JP2003105044A - 鋼棒のねじ継手用硬化性樹脂組成物、それを用いた鋼棒のねじ継手および鋼棒の接合方法 - Google Patents
鋼棒のねじ継手用硬化性樹脂組成物、それを用いた鋼棒のねじ継手および鋼棒の接合方法Info
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Abstract
持し、寒冷地の冬場でも使用でき、がたも殆ど無く、機
械的性質が優れた継手を形成するために使用される鋼棒
のねじ継手用硬化性樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 メチルメタクリレート、2−ヒドロキ
シエチルメタクリレート及び2,2−ビス(4−(メタ
クリロキシエトキシ)フェニル)プロパンからなる重合
性ビニルモノマー100質量部、クメンハイドロパー
オキサイドからなる重合開始剤1〜10質量部、バナ
ジルアセチルアセテネートからなる重合促進剤0.1〜
1.0質量部、アクリロニトリル−ブタジエンゴムお
よびメチルメタアクリレート−ブタジエン−スチレン共
重合体の合計量が10〜30質量部、平均粒径が10
〜50μmのシリカ粉100〜300質量部を含有する
硬化性樹脂組成物。
Description
硬化性樹脂組成物、それを用いた鋼棒のねじ継手および
鋼棒の接合方法に関し、詳しくは端部外周に雄ねじを設
けた鋼棒同士を突き合わせ、内面に雌ねじを設けたカプ
ラーで螺合した鋼棒のねじ継手における、雄ねじと雌ね
じの間に生じた隙間に充填する硬化性樹脂組成物、該硬
化性樹脂組成物を隙間に充填する棒鋼とカプラーのねじ
継手の接合方法および棒鋼とカプラーのねじ継手に関す
る。
て、カプラーを用いる接合方法が注目されている。この
方法は、鋼棒の端部外周または外周全長にわたって雄ね
じを形成した鋼棒(ねじ節鉄筋)の端面同士を突き合わ
せ、これに内面に雌ねじを形成したカプラーを螺合して
ねじ継手を形成する接合方法であり、この方法は省力化
が期待される方法である。
生する応力は雄ねじと雌ねじの螺合によって伝達される
ため、鋼棒とカプラーの螺合長が一定長さ以上確保され
ていれば、母材(鋼棒)の規格下限を十分に上回る継手
強度が確保される。しかし、実際はねじ山の寸法精度等
の問題により、鋼棒とカプラーの間には数ミリの隙間、
いわゆるがたが存在するため、母材の規格下限を大幅に
下回ることが多い。
2−7943号公報に、鋼棒とカプラーの間に生じた隙
間に、無機系または有機系のグラウト材を充填し硬化さ
せる方法が提案されている。また、実公昭55−441
01号公報では、有機系グラウト材の主成分として、エ
ポキシ樹脂が提案されている。
は機械的特性および耐久性に優れていることから、有機
グラウト材の主成分として使用されている。しかし、エ
ポキシ樹脂は0℃以下の低温になると流動性が極端に低
下するとともに、硬化反応が低下して硬化できない問題
があり、0℃以下になる冬場、特に寒冷地の冬場では使
用できないという問題がある。また、一般的な溶剤型お
よび反応型硬化性樹脂組成物は、硬化するときに体積収
縮が大きいため、がたを無くす目的に対しては性能が不
十分である。
なされたものであって、0℃以下の低温下であっても十
分な流動性、硬化性を維持し、寒冷地の冬場でも使用で
き、施工が省力化できる特徴を有し、かつ上記のがたも
殆ど無く、機械的性質(ねじ継手強度など)が優れた継
手を形成するために使用される鋼棒のねじ継手用硬化性
樹脂組成物、それを用いた鋼棒のねじ継手および鋼棒の
接合方法を提供するものである。
周に雄ねじを設けた鋼棒同士を突き合わせ、内面に雌ね
じを設けたカプラーで螺合した鋼棒のねじ継手におい
て、該雄ねじと雌ねじの間に生じた隙間に充填する硬化
性樹脂組成物であり、成分(1)(a)メチルメタクリ
レート30〜60質量%、(b)2−ヒドロキシエチル
メタクリレート20〜40質量%、(c)2,2−ビス
