JP2003104627A - 糸太さ検出器を備える糸条巻取機 - Google Patents

糸太さ検出器を備える糸条巻取機

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JP2003104627A JP2001306092A JP2001306092A JP2003104627A JP 2003104627 A JP2003104627 A JP 2003104627A JP 2001306092 A JP2001306092 A JP 2001306092A JP 2001306092 A JP2001306092 A JP 2001306092A JP 2003104627 A JP2003104627 A JP 2003104627A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 玉揚動作完了後の糸巻取開始直後に、無駄な
糸切断が行われてしまうことを確実に防止し、さらに、
作業能率の低下を抑制する糸条巻取機を提供する。 【解決手段】 給糸巻糸体5の糸を引き上げて巻取管7
に巻き取って巻取巻糸体6とする複数の巻取ユニット2
と、巻取巻糸体6を外して新たな巻取管7をセットして
糸端を装着する玉揚装置3とを備える糸条巻取機1であ
って、巻取ユニット2の各動作を制御するユニットコン
トローラ41と、給糸巻糸体5と巻取巻糸体6との間の
糸道に配設される糸太さ検出器19と、糸太さ検出器1
9のゼロ点調整機能を備えるクリアラーコントローラ6
0とを有し、ユニットコントローラ41は、玉揚装置3
の玉揚動作中にクリアラーコントローラ60に対してゼ
ロ点補正信号を送信することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、糸太さ検出器を備
える糸条巻取機に関し、詳しくは、糸太さ検出器のゼロ
点調整機能を備える糸条巻取機に関する。
【0002】
【従来の技術】数本〜数十本の給糸巻糸体の糸を連続的
に引き上げて巻取管に巻き取り、巻取巻糸体とする複数
の巻取ユニットを備える糸条巻取機においては、巻取時
に、糸条の途中に存在するスラブ・ネップなどの不良部
分を検出して除去することが行われる。これらの不良部
分を検出するために、各巻取ユニットには、巻取中の糸
太さを常時測定する糸太さ検出器が、給糸巻糸体と巻取
巻糸体との間の糸道に備えられ、前述の不良部分は、糸
太さ欠点として検出される。巻取中に糸太さ欠点が検出
されると、糸切断装置により糸が切断された後、所定の
糸継動作において不良部分が除去される。
【0003】糸太さ検出器における糸太さ検出方式とし
ては、静電容量式または光学式のものがよく用いられ
る。この場合、検出された糸の太さは、電圧に変換され
て把握される。しかし、回路上の電圧レベルは、種々の
要因により、経時的に変動することが多いため、糸太さ
検出値に経時的な狂いが生じることがある。
【0004】そこで、糸太さ検出器(「ヤーンクリア
ラ」ともいう)から糸太さ検出信号を受け取り、これに
基づき糸切断装置へとカット指令を送信するクリアラー
コントローラに、糸太さ検出値のゼロ点調整機能を備え
させることが、通常行われている。
【0005】クリアラーコントローラは、糸太さ検出器
に糸が無い状態で、基板上の回路定数を調整して、出力
信号をゼロに合わせることでゼロ点調整(ゼロ点補正)
を行う。糸が無い状態におけるこのゼロ点調整は、通
常、糸太さ欠点が検出されて除去された後、給糸巻糸体
側の糸端と巻取巻糸体側の糸端とを糸継装置でつなぐま
でのスプライスサイクル時に行われる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
構成によると、スプライスサイクル時のみゼロ点調整が
行われるものであるため、その他の要因により糸継装置
に糸が無い状態となり長時間経過してしまった場合に、
ゼロ点調整を行うことができない。とくに、糸条巻取機
の各巻取ユニットにおいては、十分に糸が巻きつけられ
て満管状態となった巻取巻糸体を外して新たな巻取管を
セットして糸端を装着する場合(玉揚動作を行う場合)
に、必ずしもすぐに玉揚動作が行われず、糸が無い状態
のまま長時間経過することがよくあり、このとき、ゼロ
点のずれが生じてしまいやすい。
【0007】このため、玉揚動作完了後の糸巻取開始直
後に、ゼロ点がずれていることにより、正常な太さ部分
が糸太さ欠点として検出されてしまい、無駄な糸切断が
行われてしまうことがよくある。そして、玉揚動作完了
後の糸巻取開始直後に無駄な糸切断が行われると、まだ
上糸(巻取管に巻かれた糸)の量が少ない状態にあるた
め、糸継装置によって上糸と下糸(給糸巻糸体側の糸)
との糸継ぎ動作が行われる際に、上糸の吸引捕捉によっ
て巻取管に巻かれた上糸が無くなってしまうことも発生
する。そうすると、巻取巻糸体への糸の巻取作業を自動
で継続できなくなり、作業能率の低下を招いてしまう。
そして、糸条巻取機には通常多数の巻取ユニットが備え
られているため、さらに大幅な能率の低下にもつながっ
てしまう。
【0008】本発明は、上記実情に鑑みて成されたもの
であり、玉揚動作完了後の糸巻取開始直後に、無駄な糸
切断が行われてしまうことを確実に防止し、さらに、作
業能率の低下を抑制する糸条巻取機を提供することを目
的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に記載の糸太さ検出器を備える糸条巻取機
は、給糸巻糸体の糸を引き上げて巻取管に巻き取って巻
取巻糸体とする複数の巻取ユニットと、前記巻取巻糸体
を外して新たな巻取管をセットして糸端を装着する玉揚
装置とを備える糸条巻取機であって、前記巻取ユニット
の各動作を制御するユニットコントローラと、前記給糸
巻糸体と前記巻取巻糸体との間の糸道に配設される糸太
