JP2003104198A - 軌道車両の案内装置 - Google Patents

軌道車両の案内装置

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JP2003104198A
JP2003104198A JP2001303712A JP2001303712A JP2003104198A JP 2003104198 A JP2003104198 A JP 2003104198A JP 2001303712 A JP2001303712 A JP 2001303712A JP 2001303712 A JP2001303712 A JP 2001303712A JP 2003104198 A JP2003104198 A JP 2003104198A
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guide wheels
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Yozo Fukumoto
陽三 福本
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Kobe Steel Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基本的には拘束誘導方式をとりながら、台車
の一定範囲での自由な旋回運動を許容し、とくに軌道の
曲線部や不整部等の線形の変化部分において案内輪に作
用する旋回反力を軽減する。 【解決手段】 台車12の走行方向前側に左右の前側案
内輪15,15、後側に左右の後側案内輪16,16を
それぞれ設け、基本的にはこの案内輪15,15,1
6,16によって台車12の動きを規制する拘束誘導方
式をとりながら、後側案内輪16,16と軌道Aの案内
面A1,A1との間に隙間cを設け、この隙間cの範囲
で、非拘束誘導方式のように台車12の旋回運動を許容
する構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はゴムタイヤ式の走行
輪によって軌道上を走行する軌道車両の案内装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】軌道車両は、車体が搭載される台車(ボ
ギー台車)の前後両側にゴムタイヤ式の左右の案内輪を
設け、この案内輪を、軌道に設けられた案内面に接触さ
せることによって台車を誘導する構成となっている。
【0003】従来、この軌道車両の案内方式として、 台車の前後いずれか一方のみに左右の案内輪を設け、
この案内輪と案内面のステアリング機能により、台車を
非拘束状態で誘導する非拘束誘導方式(ステアリング方
式)、 台車の前後両側に左右の案内輪を設け、各案内輪を案
内面に接触させることにより、台車を案内面で規制した
状態で誘導する拘束誘導方式 が公知となっている。
【0004】このうち、の非拘束誘導方式では、台車
の自由な旋回運動を許容するが、旋回角度を無制限に許
容すると台車が軌道から逸脱するおそれがあるため、過
旋回防止用のストッパを設ける必要がある。ところが、
このストッパが働いた状態で台車にかかる作用力のすべ
てが左右いずれか一方の案内輪に集中するため、強度
上、非常に不利となる。
【0005】一方、の拘束誘導方式をとる軌道車両と
その案内装置の構成を図8〜図12に示している。
【0006】ここでは、図8,9に示すように、左右の
走行輪1,1によって軌道A上を走行する二つの台車
2,2が前後に配置され、この両台車2,2間に跨って
車体3が搭載されて1両の軌道車両が構成された場合を
例示している。
【0007】台車2には、走行方向前側に前側案内軸
4,同後側に後側案内軸5がそれぞれ左右方向に水平に
設けられ、前側案内軸4の両端に左右の前側案内輪6,
6、後側案内軸5の両端に左右の後側案内輪7,7がそ
れぞれ台車側方に張り出して設けられている。
【0008】各各案内輪6,7は垂直軸まわりに回転自
在に取付けられ、この各案内輪6,7が、軌道Aの左右
両側に設けられた案内面A1,A1に接触した状態で台
車2が走行する。
【0009】図8中、8は台車2の中心部に設けられた
旋回ベアリングである。