(4−(メタクリロキシエトキシ)フェニル)プロパン
20〜40質量%からなる重合性ビニルモノマー100
質量部、成分(2)クメンハイドロパーオキサイドから
なる重合開始剤1〜10質量部、成分(3)バナジルア
セチルアセテネートからなる重合促進剤0.1〜1.0
質量部、成分(4)アクリロニトリル−ブタジエンゴム
およびメチルメタクリレート−ブタジエン−スチレン共
重合体の合計量が10〜30質量部および成分(5)平
均粒径が10〜50μmのシリカ粉100〜300質量
部を含有することを特徴とする鋼棒のねじ継手用硬化性
樹脂組成物(以下、硬化性樹脂組成物と略記する)であ
る。
た鋼棒同士を突き合わせ、内面に雌ねじを設けたカプラ
ーで螺合した鋼棒のねじ継手において、該雄ねじと雌ね
じの間に生じた隙間に上記の硬化性樹脂組成物を充填し
てなることを特徴とする鋼棒のねじ継手である。
けた鋼棒同士を突き合わせ、内面に雌ねじを設けたカプ
ラーで螺合した後、雄ねじと雌ねじの間に生じた隙間に
上記の硬化性樹脂組成物を充填して硬化することを特徴
とする鋼棒の接合方法である。
けた鋼棒同士を突き合わせ、内面に雌ねじを設けたカプ
ラーで螺合し、雄ねじと雌ねじの間に生じた隙間に充填
する硬化性樹脂組成物、該硬化性樹脂組成物を隙間に充
填した鋼棒のねじ継手、ならびに棒鋼とカプラーのねじ
継手を形成する鋼棒の接合方法に関する。
硬化性樹脂組成物に用いる成分(1)は、硬化性樹脂組
成物に良好な反応性、機械的性質および接着性を与える
重合性ビニルモノマーとして、下記の(メタ)アクリル
系モノマーを混合して使用する。 (a)硬化性樹脂組成物に良好な反応性および機械的性
質を与えるメチルメタクリレート。 (b)硬化性樹脂組成物に良好な接着性を与える2−ヒ
ドロキシエチルメタクリレート。 (c)硬化性樹脂組成物に良好な機械的性質を与える
2,2−ビス(4−(メタクリロキシエトキシ)フェニ
ル)プロパン。
(c)の合計100質量部中、30〜60質量%、特に
35〜50質量%が好ましく、30質量%未満だと硬化
性樹脂組成物の機械的性質が低下する恐れがあり、60
質量%を越えると反応性が低下する恐れがある。
(c)の合計100質量部中、20〜40質量%、特に
25〜35質量%が好ましく、20質量%未満だと硬化
性樹脂組成物の接着性が低下する恐れがあり、40質量
%を越えると機械的性質が低下する恐れがある。
(c)の合計100質量部中、20〜40質量%、特に
25〜35質量%が好ましく、20質量%未満だと硬化
性樹脂組成物の反応性および機械的性質が低下する恐れ
があり、40質量%を越えると接着性が低下する恐れが
ある。
(3)との反応性の点で、重合開始剤としてクメンハイ
ドロパーオキサイドを使用する。本発明で用いる成分
(2)の使用量は、成分(1)100質量部に対して1
〜10質量部、特に1〜5質量部が好ましく、1質量部
未満では硬化性樹脂組成物の反応性が低下する恐れがあ
り、10質量部を越えると貯蔵安定性が低下する恐れが
ある。
(2)との反応性の点で、重合促進剤としてバナジルア
セチルアセテネートを使用する。本発明で用いる成分
(3)の使用量は、成分(1)100質量部に対して
0.1〜1.0質量部、特に0.1〜0.5質量部が好
ましく、0.1質量部未満では硬化性樹脂組成物の反応
性が低下する恐れがあり、1.0質量部を越えると接着
性および機械的性質が低下する恐れがある。
(1)に対する溶解性や接着性の点で、常温でゴム状弾
性を有するエラストマー成分として、(メタ)アクリル
系モノマーに溶解又は分散できるアクリロニトリル−ブ
タジエンゴムおよびメチルメタクリレート−ブタジエン
−スチレン共重合体を使用する。
分(1)100質量部に対して10〜30質量部、特に
14〜20質量部が好ましく、10質量部未満だと硬化
性樹脂組成物の粘性および接着性が低下する恐れがあ
り、30質量部を越えると粘度が高すぎて作業上不都合
が生じる恐れがある。
充填材として結晶シリカ粉、溶融シリカ粉、球状シリカ