さ検出器と、前記糸太さ検出器のゼロ点調整機能を備え
るクリアラーコントローラとを有し、前記ユニットコン
トローラは、前記玉揚装置の玉揚動作中に前記クリアラ
ーコントローラに対してゼロ点補正信号を送信すること
を特徴とする。
【0010】この構成によると、巻取ユニットの各動作
を制御するユニットコントローラが、クリアラーコント
ローラに対してゼロ点補正信号を送信する機能を備えて
おり、玉揚装置の玉揚動作中に送信を行うため、玉揚動
作完了時には、クリアラーコントローラでのゼロ点調整
が行われていることになる。したがって、玉揚動作完了
後の糸巻取開始直後に、糸太さ検出値におけるゼロ点の
ずれが生じていることもなく、無駄な糸切断が行われて
しまうことを確実に防止できる。そして、無駄な糸切断
による糸継ぎ動作によって、上糸の吸引捕捉により巻取
管に巻かれた上糸が無くなってしまうことも防止でき、
作業能率の低下も抑制できる。なお、玉揚直後に無駄な
糸切断が行われてしまい、上糸が無くなってしまう状態
が発生することを防止するために、例えば、糸切断後の
糸継ぎ動作において上糸を吸引捕捉しても、上糸が無く
なってしまわない状態に十分巻きつけられるまで、糸太
さ欠点の検出を行わないようにタイマー設定等しておく
ことも考えられる。しかし、このような方法では、糸巻
取開始直後の糸太さ欠点の検出を行っていない間に巻取
巻糸体に巻き取られた部分に、糸太さ欠点が混入してし
まう可能性がある。巻取巻糸体に糸太さ欠点が混入する
と、この巻取巻糸体を処理する後工程において、糸切れ
や染色ムラ等が生じる可能性もある。しかし、本発明の
構成によると、糸巻取開始直後に糸太さ欠点検出を行わ
ないようにする必要もなく、巻取巻糸体への糸太さ欠点
の混入を確実に防止できる。
【0011】請求項2に記載の糸太さ検出器を備える糸
条巻取機は、請求項1において、前記玉揚装置が、前記
玉揚装置と前記ユニットコントローラとに備えられる通
信手段を介して、前記玉揚動作中の特定タイミングに前
記ユニットコントローラに対して所定の信号を送信し、
前記ユニットコントローラが、前記玉揚装置から受信し
た信号に基づいて前記クリアラーコントローラに対して
前記ゼロ点補正信号を送信することを特徴とする。
【0012】この構成によると、玉揚装置とユニットコ
ントローラとに通信手段が備えられており、ユニットコ
ントローラは、玉揚装置による玉揚動作中の特定のタイ
ミングを把握することができ、この特定のタイミング
で、ユニットコントローラが、ゼロ点補正信号をクリア
ラーコントローラに送信することができる。すなわち、
玉揚動作を開始して巻取を再開するまでの間において、
毎回同じタイミングでゼロ点調整を行うことができる。
これにより、ゼロ点調整から巻取再開までの時間をばら
つくことなく毎回一定にでき、ゼロ点のずれが生じるこ
とを効果的に抑制できる。
【0013】請求項3に記載の糸太さ検出器を備える糸
条巻取機は、請求項2において、前記玉揚装置は、前記
複数の巻取ユニットの並設方向に沿って走行自在に配設
され、前記通信手段は、非接触通信により送受信を行う
ものであることを特徴とする。
【0014】この構成によると、複数の巻取ユニットの
並設方向に沿って走行自在に配設される玉揚装置を備え
る糸条巻取機においても、非接触通信により、ユニット
コントローラは、玉揚動作中の特定のタイミングを把握
することができ、請求項2と同様の効果が得られる。
【0015】請求項4に記載の糸太さ検出器を備える糸
条巻取機は、給糸巻糸体の糸を引き上げて巻取管に巻き
取って巻取巻糸体とする複数の巻取ユニットと、前記巻
取ユニットの各動作を制御するユニットコントローラ
と、前記給糸巻糸体と前記巻取巻糸体との間の糸道に配
設される糸太さ検出器と、糸太さ検出器のゼロ点調整機
能を備えるクリアラーコントローラとを備えた糸条巻取
機であって、前記ユニットコントローラに接続される操
作手段を有し、前記ユニットコントローラは、前記操作
手段の操作に関連して、前記巻取ユニットを玉揚準備状
態とすべく制御するとともに、前記クリアラーコントロ
ーラに対してゼロ点補正信号を出力することを特徴とす
る糸太さ検出器を備える糸条巻取機。
【0016】この構成によると、巻取ユニットの各動作
を制御するユニットコントローラが、クリアラーコント
ローラに対してゼロ点補正信号を送信する機能を備えて
おり、さらに、巻取ユニットを玉揚準備状態とすべく制
御するための操作手段が接続され、この操作手段の操作
に伴い、ゼロ点補正信号の送信が行われるため、自動玉
揚装置を備えず、作業者が手作業により巻取管の交換作
業及び新たな巻取管への糸付け作業を行う場合でも、玉
揚動作完了時には、クリアラーコントローラでのゼロ点
調整が行われていることになる。したがって、玉揚動作
完了後の糸巻取開始直後に、糸太さ検出値におけるゼロ
点のずれが生じていることもなく、無駄な糸切断が行わ
れてしまうことを確実に防止できる。そして、無駄な糸
切断による糸継ぎ動作によって、上糸の吸引捕捉により
巻取管に巻かれた上糸が無くなってしまうことも防止で
き、作業能率の低下も抑制できる。なお、玉揚直後に無
駄な糸切断が行われてしまい、上糸が無くなってしまう
状態が発生することを防止するために、例えば、糸切断
後の糸継ぎ動作において上糸を吸引捕捉しても、上糸が
無くなってしまわない状態に十分巻きつけられるまで、
糸太さ欠点の検出を行わないようにタイマー設定等して
おくことも考えられる。しかし、このような方法では、
糸巻取開始直後の糸太さ欠点の検出を行っていない間に
巻取巻糸体に巻き取られた部分に、糸太さ欠点が混入し
てしまう可能性がある。巻取巻糸体に糸太さ欠点が混入
すると、この巻取巻糸体を処理する後工程において、糸
切れや染色ムラ等が生じる可能性もある。しかし、本発
明の構成によると、糸巻取開始直後に糸太さ欠点検出を