【0010】この拘束誘導方式では、前後両側の案内輪
6,7で案内面A1,A1からの作用力を分担するた
め、非拘束誘導方式と比較して強度上格段に有利とな
る。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の拘束
誘導方式によると、前側及び後側の左右の案内輪6,7
と案内面A1,A1によって台車2の動きが強く規制さ
れ、旋回運動ができないため、次のような問題が生じて
いた。
【0012】とくに、軌道の曲線部分や図12に示す不
整部(部分的に案内面A1が傾斜したり凹んだりした部
分)、曲線の出入り口部分といった軌道線形の変化部分
において、とくに後側の案内輪7によって台車2の旋回
運動が規制されることで、台車全体がこの規制された案
内輪7を支点として強制的かつ衝撃的に旋回させられ、
その反力としての大きな力が他の案内輪6,6,7に作
用する。
【0013】これにより、案内輪6,7及び案内軸4,
5に過大な力が作用するとともに、とくに上記軌道線形
の変化部分においてスムーズに走行できずに乗り心地が
悪くなる。また、走行輪1,1が受ける横滑り力も大き
くなるため、走行輪1,1の異常摩耗が発生し易い。
【0014】そこで本発明は、基本的には拘束誘導方式
をとりながら、台車の一定範囲での自由な旋回運動を許
容し、とくに軌道の曲線部や不整部等の線形の変化部分
において案内輪に作用する旋回反力を軽減することがで
きる軌道車両の案内装置を提供するものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、走行
輪によって軌道上を走行する台車の前後両側にそれぞれ
左右の案内輪が設けられ、このうち走行方向前側の左右
の案内輪は、主案内輪として、直線走行状態を含む各走
行状態を通じて、軌道に設けられた案内面に接触して車
両の案内作用を行い得る間隔を有し、後側の左右の案内
輪は、補助案内輪として、直線走行状態で上記案内面と
の間に隙間が形成される間隔を有し、上記隙間の範囲で
台車の旋回運動を許容し得るように構成されたものであ
る。
【0016】請求項2の発明は、請求項1の構成におい
て、前側及び後側の左右の案内輪は、軌道の左右両側に
設けられた案内面に対応して台車の左右両側に設けら
れ、後側左右の案内輪は、前側左右の案内輪の間隔より
も小さい間隔を置いて設けられたものである。
【0017】請求項3の発明は、請求項1または2の構
成において、前後進の切換えに応じて前側及び後側案内
輪の間隔を変更し得るように、案内輪が取付けられた前
後両側案内軸が伸縮機構によって伸縮自在に構成された
ものである。
【0018】請求項4の発明は、請求項3の構成におい
て、固定軸の軸方向両側に伸縮機構としての流体圧シリ
ンダが取付けられ、この両側流体圧シリンダに可動軸が
連結されて前後両側の案内軸が構成されたものである。
【0019】請求項5の発明は、請求項4の構成におい
て、流体圧シリンダに圧力が作用しない状態で案内軸を
伸長させるバネが設けられたものである。
【0020】請求項6の発明は、請求項3の構成におい
て、中空状の固定軸内にターンバックルが設けられ、こ
のターンバックルの軸方向両側に雌ねじ部、両側可動軸
に雄ねじ部がそれぞれ設けられ、この雄ねじ部が上記雌
ねじ部にねじ込まれ、かつ、上記ターンバックルをその
軸心まわりに回転駆動するモータが設けられてターンバ
ックル式の伸縮機構が構成されたものである。
【0021】請求項7の発明は、請求項3の構成におい
て、中空状の固定軸の軸方向両側に可動軸がテレスコー
プ状に伸縮自在に嵌合連結され、この固定軸と可動軸の
間に、V字形に連結された拡縮可能なリンク機構が設け
られ、かつ、このリンク機構を拡縮駆動する駆動体が設
けられて伸縮機構が構成されたものである。
【0022】上記構成によると、基本的には、台車の前
後両側に設けられた左右の案内輪によって台車の動きを
規制する拘束誘導方式をとりながら、後側案内輪と軌道
案内面との間に形成された隙間の範囲で、非拘束誘導方
式のように台車の旋回運動が許容されるため、軌道の曲
線部や不整部等の軌道線形の変化部分で案内輪に作用す
る旋回反力を軽減することができる。
【0023】このため、従来の拘束誘導方式と比較し
