JP2003104997A - 旨味を有する新規ペプチド、及びそれを旨味成分とする調味料 - Google Patents

旨味を有する新規ペプチド、及びそれを旨味成分とする調味料

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、魚醤中から単離される特定のトリペプチドお
よびテトラペプチドであって、塩が存在しないときは顕
著な旨味を呈しないが、塩存在下で旨味を有する旨味成
分を提供する。特に、トリペプチドがTyr−Pro−
Orn、Val−Pro−Orn、Val−Pro−G
lu、Glu−Met−Pro、Asp−Met−Pr
oであり、テトラペプチドがGly−Pro−Orn−
Glyであって、塩が存在しないときは顕著な旨味を呈
しないが、塩存在下で旨味を有する旨味成分を提供す
る。また、それらのペプチドを旨味成分として含有する
調味料を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、魚醤中に存在し、
旨味を有するトリペプチドおよびテトラペプチド、及び
それらを旨味成分とする調味料に関する。
【0002】
【従来の技術】ペプチドがいろいろな食物の味に好まし
い作用を有するということは周知である。日本酒(sak
e)から単離されるVal−GlnおよびIle−Gl
nジペプチドは、合成酒の完全さを向上させる(Kirimu
ra, J., Shimuzu, A., Kimizuka,A., Ninomiya, 1, and
Katsuya, N. (1969) The contribution of peptides a
nd amino acids to the taste of foodstuffs. J Agri
c. Food Chem., 17, 689〜695)。グルタチオン(γ−
Glu−Cys−Gly,GSH)は、牛肉エキス中の
こく味(kokumi flavor)(持続性、こくおよび厚み)
を増加させると報告されている(Ueda, Y, Yonemitsu,
M, Tsubuku, 1, Sakaguchi, M, and Miyajima, R. (199
7) Flavor characteristics of glutathione in raw an
d cooked foodstuffs. Biosci. Biotech. Biochem., 6
1, 1977〜1980)。Ishii ら(Ishii, K, Tsuchida, M.,
Nishimura, 1, Okitani, A., Nakagawa, A., Hatae,
K, and Shimada, A. (1995) Changes in the taste and
taste components of beef during heating at a low
temperature for a long time. J Home Econ. Jpn., 4
6,229〜234)も、高ペプチド含量の牛肉エキスは、低ペ
プチド含量のものより柔らかい味を与えると報告してい
る。Mojarro-Guerra ら(Mojarro-Guerra, S. H.,Amad
o, R., Arrigoni, R, and Solms, J. (1991) Isolation
of low-molecular-weight taste peptide from vacher
in mont d'Or cheese. J Food Sci., 56, 943〜947)
は、チーズから単離される7種類のペプチドが、チーズ
の味全体を増加させることを報告している。これら食物
中のペプチドは、若干の風味特性または味全体を高める
と考えられる。Fujimaki ら(Fujimaki, M., Arai, S.,
Yamashita, M., Kato, H., and Noguchi M. (1973) Ta
ste peptide fractionation froma fish protein hydro
lysate. Agric. Biol. Chem., 37, 2891〜2898)は、魚
タンパク質加水分解物中において、酸性オリゴペプチド
画分が、顕著なだし味および好ましい後味を与えること
を報告している。αキモトリプシンを用いたダイズタン
パク質加水分解物は、だし味と僅かな苦味を有している
(Arai, S., Yamashita, M., and Fujimaki, M. (1972)
Glutamy]. oligopeptides as factors responsible fo
r tastes of a proteinase-modified soybean protein.
Agric. Biol. Chem., 36, 1253〜1256)。
【0003】更に、いくつかのペプチドは、それら自体
味を有すると報告されている。Ohyama ら(Ohyama, S.,
Ishibashi, N., Tamura, M., Nishizaki, H., and Oka
i, H. (1988) Synthesis of bitter peptides composed
of aspartic acid and glutamic acid. Agric. Biol.
Chem., 52, 871〜872)は、Gly−Asp、Asp−
LeuおよびGlu−Leuのようないくつかのペプチ
ドが旨味(umami taste)を示すことを報告している。
N末端にグルタミン酸およびC末端にアスパラギン酸、
グルタミン酸、セリンまたはトレオニンのような親水性
アミノ酸を有する若干の合成ジペプチドも、旨味を有す
ることが報告されている(Arai, S., Yamashita, M., N
oguchi, M., and Fujimaki, M. (1973) Tastes of L-gl
utamyl oligopeptides in relation to their chromato
graphic properties. Agric. Biol. Chem., 37, 151〜1
56)。チロシン、フェニルアラニン、ロイシンまたはイ
ソロイシンのような疎水性アミノ酸をC末端に有する同
様のペプチドは、苦い味を有することも報告されてい
る。
【0004】Kirimura ら(1969、前出)は、いろいろ
な食品中で見出される60種類のオリゴペプチドの味を
報告している。それらは、三群、すなわち、酸味、苦味
およびほとんど味のない群に分類された。Ala−As
p、γ−Glu−GluおよびGly−Asp−Ser
−Glyのようなペプチドは、酸味があり、Leu−L