粉、ヒュームドシリカ等のシリカ粉を使用する。シリカ
粉は、硬化性樹脂組成物の粘性,機械的性質および接着
性の面を考慮して、平均粒径が10〜50μmのものを
使用する。平均粒径が10μm未満では硬化性樹脂組成
物に十分に充填できず硬化性樹脂組成物の機械的性質が
低下する恐れがあり、平均粒径が50μmを超えると硬
化性樹脂組成物の接着性が低下する恐れがある。
差し支えない。シリカ粉の使用量は、前記の成分(1)
100質量部に対して、100〜300質量部、特に1
30〜270質量部が好ましい。100質量部未満では
硬化性樹脂組成物の機械的性質が低下する恐れがあり、
300質量部を越えると硬化性樹脂組成物の粘度が高す
ぎて作業性が悪くなり、かつ硬化物が脆くなる等の不具
合が生ずる恐れがある。
向上する目的でリン酸塩を添加することができる。リン
酸塩としては、アシッドホスホオキシエチル(メタ)ア
クリレート、アシッドホスホオキシプロピル(メタ)ア
クリレート、および(2−(メタ)アクリロイルオキシ
エチル)ホスフェート等が挙げられる。
量部に対して、0.05〜10質量部が好ましく、0.
1〜7質量部がより好ましい。0.05質量部未満だと
添加効果が期待できない恐れがあり、10質量部を越え
ると硬化性樹脂組成物の接着性が低下する恐れがある。
している部分の硬化を迅速にするために各種パラフィン
類を添加することができる。パラフィン類としては、パ
ラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、カ
ルナバろう、蜜ろう、ラノリン、鯨ろう、セレシンおよ
びカンデリラろう等が挙げられる。
0質量部に対して、0.1〜5質量部が好ましく、0.
2〜2.5質量部がより好ましい。0.1質量部未満で
は、硬化性樹脂組成物の空気に接している部分の硬化が
悪くなるおそれがあり、5質量部を越えると硬化性樹脂
組成物の接着性が低下する恐れがある。
性を改良する目的で重合禁止剤を含む各種の酸化防止剤
等を添加することができる。酸化防止剤としては、ハイ
ドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、2,
6−ジターシャリーブチル−p−クレゾール、2,2’
−メチレンビス(4−メチル−6−ターシャリーブチル
フェノール)、トリフェニルホスファイト、フェノチア
ジン及びN−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェ
ニレンジアミン等が挙げられる。
質量部に対して、0.001〜3質量部が好ましく、
0.01〜1質量部がより好ましい。0.001質量部
未満では効果がなく、3質量部を越えると硬化性樹脂組
成物の接着性が低下する恐れがある。
望により可塑剤、染料や顔料等の着色剤、防錆剤、靭性
付与剤、耐候剤、溶剤、滑材、分散剤、界面活性剤及び
鉱物油等の既に知られている物質を添加することもでき
る。
を説明する。一剤型の硬化性樹脂組成物として使用する
場合には、成分(1)、成分(3)、成分(4)、成分
(5)をあらかじめ混合し、最後に成分(2)を加えて
混合することにより硬化させることができる。
場合には、一方に少なくとも成分(2)のクメンハイド
ロパーオキサイドからなる重合開始剤を含有する第一剤
を、もう一方に少なくとも成分(3)のバナジルアセチ
ルアセテネートからなる重合促進剤を含有する第二剤を
それぞれ含有させた二剤を貯蔵する。使用する際に両剤
を混合することにより硬化させることができる。
二剤=6:4〜4:6の範囲であり、好ましくは第一
剤:第二剤=1:1の割合が用いられる。二剤型の場
合、硬化性樹脂組成物の成分(1)乃至成分(5)の組
成は、二剤の合計量の各成分量により示された値を示
す。これらの中では、貯蔵安定性が優れる点で二剤型の
硬化性樹脂組成物として使用することが好ましい。
を説明する。図1は、本発明の鋼棒のねじ継手の一例を