て、案内輪等のダメージを少なくできるとともに、乗り
心地を改善し、かつ、軌道線形の変化部分でもスムーズ
に走行することができる。
【0024】なお、本発明は、従来技術の説明で例示し
た、側方に張り出して設けた案内輪と軌道左右両側の案
内面によって案内作用を行う案内装置(請求項2)に好
適なものであるが、台車及び軌道の中央に設けた案内輪
と案内面で案内作用を行う中央案内式をとる案内装置に
も適用することができる。
【0025】また、本発明は、一方向のみに走行する車
両に限らず、前後進の切換が可能な車両にも適用するこ
とができる。
【0026】この場合、請求項3の構成によると、前後
進切換式の車両において、前後進の切換えに応じて、案
内軸を伸長または縮小させて案内輪の間隔を走行方向の
前側で広く、後側で狭くなるように簡単に変更すること
ができる。
【0027】とくに、請求項4の流体圧シリンダを伸縮
機構として用いれば、上記間隔の切換えを、遠隔操作に
よる流体圧の給排のみによって迅速に行うことができ
る。
【0028】また、請求項5の構成によると、万が一、
流体圧が低下する異常事態が生じても、バネの力によっ
て案内輪間隔が広がって従来の拘束誘導方式になるだけ
であるため、走行に支障が無く、安全となる。
【0029】一方、請求項6,7の構成によると、ター
ンバックル式またはV字リンク式の伸縮機構を用いるた
め、構成が簡単で小形、軽量かつコストが安くてすみ、
しかも信頼性、保守性の点で有利となる。
【0030】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態を図1〜図7に
よって説明する。
【0031】以下の実施形態においては、一つの台車と
その案内装置のみについて図示及び説明し、車体及び車
両全体の図示、説明は省略する。また、以下の実施形態
では側方案内式の案内装置を例にとっている。
【0032】基本実施形態(図1〜図3参照) 図において、11,11は左右の走行輪、12はこの走
行輪11,11によって軌道A上を走行する台車(1軸
ボギー台車)で、この台車12の前側に前側案内軸1
3,後側に後側案内軸14がそれぞれ左右方向に水平に
設けられ、前側案内軸13の両端に前側案内輪15,1
5、後側案内軸14の両端に後側案内輪16,16がそ
れぞれ水平姿勢で縦軸まわりに回転自在に取付けられて
いる。
【0033】ここで、前側左右の案内輪15,15の間
隔L1は、主案内輪として両側案内面A1,A1に接触
して誘導作用を行う寸法(両側案内面A1,A1間の間
隔と同じかわずかに小さい寸法、あるいは案内輪15の
たわみを見込んだわずかに大きい寸法)に設定されてい
る。
【0034】これに対し、後側案内輪16,16の間隔
L2は、(イ)前側案内輪間隔L1よりも小さくて、
(ロ)直線走行時には両側案内面A1,A1との間に一
定の隙間cを保ち、(ハ)台車12に旋回力が作用した
場合に一定角度αでの旋回運動を許容しうる寸法に設定
されている。
【0035】上記隙間cは次のようにして設定される。
【0036】台車12は、旋回力が作用した場合に台車
中心Oまわりに旋回するが、この旋回によって前後の左
右同じ側の案内輪15,16が同時に一方の案内面A1
に接触した状態で、車両(車体)が駅のブラットフォー
ムや軌道側方の付属物等の地上構造物と接触しないよう
に後側案内輪16,16の間隔L2が設定される。
【0037】すなわち、台車12の横移動量は、旋回中
心O位置での横移動量aで代表され、この横移動量a
は、幾何学的には前後の案内軸13,14(案内輪1
5,16)と旋回中心Oとの前後方向の位置関係で定ま
り、図例のように前後対称に構成される場合は、左右片
側の後側案内輪16と案内面A1との間の隙間cの1/
2となる。そこで、地上側構造物に接触しないという条
件での車体(台車12)の最大横移動量が定まれば、そ
の値の2倍を片側の隙間cとして定めることができ、こ
れによって案内輪間隔L2を設定することができる。
【0038】上記のように案内輪間隔L1,L2を設定
したこの案内装置によれば、直線走行時は、図1に示す
ように案内面A1,A1に接触した前側案内輪15,1
5によって台車12が誘導され、後側案内輪16,16
は案内面A1,A1との間に一定の隙間cを保つ。