eu、Arg−ProおよびVal−Valのようなペ
プチドは苦く、Lys−Glu、Phe−Pheおよび
Gly−Gly−Gly−Glyのようなペプチドはほ
とんど味がなかった。これらデータから、彼らは、酸味
および苦味ジペプチドについての法則を発見した。彼ら
の法則によれば、酸味ジペプチドは、2個の酸性アミノ
酸、酸性および中性のアミノ酸、または酸性および芳香
族のアミノ酸から成った。もう一方で、苦味ジペプチド
は、大きなアルキル基を持つ中性アミノ酸または大きい
および小さいアルキル基の組合せを含む中性アミノ酸、
中性および芳香族のアミノ酸、または中性および塩基性
のアミノ酸の組合わせから成った。味のないジペプチド
は、小さいアルキル基を含む2個のアミノ酸、酸性およ
び塩基性アミノ酸、または2個の芳香族アミノ酸から構
成された。彼らは、甘味アミノ酸から成るジペプチドG
ly−Gly、Gly−AlaおよびGly−Pro、
およびLys−GluおよびArg−Gluのような酸
性および塩基性のアミノ酸からなるものが、ほとんど味
がないことを報告している。
【0005】Arai ら(1973、前出)は、N末端にグルタ
ミル残基を含有する12種類のジペプチドの味を、C末
端アミノ酸に依って三群、すなわち、旨味群(Glu−
Asp、Glu−Thr、Glu−Ser、Glu−G
lu)、無味群(Glu−Gly、Glu−Ala、G
lu−Pro、Glu−Val)および苦味群(Glu
−Ile、Glu−Leu、Glu−Tyr、Glu−
Phe)に分類した。この分類は、C末端アミノ酸の性
状および疎水性に依る。
【0006】Ney(Ney, K. H. (1971) Prediction of b
itterness of peptides from theiramino acid composi
tion. Z. Lebensm. Unters. Torsch., 147, 64〜68)に
よって報告された法則によれば、1.4kcal/mo
lより高いQ値を有するペプチドは味が苦く、1.3k
cal/molより低いQ値を有するものは苦くないと
報告している。
【0007】一方、Wang ら(Wang, K, Maga, J. A, an
d Bechtel, P. J. (1996) Taste properties and syner
gisms of beefy meaty peptide. J Food Science, 61,
837〜839)は、牛肉から得られた美味ペプチド(BM
P、beefy meaty peptide)と、グルタミン酸一ナトリ
ウム(MSG)および/または塩との間の相乗作用を報
告している。Konosu(Konosu, S. (1993) Fish paste p
roducts. Tech. Res. J,18, 450〜462 (in Japanese))
も、塩がグリシン、アラニンおよびセリンの甘味を増加
させたことを報告している。Arai ら(1973、前出)
は、塩がペプチドGlu−gly−Serの旨味を増加
させたことを示した。ペプチドの旨味は、MSGおよび
/またはIMPの添加によって更に増加することも報告
されている。
【0008】これまでに、タンパク質加水分解物、また
はチーズのような多数の発酵食品から、いろいろな苦味
ペプチドが単離された(Shiba, T. and Nunami, K. (19
74)Structure of a bitter peptide in casein hyrolyz
ate by bacterial proteinase. Tetrahedron letters,
6, 509〜512)。もう一方において、カゼイン加水分解
物から単離されるジ−またはトリペプチドを含有するい
くつかのグルタミン酸は、苦味を隠すことが報告された
(Arai, S. (1981) Science of Taste, Asakura, Toky
o, pp. 185 (in Japanese))。これら上述のデータは、
いろいろな種類のペプチドが、タンパク質加水分解物ま
たは発酵食品に極めて複雑な呈味作用を与えるというこ
とを明示している。
【0009】一般に魚醤(フィッシュソース)と呼ばれ
ている、魚介類を原料とした調味料は、東南アジアでは
ニョクマム、ナン・プラー、パティス、日本ではいし
る、しょっつる、いかなご醤油等が著名である。これら
は、小魚やエビ等魚介類原料に食塩を20〜30%添加
し樽に漬け込み、1〜2年間放置することにより、内臓
に含まれる自己消化酵素によってタンパク質が分解さ
れ、液化したものを採取して製品としている。この方法
によって作られる魚醤は、独特の旨みに富んでいる。
【0010】魚醤は、長い発酵期間中に生じた多量のペ
プチドを含有している。Miyazawaら(Miyazawa, K, Le,
C, Ito, K, and Matsumoto, R (1979) Studies on Fis
hSauce. J Fac. Appl. Biol. Sci., Hiroshima Univ.,
18, 55〜63)は、魚醤から3種類のペプチドを精製し
た。これらペプチドは、Gly−Pro、Ala−Gl
yおよびGly−Glyであったが、それらの味は記載
されておらず、魚醤の味に関与するペプチドについては
解明されていない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、魚醤の深い
且つ複雑な味に関与しているペプチドを単離・同定し、
それらを旨味成分とする、魚醤の旨味を有しかつ魚醤特
有の臭気が改善された調味料を提供することを目的とす
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するため、魚醤中の旨味成分を詳細に検討した結
果、特定のペプチドが魚醤の深い且つ複雑な味に関与し
ていることを見いだした。また、それらのペプチドを調
味料の旨味成分として利用しうることが見いだされ、本
発明を完成するに至った。
【0013】すなわち、本発明は、魚醤中から単離され
る特定のトリペプチドおよびテトラペプチドからなる旨
味成分を提供する。魚醤中の旨味成分は、適当な分離カ
ラムを用いて魚醤から分離することができる。魚醤試料
を、塩酸溶液等を添加することにより希釈し、pH5以
下の酸性溶液とし、イオン交換樹脂、例えばDowex 50
Wx4(200〜400メッシュ,H+型)のカラムに
充填し、脱イオン水を用いて、流出液が中性域(pH6
〜8)に達するまで洗浄する。魚醤中に存在する食塩お
よび有機酸はカラムに吸着されず、アミノ酸およびペプ
チドと分離することができる。吸着したアミノ酸および