示す断面図である。同図1において、本発明の鋼棒のね
じ継手11は、端部外周に雄ねじを設けた鋼棒2a,2
b同士を、内面に雌ねじを設けたカプラー1で螺合して
突き合わせ、該雄ねじと雌ねじの間に生じた隙間5に貫
通小孔3から硬化性樹脂組成物4を充填してなるねじ継
手である。
さは特に限定されないが、鉄筋コンクリート向きの補強
材として使用されている材質、太さ、長さであるのが好
ましい。例えば太さは13〜51mm程度である。
たは端部に、ねじ山が刻設されている。ねじ山のピッ
チ、節高、節底幅、節底の丸み半径なども特には制限さ
れないが、一般的にはピッチは8〜20mm、節高は1
〜5mm、節底幅は4〜15mm、節底の丸み半径は
0.5〜3mm程度である。
さ、肉厚、長さは特に限定されないが、鉄筋コンクリー
ト向きの補強材として使用されている鋼棒との関係で、
螺合できる材質、太さ、肉厚、長さが好ましい。カプラ
ーには、硬化性樹脂組成物の注入口である貫通小孔が適
当箇所に設けられている。小孔の直径は5mm程度であ
ればよい。
ねじを設けた鋼棒同士を突き合わせ、内面に雌ねじを設
けたカプラーで螺合し、雄ねじと雌ねじの間に生じた隙
間に注入口である貫通小孔から硬化性樹脂組成物を充填
して硬化することにより行う。
硬化型アクリル系接着剤を、例えばグラウト剤注入装置
を用いて、ハンドガンでピストンを押し、シリンジAに
封入された第一剤と、シリンジBに封入された第二剤を
押出し、第一剤と第二剤をスタティックミキサーで混合
しながら、ノズルから、カプラーの貫通小孔を通して注
入する方法が好ましい。
の内面に予め成分(2)の重合開始剤を塗布し、鋼棒と
カプラーを螺合させた後に、成分(3)の重合促進剤を
含むその他の成分からなる組成物をカプラーの貫通小孔
から注入してもよい。
の内面に予め成分(3)の重合促進剤を塗布し、鋼棒を
カプラーで螺合させた後に、成分(2)の重合開始剤を
含むその他の成分からなる組成物をカプラーの貫通小孔
から注入してもよい。
を用いたコアセルベーション法でマイクロカプセル化す
ることにより、マイクロカプセル化重合開始剤および重
合促進剤が混合された一剤タイプにしたものを用いても
よい。
があり、0℃以下で、特に−10℃以下で注入すること
が可能である。
(1)〜成分(5)の含有量に左右されるほか、硬化温
度により大きく変わるので、特定することは難しいが、
作業性の点からゲル化時間が15分〜2時間、完全硬化
時間が1〜4日程度に調整されるのが好ましい。
る。なお、各使用材料の使用量は質量部で示す。また、
各使用材料については次のような略号を使用した。
品 2,2−ビス(4−(メタクリロキシエトキシ)フェニ
ル)プロパン:市販品 ビスフェノールAグリシジルエーテルメタクリル酸付加
物:共栄社化学(株)製 エポライト3002メタクリル酸付加物:共栄社化学
(株)製 クメンハイドロパーオキサイド:市販品 バナジルアセチルアセテネート:市販品 2−イミダゾリジンチオン:市販品 アクリロニトリル−ブタジエンゴム:市販品 メチルメタクリレート−ブタジエン−スチレン共重合
体:市販品 シリカ粉:市販品(平均粒径30μm) 溶融シリカ粉:市販品(平均粒径30μm) パラフィン類:パラフィンワックス 市販品 重合禁止剤:ハイドロキノンモノメチルエーテル 市販
品 エポキシ接着剤:「テクノダイン」田岡化学工業(株)
製 混合比「主剤(A剤):硬化剤(B剤)=2:1」 SPCC:SPCC−Dブラスト処理鋼板 市販品
00mm×25mm×1.6mmt、SPCC−Dサン
ドブラスト処理鋼板)の片方に第一剤と第二剤を1:1
の割合で混合したものを塗布し、その後、直ちにもう片
方の試験片を重ね合わせて張り合わせたものを試料とし
た。また、上記の試験片をエポキシ接着剤を用いて同様
に張り合わせた試料を作製した。試料の固着時間(単
位:分)は、プッシュプルゲージ(Model1S、K
omura社製)で引っ張り、張り合わせ直後から0.