【0039】一方、図2に示すような軌道曲線部や、図
3に示すような軌道が傾斜した不整部、あるいは図示し
ないが曲線の出入り口部分といった軌道の線形変化部分
において台車12に旋回力が作用した場合に、後側案内
輪16,16と案内面A1,A1との間の隙間cの範囲
(角度α)で台車12の旋回運動が許容され、この許容
範囲を超えると一方の後側案内輪16が一方の案内面A
1に接触して過旋回を防止する。
【0040】すなわち、後側案内輪16,16によって
非拘束誘導方式の利点である自由な旋回運動を確保しな
がら、案内輪15,16及び案内軸13,14に作用す
る旋回反力を軽減することができる。
【0041】このため、従来の拘束誘導方式と比較し
て、案内輪等のダメージを少なくできるとともに、乗り
心地を改善し、かつ、軌道線形の変化部分でもスムーズ
に走行することができる。
【0042】ところで、上記実施形態では、一方向のみ
に走行する車両用の案内装置として前後の案内輪間隔L
1,L2を固定して定める場合について説明したが、前
後進する車両用の案内装置においては、前進時と後進時
で案内輪15,16の前後位置関係が逆転するため、案
内輪間隔L1,L2の大小関係を逆にする必要がある。
そこで、前後の案内軸13,14を伸縮可能とし、前後
進の切換えに応じて案内軸13,14を縮小または伸長
させることにより、案内輪間隔L1,L2を変更(逆
転)できるように構成するのが望ましい。以下にこの伸
縮構造の数例を挙げる。ここでは基本実施形態における
前側案内軸13を例にとって説明するが、後側案内軸1
4も同様に構成される。
【0043】流体圧シリンダ式(図4,5参照) 案内軸13は、台車(ここでは図示しない)に固定され
た固定軸17の両端に可動軸18が流体圧シリンダ式伸
縮機構19を介して連結され、同伸縮機構19によって
伸縮する。
【0044】流体圧シリンダ式伸縮機構19は、流体圧
シリンダ(圧縮空気を用いた空圧シリンダまたは油圧シ
リンダ)20を備え、同シリンダ20のチューブ端が固
定軸17に、ロッド端が可動軸18にそれぞれ連結され
ている。
【0045】また、流体圧シリンダ20と可動軸18の
間に圧縮コイルバネ(以下、単にバネという)21が設
けられ、このバネ21によって可動軸18が外向き(案
内軸13が伸長する方向)に付勢されている。図中、2
2はバネ21の外周を覆うバネカバー、23はさらにこ
のバネカバー22と可動軸18との間の隙間を覆う蛇腹
状の外カバーである。
【0046】図4はこの案内軸13が伸長した状態を示
し、このとき案内輪間隔L1は、図1等に示すように軌
道両側案内面A1,A1に接触する寸法となる。
【0047】この状態から,車両が後進に切換えられる
に際して案内輪間隔L1を小さくするときは、図5中に
示すように流体圧シリンダ20のロッド側に流体圧を供
給し、ヘッド側から流体圧を排出する。
【0048】こうすると、同シリンダ20がバネ21に
抗して縮小作動するため、案内軸13が縮小して案内輪
間隔L1が図1における後側案内輪間隔L2と同じ寸法
に縮小する。
【0049】このとき、後側案内軸(図4,5では図示
しない)については、逆に伸長させて後側案内輪間隔L
2を図1のL1に広げる操作が行われる。
【0050】こうして、案内輪間隔の切換えを、遠隔操
作による流体圧の給排のみによって迅速に行うことがで
きる。
【0051】また、万が一、シリンダ20の流体圧が低
下する異常事態が生じても、バネ21の力によって案内
輪間隔が広がって従来の拘束誘導方式になるだけである
ため、走行に支障が無く、安全となる。
【0052】なお、上記伸縮の切換えの確認手段とし
て、図4に示すようにたとえば流体圧シリンダ20のチ
ューブ外周に位置検出用のセンサ24,25を設け、こ
のセンサ24,25により流体圧の圧力または同シリン
ダ20のピストン位置等を検出して伸縮切換え状態に異
常や不調が発生した場合はコントローラ26から警報器
27に信号を出力して警報を発するように構成するのが
望ましい。 (1)ターンバックル式(図6参照) 案内軸13は、中空の固定軸28の内部に設けられたタ
ーンバックル29の軸方向両側に可動軸30,30が連
結されて伸縮自在に構成されている。
【0053】すなわち、ターンバックル29は、外周に