行わないようにする必要もなく、巻取巻糸体への糸太さ
欠点の混入を確実に防止できる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら、本発
明の実施形態例に係る糸太さ検出器を備える糸条巻取機
を説明する。図1は、糸太さ検出器のゼロ点調整機能を
説明する図であり、図2は、糸条巻取機における巻取ユ
ニットの機器構成を示す側面図であり、図3は、糸条巻
取機全体の機器構成を示す正面図であり、図4は、糸条
巻取機全体の制御構成を示すブロック図である。
【0018】まず、糸条巻取機器1の機器構成について
説明する。図3において、糸条巻取機1は、多数並設さ
れた巻取ユニット2と、この多数の巻取ユニット2に沿
ってその配設方向に(図3の矢印(L)方向)に走行自
在である玉揚装置3とから構成される。
【0019】図2において、巻取ユニット2は、多数の
給糸巻糸体5(給糸ボビン又は給糸パッケージ)からの
糸を糸継ぎしながら順番に巻き取り、所定の糸量を有す
る大きな巻取巻糸体6(巻取パッケージ)を形成するも
のである。トレイ11に支持された給糸巻糸体5から解
舒される糸Yは、クレードル12(巻取管支持手段)に
保持され、綾振ドラム13に連れ回りする巻取巻糸体6
に巻き上げられる。
【0020】給糸巻糸体5から巻取巻糸体6までの糸道
に、下から上へと順に(上流側から下流側へと順に)、
給糸巻糸体5からの糸の解舒を補助する解舒補助装置1
5、糸Yに所定のテンションを付与するテンション付与
装置16、糸継装置20、スラブ等の糸太さ欠点を検出
するための糸太さ検出器19(ヤーンクリアラ)、糸Y
にワックスを塗布するためのワキシング装置17、綾振
ドラム13を配設して巻取ユニット2が構成される。
【0021】糸太さ検出装置19は、巻取中の糸太さを
常時測定するものであり、測定された糸太さ検出値に基
づいて、スラブ等の欠点が、糸太さ欠点として検出され
ることになる。糸太さ検出器19の検出方式としては、
静電容量式のもの又は光学式のものが用いられる。どち
らの方式であっても、検出された糸の太さは、電圧に変
換されて把握される。
【0022】そして、糸太さ検出器19の下方に、糸太
さ検出器19が糸太さ欠点を検出した際又は満管(巻取
巻糸体が、十分に糸が巻きつけられてフルパッケージと
なった状態)となって玉揚を行う際(満管状態となった
巻取巻糸体を巻取管支持手段から外し、新たな巻取管を
巻取管支持手段にセット(装着)するとともに、その新
たな巻取管に給糸巻糸体の糸端を装着(糸付け)する場
合)に、糸欠点検出信号又は満管信号により、給糸巻糸
体5と巻取巻糸体6との間で繋がった糸Yを切断するカ
ッター19a(糸切断装置)が付与されている。
【0023】テンション装置16は、糸との摩擦により
テンションを付与する接触式のもの、例えば、一対の櫛
刃を噛み合わせるゲート式又は一対のディスク間に糸を
挟んでテンションを付与するディスク式が用いられる。
このテンション付与装置16は、電気信号により付与テ
ンションが調整可能である。
【0024】糸継装置20には、両糸端の重ね合わせ部
分に旋回空気流を作用させてつなぐ、空気式の糸継装置
(エアサプライアー)を使用することが望ましいが、糸
端同士を結ぶ装置(ノッター)を使用することもでき
る。
【0025】糸継装置20の上方に、巻取巻糸体6から
の糸(以下、「上糸」という)を吸引捕捉して糸継装置
20内に旋回動作により移動して案内するサクションパ
イプ21(上糸捕捉案内手段)が設けられ、糸継装置2
0の下方に、給糸巻糸体5に繋がっている給糸巻糸体側
の糸(以下、「下糸」という)を吸引捕捉して糸継装置
20内に旋回動作により移動して案内する中継パイプ2
2(下糸捕捉案内手段)が設けられている。
【0026】中継パイプ22の先端には、下糸を吸引捕
捉するための下糸捕捉口22a(吸引口)と、この下糸
捕捉口22aを閉鎖状態又は開放状態に切り換えるとと
もに、閉鎖状態で下糸を把持するクランプ装置22bが
設けられている。この中継パイプ22は、後述するよう
に、任意の回転位置で位置決め可能なモータ49により
上下方向に旋回され、該モータ49の制御により、下方
終端位置(糸端捕捉位置)aと、糸継装置20より下方
で下向き状態となった待機位置b、糸継装置20より上
方で上向き状態となった玉揚待機位置c、及び糸継装置
20への導入位置(上方終端位置)dをとり得る。クラ
ンプ装置22bは、糸端捕捉位置a又は導入位置dでス
トッパに当たって閉鎖状態から開放状態に切り換わり、
下糸捕捉口22aから下糸を吸引するか、又は、把持し
ていた糸端を離して下糸捕捉口22aから吸引する。ク
ランプ装置22bは、糸端捕捉位置a及び導入位置d以
外の位置では閉鎖状態に維持され、捕捉した下糸は把持
し続けられる。
【0027】サクションパイプ21は、後述する駆動モ
ータ46とカム機構45を介して糸継装置20と連係駆
動され、上糸捕捉口(吸引口)が糸継装置20より下方
に位置する下向き待機位置と、上糸捕捉口が巻取巻糸体
6と綾振ドラム13との接触位置近傍に位置する上向き
捕捉位置とをとり得る。
【0028】給糸巻糸体5をチェンジするボビンチェン
ジ時には、給糸巻糸体5の糸端が吹き上げられ、この糸
端は、解舒補助装置15を経由して糸ガイド23まで達
し、糸端捕捉位置aにある中継パイプ22の下糸捕捉口
22aに吸引捕捉される。糸継ぎ時には、中継パイプ2
2が待機位置bから糸捕捉位置aまで旋回移動し、クラ
ンプ装置22bが開き、下糸捕捉口22aからの吸引に
より、テンション付与装置16で保持されている給糸巻
糸体5側の糸端が吸引捕捉される。
【0029】また、サクションパイプ21が、図示の実
線位置から矢印に沿って、上向き糸捕捉位置まで上方に
旋回移動し、綾振ドラム13の巻取方向とは逆方向の回
転により巻き戻された巻取巻糸体6の糸端を吸引捕捉す
る。そして、サクションパイプ21が図示の実線位置