39MPa以上の接着強さが確認されるまでの時間を測
定した。
856に従い、試験片(100mm×25mm×1.6
mmt、SPCC−Dサンドブラスト処理鋼板)の片方
に第一剤と第二剤を1:1の割合で混合したものを塗布
し、その後、直ちにもう片方の試験片を重ね合わせて張
り合わせたものを試料とした。また、上記の試験片をエ
ポキシ接着剤を用いて同様に張り合わせた試料を作製し
た。また、養生時間は室温(23℃)でエポキシ接着剤
は7日、その他は1日とした。試料の引っ張り剪断接着
強さ(単位:MPa)は、温度23℃、湿度50%の環
境下において、引っ張り速度10mm/分で測定した。
4に従い、試験片(100mm×25mm×0.3mm
t、SPCC−Dサンドブラスト処理鋼板)の片方に第
一剤と第二剤を1:1の割合で混合したものを塗布し、
その後、直ちにもう片方の試験片を重ね合わせて張り合
わせたものを試料とした。また、上記の試験片をエポキ
シ接着剤を用いて同様に張り合わせた試料を作製した。
また、養生時間は室温でエポキシ接着剤は7日、その他
は1日とした。試料のT型剥離接着強さ(単位:kN/
m)は、温度23℃、湿度50%の環境下において、引
っ張り速度50mm/分で測定した。
い、第一剤と第二剤を1:1の割合で混合したものを型
に流し込み、養生した後に切断(直径12mm、高さ3
0mm)したものを試料とした。また、エポキシ接着剤
を用いて同様に試料を作製した。養生時間は室温でエポ
キシ接着剤は7日、その他は1日とした。試料の圧縮弾
性率(単位:MPa)は、圧縮速度9mm/分で測定し
た。
32(1986)の3.1(1)、硬化体の固体比重を
JIS K−7232(1986)の3.2(1)から
それぞれ求め、以下の式によって硬化収縮率を算出し
た。なお、硬化体は第一剤と第二剤を1:1の割合で混
合してから、エポキシ接着剤は主剤:硬化剤を2:1の
割合で混合してから、エポキシ接着剤は7日、その他は
1日養生したものを使用した。
(鋼棒)2a,2b(直径48.4mm、ねじピッチ2
0.0mm、節高さ4.5mm)の2本の端面を突き合
わせ、鋼製カプラー1(長さ240mm、肉厚14.7
mm、ねじピッチ20.0mm、ねじ高さ5.0mm)
を螺合して固定し、ねじ継手を構築した。構築したねじ
継手を室温および−10℃雰囲気下でその温度になるま
で放置した。硬化性樹脂組成物4はねじ継手と同様に室
温および−10℃雰囲気下でその温度になるまで放置し
たものを使用した。
たシリンジから手動注入装置を用いて、ミキサーを通過
させ混合した後、貫通小孔3(直径5mm)より鋼製カ
プラー1内面に充填した。該硬化性樹脂組成物4が鋼製
カプラー1の両端から漏れ出ることで鋼製カプラー1内
面に十分に充填されたことを確認した。硬化性樹脂組成
物4を充填したねじ継手を室温および−10℃雰囲気下
で4日間養生したものを試料とした。
張り試験による建設省(国土交通省)の鉄筋継手性能判
定基準のA級基準では次の通りである。
鋼棒の規格降伏強度の95%まで引っ張り荷重を加え、
つぎに荷重を圧縮荷重に変えて、鋼棒の規格降伏強度の
2%のところまで圧縮し、再度、降伏するまで引っ張り
荷重を加え、応力と変位を測定する。母材である鋼棒の