ペプチドを、アルカリ溶液、例えば3N NH4OHを
用いてカラムから溶離する。溶離液を、真空中で蒸発乾
固させ、残留物を脱イオン水中に溶解させる。この溶液
を、イオン交換樹脂、例えばDowex 1x8(100〜2
00メッシュ,酢酸型)カラム(5x30cm)に加
え、脱イオン水を用いて洗浄する。水を用いて溶離した
画分を、真空中で蒸発乾固させ、脱イオン水中に溶解さ
せる。吸着した物質を、酸性溶液、例えば2N酢酸を用
いて溶離させる。酢酸塩を除去するために、その溶離液
を真空中で蒸発乾固させた後、脱イオン水に溶解させ
る。こららの操作により、アミノ酸およびペプチドから
なる二つの画分を得ることができる。
【0014】更にそれぞれの画分を、限外濾過膜を用い
て分子量により複数の画分に分けることができる。例え
ば、用いる限外濾過膜のカットオフ値を300〜700
Daとすれば、アミノ酸及びジペプチドを主に含む画分
とトリペプチド以上を主に含む画分とに分離することが
できる。濾過に際しては、加圧下、例えば2〜5kg/
cm2の条件下にて行うのが好ましい。
【0015】上記画分から更に、適当な分離カラム、例
えばオクタデシルシリカ(ODS)カラムを用いてペプ
チドおよびアミノ酸を単離することができる。ペプチド
およびアミノ酸の溶出は、UV検出器によって検出する
ことができる。溶離されるピークをフラクション毎に集
めることにより、目的とするペプチドを回収することが
できる。
【0016】精製されたペプチドのアミノ酸配列は、プ
ロテインシークエンサー(例えば、476A,Applied
Biosystems Inc., フォスター)を用いて分析すること
ができる。
【0017】分子質量測定は、質量分析計(例えば、J
EOL SX−102質量分析計(JEOL,Ltd.,東
京))を用いて行うことができる。得られたペプチドが
本発明のペプチドであることを確認するために行う官能
評価は、合成または分離されたペプチドを、脱イオン水
(5mM)中に溶解させ、数滴の希NaOHまたはHC
lを用いて、pHを5〜7に調整し、任意に選出したパ
ネルメンバーによって行うことができる。また、評価は
塩存在下および塩不存在下で味が異なることも考えられ
るため、塩存在下および塩不存在下で実施する。塩存在
下の評価は、例えば、食塩 0.1〜0.6%溶液中で
行うのが好ましい。
【0018】本発明の特に好ましい旨味成分であるトリ
ペプチドおよびテトラペプチドは、Tyr−Pro−O
rn、Val−Pro−Orn、Gly−Pro−Or
n−Gly、Val−Pro−Glu、Glu−Met
−Pro、及びAsp−Met−Proから選ばれる一
種又は二種以上の混合物である。
【0019】一方、上記のようにして魚醤中の旨味成分
として特定されたペプチドは、ペプチド合成機を用いた
固相法、または液相法によって合成することができる。
合成されたペプチドの精製は、公知の方法、例えば液体
クロマトグラフを用いて、カラム分離することにより行
うことができる。
【0020】本発明の特徴の一つは、魚醤中に発見され
た旨味成分であるトリペプチドおよびテトラペプチド
が、食塩が存在しないときは顕著な旨味を呈しないが、
塩存在下で旨味性を有することである。そのような旨味
成分は、上記6種以外にも種々存在すると思われる。
【0021】これらの旨味ペプチドを単離するために用
いる魚醤原料としては、例えば、これらに限定するわけ
ではないが、東南アジアではニョクマム、ナン・プラ
ー、パティス、日本ではいしり、しょっつる、いかなご
醤油等が使用できる。上記魚醤の他、いかなる魚醤であ
っても原料として用いることができるが、ペプチド含量
の高い魚醤を用いるのが好ましい。
【0022】本発明における調味料とは、ニョクマム、
ナン・プラー、パティス、いしる、しょっつる、又はい
かなご醤油等の魚醤をはじめとする魚介エキス、だし、
畜肉エキス、ブイヨン等の蛋白分解エキス、抽出エキ
ス、みそ、醤油等であり、これらの調味料に旨味成分と
して本発明の旨味成分であるトリペプチドおよびテトラ
ペプチドを添加することもできる。また、本発明の旨味
成分であるトリペプチドおよびテトラペプチドを、グル
タミン酸ナトリウムのように調味料として用いることも
できる。
【0023】本発明において調味料とは、粉末状または
液体状の何れであってもよい。本発明の旨味成分である
トリペプチドおよびテトラペプチドを旨味成分として調
味料中に添加する場合の添加濃度は、1mg〜10g/
100mlの範囲が好ましい。具体的には、調味料を添
加する食品を考慮して定められる。
【0024】本発明の旨味成分であるトリペプチドおよ
びテトラペプチドを旨味成分とする調味料を用いること
ができる食品は、特に制限されないが、おでんつゆの
他、はんぺん、蒲鉾、ちくわ等の水産練製品;ハム、ソ
ーセージ、ベーコンなど畜肉加工品;肉団子、ハンバー
グ、ミートボールなどの肉製品;キムチ、浅漬け、らっ
きょう等の漬物類;肉まん、餃子、シュウマイ、春巻
き、焼きそば、焼きめし、ふりかけ、珍味、佃煮、せん
べい、あられ、スナック菓子、ソース、インスタントラ
ーメンスープ、カップ麺スープ、ブイヨン、ルー、麺類
つゆ、たれ等がある。
【0025】
【実施例】以下、本発明に関して、実施例を示して説明
する。 実施例1分画 分画スキームを図1に示す。ベトナム製魚醤試料(10
0mL)を、900mLの0.5M HClを用いて希
釈し、Dowex 50Wx4(200〜400メッシュ,H
+型)のカラム(5x30cm)に充填し、脱イオン水
を用いて、流出液が中性のpHに達するまで洗浄した。
吸着したアミノ酸およびペプチドを、3N NH4OH
を用いて溶離した。溶離液を、アンモニアを除去するた
めに真空中で蒸発乾固させ、残留物を脱イオン水中に溶
解させた。この溶液を、Dowex 1x8(100〜200
メッシュ,酢酸型)カラム(5x30cm)に加え、脱
イオン水を用いて洗浄した。水を用いて溶離した画分
を、真空中で蒸発乾固させ、脱イオン水中に溶解させて
100mLとした(フラクションB,中・塩基性画
分)。吸着した物質を、2N酢酸を用いて溶離させた。
酢酸塩を除去するために、その溶離液を真空中で蒸発乾
固させた後、脱イオン水を用いて元の容量(100m
L,フラクションC,酸性画分)にし、pH5.62に
調整した。
【0026】それぞれの画分(フラクションBおよび
C)を、図2に示されるように、限外濾過膜(YC0
5,Amicon,Inc.,ビバリー)を用いて濾過した。用い
られる膜の分子排除限界は、500Daであった。窒素
圧を3.5kg/cm2で調節した。限外濾過後、4つ
の画分を得た。フラクションB(中・塩基性画分)から