(下向き待機位置)に向かって下向きに旋回移動すると
ともに、中継パイプ22が導入位置dに旋回移動する
と、下糸及び上糸の両方が糸継装置20に案内され、下
糸及び上糸が糸継装置20で糸継ぎされる。
【0030】綾振ドラム13は、駆動モータ25によ
り、巻取方向又はこれと逆方向に回転可能である。この
綾振ドラム13の表面には綾振溝が形成されており、こ
の綾振溝に沿って巻き上げられる糸Yが綾振動作を行
う。なお、この綾振ドラム13に代わり単なる駆動ドラ
ムを使用し、別途の綾振装置を設けるものであってもよ
い。
【0031】綾振ドラム13とともに連れ回りする巻取
巻糸体6は、クレードル12に保持されている。このク
レードル12はアーム12aの操作により、図2の紙面
厚み方向(図3の矢印(L)方向)に開閉自在であり、
満管の開放又は新たな巻取管の装着が可能になってい
る。巻取巻糸体6を保持するクレードル12は、クレー
ドルリフタ26により、綾振ドラム13より所定間隔だ
け浮上させることができる。また、浮上してフリーにな
った巻取巻糸体6の回転を阻止するパッケージブレーキ
27がクレードル12の先端に設けられている。
【0032】クレードル12から開放された巻取巻糸体
6は、パッケージガイド28を経てベルトコンベア等の
搬送装置29に排出される。搬送装置29は、巻取ユニ
ット2の後方に、巻取ユニット2の列設方向に沿って設
けられている。パッケージガイド28は、クレードル1
2と連係可能に連結されており、クレードル12が上昇
すると、パッケージガイド28が排出方向に傾く。ま
た、各巻取ユニット2のクレードル12の上方には、巻
取管貯留装置4が配設されており、後述する玉揚装置3
により、巻取管貯留装置4から受け取られた巻取管7が
クレードル12に装着される。
【0033】玉揚装置3は、巻取ユニット1の下糸を捕
捉し、クレードル12間にセットされた巻取管7に下糸
を装着する糸拾いレバー31と、この糸拾いレバー31
と連動して巻取管7に下糸を装着するとともに、バンチ
巻を施すための糸寄せレバー32と、クレードル12の
アーム12aを開閉操作するオープナー34と、巻取管
貯留装置4にある空の巻取管7を把持し、クレードル1
2まで運ぶチャッカー35とを備えて構成される。
【0034】図3の全体構成図及び図4の制御ブロック
図に示されるように、糸条巻取機1全体の制御構成とし
ては、各巻取ユニット2にそれぞれユニットコントロー
ラ41を有し、玉揚装置3は玉揚コントローラ42を有
し、多数のユニットコントローラ41と玉揚コントロー
ラ42とが共に通信ネットワークを介して機台コントロ
ーラ43に接続されている。
【0035】以上のような制御構成により、ユニットコ
ントローラ41から発した玉揚要求信号を機台コントロ
ーラ43を介して玉揚コントローラ42に送信すること
ができる。なお、機台コントローラ43は、機台の端部
にあって、機台全体を統括制御するものであり、機台コ
ントローラ43から通信ネットワークを介してユニット
コントローラ41及び玉揚コントローラ42に各種設定
値を送信できる。
【0036】図4において、ユニットコントローラ41
は、巻取ユニット2の各動作を制御するものであって、
このユニットコントローラ41には、中継パイプ22を
旋回駆動させるモータ49と、糸継装置20及びサクシ
ョンパイプ21を所定の順番に作動させるカム機構45
のカムを回転駆動する駆動モータ46と、綾振ドラム1
3を回転駆動する駆動モータ47とが接続されている。
なお、ユニットコントローラ41によって制御される巻
取ユニット2の各動作とは、糸太さ欠点の除去を含む糸
継ぎ動作等の動作のことである。モータ49としては、
例えばステッピングモータ又はパルスモータを使用でき
る。
【0037】そして、ユニットコントローラ41には、
中継パイプ22を、糸端捕捉位置aの手前の下向き待機
位置bと、糸端捕捉位置(下方終端位置)aと、導入位
置d以外に、導入位置の手前で上向き状態となって玉揚
を待つ玉揚待機位置cとに停止させる一時停止手段48
が設けられている。
【0038】また、ユニットコントローラ41は、後述
するが、糸太さ検出器19のゼロ点調整機能を備えるク
リアラーコントローラ60と通信可能に接続されてお
り、さらに、クレードルリフタ26の昇降制御を行うと
ともに、パッケージブレーキ27のオンオフ制御を行
う。なお、ユニットコントローラ41は、各巻取ユニッ
ト2にそれぞれ対応するように設けられるが、複数の巻
取ユニット2に対して1つのユニットコントローラ41
を対応させることも可能である。
【0039】玉揚装置3の玉揚コントローラ42には、
糸拾いレバー31、糸寄せレバー32、オープナー34
及びチャッカー35を所定の順番に作動させるカム機構
51のカムを回転駆動する駆動モータ52、玉揚装置3
を多数の巻取ユニット2に沿って走行させる車輪53を
回転駆動する駆動モータ54とが接続されている。
【0040】巻取ユニット2の巻取巻糸体6が満管にな
ると、該巻取ユニット2は、後述する所定の動作を行っ
て、下糸を捕捉する中継パイプ(下糸捕捉案内手段)2
2を玉揚待機位置cまで移動させた後に、玉揚装置3に
対して玉揚要求信号を発信する。玉揚要求信号は、巻取
ユニット2のユニット番号を含むものであり、その番号
に基づいて玉揚コントローラ42では、信号を発した巻
取ユニット2が特定される。また、巻取ユニット2は、
作業者に判るように玉揚要求表示手段である玉揚要求ラ
ンプ(図示せず)を点灯させる。図3に示すように、上
記玉揚要求信号はユニットコントローラ41から機台コ
ントローラ43を介して玉揚コントローラ42に送ら
れ、玉揚装置3は、玉揚要求信号を発する巻取ユニット
2に向かって走行し、その巻取ユニット2の真上に停止
する。そして、図4に示すように、玉揚装置3と巻取ユ
ニット2とは、通信手段56a、56bを介して通信