歯車(図示しない)を有し、この外周歯車に、モータ
(電動機または流体圧モータ)31を駆動源とする駆動
歯車32が、固定軸28の窓穴28aを介して噛合し、
回転することによってターンバックル29がその軸心ま
わりに回転する。
【0054】ターンバックル29は両端に雌ねじ部3
3,33を有し、この両雌ねじ部33,33に、可動軸
30,30の雄ねじ部34,34がねじ込まれている。
【0055】両側雌ねじ部33,33及び雄ねじ部3
4,34には互いに逆方向のねじが切られ、前記のよう
にターンバックル29が回転することにより、その回転
方向に応じて両側雄ねじ部34,34が同時に外側また
は内側に螺進退移動し、これにより両側可動軸30,3
0が外向または内向きに移動して案内軸13が伸長また
は縮小するようになっている。 (2)V字リンク式(図7参照) 案内軸13は、中空固定軸35の両端に可動軸36,3
6が嵌合されてテレスコープ状に伸縮自在に構成されて
いる。
【0056】両側可動軸36,36にはそれぞれリンク
37,37が取付けられ、この両リンク37,37が固
定軸35内でV字形に連結されて拡縮可能なV字リンク
機構が構成されるとともに、同機構の拡縮駆動源として
の駆動体38が設けられてV字リンク式の伸縮機構39
が構成されている。
【0057】駆動体38としては、小形の流体圧(空圧
又は油圧)シリンダや、ねじシリンダ等の機械的伸縮装
置が用いられ、この駆動体38の縮小作動により仮想線
で示すように両リンク36,36によるV字が狭まっ
て、両側可動軸36,36が内向きに引き寄せられ(案
内軸13が縮小し)、伸長作動により両リンク36,3
6が逆V字形に広がって、両側可動軸36,36が外向
きに押し出される(案内軸13が伸長する)ように構成
されている。
【0058】なお、上記伸長時に、両リンク36,36
の連結点(逆V字の頂点)が、案内軸13の軸心(死
点)を越えて固定軸35の内面に当接する。このため、
案内軸13が案内輪15から縮小力を受けても勝手に縮
まるおそれがない。
【0059】前記(2)のターンバックル式およびこの
V字リンク式両伸縮機構29,39によると、(1)の
流体圧シリンダ式伸縮機構19と比較して、構成が簡単
で小形、軽量かつコストが安くてすみ、しかも信頼性、
保守性の点で有利となる。
【0060】その他の実施形態 (i)上記各実施形態では側方案内式の案内装置を適用
対象として例示したが、本発明は、軌道中央側に案内面
(案内レール)及び案内輪を設け、左右の案内輪間に案
内面を挟み込む中央案内式の案内装置にも適用すること
ができる。
【0061】この場合、上記実施形態の場合とは逆に、
前側左右の案内輪間隔を狭く、後側案内輪間隔を広く設
定すればよい。
【0062】(ii)上記実施形態では、台車12に1
本の車軸を設けた1軸ボギー台車を例示したが、本発明
は台車12に前後2本の車軸を設けた2軸ボギー台車に
も上記同様に適用することができる。
【0063】(iii)上記実施形態では、前側及び後
側各案内輪15,16を左右一つずつで計四つ設けた案
内装置を例示したが、本発明は、前側及び後側の左右に
それぞれ案内輪15,16を二つずつ、前後または上下
に分けて設けた複輪構造の案内装置にも適用することが
できる。
【0064】
【発明の効果】上記のように本発明によると、台車の前
後両側にそれぞれ左右の案内輪を設け、基本的にはこの
案内輪によって台車の動きを規制する拘束誘導方式をと
りながら、後側案内輪と軌道案内面との間に隙間を設
け、この隙間の範囲で、非拘束誘導方式のように台車の
旋回運動を許容する構成としたから、軌道の曲線部や不
整部等の軌道線形の変化部分で案内輪に作用する旋回反
力を軽減することができる。
【0065】このため、従来の拘束誘導方式と比較し
て、案内輪等のダメージを少なくできるとともに、乗り
心地を改善し、かつ、軌道線形の変化部分でもスムーズ
に走行することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本実施形態にかかる案内装置の平面
図である。
【図2】同案内装置の軌道曲線部での作用を説明するた
めの平面図である。
【図3】同案内装置の軌道不整部での作用を説明するた
めの平面図である。
【図4】本発明の他の実施形態の1として案内軸を流体