得られたのは、低分子(フラクションBL)および高分
子(フラクションBH)重量画分であった。フラクショ
ンC(酸性画分)からの低分子(フラクションCL)お
よび高分子(フラクションCH)重量画分も得られた。
それら画分を全て、真空中で蒸発乾固させ、脱イオン水
を用いて元の魚醤容量(100mL)とし、希HClま
たはNaOHを用いてそれらのpHを5.62に調整
後、官能評価に用いた。
【0027】各画分のアミノ酸分布 ベトナム製魚醤は、結合アミノ酸、特に、アスパラギン
酸、グルタミン酸、プロリン、グリシン、リシンおよび
ヒスチジンが多かった。それら含量の合計は、全結合ア
ミノ酸の76%(4,296mg/100mL)であっ
た。表1は、500Daより小さい(フラクションB
L)および大きい(フラクションBH)分子量を有する
中・塩基性画分、および500Daより小さい(フラク
ションCL)および大きい(フラクションCH)分子量
を有する酸性画分のそれぞれの加水分解前後のアミノ酸
組成を示す。加水分解は常法に準じ、6N HCl、1
10℃16時間の条件にて実施した。
【0028】加水分解前の高分子画分、フラクションB
HおよびCHにおいて、残留する全アミノ酸は、加水分
解前の低分子画分それぞれの場合の僅か10%未満であ
り、限外濾過の結果として、アミノ酸がほぼ充分に分離
されたことが示唆された。フラクションBHおよびBL
の加水分解後、増加した全アミノ酸含量は、それぞれ7
40および586mg/100mLであった。酸性画分
のフラクションCHおよびCLについて、その値はそれ
ぞれ512および195mg/100mLであった。し
たがって、高分子画分、フラクションBHおよびCH
は、低分子画分、フラクションBLおよびCLよりも多
くのペプチドを含有していた。
【0029】
【表1】
【0030】図3および4は、高分子画分、フラクショ
ンBHおよびCHの加水分解前後の主な増加アミノ酸含
量を示す。中・塩基性高分子画分(フラクションBH)
の場合、増加したアスパラギン酸、グルタミン酸、グリ
シン、リシンおよびヒスチジンは、全増加アミノ酸の8
0%であった。アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシ
ン、リシンおよびヒスチジンの増加は、それぞれ、7
2、136、82、226および70mg/100mL
となり、それぞれ、加水分解後の全増加アミノ酸の1
0、18、11、30および9%に相当した(図3)。
【0031】酸性高分子画分(フラクションCH)の場
合、増加したアスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン
およびヒスチジンは、全増加アミノ酸の70%であっ
た。アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシンおよびヒ
スチジンの増加は、それぞれ、131、148、42お
よび38mg/100mLとなり、それぞれ、加水分解
後の全増加アミノ酸の26、29、8および7%に相当
した(図4)。
【0032】実施例2ペプチド画分の官能評価 表2は、単純合成エキスの組成を示す。
【0033】単純合成エキスは、魚醤の呈味有効成分で
あると確認された11種の化合物(グルタミン酸、アス
パラギン酸、アラニン、プロリン、トレオニン、バリ
ン、ヒスチジン、チロシン、シスチン、メチオニン、お
よびピログルタミン酸)を魚醤中の濃度になるように混
合したもので、魚醤の味を良く再現している。グルタミ
ン酸含量が極めて高いため、高および低グルタミン酸合
成エキスの両方について官能試験を行い、グルタミン酸
含量の影響を見た。
【0034】表3は、単純合成エキスに加えられるペプ
チド画分の寄与に関する官能評価の結果を示す。中・塩
基性高分子画分(フラクションBH)および酸性高分子
画分(フラクションCH)を、低および高グルタミン酸
11成分単純合成エキスに加えた。数値は、味および風
味特性それぞれの項目についてのt値である。それら値
は、その値が0より大きいほど、味は強くなり、その値
が0より小さいほど、味は弱くなることを意味してい
る。
【0035】
【表2】
【0036】
【表3】
【0037】低および高グルタミン酸単純合成エキスへ
の中・塩基性高分子画分(フラクションBH)の添加
は、甘味を大きく増加させたが、それは、低グルタミン
酸エキスの場合、高グルタミン酸エキスの場合より大き
かった。酸性高分子画分(フラクションCH)の添加に
より、甘味は僅かに減少したが、酸味は、まろらかさの
減少と共に著しく増加した。両方の画分とも、苦味、高
グルタミン酸エキスのフラクションCHの場合を除く旨
味、持続性、先味および後味を有意に増加させた。渋
み、こくおよび伸びも、フラクションCHの添加によっ
て増大した。これら結果から、高分子画分(フラクショ
ンBHおよびCH)中のペプチドは、魚醤の味および風
味特性に大きく貢献したということが明らかである。
【0038】実施例3ペプチドの単離 実施例1の魚醤画分それぞれを、オクタデシルシリカ
(ODS)カラム(Inertsil ODS−3,4.6x2
50mm,GL Sciences Inc., 東京)クロマトグラフ
ィーに付した。溶離は、0.05%TFA含有アセトニ
トリルで150分以内に0〜20%の直線勾配によって
0.7mL/分の流量で行った。ペプチドおよびアミノ
酸を、UV検出器によって215nmで検出した。溶離
される主要ピークをフラクションコレクターによって集
めた。注入量は20μLであったが、更に別の分析用に
実質的な量を得るために、注入を5回繰り返した。これ
らプールされたピークを凍結乾燥させ、300μLの脱
イオン水中に溶解させた。
【0039】3種類のペプチドを、図5に示される中・
塩基性高分子画分(フラクションBH)から単離した。
これらペプチドは、プロテインシークエンサー(476
A,Applied Biosystems Inc., フォスター)によっ
て、Tyr−Pro−Orn、Val−Pro−Orn
およびGly−Pro−Orn−Glyと確認された。
オルニチンが、これらトリペプチドの共通成分であると
いうことは興味深い。オルニチンは、タンパク質中には
取り込まれないということは周知である。したがって、
これらペプチドは、抗生物質のような細菌生産物に由来
しうる。中・塩基性低分子画分(フラクションBL)か
らは、一つのペプチドだけが単離され、プロテインシー
クエンサー(476A,Applied Biosystems Inc., フ
ォスター)によってAla−Proと確認された(図
6)。図7に示される酸性高分子画分(フラクションC
