℃、定格電圧負荷、2000時間の
条件で、電解コンデンサの硬度変化を測定した。測定方
法はJIS K6253に準じ、HM値を測定した結果
を表3に示す。
【0050】
【表3】
【0051】この結果より、本発明のゴム組成物を使用
した電解コンデンサにおいて、高温寿命特性が優れてお
り、従来不可能であった、150℃の高温で、長時間に
耐えうる封口体を開発することができた。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
アリル変性ポリイソブチレンに代表される水素化シラン
で架橋可能なゴムポリマーを水素化シランで架橋し、ジ
ビニルベンゼンを過酸化物で再架橋させてなるゴム組成
物により、従来にない、2段階の異なる架橋形態で架橋
を行なうことにより、架橋点が増大して、大幅なゴムの
物性及び熱老化性の向上が得られる。なお、本発明の水
素化シラン架橋を行なった後に過酸化物架橋架橋をおこ
なってゴムを製造する方法は、過酸化物しないゴムポリ
マーを架橋させる方法としても適用できる。また、従来
の装置をそのまま使用して調合を行うことができ、量産
時における問題がないなど、本発明は電解コンデンサの
高性能化、低コスト化などの発展に大きく寄与する工業
上価値が大きいものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電解コンデンサ用封口体の実施例
および比較例の硬度を示すグラフである。
【図2】本発明に係る電解コンデンサ用封口体の実施例
および比較例の伸びに対する引張り強度の変化を示すグ
ラフである。
【図3】本発明に係る電解コンデンサ用封口体の実施例
および比較例の150℃熱老化試験における経持的硬度
の変化を示すグラフである。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C08L 23:22 C08L 23:22 Fターム(参考) 4F070 AA12 AB01 AB07 AB16 AC35 AC52 AC63 AE08 GA01 GA05 GB10 GC00 4J002 AC001 AC111 BB181 BB201 EA046 EK007 FD146 FD147 GJ02 GQ00 GQ01

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水素化シランで架橋可能なゴムポリマー
    を水素化シランで架橋し、このゴムポリマーにジビニル
    ベンゼンを過酸化物で再架橋させてなるゴム組成物。
  2. 【請求項2】 水素化シランで架橋可能なゴムポリマー
    がアリル変性ポリイソブチレンである請求項1記載のゴ
    ム組成物。
  3. 【請求項3】 ジビニルベンゼンを1−80重量%添加
    する請求項1乃至2いずれかに記載のゴム組成物。
  4. 【請求項4】 過酸化物を0.1−10重量%添加する
    請求項1−3のいずれかに記載のゴム組成物。
  5. 【請求項5】 水素化シランで架橋可能なゴムポリマー
    を水素化シランで架橋し、ジビニルベンゼンを過酸化物
    で再架橋させてなるゴム組成物からなる電解コンデンサ
    用封口体。
  6. 【請求項6】 水素化シランで架橋可能なゴムポリマー
    がアリル変性ポリイソブチレンである請求項5記載の電
    解コンデンサ用封口体。
  7. 【請求項7】 ジビニルベンゼンを1−80重量%添加
    する請求項5乃至6いずれかに記載の電解コンデンサ用
    封口体。
  8. 【請求項8】 過酸化物を0.1−10重量%添加する
    請求項5−7のいずれかに記載の電解コンデンサ用封口
    体。
  9. 【請求項9】 水素化シランで架橋可能なゴムポリマー
    を水素化シランで架橋する工程と、その架橋物をジビニ
    ルベンゼンを添加した後に過酸化物で再架橋する工程と
    から構成されるゴム組成物の製造方法。
  10. 【請求項10】 架橋物をジビニルベンゼンを添加した
    後に過酸化物で再架橋する工程は、ジビニルベンゼンを
    添加した後にさらに加熱して過酸化物で再架橋するとを
    特徴とする請求項9記載のゴム組成物の製造方法。
  11. 【請求項11】 水素化シランで架橋可能なゴムポリマ
    ーがアリル変性ポリイソブチレンである請求項9乃至1
    0いずれかに記載のゴム組成物の製造方法。
  12. 【請求項12】 ジビニルベンゼンを1−80重量%添
    加する請求項9−11いずれかに記載のゴム組成物の製
    造方法。
  13. 【請求項13】 過酸化物を0.1−10重量%添加す
    る請求項9−12いずれかに記載のゴム組成物の製造方
    法。
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