し、玉揚装置3と巻取ユニット2とが共同して玉揚に必
要な動作を行う。この通信手段56a、56bは、非接
触通信により送受信を行うものであり、例えば赤外線の
投受光を行うものが用いられる。
【0041】ここで、糸太さ検出器19の検出値に対す
るゼロ点調整機能について説明する。図1において、巻
取ユニット2のユニットコントローラ41は、前述した
ように、玉揚装置3との間で通信手段56a、56bを
介して赤外線通信が可能であるとともに、巻取ユニット
2内でクリアラーコントローラ60との間でも通信可能
に接続されている。
【0042】このクリアラーコントローラ60は、糸太
さ検出器19の検出値に対するゼロ点調整を行うゼロ点
調整手段61と、糸太さ検出器19の検出値に基づき、
スラブ等の糸太さ欠点を検出する糸太さ欠点検出手段6
2とを備え、糸太さ検出器19からの糸太さ検出信号を
受信するとともに、糸切断装置19aに糸切断信号を送
信可能に接続されている。
【0043】すなわち、クリアラーコントローラ60
は、糸巻取中に常時糸太さ検出器19により検出される
糸太さ検出信号を受信し、この受信した糸太さ検出信号
に基づき糸太さ欠点検出手段62によって、糸太さが所
定の範囲内(糸太さ欠点でない状態)にあるか判断さ
れ、この範囲を超えている場合は、糸切断装置19aへ
と糸切断信号を送信するものである。なお、この糸切断
信号に基づき糸切断装置19aにより糸Yが切断される
と、前述したように、サクションマウス21及び中継パ
イプ22を用いた糸継ぎ動作が行われ、その糸継ぎ動作
中に糸の欠点部分は吸引除去される。
【0044】そして、クリアラーコントローラ60に備
えられるゼロ点調整手段61においては、糸太さ検出器
19の検出領域に糸が無い状態で、後述するようにユニ
ットコントローラ41からのゼロ点補正信号を受信した
際に、基板上の回路定数を調整して、出力信号をゼロに
合わせることでゼロ点調整(ゼロ点補正)が行われる。
【0045】糸太さ検出器19に糸が無い状態であるこ
とは、ユニットコントローラ41においては、クリアラ
ーコントローラ60からの糸有無信号の送信により把握
される。糸切断装置19aによって、前述のように糸太
さ欠点を除去するために糸が切断された場合、又は後述
のように巻取巻糸体6が満管となって糸が切断された場
合、糸太さ検出器19内には、糸が無い状態となる。こ
のとき、糸太さ検出器19から受信される糸太さ検出信
号により糸太さ欠点検出手段62が、糸無し状態を検出
する。そして、糸無し状態であることを通知する糸有無
信号(糸無し信号)がユニットコントローラ41に対し
て送信される。ユニットコントローラ41では、この信
号を受信することで、糸太さ検出器19が糸無し状態で
あることが認識され、糸太さ欠点除去後に糸継装置20
で上糸と下糸とをつなぐスプライスサイクル時、または
玉揚動作時の特定タイミングで、クリアラーコントロー
ラ60に対してゼロ点補正信号が送信される。このゼロ
点補正信号を受信した際に、クリアラーコントローラ6
0では、ゼロ点調整手段61にて、糸太さ検出器19の
検出値に対するゼロ点調整が行われる。
【0046】ユニットコントローラ41からクリアラー
コントローラ60に対する、スプライスサイクル時にお
けるゼロ点補正信号の送信タイミングについては、ユニ
ットコントローラ41が、糸太さ欠点切断後の糸無し信
号を受信してからサクションパイプ21又は中継パイプ
22のいずれか一方の旋回動作指令を出力するまでの任
意のタイミングで設定される。また、玉揚動作時におけ
るゼロ点補正信号の送信タイミングについては、玉揚装
置3から所定の信号を受信したタイミングで設定され
る。この玉揚動作中におけるゼロ点補正信号の送信タイ
ミングについては、つぎに述べる玉揚動作の説明におい
て詳述する。
【0047】以下、上述した構成を有する糸条巻取機1
による、玉揚時の動作手順を図5及び図6により説明す
るとともに、玉揚動作中におけるゼロ点補正信号の送信
タイミングについて説明する。なお、図5は、巻取ユニ
ット2が玉揚要求信号を発するまでに行う手順を示し、
図6は巻取ユニット2と玉揚装置3とが共同して行う手
順を示す。
【0048】まず、図5(a)に示すように、綾振ドラ
ム13の回転数に対応するパルスの累積値から測定され
る糸長が所定の長さになると、巻取巻糸体6は満管であ
り、糸切断装置(カッター)19aを作動させて糸を切
断する。すると、上糸y1は、巻取巻糸体6に巻き取ら
れ、下糸y2は、テンション付与装置16に一瞬だけ保
持される。そのため、テンション付与装置16と解舒補
助装置15との間の下糸y2の糸道は保持される。ま
た、ユニットコントローラ41は、糸切断に伴って、綾
振ドラム13を急減速させる。
【0049】綾振ドラム13の減速開始と略同時に、図
5(b)に示すように、クレードルリフタ26とパッケ
ージブレーキ27を作動させ、巻取巻糸体6を綾振ドラ
ム13から少し浮いた状態として巻取巻糸体6の回転を
停止させる。その後、クレードルリフタ26は解除さ
れ、巻取巻糸体6が綾振ドラム13に接触した状態に戻
る。また、クレードルリフタ26の作動と略同時に、中
継パイプ22(下糸捕捉案内手段)が下向き待機位置b
から糸捕捉位置aに旋回移動する。中継パイプ22の下
糸捕捉口22aに設けられたクランプ装置22bがスト
ッパーである糸ガイド23に当たって開き、テンション
付与装置16と給糸巻糸体5との間において下糸捕捉口
22aから下糸y2が吸引捕捉される。
【0050】つぎに、図5(c)に示すように、中継パ
イプ22は、下糸y2を捕捉したまま、その下糸捕捉口
22aが糸継装置20より巻取巻糸体6側(上方)にあ
る上向き姿勢となって玉揚待機位置cまで旋回移動す
る。このとき、中継パイプ22は、糸継装置20への導
入位置dの手前の玉揚待機位置cで一時停止するため、