H)から単離されたペプチドはなかったが、図8に示さ
れる酸性低分子画分(フラクションCL)からは、13
種類のペプチドが単離された。これらピークからの10
種類のジペプチドは、プロテインシークエンサー(47
6A,Applied Biosystems Inc., フォスター)によっ
てAsp−Glu、Asp−Pro、Asp−Phe、
Glu−Pro、Glu−Phe、Gly−Phe、G
ly−Tyr、Val−Pro、Tyr−Proおよび
Phe−Proと確認された。3種類のトリペプチド
も、プロテインシークエンサー(476A,Applied Bi
osystems Inc., フォスター)によってAsp−Met
−Pro、Glu−Met−ProおよびVal−Pr
o−Gluと確認された。
【0040】上記のように、魚醤画分から17種類のペ
プチドが単離され且つ確認された。これらジペプチドの
多くが、トリペプチドのC末端または中心にプロリンを
含有していたことは興味深い。魚あるいは微生物由来の
プロテイナーゼおよびペプチダーゼは、プロリンのN末
端ペプチド結合をほとんど加水分解できないということ
が示唆されうる。
【0041】初期保持時間成分の検討 図5〜8に示されるクロマトグラムにおいて、より初期
の保持時間の領域(先端ピーク)には、多数の小さいピ
ークが存在した。したがって、他のペプチドの存在を確
かめるために、その先端ピークを集め、加水分解前後の
アミノ酸分析に用いた。図9は、加水分解前後の中・塩
基性高分子画分(フラクションBH)からの先端ピーク
中の結合アミノ酸を示す。アスパラギン酸、グルタミン
酸、プロリン、グリシンおよびリシンの5種類のアミノ
酸が、その画分の先端ピーク中の主要成分として確認さ
れた。アスパラギン酸およびグルタミン酸は、加水分解
後に、それぞれ13倍および19倍まで増加した。グリ
シンおよびリシンも、加水分解後に、それぞれ11倍お
よび15倍まで増加した。図10は、中・塩基性低分子
画分(フラクションBL)からの先端ピークに関するデ
ータを示す。この場合、プロリン、グリシン、アラニ
ン、バリン、リシンおよびヒスチジンの多数のアミノ酸
が、加水分解後に増加した。最大の増加は、プロリンお
よびグリシンで見られ、それぞれ、34倍および14倍
まで増加した。
【0042】図11は、酸性高分子画分(フラクション
CH)からの先端ピークに関するデータを示す。加水分
解後に増加したアミノ酸の量はかなり多く、アスパラギ
ン酸、グルタミン酸、グリシン、リシンおよびヒスチジ
ンは、加水分解後に多量に見出された。これらの結果か
ら、これら画分中には、上述のように単離され且つ確認
されたもの以外にも多数の他の種類のペプチドが存在す
るということが明らかである。
【0043】先端ピークの分析は、初めの15分以内の
ピーク分離がほぼ充分であったので、酸性低分子画分
(フラクションCL)(図8)の場合は行わなかった。
【0044】実施例4ペプチドの合成 試薬 ジペプチド、トリペプチドおよびテトラペプチドの合成
には、9−フルオレニルメトキシカルボニル(Fmo
c)アミノ酸、Fmoc−Glu(OtBu)・H2O、
Fmoc−Gly、Fmoc−Pro、Fmoc−Ty
r(tBu)、Fmoc−Val、Fmoc−Metお
よびFmoc−Asp(OtBu)を、Peptide Institu
te,Inc., 大阪から購入した。Fmoc−Orn(Bo
c)−OH、H−Pro−OtBu・HClおよびH−
Glu(OtBu)−OtBu・HClは、Noba Biochem
Co., シュヴァルバッハから入手した。Fmoc−アミ
ノ酸樹脂として、TentaGel S Trt−Or
n(Boc)Fmocを、Fluka Chemika Co., ブフス
から入手した。Fmoc−Gly−CLEAR酸および
Fmoc−Phe−CLEAR酸樹脂は両方とも、Pept
ide Institute,Inc., 大阪から購入した。
【0045】カップリングおよび脱保護剤用の試薬とし
て、2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−
1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオ
ロリン酸(HBTU)、N−ヒドロキシベンゾトリアゾ
ール・H2O(HOBt)およびベンゾトリアゾール−
1−イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウム
ヘキサフルオロリン酸(BOP)は、Noba Biochem C
o., シュヴァルバッハから入手した。ジイソプロピルエ
チルアミン(DIEA)、ピペリジン、脱水N,N−ジ
メチルホルムアミド(DMF)およびN−メチルモルホ
リン(NMM)は、Kanto Chemical Co.,Inc., 東京か
ら購入した。トリフルオロ酢酸(TFA)は、Wako Pur
e Chemical Industries,Ltd., 大阪から購入した。他の
試薬は、分析用等級のものであり、Wako から入手し
た。
【0046】固相法 ペプチドを、ペプチド合成機(PSSM−8システム,
Shimadzu,京都)を用いた固相法によって合成した。F
moc−アミノ酸樹脂は、DMFを用いて予め洗浄し
た。Fmoc−アミノ酸を、次のカップリングサイクル
を用いて逐次的にカップリングさせた。1.DMF洗浄
(2x2分);2.30%(v/v)ピペリジン/DM
F洗浄(5分);3.DMF洗浄(5x2分);4.カ
ップリング工程(30分);5.DMF洗浄(2x2
分)。アミノ酸のカップリングには、Fmoc−アミノ
酸それぞれをDMF中に溶解させた後、HBTU、HO
BtおよびDIEAの試薬混合物を用いて活性化させ、
そして反応容器中に移した。カップリング反応は30分
間続けた。反応後ピペリジンを用いた末端Fmocの切
断し、その樹脂を、DMF(2回)、メタノール(5
回)およびtert−ブチルメチルエーテル(2回)を用い
て洗浄後、真空中で注意深く1時間乾燥させた。ペプチ
ド樹脂を、94%TFA、5%アニソールおよび1%エ
タンジオールの混合物と一緒に3時間撹拌することによ
って、ペプチドを切断し且つ保護基をはずした。その混
合物を濾過し、TFAを用いて樹脂を2回洗浄した。合
わせた濾液を冷エーテルと直接混合した。ペプチドを−
20℃で2時間完全に沈澱させ、遠心分離によって集め
た。その生成物を、冷エーテルを用いて2回洗浄し、遠
心分離によって集めた後、真空中で充分に乾燥させた。
【0047】上記の方法により、Tyr−Pro−Or
n(19.5mg)、Val−Pro−Orn(16.