圧シリンダ式伸縮機構によって伸縮自在に構成した場合
の一部断面平面図である。
【図5】図4の状態から案内軸を縮小させた状態の図4
相当図である。
【図6】本発明の他の実施形態の2として案内軸をター
ンバックル式伸縮機構によって伸縮自在に構成した場合
の一部断面平面図である。
【図7】本発明の他の実施形態の3として案内軸をV字
リンク式伸縮機構によって伸縮自在に構成した場合の一
部断面平面図である。
【図8】従来の案内装置と軌道車両を示す平面図であ
る。
【図9】同側面図である。
【図10】同正面図である。
【図11】従来の案内装置の拡大平面図である。
【図12】同装置の軌道不整部での作用を説明するため
の平面図である。
【符号の説明】
11 走行輪 12 台車 13 前側案内軸 14 後側案内軸 15,15 前側左右の案内輪 16,16 後側左右の案内輪 A 軌道 A1 軌道の案内面 c 後側案内輪と案内面との間の隙間 17 伸縮自在な案内軸を構成する固定軸 18,18 同可動軸 19 流体圧シリンダ式伸縮機構 20 流体圧シリンダ 21 バネ 28 伸縮自在な案内軸を構成する中空固定軸 30,30 同可動軸 29 ターンバックル 31 ターンバックルを回転させるモータ 32 同歯車 33,33 雌ねじ部 34,34 雄ねじ部 35 伸縮自在な案内軸を構成する固定軸 36,36 同可動軸 39 V字リンク式伸縮機構 37,37 同機構を構成するリンク 38 同駆動体

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 走行輪によって軌道上を走行する台車の
    前後両側にそれぞれ左右の案内輪が設けられ、このうち
    走行方向前側の左右の案内輪は、主案内輪として、直線
    走行状態を含む各走行状態を通じて、軌道に設けられた
    案内面に接触して車両の案内作用を行い得る間隔を有
    し、後側の左右の案内輪は、補助案内輪として、直線走
    行状態で上記案内面との間に隙間が形成される間隔を有
    し、上記隙間の範囲で台車の旋回運動を許容し得るよう
    に構成されたことを特徴とする軌道車両の案内装置。
  2. 【請求項2】 前側及び後側の左右の案内輪は、軌道の
    左右両側に設けられた案内面に対応して台車の左右両側
    に設けられ、後側左右の案内輪は、前側左右の案内輪の
    間隔よりも小さい間隔を置いて設けられたことを特徴と
    する請求項1記載の軌道車両の案内装置。
  3. 【請求項3】 前後進の切換えに応じて前側及び後側案
    内輪の間隔を変更し得るように、案内輪が取付けられた
    前後両側案内軸が伸縮機構によって伸縮自在に構成され
    たことを特徴とする請求項1または2記載の軌道車両の
    案内装置。
  4. 【請求項4】 固定軸の軸方向両側に伸縮機構としての
    流体圧シリンダが取付けられ、この両側流体圧シリンダ
    に可動軸が連結されて前後両側の案内軸が構成されたこ
    とを特徴とする請求項3記載の軌道車両の案内装置。
  5. 【請求項5】 流体圧シリンダに圧力が作用しない状態
    で案内軸を伸長させるバネが設けられたことを特徴とす
    る請求項4記載の軌道車両の案内装置。
  6. 【請求項6】 中空状の固定軸内にターンバックルが設
    けられ、このターンバックルの軸方向両側に雌ねじ部、
    両側可動軸に雄ねじ部がそれぞれ設けられ、この雄ねじ
    部が上記雌ねじ部にねじ込まれ、かつ、上記ターンバッ
    クルをその軸心まわりに回転駆動するモータが設けられ
    てターンバックル式の伸縮機構が構成されたことを特徴
    とする請求項3記載の軌道車両の案内装置。
  7. 【請求項7】 中空状の固定軸の軸方向両側に可動軸が
    テレスコープ状に伸縮自在に嵌合連結され、この固定軸
    と可動軸の間に、V字形に連結された拡縮可能なリンク
    機構が設けられ、かつ、このリンク機構を拡縮駆動する
    駆動体が設けられて伸縮機構が構成されたことを特徴と
    する請求項3記載の軌道車両の案内装置。
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