クランプ装置22bは下糸y2を把持したままである。
この状態で巻取ユニット2のユニットコントローラ41
から玉揚要求信号が機台コントローラ43を介して玉揚
装置3の玉揚コントローラ42に出力される。
【0051】また、この状態において、すなわち、中継
パイプ22が玉揚待機位置cにあっても、クランプ装置
22bで把持された下糸y2の先端は、糸太さ検出器1
9の下方にあり、さらに、上糸y1も巻取巻糸体6に巻
き取られているため、糸太さ検出器19内には、糸が無
い状態となっている。なお、ユニットコントローラ41
には、糸太さ検出器19が糸有り状態か糸無し状態かを
示す糸有無信号が、常時クリアラーコントローラ60か
ら送信されている(図1参照)。
【0052】そして、上記のように、機台コントローラ
43から玉揚コントローラ42に対して玉揚要求信号が
出力されると、図6(a)に示すように、玉揚要求信号
を受信した玉揚装置3が当該巻取ユニット2の真上まで
走行して、停止する。玉揚装置3が、当該巻取ユニット
2の真上で停止すると、赤外線通信による通信手段56
a、56bを介して、玉揚コントローラ42からユニッ
トコントローラ41に対して、到着したことを通知する
パルス信号が送信される。これにより、ユニットコント
ローラ41では、玉揚動作が開始されるタイミングが認
識される。
【0053】ユニットコントローラ41は、このパルス
信号を玉揚動作中の特定タイミングを示す所定の信号と
して受信し、これに基づき、クリアラーコントローラ6
0に対してゼロ点補正信号を送信する。このゼロ点補正
信号に基づき、先述したように、糸太さ検出器19に糸
が無い状態において、クリアラーコントローラ60のゼ
ロ点調整手段61にてゼロ点調整が行われる。このよう
に、玉揚動作中の特定タイミングにて、ユニットコント
ローラが、ゼロ点補正信号をクリアラーコントローラに
送信することができるため、玉揚装置3が当該巻取ユニ
ット2の真上に到達するまでの時間によらず、玉揚動作
を開始して巻取を再開するまでの間の毎回同じタイミン
グでゼロ点調整を行うことができる。よって、ゼロ点調
整から巻取再開までの時間をばらつくことなく毎回一定
にでき、ゼロ点のずれが生じることを効果的に抑制でき
る。
【0054】以下、玉揚動作についてさらに述べる。玉
揚装置3は、巻取ユニット2の真上に到着すると、糸拾
いレバー31を下に延ばしながら巻取ユニット2の側に
揺動させ、先端のカッター兼保持部31aを中継パイプ
22で捕捉された下糸y2に差し込み、下糸y2を切断
すると同時に保持することにより、中継パイプ22から
糸拾いレバー31へと下糸を捕捉し直す。この間、糸太
さ検出器19内は、糸が無い状態のままであるため、上
記のゼロ点調整を行うことができる。また、巻取ユニッ
ト2は中継パイプ22が下糸y2を糸継装置20より上
方の玉揚待機位置cになってから、玉揚要求信号を発し
て、玉揚装置3を呼ぶため、たまたま玉揚装置3が近く
にあって、直ぐに到達することがあっても、中継パイプ
22の旋回動作と糸拾いレバー31とが干渉することが
ない。
【0055】糸拾いレバー31の下糸捕捉と略同時に、
図6(b)に示すように、玉揚装置3の糸拾いレバー3
1が下糸を捕捉したタイミングが通信手段56a、56
bを介して玉揚コントローラ42からユニットコントロ
ーラ41に送信され、ユニットコントローラ41の制御
により、巻取ユニット2の中継パイプ22は導入位置d
まで旋回移動し、クランプ装置22bが開いて切断後の
残りの糸端を吸引する。そして、糸拾いレバー31の作
動と並行して、オープナー34がクレードル12のアー
ム12aを開きつつ持ち上げる。パッケージガイド28
も連係して傾斜し、クレードル12から外れた巻取巻糸
体6がパッケージガイド28を経てベルトコンベア29
上に確実に排出される。
【0056】なお、玉揚動作中のゼロ点補正信号の送信
タイミングとしては、前述した玉揚装置の到着タイミン
グに基づくものでなくてもよく、その他のタイミングに
基づくものであってもよい。すなわち、糸拾いレバー3
1が下糸を捕捉したタイミングを通信手段56a、56
bを介して玉揚コントローラ42が送信するパルス信号
を、ユニットコントローラ41は、玉揚動作中の特定タ
イミングを示す所定の信号として受信し、これに基づ
き、クリアラーコントローラ60に対してゼロ点補正信
号を送信してもよい。この場合、中継パイプ22の旋回
移動中やオープナー34の動作中、すなわち、糸太さ検
出器19に糸が無い状態でゼロ点調整が行われる。
【0057】巻取巻糸体6がベルトコンベア29上に排
出されると、図6(c)に示すように、クレードル12
は開いたまま綾振ドラム13に向かって下降し、巻取管
7が装着できる位置となる。なお、下降途中に一旦閉じ
た後、下降端で再度開くようにクレードル12を下降さ
せてもよい。そして、チャッカー35が巻取管供給装置
から受け取った巻取管7を把持し、綾振ドラム13の上
まで巻取管7が運ばれ、クレードル12のボビンホルダ
の間にセットされる。つぎに、糸拾いレバー31が上昇
し、上昇過程で下糸y2を糸寄せレバー32に掛け、糸
拾いレバー31のカッター31aと糸寄せレバー32と
の間で、下糸y2が開いたクレードル12と巻取管7と
の間を横切るようにする。つぎに、オープナー34がク
レードル12を閉じると、下糸y2は巻取管7の端に挟
まれて装着される。つぎに、一瞬だけパッケージブレー
キ27を作動させ、巻取管7とボビンホルダのずれの矯
正を行う。なお、これら一連の動作は、巻取管7が綾振
ドラム13に接する状態で行われる。
【0058】巻取管7への糸掛け(糸付け)が終わる
と、図6(d)に示すように、玉揚装置3は通信手段5
6a、56bを介して巻取ユニット2に信号を送り、綾
振ドラム13を低速回転させ、巻取管7の端にバンチ巻
を形成し、次いで、綾振ドラム13を高速回転させて給