7mg)、Gly−Pro−Orn−Gly(22.9
mg)およびGlu−Phe(13.0mg)を合成し
た。
【0048】液相法 下記の3種類のトリペプチドは、上記固相法では正しく
合成されなかった。したがって、これらペプチドを液相
法によって合成した。
【0049】Val−Pro−Glu. Fmoc−Val(339mg)およびPro−Ot
u・HCl(171mg)のDMF(3mL)溶液に、
3種類の試薬BOP(663mg)、HOBt(200
mg)およびNMM(0.1mL)を0℃で加え、その
混合物を室温で20時間撹拌した。溶媒を凍結乾燥によ
って除去後、その反応混合物を、EtOAcを用いて希
釈し、10%クエン酸、H2O、飽和NaHCO3、H2
Oおよび飽和NaClを用いて逐次的に洗浄し、MgS
4上で乾燥させ、真空中で濃縮した。その残査をシリ
カゲルクロマトグラフィー(Kieselgel 60,3.5x
10cm,ヘキサン−EtOAc)に付して、Fmoc
−Val−Pro−OtBu(190mg;37%収
率)を得た。
【0050】このFmoc−Val−Pro−OtBu
(100mg)を、TFA(2mL)中に室温で溶解さ
せ、1時間撹拌した。溶媒を凍結乾燥によって除去後、
その反応混合物をシリカゲルクロマトグラフィー(Kies
elgel 60,3.5x10cm,ヘキサン−EtOA
c,EtOAc−MeOH)に付して、Fmoc−Va
l−Pro・OH(88mg;99%収率)を得た。
【0051】上のジペプチド(88mg)およびGlu
(OtBu)OtBu・HCl(51.8mg)のDMF
(2mL)中溶液に、BOP(133mg)、HOBt
(41mg)およびNMM(0.1mL)を0℃で加
え、その混合物を上述のように反応させ且つ処理して、
Fmoc−Val−Pro−Glu(OtBu)OtBu
(82.8mg;59%収率)を得た。
【0052】保護されたトリペプチドをTMF(2m
L)中に室温で溶解させ、2時間撹拌した。溶媒を凍結
乾燥によって除去後、残査をピペリジン(3mL)中に
溶解させ、室温で3時間撹拌した。溶媒を凍結乾燥によ
って除去後、その反応混合物を逆相HPLCに付して、
Val−Pro−Glu(39.6mg;95%収率)
を得た。
【0053】Glu−Met−Pro. Fmoc−Met(371mg)およびPro−Ot
u・HCl(171mg)のDMF(3mL)中溶液
に、BOP(663mg)、HOBt(270mg)お
よびNMM(0.1mL)を0℃で加え、その混合物を
上のように反応させ且つ処理して、Fmoc−Met−
Pro−OtBu(230mg;44%収率)を生じ
た。このようにして得られたFmoc−Met−Pro
−OtBu(120mg)を、DMF(1mL)および
ピペリジン(1mL)中に溶解させ、上のように反応さ
せて、H−Met−Pro−OtBu(65mg;94
%収率)を生じた。上のジペプチド(65mg)および
Fmoc−Glu(OtBu)・OH(194mg)を
DMF(2mL)中に溶解させ、上のように反応させ
て、Fmoc−Glu(OtBu)−Met−Pro−
tBu(181.9mg;70%収率)を得た。
【0054】この保護されたトリペプチドを、TFA
(2.7mL)および0.3mLの硫化エチルメチル
(Guttmann & Boissonnas,1959年)中に溶解させ、上
のように処理して、Glu−Met−Pro(57.6
mg;60%収率)を得た。
【0055】Asp−Met−Pro. 上記のように合成されたFmoc−Met−Pro−O
tBu(110mg)を、基本的に上述の記載手順にし
たがって、Asp−Met−Pro(28.6mg;6
5%収率)の合成に用いた。
【0056】実施例5合成されたペプチドの精製 合成されたペプチドの精製は、Shimadzu LC−6AD
液体クロマトグラフ(Shimadzu,京都)を用いて、Iner
tsil ODS−3カラム(10x250mm,GL Scie
nces Inc., 東京)により、室温において、40分間で
0.05%TFA含有アセトニトリルの0〜20%の直
線勾配により2mL/分の流量で行った。ペプチドを2
15nmで検出した。主要画分を集め、凍結乾燥させ
た。
【0057】分析用HPLCに関して、用いられるシス
テムは、2個の Shimadzu ポンプ(LC−6AD)、U
V分光光度計検出器(SPD−6A)およびシステムコ
ントローラー(SCL−6B)から成る。
【0058】実施例6官能評価 合成されたペプチドを、脱イオン水(5mM)中に溶解
させ、数滴の希NaOHまたはHClを用いて、pHを
6.02に調整した。これらペプチドの官能評価は、女
性2人、男性1人の3人のパネルメンバーによって行っ
た。
【0059】単離された17種類のペプチドの内、8種
類のペプチドは商業的に入手可能であった。Ala−P
ro、Asp−Glu、Asp−Phe、Gly−Ph
e、Gly−Tyr、Val−Pro、Tyr−Pro
およびPhe−Proのような商業的に入手可能なジペ
プチドは、Bachem Co., ブベンドルフから入手し、官能
評価に用いた。一つのジペプチドGlu−Phe、二つ
のトリペプチドおよび一つのテトラペプチドを、ペプチ
ド合成機で合成した。3種類の他のトリペプチドは、液
相法によって合成した。これら合成されたペプチド、T
yr−Pro−Orn(MW,392)、Val−Pr
o−Orn(MW,328)、Gly−Pro−Orn
−Gly(MW,343)、Glu−Phe(MW,2
94)、Val−Pro−Glu(MW,343)、G
lu−Met−Pro(MW,375)およびAsp−
Met−Pro(MW,361)を、図12〜18に示
される質量分析によって更に確認した。質量スペクトル