弾性率をE0、最初に引っ張り加重を加えたときに鋼棒
の規格降伏強度の70%のところでの応力を断面積で割
った見掛けの弾性率をE70、最初に引っ張り加重を加
えたときに鋼棒の規格降伏強度の95%のところでの応
力を断面積で割った見掛けの弾性率をE95、鋼棒の規
格降伏強度の2%まで圧縮したときの継手のすべり量を
δとしたとき、E70/E0≧0.9、E95/E0≧
0.7、δ≦0.3を満足しなければならない。
に示す質量部の成分を混合し、別に表1〜表9の第二剤
に示す成分を混合し、第一剤および第二剤を作製した。
作製した第一剤および第二剤を1:1の割合で混合した
ものについて各種物性を評価した。その結果を表1〜表
9に示した。
較例5および比較例6で得られた硬化性樹脂組成物につ
いて、機械的性質(ねじ継手強度)を評価した。その結
果を表10に示した。
組成物は、−10℃で注入が可能であった。
来0℃以下の低温下ではねじ継手の形成が困難であった
が、本発明の硬化性樹脂組成物を鋼棒とカプラーの隙間
に充填したねじ継手は、0℃以下の低温下でも十分な硬
化性を維持することができ、継手形成が可能となり、ま
た施工が省力化でき、がたも殆ど無く、機械的性質が優
れた、ねじ継手が形成できる。
ある。
Claims (4)
- 【請求項1】 端部外周に雄ねじを設けた鋼棒同士を突
き合わせ、内面に雌ねじを設けたカプラーで螺合した鋼
棒のねじ継手において、該雄ねじと雌ねじの間に生じた
隙間に充填する硬化性樹脂組成物であり、成分(1)
(a)メチルメタクリレート30〜60質量%、(b)
2−ヒドロキシエチルメタクリレート20〜40質量
%、(c)2,2−ビス(4−(メタクリロキシエトキ
シ)フェニル)プロパン20〜40質量%からなる重合
性ビニルモノマー100質量部、成分(2)クメンハイ
ドロパーオキサイドからなる重合開始剤1〜10質量
部、成分(3)バナジルアセチルアセテネートからなる
重合促進剤0.1〜1.0質量部、成分(4)アクリロ
ニトリル−ブタジエンゴムおよびメチルメタクリレート
−ブタジエン−スチレン共重合体の合計量が10〜30
質量部および成分(5)平均粒径が10〜50μmのシ
リカ粉100〜300質量部を含有することを特徴とす
る鋼棒のねじ継手用硬化性樹脂組成物。 - 【請求項2】 少なくとも前記成分(2)のクメンハイ
ドロパーオキサイドからなる重合開始剤を含有する第一
剤と、少なくとも成分(3)のバナジルアセチルアセテ
ネートからなる重合促進剤を含有する第二剤の二剤から
なる請求項1記載の硬化性樹脂組成物。 - 【請求項3】 端部外周に雄ねじを設けた鋼棒同士を突
き合わせ、内面に雌ねじを設けたカプラーで螺合した鋼
棒のねじ継手において、該雄ねじと雌ねじの間に生じた
隙間に請求項1または2記載の硬化性樹脂組成物を充填
してなることを特徴とする鋼棒のねじ継手。 - 【請求項4】 端部外周に雄ねじを設けた鋼棒同士を突
き合わせ、内面に雌ねじを設けたカプラーで螺合した
後、該雄ねじと雌ねじの間に生じた隙間に請求項1また
は2記載の硬化性樹脂組成物を充填して硬化することを
特徴とする鋼棒の接合方法。
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