糸巻糸体5の巻き上げを再開する。なお、中継パイプ2
2は、図6(b)で導入位置dまで旋回移動した後、図
6(d)で巻き上げを再開するまでに、下向き状態であ
る待機位置bへの復帰が完了している。
【0059】次に、玉揚装置3を使った初期糸付け動作
を以下に説明する。この初期糸付け動作は、クレードル
12に巻取巻糸体6が無い状態で、最初の給糸巻糸体5
を巻取位置に供給して行われる動作であって、巻取管7
をクレードル12(巻取管支持手段)に装着するとと
も、その巻取管7に給糸巻糸体5の糸端を装着(糸付
け)する動作である。
【0060】まず、巻取ユニット2の巻取位置に給糸巻
糸体5が供給される。このとき、給糸巻糸体5の糸端
は、芯管内に垂れ下がった状態になっている。中継パイ
プ22が下向き待機位置aから糸捕捉位置bに少しだけ
旋回し、クランプ装置22bがストッパーに当たって開
き、下糸捕捉口22aが開放状態になる。この状態で、
給糸巻糸体5の糸端が上方に向かって吹き上げられ、中
継パイプ22に糸端が捕捉される。この後、中継パイプ
22が玉揚待機位置cまで旋回移動し、一時停止する。
この状態で、巻取ユニット2のユニットコントローラ4
1から玉揚要求信号が機台コントローラ43を介して玉
揚装置3の玉揚コントローラ43に出力される。
【0061】玉揚要求信号を受信した玉揚装置3が当該
巻取ユニット2の真上で停止し、前述したように、巻取
巻糸体6の交換動作を行う場合と同様の玉揚動作を行
う。この到着タイミングが、パルス信号として通信手段
56a、56bを介して玉揚コントローラ42からユニ
ットコントローラ41へと送信される。このパルス信号
を受信すると、ユニットコントローラ41は、クリアラ
ーコントローラ60に対して、ゼロ点補正信号を送信す
る。このゼロ点補正信号の送信タイミングについては、
前述した巻取巻糸体6の交換動作時と同様に、糸太さ検
出器19に糸が無い期間において適宜変更可能である。
【0062】以上が、本実施形態例に係る糸条巻取機1
の説明である。本実施形態例によると、巻取ユニット2
の各動作を制御するユニットコントローラ41が、クリ
アラーコントローラ60に対してゼロ点補正信号を送信
する機能を備えており、玉揚装置3の動作中に送信を行
うため、玉揚動作中に、クリアラーコントローラ60に
よるゼロ点調整を行うことができる。したがって、玉揚
動作完了後の糸巻取開始直後に、糸太さ検出値における
ゼロ点のずれが生じていることもなく、無駄な糸切断が
行われてしまうことを確実に防止できる。そして、無駄
な糸切断による糸継ぎ動作によって、上糸の吸引捕捉に
より巻取管に巻かれた上糸が無くなってしまうことも防
止でき、作業能率の低下も抑制できる。
【0063】また、実施の形態は、上記に限定されるも
のではなく、例えば、次のように実施されるものであっ
てもよい。
【0064】(1)玉揚動作中のゼロ点補正信号の送信
タイミングとしては、必ずしも、玉揚装置3の到着タイ
ミングや糸拾いレバー31の下糸捕捉タイミングなどの
所定の機器の動作タイミングに合わせるものでなくても
よく、玉揚動作中であれば、どのようなタイミングに設
定されるものであってもよい。例えば、所定の機器の動
作タイミングから所定時間経過後にタイマーにより設定
されるものなど、玉揚動作中であって、糸太さ検出器1
9に糸が無い状態であれば、任意に特定されるタイミン
グであってもよい。
【0065】(2)本実施形態例においては、玉揚装置
は、複数の巻取ユニットの並設方向に沿って走行自在に
配設されているが、各巻取ユニットに対してそれぞれ玉
揚装置が備えられるものであっても本発明を適用し得
る。この場合、玉揚装置は、各巻取ユニットに組み込ま
れることになり、巻取ユニットのユニットコントローラ
と玉揚装置の玉揚コントローラとは、通信ケーブルを介
して直接に通信可能に接続されている。したがって、玉
揚装置の到着タイミングでなく、ユニットコントローラ
が玉揚要求信号を玉揚コントローラに送信するとともに
ゼロ点補正信号をクリアラーコントローラに送信する構
成とすることができる。
【0066】(3)本実施形態例においては、玉揚装置
を備える糸条巻取機について説明したものであるが、玉
揚装置を備えず、手動により玉揚操作を行う糸条巻取機
であっても本発明は適用可能である。この場合、巻取ユ
ニットには、玉揚準備動作を巻取ユニットに行わせるた
めに作業者が操作する操作手段(操作ボタン)が設けら
れ、ユニットコントローラは、操作手段の操作に関連し
て、巻取ユニットを玉揚準備状態とすべく制御するとと
もに、クリアラーコントローラに対してゼロ点補正信号
を出力する構成とすることができる。これによると、操
作手段の操作に伴い、ゼロ点補正信号の送信が行われる
ため、玉揚動作完了時には、クリアラーコントローラで
のゼロ点調整が行われていることになる。したがって、
玉揚動作完了後の糸巻取開始直後に、糸太さ検出値にお
けるゼロ点のずれが生じていることもなく、無駄な糸切
断が行われてしまうことを確実に防止できる。なお、操
作手段は、巻取ユニット毎に設けられることが好まし
い。また、巻取ユニットは、給糸巻糸体の糸端を捕捉
し、捕捉した糸端を巻取巻糸体に近付ける方向に案内す
る下糸捕捉案内手段(中継パイプ22)を備え、玉揚準
備状態とは、その下糸捕捉案内手段を玉揚準備位置まで
移動(旋回)させた状態である。より具体的には、玉揚
準備状態とは、下糸捕捉口22aが糸継装置20を越え
る位置まで中継パイプ22を巻取巻糸体6に向かって持
ち上げた状態である。
【0067】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よると、巻取ユニットの各動作を制御するユニットコン
トローラが、クリアラーコントローラに対してゼロ点補
正信号を送信する機能を備えており、玉揚装置の玉揚動
作中に送信を行うため、玉揚動作完了時には、クリアラ