はいずれも、これらペプチドの推定構造を充分に支持し
た。次に、これらペプチドを、食塩の存在下および非存
在下において官能評価に用いた。
【0060】合成されたいくつかのペプチドは量が少な
かったので、これらペプチドを5mM水溶液として調べ
た。Asp−ProおよびGlu−Proについての官
能評価は、それらの得られた量が不充分なために行わな
かった。
【0061】塩非存在下での評価 塩の非存在下において、苦味または酸味、旨味、または
ほとんど無味を示した。魚醤中のプロリン含有ジペプチ
ドの内、Phe−Proだけは苦味を与えた(表4)。
プロリンを含有する5種類のトリペプチドの内、Tyr
−Pro−OrnおよびVal−Pro−Ornは苦味
を有した。
【0062】塩存在下での評価 これらペプチドの味への塩の作用は、0.3%食塩の存
在下で決定した(表4)。ほとんど全てのペプチドが、
先味に甘みを示し、そしてVal−Pro−Orn、G
lu−Met−ProおよびGly−Tyrを除いて、
後味として旨味を有した。前者二つは先味に旨味を、後
味に甘味を与えたが、最後の一つは、甘味だけを与え
た。興味深いことに、塩の存在下におけるこれら甘味お
よび旨味は、塩の非存在下の味とはほとんど無関係であ
った。つまり、食塩非存在下では甘みおよび旨味をほと
んど示さなかったが、食塩存在下では甘みおよび旨味を
示した。魚醤は高濃度の塩を含有しているので、これら
ペプチドは、魚醤の甘味および旨味の原因となっている
といえる。これらデータは、ペプチド画分が合成エキス
の甘味、旨味または酸味、更には、他の風味特性を増加
させた前のデータ(表3)と充分に一致していた。
【0063】
【表4】
【0064】官能評価結果の考察 いくつかのペプチドについては、表4に示されるよう
に、呈味作用が既に報告されている(Kirimuraら(196
9、前出); Araiら(1973、前出); Noguchi, M., Arai,
S., Yamashita, M., Kato, H., and Fujimaki M. (197
5) Isolation and identification of acidic oligopep
tides occurring in a flavor potentiatingfraction f
rom a fish protein hydrolysate. J Agric. Food Che
m., 23, 49〜53.; Hessel, P. (1999) Amino acids, p
eptides, proteins. In Food Chemistry, (Belitz, H.-
D. and Grosch, W, Ed.) 2nd ed. Springer, New York,
pp. 8〜91)。これらペプチドの呈味特性は、食塩の非
存在下において、酸味/旨味、旨味、無味(ほとんど味
のない)、甘味および苦味に分類された。酸味ペプチド
には、Asp−Glu、Tyr−ProおよびVal−
Pro−Gluが含まれた。ほとんど無味なペプチド
は、Gly−Pro−Orn−Gly、Asp−Ph
e、Glu−PheおよびGlu−Met−Proであ
った。甘味を有するペプチドは、Val−Proだけで
あり、旨味を有するものにも、Asp−Met−Pro
だけが含まれた。苦味ペプチドには、Tyr−Pro−
Orn、Val−Pro−Orn、Ala−Pro、G
ly−Phe、Gly−TyrおよびPhe−Proが
含まれた。
【0065】Ishibashi ら(Ishibashi, N., Kubo, M,
Chino, M., Fukui, E, Shinoda, L,Kikuchi, E., Okai,
R, and Fukui, S. (1988) Taste of proline-containi
ngpepties. Agric. Biol. Chem., 52, 95〜98)は、プ
ロリン含有ジペプチドが苦味を示したことを報告してい
る。同じQ値を有するPro−GlyおよびGly−P
roの味は、互いに異なっていた。前者は無味であった
が、後者は苦味を有していた。彼らは、ペプチドの苦さ
におけるプロリン残基の最も有意の役割が、プロリン分
子のピロリジン環のためにペプチド骨格を折りたたむこ
とによるペプチド分子の立体配座変更に依存していると
報告している。したがって、本発明のトリペプチドの苦
さは、このαイミノ酸によるそれらの分子の立体配座に
由来しうる。
【0066】若干のペプチドは、Asp−Phe、Gl
u−Phe、Val−ProおよびTyr−Proの味
に見られるように、報告された味とはかなり異なった味
を示した(表4)。その違いは、ペプチドの濃度または
試験液のpHの違いに由来しうる。本実施例において、
ペプチド溶液のpHは、官能評価の前に6.02に調整
したが、報告されたジペプチド官能試験には、pHに関
する記載はなかった。Wangら(Wang, K, Maga, J. A, a
nd Bechtel, P. J. (1996) Taste propertiesand syner
gisms of beefy meaty peptide. J Food Science, 61,
837〜839)は、牛肉ペプチド(BMP)へのpHの作用
を報告している。pH3.5での味は酸味であるが、p
H6.5ではそれが旨味に変わり、そしてpH9.5で
は、旨味と共に甘味および塩辛味が現れた。濃度の異な
るペプチド溶液についての官能評価は、合成されたペプ
チドの量が不充分であったので、行うことができなかっ
た。
【0067】Ney(1971、前出)によって報告された法則
によれば、1.4kcal/molより高いQ値を有す
るペプチドは味が苦く、1.3kcal/molより低
いQ値を有するものは苦くない。Q値の計算を、表3に
示されるペプチドについて行った場合、1.4kcal
/molより高いQ値を有するペプチドには、Ala−
Pro、Asp−Pro、Asp−Phe、Glu−P
ro、Glu−Phe、Gly−Tyr、Val−Pr
o、Tyr−Pro、Phe−Pro、Asp−Met
−Pro、Glu−Met−ProおよびVal−Pr
o−Gluが含まれた。これらのペプチドの内、Ala
−Pro、Gly−TyrおよびPhe−Proだけが
苦味を示した。したがって、上述のNeyによって報告さ
れた法則は、全てのペプチドに当てはまらないかもしれ
ないが、呈味は、濃度依存性でありうる。
【0068】前出のKirimura ら(1969年)の法則に関
しては、魚醤中で見出される若干のジペプチドは、この
法則に従う。例えば、Asp−Gluは酸味を示し、G
ly−PheおよびGly−Tyrは苦味を示した(表
4)。
【0069】前出のArai ら(1973年)の分類に関して
は、Glu−Pheは苦味ジペプチドに分類されるが、
それは、本評価ではほとんど味がないと判定されており
(表4)、5mM濃度のGlu−Pheは、このジペプ
チドの閾値未満であったことが示唆される。
【0070】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
魚醤の深い且つ複雑な味に関与しているペプチドを旨味
成分とする、魚醤の旨味を有しかつ魚醤特有の臭気が改
善された調味料を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、Dowexイオン交換体による魚醤試料
の分画フローを示す。
【図2】 図2は、限外濾過による魚醤画分の分別フロ
ーを示す。
【図3】 図3は、500Daより大きい分子量を有す
る中・塩基性画分(フラクションBH)の加水分解前後
のアミノ酸含量を示す。
【図4】 図4は、500Daより大きい分子量を有す
る酸性画分(フラクションCH)の加水分解前後のアミ
ノ酸含量を示す。
【図5】 図5は、500Daより大きい分子量を有す
る中・塩基性画分(BH)のHPLCプロフィールを示
す。
【図6】 図6は、500Daより小さい分子量を有す
る中・塩基性画分(BL)のHPLCプロフィールを示
す。
【図7】 図7は、500Daより大きい分子量を有す
る酸性画分(CH)のHPLCプロフィールを示す。
【図8】 図8は、500Daより小さい分子量を有す
る酸性画分(CL)のHPLCプロフィールを示す。
【図9】 図9は、中・塩基性高分子画分(フラクショ
ンBH)からの先端ピークの加水分解前後のアミノ酸含
量を示す。
【図10】 図10は、中・塩基性低分子画分(フラク
ションBL)からの先端ピークの加水分解前後のアミノ
酸含量を示す。
【図11】 図11は、酸性高分子画分(フラクション
CH)からの先端ピークの加水分解前後のアミノ酸含量
を示す。
【図12】 図12は、合成されたTyr−Pro−O
rnのポジティブマススペクトルを示す。
【図13】 図13は、合成されたVal−Pro−O
rnのポジティブマススペクトルを示す。
【図14】 図14は、合成されたGly−Pro−O
rn−Glyのポジティブマススペクトルを示す。
【図15】 図15は、合成されたGlu−Pheのポ
ジティブマススペクトルを示す。
【図16】 図16は、合成されたVal−Pro−G
luのポジティブマススペクトルを示す。
【図17】 図17は、合成されたGlu−Met−P
roのポジティブマススペクトルを示す。
【図18】 図18は、合成されたAsp−Met−P
roのポジティブマススペクトルを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07K 5/093 C07K 5/093 5/103 ZNA 5/103 ZNA (72)発明者 渡辺 毅彦 茨城県猿島郡境町西泉田1437−2 日本た ばこ産業株式会社食品事業部内 Fターム(参考) 4B047 LB02 LB09 LE01 LG16 LG54 LP01 4H045 AA10 AA30 BA12 BA13 CA52 EA01 FA31 FA71 GA10 GA23 HA02 HA31

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 魚醤中から分離でき、旨味を有するトリ
    ペプチド及びテトラペプチド。
  2. 【請求項2】 食塩存在下で旨味を有する、請求項1記
    載のトリペプチドおよびテトラペプチド。
  3. 【請求項3】 Tyr−Pro−Ornである、請求項
    1又は2記載のトリペプチド。
  4. 【請求項4】 Val−Pro−Ornである、請求項
    1又は2記載のトリペプチド。
  5. 【請求項5】 Gly−Pro−Orn−Glyであ
    る、請求項1又は2記載のテトラペプチド。
  6. 【請求項6】 Val−Pro−Gluである、請求項
    1又は2記載のトリペプチド。
  7. 【請求項7】 Glu−Met−Proである、請求項
    1又は2記載のトリペプチド。
  8. 【請求項8】 Asp−Met−Proである、請求項
    1又は2記載のトリペプチド
  9. 【請求項9】 請求項1乃至8に記載のトリペプチド及
    びテトラペプチドの少なくとも一種を旨味成分として有
    する調味料。
  10. 【請求項10】 調味料が魚介エキス、だし、畜肉エキ
    ス、ブイヨン等の蛋白分解エキス、又は抽出エキスであ
    る、請求項9記載の調味料。
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