ーコントローラでのゼロ点調整が行われていることにな
る。したがって、玉揚動作完了後の糸巻取開始直後に、
糸太さ検出値におけるゼロ点のずれが生じていることも
なく、無駄な糸切断が行われてしまうことを確実に防止
できる。そして、無駄な糸切断による糸継ぎ動作によっ
て、上糸の吸引捕捉により巻取管に巻かれた上糸が無く
なってしまうことも防止でき、作業能率の低下も抑制で
きる。
【0068】請求項2の発明によると、玉揚装置とユニ
ットコントローラとに通信手段が備えられており、ユニ
ットコントローラは、玉揚装置による玉揚動作中の特定
のタイミングを把握することができ、この特定のタイミ
ングで、ユニットコントローラが、ゼロ点補正信号をク
リアラーコントローラに送信することができる。すなわ
ち、玉揚動作を開始して巻取を再開するまでの間におい
て、毎回同じタイミングでゼロ点調整を行うことができ
る。これにより、ゼロ点調整から巻取再開までの時間を
ばらつくことなく毎回一定にでき、ゼロ点のずれが生じ
ることを効果的に抑制できる。
【0069】請求項3の発明によると、複数の巻取ユニ
ットの並設方向に沿って走行自在に配設される玉揚装置
を備える糸条巻取機においても、非接触通信により、ユ
ニットコントローラは、玉揚動作中の特定のタイミング
を把握することができ、請求項2と同様の効果が得られ
る。
【0070】請求項4の発明によると、巻取ユニットの
各動作を制御するユニットコントローラが、クリアラー
コントローラに対してゼロ点補正信号を送信する機能を
備えており、さらに、巻取ユニットを玉揚準備状態とす
べく制御するための操作手段が接続され、この操作手段
の操作に伴い、ゼロ点補正信号の送信が行われるため、
自動玉揚装置を備えず、作業者が手作業により巻取管の
交換作業及び新たな巻取管への糸付け作業を行う場合で
も、玉揚動作完了時には、クリアラーコントローラでの
ゼロ点調整が行われていることになる。したがって、玉
揚動作完了後の糸巻取開始直後に、糸太さ検出値におけ
るゼロ点のずれが生じていることもなく、無駄な糸切断
が行われてしまうことを確実に防止できる。そして、無
駄な糸切断による糸継ぎ動作によって、上糸の吸引捕捉
により巻取管に巻かれた上糸が無くなってしまうことも
防止でき、作業能率の低下も抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態例に係る糸条巻取機における糸太さ
検出器のゼロ点調整機能を説明する図である。
【図2】本実施形態例に係る糸条巻取機における巻取ユ
ニットの機器構成を示す図である。
【図3】本実施形態例に係る糸条巻取機全体の機器構成
を示す正面図である。
【図4】本実施形態例に係る糸条巻取機の制御構成を示
すブロック図である。
【図5】本実施形態例に係る糸条巻取機における玉揚時
の動作手順を示す図である。
【図6】本実施形態例に係る糸条巻取機における玉揚時
の動作手順を示す図である。
【符号の説明】
1 糸条巻取機 2 巻取ユニット 3 玉揚装置 5 給糸巻糸体 6 巻取巻糸体 7 巻取管 19 糸太さ検出器 41 ユニットコントローラ 42 玉揚コントローラ 43 機台コントローラ 60 クリアラーコントローラ 61 ゼロ点調整手段 62 糸太さ欠点検出手段

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 給糸巻糸体の糸を引き上げて巻取管に巻
    き取って巻取巻糸体とする複数の巻取ユニットと、前記
    巻取巻糸体を外して新たな巻取管をセットして糸端を装
    着する玉揚装置とを備える糸条巻取機であって、 前記巻取ユニットの各動作を制御するユニットコントロ
    ーラと、前記給糸巻糸体と前記巻取巻糸体との間の糸道
    に配設される糸太さ検出器と、前記糸太さ検出器のゼロ
    点調整機能を備えるクリアラーコントローラとを有し、 前記ユニットコントローラは、前記玉揚装置の玉揚動作
    中に前記クリアラーコントローラに対してゼロ点補正信
    号を送信することを特徴とする糸太さ検出器を備える糸
    条巻取機。
  2. 【請求項2】 前記玉揚装置は、前記玉揚装置と前記ユ
    ニットコントローラとに備えられる通信手段を介して、
    前記玉揚動作中の特定タイミングに前記ユニットコント
    ローラに対して所定の信号を送信し、前記ユニットコン
    トローラは、前記玉揚装置から受信した信号に基づいて
    前記クリアラーコントローラに対して前記ゼロ点補正信
    号を送信することを特徴とする請求項1に記載の糸太さ
    検出器を備える糸条巻取機。
  3. 【請求項3】 前記玉揚装置は、前記複数の巻取ユニッ
    トの並設方向に沿って走行自在に配設され、前記通信手
    段は、非接触通信により送受信を行うものであることを
    特徴とする請求項2に記載の糸太さ検出器を備える糸条
    巻取機。
  4. 【請求項4】 給糸巻糸体の糸を引き上げて巻取管に巻
    き取って巻取巻糸体とする複数の巻取ユニットと、前記
    巻取ユニットの各動作を制御するユニットコントローラ
    と、前記給糸巻糸体と前記巻取巻糸体との間の糸道に配
    設される糸太さ検出器と、糸太さ検出器のゼロ点調整機
    能を備えるクリアラーコントローラとを備えた糸条巻取
    機であって、 前記ユニットコントローラに接続される操作手段を有
    し、 前記ユニットコントローラは、前記操作手段の操作に関
    連して、前記巻取ユニットを玉揚準備状態とすべく制御
    するとともに、前記クリアラーコントローラに対してゼ
    ロ点補正信号を出力することを特徴とする糸太さ検出器
    を備える糸条巻取機。
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